☆☆第6次へき地計画(完成版)

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

07佐渡

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

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01 【北海道】


一般会計負担の考え方

H I T A C H I 課題を解決する方策 高梁 新見及び真庭における課題を解決する方策 (1) 課題 : 圏域面積が県の 32% を占める広い圏域であるが 救命救急センターや周産期母子医療センターがなく 中小規模 の病院が救急医療を担っている また 救急搬送では 圏域外搬送の割

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

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都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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第3章 指導・監査等の実施

別添 2 地域医療再生計画作成指針 第 1 地域医療再生計画作成の趣旨 国としては 円高 デフレ対応のための緊急経済対策 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 ) において 都道府県に設置されている地域医療再生基金を拡充し 高度 専門医療や救命救急センターなど都道府県 ( 三次医療圏 ) の

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 : 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) リクルート健康保険組合 平成 25 年 4 月 1

区分

2 金 研修会等 7 市で実施 11 高萩市 子育て中の医師への支援 H28~ 市医師会保健予防事業金 H2~ 主に医師を対象とした事業 ( 金 研修会等 ) 水戸市が運営を委託している水戸ファミリー サポート センターを活用し, その会員が水戸協同病院内の保育ルームにおいて医師の子どもを有料で預か


2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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( 災害医療調整本部の所管事務 ) 第 4 条災害医療調整本部は 次の事務をつかさどる (1) 全県域を対象とした医療資源の配置調整及び患者搬送調整に関すること (2) 国や他都道府県等に対する医療支援の要請及び受入れと その派遣調整に関すること (3) 地域災害医療対策会議の支援に関すること (4

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

第 2 部 医療圏と基準病床数 ( 第 1 章医療圏 ) 第 2 部 医療圏と基準病床数 医療圏とは 地域の医療需要に対応して包括的な医療を提供していくための区域であり 具体的には 医療資源の適正な配置と医療提供体制の体系化を図るための 地域的単位のこ とです 医療圏は 医療法により 初期の診断 治

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

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童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において検討がなされることから その検討の結果を踏まえ 別途通知することとする なお 都道府県内の難病医療提供体制に関する情報は 住民に分かりやすい形で公表し その進捗状況を周知する必要がある また 各医療機関が診療可能な難病のリスト等を公表

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地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

岡山県へき地医療施設運営費補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条知事は 離島 山村等の医療に恵まれない地域住民の医療の確保を図るため へき地医療施設の運営事業に対し 予算の範囲内において補助金を交付するものとし その交付に関しては 岡山県補助金等交付規則 ( 昭和 41 年岡山県規則第 56 号

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

第3節 重点的な取り組み

緊急臨時的医師派遣事業について 派遣元医療機関 ( 登録医師 ) 派遣先医療機関募集 会員 各位 会長長瀬清 本道では医師不足 偏在の影響により地域医療が崩壊寸前であり 住民は大きな不安を感じ 現実に他地域での受療 あるいは転院等を余儀なくされている地域も出現し 非常に憂慮しております 当会では 北

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

(3) 災害拠点病院災害拠点病院は, 災害による重篤患者の救命医療等の高度な診療機能を有し, 被災地からの患者の受入れ, 広域医療搬送に係る対応等を行います 本県では, 平成 29(2017) 年 4 月現在, 災害拠点病院として, 基幹災害拠点病院を1か所, 地域災害拠点病院を 17 か所指定して

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資料1 第1回会議のポイントについて

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④登録要領(医療分野)

平成 29 年度第 1 回徳島県医療審議会 質疑 調整会議での議論を待たずしてかなりの病床の移動が起こりつつある それをコントロールできないと 調整会議そのものが意味をなさなくなるのではないか 1 当会議の運営要領を定めてはどうか 2 病床機能分化 連携推進体制整備事業について当会議の審議事項として

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4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

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医療的ケア児について

1.【鑑】「生活困窮者自立支援制度と自殺対策施策との連携について」の一部改正について

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高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

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地域支援事業交付金の算定方法について

13【東京都再修正版】平成28年度第2回精神障害者の地域移行担当者等会議【事前課題】シート290222

2 医師不足等に対応した地域における周産期医療の確保について 周産期医療に携わる医師の不足や偏在には 産科 産婦人科を専攻する医師が減少していること 小児科医師のうち新生児医療を専攻する医師が少ないこと 医師が限られた都市部の病院に集中しがちであること 小児科 産婦人科共に女性医師の割合が増加してい

