平成 26 年度全国学力 学習状況調査の結果概要報告書 平成 26 年 12 月 1 日清里町教育委員会 1 はじめに清里町教育委員会では 平成 19 年度より文部科学省の調査目的をふまえて 全国学力 学習状況調査 を実施しています この調査により測定できるのは 学力の一部分ではありますが これまでの各学校の取り組みにより 清里町の児童 生徒の学力は比較的高い水準にあるといえます しかしながら 知識 技能を活用する力の育成 家庭学習の充実 など いくつかの重要な課題も見られることから 学力向上を学校教育に関する重要な施策として位置づけ 学校 家庭 地域 教育委員会がそれぞれ情報を共有し 継続して取り組んでいく必要があります 2 調査の目的 (1) 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図る (2) 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる (3) そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する 3 調査の概要 (1) 実施期日平成 26 年 4 月 22 日 ( 火 ) (2) 参加状況町内全小学校 3 校 (41 名 ) 町内全中学校 1 校 (37 名 ) (3) 教科に関する調査 ( 国語 算数 数学 ) A 問題 : 主とし 身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼすて 知識 に関内容する問題 実生活において不可欠であり 常に活用できるようになっていることが望ましい知識 技能など B 問題 : 主とし 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力て 活用 に関 様々な課題解決のための構想を立て 実践し 評価 改善するする問題力など 小学 6 年生は学習指導要領に示された小学校 5 年生までの内容 中学校 3 年生は中学校 2 年生までの内容に基づいて出題されています (4) 質問紙調査学習意欲 学習方法 学習環境 生活習慣などに関する調査 4 調査結果の取り扱い (1) 町全体の状況についての公表小学校全体並びに中学校の結果について 平均正答率の数値を除き公表します (2) 公表の方法 1
町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果報告書への掲載北海道教育委員会が作成する平成 26 年度全国学力 学習状況調査 北海道版結果報告書 に 清里町の結果資料を掲載することに同意します 5 調査結果の概要 (1) 教科に関する調査 1 平均正答率による全国および全道と清里町との比較 小学校 中学校 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 全国 72.9 55.5 78.1 58.2 79.4 51.0 67.4 59.8 清里町 やや高い 低い やや低い 低い やや高いほぼ同じやや高いほぼ同じ 全道 71.8 52.9 75.8 55.2 79.4 49.9 66.0 59.4 清里町 高い やや低いほぼ同じほぼ同じやや高いやや高いやや高いほぼ同じ -7.5~-5.1: 低い -5.0~-2.6: やや低い -2.5~+2.5: ほぼ同じ +2.6~+5.0: やや高い +5.1~+7.5: 高い 2 教科 領域別の傾向 小学校 6 年生 国語 A( 話すこと 聞くこと ) 算数 B( 数量関係 ) 算数 B( 図形 ) 110 100 国語 A( 書くこと ) 国語 A( 読むこと ) 清里町 全道 全国 =100 算数 B( 量と測定 ) 算数 B( 数と計算 ) 90 80 70 国語 A( 伝統的な言語文化と国語の特 国語 B( 話すこと 聞くこと ) 算数 A( 数量関係 ) 国語 B( 書くこと ) 算数 A( 図形 ) 国語 B( 読むこと ) 国語 B( 伝統的な言算数 A( 量と測定 ) 語文化と国語の特 算数 A( 数と計算 ) 2
