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目次 小麦の流通の概要 小麦の種類と用途 現行の輸入小麦の政府売渡

第5回 農地・農村部会 資料 /8

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

2 麦類 ( 子実用 ) (1) 4 麦計平成 24 4 麦の作付面積 ( 子実用 ) は26 万 9,5haで 前に比べて2,2ha(1%) 減少した ( 表 8) 麦種別には 二条大麦は前に比べて7ha(2%) 増加したものの 小麦 六条大麦及びはだか麦は前に比べてそれぞれ2,3ha(1%) 3

2. 食料自給率の推移 食料自給率の推移 我が国の食料自給率 ( 総合食料自給率 ) は 長期的に低下傾向で推移してきましたが 近年は横ばい傾向で推移しています (%) (H5 ) 43 7

農林水産省試算の方法 ( 手順 ) (1) 試算対象品目の選定関税率 10% 以上 国内生産額 10 億円以上 ( 米 麦など 19 品目 ) (2) 国産品の分類内外価格差 品質格差の観点から 輸入品と競合する国産品と競合しない国産品に二分 (3) 試算の方法 1 競合する国産品は 輸入品に置き換

国内産麦の流通実態とそれを踏まえた麦産地での対応方向

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

10 ( 参考 ) 望まれる麦の品質 (1) 麦の種類と利用方法 麦種種類加工タンパク質含有量用途 強力小麦強力粉 12% 以上食パン 菓子パン 小麦 デュラム小麦 ( マカロニ小麦 ) セモリナ マカロニスパゲッティ 準強力小麦準強力粉 11~12% 中華めん 普通小麦 薄力小麦 中力粉 10~1

石川県水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 水稲作付面積については 昭和 60 年の 37,700ha から 平成 25 年では 26,900ha と作付 面積で約 10,000ha 作付率で約 30% と大きく減少したものの 本県の耕地面積に占める水稲作 付面積の割合は

71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

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長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

山形県米粉利用拡大プロジェクト

1. 社会福祉法人経営動向調査 ( 平成 30 年 ) の概要 目的 社会福祉法人と特別養護老人ホームの現場の実感を調査し 運営実態を明らかにすることで 社会福祉法人の経営や社会福祉政策の適切な運営に寄与する 対象 回答状況 対 象 特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人 489 法人 (WAM

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

平成 30 年産一番茶の摘採面積 生葉収穫量及び荒茶生産量 ( 主産県 ) - 一番茶の荒茶生産量は前年産に比べ 12% 増加 - 調査結果 1 摘採面積主産県の摘採面積 ( 注 1) は2 万 7,800ha で 前年産に比べ 400ha(1%) 減少した 2 10a 当たり生葉収量主産県の 10

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新規前年度継続 ( 変更あり ) 前年度継続 加工用米助成 ( 基幹作物 ) 豊郷町農業再生協議会整理番号 2 加工用米 ( 基幹作物 ) 1,079 円 /10a 参考となる 3 1,300 円 /10a 豊郷町では加工用米を地域振興作物に位置付けている 一定品質を確保するために 種子更新を行って

規制 制度改革委員会集中討議第 3 日 ( 午前 ) 出席者名簿 委員会構成員 委員長岡素之住友商事株式会社相談役 委員長代理大室康一三井不動産株式会社特別顧問 市川 眞一 クレディ スイス証券株式会社 チーフ マーケット ストラテジスト 大上二三雄 エム アイ コンサルティンググループ株式会社代表

附則この要領は 平成 4 年 1 月 16 日より施行する この要領は 平成 12 年 4 月 3 日より施行する この要領は 平成 30 年 4 月 1 日より施行する 2

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1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

181 第1 小麦の作付面積は 全国の 56% を占める北海道では前年産並みとなったものの 都府県では 関東 九州において二条大麦への転換があった ことから 20 万 7 千 ha と前年に比べてやや減 少しました ( 図 2-17) 大麦 はだか麦の作 付面積は 5 万 9 千 ha と前年に比べ

27 年産以降のゲタ ナラシ対策の交付対象者 ゲタ ナラシ対策の交付対象者は 27 年産から認定農業者 集落営農に認定新規就農者を加えるとともに 規模要件は廃止しました また 交付対象となる集落営農の要件も 2 要件に緩和します 担い手の方が幅広く参加できるようになります また ナラシ移行の円滑化対

目 次 はじめに 1 Ⅰ. 麦を巡る情勢 1 1. 種類と用途 1 2. 作付面積と地域性 2 3. 麦作制度 政策の改正 2 II. 売れる麦に向けた技術開発 3 1. 小麦 実需と産地のニーズに応える新品種 4 日本めん用 4 (1) 見ておいしく 食べてうまい加工適性 4 (2) 日本めん用新

取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

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米に関するマンスリーレポート 新潟県版 2018 年 12 月 今月の特集 1 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 の見直しについて 農林水産省は 11 月 28 日に 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 ( 以下 国の基本指針 ) の変更を行い 平成 31/32 年の主食用米等需要量を

品目別の現状と克服すべき課題 食料 農業 農村基本計画 ( 平成 22 年 3 月閣議決定 ) をもとに整理

H30年産そば方針

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

米消費量小麦消費量食料自給率 一人あたり年間消費量 ( キログラム ) カロリーベース食料自給率 ( % ) ( 昭和 40) 1975 ( 昭和 50) 1985 ( 昭和 60)

ニュースリリース 農業景況調査 : 設備投資 平成 2 9 年 3 月 24 日 株式会社日本政策金融公庫 農業者の設備投資意欲が過去最高 ~ 生産効率関連の農業機械投資が最多 後継者確保に課題も ~ < 平成 28 年下半期農業景況調査関連 > ( 注 1) 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公