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

三鷹市健康福祉総合計画2022

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第 6 次茨城県へき地保健医療計画 平成 25 年 1 月 茨城県

目 次 1 基本的事項 1 (1) 計画策定の目的 1 (2) 計画の期間 1 2 へき地保健医療対策の現状と課題 1 (1) へき地を取り巻く状況 1 (2) 医療提供施設の現状 3 (3) へき地保健医療対策の課題 4 3 へき地保健医療対策の目標 5 4 へき地等の医療提供体制を構築する各主体の役割 5 (1) 県の役割 5 (2) へき地医療を担う医師, 医療機関等へき地医療関係者の役割 5 (3) へき地を有する市町の役割 5 (4) 医療の提供を受ける住民の役割 5 5 へき地保健医療対策に係る具体的支援策 6 (1) へき地医療支援機構の強化について 6 (2) へき地医療を担う医師の動機付けとキャリアパスの構築について 6 (3) へき地等の医療提供体制に対する支援について 7 (4) へき地等の歯科医療体制について 7 (5) へき地等の医療機関に従事する医療スタッフについて 7 6 計画の推進 8

第 6 次茨城県へき地保健医療計画 1 基本的事項 (1) 計画策定の目的 1 へき地における住民や患者の実情を踏まえ, 本県のへき地保健医療の充実を図るため, 本計画を定める 1 へき地 無医地区, 準無医地区その他へき地診療所が設置されている等, へき地保健医 療対策の対象となっている地域 (2) 計画の期間 この計画の期間は, 平成 25 年度から平成 29 年度までの 5 か年とする 2 へき地保健医療対策の現状と課題 (1) へき地を取り巻く状況ア過疎地域の現状本県では, 大子町及び市町村合併以前に過疎地域であった旧山方町, 旧美和村, 旧緒川村, 旧御前山村 ( 現常陸大宮市 ), 旧金砂郷町, 旧水府村, 旧里美村 ( 現常陸太田市 ), 旧七会村 ( 現城里町 ) が過疎地域自立促進特別措置法 ( 平成 12 年法律第 15 号 ) により引き続き過疎地域としての指定を受けている また, 山村振興法 ( 昭和 40 年法律第 64 号 ) により過疎地域の一部, 日立市及び高萩市の一部が地域指定を受けている イ無医地区等の現状平成 21 年 10 月末に行った無医地区等調査では, 本県には, 無医地区が20 地区, 無医地区に準じる地区が1 地区あり, 交通網の整備等により, 前回調査から無医地区数が3 地区減少したところであり, 総数はここ20 年間ほぼ横ばいとなっている また, 無歯科医地区は21 地区, 無歯科医地区に準じる地区は1 地区あり, こちらもほぼ横ばいの状況となっている 1

2 3 ( 表 1) 無医地区数 準無医地区数の推移 平成元年度 平成 6 年度 平成 11 年度 平成 16 年度 平成 21 年度 無医地区数 (A) 19 21 23 23 20 準無医地区数 (B) 0 0 0 1 1 合計 (A+B) 19 21 23 24 21 ( 厚生労働省 : 無医地区等調査 ) 2 3 ( 表 2) 無歯科医地区数 準無歯科医地区数の推移 平成元年度 平成 6 年度 平成 11 年度 平成 16 年度 平成 21 年度 無歯科医地区数 (A) 21 23 22 25 21 準無歯科医地区数 (B) 0 0 0 0 1 合計 (A+B) 21 23 22 25 22 ( 厚生労働省 : 無医地区等調査 ) 2 無医地区 無歯科医地区医療機関 ( 歯科医療機関も含む ) がない地域で当該地区の中心的な場所を起点としておおむね半径 4kmの範囲内に50 人以上居住している地域でかつ容易に医療機関を利用できない地区 3 準無医地区 準無歯科医地区無医地区 無歯科医地区には該当しないが, 無医地区 無歯科医地区に準じた医療の確保が必要な地区と都道府県が判断し, 厚生労働省に協議することができる地区 2

