CQ2. 単胎児分娩後の高年初産婦において 母乳育児を推進するための産後 1か月までのケアは何か 希望する授乳方法を確認し 母乳育児に対するモチベーションが高まるように支援する 分娩様式にかかわらず出産当日からの母子同室ができるように支援する ただし 母親 の疲労状態に配慮しながらすすめることが必要

Similar documents
豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

様式 3 論文内容の要旨 氏名 ( 神﨑光子 ) 論文題名 周産期における家族機能が母親の抑うつ 育児自己効力感 育児関連のストレス反応に及ぼす影響 論文内容の要旨 緒言 女性にとって周産期は 妊娠 分娩 産褥各期の身体的変化だけでなく 心理的 社会的にも変化が著しいため うつ病を中心とした気分障害

資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

時期場面子ども自身の問題 乳 児 期 乳児訪問 1~2 か月訪問 乳児健診 (3~4 か月 7~8 か月 10 か月 ) 健診時に要チェック項目がある ( 体重増加が悪い 先天性の疾患がある等 ) 既往歴がある ( 硬膜下血腫 頭蓋骨骨折 ) 気持ちを苛立たせるような泣き声 あやしても泣き止まない

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 ) 25 年 ( 未就学児 )) < 平成 20 年 > 無回答 2.9% < 平成 25 年 > 無回答 %

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

併せて 妊娠 出産 更年期など女性特有の生涯にわたる健康問題を気軽に相談できるよう 対 応を充実させる必要があります はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 横浜市利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 )

会場対象者申込み方法 刈谷市保健セン初妊婦とその夫保健師 助産師 保育士電話または来所で予約ふれあい遊び 沐浴体験 妊婦体験 ハイリスク者向け事業 ( 多胎児 外国人 転入者対象 MCG 等 ) 名称時期 回数会場対象者申込み方法 マタニティサロン 広場等 名称フレッシュ ママクラスマタニティーサロ

02 28結果の概要(3健康)(170622)

横浜市育児支援家庭訪問事業実施要綱 制 定平成 17 年 5 月 20 日福子地第 126 号 最近改正平成 28 年 10 月 1 日ここ第 2713 号 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 児童福祉法 ( 法律第 164 号 昭和 22 年 12 月 12 日 ) 第 21 条の10の2 及び養

<4D F736F F D20834B B95B681698D5A90B38CE38F4390B3816A E646F6378>

第3章「生活習慣の見直し  ①栄養・食生活」

PowerPoint プレゼンテーション

Ⅲ 各種施策及び事業の動向 第 1 妊娠 出産期から乳幼児期にかけての子育て支援 4 乳児健康診査 (1) 根拠法令等 母子保健法 厚生省児童家庭局長通知 仙台市乳児健康診査実施要領 (2) 制度の概要 事業目的 対象者 実施機関 一般健康診査 精密健康診査 乳児の心身の異常を早期に発見し, 早期に

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」


統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状

< HTLV 1 ウイルスについて > HTLV 1 ウイルスはヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型と呼 ばれ 成人 T 細胞白血病などの原因であることが分かっています 日本は先進国の中でHTLV 1 抗体の陽性者が最も多く 100 万人を越えています 西日本に多くみられましたが 人口の移動とともに

井上 富岡 梅﨑 流山陽論叢 : 妊婦が希望する妊娠中の母乳育児支援第 22 巻 (2015) か月では完全母乳栄養の母親は 46%,3 か月では 38% まで減少するという報告がある 1) これまで母乳育児の継続を阻害する要因に関する報告は多くなされており, その主な要因として, 母親自身および母

産前 産後ママの体と心のケアです 赤ちゃんを預けてママだけの参加も大歓迎! 動きやすい服装でご参加ください 日時開催場所申込期間定員 10 月 21 日 ( 月 ) 午前 10 時 30 分 ~11 時 30 分渋江児童館 9 月 30 日 ( 月 )~10 月 20 日 ( 日 ) 先着 10 組

環境 体制整備 4 チェック項目意見 事業所評価 生活空間は 清潔で 心地よく過ごせる環境になっているか また 子ども達の活動に合わせた空間となっているか クーラーの設定温度がもう少し下がればなおよいと思いました 蒸し暑く感じました お迎え時に見学させて頂きますが とても清潔だと思