蛋白質含量 (%) タンパク含量 グルテン物性と加工用途 高い 中華用 パン用北米産 ブレンド用ゆめちから うどん用オーストラリア産国内産小麦菓子用北米産 強い 薄力 中力 強力 超強力 グルテンの強さ ( 池田 2011 を改変 ) 小麦粉の加工用途に

6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 1 月

資料 6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 12 月

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手

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共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

H28秋_24地方税財源

( 図表 1) 特別養護老人ホームの平米単価の推移 ( 平均 ) n=1,836 全国東北 3 県 注 1) 平米単価は建築工事請負金額および設計監

中酪情報_表紙01月号01

2. 長期係数の改定 保険期間を2~5 年とする契約の保険料を一括で支払う場合の保険料の計算に使用する長期係数について 近年の金利状況を踏まえ 下表のとおり変更します 保険期間 2 年 3 年 4 年 5 年 長期係数 現行 改定後

農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

江府町地域協議会活用明細

22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

Microsoft PowerPoint 【訴求資料・めぐ事】(HP版).ppt

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

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平成 27 年 2 月から適用する公共工事設計労務単価 1 公共工事設計労務単価は 公共工事の工事費の積算に用いるためのものであり 下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない 2 本単価は 所定労働時間内 8 時間当たりの単価である 3 時間外 休日及び深

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通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

1 福祉施設の動向 1.1 特養 平米単価は平成 22 以降初めて低下 近年は高止まりの様相を呈す 地域別では首都圏 近畿地方等で平均を上回る (1) 平米単価 平米単価は 全国平均および首都圏ともに平 成 22 を底に上昇傾向にあったが 平成 29 は初めて低下した ( 図表 1) 長期的にみ れ

(1) 収益構造の概要 売上高総利益率は 1 年度に若干低下した後はほぼ横ばい傾向にある 売上高営業利益率は 1 年度に低下した後は上昇傾向にあったが 5 年度には若干低下している ここでは食品製造業 1,98 社の経営収益構造について概観する 5 年度の売上高総利益率は 対前年度比で横ばいとなって

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規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

ビール系飲料の輸入

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統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

< ( 平成 29 年 9 月分 )> 2010 年平均 =100 ブロック別 北海道地方 東北地方

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病院経営動向調査の概要 2019 年 7 月 3 日 ( 水 ) 独立行政法人福祉医療機構経営サポートセンターリサーチグループ

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農林水産品の合意の概要 品目 合意の概要 米 除外 ( 米国枠は設けない )( 注 1) 小麦 TPP と同内容でマークアップ ( 政府が輸入する際に徴収している差益 ) を 45% 削減 ( 現行の国家貿易制度 枠外税率 (55 円 /kg) を維持 ) TPP と同内容の米国枠 (2019 年度

H22HP用概要版.xlsx

調査結果の主な利活用 食料 農業 農村基本計画における生産努力目標の策定及び達成状況検証のための資料 茶に関する生産振興に資する各種事業 ( 強い農業づくり交付金等 ) の推進のための資料 農業災害補償法 ( 昭和 22 年法律第 185 号 ) に基づく農業共済事業の適正な運営のための資料 累年デ

1 1 A % % 税負 300 担額

調査の目的 全国の自動はかりの設置 使用状況等の実態把握 この度の計量制度見直しにより 平成 年 月より順次 取引又は証明に使用される自動はかりを検定の対象とすることとなった 検定システムを構築するには これらの 自動はかり の全国的な設置状況の実態を把握し 検定に必要なリソースを検討するため 全国

試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 1 月中旬 試験中 試験中 試験終了 12 月中旬 試験中 試験中 試験中 1 月上旬 試験中 試験中 試験中 1

目次 平成 30 年 6 月環境経済観測調査地域別統計表 ページ 表 A 地域別対象企業数及び回答率 1 表 1-1 我が国の環境ビジネス全体の業況 主業別 2 表 1-2 発展していると考える環境ビジネス 4 表 2-1(1) 現在行っている環境ビジネス数 主業別 6 表 2-1(2) 現在行って

Microsoft PowerPoint - めぐる情勢(H28年6月).pptx

波及効果の具体的計算方法 直接効果の推計 1 ( 需要増加額の推計 ) 合計額 ( 単位 : 百万円 ) 開催運営費 10.0 来場者支出額 90.0 飲食費 0.6 交通輸送費 3.0 広報関連経費 1.5 施設 機器レンタル料 1.0 アルバイト人件費 1.6 警備料 2.3 宿泊費

資料 2 農業データ連携基盤の構築について 農業データ連携基盤 (WAGRI) WAGRI とは 農業データプラットフォームが 様々なデータやサービスを連環させる 輪 となり 様々なコミュニティのさらなる調和を促す 和 となることで 農業分野にイノベーションを引き起こすことへの期待から生まれた造語

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

国産粗飼料増産対策事業実施要綱 16 生畜第 4388 号平成 17 年 4 月 1 日農林水産事務次官依命通知 改正 平成 18 年 4 月 5 日 17 生畜第 3156 号 改正 平成 20 年 4 月 1 日 19 生畜第 2447 号 改正 平成 21 年 4 月 1 日 20 生畜第 1

Contents 1 Section Chapter Part Part Chapter Part1 9 Part2 12 Part3 14 Part4 16 Chapter Part1 17 Par

花き産業の概要 1. 花きの動向 (1) 生産の動向 1 花き産業は 生産から中間流通 加工 小売まで広がりを持って展開しており うち花き農業の生産額は 順調に推移してきたものの 平成 10 年の6,345 億円をピークに減少傾向に推移しており 平成 20 年には4,012 億円となっている なお

