世界の都市総合力ランキング2009

Similar documents
カリキュラム構成及び履修方法


世界の都市総合力ランキング2011


2013 London New York Paris 2013 Tokyo Singapore


2014年ニッセイ基礎研シンポジウム 変化する経済・都市と不動産


Microsoft Word - 【リリース】GPCI-UIV0303最終

都市ランキングに係る調査業務

スライド 1

Microsoft Word - P6差替え反映_2012GPCI__日本語)本文.doc

untitled

2

アジアの大都市制度と経済成長に関する検討委員会(参考資料)

第 1 節 中 国 経 済 の 減 速 と 高 まる ASEAN の 存 在 感 アジア 地 域 の 経 済 成 長 が 呼 ばれて 久 しいが 近 年 は 中 国 経 済 の 減 速 が 市 場 関 係 者 の 間 では 非 常 に 重 要 なテーマとなっている 1978 年 に 改 革 開 放

A-FR

東京-世界舞台への挑戦

27

資料 1 世界経済フォーラム (WEF) 国際競争 レポートにおけるイノベーションランキングの現状の分析について 内閣府政策統括官 ( 科学技術 イノベーション担当 )

品川の比較優位を考える 対東京、対世界の視点から

野村証券グループレポート2001 (PDF)

資料2 資料編(2/6)

名称未設定-5

J_intro_1225.indd

生産性 イノベーション関係指標の国際比較 平成 29 年 11 月 9 日 財務総合政策研究所酒巻哲朗 1

<4D F736F F F696E74202D F F72756D A835A837E B D D B E F08EA98DDD82C990DA91B182B782E D E67658

摂南経済研究第 4 巻第 1 2 号 (2014) 較検討するのも興味深いことであるが ここではあくまでも 2011 年のデータの提示のみに終始し 分析 検討は改めて順次おこなってみたい 後者の目的にかかわる国際観光輸出 輸入 収支については 前掲の 国際観光論 において 2000 年から 2008

01_omronCSR_ eps

UNIQLO EXPANDS OVERSEAS AMSTERDAM LONDON PARIS STOCKHOLM ANTWERP MOSCOW BERLIN MYEONGDONG BARCELONA BEIJING TOKYO SHANGHAI HONG KONG BANGKOK KUALA LUM

ご参考資料 オーナー経営者経営者の意識調査 - 概要 - 調査期間 2003 年 9 月 1 日 ~10 月 31 日 調査機関日本では ASG グループが本調査の主体になり 日経リサーチ社に調査を委託した 調査の一貫性を保つために 各国のデータの取りまとめは 国際的な調査機関である Wirthli

MU_h1-h4

要約 A.T. カーニーは グローバルの対内直接投資を見通す指標として 定期的に 海外直接投資信頼度指数 (FDICI: Foreign Direct Investment Confidence Index) グローバル シティ インデックス (GCI: Global Cities Index) を

Microsoft Word - 【6.5.4】特許スコア情報の活用

中国の高等教育の発展状況 1. 中国では 1990 年代末から大学を大幅に拡充した 大学入学者の人数は 12 年間で 6 倍に増え 2010 年は 650 万人が入学した ( 日本の約 11 倍 ) 2. 大学院も同様に大幅拡充され 大学院に在学する学生の数は 2000 年以降 10 年間で6 倍

タイの相手国別対内直接投資 TOP5 ( 2013 年認可ベース ) 4. シンガポール 3% 3. 香港 6% 5. 台湾 2% その他 9% 2. 欧州 11% 1. 日本 69% 出所 : タイ投資委員会 (BOI) Copyright (C) 2015 JETRO. All rights r

Superfund 2

01 年 月 1 人あたりオフィス面積の分布と推移 図表 1は 01 年の東京 区における 1 人あたりオフィス面積の分布で 中央値は.9 坪であった ( 半数のテナントは.9 坪より小さく 残りの半数のテナントは.9 坪より大きい ) 01 年 月 17 日 図表 1 1 人あたりオフィス面積の分

PowerPoint プレゼンテーション

At a Glance 東京海上グループは 東京海上ホールディングスならびに世界に展開する子会社 179 社および関連会社 26 社より構成されており 損害保険事業 生命保険事業 金融 一般事業を幅広く展開しています 国内損害保険事業 事業別利益の推移 ( 億円 ) 1,600 1,225 1,34

FOOD EXPO 2013 FOOD EXPO

C O N T E N T S

1) IT IR CSR 120 DAIWA SECURITIES GROUP ANNUAL REPORT 2010

< 目次 > Ⅰ. 基準シナリオ : 経済成長持続ケース 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅱ. シナリオ2: 中国とインド経済が急激にダウンしたら? 1. 中間所得層 + 高所得層の推移 2. 中間所得層の推移 3. 高所得層の推移 Ⅲ. シナリオ

Nikon S1 使用説明書

2014年度 日本の国際競争力調査結果

我が国中小企業の課題と対応策

1)

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

従業員満足度調査の活用

日本の国際競争力調査

Nikon S3 使用説明書

10億人のソーシャルプラットフォームを目指すグリーの大規模インフラ運用

Microsoft Word - ~ docx


AFF2016_FullBrochure_Japanese_0809

プ雇用の拡大と 人材のギャッ

42

Microsoft Word - 第4回(2015年4月)国際指数_記者発表_final

住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

都市の評価指標にみる政策課題―都市の競争力強化に向けて―

Microsoft Word - 第8回「国際不動産価格賃料指数」(2017年4月現在)

1_Eventflyer_MedTec_Digital_A4_JP.indd

カナダのブリティッシュ コロンビア州で成長力を加速する ブリティッシュ コロンビア ( B C ) 州は 北米で最も競争力と活力のあるビジネス拠点のひとつです BC 州の強い経済には限りない可能性があり 世界中の成長を目指す企業を惹きつけています 世界最高水準の環境で BC 州はビジネス環境が優れて

PowerPoint プレゼンテーション

2018 年 5 月 30 日 J.D. パワージャパン J.D. パワー 2018 年格安スマートフォンサービス / 格安 SIM カードサービス顧客満足度調査 ~UQ mobile と mineo がそれぞれのセグメントで第 1 位 ~ CS( 顧客満足度 ) に関する調査 コンサルティングの国

GNH Gross National Happiness Criteria living standard cultural diversity emotional well being health education time use eco-system community vitality

Microsoft PowerPoint - 公開 _学術会議資料.pptx

(Microsoft Word \224N\203\215\203V\203A\213\311\223\214\223\212\216\221.doc)

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

Kanken6_0609.indd

Vision

Staffing Industry Outlook 2009 Edited by SATO Hiroki, HOTTA Satoko Department of Research on the Staffing Industry RSI Occasional Paper Series No.6 De

4-(1)-ウ①

Zscaler ( ゼットスケーラー ) Web セキュリティサービス ~ トラフィック転送とユーザ管理について ~ 2018 年 8 月ノックス株式会社 ノックス株式会社 Copyright (C) 2017 NOX Co., Ltd. All Rights Reserved.

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

第6回 国際不動産価格賃料指数(2016年4月現在)

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

知創の杜 2016 vol.10

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

平成22年度         タイトル

Microsoft Word - JPN_2007DB_chapter3_ doc

ニコンデジタルカメラ COOLPIX L2 使用説明書

野村資本市場研究所|アジアの金融競争力(PDF)

依然見通しは慎重 環境や海外への関心高まる-第7回不動産市況アンケート結果

同部門は本調査において発行会社 ブランド数 発券カードの種類が最も多い 他社との差別化 顧客のロイヤルティを高めるためにも 魅力あるサービス提供が求められる 各部門の総合満足度ランキングは次の通りとなった < 年会費 1 万円以上 > 部門 ( 対象 9 ブランド ) 総合満足度第 1 位 : (6

日本興亜損保の現状2008

The Total Logistics Solution Provider 企業理念 顧客のいかなるニーズにも応えられる総合的な付加価値の 高い物流事業を展開することで世界経済の発展に貢献します 健全で透明性の高い経営を行い 企業価値の増大を目指します 社会と株主に対する責任を果たすとともに 社員が


第 79 回 2017 年 5 月投資家アンケート調査結果 アンケート調査にご協力下さりました皆様 今年 5 月に実施致しましたアンケート調査にご回答下さり誠にありがとうございます このたび調査結果をまとめましたのでお送りさせていただきます ご笑覧賜れましたら幸 いです 今後もアンケート調査にご協力

MBA PROGRAM Kyushu University Business School 九州大学ビジネス スクール MBA プログラム 専門職学位課程

エコノミスト便り

Microsoft PowerPoint JRF-WS2.pptx

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

1 Annual Report 212

鹿児島県観光動向調査 鹿児島県 PR 観光戦略部観光課 平成 31 年 3 月の観光客の動向 1 概要平成 31 年 3 月における調査対象ホテル 旅館 76 施設の宿泊客数 ( 宿泊延べ人員 ) は 合計 309,924 人で 前年同月比 4.1% 減となった このうち外国人は 41,123 人で

IT ASG 22

Transcription:

1

目次 GPCI-2009 の概要... 1 GPCI-2009 の特徴... 6 GPCI-2009 の結果... 12 資料編...