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

Microsoft Word - ◆HP用 GDMマニュアル v2 PG120上限浅間病院 糖尿病サポートマニュアル.docx

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

160号1P表紙

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

PowerPoint プレゼンテーション

(

深夜勤務の制限 5 妊産婦の時間外 休日 妊娠中の女性が 母体または胎児の健康保持のため 深夜勤務や時間外勤務等の制限を所属長に請求できます 病院助手専攻医臨床研修医 6 妊娠中の休息 妊娠中の女性は 勤務時間規程に規定する 職務に専念する義務の免除 を利用して 母体または胎児の健康保持のため 勤務

<4D F736F F F696E74202D AAE90AC94C5817A835F C581698FE39E8A90E690B6816A2E >

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

Sanyo Gakuen University 山陽論叢第 19 巻 (2012) 論文 我が国の産後うつ病に関する文献の検討 梅﨑みどり * 富岡美佳 * 國方弘子 ** キーワード : 産後うつ病 妊産婦のメンタルヘルス 養育態度 要旨 : 本研究の目的は, 産後うつ病に関する文献を概観し, 産

Ⅰ 基本構想の策定 1 策定の趣旨魚津市では 平成 14 年から毎年 1 か所ずつ分娩施設の休業等が続き 平成 18 年 8 月には 市内には分娩できる施設がなくなりました 以来 魚津市民や里帰りされる方々は 止むを得ず市外で出産せざるを得ない状況となっていました この間 多くの市民からは 市内で安

p135_金 美順.indd

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

 

<4D F736F F D208CFA90B6984A93AD8FC A CF8D5882C98C5782E BD90AC E82528C8E825593FA817A2E646F63>

出産・育児・パートナーに関する実態調査(2015)

【訂正版】出産・育児に関する実態調査2016」発表。約8割が「自然分娩」で出産し、約4人に1人は立ち会い出産を実施。若い人ほど立ち会い出産を経験する割合が高い。出産時の入院・分娩費用は平均42.5万円

夫婦の家事分担に関する調査

出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

妊娠したら 丈夫な赤ちゃんを産むためには 母体の健康を保つことが大切です 妊娠中の定期的な健康診査は 下記の表を参考にして受診するようにしてください 定期的健康診査のうち 都内委託医療機関において公費で受けられる制度を実施しています 母と子の保健バッグ の中の妊婦健康診査受診票を都内委託医療機関に提

てんかんinfo ブックレットシリーズ No.3

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

<4D F736F F D C995AA95D882C982C282A282C C493E0815B E31318C8E89FC92F994C52E646F6378>

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

<4D F736F F D DE97C78CA78F418BC B28DB895F18D908F DC58F49817A2E646F63>

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

④資料4妊産婦検討会資料(中西)0412

パワーポイント 3 支援 1 回目平成 22 年 5 月 25 日に自宅訪問をする母子訪問指導 ( その時産後 3ヶ月 15 日でした ) 先ず 1 傾聴 私の育児はこれでいいのか不安です ここから飛び降りても1Fなので死ねない という発言がみられました 2 乳房マッサージ 陥没乳頭だったけど必死に

 

<4D F736F F F696E74202D2088A295948D DC58F4994C E956C8FBC814091E F193FB82AA82F18E7396AF8CF68A4A8D758DC0>

小児_各論1の2_x1a形式

夫婦間でスケジューラーを利用した男性は 家事 育児に取り組む意識 家事 育児を分担する意識 などに対し 利用前から変化が起こることがわかりました 夫婦間でスケジューラーを利用すると 夫婦間のコミュニケーション が改善され 幸福度も向上する 夫婦間でスケジューラーを利用している男女は 非利用と比較して

untitled

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

保健師管理栄養士 窓口 電話 FAX メール 保健師 栄養士の会に分けることで よりきめ細かな内容になっている 就労している方にも参加しやすいように 土曜日開催日を設けている ハイリスク者向け事業 ( 多胎児 外国人 転入者対象 MCG 等 ) ティーンズママの会 ( 子ども ノーバディズパーフェク

1. 子育て短期支援事業の概要 根拠法 子育て短期支援事業 は 児童福祉法 ( 昭和 22 年法律第 164 号 以下 法 という ) 第 6 条の 3 第 3 項に規定する市町村が実施する事業 用語の意味 児童 児童福祉法第 4 条に規定する者をいう 保護者 児童福祉法第 6 条に規定する者をいう

受付 母子受付 妊婦受付の設置 各書類と筆記用具 書類箱の準備 リーダー * 具体的な責任者名 あるいは役職を書くを確認する 受付と案内 (* 具体的な場所を書くに配置 ) の要員振り分け < 母子 妊婦到着時 > 母子は母子受付 妊婦は妊婦受付へ案内する 父親は体育館に入る * 家族の部屋を明記す