図表 1 個人保険の新規契約 保有契約 ( 万件 % 億円) 新規契約 保有契約 件数 金額 ( 契約高 ) 件数 金額 ( 契約高 ) 前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 平成 25 年度 1, , , ,575,

平成 22 年第 2 四半期エイズ発生動向 ( 平成 22(2010) 年 3 月 29 日 ~ 平成 22(2010) 年 6 月 27 日 ) 平成 22 年 8 月 13 日 厚生労働省エイズ動向委員会

みかんの輸出 ( 生鮮及び乾燥したもの ) 門司税関の 2014 年輸出数量及び金額 全国第 1 位 平成 27 年 3 月 18 日 門司税関 はじめに 3 月になり 春の足音が聞こえてきますが まだまだ寒い日が続いています 寒い冬の日に コタツでみかんを食べるという日本人の姿はもはや遠い昔になり

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参考 2 麦をめぐる情勢 平成 18 年 3 月 農林水産省

目 次 1 麦の基礎知識 (1) わが国で栽培されている麦の種類 P1 (2) 小麦 大麦の主な用途 P2 (3) 麦の粉食文化 ( 伝統食 ) P5 (4) 麦の生育 ( 小麦の場合 ) P6 (5) 世界の小麦生産量と貿易量 P7 (6) わが国における麦の流通 ( 小麦 ) P8 2 麦をめぐる事情 (1) 麦の需要動向 P9 (2) 麦の生産動向 P11 (3) 麦の生産対策 P15 (4) 新品種の開発 P16 (5) 民間流通の仕組み P17 (6) 麦の管理方式 P18 (7) 国内製粉企業の状況 P19 3 品目横断的経営安定対策の導入に伴う主要食糧法の改正概要 P20

1 小麦の基礎知識 (1) わが国で栽培されている麦の種類 小麦 六条大麦 上から穂をみると 稔実 ( 実がなります ) 小麦は 3 つの実 (3 小花 ) が交互になります ニ条大麦 六条大麦は 6 列 ( 条 ) のすべてに実がなります はだか麦 上から穂をみると 二条大麦は 6 列 ( 条 ) のうちの 2 列 ( 条 ) に実がなります 稔実 ( 実がなります ) 不稔 ( 実がなりません ) はだか麦は 六条大麦と外見はほぼ一緒です はだか麦 と呼ばれるのは簡単に穎 ( えい )( 穀粒を包んでいる皮 ) がとれるためです 1

小麦粉の種類はたんぱく質の量によって薄力粉 ( 菓子用 ) 中力粉( うどん用 ) 準強力粉 ( 中華めん ) 強力粉( パン用 ) に分類 カステラケ-キ和菓子天ぷら粉 うどん即席めんビスケット和菓子 中華めんギョウザの皮 食パン スパゲッティマカロニ 主な用途 ビスケット (2) 小麦 大麦の主な用途 名称薄力粉中力粉準強力粉強力粉デュラム セモリナ たんぱく質の含有 6.5~9.0% 7.5~10.5% 10.5~12.5% 11.5~13.0% 11.0~14.0% 量 原料小麦の種類アメリカ産ウェスタン ホワイト (WW) 国内産豪州産プライムハ-ド豪州産スタンダ-ド (PH) ホワイト (ASW) アメリカ産ハ-ド レッド ウィンタ-(HRW) カナダ産ウェスタン レッド カナダ産デュラム (DRM) スプリング (1CW) アメリカ産ダーク ノ-ザン スプリング (DNS)

小麦粉の特性 小麦粉は たんぱく質 ( グルテン ) の多さで性質が変化 ( グルテニンとグリアジンが結合してグルテンを形成 ) グリアジン : 弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい + グルテニン : 弾力に富むが伸びにくい = グルテン 加える水の量 副材料や添加物の種類 量 こね方によって粘弾力のバランスが変化 3

大麦の主な用途 二条大麦は ビ - ルや焼酎の原料 六条大麦は押し麦 ( 麦飯 ) や麦茶の原料 はだか麦は主に麦みその原料になります 大麦の種類主な用途 二条大麦六条大麦裸麦 ビ-ル焼酎 押し麦 ( 麦飯 ) 麦茶 みそ 徳川家康も麦ごはん? 徳川家康は麦ごはんを主食としていましたが ある日 家来が気をきかせて 白いごはんの上にほんの少しの麦ごはんをのせたものを食事に出したところ 考えもなしに 麦を食べているのでない と言って 家来をしかりつけたという逸話もあります 1 人 1 年当たり大 はだか麦消費量の推移昭和 35 年 8.1kg 平成 16 年 0.3kg 原麦供給先 国内産豪州産 国内産カナダ産 国内産 大麦の特色庶民の健康食として古くから愛されています 食物繊維は白米の19 倍 ビタミンB 1 も豊富 糖尿病や肥満予防にも役立ちます 4

(3) 麦の粉食文化 ( 伝統食 ) わが国には 米食文化と同様に 麦の粉食文化があり 全国に麦を原材料とする伝統食が数多くあります 主な麦の粉食文化 ( 伝統食 ) 生麩 ( 京都府 ) 稲庭うどんの歴史 小麦粉を水にさらしてもんでいくと でんぷんが流されて まるでガムのような弾力のある物質が残ります これが グルテン です このグルテンに餅粉を混ぜたり 蒸したり茹でたりしてつくる 生麩 は 京料理には欠かせない伝統的な食材です おやき ( 長野県 ) 稲庭うどん ( 秋田県 ) 秋田では うどんに向いている小麦がとれました 江戸時代に 稲庭吉衛門が干しうどん製造所をおこし 1725 年に秋田藩の御用達となり 秋田の特産品として広く認められるようになりました だご汁 ( 大分県 ) 水沢うどん ( 群馬県 ) 讃岐うどん ( 香川県 ) きしめん ( 愛知県 ) ほうとう ( 山梨県 ) 5