国語 A すべての領域で全国を上回りました 国語 B 話すこと 聞くこと は 全国とほぼ同じでした 書くこと, 読むこと, 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 は 全国を下回りました 算数 A 量と測定 と 数量関係 は 全国とほぼ同じでした 数と計算 と 図形 は 全国をやや下回りました 算数 B 量と測定 は 全国とほぼ同じでした 数と計算, 図形, 数量関係 は 全国を下回りました 中学 3 年生 国語 A( 話すこと 聞くこと ) 数学 B( 資料の活用 ) 110 国語 A( 書くこと ) 清里町全道全国 =100 数学 B( 関数 ) 数学 B( 図形 ) 数学 B( 数と式 ) 100 90 80 70 国語 A( 読むこと ) 国語 A( 伝統的な言語文化と国語の特質に 国語 B( 書くこと ) 数学 A( 資料の活用 ) 国語 B( 読むこと ) 数学 A( 関数 ) 数学 A( 図形 ) 国語 B( 伝統的な言語文化と国語の特質に 数学 A( 数と式 ) 国語 A 話すこと 聞くこと と 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 は 全国を上回りました 書くこと と 読むこと は 全国とほぼ同じでした 国語 B 読むこと と 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 は 全国とほぼ同じでした 書くこと は 全国を下回りました 数学 A 図形, 関数, 資料の活用 は 全国を上回りました 3
数と式 は 全国とほぼ同じでした 数学 B 関数 は 全国をやや上回りました 図形 は 全国とほぼ同じでした 数と式 と 資料の活用 は 全国を下回りました (2) 質問紙調査小学 6 年生 1 早寝 早起き 朝ご飯 朝食を毎日食べる, 毎日 同じくらいの時刻に寝る, 毎日 同じくらいの時刻に起きる 割合は 全国とほぼ同じです 2 メディアの使用 1 日 3 時間以上テレビやDVDを見たり聞いたりする 割合は 全国を下回っています 携帯電話やスマートフォンの所持していない 割合は 全国を上回っています 1 日 3 時間以上テレビゲームをする 割合は 全国とほぼ同じです 3 家庭学習 家で 学校の宿題を必ずしている 割合は 全国を上回っています 学校の授業時間以外に 1 日 1 時間以上勉強する 割合は 全国を下回っています 家で 授業の予習や復習に取り組む 割合は 全国を下回っています 4 読書習慣 放課後や休日に 学校や地域の図書館を月 1 回以上利用する 割合は 全国を上回っています 学校の授業時間以外に 30 分以上読書する 割合は 全国を下回っています 5 自尊感情 自己肯定感 最後までやり遂げてうれしかったことがある, 失敗を恐れず挑戦している, 自分にはよいところがある と思う割合は 全国とほぼ同じです 6 規範意識 学校のきまりを守っている, 友達との約束を守っている, 人の気持ちが分かる人間になりたい, 人の役に立つ人間になりたい と思う割合は 全国を上回っています いじめは どんな理由があってもいけないことだ と思う割合は 全国をやや下回っています 7 学校生活 学級みんなで協力して何かをやり遂げ うれしかったことがある 割合は 全国を上回っています 学校に行くのは楽しい, 先生は よいところを認めてくれている と思う割合は 全国とほぼ同じです 学校生活の悩みを 誰にも相談しない 割合が 全国を上回っています 8 地域 社会との関わり 4
地域の行事に参加している, 新聞を読んでいる 割合は 全国を上回っています 地域や社会の問題や出来事に関心がある, 地域や社会をよくするために何をすべきかを考える, テレビやインターネットでニュースを見る 割合は 全国とほぼ同じです 9 国語の勉強 国語の勉強は大切だ と思う割合は 全国を上回っています 国語の授業の内容はよく分かる と思う割合は 全国とほぼ同じです 国語の勉強は好きだ と思う割合は 全国を下回っています 10 算数の勉強 算数の勉強は好きだ, 算数の勉強は大切だ, 算数の授業の内容はよく分かる と思う割合は 全国を上回っています 11 授業の内容 授業で 自分の考えを発表する機会が与えられていた と思う割合は 全国を上回っています 授業の中で分からないことがあったら その場で先生に尋ねる または 授業が終わってから先生に尋ねに行く 割合は 全国を上回っています 授業の中で 調べる活動, 話し合う活動, 振り返る活動 をよく行っていたと思う割合は 全国とほぼ同じです 感想文や説明文を書くことは難しい と思う割合は 全国を上回っています 中学 3 年生 1 早寝 早起き 朝ご飯 朝食を毎日食べる, 毎日 同じくらいの時刻に寝る, 毎日 同じくらいの時刻に起きる 割合は 全国とほぼ同じです 2 メディアの使用 携帯電話やスマートフォンの所持していない 