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

第52回全国国保地域医療学会 特集号

表 110 性 別子からの仕送りの有無別個人数 子からの仕送り ありなし 昨年収入ありと答えた人の 男性 歳 歳 歳 歳 歳 0 77

Microsoft Word - 00_1. 調査の概要0819

PowerPoint プレゼンテーション

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

せきがはら10月号.ec6

P-2 3 自分で降りられないように ベットを柵 ( サイドレール ) で囲む 実施の有無 1 他に介護の方法がないため 2 同室者 他の利用者からの依頼 4 不穏や不安など本人の混乱を防止 5 暴力行為など他人への迷惑行為を防止の為 6 夜間以外の徘徊を防止 7 夜間の徘徊を防止 8 不随運動があ

川 越 市 子 育 てガイドマップ

Microsoft Word - ① 鏡.docx

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

社会福祉学部 臨床心理学科 占部 友衣さん 社会福祉学部 臨床心理学科 3年 大阪府 桃山学院高等学校 出身 大学入学後 心理学には 社会心理学 や 犯 罪心理学 など 多彩な分野があることを知り 驚きました 私は2年次に犯罪心理学の授業で 非行少年の家族や親子関係に関心をもち 研 究を進めています

000-はじめに.indd

身体拘束廃止に関する指針 社会福祉法人掛川社会福祉事業会 平成 30 年 5 月 23 日改定

PowerPoint プレゼンテーション

医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

第1回 障害者グループホームと医療との連携体制構築のための検討会

2016 年 12 月 7 日放送 HTLV-1 母子感染予防に関する最近の話題 富山大学産科婦人科教授齋藤滋はじめにヒト T リンパ向性ウイルスⅠ 型 (Human T-lymphotropic virus type 1) いわゆる HTLV-1 は T リンパ球に感染するレトロウイルスで 感染者

<4D F736F F D2094C68DDF94ED8A518ED28E E E2E646F6378>

結婚しない理由は 結婚したいが相手がいない 経済的に十分な生活ができるか不安なため 未婚のに結婚しない理由について聞いたところ 結婚したいが相手がいない (39.7%) で最も高く 経済的に十分な生活ができるか不安なため (2.4%) 自分ひとりの時間が取れなくなるため (22.%) うまく付き合え

本調査では アトピー性皮膚炎治療における 医師 - 患者間コミュニケーションの改善が治療継続のモチベーションを上げ 治療の満足度向上に寄与することが示唆されています サノフィジェンザイムは アトピー性皮膚炎患者さんの QOL 向上に取り組むため アレルギーに関する情報サイト アレルギー i において

ボランティア行動等実態調査【速報】


神戸市産後ホームヘルプサービス事業実施要綱

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

中国人ママの育児用品の購入に関する調査(2016)

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

3 母子保健事業の量の見込みと提供体制 1 安心して妊娠期を過ごし出産を迎えることができる 親になるための準備と産じょく期の支援 子どもや母親の健康の確保 (1) 母子健康手帳の発行 現状と課題妊娠 出産期から子育てまでの途切れない支援の出発点として 母子健康手帳の交付を保健師が行うことで 妊婦の健

4 父親も育児参画しよう! 父親となる職員に, 配偶者出産休暇や男性の育児参加休暇を取得するよう働き掛けましたか 対象の職員全てに働き掛けは行われている 回答数 76 0 全人数割合 (%) 対象者なし 293 配偶者出産休暇 (3 日 ) 数値目標 31 年度までに配偶者出

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

健康くるめ21概要

Transcription:

35 歳以上で初めてお子様を出産された方への看護ケアのガイドラインです CQ1. 単胎児分娩後の高年初産婦において 産後の蓄積疲労予防のための産後 1 か月まで のケアは何か 褥婦と児が一緒に寝られるベッド幅であることや安全柵などで安全性が確保されていることを前提に 経腟分娩を経験した褥婦には 添い寝授乳の実施を支援する ただし 英国ユニセフの あなたと赤ちゃんとベッドで一緒に寝ること母乳育児をしているお母さんたちへのガイド に準拠し 疲労の軽減を図るために添い寝授乳の利点を伝えるとともに 添い寝授乳を行う際の危険性と注意点について十分に説明する 母親が上記の点を理解した上で添い寝授乳を選択して行う際は安全に行えるように支援する 退院に向けた 産後の疲労に影響を与える要因 ( 感染症 日中の休息不足 何もかもやり遂げようとすること 夜間睡眠の中断 痛み 新しい役割へのストレス 貧血 社会活動 ) とその対処法を記したブックレットによる情報提供をし 個別に話し合う時間を設ける 褥婦の夫やパートナーに 産後 1 か月時には褥婦の精神的疲労感も強まるため 頑張り を認めたり ほめたりする評価的サポートの重要性を説明し 実践するよう助言する 身近な家族から家事 育児などの手段的サポートを受けることが難しい褥婦には 公的 なサービスなどを紹介する 退院後 ~ 産後 1 か月までのケア 睡眠の充足感を満たすよう 引き続き添い寝授乳の実施を支援する 引き続き 産後の疲労に影響を与える要因とその対処法を記したブックレットによる 情報提供をし 個別に話し合う時間を設ける まわりの人に自分なりの児の世話の仕方を伝えることで得られるメリットを伝え 少し ずつ実践し 児や他の家族との生活のリズムを確立するように助言をする