(4) 麦の生育 ( 小麦の場合 ) 11 月上中旬播種 ~12 月発芽 12 月中旬 ~2 月下旬麦踏み 日本独特の農作業です 麦踏みにより 霜柱ができたときでも土が持ち上がらず麦の根を傷めません また 踏むことにより茎がたくさん分かれ 根も強くなり麦の生育を助けます 3~4 月茎立ち 4 月下旬 ~5 月開花 生育月旬は関東地方の事例 6 月初旬 ~ 中旬収穫 ( 麦秋の風景 ) 6

(5) 世界の小麦生産と貿易量 世界の小麦生産量は 627 百万トン 貿易量は113 百万トン わが国は 米 加 豪の3カ国から約 5 百万トンを輸入 ( 貿易量の約 5%) 136.8 45.4 25.9 15.1 14.4 ロシア 8.0 92.0 カナダ CW 1CW Durum EU-25 72.1 1.6 中国 1.2 WW HRW DNS 58.7 28.5 凡例 インド 22.6 15.8 アメリカ 生産量 輸出量 オーストラリア ASW PH 16.0 13.5 単位 :100 万トン アルゼンチン 出典 ::USDA Grain : World Markets and Trade 2006 年 2 月 7

(6) わが国における麦流通のイメージ 小麦の流通 国内産 生産量 外国産 総輸入量 約 86 万トン 麦作農家数約 10 万戸 生産者 実需者 普及組織 市町村等が参加し 品質向上 生産コスト低減等の目標設定とその取組を推進 約 500 万トン アメリカ カナダ 約 280 万トン 約 110 万トン オーストラリア約 110 万トン 政府買入れ 約 13 トン 17 年産から 政府買入は ゼロ 国家貿易 により国が 一元輸入 入札取引約 3 割相対取引約 7 割 民間流通連絡協議会 生産者団体と実需者が共催で情報 交換 民間流通取引の仕組みを決定 民間流通約 80 万トン 国 国内産で不足するもの及 び品質的に国内産麦が使 用できないものを輸入 コストプール方式の下 外 国産麦からの輸入差益を国 内産麦の助成に充当 備蓄 月分 : 民間 0.3 か月分 ) 小麦粉調製品 輸入麦製品約 41 万トン (15FY) (17 年 : 需要量の 2.3 ヶ月分 ( 国 2.0 ヶ月分民間 0.3 カ月分 ) 販売需要量の 2.6 か月分 ( 国 2.3 か 製粉企業 (104 社 うち中小 100 社 ) 需要量 約 560 万トン しょうゆ 需要量 企業等 製パン企業 製めん企業 スーパ産業等産地協議会 消費ー 外食約 20 万トン 注 : 数量については 玄麦換算の年間ベース 者8

2 麦をめぐる事情 (1) 麦の需要動向 小麦及び大麦 裸麦は パンやめん 菓子用など幅広い用途で消費され 国民に供給されるカロリーの約 8 分の 1 を占めており 近年の需要量は横ばい 小麦の需要の状況 ( 平成 16 年度 ) 小麦の需要 国内産小麦の需要 大麦 はだか麦の需要の状況 ( 平成 16 年度 ) 大麦 はだか麦の需要 国内産大麦 はだか麦の需要 小麦全体 627 万トン 日本めんを中心に 食用( 製粉用 ) 529 万トン 86 万トン 大麦 はだか麦全体 234 万トン 主食用 加工用を中心に パン用 (159 万トン ) ( 1 万トン ) ( 約 0.1 割 ) 20 万トン 日本めん用 ( 68 万トン ) (42 万トン )( 約 6 割 ) 主食用( 押麦等 ) 8 万トン 8 万トン ( 約 10 割 ) その他めん用 (128 万トン ) ( 4 万トン ) ( 約 0.3 割 ) ( 中華めん等 ) 菓子用 (78 万トン ) (16 万トン ) ( 約 2 割 ) 家庭用等 (96 万トン ) ( 6 万トン ) ( 約 1 割 ) みそ 醤油 工業用 36 万トン (17 万トン ) ( 約 2 割 ) 飼料用等 62 万トン 加工用 106 万トン 10 万トン みそ用 (3 万トン ) (2 万トン ) ( 約 8 割 ) ビール用 ( 74 万トン ) ( 4 万トン ) ( 約 0.6 割 ) 焼酎用 ( 24 万トン ) ( 2 万トン ) ( 約 0.8 割 ) 麦茶用 (5 万トン ) (2 万トン ) ( 約 5 割 ) 飼料用等 119 万トン 1 万トン 国民 1 人 1 日当たり供給熱量 小麦 大麦 はだか麦 326 3 単位 :kcal % 12.7 0.1 家計消費では? 家計調査 ( 平成 16 年 ) によると 米は 1ヵ月 2,437 円 麦は 1ヵ月 3,036 円 内訳 パン 1,925 円 めん類 1,111 円 資料 : 農林水産省 平成 16 年度食料需給表 9

昭和 30 年代後半は 米が 37 年をピ - クとして減少に転じた一方で 小麦は増加傾向で推移 昭和 40 年度以降は 小麦はほぼ横ばいで推移 米は一貫して減少傾向 畜産物油脂類が増加 米及び小麦の消費量の推移 1200 米及び小麦の一人一年当たり供給熱量 ( 昭和 35 年度 ~ 現在 ) (kcal) (kcal) 3,000 国民一人一年当たり供給熱量の構成 ( 昭和 40 年度 ~ 現在 ) 1000 2,500 その他 800 米 2,000 魚介類 砂糖類 いも類 でん粉 600 小麦 1,500 小麦 油脂類 400 1,000 200 畜産物 500 0 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 米 0 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 10