割合は 全国を上回っています 1 日 3 時間以上テレビやDVDを見たり聞いたりする 割合は 全国とほぼ同じです 1 日 4 時間以上テレビゲームをする, 1 日 4 時間以上携帯電話やスマートフォンで通話やメール インターネットをする 割合は 全国を上回っています 3 家庭学習 家で 学校の宿題をしている 割合は 全国を下回っています 学校の授業時間以外に 1 日 1 時間以上勉強する, 家で 授業の予習や復習に取り組む 割合は 全国を下回っています 学校の授業時間以外に 全く勉強しない 割合が 全国を上回っています 4 読書習慣 学校の授業時間以外に 30 分以上読書する, 放課後や休日に 学校や地域の図書館を月 1 回以上利用する 割合は 全国を上回っています 学校の授業時間以外に 全く読書しない 割合が 全国を上回っています 5
5 自尊感情 自己肯定感 最後までやり遂げてうれしかったことがある, 自分にはよいところがある と思う割合は 全国を上回っています 失敗を恐れず挑戦している と思う割合は 全国とほぼ同じです 将来の夢や目標を持っている 割合は 全国を下回っています 6 規範意識 人の気持ちが分かる人間になりたい, 人の役に立つ人間になりたい と思う割合は 全国をやや上回っています 学校のきまりを守っている, 友達との約束を守っている 割合は 全国とほぼ同じです いじめは どんな理由があってもいけないことだ と思う割合は 全国をやや下回っています 7 学校生活 学校に行くのは楽しい, 学級みんなで協力して何かをやり遂げ うれしかったことがある, 先生は よいところを認めてくれている と思う割合は 全国を上回っています 8 地域 社会との関わり 地域の行事に参加している, 地域や社会の問題や出来事に関心がある 割合は 全国を上回っています テレビやインターネットでニュースを見る 割合は 全国とほぼ同じです 新聞を読んでいる, 地域や社会をよくするために何をすべきかを考える 割合は 全国をやや下回っています 9 国語の勉強 国語の勉強は好きだ, 国語の勉強は大切だ, 国語の授業の内容はよく分かる と思う割合は 全国を上回っています 10 数学の勉強 数学の勉強は大切だ と思う割合は 全国とほぼ同じです 数学の勉強は好きだ, 数学の授業の内容はよく分かる と思う割合は 全国を下回っています 11 授業の内容 授業の中で 調べる活動, 話し合う活動 をよく行っていたと思う割合は 全国を上回っています 授業の中で分からないことがあったら その場で先生に尋ねる 割合は 全国を上回っています 感想文や説明文を書くことは難しい と思う割合は 全国とほぼ同じです 授業で 自分の考えを発表する機会が与えられていた と思う割合は 全国を下回っています 授業の中で分からないことがあったら 自分で調べる 割合は 全国を下回っています 6
6 学力向上に関する具体的取組 (1) 町費負担による少人数学級の実施平成 24 年度から 清里小学校において人数の多い学年を2 学級に分け 指導の充実を図っています (2) 個に応じた指導の充実定数加配教員等を活用したティームティーチングや習熟度別指導 個別指導など 個に応じた指導の充実を図っています (3) 学習サポート教室の実施平成 23 年度から 夏休み 冬休み期間を利用して基礎学力の向上を図るため 小 中学生および高校生を対象に学習サポート教室を開催しています (4) 家庭学習の手引き作成家庭学習の習慣化を図るため 家庭学習の手引きを作成し 町内全小中学校の家庭に配布して保護者へ協力を呼びかけています (5) 学校独自の取組上記のほか 各学校において次のような独自の取組を行っています 朝学習 朝読書( 読み聞かせ ) 夏休み 冬休みの学習サポート 放課後の学習サポート チャレンジテストの活用 生活リズムチェックシートの活用 校長先生の宿題など 7 おわりに清里町の子どもたちが将来自立し 夢や目標を実現していくことは 清里町民共通の願いであり 地域の発展や活力に直結するものです 確かな学力 豊かな心 健やかな体の調和を重視する 生きる力 を育む教育活動を充実させる中で 自立して生きていく上で必要な学力を確実に身に付けさせることは 児童生徒の教育に携わるものすべてに課された責任です 全国調査の結果から明らかになった本町教育の課題を解決し すべての子どもたちに必要な学力を保障するため 学校 家庭 地域 教育委員会が課題や危機意識を共有し 連携協働していくための体制をより一層強固なものにしていく必要があると考えています 7