CQ2. 単胎児分娩後の高年初産婦において 母乳育児を推進するための産後 1か月までのケアは何か 希望する授乳方法を確認し 母乳育児に対するモチベーションが高まるように支援する 分娩様式にかかわらず出産当日からの母子同室ができるように支援する ただし 母親 の疲労状態に配慮しながらすすめることが必要である 頻回授乳ができるように支援する 入院中に母乳のみの栄養方法が確立しなくても 退 院後も引き続き頻回授乳をすることの重要性を説明する 母乳育児の継続のために ピアサポーターからの電話相談が利用できることを伝える 母乳育児率を上昇させるためには WHO のモジュールに基づいたトレーニング修了者に よる 1 か月に 2 回程度の電話相談を行う 産後 1 か月までの母乳育児継続には 家族など周囲から 育児に必要な情報提供と育児 や家事の手伝いが得られるように退院向けて個別に話し合う時間を設ける 退院後 ~ 産後 1 か月までのケア 退院後も頻回授乳をすることの重要性を引き続き伝える ピアサポートや資源の活用状況を確認し 電話相談を紹介する 家族など周囲からのサポート状況を確認し 家族がサポートできるように支援する

CQ3. 単胎児分娩後の高年初産婦において 産後の身体症状軽減のための産後 1か月までのケアは何か < 肩こり> 高血圧など肩こりの原因となる疾患の有無に注意して対応する 日常生活動作で肩こりが起こる時間帯 動作 仕事内容 姿勢などを詳しく聴取し 改 善点を提案する 不安やストレスの強い褥婦には 良い姿勢で安定した抱っこ及び授乳が安心してできる よう支援する 長時間同一姿勢は保持せず 少なくとも 1 時間に 1 回は背伸びなどのストレッチをする よう助言する 肩周囲への負担軽減 疲労を緩和するために 横になって休むことの重要性を説明し褥 婦が休めるよう環境調整を行う 退院後も無理のない生活を送ることができるよう相談 支援する 退院後から産後 1 か月までのケア 引き続き高血圧など肩こりの原因となる疾患の有無に注意して対応する 引き続き日常生活動作で肩こりが起こる時間帯 動作 仕事内容 姿勢などを詳しく聴 取し 改善点を提案する 現在無理のない生活を送ることができているか聴取し 必要があれば相談 支援を行う < 腰背部痛 > 痛みの部位や程度 発症時期 痛みの生じる姿勢 動作 既往歴などを詳しく聴取し 受診の必要性を判断する 受診を要する症状について説明する 抱っこなどによる腰への負荷を軽減できるよう 体幹の屈曲や回旋を控えるなど日常動 作における注意点を伝える

退院後も無理のない生活を送ることができるよう相談 支援する 退院後から産後 1 か月までのケア 引き続き痛みの部位や程度 発症時期 痛みの生じる姿勢 動作 既往歴などを詳しく 聴取し 受診の必要性を判断する 受診を要する症状について説明する 現在無理のない生活を送ることができているか聴取し 必要があれば相談 支援を行う < 腱鞘炎 > 痛みや腫脹の部位や程度 熱感の有無 発症時期 痛みの生じる動作と手関節の肢位 既往歴などを詳しく聴取し 対応する 産後 1 か月における有症率の増加と対処法 ( 局所の安静と疲労の軽減 ) について褥婦及 びその家族に情報提供する 退院後から産後 1 か月までのケア 産後 1 か月の高年初産婦において腱鞘炎の有症率が急増することをふまえ 症状の有無 を注意深く聴取する 引き続き 痛みや腫脹の部位や程度 熱感の有無 発症時期 痛みの生じる動作と手関 節の肢位 既往歴などを詳しく聴取し 受診を勧める 引き続き 腱鞘炎の対処法 ( 局所の安静と疲労の軽減 ) について褥婦及びその家族に情 報提供する

