知らなきゃ損する相続と遺言 相続手続きの流れと手続き先 法定相続と手続きに必要な書類 法定相続の例 代襲相続 遺言とは 遺言の種類 トラブル事例 まちの専門家グループへのご質問 お問合せには会員登録が必要です 年会費 登録料一切かかりません 定期的なセミナーや個別相談会のご案内を送付させていただきますので ご興味のあるものをご活用ください 詳しくはホームページでもご案内しております
相続の流れと主な手続き先 相続の手続きは どなたにも関係してきます 多くの手続きが必要な事を知り 知識を身につけてお きましょう 相続の手続きには 期限が決められているものや 協議 判断が必要な手続きがあります 相続発生前 相続対策 エンディングノートの作成 書式は自由 望む葬儀のしかたや財産の目録 家計の収支状況 万一の時に連絡して欲しい人などを記入しておく 被相続人の死亡通夜 葬儀 7 日以内権利関係の手続き 3ヶ月以内被相続人の税金の精算 4ヶ月以内遺産の引継ぎ 遺言書の作成 提出先 / 公証役場 ( 自筆遺言証書は自分で作成 保管 ) 相続廃除の手続き 提出先 / 被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所へ 死亡届けの提出 相続の開始地 又は死亡者の本籍地または届出人の住所地を管轄する市区町村の役場などへ 葬儀費用の領収書等の整理 記録 保管 遺言の調査 確認 遺言書の検認手続き 相続放棄の手続き被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所 相続の限定承認の手続き被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所 相続人の確定 健康保険や公的年金の手続き 所得税の準確定申告被相続人の住所地を管轄する税務署 遺産の調査 評価 遺産の分割協議 遺産分割協議書の作成 相続税の申告書準備 納税準備 相続税の申告 納付 配偶者の税額の軽減を受ける場合 遺産分割の確定が必要です 小規模宅地の特例等を適用するときは 相続税の支払いが 0 円の場合でも申告が必要です 10 ヶ月以内 遺産の名義変更 生命保険金の請求 1 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク VER2.0
1 相続とは 被相続人 ( 死亡した人 ) が所有する財産を 相続人に承継する ( 引き継ぐ ) ことを相続といいます 承継する 財産 は土地 家屋 預貯金といった プラスの財産 だけでなく ローンなどの マイナスの財産 や保証人の立場なども全て含みます 1-1 法定相続とは相続は 死亡によって開始し ( 民法第 882 条 ) また失踪宣告によっても相続は開始します 法定相続とは 被相続人 ( 死亡した人 ) の一切の財産を法律で定められたとおりに相続人が承継することです 1-2 法定相続による相続登記手続きの流れ < 必要書類 > 1 被相続人の 10 歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本等 2 被相続人の除住民票 1 通 3 相続人全員の戸籍謄本各 1 通 4 相続人全員の住民票各 1 通 5 相続人全員の委任状 6 固定資産税評価証明書 1から3までが相続証明書( 相続を証する書面 ) と呼ばれているものです 各 1 通 Ver2.0 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク 2
1-3 法定相続分の具体例遺産を受け継ぐ権利のある人を法定相続人と言い 法律でその優先順位が定められています 配偶者は常に相続人であり 以下の順位の相続人と一緒に相続人となります (1) 第 1 順位の人 : 子 ( 子がいなければ孫 孫がいなければひ孫 ) (2) 第 2 順位の人 : 父母 ( 父母がいなければ祖父母 祖父母がいなければ曾祖父母 ) (3) 第 3 順位の人 : 兄弟姉妹 ( 兄弟姉妹がいなければ甥 姪 ) 1 被相続人に妻 子がいる場合 法定相続人法定相続分妻 4 分の2 兄 4 分の1 弟 4 分の1 配偶者の相続分は 2 分の 1 です 