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山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

3-2 在宅医療を安心して受けられるようになるには 在宅医療については 前述のとおり まず 急性期等の機能を持つ医療機関から在宅あるいは多様な居住の場へのつなぎを円滑に進める必要があります ( 退院後の在宅医療への連携 ) 在宅医療を地域で連携して行う体制として 次頁の図のように (1) 介護を含め

Microsoft PowerPoint 田中先生資料.ppt

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

Microsoft Word - 資料の表紙.doc

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2

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

結果の概要

歯科中間報告(案)概要

特定健康診査等実施計画書 ( 第 3 期 ) JXTG グループ健康保険組合 平成 20 年 4 月 1 日制定平成 22 年 4 月 1 日改訂平成 25 年 4 月 1 日改正平成 30 年 4 月 1 日改正 - 1 -

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

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特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

Microsoft Word - 特定健康診査等実施計画2期(YNK).docx

■● 糖尿病

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

第2次「健康くるめ21」計画

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) 三菱製紙健康保険組合 平成 30 年 4 月

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者


特定健康診査等実施計画 豊田合成健康保険組合 平成 30 年 3 月

特定健康診査等実施計画

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

生活福祉研レポートの雛形

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

Ⅰ 目標達成

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

第三期特定健康診査等実施計画 ニチアス健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 02 月 20 日

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

宗像市国保医療課 御中

特定健康診査等実施計画


特定健康診査等実施計画

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Microsoft Word - (セット案とれ)【閣議後会見用】取組ペーパー

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

特定健康診査等実施計画

2

結果の概要 Ⅱ 結果の概要第 1 部糖尿病等の状況 1. 糖尿病 表 1 解析対象者 ( 人 ) 総数 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 ( 再掲 )40-74 歳 総数 4, ,008 2,

平成 29 年 3 月改定 特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) 協和発酵キリン健康保険組合 平成 29 年 3 月

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 : 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) リクルート健康保険組合 平成 25 年 4 月 1

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次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

(7)健診データの受領方法

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Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

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調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた し かし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医 療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと 社会保障制度を構築してきた結果 世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 近代において 急速な少子高齢化や国民の大きな生活環境の変化は 飽食や便利さと引き換えに慢性的な運動不足に陥り いわゆる生活習慣病への大きな要因となっている さらには 医

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

クラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」のラインアップに企業の健康保険組合などが行う特定保健指導を日立が代行する「はらすまダイエット/遠隔保健指導」を追加

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

特定健康診査等実施計画 第二期 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 第一版 三菱鉛筆健康保険組合 平成 25 年 5 月

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

健康ながさき21 (中間見直し版)

対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

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健康日本21推進全国連絡協議会

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

国民健康保険制度改革の施行に向けて

県計画

SoftBank 301SI 取扱説明書

(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

(2) 循環器疾患項目 策定時の現状 データソース 1 脳血管疾患 虚血性心疾 脳血管疾患 厚生労働省 人口動態調査 脳血管疾患 脳血管疾患 患の年齢調整死亡率の減少 男性 49.5 男性 44.8 男性 41.6 (10 万人当たり ) 女性 26.9 女性 24.6 女性 24.7 虚血性心疾患

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第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

福利厚生基本計画

スライド 1

メタボリックシンドローム

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Microsoft Word - 実施計画書H doc

日本赤十字社健康保険組合特定健康診査等実施計画 Ⅰ 計画策定にあたって 1 背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務

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「健康日本21」中間評価報告書(案)

01 【北海道】

健康管理学 29 社 1_21 健康管理学.xlsx 1 年 科目名 : 健康管理学 担当教員氏名 : 成瀬優知 単位 開講時期 ( 年次 期 ) 2 1 年次後期 科目の区分 授業方法 必修 / 選択 専門選択科目講義選択 備考 健康管理士一般指導員受験資格 健康を維持するために必要な健康管理法に

医療費適正化計画の概要について 国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から 医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため 国 都道府県は 医療費適正化計画を定めている 根拠法 : 高齢者の医療の確保に関する法律作成主体 : 国 都道府県計画期間 :5 年 ( 第 1 期 : 平成 20~24

Transcription:

生活習慣病対策の 総合的な推進 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長中島誠

Ⅰ 健康日本 21 の進捗状況について ( 健康日本 21 中間評価における暫定直近実績値より ) 1

栄養 食生活 目標 : 適正体重を維持している人の増加 肥満者の割合 男性 20~60 歳代 % 策定時暫定直近実績値目標値 % 女性 40~60 歳代 策定時暫定直近実績値目標値 30 25 20 15 24.3 29.5 15.0 30.0 25.0 20.0 15.0 25.2 25.0 20.0 10 10.0 5 5.0 0 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 0.0 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 2

目標 : 野菜の摂取量の増加 ( 成人 1 日 ) 野菜摂取量 400 350 300 250 200 150 100 50 0 g/ 日 策定時暫定直近実績値目標値 350 292 293 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 3

目標 : 朝食を欠食する人の減少 25.0 20.0 15.0 % 欠食する人の割合 30 歳代男性 策定時 暫定直近実績値 目標値 23.0 20.5 15.0 10.0 5.0 0.0 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 4

身体活動 運動 目標 : 日常生活における歩数の増加 ( 成人 20 歳以上 ) 男性 日常生活における歩数 女性 歩 / 日 策定時 暫定直近実績値 目標値 歩 / 日 策定時 暫定直近実績値 目標値 10,000 8,000 8,202 7,575 9,200 10,000 8,000 7,282 6,821 8,300 6,000 6,000 4,000 4,000 2,000 2,000 0 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 0 H9(1997) H15(2003) H22(2010) H9 国民栄養調査 H15 国民健康 栄養調査 5

糖尿病 目標 : 糖尿病有病者の減少 万人 1800 1500 糖尿病有病者の推移 1370 1620 1200 900 690 740 680 880 H9 年 H14 年 600 300 0 糖尿病が強く疑われる人 糖尿病の可能性が否定できない人 糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人との合計出典 ) 糖尿病実態調査 6

Ⅱ 生活習慣病対策の 基本的考え方について 7

病のリスク要因齢疾(介入可能)生活習慣病の現状 肥満者の生活習慣病の重複の状況 ( 粗い推計 ) 生活習慣の変化や高齢者の増加等によって 生活習慣病の有病者 予備群が増加 生活習慣病の現状 ( 粗い推計 ) 例えば糖尿病は 5 年間で有病者 予備群を合わせて1.2 倍の増加 糖尿病 : 有病者 740 万人 / 予備群 880 万人 高血圧症 : 有病者 3100 万人 / 予備群 2000 万人 高脂血症 : 有病者 3000 万人 脳卒中 : 死亡者数 13 万人 / 年 心筋梗塞: 死亡者数 5 万人 / 年 肥満に加え 糖尿病 高血圧症 高脂血症が 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 肥満のみ 高脂血症 糖尿病 高血圧症 (H14 糖尿病実態調査を再集計 ) がん : がん死亡者数 31 万人 / 年 ( 例 : 胃 5 万人 大腸 4 万人 肺 6 万人 ) 総合的な生活習慣病対策の実施が急務 短期的な効果は必ずしも大きくないが 中長期的には 健康寿命の延伸 医療費の適正化等への重要なカギとなる 8 生活習慣病対策実施による老人医療費の適正化 ( イメージ ) 健康増進 発症抑制 加齢 老人医療費の適正化 重症化抑制 年 1人当たり医療費発症水準

