ダイナミックマップ基盤企画 株式会社の概要と今後の展望 2016 年 6 月 17 日 ダイナミックマップ基盤企画株式会社 代表取締役社長中島務
1. なぜ 3 次元が必要なのか 日本の道路は複雑に交差しており 上下の識別をする必要がある 高精度 3 次元位置情報を活用することで 高さも含めた正確な位置を把握することができる 安全運転支援 自動走行には ( ローカル ) ダイナミックマップが必要不可欠である 高精度 3 次元位置情報をベースに生成することで 効率よく 高精度化を図ることができる 現状 3 次元データ活用 産業競争力懇談会 (COCN) 2014 年度 3 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備 最終報告より引用 ( 一部加工 ) 2
2. 高精度 3 次元位置情報による具体的効果 安全運転支援 自動走行 車両センサーと3 次元位置情報の組み合わせにより縦方向 横方向の自己位置推定の精度向上 およびレーン単位での経路作成による自動走行の高度化が実現できる デジタル地図が3 次元化することにより 勾配等これまでセンシングが難しかった箇所でも情報取得が可能となる 縦断勾配に応じた速度調整によって渋滞が緩和できるとともに 省エネ運転ができる 道路の先にある勾配やカーブを事前に把握可能 産業競争力懇談会 (COCN) 2014 年度 3 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備 最終報告より引用 ( 一部加工 ) 3
2. 高精度 3 次元位置情報による具体的効果 準天頂衛星システム等による高精度測位社会が到来しても 地図の精度が悪ければ 地図上の位置は正確ではない 高精度測位と高精度 3 次元位置情報と組合わせることにより 精度の高い位置情報として活用が可能となる 高精度測位補強 ( 準天頂衛星 ) 現状 高精度 3 次元データ利用 現状はどの道路にいるかは把握できるが どの車線にいるかはわからない 高精度測位と高精度 3 次元位置情報の組合せにより どの車線にいるかまで把握可能となる 車レーザ測量 (MMS) 航空レーザ測量 高精度測位 + 高精度 3 次元位置情報 点群データによる 3 次元位置情報 産業競争力懇談会 (COCN) 2014 年度 3 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備 最終報告より引用 ( 一部加工 ) 4
3. 高精度 3 次元位置情報取得技術 3 次元位置情報を簡易に取得する技術 : モービルマッピングシステム (MMS) 高精度な車両位置 姿勢制御と 高精度なレーザを用いることにより 道路周辺環境の 3 次元位置情報取得を可能とした カメラ画像と 3 次元レーザ点群データとの重ねあわせにより 画像上の地物の 3 次元位置の計測を可能とした 各レーザ点群の緯度 経度精度 絶対精度 :10cm 相対精度 :1cm 良好な GNSS 受信環境での精度 モービルマッピングシステム (MMS) は以後 MMS として表記 産業競争力懇談会 (COCN) 2014 年度 3 次元位置情報を用いたサービスと共通基盤整備 最終報告より引用 ( 一部加工 ) 5
4. ダイナミックマップ構築の試作 評価に係る調査検討 ダイナミックマップ 静的な情報のみでなく c-its も含む動的な情報も組み込んだ高精度 3 次元デジタル地図 25cm 精度の 3 次元地図 図化 自動走行システム実現に向けた ダイナミックマップ構築の試作 評価に係る調査検討 は 2015 年度に次のコンソーシアム 7 社が内閣府より受託 実施した モービルマッピングシステム 3 次元位置情報基盤 項番 コンソーシアム企業 (1) 三菱電機 ( 代表 ) (2) アイサンテクノロジー (3) パスコ (4) 三菱総合研究所 (5) インクリメント ピー (6) ゼンリン (7) トヨタマップマスター 6
5. ダイナミックマップの特徴 1. 階層構造は 基盤的地図 ( 静的情報 )+ 動的データ ( 准静的情報 / 准動的情報 / 動的情報 ) で構成 2. 基盤的地図は MMS 計測データより作成 6. 車道リンク / 車線リンク ( 交差点内含む ) で道路ネットワークを表現し 属性情報を付与 3. 基盤的地図は 実在地物 26 地物と仮想地物 8 地物を整理 4. データ仕様は 先進運転支援のための新高度 DRM 検討用試作データの仕様書 ( 素案 ) を採用し 追加 変更を検討 5. 実在地物の精度は 相対位置 25cm 以内 実在地物 No. 地物名 No. 地物名 1 導流帯 14 駐車場領域 2 踏切 15 駐車マス領域 3 非常駐車帯 16 駐車マス線 4 歩道縁 17 ガードレール 5 トールアイランド 18 キャッツアイ 6 軌道敷 19 スピードブレーカー 7 路面電車停留所 ( 標示 ) 20 デリニエーター 8 路面電車停留所 ( 島 ) 21 ラバーポール 9 横断歩道 22 照明灯 10 道路標示 ( 文字 ) 23 電柱 11 路肩縁 24 信号機 12 区画線 25 道路標識板 13 停止線 26 距離標 仮想地物 No. 地物名 1 車道リンク 2 車線リンク 3 車道リンク上のノード 4 車線リンク上のノード 5 交差点内車線リンク 6 交差点領域 7 車道領域 8 車線領域 7. 位置参照基盤 ( マーカポイント ) で動的データを紐付け 第 22 回 SIP 自動走行システム推進委員会 ダイナミックマップ成果報告 より引用 7