子が何人かいる場合は 残りの 2 分の 1 を均等に分けます 配 偶者がいなければ子が全てを相続します また 養子も相続人になります 養子は実の親と養子 先の親の両方の相続人になります 2 被相続人に子がなく 妻 父母がいる場合 法定相続人法定相続分妻 6 分の4 父 6 分の1 母 6 分の1 配偶者の相続分は 3 分の 2 です 配偶者がいなければ父母が全てを相続します 父母は残りの 3 分の 1 を均等に相続します 3 被相続人に子 父母がなく 妻 兄弟姉妹がいる場合 法定相続人法定相続分妻 8 分の6 弟 8 分の1 妹 8 分の1 配偶者の相続分は 4 分の 3 です 配偶者がいなければ兄弟姉妹が全てを相続します 兄 弟姉妹が何人かいる場合は 4 分の 1 を均等に相続します 3 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク VER2.0
1-4 代襲相続とは相続開始以前に 相続人となるべき者 ( 推定法定相続人 ) が死亡した場合 又は相続欠格 相続人の廃除により相続権を失った場合に その者の直系卑属がその者が相続すべきであった順位と同一順位で相続人になることをいいます ( 民法第 901 条 ) 1 被相続人の死亡前に子が死亡した場合 法定相続人法定相続分 妻 2 分の 1 孫 2 分の 1 2 被相続人の死亡前に弟が死亡した場合 法定相続人法定相続分妻 16 分の12 妹 16 分の2 弟の長男 16 分の1 弟の長女 16 分の1 兄弟姉妹は代襲相続人を含めて 4 分の 1 を均等に相続する Ver2.0 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク 4
2 遺言とは 2-1 相続が争続にならないために 遺言を残す 次のような場合は 被相続人の意思が思うように反映されない場合が多く見られます 家族への思いやりとして 意思を明確に残すことで争いやトラブルを予防しましょう 子どもがいない場合 財産を分けづらい場合 夫婦が内縁関係である場合 離婚調停中や別居中の場合 先妻の子 後妻の子がいる場合 介護が必要な家族がいる場合 息子の嫁にも財産を分けてあげたい場合 行方不明の相続人がいる場合 相続人がいない場合 法定相続人以外に財産を残したい場合 事業を受け継ぐものに残したい場合 遺産の配分をコントロールしたい場合 相続人がたくさんいる場合 遺産を世の中のために使いたい場合 < 遺言書の書式例 > 遺言書は いざという時残された家族への思いやりです 5 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク VER2.0
2-2 遺言の種類遺言を作成するときは 公正証書遺言で作成すると間違いがありません 公証役場で作成するため 書式違反や内容が不明で無効になることがなく 自筆証書遺言や秘密証書遺言のように家庭裁判所の検認手続を受ける必要がありません 1 自筆証書遺言 2 公正証書遺言 3 秘密証書遺言 作成方法 本人が全文自書及び署名 公証人が作成 本人が作成後証明を受ける 証人 不要 2 人以上必要 2 人以上必要 費用 不要 必要 ( 金額は異なる ) 必要 ( 金額は一律 ) 保管方法 本人 子 友人など自由 原本は公証役場に保管 正本 謄本は遺言者の自由 公証役場は保管できない 自筆証書遺言と同じ 裁判所 の検認 必要不要必要 メリット 費用がかからない内容を秘密にできる作り直しも容易 無効になる心配が少ない改ざんや紛失が少ない裁判所の検認が必要ない寝たきりや目が見えなくても作成できる謄本は再発行可 本文は代筆 ワープロ可内容を秘密にできる 全文自筆で手間がかかる 多少の費用がかかる 多少の費用がかかる 無効になる恐れあり ( ) 書類を揃える手間がかか 紛失の恐れあり デメリット 改ざん 紛失 盗難等の恐れあり る 内容を秘密にできない 無効になる恐れあり ( ) 死後発見されない恐れあり 裁判所の検認が必要 公正証書遺言以外は 遺言者 ( 遺言を残す人 ) が作成するため 内容が不明確なものや書式に 不備があった場合 遺言として認められない場合もあります 公正証書遺言は 家庭裁判所の検認が 不要です 公正証書 公証役場 Ver2.0 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク 6