GPCI-2009 の概要 世界の都市総合力ランキング 2009 年版 Global Power City Index-2009 はじめに Global Power City Index は 地球規模で展開される都市間競争下において より魅力的でクリエイティブな人々や企業を世界中から惹きつける力こそが 都市の総合力 であるとの観点に立ち 世界の主要都市の総合力を評価し 順位付けしたものである 2009 年版は 昨年のランキングに対する各方面の専門家 有識者からの指摘をふまえ 近年注目される 環境 分野の追加 評価対象都市の追加など内容を大幅に充実させ より世界の都市の総合力の実態に近い姿を反映したランキングとなっている あわせて GPCI を都市戦略の検討ツールとして活用するため 東京の持つ都市としての弱みを克服するためのシナリオに基づくランキングのシミュレーションを行っている さらに 世界で都市間競争が激化する状況においても 一方で各都市が連携 補完しあうことが重要であるとの観点に基づき Global Circuit という概念を導入し 都市間の結びつきの一端を調査し視覚化することを試みている この結果により 東京や世界の都市が持つ魅力や課題を再認識できると同時に 都市の政策立案や企業戦略形成に役立てられることを期待したい Global Power City Index (GPCI) の特徴 1. 都市の総合力を分析し ランキングする調査研究として日本初の取り組みであった昨年版 (GPCI 2008) をさらに充実 進化させたものである 2. 世界の各種機関が公表する既存のランキングのほとんどが 特定分野もしくは国別のランキングであるのに対し 都市の力を表す様々な分野を対象として都市の総合力を評価したランキングである. 世界を代表する主要 5 都市を選定し 都市の力を表す主要な6 分野 ( 経済 研究 開発 文化 交流 居住 環境 交通アクセス ) と さらに現代の都市活動を牽引する4つのグローバルアクター ( 経営者 研究者 アーティスト 観光客 ) ならびに都市の 生活者 という5つのアクターの視点に基づき 複眼的に都市の総合力を評価している 4. 都市戦略の検討ツールとして活用する観点から ランキング調査から顕在化した東京のもつ都市としての弱みを克服するためのシナリオに基づくシミュレーションを行っている 5. 対象 5 都市の連携 補完の関係を Global Circuit という概念のもと 航空旅客流動量 グローバル企業の本社 支社( 金融業 / その他企業 ) の観点で調査し 視覚化している 6. 都市研究に関する世界的権威であるピーター ホール卿をはじめとする学識者によるコミッティーを設置し 各界の有識者等の参画と 国際的な専門家によるピアレビュー ( 第三者評価 ) を得たランキングである 1

GPCI-2009 で明らかになった主なポイント 1. 分野別総合ランキング (P.12) 分野別総合ランキングのトップはニューヨーク ロンドン パリの順で 東京は第 4 位である これは 昨年と同様の結果となった シンガポールが5 位にランクされたが 上位 4 都市との差は大きく ニューヨーク ロンドン パリ 東京のトップ4 都市としての存在感は大きい 2. 分野別ランキング (P.14) ニューヨークとロンドンが 居住 と 環境 以外の分野で非常に高い評価を得ている一方で パリは 居住 と 交通 アクセス でトップを制しながらその他の分野でも比較的高い位置に付けている 東京は 経済 (2 位 ) 環境(4 位 ) にランクされている 経済と環境が双方とも 5 位以内にランクされる都市は他になく 東京は世界に比類ない経済と環境の双方を両立する唯一の都市であることが明らかとなった つまり GPCI-2009 では 環境 を新たな分野として独立させたことにより 東京の強みが改めて認識される結果となった 一方で 総合ランキングで上位でないトロント バンクーバーが 居住 分野にて ジュネーヴが 環境 分野にてトップ 5 以内にランクされるなど 総合ランキングで上位ではない都市でも 特定の分野では上位にランクされ優位性を発揮する都市の存在が伺える アジアには 経済 分野に強みを持つ都市が多い一方で 欧州には 文化 交流 居住 環境 分野で上位にランクされている都市が多い. アクター別ランキング (P.16) 分野別の総合ランクのトップ 4 都市は 都市において活躍する 4 つのグローバルアクター 都市生活者 いずれのアクターからみても評価が高く 魅力的な都市であるといえるが 東京 は 経営者 観光客 からみた評価がやや低い 分野別の総合ランクで中位 下位である 上海 北京 香港 などアジアの諸都市が アクターによっては高い評価を得ている また 分野別総合ランキングで中位圏の欧州の諸都 市は 特に アーティスト と 生活者 からの評価が高い 2

4.5 都市の類型化 (P.18) 分野別スコアにもとづき 類似している都市をクラスター分析した結果 大きく5つのグループに類型化することができ 世界の主要都市の様相を整理することができる 大別すると ニューヨーク ロンドン パリ 東京の上位 4 都市は どの分野でも高い評価を受ける都市群であり ほかにも 経済 や 研究 開発 分野に強みを発揮する都市群 居住 や 環境 分野に強みを発揮する都市群などに類型できる 5. 分野別総合ランキングトップ 4 都市の比較分析 (P.20) 分野別スコアの偏差値でトップ 4 都市を比較してみると ニューヨークは 環境 が ロンドンは 居住 といった弱い分野があるものの その弱点をカバーして余りあるほど他の分野での評価が圧倒的に高い パリ 東京は 6 分野すべてで平均より高い評価を得ているが 文化 交流 および 交通 アクセス 分野で パリの評価が東京より高いことから パリに次ぐ 4 位となっている また 東京は 経済 および 研究 開発 分野で非常に大きな強みを出しており さらにトップ 4 都市のなかで 環境 分野での評価が最も高い ただし 居住 および 交通アクセス の分野では 5 都市中 平均程度の評価である 6. 東京とアジア主要都市の比較分析 (P.21) 東京は依然としてアジアの No 1 都市であるが アジアの他の主要都市と比較して 経済 および 研究 開発 の分野では極めて優位性があるものの 文化 交流 居住 交通 アクセス の分野ではアジアの主要都市に比べて特に優位性があるわけではない 東京は 研究者 アーティスト 生活者 の つのアクターからの評価が アジア主 要都市のなかで最も高い しかし 経営者 からは低く評価されており シンガポール 香 港 上海が東京より高く評価されている 7. 第 2グループにランキングされた都市に関する分析 (P.2) 分野別の総合ランキングで ロンドン パリを除いた欧州の上位都市 ( ベルリン ウィーン アムステルダム チューリッヒ マドリッド ) は 居住 環境 分野で高い評価を得ている傾向がある 同程度の順位にランクされているアジア都市 ( 香港 (10 位 ) ソウル(12 位 )) と比較してみると その違いがより明らかであり 香港とソウルの場合 居住 と 環境 分野で低位に評価されている

8. 東京の強み 弱みの分析 (P.24) トップ 都市と比べ東京の強みは 経済分野では世界のトップ企業が集積していること 研究 開発分野では研究者数の多さや研究開発費が豊富であることである 一方 東京の弱みは 都心から国際空港までのアクセスが悪いこと 高い法人税率などであり これらの点で大きく劣っていることが トップ 入りできない原因であると言える 経営者 に魅力的な都市とするための東京の課題は 規制や税制などのビジネスをとりま く環境の改善である また 観光客 に魅力的な都市とするための東京の課題は 魅力的な観 光資源を充実させること等 観光をとりまく環境の改善である 9. 東京の弱みを克服するためのシナリオ (P.26) 東京の 弱み を克服し 東京が世界の No1 都市となるためのシナリオを明らかにする 結果として シナリオ2( 国際交通インフラが改善され さらに経営者からみて重要な要素の指標が克服されるシナリオ ) を実現することで 東京の総合ランキングが 1 位となることがわかった 10.Global Circuit に関する分析 (P.28) 都市の総合力を評価する上で重要な点は 単に都市ごとの指標の優劣だけでなく これら大都市が相互にどのような関係 - 依存 競合 補完 を持っているかである そのため 都市間相互の関係を表す以下のネットワークについての分析を行い 都市別の指標を積み上げただけでは分からない グローバル サーキット を顕在化させるための分析をランキングと並行して行っている (1) 都市間航空旅客流動量ロンドンは欧州地域のハブであると同時に アジア 北米の主要都市との繋がりも強く ( 航空旅客流動からみたグローバル拠点 ) 北米では N.Y. がハブであり かつロンドンとの繋がりも強い アジアでは東京 香港 シンガポールがハブであるが シンガポール 香港がロンドンと繋がりが強い一方で東京はロサンゼルスとの繋がりが強いことがわかる (2) グローバル企業の世界各都市での本社 支社のネットワーク 1 金融業を除くグローバル企業の世界各都市での本社 支社の立地状況はパリがヨーロッパの拠点 ニューヨークがアメリカ大陸の拠点 そして東京とソウルがアジアの拠点であることがわかる さらに パリとニューヨークがそれぞれともに 東京 ソウル マドリッドと強いネットワークを持つことがわかる 2 金融業では依然として東京 ニューヨーク ロンドンが強いネットワークを示しており 世界 大金融センターであることを表している また パリはヨーロッパ及びアジアの諸都市とのリンクがロンドンを上回って非常に多く ロンドンの陰に隠された金融センターであることを示している 4

5

GPCI-2009 の特徴 1-1.GPCI-2009 の策定体制 本ランキングは 竹中平蔵森記念財団都市戦略研究所所長 / 慶應義塾大学教授を委員長とし 都市研究に関する世界的権威であるピーター ホール卿をはじめとする学識者によるコッミティーを設置し 各界の識者等の参画と 国際的な専門家によるピアレビュー ( 第三者評価 ) を得たランキングである 本ランキングは 下表に示した4つの主体からなる策定体制により作成している 委員会は ピーター ホールロンドン大学教授を最高顧問 (Principal Advisor) とし 竹中平蔵慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長 教授を委員長とする計 5 名により構成し ランキング作成過程の主要なポイントでのスーパーバイズを行っている ランキングの実作業は ワーキンググループによる検討作業を重ねることで進められ 各段階において 各界の有識者からグローバルアクターの視点にもとづく助言を得ながらランキング作成を進めている なお こうしたランキングの作成過程及び結果の妥当性については 2 名の第三者評価者 ( ピアレビューアー ) に評価を依頼し 内容の確認及び改善点の指摘を受けている また 本ランキング作成に際し 昨年に引き続きワーキンググループメンバーとして株式会社三菱総合研究所が参画し 各都市のデータ収集 分析などを行っている GPCI-2009 はこうした体制のもと 最終的に取りまとめられたものである 表 1-1 策定体制 主体メンバー役割 最高顧問 : ピーター ホール教授 委員会 第三者評価者 ( ヒ アレヒ ューアー ) 各界の有識者パートナー ワーキンググループ 委員長 : 竹中平蔵森記念財団都市戦略研究所所長慶應義塾大学教授委員 : リチャード ベンダーカリフォルニア大学名誉教授サスキア サッセンコロンビア大学教授市川宏雄森記念財団理事明治大学教授アレン J スコット UCLA 教授ピーター ネイカンプフリー大学教授 各界の有識者 主査 : 市川宏雄森記念財団理事明治大学教授構成員 : 財団法人森記念財団都市戦略研究所株式会社三菱総合研究所 ランキング作成のスーパーバイズ 成果についての評価グローバルアクターの視点で助言 ランキング作成作業 6

7 1-2.GPCI-2009 の対象都市 図 1-1 対象 5 都市 Copenhagen Paris London Amsterdam Moscow Geneva Berlin Frankfurt Vienna Zurich * Cairo Beijing * * Fukuoka Vancouver Tokyo San Francisco * Seoul Osaka Shanghai Los Angeles Taipei Toronto Boston New York Chicago Madrid Brussels Mumbai Hong Kong Milan Bangkok Kuala Lumpur Sydney * São Paulo Singapore *GPCI-2009 における追加都市を示す