CQ4. 単胎児分娩後の高年初産婦において 産後 1か月までの産後うつ病予防のためのケアは何か 出産後から退院するまでに EPDS( 日本語版 ) を用いて 産後うつ病のスクリーニングを実施することにより 産後うつ病のリスクの有無を確認する 出産後から退院するまでに 看護者は以下の内容を対象者と話し合う機会を持つ このことにより 産後うつ病のリスクの有無を確認する 入院中の生活を送る上で 無理をしていることはないか 子どもの健康やお世話に関して 気になることはないか 退院後の生活に関して 気になることはないか 出産体験に関して 話したいことがあるか ( 特に緊急帝王切開の場合 ) EPDS( 日本語版 ) の得点が 9 点以上の場合には 出産後から退院するまでに 最低 1 回以上の看護面接を実施する EPDS( 日本語版 ) の得点が9 点未満であっても 以下に該当する場合には 出産後から退院するまでに 最低 1 回以上の看護面接を実施する EPDS( 日本語版 ) の自傷行為を示す項目 10 自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた に陽性スコアがついている場合 精神障害の既往歴がある場合 女性自身が看護面接を希望する場合 看護面接実施後 必要に応じてカウンセリングや精神科のコンサルテーションに繋げる 退院後 ~ 産後 1か月までのケア 入院中の看護面接実施対象者に対して 退院後から産後 1か月健診までの期間に 家庭訪問または電話訪問を実施し 以下の内容を対象者と話し合う 話し合いの結果から 対象者のニーズに応じたサポートを提供する 生活を送る上で 無理をしていることはないか 子どものお世話に関して 気になることはないか 周りの人は 頑張りを認めてくれたり ほめてくれたりしているか 周りの人は 愚痴や悩みを聞いてくれるか 育児に必要な情報は得られているか 育児や家事の手伝いに満足しているか

CQ5. 単胎児分娩後の高年初産婦において 産後 1か月までの母親役割獲得の自信と満足のためのケアは何か 妊娠 出産時に異常があった人 ( 妊娠悪阻 切迫早産 誘発 促進分娩 ) 出産体験が満足でなかった人 0 歳児の世話経験がない人は 産後入院中に母親役割の自信及び母親であることの満足感が低くなる可能性があるため 注意深く観察し対応する 褥婦が夜間に睡眠をとれるように配慮しながら 24 時間母子同室を行えるよう支援する 入院中の生活で無理をしていることがないかや その内容を確認し 個別に対応する 褥婦が児の授乳から寝かしつけまでをスムーズにできるように援助する 夫 ( パートナー ) と家事 育児の分担に関する話し合いをもつことができているかを確 認し 十分でない場合には話し合いをもつことを夫婦に働きかける 退院後に家事 育児のサポートが得られるかどうかを確認し 家族からのサポートが得 られるよう調整する 家族のサポートが十分に得られない場合は ヘルパー派遣業者や 産褥入院施設などの活用について情報提供する 身近な家族に対して 褥婦の気持ちや悩みを聞くことの重要性を説明し 実践できるよ うに助言する 退院後 ~ 産後 1か月までのケア 0 歳児の世話経験がない人 経済的な不安がある人 出産体験が満足でなかった人 産後入院中に疲労が強かった人は 産後 1か月時に母親役割の自信や母親であることの満足感が低くなる可能性があるため 退院後のフォローを行う 産後入院中に母親役割の自信が低かった人や母親であることの満足感が低かった人には 引き続き 退院後の日常生活で無理をしたり疲労が蓄積したりすることがないように 家事育児のサポートが十分得られるよう 褥婦及び家族に対して相談 支援を行う 褥婦が児の授乳から寝かしつけまでをスムーズにできているか 夜間の睡眠がとれてい るか また 日常生活で無理をしていないかを確認し 相談 支援を行う 引き続き 褥婦に夫 ( パートナー ) と家事 育児の分担に関する話し合いをもつことが

できているかを確認し 十分でない場合には話し合いをもつことを夫婦に働きかける 褥婦に身近に愚痴や悩みを聞いてくれる人がいるかどうかを確認し 必要なサポートを 得られるように支援する リアルタイムで母親同士が情報交換したり専門家に相談できるようにインターネットを 利用した援助を行う うまく授乳ができるためのケアを含む看護職者による家庭訪問を行う