3 トラブル事例集 3-1 相続をめぐるトラブル事例集遺言さえあれば! 1 子供がいないご夫婦の場合被相続人 Aと配偶者 Bは被相続人 Aの持ち家で暮らしていた 相続人はB 及び兄 Cである 被相続人 Aは配偶者 Bに住み慣れた家を相続させたいと生前話していた 配偶者 Bも そのまま住み続けることを考えたが 普段から交流のない被相続人 Aの兄 C は 売却して代金の1/4を渡すようBに求めた 配偶者に相続させる旨の遺言を作成しておけば 防ぐことが出来たトラブルです 子供がいないご夫婦の場合 特に遺言を残す事をお勧めします 2 先妻との間に子供がいた場合相続人は配偶者 B 及びAの先妻との子 C 及びDである 先妻とは子 C 及び子 Dが幼い頃に離婚 親権も先妻にある 被相続人 Aは先妻との子 C 及び子 Dとほとんど交流がない 被相続人の配偶者 Bはもちろん交流がない 被相続人 A は 配偶者 B に全て相続させたいと考えていた しかし C Dも相続人であるため 協議をしなければならない 配偶者に相続させる旨の遺言を作成しておけば 防ぐことが出来たトラブルです 先妻との間に子供がいる場合 トラブルになりやすい為 遺言を残す事をお勧めします 3 代襲相続が発生した場合父 A には子 B 及びCがおり 子 Cには配偶者 D との間に子供が3 人いる 子 Cは配偶者 Dと離婚し その子の親権は元配偶者 Dが行うこととなった その後 子 Cは死亡した しばらくして 父 Aが死亡した 父は生前 子 Bに相続させたいと話していた 子 B が手続きを進めていると 孫 Eが財産を差し出すよう言った 代襲相続では 世代間で捉え方も異なるため 話が整いづらく トラブルになるケースがあります この場合も 遺言を作成しておけば 防ぐことができたトラブルです 遺言では自由に相続分を指定できますが 一定の法定相続人には 法律により最低限の割合が相続できる遺留分を保障しています 7 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク VER2.0
3-2 遺言をめぐるトラブル事例集公正証書遺言が安心 確実! < 遺言トラブル 1> 自筆証書遺言の場合 自筆証書遺言を残した父が死亡した その遺言書には すべての財産を 老後の面倒をみてくれた次男に相続させる と書かれていたが 他の兄弟がこれに反発 遺言無効確認の裁判を起こし この遺言書は次男が偽造したものだ ( 父をそそのかして書かせたものだ ) と主張し 今も裁判を継続中である 専門家に遺言書の筆跡鑑定を依頼した費用約 50 万円弁護士に訴訟の代理を依頼した 費用は 着手金だけで約 100 万円等々 お互い莫大な費用や時間 労力がかかります せっかく残した財産が こんな使われ方をするのは残念です < 遺言トラブル 2> 遺言が見つからない場合 父が財産を残して死亡したため 相続人全員で協議して 遺産を平等に分けることに しました ところが しばらくしてたんすの奥から遺言書が発見され そこに 長男にす べての財産を相続させる と書かれていたのです 長男は 他の相続人に対し 分配した遺産を自分に渡すよう請求しましたが 他の相続 人の中には 相続した財産を使ってしまった人もいて トラブルになりました < 遺言トラブル 3> 遺言執行を指定しない場合 配偶者も子供もいない老女が 自分の妹の娘に自宅マンションを遺贈する との自筆証書遺言を残して死亡しました ところが 遺言の中で 遺言執行者を定めていなかったので マンションの名義を変えるため 老女の兄弟姉妹の協力が必要となり 連絡をとったところ 協力する見返りとして多額の報酬を請求されてしまいました 結局 裁判所に対し 遺言執行者選任の申立て行い 費用と時間が余計にかかって しまったばかりでなく 親族との関係も悪化してしまいました 大切な財産を大切な人に残したい そのための対策に必要な手続きはご相談ください 経験豊富な司法書士法人溝淵司法総合事務所へどうぞ ご不明点 ご質問も承ります Ver2.0 まちの専門家グループ / 専門家ネットワーク 8