生活習慣病とは 不適切な食生活 運動不足 喫煙などで起こる病気 メタボリックシンドロームとしての肥満症 糖尿病 高血圧症 高脂血症及びこれらの予備群自覚症状に乏しく日常生活に大きな支障はないが 健診で発見された後は 基本となる生活習慣の改善がなされないと 脳卒中や虚血性心疾患 ( 心筋梗塞等 ) その他重症の合併症 ( 糖尿病の場合 : 人工透析 失明など ) に進展する可能性が非常に高い * 喫煙により 動脈硬化の促進 脳卒中や虚血性心疾患の発症リスク増大 がん( 肺がん 喉頭がん等 ) の発症リスク増大 がんがん検診や自覚症状に基づいて発見された後は 生活習慣の改善ではなく 手術や化学療法などの治療が優先される がん検診の普及方策やがん医療水準の均てん化等 早期発見 治療 といったがん対策全般についての取組みが別途必要 不健康な生活習慣 不適切な食生活 ( エネルギー 食塩 脂肪の過剰等 ) 運動不足 ストレス過剰 飲酒 喫煙 など 境界領域期 予備群 肥満 高血糖 高血圧 高脂血 など 生活習慣病 メタボリックシンドロームとしての 肥満症 糖尿病 高血圧症 高脂血症 * など 重症化 合併症 虚血性心疾患 ( 心筋梗塞 狭心症 ) 脳卒中 ( 脳出血 脳梗塞等 ) 糖尿病の合併症 ( 失明 人工透析等 ) など 一部の病気は 遺伝 感染症等により発症することがある 生活機能の低下要介護状態 半身の麻痺 日常生活における支障 認知症 不健康な生活習慣 の継続により 予備群( 境界領域期 ) 生活習慣病( メタホ リックシント ローム ) 重症化 合併症 生活機能の低下 要介護状態 へと段階的に進行していく どの段階でも 生活習慣を改善することで進行を抑えることができる とりわけ 境界領域期での生活習慣の改善が 生涯にわたって生活の質 (QOL) を維持する上で重要である 9 など

生活習慣病の発症 重症化予防 高血糖 高血圧 高脂血 内臓肥満などは別々に進行するのではなく ひとつの氷山 ( メタボリックシンドローム ) から水面上に出たいくつかの山 のような状態 投薬 ( 例えば血糖を下げるクスリ ) だけでは水面に出た 氷山のひとつの山を削る だけ 根本的には運動習慣の徹底と食生活の改善などの生活習慣の改善により 氷山全体を縮小する ことが必要 高血糖 高血圧 高脂血 内臓肥満 メタボリックシンドローム ( 代謝機能の不調 ) 運動習慣の徹底 食生活の改善 生活習慣の改善 運動習慣の徹底 消費エネルギーの増大心身機能の活性化 摂取エネルギーの減少正しい栄養バランス 代謝の活性化 内臓脂肪の減少 ( 良いホルモン分泌 不都合なホルモン分泌 ) 継続 食生活の改善 禁煙 個々のクスリで 1 つの山だけ削っても 他の疾患は改善されていない 適正な血糖 血圧 血中脂質 体重 腹囲の減少 達成感 快適さの実感 氷山全体が縮んだ! 10

生活習慣の改善の目標 発症 重症化予防の基本は 個人の生活習慣を改善すること : 1 に運動 2 に食事しっかり禁煙 5 にクスリに 運動習慣の徹底 と 食生活の改善 は どれくらいやればいいのか? 体重 適正体重の維持 < 健康日本 21 の目標 ( 例 )> BMI<25 (BMI= 体重 (kg)/[ 身長 (m)] 2 ) 運動習慣の徹底 日常生活における歩数男性 9,200 歩以上 / 日女性 8,300 歩以上 / 日 ( 約 1,000 歩の増加 ) 運動の習慣化 1 回 30 分以上の運動を 週 2 回以上 その支援のために 国民全体の意識の向上 雰囲気づくり 継続的な生活習慣の改善が必要 1 正しい知識の普及啓発 2 健康づくりの環境整備を徹底して行うことが重要 食生活の改善 食育の推進 脂肪によるエネルギー摂取 25% 以下 (20-40 歳代 ) 食塩摂取量の減少 10g 未満 / 日 野菜の摂取量の増加 350g 以上 / 日 健康づくりの国民運動化 症した人の割40 (%) 糖尿病発症の抑制効果 合網羅的 体系的な保健サービスの推進発網羅的 体系的な保健サービスの推進 従来通り 30 治療薬の使用 31% 抑制 (4 年間 ) 20 生活習慣の改善 ( 食生活 運動習慣の改善 ) 10 58% 抑制 (4 年間 ) 対象 : 糖尿病の発症リスクの高い者 0 0 1 2 3 4 ( 年 ) 出典 : N Engl J Med 2002;346:393-406 有病者 予備群への直接的 積極的な支援 生活習慣病は自覚症状が乏しいことが多い 1 健康度をチェックする健康診査 2 有病者 予備群に対する個別保健指導を徹底することが重要 11