1-. ランキングの作成方法 GPCI-2009 では 都市の力を表す主要な6 分野 ( 経済 研究 開発 文化 交流 居住 環境 交通 アクセス ) における指標の積み上げによる分野別ランキング 及び分野別ランキングスコアを合算した分野別総合ランキング そして現代の都市活動を牽引する 4つのグローバルアクター ( 経営者 研究者 アーティスト 観光客 ) ならびに都市の 生活者 という5つのアクターのニーズに基づき都市の力を評価したアクター別ランキングを作成し 複眼的に都市の総合力を評価している (1) 分野別ランキング分野別ランキングは 都市の力を表す主要な6つの分野である 経済 研究 開発 文化 交流 居住 環境 交通 アクセス から構成され 6 分野合わせて69 の指標を用いている 各分野においてそれぞれの分野における主要な要素を意味する 指標グループ を設定し 該当する指標をそれぞれの指標グループに配分している ランキングを決定するスコアの算出方法については 先ず都市毎の個別の指標データを指数化したうえで 指標グループ 毎に平均値を算出し 指標グループスコア としている さらに 各分野の 指標グループスコア の平均値を 分野別スコア とし 最終的にそれらを合算したスコアに基づき分野別総合ランキングを算出している GPCI-2009 では GCPI-2008 の基本的な構造を継承しつつ GPCI-2008 に対する専門家 や学識経験者の意見を踏まえ 大きく次の 5 つの点で充実を図っている 1. 都市の追加 (0 都市から 5 都市へ : 大阪 福岡 カイロ サンパウロ バンクーバー ) 2. 分野の追加 ( 環境 分野を独立させて合計 6 分野へ ). 指標の追加 変更 (6 指標から 69 指標へ ) 4. 指標グループの概念の導入 5. 有識者アンケートの導入 図 1-2 GPCI-2008 から GPCI2009 への変更点 8

図 1- 分野別ランキングの作成フロー 分野 指標グループ 指標 経済スコア 市場の魅力経済集積ビジネス環境法規制 リスク 指標 指標 5 指標 指標 研究 開発スコア 研究環境 受入態勢 支援制度 研究開発成果 指標 2 指標 指標 分野別総合ランキング 文化 交流スコア 居住スコア 交流 文化発信力宿泊環境集客買物と食事交流実績就業環境住居コスト安全 安心 4 指標 2 指標 5 指標 2 指標 指標 2 指標 2 指標 4 指標 都市生活機能 5 指標 環境スコア エコロジー汚染状況自然環境 4 指標 4 指標 2 指標 交通 アクセススコア 広域交通インフラ都市内交通インフラ 4 指標 4 指標 計 69 指標 9

(2) アクター別ランキンググローバルに活動するアクターから見た魅力的な都市の総合力とは何かを探るという本ランキングの主旨に鑑み 現代の都市活動を牽引する4つのグローバルアクターである 経営者 研究者 アーティスト 観光客 をピックアップし さらに 都市におけるアクターのマジョリティを占める 生活者 の5つの属性についての分析を行い ランキングを作成している それぞれのアクターにおいて その職業から都市に求める基本的性能のなかで何を重視するか あるいはその優先度はアクターごとに異なる そこでまず それぞれのアクターの都市活動イメージを設定し 有識者のアドバイスを踏まえつつ 各アクターがその活動において都市に求める重要な要素を 図 1-4のようにアクターごとに設定している 次に それぞれのアクターが求める重要な要素に該当する指標を 分野別ランキングで用いた指標のマトリックスの中から選択してアクター別にスコアを集計している 尚 指標は分野別ランキングで設定した 69 指標の中から それぞれのアクターに関わる指標を選択するため アクター間で重複して選択されている指標がある このように GPCI-2009 は 都市の機能的な側面を切り取った視点に基づく 分野別ランキング 都市で活躍する主体が都市をどう評価するかという着眼点に基づく アクター別ランキング という2つの観点により構成されたランキングである GPCI-2009 ではこれらの 分野別 と アクター別 の 2 つの異なる視点からの分析を行うことにより 都市の持つ魅力を複眼的に探る試みを行っている 10

図 1-4 アクター別ランキングの作成フロー アクター 経営者研究者アーティスト観光客生活者 各アクターが都市に求める重要な要素 1 企業や商取引等の一定以上の集積 2 ビジネスの成長性 ビジネスの容易性 4 ビジネス環境 5 人材プール ( 人材の豊富さ ) 6 関連サポート産業の集積 7 家族及び従業員にとっての良好な環境 8 政治 経済 災害リスク 1 質の高い研究機関 研究者 指導者の存在 2 研究機関や研究者の集積 研究活動における発想や思考に対して刺激となる空間 機会の存在 4 受入れ態勢 ( 研究費助成や生活費補助など ) 5 自らの研究分野における就業機会 6 日常生活の環境 ( 住みやすさ ) 1 文化的刺激 2 アーティストの集積 マーケットの存在 4 創作環境 ( スタジオ アトリエ賃料 広さなど ) 5 日常生活の環境 ( 住みやすさ ) 1 文化的魅力や接触機会 2 安全 観光の対象の存在 ( 施設 文化等 ) 4 一定水準以上の宿泊施設 5 食事の選択肢や値段等 6 買物する環境や値段 魅力等 7 目的地までの移動の利便性 ( 所要時間 運賃等 ) 1 購買環境 ( 物価 商品の得やすさ等 ) 2 生活環境 ( 住環境などの日常の生活のしやすさ等 ) 就業環境 ( 収入 雇用機会等 ) 4 教育環境 5 余暇活動 6 安全 7 医療水準 経済 14 指標 指標 2 指標 - 6 指標 研究 開発 2 指標 7 指標 - - 2 指標 分野 文化 交流 居住 7 指標 7 指標 7 指標 12 指標 7 指標 12 指標 8 指標 8 指標 5 指標 11 指標 環境 7 指標 6 指標 6 指標 - 9 指標 交通 アクセス 7 指標 指標 1 指標 7 指標 4 指標 49 指標 4 指標 24 指標 24 指標 9 指標 経営者スコア 研究者スコア アーティストスコア 観光客スコア 生活者スコア アクター別ランキング 11

GPCI-2009 の結果 2-1. 分野別総合ランキング 分野別総合ランキングのトップはニューヨーク ロンドン パリの順で 東京は第 4 位である これは 昨年と同様の結果となった シンガポールが5 位にランクされたが 上位 4 都市との差は大きく ニューヨーク ロンドン パリ 東京のトップ4 都市としての存在感は大きい 分野別総合ランキングの結果 トップ はニューヨーク ロンドン パリの順で 東京が第 4 位であるが この結果は昨年の結果と同様である しかし 総合スコアでみた東京の位置づけは昨年とは異なり トップ の都市グループとの差が縮小されたとともに 5 位以下の都市との差が大きいため 東京を含めたトップ 4 の都市が最上位都市グループとして抜きんでた結果となっている 大幅なランキング変動のある都市について 昨年に比べ 今年分野別の総合ランキングが 4 ランク以上のランクアップあるいはランクダウンした都市は トップ 4 以外の上位 中位の都市に集中している ただし GPCI-2009 の場合 GPCI-2008 の基本体系は維持しつつ 都市の追加 分野の追加 指標の追加 変更 指標グループの概念の導入 有識者アンケートの導入などの大きな 5 つの変更点がランキング変動に影響を与えたことに留意することが必要である (1) ランクアップ都市 ( 主にアジア主要都市及び欧州の諸都市 ) シンガポールについては 文化 交流 交通 アクセス 分野で評価が昨年より高く 香港と上海については 文化 交流 分野での評価が高い チューリッヒとマドリッドは GPCI-2009 の 環境 分野で高評価を得ているが 居住 環境 分野から 環境 分野を独立させることが有利に働きランクアップしている (2) ランクダウン都市 ( 主に北米の諸都市 ) 環境 分野を独立させて新たな指標を加えた結果 ニューヨークを含めたすべてのアメリカの都市 ( ロサンゼルス ボストン シカゴ サンフランシスコ ) が 環境 分野で 20 位以下に評価され 結果として総合ランキングも下がっている ただし ニューヨークは他分野でこの弱点を補いランクに変動はない トロントは 居住 分野で 5 位と評価が高いものの 環境 分野では 2 位と評価が低く アメリカの都市と同様にランクを落としている 12

図 2-1 分野別総合ランキング結果 GPCI-2009 分野別総合ランキング 0.0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 00.0 50.0 400.0 1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 14 15 16 17 18 19 20 21 22 2 24 25 26 27 28 29 0 1 2 4 5 Cairo(12.2)[-] Milan(20.5)[27] Bangkok(199.1)[29] Fukuoka(196.5)[-] Taipei(195.9)[26] Moscow(179.5)[2] Sao Paulo(177.7)[-] Mumbai(165.5)[0] Madrid(242.5)[19] Seoul(241.1)[1] Los Angeles(240)[9] Sydney(27.)[12] Toronto(24.6)[10] Frankfurt(22.9)[16] Copenhagen(21.7)[18] Brussels(229.9)[21] Geneva(229.7)[22] Boston(226.2)[8] Shanghai(224.1)[25] Chicago(221.1)[14] Vancouver(219.1)[-] San Francisco(218.1)[20] Osaka(215.1)[-] Beijing(211.4)[28] Zurich(242.5)[15] Kuala Lumpur(204.1)[24] Singapore(274.4)[11] Berlin(259.)[6] Vienna(255.1)[5] Amsterdam(250.5)[7] Hong Kong(242.5)[17] New York(0.4)[1] London(22.)[2] Paris(17.8)[] TOKYO(05.6)[4] 経済 研究 開発 文化 交流 居住 環境 交通 アクセス 分野別総合ランキングのスコアの最大値は 547 である [ ] の数値は昨年度のランキング 1