6. ダイナミックマップ協調領域のデータの流れ 公共用地図用途 インフラ維持管理用 3 次元地図防災 減災管理用 3 次元地図 等道路台帳附図 課税台帳附図等既存 2 次元地図等 公共地図分野における競争領域 測量ベンダー C 測量ベンダー D 道路会社 自治体等 准動的情報准静的情報 動的情報 動的データ収集 配信機能は 既存の仕組みとの融和を図る 事故 渋滞情報 気象情報工事 規制情報 信号情報等 地図ベンダー A 自動車メーカ A C 社独自競争領域 D 社独自競争領域 静的情報 A 社独自競争領域 公共情報 M M S 情報 3 次元地図共通基盤データ 3 次元地図共通基盤データ 3 次元地図共通基盤データ 3 次元レーサ ー点群 + 画像 + 各サーヒ ス共通のヘ クトルテ ータ 道路形状車線情報構造物情報地物情報等 この領域を整備し地図会社 / 自動車メーカに提供 ダイナミックマップ協調領域 (3 次元地図 ) 共通インタフェース プローブ情報 ダイナミックマップ協調領域 A 社自動運転センター 自動車分野における競争領域 地図ベンダー B B 社独自競争領域 ダイナミックマップ協調領域 自動車メーカ B B 社自動運転センター A 社車両 B 社車両 点線矢印は今後検討させて頂きたい事項 8
7. ダイナミックマップ基盤企画株式会社の概要 法人の名称 所在地設立時期と存続期間設立趣旨 ダイナミックマップ基盤企画株式会社 ( 英語名 :Dynamic Map Planning Co., Ltd.) 東京都港区高輪 3-25-23 京急第 2ビル 5 階 2016 年 6 月 ( 存続期間は最長で2 年間を予定 ) 自動走行 安全運転支援の実現に必要となるダイナミックマップのうち協調領域部分に関して 全国自動車専用道路並びに一般道での実運用に向けたデータ仕様やメンテナンス手法等に関する立案 関係各位との調整及び実証を行うとともに 永続的な維持整備を行うことを前提とした場合の事業性に関する企画検討を進めるべく 企画会社を設立 資本金 3 億円 出資比率 三菱電機株式会社 18% 株式会社ゼンリン 17% 株式会社パスコ 17% アイサンテクノロジー株式会社 6% インクリメント ピー株式会社 6% 株式会社トヨタマップマスター 6% 出資比 五十音順 敬称略 従業員数 20 名 代表取締役社長中島務 ( 三菱電機株式会社より派遣 ) いすゞ自動車株式会社 3.3% スズキ株式会社 3.3% トヨタ自動車株式会社 3.3% 日産自動車株式会社 3.3% 日野自動車株式会社 3.3% 富士重工業株式会社 3.3% 本田技研工業株式会社 3.3% マツダ株式会社 3.3% 三菱自動車工業株式会社 3.3% 9
8. ダイナミックマップ基盤企画株式会社での実施項目 (1) 調査 検討 立案 調整 1 3 次元地図共通基盤データの構造 更新方法 位置参照点の管理方法 2 3 次元地図共通基盤データおよびダイナミックマップ協調領域の運用システム構想 ( 計測方法 図化方法 サーバーシステム 配信方法 セキュリティ方式等 ) 3 整備計画 ( スケジュール 必要コスト ) 提供価格 4 道路管理に関わる官公庁データシステム 動的データシステム 自動車会社が保有するプローブシステム等とのインターフェイス 5 海外類似システムとのインターフェイス 6 標準化活動 ( 国内外 ) 7 インフラ維持管理 防災減災等の他用途における 3 次元地図共通基盤データの活用案 8 プローブ地図更新方法 (2) 実証 1 維持 メンテナンスに関する実証評価 (3) その他 1 ダイナミックマップ協調領域 ( 自動車専用道路 ) のサンプル提供 2 官公庁実証事業の受託 ( 官民一体となった作業標準化のための調査事業等 ) 3 ステアリング コミッティの運営 10
9. ダイナミックマップサンプル事例 ダイナミックマップ ( 事例 ) ダイナミックマップベースの自動走行画面 ( 事例 ) 11
10.3 次元地図基盤の幅広い利用へ Society5.0 の実現に向け高精度な 3 次元データを共通基盤として整備することにより防災分野やインフラ維持管理分野等でも広く活用していくことが望まれる パーソナルナビゲーション ( 高齢者 交通弱者支援 ) インフラ維持管理 自動走行 Society5.0 ( 超スマート社会 ) サービスプラットフォーム IT 農業 防災 減災 12