( 表 3) 無医地区 準無医地区 無歯科医地区 準無歯科医地区の状況 市町名 地区名無医地区準無医地区無歯科医地区準無歯科医地区 常陸太田市 里川 里川 天竜院 天竜院 上武生 上武生 高萩市 上君田 上君田 下君田 下君田 横川 横川 中戸川 中戸川 大能 大能 若栗 若栗 北茨城市 小川 小川花園 常陸大宮市 久隆 久隆 北冨田 北冨田 仲河戸上 仲河戸上 大岩 大岩 油河内 油河内 相川 桧山 相川 桧山 城里町 塩子 塩子 赤沢 赤沢 大真 大真 大子町 北吉沢 北吉沢 栃原 大沢 栃原 大沢 合計 6 市町 20 地区 1 地区 21 地区 1 地区 ( 平成 21 年 10 月末現在 ) (2) 医療提供施設の現状アへき地医療支援機構県立中央病院に設置された茨城県へき地医療支援機構は, 本県におけるへき地医療対策に係る施策の一元的な企画 調整を行っている 3

イへき地診療所県内 3か所のへき地診療所が, 無医地区等における地域住民への医療を提供している 北茨城市立水沼診療所常陸大宮市国保美和診療所城里町国保七会診療所 ウへき地医療拠点病院県内 4か所のへき地医療拠点病院が, 巡回診療やへき地診療所への医師派遣, 代診医派遣等を行っている 北茨城市立総合病院茨城県立中央病院石岡第一病院常陸大宮済生会病院 エその他の医療機関へき地診療所, へき地医療拠点病院以外にも民間医療機関がへき地に暮らす住民に対して健康診断や巡回診療を行い, 一部地域においては, へき地の医療提供体制における大きな役割を果たしている (3) へき地保健医療対策の課題へき地における保健医療の現状は, 必ずしも十分とは言えず, 一般地域との保健医療水準の格差が存在しており, 県民が等しく適切な保健医療を受けられるよう, へき地保健医療体制を充実させる必要がある また, 医師不足により, へき地医療支援機構やへき地診療所, へき地医療拠点病院は十分に運営できる体制にあるとは言えない状況にあり, へき地医療に従事する医師や看護師等の人材の確保が必要となっている さらに, へき地では医療資源が乏しいなどの課題があり, 救急患者の搬送及び受入れ体制の充実が必要となっている 加えて, へき地には交通手段を持たない高齢者も多いことから, 交通手段の確保 充実により, 最寄りの医療機関を容易に利用できるようにしてへき地の医療を確保する必要がある 4

3 へき地保健医療対策の目標 無医地区等の地域住民が安心して医療を受けられる体制の整備 へき地医療に従事する医師, 看護師等人材の養成 確保 へき地における患者輸送体制の確保 4 へき地等の医療提供体制を構築する各主体の役割 へき地等の医療提供体制を構築する各主体は, お互いに横断的に連携 協力を図りな がらそれぞれの役割を果たすものとする (1) 県の役割 へき地医療支援機構におけるへき地医療支援事業の企画 調整 へき地医療に従事する医師, 看護師等人材の養成 確保 へき地診療所, へき地医療拠点病院への運営費, 設備 施設整備費の助成 (2) へき地医療を担う医師, 医療機関等へき地医療関係者の役割 ( へき地診療所 ) へき地における総合的な診療の提供 へき地医療拠点病院との連携体制の確保 へき地医療拠点病院における研修への積極的な参加 ( へき地医療拠点病院 ) 医師その他医療従事者の確保及びへき地診療所への派遣 無医地区への定期的な巡回診療の実施 へき地医療従事者に対する研修の実施 へき地診療所への診療支援 (3) へき地を有する市町の役割 へき地医療を担う医師や看護師等の生活環境や勤務環境の整備 無医地区の住民の患者輸送体制の確保 住民に対する健康づくりに関する啓発の実施 (4) 医療の提供を受ける住民の役割 へき地医療を担う医師, 看護師等の重要性や生活面での実情等を理解し, 市町, 地域コミュニティ等とともにへき地医療に従事する医師, 看護師等を支える役割 喫煙の防止による疾病の予防や健康診断の定期的な受診による疾病の早期発見等, 自身の健康管理に留意する役割 5