2-2. 分野別ランキング ニューヨークとロンドンが 居住 と 環境 以外の分野で非常に高い評価を得ている一方で パリは 居住 と 交通 アクセス でトップを制しながらその他の分野でも比較的高い位置に付けている 東京は 経済 (2 位 ) 環境(4 位 ) にランクされている 経済と環境が双方とも 5 位以内にランクされる都市は他になく 東京は世界に比類ない経済と環境の双方を両立する唯一の都市であることが明らかとなった つまり GPCI-2009 では 環境 を新たな分野として独立させたことにより 東京の強みが改めて認識される結果となった 一方で 総合ランキングで上位でないトロント バンクーバーが 居住 分野にて ジュネーヴが 環境 分野にてトップ 5 以内にランクされるなど 総合ランキングで上位ではない都市でも 特定の分野では上位にランクされ優位性を発揮する都市の存在が伺える 分野別ランキングでみると 各都市の強みはそれぞれ異なり 特定の分野で優位性を発揮する都市が存在する 例えば 居住 分野ではバンクーバー ( 総合ランク 2 位 ) トロント( 総合ランク 15 位 ) ジュネーヴ ( 総合ランク 19 位 ) など 総合ランク 10 位以下のカナダおよびヨーロッパの都市が上位 5 位内にランクされている また 東京は 5 都市のなかで 経済 と 環境 の双方分野でトップ 5 にランクされる唯一の都市であり 経済 分野では 2 位 環境 分野では 4 位にランクしている しかしながら 経済 と 研究 開発 環境 では上位に付けながらも 文化交流 居住 交通アクセス の分野でシンガポールに敗れており その他の分野でも他都市の追随を受けている また 環境 分野においては フランクフルト ( 総合ランク 16 位 ) サンパウロ( 総合ランク 位 ) がそれぞれ 6 位 8 位にランクされるなど 総合ランキングで下位にランクしている都市が上位 10 位内に位置している 特に サンパウロの場合 汚染状況 では下位であるものの 環境への取り組みを評価する エコロジー では高く評価され この分野でのランクを押し上げている またベルリンは 文化 交流 居住 環境 にて強みを発揮しながら上位のなかでも特徴のある都市となっている ベルリン以下のヨーロッパの諸都市についても 居住 環境 分野で概ね高く評価されている アジアには 経済 分野に強みを持つ都市が多い一方で 欧州には 文化 交流 居住 環境 分野で上位にランクされている都市が多い 地域別に見ると アジアの諸都市は 経済 分野で上位にランクされる場合が多い 総合ランクが上位ではない香港 ( 総合ランク 10 位 ) 北京( 総合ランク 26 位 ) 上海( 総合ランク 21 位 ) が 経済 分野でそれぞれ 4 位 7 位 8 位と上位にランクしている 一方で 居住 環境 分野で 欧州の諸都市が上位 10 位以内の都市の 7 割を占めている 以上を概観すると アジアの都市には 経済 に特化した強みを発揮する都市が多く 一方で欧州の都市には 居住 環境 分野で強みを発揮する都市が多くみられる 14

表 2-1 分野別ランキング結果 15- Rank ランク Manager 総合スコア Researcher Artist Visitor Resident 経済研究 開発文化 交流居住環境 交通 アクセス 1 1London New York 0.4 55.2 New York 6.62.6 New New York York 6.0 London 60. New York 58.2 Paris59.4 New York 67.2 Geneva64.5 71.8 Paris 59. 2 2New London York 22. 55.2 London TOKYO 54.757.7 TOKYO Paris 60. New 58.9York London 54.1 Berlin 57.7 Paris 67.0 Zurich 61.4 71.7 London 51.8 Singapore Paris 17.8 5.8 TOKYO London 52.156.8 London Berlin 51.2 Paris 48.9 Paris 47.0 Vancouver 54.8 Berlin 65.9 Vienna 60.9 69.6 Amsterdam 42.9 4 4Hong TOKYO Kong 05.6 48.6 Paris Hong Kong 4.251.4 Seoul London 49.7 Berlin 48.8 Beijing 0.8 Zurich 49.0 TOKYO 65.1 TOKYO 60.7 67.0 New York 42.9 5 5Shanghai Singapore 274.4 48. Seoul Singapore 42.845.5 Los TOKYO Angeles 41. Singapore 46.9 Shanghai 29.7 Toronto 46.9 London 64.9 Berlin 59.0 66.1 Frankfurt 42. 6 6Paris Berlin 259. 47.5 Los ParisAngeles 42.54.4 Boston Chicago 40.7 TOKYO 9.5 Vienna 28.9 Vienna 46.1 Amsterdam64.9 Frankfurt 57.9 66.0 Singapore 41.2 7 7TOKYO Vienna 255.1 46.5 Boston Beijing 41.542.7 Paris Vienna 9.5 Vienna 9.5 TOKYO 28.7 Geneva 46.0 Zurich 64.2 Madrid 57.6 65.7 Madrid 8.2 8 8Beijing Amsterdam 250.5 46.1 Singapore Shanghai 41.442.6 Singapore Los Angeles 6.7 Beijing 8.9 Berlin 28.5 Brussels 45.5 Vienna 6.9 Sao Paulo 57.0 64.5 Seoul 6.6 9 9Zurich Zurich 242.5 44.6 Berlin Copenhagen 40.99.6 Hong Amsterdam Kong 4.9 Hong 7.6 Kong Singapore 27.9 Copenhagen 4.6 Copenhagen 6.4 Sydney56.5 64.1 Moscow 6. 10 10Geneva Hong Kong 242.5 44.5 Chicago Zurich 40.77.0 Berlin Madrid.2 Sydney 5.5 Hong Kong 27.9 Amsterdam 42. Vancouver6. Amsterdam 56.0 6.4 Copenhagen 6.1 11 11Vienna Madrid 242.5 44.0 Hong Geneva Kong 9.46.4 Taipei Toronto 27.9 Los 5.0Angeles Madrid 26.4 Fukuoka 41. Toronto 6. Paris 55.8 62. TOKYO 4. 12 12Amsterdam Seoul 241.1 4.9 San Vienna Francisco 8.6.2 Chicago Brussels 27.6 Shanghai.5 Kuala Lumpur25.4 Kuala 40.5 Lumpur Geneva 62.9 Singapore 55.0 61.8 Brussels 4.2 1 1Copenhagen Los Angeles 240.0 4.7 Sydney Toronto 8.15.8 San Milan Francisco 27.5 Madrid.4 Bangkok 25. Shanghai 40. Hong Kong62.9 Copenhagen 54.1 61.1 Toronto.9 14 14Toronto Sydney 27. 4.2 Amsterdam Chicago 7.84.9 Moscow Shanghai 27.5 Chicago 2.9 Brussels 2.1 Madrid 40.0 Osaka 62.6 Brussels54.0 60.8 Boston.7 15 15Madrid Toronto 24.6 41.8 Vienna Los Angeles 7.4.9 Osaka San Francisco 26.4 Seoul 2.9 Amsterdam 20.7 Osaka 9.8 Sydney 62.4 Kuala Lumpur 54.0 60.5 Milan 2.9 16 16Vancouver Frankfurt 22.9 41.8 Zurich Sydney 6.92.4 Amsterdam Kuala Lumpur 25.7 Bangkok 2.4 Seoul 20.5 Frankfurt 8.8 Fukuoka 62.2 London5.1 59.8 Vienna 2.6 17 17 Seoul Copenhagen 21.7 41.1 Copenhagen San Francisco 6.2 2.2 Toronto Copenhagen 25.7 Brussels 1.9 Toronto 20.4 Singapore 8.7 Singapore 62.2 Fukuoka 52.8 59.7 Bangkok 2.1 18 18 Chicago Brussels 229.9 40.4 Geneva Amsterdam 6.1 1.6 Sydney Singapore 2.6 Milan 1.9 Sydney 19.1 Milan 7.4 Chicago 61.6 Vancouver 52.6 59.4 Kuala Lumpur 2.1 19 19 Sydney Geneva 229.7 9.9 Moscow Madrid 6.1 0.4 Zurich Bangkok 22.5 Amsterdam 1.5 Chicago 19.1 TOKYO 7.2 Brussels 60.4 Osaka 52.2 58.7 Chicago 1.5 20 20 Boston Boston 226.2 9.8 Toronto Boston 4.5 0.0 Vienna Frankfurt 21.1 Cairo 1.2 Milan 18.4 Bangkok 6.8 Boston 59.8 Los Angeles 52.1 57.1 Zurich 1.5 21 Shanghai 224.1 Vancouver 4.5 Vancouver 20.2 Toronto 17.8 New York 59.1 San Francisco 56.5 Hong Kong 0.9 21 Berlin 9.5 Osaka 29.7 Vancouver 1.2 Frankfurt 6.4 Frankfurt 51.7 22 Chicago 221.1 Seoul.9 Shanghai 19.9 Moscow 16.7 Beijing 58.5 Hong Kong 55.5 Berlin 0.4 22 Los Angeles 9.4 Brussels 28.7 Zurich 1.0 Cairo 5.1 Los Angeles 50.8 2 Vancouver 219.1 Berlin 1.9 Geneva 19.9 San Francisco 15.9 Sydney 58. Toronto 54. Beijing 29.8 2 Brussels 9.2 Vancouver 27.2 Boston 0.9 Copenhagen 5.0 Seoul 50.6 24 San Francisco 218.1 Frankfurt 1.7 Fukuoka 19.8 Kuala Lumpur 15.7 Chicago 56.0 Seoul 54.1 San Francisco 29.1 24 Frankfurt 8.5 Shanghai 27.1 Moscow 0.5 Osaka 4.8 Shanghai 50.6 25 Osaka 215.1 Brussels 1.4 Brussels 19.2 Boston 14.0 Sao Paulo 55.5 Mumbai 5.6 Taipei 28.8 25 Kuala Lumpur 6.9 Taipei 26. Sydney 29.6 Vancouver 4.5 Madrid 50.0 26 Beijing 211.4 Osaka 1. Frankfurt 18.2 Vancouver 1.7 Boston 55.0 Bangkok 5. Shanghai 27.9 26 San Francisco 6. Fukuoka 26. Beijing 29. Boston 4.4 San Francisco 49.5 27 Kuala Lumpur 204.1 Moscow 28.2 Beijing 18.2 Osaka 12.9 Mumbai 54.8 Milan 51. Geneva 27.5 27 Taipei 5.7 Beijing 26.1 Osaka 29.1 Zurich 4.2 Beijing 48.4 28 Milan 20.5 Taipei 28.0 Copenhagen 17.8 Copenhagen 12.4 Taipei 5.5 Taipei 48.8 Los Angeles 26.8 28 Osaka 5. Frankfurt 25.5 Geneva 28. Los Angeles 4.0 Milan 45.4 29 Bangkok 199.1 Milan 25.8 Madrid 14.6 Frankfurt 12. San Francisco 52.8 Boston 48.4 Sydney 26.6 29 Bangkok 2.7 Madrid 25.4 Taipei 28.1 Taipei.8 Bangkok 45.1 0 Fukuoka 196.5 Kuala Lumpur 25.1 Milan 12.8 Sao Paulo 11.8 Los Angeles 51.0 New York 47.7 Vancouver 25.5 0 Fukuoka 2.1 Bangkok 2.8 Fukuoka 26.7 San Francisco 2.2 Taipei 4.6 1 Taipei 195.9 Fukuoka 2.9 Bangkok 11.1 Zurich 11.0 Hong Kong 50.1 Shanghai 46.5 Fukuoka 24.9 1 Milan 1.4 Milan 22.6 Seoul 25.8 Geneva 2.2 Kuala Lumpur 9.7 2 Moscow 179.5 Bangkok 22.2 Sao Paulo 9.2 Mumbai 10.2 Moscow 49.4 Chicago 45.2 Osaka 2.5 2 Moscow Sao Paulo 177.7 0.9 Kuala Sao Paulo Lumpur 18.5 21. Mumbai Sao Paulo 8.4 Taipei 25.5 Moscow 9.0 London 0.4 Mumbai 49.1 Cairo 9.2 5.4 Cairo 22.5 4 Mumbai Mumbai 165.5 27.0 Sao Mumbai Paulo 18. 19.0 Kuala Hong Lumpur Kong 7.8 Geneva 24.4 Mumbai 7.0 Seoul 28.9 Sao Paulo 46.2 Beijing 7.4 5.0 Mumbai 20.1 4 5 Cairo Cairo 12.2 26.7 Mumbai Cairo 18.0 18.9 Cairo Mumbai 2. Fukuoka 2.1 Fukuoka 4.7 Cairo 28.5 Moscow 5.5 Moscow 4.1 21. Sao Paulo 18.1 5 Sao Paulo 22.5 Cairo 11.9 Cairo 18.9 Sao Paulo 24.1 Cairo 27.2 : 分野別総合ランキングトップ 5 都市