(2) 麦の生産動向 昭和 30 年頃までは 二毛作や麦飯も一般的であり 小麦は 178 万トン 大麦 はだか麦は 258 万トンも生産 その後 海外からの高品質 安価な麦に代替されて 15~20 万トンまで減少したが 生産調整を境に増加し 現在小麦は 88 万トン 大麦 はだか麦は 18 万トンとなっている 麦の生産量 300 ( 万 t) 29 年大麦 258 万 t 日本に麦が入ってきたのはいつ? 250 200 150 100 36 年小麦 178 万 t 小麦 大麦 はだか麦 17 年小麦 88 万 t 大麦 18 万 t 小麦 大麦とも歴史は古く 弥生時代の後期には朝鮮半島を経て伝わったものと考えられています 北海道 50 0 27 30 33 36 39 42 45 48 51 54 57 60 63 3 6 9 12 15 17 ( 年産 ) 麦の作付面積の推移 ( 千 ha) 1,200 福岡 熊本 佐賀 富山 石川 福井 1,000 小麦 大麦 はだか麦 群馬 栃木 埼玉 茨城 800 600 愛知 滋賀 三重 400 200 香川 愛媛 0 27 30 33 36 39 42 45 48 51 54 57 60 63 3 6 9 12 15 ( 年産 ) 11

麦 (4 麦 ) の主産地における作付体系 北海道 11.5 万 ha 1 畑作 8.3 万 ha ( 麦 -てん菜- 豆類 - ばれいしょ ) 転作 ( 麦 ) 3.2 万 ha 佐賀 福岡 2.1 万 ha 2 水田裏作 2.0 万 ha ( 麦 - 稲 ) 2.0 万 ha 3 水田裏作 1.7 万 ha ( 麦 - 稲 ) 滋賀 0.8 万 ha 8 転作 0.7 万 ha ( 稲 - 麦 - 大豆 ) 群馬 1.0 万 ha 6 水田裏作 0.7 万 ha ( 麦 - 稲 ) 栃木 1.6 万 ha 4 水田裏作 0.7 万 ha ( 麦 - 稲 ) 転作 0.8 万 ha ( 稲 - 麦 - 大豆 ) 茨城 1.2 万 ha 5 熊本 0.7 万 ha 9 水田裏作 0.5 万 ha ( 麦 - 稲 ) 愛知 0.6 万 ha 10 転作 0.6 万 ha ( 稲 - 麦 - 大豆 ) 転作 0.8 万 ha ( 稲 - 麦 - 大豆 ) 埼玉 0.8 万 ha 7 水田裏作 0.3 万 ha ( 麦 - 稲 ) 12

麦作 稲作の営農上の補完関係 ( 大規模二毛作 ( 北関東 ) 経営を想定 ) 麦作主な作業耕耘 排水播種鎮圧追肥防除収穫 脱穀乾燥 調製機械 施設の内容 トラクター 耕耘機等( ロータリー サブソイラー等) トラクター 施肥播種同時作業機械(ドリルシーダー) トラクター 鎮圧機(鎮圧ローラー) トラクター 施肥機(ブロードキャスター) 無人ヘリコプター又は乗用管理機等 自脱型コンバイン又は汎用型コンバイン カントリーエレベーター又はライスセンター 育苗施設育苗 トラクター 耕耘機等(ロータリー等)耕起機械 施設の内容乾燥 調製収穫 脱穀防除追肥主な作業 田植田植機 自脱型コンバイン又は汎用型コンバイン 無人ヘリコプター又は乗用管理機等 乗用管理機 カントリーエレベーター又はライスセンター稲作トラクター + ドリルシーダー汎用コンバインカントリーエレベーター乗用管理機 10 月中旬 ~ 下旬 7 月 ~8 月 10 月中旬 ~ 6 月中 ~ 下旬 4~5 月 10 月下旬 ~ 11 月上旬 12 月 ~ 2 月 7 月下旬 ~ 8 月上旬 6 月上旬 ~ 中旬 2 月下旬頃 11 月上旬 ~ 中旬作業時期 13

品質のばらつきがあり 生産性の向上は遅れていることから 実需者ニーズに応えられない状況 都府県の水田転作地帯では これまで作付けほ場の団地化や大型機械の共同利用が進められてきたが 今後はさらに一歩進め 集落営農づくりや法人化が課題 小麦 ( 日本めん用 ) のたんぱく質のバラツキ状況 (%) 80 60 40 20 0 基準値 ASW 北海道 茨城県 8.5% 未満 8.5~9.5 9.5~10.5 10.5~11.5 11.5~12.5 12.5% 以上 都府県の水田転作地帯における組織化 法人化のイメージ 農地の集団的な利用 麦 大豆の収量や生産性を上げるには集落皆でブロック ローテーションでいこう これまでの取組 ASW が均質性に優れているのは? 日本向け ASW は 製めん適性の高い日本めん用小麦 (4 品種 :60%) と製粉適性が高い小麦 (3 品種 :40%) を混麦することにより 安定的な品質を維持 営農の組織化 機械 施設の共同利用 農作業の共同化 担い手に基幹作業委託 経理の一元化等 農家の高齢化も進んでいるので 担い手に任せ 経理も集団で一元化しよう 今後の取組 千円 /60kg 16.0 14.0 12.0 小麦の全算入生産費の推移 10.0 都府県 ( 田作 ) 8.4 8.0 全国平均 6.6 6.0 北海道 ( 畑作 ) ~ 4.0 0 9 10 11 12 13 14 15 16 10.5 ( 注 ) 旧基本計画においては 3 割程度の低減を目標としていたが 全国平均で 1 割程度低減したところ 新たな基本計画では 3 割程度低減を目標としている 特定農業団体法人化 農事組合法人 有限会社等 農事組合法人 組合 高性能な大型機械を共同で使い 生産コストを下げよう 14