5 へき地保健医療対策に係る具体的支援策 (1) へき地医療支援機構の強化についてアへき地医療支援機構の役割県は, へき地医療対策に係る施策を一元的に企画 調整するための機関として県立中央病院に茨城県へき地医療支援機構を設置している 茨城県へき地医療支援機構は, へき地医療対策の各種事業を円滑かつ効率的に実施するため, 茨城県へき地医療支援計画策定会議において, へき地医療支援計画を策定し, 次の事業を行うものとする なお, へき地への医師派遣の調整に当たっては, 保健福祉部内に設置している地域医療支援センターと連携を図るものとする 1 へき地における総合的な診療計画の企画 調整 2 へき地医療拠点病院とへき地診療所間の医師派遣の調整 3 へき地医療拠点病院における医師等の派遣登録業務及び当該人材のへき地診療所への派遣業務に係る指導 調整 4 へき地医療従事者に対する研修計画 プログラムの形成 5 へき地医療拠点病院の活動評価 6 非常勤医師の配置などのへき地で勤務を希望する医師への情報提供 7 へき地診療所への診断支援を行う遠隔医療についての検討 8 市町村が設置運営するへき地診療所に対する支援 9 総合医のへき地診療所への配置の支援 イへき地医療支援機構が行う取組に対する支援 1 地域医療に意識の高い医師で, かつ, へき地で相当の診療経験を有する者を専任担当者として配置し, 専任担当者が現場の医師と行政のパイプ役として, へき地医療対策の各種事業に対し助言 調整等が行えるよう支援を行う 2 他都道府県の施策の情報収集等, へき地医療の現状把握に努めるとともに, 関係市町との連携強化を図りながら, へき地医療支援機構の機能強化に向け, 積極的に支援を行う 3 医師確保については, へき地医療支援機構が地域医療支援センターと連携を図り, 事業を実施できるよう支援を行う 4 全国へき地医療支援機構等連絡会議 等を通じて, 他都道府県の施策等の情報収集を行い, へき地医療支援機構の活動評価を行う (2) へき地医療を担う医師の動機付けとキャリアパスの構築についてア医師の育成過程等におけるへき地医療への動機付け修学資金や地域枠を活用している医学生等を対象とした本県の地域や医療の現状を学ぶためのセミナー等を開催し, 地域医療に従事する使命感や意欲の醸成を図る 6

イ安心して勤務 生活できるキャリアパスの構築修学資金や地域枠を活用して卒業した医師をはじめとする若手医師を対象に, 県内医師不足地域で一定期間従事しながらでも医師として必要な技術が身につけられるキャリアパスの構築に取り組む (3) へき地等の医療提供体制に対する支援についてアへき地医療機関に対する支援策へき地診療所及びへき地医療拠点病院に対する運営費及び設備 施設整備費の助成を行い, へき地における医療提供体制の維持に努める イ情報通信技術 (IT) による診療支援 IT を活用し, へき地医療に関する情報を共有するとともに, 必要に応じた専門 医療の提供体制の推進を図る ウドクターヘリの活用方策無医地区及びへき地診療所からアクセスしやすい場所にヘリコプターの離着陸場であるランデブーポイントを整備し, へき地においても迅速に第三次救急医療を受けられるよう救急搬送体制の充実を図る エ患者輸送体制の確保 無医地区の住民の交通手段を確保するため, 市町における患者の輸送体制を引き 続き維持する オ在宅医療の充実 在宅医療に係わる関係機関が連携して, へき地の実情に応じた継続的な在宅医療 提供体制の充実を図る (4) へき地等の歯科医療体制について 県歯科医師会等関係団体と連携して, 無歯科医地区の歯科医療の提供を図る (5) へき地等の医療機関に従事する医療スタッフについて 修学資金の貸与等により, へき地をはじめとする県内の看護職員の養成 確保を 図る 7

6 計画の推進本計画の推進にあたっては, へき地医療支援機構のもとで協議 調整を図るものとする また, 関係市町においては, 本計画に基づき, それぞれの地域の特徴を活かした市町事業実施計画を策定してへき地保健医療の充実を図るものとする 8