2-. アクター別ランキング 分野別の総合ランクのトップ 4 都市は 都市において活躍する 4 つのグローバルアクター 都市生活者 いずれのアクターからみても評価が高く 魅力的な都市であるといえるが 東京 は 経営者 観光客 からみた評価がやや低い 分野別の総合ランキングでトップ 4 の都市 ( ニューヨーク ロンドン パリ 東京 ) は いずれのアクターからみても概ね評価が高い ただし パリと東京は 経営者 からの評価が他のアクターからの評価に比べやや低い また東京は 観光客 からの評価もトップ4 都市の中では 7 位とやや低い とくに 分野別総合ランキングで 1 位であるニューヨークは アクター別のランキングでも 経営者 が 2 位である以外は 研究者 アーティスト 観光客 生活者 のアクターからトップの評価を得ており いずれのアクターからも魅力的な都市として評価されている 分野別の総合ランクで中位 下位である 上海 北京 香港 などアジアの諸都市が アクターによっては高い評価を得ている また 分野別総合ランキングで中位圏の欧州の諸都 市は 特に アーティスト と 生活者 からの評価が高い 分野別の総合ランキングで中位 下位の都市である香港 ( 総合ランク 10 位 ) 上海( 総合ランク 21 位 ) 北京( 総合ランク 26 位 ) が 経営者 と 観光客 から高い評価を得ており 経営者からのランキングでは それぞれ 4 位 5 位 8 位に 観光客からはそれぞれ 10 位 5 位 4 位とランクされている 地域別に見ると 総合ランキングで 5 位 ~15 位にランクされているヨーロッパの都市は アーティスト と 生活者 からの評価が高く 総合ランク 6 位であるベルリンは アーティスト 生活者 の両方からのランキングで 位に位置している 16

17 Rank Manager Researcher Artist Visitor Resident 1 London 55.2 New York 62.6 New York 60. New York 59.4 New York 64.5 2 New York 55.2 London 57.7 Paris 58.9 London 57.7 Paris 61.4 表 2-2 アクター別ランキング結果 Singapore 5.8 TOKYO 56.8 Berlin 48.9 Paris 54.8 Berlin 60.9 4 Hong 経営者 Kong 48.6 Paris 研究者 51.4 アーティスト London 48.8 観光客 Beijing 生活者 49.0 TOKYO 60.7 5 Shanghai 48. Seoul 45.5 TOKYO 46.9 Shanghai 46.9 London 59.0 1 London 55.2 New York 62.6 New York 60. New York 59.4 New York 64.5 6 Paris 47.5 Los Angeles 4.4 Chicago 9.5 Vienna 46.1 Amsterdam 57.9 2 New York 55.2 London 57.7 Paris 58.9 London 57.7 Paris 61.4 7 Singapore TOKYO 5.8 TOKYO 46.5 Boston 56.8 Berlin 42.7 Vienna 48.9 Paris 9.5 TOKYO 54.8 Berlin 46.0 Zurich 60.9 57.6 4 8 Hong Beijing Kong 48.6 Paris 46.1 Singapore 51.4 London 42.6 Los Angeles48.8 Beijing 8.9 Berlin 49.0 TOKYO 45.5 Vienna 60.7 57.0 5 9 Shanghai Zurich 48. Seoul 44.6 Berlin 44.4 TOKYO 9.6 Amsterdam 46.9 Shanghai 7.6 Singapore 46.9 London 4.6 Copenhagen 59.0 56.5 6 10 Paris Geneva 47.5 Los 44.5Angeles Chicago 4.4 Chicago 7.0 Madrid 9.5 Vienna 5.5 Hong Kong 46.1 Amsterdam42. Vancouver 57.9 56.0 7 11 TOKYO Vienna 46.5 Boston 44.0 Hong Kong 42.7 Vienna 6.4 Toronto 9.5 TOKYO5.0 Madrid 46.0 Zurich 41. Toronto 57.6 55.8 8 Beijing 46.1 Singapore 42.6 Los Angeles 8.9 Berlin 45.5 Vienna 57.0 12 Amsterdam 4.9 San Francisco 6.2 Brussels.5 Kuala Lumpur 40.5 Geneva 55.0 9 Zurich 44.6 Berlin 9.6 Amsterdam 7.6 Singapore 4.6 Copenhagen 56.5 1 Copenhagen 4.7 Sydney 5.8 Milan.4 Bangkok 40. Hong Kong 54.1 10 Geneva 44.5 Chicago 7.0 Madrid 5.5 Hong Kong 42. Vancouver 56.0 1114 Vienna Toronto 44.0 Hong 4.2 Kong Amsterdam 6.4 Toronto 4.9 Shanghai 5.0 Madrid 2.9 Brussels41. Toronto 40.0 Osaka 55.8 54.0 1215 Amsterdam Madrid 4.9 San 41.8Francisco Vienna 6.2 Brussels.9 San Francisco.5 Kuala Lumpur 2.9 Amsterdam 40.5 Geneva 9.8 Sydney 55.0 54.0 116 Copenhagen Vancouver 4.7 Sydney 41.8 Zurich 5.8 Milan 2.4 Kuala Lumpur.4 Bangkok 2.4 Seoul 40. Hong Kong8.8 Fukuoka 54.1 5.1 1417 Toronto Seoul 4.2 Amsterdam 41.1 Copenhagen 4.9 Shanghai 2.2 Copenhagen 2.9 Brussels1.9 Toronto 40.0 Osaka 8.7 Singapore 54.0 52.8 15 Madrid 41.8 Vienna.9 San Francisco 2.9 Amsterdam 9.8 Sydney 54.0 18 Chicago 40.4 Geneva 1.6 Singapore 1.9 Sydney 7.4 Chicago 52.6 16 Vancouver 41.8 Zurich 2.4 Kuala Lumpur 2.4 Seoul 8.8 Fukuoka 5.1 19 Sydney 9.9 Moscow 0.4 Bangkok 1.5 Chicago 7.2 Brussels 52.2 17 Chicago 40.4 Copenhagen 2.2 Copenhagen 1.9 Toronto 8.7 Singapore 52.8 1820 Seoul Boston 40. Geneva 9.8 Toronto 1.6 Singapore 0.0 Frankfurt 1.9 Sydney1.2 Milan 7.4 Chicago 6.8 Boston 52.6 52.1 1921 Sydney Berlin 9.9 Moscow 9.5 Osaka 0.4 Bangkok 29.7 Vancouver 1.5 Chicago1.2 Frankfurt 7.2 Brussels 6.4 Frankfurt 52.2 51.7 2022 Boston Los Angeles 9.8 Toronto 9.4 Brussels 0.0 Frankfurt 28.7 Zurich 1.2 Milan 1.0 Cairo 6.8 Boston 5.1 Los Angeles 52.1 50.8 212 Berlin Brussels 9.5 Osaka 9.2 Vancouver 29.7 Vancouver 27.2 Boston 1.2 Frankfurt 0.9 Copenhagen 6.4 Frankfurt 5.0 Seoul 51.7 50.6 2224 Los Frankfurt Angeles 9.4 Brussels 8.5 Shanghai 28.7 Zurich 27.1 Moscow 1.0 Cairo 0.5 Osaka 5.1 Los Angeles 4.8 Shanghai 50.8 50.6 2 Brussels 9.2 Vancouver 27.2 Boston 0.9 Copenhagen 5.0 Seoul 50.6 25 Kuala Lumpur 6.9 Taipei 26. Sydney 29.6 Vancouver 4.5 Madrid 50.0 24 Frankfurt 8.5 Shanghai 27.1 Moscow 0.5 Osaka 4.8 Shanghai 50.6 2526 Kuala San Lumpur Francisco 6.9 Taipei 6. Fukuoka 26. Sydney 26. Beijing 29.6 Vancouver 29. Boston 4.5 Madrid 4.4 San Francisco 50.0 49.5 2627 San Taipei Francisco 6. Fukuoka 5.7 Beijing 26. Beijing 26.1 Osaka 29. Boston 29.1 Zurich 4.4 San Francisco 4.2 Beijing 49.5 48.4 2728 Taipei Osaka 5.7 Beijing 5. Frankfurt 26.1 Osaka 25.5 Geneva 29.1 Zurich 28. Los Angeles 4.2 Beijing 4.0 Milan48.4 45.4 2829 Osaka Bangkok 5. Frankfurt 2.7 Madrid 25.5 Geneva 25.4 Taipei 28. Los Angeles 28.1 Taipei 4.0 Milan.8 Bangkok 45.4 45.1 290 Bangkok Fukuoka 2.7 Madrid 2.1 Bangkok 25.4 Taipei 2.8 Fukuoka 28.1 Taipei 26.7 San Francisco.8 Bangkok 2.2 Taipei 45.1 4.6 0 Fukuoka 2.1 Bangkok 2.8 Fukuoka 26.7 San Francisco 2.2 Taipei 4.6 1 Milan 1.4 Milan 22.6 Seoul 25.8 Geneva 2.2 Kuala Lumpur 9.7 1 Milan 1.4 Milan 22.6 Seoul 25.8 Geneva 2.2 Kuala Lumpur 9.7 2 2 Moscow Moscow 0.9 Kuala 0.9 Lumpur Kuala Lumpur 21. Sao 21. Paulo Sao Paulo 25.5 Moscow 25.5 Moscow 0.4 Mumbai 0.4 Mumbai 9.2 9.2 Mumbai Mumbai 27.0 Sao 27.0Paulo Sao Paulo 19.0 Hong 19.0 KongHong Kong 24.4 Mumbai24.4 Mumbai 28.9 Sao Paulo 28.9 Sao Paulo 7.4 7.4 4 4 Cairo Cairo 26.7 Mumbai 26.7 Mumbai 18.9 Mumbai 18.9 Mumbai 2.1 Fukuoka2.1 Fukuoka28.5 Moscow 28.5 Moscow 4.1 4.1 5 5 Sao Sao Paulo Paulo 22.5 Cairo 22.5 Cairo 11.9 Cairo 11.9 Cairo 18.9 Sao Paulo 18.9 Sao Paulo 24.1 Cairo 24.1 Cairo27.2 27.2 ランク : 分野別総合ランキングトップ 5 都市