(3) 麦の生産対策 国産麦の需要を将来にわたり安定的に確保していくためには 実需者の望む品質 生産性の向上に軸足を置いた施策展開が重要 このため 新基本計画では 小麦を現行の供給水準である 86 万トンに 大麦 はだか麦を 35 万トンに目標設定し 実需者の求める品質の向上と約 3 割のコスト低減に取り組む 新基本計画における麦の生産努力目標等 ( 単位 : 万トン ) 平成 15 年度 平成 27 年度 小麦 86 86 大麦 はだか麦 20 35 農業者その他の関係者が積極的に取り組むべき課題 実需者のニーズに応じた麦種 用途毎の計画的な生産を展開 実需者ニーズの農業者への的確な伝達 産地単位での品質管理の強化 加工適性の高い品種の育成 普及の加速化等により 品質を向上 担い手の生産規模の拡大 収穫期における雨害の軽減等により 生産コストを 3 割程度低減 ( 例 :S 県における小麦栽培 ) 従来の栽培方法 元肥 (11 月上旬 ) 5kg 追肥 (12 月中旬 ~ 3 月上旬 ) 4kg 追肥 (4 月下旬 ) 1~3kg 新たな栽培方法 元肥 (11 月上旬 ) 5kg 追肥 (12 月中旬 ~ 3 月上旬 ) 4kg 追肥 (4 月下旬 ) χ kg この時期の追肥量が決め手 ほ場ごとに葉色を計り 肥料の量を判断 たんぱく質含有量 7~14%( バラツキ ) たんぱく質含有量 10~11%( 最適 ) 実需者が求める品質の向上 15

(4) 新品種の開発 麦類の新品種については 実需者ニーズを踏まえ 日本めん用に適した色相の品種を中心に開発されている 需要が高まっているパン用等の品種開発を一層推進する必要 近年育成された麦類の新品種 麦類の新品種数 日本めん用 : 東北 ネバリゴシ 北陸 六条大麦 : ファイバースノー きぬあずま パン用 : ゆきちから ハルイブキ 六条大麦 : ファイバースノー シンジュボシ 九州 日本めん用 : イワイノダイチ パン用 : ニシノカオリ ミナミノカオリ 二条大麦 : しゅんれい 日本めん用 : 北海道 きたもえ パン用 : はるひので キタノカオリ春よ恋 関東 日本めん用 : イワイノダイチ きぬの波あやひかり キヌヒメ ユメセイキ フウセツ 春のかがやき パン 醤油 中華麺用 : タマイズミ ダブル 8 号ユメアサヒ 六条大麦 : ファイバースノー さやかぜセツゲンモチ 二条大麦 : スカイゴールデン 東海 近畿 中国 四国 日本めん用 : イワイノダイチ ふくさやかあやひかり キヌヒメ さぬきの夢 2000 パン 醤油 中華麺用 : タマイズミ ニシノカオリミナミノカオリ はだか麦 : マンネンボシ 麦種用途等品種数 日本めん用小麦品種小麦日本めん用 13(1) 品種名育成年産地イワイノダイチ平成 11 年愛知パン用等 9(2) イワイノダイチ平成 11 年福岡小計 22 きたもえ平成 12 年北海道大麦六条大麦 4 ネバリゴシ平成 12 年青森二条大麦 2 きぬの波平成 13 年群馬はだか麦 1 ふくさやか平成 14 年滋賀小計 7 総計 29 ( 注 ) ( ) 内は 県または民間育成品種 農林 10 号は緑の革命の立役者? 背丈が低く 多肥にも強くて倒伏せず 収量が高い 農林 10 号 は 戦後アメリカ メキシコに渡り これを基に新しい小麦品種が作られました これらの品種はインド パキスタンで幅広く栽培されるようになり 小麦生産量の増加に大きく貢献 緑の革命 と賞賛されました このプロジェクトの成功によってメキシコの研究所のボ - ロ - グ博士はノ - ベル賞を受賞しました 16

(5) 民間流通の仕組み 麦については 17 年産において 全量が民間流通へ移行 民間流通については 実需者が加工原料たる麦を計画的 安定的に確保できるとともに 生産者が安心して作付けができるよう 播種前契約することが基本 販売予定数量と購入希望数量の差 ( ミスマッチ ) については 最近では縮小傾向であり 国内産麦を 100% 使用した商品も増えている 国内産小麦 100% 使用をセールスポイントとしている事例 1 大手製パン X 社は 全国流通をねらった国産初の内麦 100% 使用の食パンを販売 国産小麦食パン 2 大手製粉 Y 社は 消費者の安全 健康志向の高まりを受け 農家の縁側でおばあちゃんが打つおもてなしのうどん を提供すべく 国内産小麦 100% のめん用粉 麺ノ鄙歌 を開発し 商品化 民間流通麦 ( 小麦 ) の入札価格 ( 加重平均 ) ( 円 /60kg) 2,450 2,392 2,400 2,350 2,300 2,250 2,200 2,150 2,100 2,050 2,187 2,232 平成 12 年産 13 14 15 16 17 18 入札価格 麦のかほり 販売予定数量及び購入希望数量の推移 ( 小麦 ) ( 単位 : 千トン ) 3 栃木県にある Z 社は 栃木県産小麦 100% の小麦粉 麦のかほり を開発し 栃木県が認証する E マークを貼付して 県内の 麦わらぼうしの会 に所属するスーパー等で販売 平成 12 年産 平成 13 年産 平成 14 年産 平成 15 年産 平成 16 年産 平成 17 年産 平成 18 年産 販売予定数量 646 709 725 738 762 786 805 購入希望数量 601 689 648 665 733 782 789 ミスマッチ数量 45 20 77 72 30 4 16 ミスマッチ率 7.0% 2.9% 10.6% 9.8% 3.9% 0.5% 2.0% 17