健康づくりの国民運動化 ポピュレーション アプローチ ( 社会全体への啓発 ) 良い生活習慣は 気持ちがいい! 生活習慣病の特性, 予防 治療等に関する正しい知識を共有する 生活習慣を改善したいと思った者が容易に取り組むことができるよう 環境を整備する 生活習慣の改善 達成感 快適さの実感 継続 キャンペーン 等を通して国民全体のコンセンサスを形成 普段 健康に関心のある人にもない人にも 1 に運動 2 に食事しっかり禁煙 5 にクスリに! なぜ? どうやって? を平易な言葉で 各種のシンポジウムやメディアなどあらゆる媒体で 全ての国民に わかりやすく 正しい情報が 繰り返し提供される国 : 国民 ( 関心の低い人を含む ) 身近で 無理なく 継続して取り組めるサービスが提供される 家庭でも 職場でも日本全国どこでも 朝でも 昼間でも 夜でも平日でも 休日でも 楽しく 簡単で 手頃な 民間の活力も活用した 人材 場所 サービス などの環境の整備 12 普及啓発手法 戦略等の提示 都道府県 : 健康増進計画の策定 市町村 : 住民に対する普及啓発の中心 関係機関 : ( 医療保険者 医療機関 教育機関 マスメディア 企業等 ) 市町村等と連携した取組みの展開

網羅的 体系的な保健サービスの推進 ハイリスク アプローチ ( 有病者 予備群への個別対応 ) 国民は 健康度のチェックのために健康診査を受診 有病者 予備群は 保健指導 ( 生活習慣の改善を促す支援 ) を必ず受ける 健康増進事業実施者 ( 医療保険者 市町村 事業主 ) は 適切な健診機会の提供 健診をきっかけとした適切な保健指導を提供 連 携 医療機関 都道府県は 住民の健康度把握のためのデータの収集 分析 評価 健康増進計画の策定を通じた医療保険者や市町村等の役割分担と連携促進のための体制整備 国は 関係者が最大限活躍できる仕組みづくり 科学的根拠に基づいたプログラムの提供 有病者への保健指導の充実強化 国 基本的事項の指針策定 節目健診の徹底 健診指針の充実 民間を含むサービス提供体制の構築等評価 科学的根拠に基づく知見の提供支援 健診項目 保健指導プログラム等 都道府県 健康増進計画の策定 地域特性を踏まえた関係者の役割分担 連携 協力体制の構築 評価調整 医療保険者事業主 健診/ レセプトデータを活用した保健事業の展開保険者協議会積極的活用地域 職域連携推進協議会 評価指導 13 市町村 地域保健の推進 民間事業者 国民

Ⅲ 運動施策の充実強化について 14

1 に運動 2 に栄養しっかり禁煙最後にクスリ をスローガンに 健康づくりの国民運動化 1 運動習慣の定着に向けた国民運動の展開 2 健診後のハイリスク者に対する 栄養指導と連携した運動指導の徹底 15

(1) 運動プログラムの提供 - 1 2 エビデンスに基づき個人の特性に対応した運動プログラムの開発 運動所要量の見直し 運動指針の見直し - 3 糖尿病予防のための運動 栄養指導プログラムの作成 16

(2) 運動の専門家の養成 定着 - 1 2 3 安全で効果的な運動指導を担うことが出来る資質を有し 人材供給側 受入れ側双方にとって魅力ある専門性を備えた人材像への転換 - 健康運動指導士養成校制度の創設 - 体育系大学が輩出する人材像の転換 - 体育系大学における養成カリキュラムの検討 健康運動指導士等の養成カリキュラムの見直し 充実 介護予防に関する知識 技術の修得 フィットネス産業界における経営戦略の転換 等 17

(3) 健康づくりの国民運動化 - 国民の意識啓発と運動に親しむ環境の整備 - 1 最も手軽な運動であるウォーキングの普及促進 2 身近で 無理なく 継続して 自らに合った運動に取り組める場の整備 2 健康づくりに取り組む民間団体の集まりである 健康日本 21 推進全国連絡協議会 の活性化 18