2-4.5 都市の類型化 分野別スコアにもとづき 類似している都市をクラスター分析した結果 大きく5つのグループに類型化することができ 世界の主要都市の様相を整理することができる 大別すると ニューヨーク ロンドン パリ 東京の上位 4 都市は どの分野でも高い評価を受ける都市群であり ほかにも 経済 や 研究 開発 分野に強みを発揮する都市群 居住 や 環境 分野に強みを発揮する都市群などに類型できる 1 A グループ : スーパー都市 オールラウンド都市 トップ 4 都市で構成されている第 1 グループは 上位 2 都市 ( ニューヨーク ロンドン ) と 位と 4 位都市 ( パリと東京 ) にまとめられる ニューヨークとロンドンは 経済 研究 開発 文化 交流 交通アクセス の 4 つの分野で 他都市が及ばないほどの強さを備えているが それと同時に それぞれ 環境 居住 分野という弱点をもっているスーパー都市と評価される また 東京とパリは 全方面に強みを発揮するオールラウンド都市であるものの 逆に トップ 2 都市に比肩するほどの強みを発揮する分野がないともいえる 2 B グループ : 居住 環境 優位型都市 欧州の都市のなかで上中位(5 位 ~15 位 ) にランクされている都市 およびカナダとアジアの主要国都市で構成されている このグループに属している諸都市は 特に 環境 居住 分野で他都市より強みをもっている C グループ : 経済 研究 開発 劣位型都市 アジア非漢字圏 新興国の都市とミラノが含まれており このグループの都市は すべての分野で平均をやや下回っているが 特に 経済 研究 開発 分野に低評価されている 4 D グループ : 経済 研究 開発 優位型都市 アジア漢字圏都市およびニューヨーク以外の米国都市で構成されている このグループの都市は 6 分野すべてで平均並みの評価を得ているが 特に 経済 あるいは 研究 開発 分野での評価が高い 5 E グループ : アキレス腱都市 モスクワとカイロがこのグループに属しているが この 2 都市は 全分野で他都市より低く評価されているとともに それぞれ 環境 居住 分野で非常に低位に評価されており 大きな弱点をもつ都市のグループである 18

図 2-2 5 都市の類似都市の分析ツリー図 A グループ (1) New York (2) London (4) TOKYO () Paris スーパー都市 (2 都市 ) オールラウンド都市 (2 都市 ) TOP4 都市 類似都市の分析ツリー図 B グループ (5) Singapore (6) Berlin (7) Vienna (14) Sydney (8) Amsterdam (16) Frankfurt (11) Madrid (18) Brussels (15) Toronto (17) Copenhagen (9) Zurich (19) Geneva (2) Vancouver (25) Osaka (0) Fukuoka C グループ (27) Kuala Lumpur (28) Milan (29) Bangkok () Sao Paulo (4) Mumbai 居住 / 環境優位型都市 (15 都市 ) 欧州 + カナダ + アジア先進国都市 経済 /R&D 劣位型都市 (5 都市 ) アジア非漢字圏都市 + 新興国 (+ ミラノ ) その他 1 都市 D グループ (10) Hong Kong (1) Los Angeles (12) Seoul (20) Boston (24) San Francisco (1) Taipei (21) Shanghai (22) Chicago (26) Beijing 経済 /R&D 優位型都市 (9 都市 ) アジア漢字圏都市 + 米国 (NY 以外 ) E グループ (2) Moscow (5) Cairo アキレス腱都市 (2 都市 ) ( ) 内は分野別総合ランキングを示す 19

2-5. 分野別総合ランキングトップ 4 都市の比較分析 分野別スコアの偏差値でトップ 4 都市を比較してみると ニューヨークは 環境 が ロンドンは 居住 といった弱い分野があるものの その弱点をカバーして余りあるほど他の分野での評価が圧倒的に高い パリ 東京は 6 分野すべてで平均より高い評価を得ているが 文化 交流 および 交通 アクセス 分野で パリの評価が東京より高いことから パリに次ぐ 4 位となっている また 東京は 経済 および 研究 開発 分野で非常に大きな強みを出しており さらにトップ 4 都市のなかで 環境 分野での評価が最も高い ただし 居住 および 交通アクセス の分野では 5 都市中 平均程度の評価である 分野別のスコアの偏差値でトップ4 都市を比較してみると ニューヨークとロンドン パリと東京 この 2 つのグループに分けられる トップ 2 都市のニューヨークとロンドンは それぞれ 環境 と 居住 分野で低く評価されているものの この弱点を十分カバーできるほど 他の 5 分野での評価が圧倒的に高い 一方 パリ 東京の場合 6 つの分野すべてで評価が平均を上回っており 全方面に強みを発揮するオールラウンド都市ともいえる ただし パリの場合 東京が相対的に低評価されている 文化 交流 居住 交通 アクセス 分野での評価が非常に高いことから 位に位置していると考えられる 東京は 経済 と 研究 開発 分野で高く評価されており さらに 環境 分野での評価がトップ 4 都市のなかで最も高く 5 都市のなかでは 経済 と 環境 分野の両方で強みを出している唯一の都市である ただし 居住 交通 アクセス 分野では 5 都市中 平均程度の評価である 図 2- 分野別の総合スコアの偏差値分析 85 80 75 70 65 60 55 50 45 40 5 0 London NY 経済研究 開発文化 交流居住環境交通 アクセス TOKYO(4 位 ) New York(1 位 ) London(2 位 ) Paris( 位 ) 20

2-6. 東京とアジアの主要都市の比較分析 東京は依然としてアジアの No 1 都市であるが アジアの他の主要都市と比較して 経済 および 研究 開発 の分野では極めて優位性があるものの 文化 交流 居住 交通 アクセス の分野ではアジアの主要都市に比べて特に優位性があるわけではない アジアにおけるとくに経済的に主要な都市であるシンガポール 上海 香港 ソウルの 4 都市と東京について 分野別及びアクター別にスコアの偏差値の比較を行った 分野別にみると 東京は 経済 研究 開発 環境 分野で非常に高く評価されているが 総合ランク 5 位であるシンガポールが 文化 交流 居住 交通 アクセス の つの分野で東京を上回る高評価を得ている 香港は 経済 と 文化 交流 分野で強みを出しているものの 居住 環境 交通 アクセス 分野で低く評価されている また ソウルは 研究 開発 分野で非常に高い評価を得ている一方で 居住 分野での低い評価も際立っている 図 2-4 アジア主要都市の分野別の総合スコアの偏差値による分析 75 Tokyo Tokyo 70 65 60 Singapore Singapore Tokyo Singapore 55 50 45 40 5 0 経済研究 開発文化 交流居住環境交通 アクセス TOKYO(4 位 ) Singapore(5 位 ) Hong Kong(10 位 ) Seoul(12 位 ) Shanghai(21 位 ) 21

東京は 研究者 アーティスト 生活者 の つのアクターからの評価が アジア主要都市のなかで最も高い しかし 経営者 からは低く評価されており シンガポール 香港 上海が東京より高く評価されている 次にアクター別にみると 研究者 の都市間における評価のばらつきが最も大きく 観光客 や 生活者 のばらつきは比較的小さくなっている 東京は 研究者 アーティスト 生活者 からの評価が アジア主要 5 都市のなかで最も高く 特に 研究者 から非常に高く評価されている また アーティスト からの評価は 他のアジア 4 都市の評価が平均を下回るものの 東京だけが高く評価されている 一方 東京は 経営者 からの評価がアジア主要都市のなかでソウルについで最も低く シンガポール 香港 上海が東京より高く評価されている 図 2-5 アジア主要都市のアクター別の総合スコアの偏差値の分析 75 Tokyo 70 65 60 55 50 45 40 Tokyo Tokyo 5 Manager Researcher Artist Visitor Resident TOKYO(4 位 ) Singapore(5 位 ) Hong Kong(10 位 ) Seoul(12 位 ) Shanghai(21 位 ) 22

2-7. 第 2 グループにランキングされた都市に関する分析 分野別の総合ランキングで ロンドン パリを除いた欧州の上位都市 ( ベルリン ウィーン アムステルダム チューリッヒ マドリッド ) は 居住 環境 分野で高い評価を得ている傾向がある 同程度の順位にランクされているアジア都市 ( 香港 (10 位 ) ソウル(12 位 )) と比較してみると その違いがより明らかであり 香港とソウルの場合 居住 と 環境 分野で低位に評価されている 総合ランキングの 6 位 ~12 位にランクされている ヨーロッパの 5 都市 ベルリン ウィーン アムステルダム チューリッヒ マドリッドについても 偏差値分析を行った この 5 つの都市は 居住 環境 分野で非常に優位性をもっており 5 都市すべての偏差値が 55 以上であるが この結果は 同様の上位圏にランクされている香港 ソウルとはまったく異なる結果となっている 香港とソウルの場合 ヨーロッパの都市が高く評価されている 居住 環境 分野でマイナスに評価されているが 経済 研究 開発 分野ではヨーロッパの都市より極めて高い評価を得ている 一方で 総合ランク 5 位のシンガポールは 前述のとおり 6 分野すべての偏差値が平均を上回る優位な都市であるが 偏差値が 60 を超えるほど圧倒的な評価を得ている分野はない 一方で ヨーロッパの 5 つの都市はそれぞれ弱い分野が異なり ベルリンは 経済 ウィーンとマドリッドは 研究 開発 チューリッヒとアムステルダムは 文化 交流 分野が弱いことがわかる 図 2-6 ヨーロッパ主要都市の分野別の総合スコアの偏差値の分析 70 65 ヨーロッパ主要都市 60 55 50 45 40 5 0 アジア主要都市 経済研究 開発文化 交流居住環境交通 アクセス Berlin(6 位 ) Vienna(7 位 ) Amsterdam(8 位 ) Zurich(9 位 ) Madrid(11 位 ) Hong Kong(10 位 ) Seoul(12 位 ) 2