(6) 麦の管理方式 麦の管理方式については 外国産麦から得た輸入差益を国内産麦の生産振興の財源に充てるコストプール方式が基本 近年 国内産麦の生産増により 麦作経営安定資金が急増してきたことから 麦会計は大幅な赤字が継続 麦会計の収支の健全化を考慮しながら 麦の効率的な管理方式の仕組みを検討する必要 コストプール方式の概要 ( 小麦 ) 政府売渡価格の推移 ( 米国産ウエスタン ホワイト ) 7,833 単位 : 円 /100kg 3,000 2,000 昭和 60 年 62 平成元年 3 5 7 9 10 12 14 16 18 ( 注 ) 平成 9 年は消費税率の変更に伴い 1.9% の上昇となっている 麦会計収支の状況 (4 麦 ) A B 内外麦収 支 ( 億円 ) 内麦生産量内麦振興費外麦輸入量外麦差益 ( 千トン ) ( 億円 ) 1 ( 千トン ) 2-1 ( 億円 ) 2 平成 7 年 662 651 4,716 842 191 12 年 903 911 4,938 778 133 13 年 906 921 5,075 629 292 14 年 1,047 1,067 4,638 524 543 15 年 1,054 1,060 5,301 755 305 16 年 1,059 1,055 5,288 753 302 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 ( 注 )16 年の数値は 実績見込みである 4,497 18

(7) 国内製粉企業の状況 製粉企業は 全国で 104 社 ( 大手 4 社 中小 100 社 ) 依然 稼働率が低く 特に中小製粉において顕著 中小 大手別小麦粉生産の動向 (A) 中小製粉企業 (100 社 ) 大手製粉企業 (4 社 ) 工場数1工場当たり生産量1人当たり生産量従業員数(人)生産量稼働率工場(%数)従業員数(人)生産 ( 単位 : 千トン ) 量1154 2,998 1,658 0.55 11 50 34 2,215 3,133 1.4 92 75 1工場当たり人当たり生稼働率(%)5 年度 生産量産量 製粉工場の生産量等に関する国際比較 15 年度 (B) 111 2,118 1,489 0.70 13 25 1,171 3,502 3.0 140 小麦粉製造業分野への海外進出状況 B/A 72.1 70.1 89.8 127.8 124.2 98.0 73.5 52.9 111.8 214.3 153.2 119.5 資料 : 製粉工場実態調査 ( 農林水産省調べ ) 素材製造業の稼働率 製粉業界 (15FY) 精製糖業界 (15SY) 製油業界 (15CY) 飼料業界 (15FY) 72%(48%) 80 % 73 % 116% ( 注 )1. 稼働率とは 製造数量を製造能力で除した割合である 2. 製粉業界の ( ) 内の数値は 中小製粉の稼働率である 3.FY は会計年度 CY は暦年 SY は砂糖年度 (14 年 10 月 ~15 年 9 月 ) である 19

民間流通の確保麦作経営 適正かつ円滑な製粉企業等の体質強化年間を通じた固定価格 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案の概要 趣旨 内容 内産麦外国反映する売渡方式国産[ 現行 ] [ 改正後 ] 麦安定資金 ( 予算措置 ) 政府無制限買入れ による売渡方式 ( 標準売渡価格 ) 新たな経営安定対策 需給見通しの策定 輸入価格の変動を SBS 方式 ( 民間主体 ) 国家貿易 国家貿易 20

参考資料

消焼酎費みそ 17 年産から 国内産 麦作農家数約 4 万戸 総生産量 約 15 万トン 民間流通連絡協議会 精麦企業 押麦製品(需要量約 4 万トン ( 国内産 10 割 ) 二条大麦 ( 主に焼酎 みそ用 ) 約 8 万トン 六条大麦 ( 主に押麦 麦茶用 ) 約 5 万トン はだか麦 ( 主にみそ 押麦用 ) 約 2 万トン 産地協議会 外国産総輸入量約 27 万トン ( 飼料用含めると約 141 万トン ) 国家貿易により国が一元輸入 入札取引約 3 割相対取引約 7 割民間流通約 11 万トン 政府買入れ約 73トン 政府買入はゼロ 二条大麦約 6 万トン 六条大麦約 4 万トン はだか麦約 1 万トン 国 国内産で不足するもの及び品質的に国内産麦が使用できないものを輸入 (63 社 うち全て中小 ) 需要量約 32 万トンメーカー 需要量約 5 万トン ( 外国産約 5 割 ) 需要量約24 万トン外国産麦約9割者大麦 はだか麦の流通 )麦茶製品(国需要みそメ焼酎メーカー量約4万トン麦茶 ーカー内産約8割)オーストラリア約 25 万トン ( 飼料については その需 カナダ 約 2 万トン 給と価格の安定を図るため の輸入 ) 注 : ビール等自由流通麦 ( 約 5 万トン ) を除く 数量については 玄麦換算の年間ベース 飼料工場等需要約 120 万トン 畜産農家 21