2-8. 東京の強み 弱みの分析 トップ 都市と比べ東京の強みは 経済分野では世界のトップ企業が集積していること 研究 開発分野では研究者数の多さや研究開発費が豊富であることである 一方 東京の弱みは 都心から国際空港までのアクセスが悪いこと 高い法人税率などであり これらの点で大きく劣っていることが トップ 入りできない原因であると言える (1) 分野別東京の総合ランキングは 今年も 4 位で昨年と変わらないが 位のパリとの総合スコアの差は 22 点から 12 点に縮小した 東京は 5 都市のなかで 経済 環境 研究開発 の分野での評価が非常に高く 個別指標の偏差値でも ISO14001 取得企業数 研究開発費 世界トップ 00 企業数などが他都市と比べ圧倒的に優位である しかし 居住 交通 アクセス の 2 分野が比較的弱く 特に 都心から国際空港までのアクセス時間 が著しく低く評価されている さらに 海外企業の日本への進出に高いバリアーといわれる 法人税率 は 5 都市のなかでも最低の評価となっている 図 2-7 指標別の偏差値分析による東京の強みと弱みの分析 40 5 0 25 20 15 10 5 0 指標数 2 指標 17 指標 東京 5 指標 7 指標 5 指標 2 指標 1 指標 20~0 0~40 40~50 50~60 60~70 70~80 80~90 90 以上偏差値 東京の強み 偏差値分野指標名 90 以上 環境 ISO14001 取得企業数 80~90 70~80 経済 東京の弱み 研究 開発 経済 世界のトップ 00 企業数 研究開発費 対事業所サービス業従業者数 交通 アクセス 公共交通の定時性 研究 開発 経済 研究 開発 研究者数 GDP 産業財産権 ( 特許 ) の登録数 偏差値分野指標名 40 以下 交通 アクセス 経済 都心から国際空港までアクセス時間 法人税率 24

経営者 に魅力的な都市とするための東京の課題は 規制や税制などの面でビジネスをと りまく環境の改善である また 観光客 に魅力的な都市とするための東京の課題は 魅力的 な観光資源を充実させること等 観光をとりまく環境の改善である (2) アクター別アクター別ランキングにおいて東京は 経営者 ならびに 観光客 の観点から見た評価がともに7 位と 世界のトップ都市と比較すると低く 弱点のひとつとなっている まず 経営者 で見ると東京は 1 企業や商取引等の一定以上の集積 や 6 関連サポート産業の集積 といったビジネスに直結する要素については高い評価を得ているものの 2ビジネスの成長性 規制や税率などの ビジネスの容易性 5 人材プール ( 人材の豊富さ ) 等 ビジネス展開上の周辺環境に関する要素ではトップ都市と比較して必ずしも高い評価を得ていない 図 2-8 経営者が重視する要素別に見た主要都市の評価 ( 偏差値 ) 1 位 2 位 位 4 位 5 位 6 位 7 位 18 位 ロンドン 0 50 100 ニューヨーク 0 50 100 シンガポール 0 50 100 香港 0 50 100 上海 0 50 100 パリ 0 50 100 東京 0 50 100 ソウル 0 50 10 1 企業や商取引等の一定以上の集積 68. 9 79. 2 60. 1 55. 4 51. 9 74. 0 76. 0 55. 1 2 ビジネスの成長性 47. 9 51. 9 55. 9 46. 8 81. 7 41. 5 4. 8 49. 8 ビジネスの容易性 57. 5 45. 74. 2 77. 8 4. 1 40. 8 9. 1 50. 6 4 ビジネス環境 70. 4 62. 7 51. 4 45. 8 6. 72. 2 60. 8 48. 2 5 人材プール ( 人材の豊富さ ) 77. 7. 1 64. 0 60. 8 49. 9 49. 6 6. 6 62. 6 6 関連サポート産業の集積 69. 1 66. 1 52. 5 55. 7 72. 6. 7 67. 4 58. 7 家族及び従業員にとっての良好な環境 49. 1 51. 58. 4 46. 4 42. 4 61. 5 55. 7 7. 8 政治 経済 災害リスク 51. 7 58. 6 51. 7 50. 44. 9 5. 8 48. 1 42. 経営者のスコア 69. 5 69. 5 67. 6 60. 8 60. 4 59. 4 58. 1 49. 9 一方 観光客 でみると トップ都市と比較した場合 とりわけ 1 文化的魅力や接触機会 観光の対象の存在 ( 施設 文化等 ) のスコアが低いことがあげられる これは 東京が世界のトップ都市と比較して 安全面では高い評価を得ている一方 外国人を受け入れる魅力的な観光資源に欠けていることを表している 図 2-9 観光客が重視する要素別に見た主要都市の評価 ( 偏差値 ) 1 位 2 位 位 4 位 5 位 7 位 9 位 10 位 ニューヨーク 0 50 100 ロンドン 0 50 100 パリ 0 50 100 北京 0 50 100 上海 0 50 100 東京 0 50 100 シンガポール 0 50 100 香港 0 50 10 1 文化的魅力や接触機会 71. 72. 76. 5 5. 5 49. 9 5. 5. 1 4. 7 2 安全 54. 7 50. 8 5. 8 42. 0 48. 7 5. 54. 5 51. 2 観光の対象の存在 ( 施設 文化等 ) 7. 4 81. 2 67. 6 5. 6 44. 1 51. 7 57. 0 51. 4 一定水準以上の宿泊施設 64. 9 6. 2 46. 1 76. 8 72. 6 59. 4 59. 5 60. 2 5 食事の選択肢や値段等 67. 8 52. 4 69. 6 4. 47. 2 64. 4 59. 6 66. 5 6 買物する環境や値段 魅力等 7 目的地までの移動の利便性 ( 所要時間 運賃等 ) 観光客のスコア 56. 5 61. 8 75. 8 40. 4 74. 6 7. 6 52. 8 70. 0 82. 9 48. 2 67. 5 62. 5 45. 2 69. 5 59. 9 49. 1 51. 2 58. 7 45. 1 56. 55. 6 44. 56. 54. 0 25

2-9. 東京の弱みを克服するためのシナリオ 東京の 弱み を克服し 東京が世界の No1 都市となるためのシナリオを明らかにする 結果として シナリオ2( 国際交通インフラが改善され さらに経営者からみて重要な要素の指標が克服されるシナリオ ) を実現することで 東京の総合ランキングが 1 位となることがわかった GPCI の真の目標は単に都市をランキングすることにとどまることなく 都市戦略のツールとして世界のさまざまな都市で活用することにある 都市毎にどの指標をどの程度改善すればランキングが上昇するのかという シナリオ に基づくランキングのシミュレーションを行うことにより その都市において必要な都市政策を明らかにすることが可能となる 以下に 東京の弱みを克服し東京が No1 都市となるための シナリオ を示す シナリオ1 ( 国際交通インフラが改善されるシナリオ ) 昨年に引き続き GPCI-2009でも低く評価された東京の 都心からの国際空港までのアクセス時間 が 羽田空港の国際化により大幅に短縮され 羽田空港がシンガポール並みのアジアのハブ空港になった場合の東京のランキングを以下の条件でシミュレーションした 都心からの国際空港までのアクセス時間 : シンガポールと同程度の0 分程度に短縮が実現 国際線直行便就航都市数 : シンガポールと同程度の都市数を実現 国際線旅客数 : シンガポールと同程度の人数を実現 海外からの訪問者数 : シンガポールと同程度の人数を実現 シナリオ2 ( 国際交通インフラ及び経営者からみて重要な要素の指標が改善されるシナリオ ) 国際交通インフラ改善と共に 経営者 の立場で重要な ビジネスの容易性 ビジネス環境 人材プール など経済環境に関連する指標 ( 経済 文化 交流 交通 アクセス 分野 ) が 経営者 からの評価が最も高い ロンドン 並みに改善された場合の東京のランキングを以下の条件でシミュレーションした ( 都心から国際空港までのアクセス時間は現実性を勘案し シンガポール並みの0 分程度に設定 ) 経済自由度 : ロンドンと同程度の数値を実現 法人税率 : ロンドンと同程度の税率を実現 外国人数 : ロンドンと同程度の人数を実現 留学生数 : ロンドンと同程度の人数を実現 海外からの訪問者数 : ロンドンと同程度の人数を実現 都心からの国際空港までのアクセス時間 : シンガポールと同程度の0 分程度に短縮が実現 国際線直行便就航都市数 : ロンドンと同程度の都市数を実現 国際線旅客数 : ロンドンと同程度の旅客数を実現 シナリオ 1 では東京とパリの差は縮まるものの順位の変動はない シナリオ 2 を実現 すると 東京は 4 位から 1 位となる 26

図 2-10 GPCI-2009 の結果及びシナリオ 1 シナリオ 2 の上位 5 都市のランキング比較 GPCI-2009: Total score and rank by function 0 50 100 150 200 250 00 50 400 1 2 4 5 New York(0.4)[1] London(22.)[2] Paris(17.8)[] TOKYO(05.6)[4] Singapore(274.4)[11] Economy R&D Cultural Interaction Livability Ecology & Natural Environment Accessibility Scenario 1: Total score and rank by function 0 50 100 150 200 250 00 50 400 1 2 4 5 New York(0.4) London(22.) Paris(17.8) TOKYO(1.6) Singapore(274.4) Economy R&D Cultural Interaction Livability Ecology & Natural Environment Accessibility Scenario 2: Total score and rank by function 0 50 100 150 200 250 00 50 400 1 2 4 5 TOKYO(46.4) New York(0.4) London(22.) Paris(17.8) Singapore(274.4) Economy R&D Cultural Interaction Livability Ecology & Natural Environment Accessibility 27

2-10.Global Circuit に関する分析 GPCI からのフィードバック 都市の総合力を評価する上で重要な点は 単に都市ごとの指標の優劣だけでなく これら大都市が相互にどのような関係 - 依存 競合 補完 を持っているかである そのため 都市間相互の関係を表す以下のネットワークについての分析を行い 都市別の指標を積み上げただけでは分からない グローバル サーキット を顕在化させるための分析をランキングと並行して行っている (1) 都市間航空旅客流動量ロンドンは欧州地域のハブであると同時に アジア 北米の主要都市との繋がりも強く ( 航空旅客流動からみたグローバル拠点 ) 北米では N.Y. がハブであり かつロンドンとの繋がりも強い アジアでは東京 香港 シンガポールがハブであるが シンガポール 香港がロンドンと繋がりが強い一方で東京はロサンゼルスとの繋がりが強いことがわかる (2) グローバル企業の世界各都市での本社 支社のネットワーク 1 金融業を除くグローバル企業の世界各都市での本社 支社の立地状況はパリがヨーロッパの拠点 ニューヨークがアメリカ大陸の拠点 そして東京とソウルがアジアの拠点であることがわかる さらに パリとニューヨークがそれぞれともに 東京 ソウル マドリッドと強いネットワークを持つことがわかる 2 金融業では依然として東京 ニューヨーク ロンドンが強いネットワークを示しており 世界 大金融センターであることを表している また パリはヨーロッパ及びアジアの諸都市とのリンクがロンドンを上回って非常に多く ロンドンの陰に隠された金融センターであることを示している (1) 都市間航空旅客流動量都市間航空流動を元に 対象 5 都市の繋がり状況を整理している この指標は 都市間のヒトの流れを示す指標となる 調査にあたっては 2008 年 11 月第一週の都市間提供座席数を OAG 時刻表から集計し ( 直行便 旅客便のみを対象と ) 都市間ごとに提供座席数を合計し この座席数を偏差値でみて 60 以上のものをグローバル サーキットとして視覚化している 集計結果は以下のとおりであるが 航空流動量からみると 東京は世界に向けたアジアの拠点とは言い難い状況でとなっていることがわかる 1 ロンドンは欧州地域のハブであると同時に アジア 北米の主要都市との繋がりも強い航空流動からみたグローバル拠点である 2 北米では N.Y. がハブであり グローバル拠点のロンドンとの繋がりも強い アジアでは シンガポール 香港 東京がハブである ただし シンガポール 香港がロンドンと繋がりが強い一方で東京はアジア外との繋がりはさほど強くはないがロサンゼルスとのつながりが強い 28

29 図 2-11 5 都市の都市間航空旅客流動量 Data Source: OAG (Official Airline Guide) Notes: The total number of seats provided during the first week of November 2008 is used to create this diagram. This figure shows only large flows between 2 cities. Airline flows are limited to direct flights.