消費ビール用大麦 ( 契約栽培 ) の流通 国内産 契約栽培約 4.9 万トン ビール麦契約農家数約 2 万戸 ビール用途としては二条大麦 ビール大麦契約栽培基本条件 契約は3 年毎に締結 価格は農林水産省告示価格 ( 政府買入価格 ) による ビール会社 ビール大麦需要量 ( 発泡酒用含む ) 約 7.7 万トン ( 国内産大麦約 4.9 万トン 外国産 総輸入量 ( ビール用として ) 約 2.8 万トン ( 契約ベース ) オーストラリア約 22 千トン 国家貿易により国が一元輸入 国内産ビール大麦の供給不足に対応するため 外国産ビール大麦を輸入 外国産大麦約 2.8 万トン ) 国産大麦国産麦芽等 4.9 万トン約 7.7 万トン者国 外国産大麦 2.8 万トン アメリカ 約 3 千トン 輸入麦芽 カナダ 約 3 千トン ビール原料 約 65 万トン 麦芽等 外国産麦芽 総輸入量約 65 万トン 注 : 数量については 玄麦換算の年間ベース ビール原料の 9 割は輸入麦芽 約 73 万トン注 : 発泡酒用玄麦原料も含む 22

民間流通麦の生産者手取り 民間流通麦については 入札価格のほか 麦作経営安定資金 品質向上支援対策 ( 関連対策 ) 契約生産奨励金及び品質取引によるプレミアム さらに流通コスト助成が支払われている 民間流通麦 (18 年産 ) の生産者手取り (60kg) 9,682~9,802 円 品質向上支援対策 270 円相当 初年度 (12 年産 ) における 麦作経営安定資金 と海外の生産コストの格差 ( 60kg) (8,893 円 ) 生産者手取り =11 年産政府買入価格 麦作経営安定資金 (12 年産 :6,463 円 ) 次年度以降 生産費等の変動率により改定 助成金 麦作経営安定資金 6,610 円 入札の基準となる価格 = 10 年 12 月に決定された政府売渡価格 (2,430 円 ) 次年度以降 入札価格 政府売渡価格 (2,700 円程度 ) マークアップ等 (1,300 円程度 ) 買付価格 (1,400 円程度 ) 生産コスト (1,000 円程度 ) 入札価格 2,232 円 品質取引によるプレミアム ( ディスカウント ) 30 円 ~90 円 契約生産奨励金 600 円 18 年産民間流通麦 (A ランク 1 等 ) ( 注 )1. 入札価格については 18 年産小麦の全銘柄加重平均落札価格 2. このほかに流通コスト助成が支払われている ( 注 ) 麦作経営安定資金については 民間流通への円滑な移行を図る観点から 従来の政府買入価格と市場価格との格差分に対する助成として導入 麦作経営安定資金は これまでも麦の担い手である主産地 ( 北海道 群馬 栃木 埼玉 福岡 佐賀 熊本 ) の平均作付規模以上層の農家における生産費の変動等を反映させています 外国産小麦 ( 米国産ウエスタン ホワイト ) 23

品質評価基準の導入 麦作経営安定資金は 17 年産から 需要に応じた良品質麦生産を推進するため 従来の銘柄による区分に替え 品質で評価する品質区分を導入 品質区分の評価基準については 19 年産生産に間に合うよう生産者団体 実需者等による検討会を早急に立ち上げ 実需者ニーズに応じられるよう見直しを開始 18 年産 小麦 ) 新ランク区分方式の概要 ( 注 )1.1 2 等の格差 :1,160 円 /60kg 2. 品質格差 :A-B 500 円 /60 kg B-C 150 円 /60 kg C-D 58 円 /60 kg (1) 品質評価項目 基準値 ( 日本めん用小麦 ) 1 たんぱく 9.5~11.5% 2 容積重 833g/ l 以上 3 灰分 1.60% 以下 4 フォーリンク ナンハ ー 300 以上 (2) ランク区分 ((1) の基準値の達成数等により決定 ) 3つ以上達成 :Aランク 2つ達成 :Bランク 1つ達成 :Cランク 全て未達成 :Dランク (3) 区分導入当初のシェア (A:B:C=3:4:3) を目標に 今後良品質 麦生産に向けてメリハリをつける 品質評価の見直しに関する現行の基準値と実需者が望んでいる基準値の比較 ( 日本めん用小麦 ) 現行基準値 実需者が望んでいる基準値 たんぱく質 9.5~11.5% 10.0~11.0% 容積重 833g/l 以上 840g/l 以上 灰分 1.6% 以下 1.5% 以下 フォーリングナンバー 300 以上 300 以上 ( 注 )1. 新区分における基準値について ( 日本めん用小麦 ) ( 新区分方式検討会報告 ) による なお 日本めん用小麦の新しい区分について ( 最終とりまとめ ) ( 新区分方式検討会報告 ) において 3 年後の基準値については 2 年間の区分の運用状況 区分別シェア等を勘案し 実需者の要望により応えるとともに シェアの適正化が図られるよう 委員会で定める となっている 2. 新区分方式検討会 : 契約生産奨励金について 品質結果に基づくランク区分の導入を検討するため 生産者団体 実需者 学識経験者等を委員として 平成 15 年 4 月 ~8 月にかけて計 4 回開催 24

麦産地改革の推進 実需者ニーズに即した生産 出荷を促進する観点から 各産地が策定する産地改革計画に基づき 産地自らが実施する良品質麦生産に向けた取組みを支援 産地自らが策定する 3 ヵ年 (17~19 年度 ) の産地改革計画に基づき たんぱく質等の成分検査や需要の高い品種 麦種への作付転換等 良品質麦生産のための取組み 担い手づくり 地産地消対策等 各産地の創意工夫による取組みについて助成 また この他に 高品質麦に対する生産奨励支援も実施 麦種 品種別の中期的な生産方針づくり 品質 生産性向上対策 広域 地域流通体制 ロット集約化の推進 産地における麦の担い手の明確化 法人化に向けた取組み ( 総額 34 億円 計画期間分を一括交付 ) 安全性確保の取組支援 ( 残留農薬検査等 ) 地産地消の推進 ( 販売展示会の開催 加工品研究開発等 ) 25