(2) グローバル企業の世界各都市での本社 支社のネットワークグローバル企業の世界各都市間の本社 支社のネットワークについて 世界の非金融業の主要企業の Worldwide Corporation Network 世界の金融業の主要企業の Worldwide Corporation Network の 2 つに分けて分析している 調査は 非金融企業の世界のトップ 100 企業 1 金融企業の上位 50 企業 2 をまず選定し これらのうち 5 都市に本社のある企業を調査対象としている 集計方法は 企業の本社がある都市 ( 都市 A) に対してその企業の支社がある都市 ( 都市 B) があった場合 都市 A- 都市 Bをひとつのネットワークとしてカウントし 非金融業 金融業ごとに調査対象企業のネットワークの数を対象都市別に集計を行い さらにこのネットワークの強さを視覚化することによって 都市間のグローバル サーキットを表現している 1 グローバル企業の 5 都市間での本社 支社のネットワーク ( 非金融業 ) ヨーロッパでは パリ 北南米では ニューヨーク アジアでは 東京 と ソウル がネットワークの中心である パリ ニューヨークそれぞれともに東京 ソウル マドリッドとのつながりが強い 2 グローバル企業の 5 都市間での本社 支社のネットワーク ( 金融業 ) 欧州では ロンドン 北南米では ニューヨーク アジアでは 東京 がネットワークの中心であり かつこの つの都市のつながりが非常に強く世界 大金融センターであることを示している パリとミラノのつながりも非常に強い アジアでは東京 香港 北京のつながりが強く トライアングルを構成しつつ さらに東京 シンガポールとパリにてさらに大きなトライアングルを構成している パリはヨーロッパ及びアジアの諸都市とのリンクがロンドンを上回って非常に多く ロンドンの陰に隠された金融センターであることを示している 1 Newsweek 2008 年 10 月 8 日版 世界で最も稼いだ 00 社 ( 営業利益基準 ) の中から 石油 ガス 電力 金属 鉱業 通信 金融の 5 つの業種に該当する企業を除外した上位 100 企業である 2 Fortune 2009 の Global 500 の企業リストから Banks と Insurance 業種の上位 50 企業を集計対象にする 0

1 図 2-12 グローバル企業の 5 都市間での本社 支社のネットワーク ( 非金融業 )

2 図 2-1 グローバル企業の 5 都市間での本社 支社のネットワーク ( 金融業 )

資料編 最高顧問 ピーター ホール卿ロンドン大学バートレット校教授 < 略歴 > 192 年ロンドン生まれ ケンブリッジ大学大学院で修士 博士課程修了 英国レディング大学 カリフォルニア大学バークレー校教授を歴任 ブリティッシュ アカデミーフェロー ヨーロッパアカデミー会員 1998 年都市計画協会への貢献によりナイトの称号を授与された 世界都市を研究する世界的ネットワークである Globalization and World Cities Research Network の名誉創設者の一人ロンドン シンガポール アデレード大都市圏 ( オーストラリア ) ライプチッヒ ( ドイツ ) などの計画作成にもかかわる 21 世紀都市化世界委員会招集者イギリス政府戦略計画のスペシャルアドバイザー < 主な著書 > London 2000 The World Cities Cities of Tomorrow: An Intellectual History of Urban Planning and Design in the Twentieth Century Cities in Civilization: Culture, Technology, and Urban Order 第三者評価員 ( ピアレビューアー ) アレン J スコットカルフォルニア大学ロサンゼルス校地理学部および公共政策学部教授 < 略歴 > ノースウェスタン大学 (Northwestern University) 大学院修士 博士課程修了 地理学博士 1987 年 アメリカ地理学会賞受賞 1999 年 ブリティッシュ アカデミー客員フェロー < 主な著書 > Social Economy of the Metropolis: Cognitive-Cultural Capitalism and the Global Resurgence of Cities The Cultural Economy of Cities Regions and the World Economy Metropolis: From the Division of Labor to Urban Form ピーター ネイカンプフリー大学 (VU University Amsterdam) 教授 / ティンベルゲン研究所フェロー < 略歴 > エラスマス大学 (Erasmus University, Rotterdam) 修士 博士課程修了 (Tinbergen Institute Fellow, Amsterdam) オランダ政府 欧州委員会 世界銀行 OECD 等の各アドバイザーを務める < 主な著書 > Regional Cohesion and Competition in the Age of Globalization Innovation, Space and Economic DevelopmentAdvances in Modern Tourism Research

委員会メンバー 竹中平蔵慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長 教授 / 森記念財団都市戦略研究所長 < 略歴 > 1951 年和歌山県生まれ 一橋大学経済学部卒業 日本開発銀行勤務 ハーバード大学客員准教授 慶應義塾大学総合政策学部教授等を経て 2001 年経済財政政策担当大臣を皮切りに 金融担当大臣 郵政民営化担当大臣兼務 総務大臣を歴任 06 年より現職 経済学博士 < 主な著書 > 構造改革の真実竹中平蔵大臣日誌 等多数 リチャード ベンダーカリフォルニア大学バークレー校名誉学部長 / 東京大学客員教授 < 略歴 > マサチューセッツ工科大学卒 ハーバード大学大学院修士課程修了 建築 都市計画分野の重鎮として 米国 欧州 アジアで活躍 日本では民間都市開発や自治体の都市計画アドヴァイザーを務める 2004 年日本都市計画学会国際交流賞受賞 < 主な著書 > A Crack in the Rearview Mirror : Views of the Industrialization of Building. The Future of Housing, in A Global Strategy for Housing サスキア サッセンシカゴ大学教授 / コロンビア大学教授 / ロンドン スクール オブ エコノミクス客員教授 < 略歴 > ブエノスアイレス国立大学 イタリア ローマ大学卒業 米国インディアナ州ノートルダム大学で社会学修士 同博士 経済学博士号を取得 ハーバード大学 ニューヨーク市立大学 シカゴ大学 ロンドン大学を経て 現在コロンビア大学社会学教授 コロンビア大学 世界考想 委員会主宰 Globalization and World Cities Research Network の名誉創設者の一人 MasterCard Centers of Commerce Index のナレッジパネルの一人 < 主な著書 > Cities in a World Economy The global city : New York, London, Tokyo Globalization and its Discontents. Essays on the New Mobility of People and Money 市川宏雄明治大学専門職大学院長 / 公共政策大学院ガバナンス研究科長 教授 / 森記念財団理事 < 略歴 > 1947 年東京都生まれ 早稲田大学理工学部建築学科 同大学院を経て ウォータールー大学大学院博士課程修了 Ph.D 長く東京研究並びに世界都市論を手掛け 東京都の初めての都市白書 91 作成のアドヴァイザーとして活躍して以来 都市づくりビジョン のコアメンバー 東京自治制度懇談会 等の一連の委員を務め 広く国内外で活躍 < 主な著書 > ク ローハ ルフロント東京 文化としての都市空間 図解東京都を読む事典 首都圏自治体の攻防 成熟都市東京のゆくえ 東京はこう変わる 等多数 4

主要な既存ランキングとの比較 機関 名称 森記念財団 Glo bal Po we r City In de x MasterCard ( マスターカード ) Worldwide Centers of Commerce Index ( ビジネスセンター指標 ) 分野 総合系 ビジネス系 対象国 都市 世界 5 都市 世界 75 都市 ( 発表年 ) ( 2 0 0 9 年 ) (2008 年 ) 6 分野 5 アクター 1. 法律 政治上の枠組み (10%) 経済 経営者 2. 経済安定性 (10%) 研究 開発 研究者. ビジネスのしやすさ (20%) 評価軸 文化 交流 アーティスト 4. 金融 (22%) 居住 観光客 5. ビジネスセンター度 (12%) 環境 生活者 6. 知的財産 情報 (16%) 交通 アクセス 7. 住みやすさ (10%) 評価手法 評価軸ごとにランクづけ 分野別に総合ランクを算出 6 分野 5 アクターを複眼的に評価 上記 6 指標を上記ウエイトづけし算出 評価軸及び評価指標は有識者が選定 7 種の評価軸 それを構成する 4 の指標 74 の準指標によって評価 指標数 6 9 指標 74 指標 東京の順位 分野別総合 4 位 各分野別スコアを合計した 総合スコア の順位 位 機関 City of London Globalization and World Cities (Loughborough University) 名称 Global Financial Centres Index 6 ( 国際金融センター指標 ) Leading World Cities 分野 金融系 総合系 対象国 都市 世界 75 都市 世界 52 都市 ( 発表年 ) (2009 年 9 月 ) (2004 年 ) A. 人的要素 A. 経済的グローバリゼーション B. ビジネス環境 B. 文化的グローバリゼーション C. マーケットアクセス C. 政治的グローバリゼーション 評価軸 D. インフラ D. 社会的グローバリゼーション E. 一般的な競争力 評価手法 統計データに加えアンケートを実施 5 種の評価軸 それを構成する 64 の指標によって評価 4 分野について (1) 規模性 (2) ネットワーク性から評価 指標数 64 指標 16 指標 東京の順位 7 位特定分野に貢献しているグローバルシティ 5

都市 国 機関 プライスウォータハウスクーパース (PwC) 世界経済フォーラム (WEF) 名称 Cities of Opportunity: Business-readiness Indicators for the 21st Century 世界競争力調査 (World Competitiveness) 分野 ビジネス系 経済系 対象国 都市 世界 20 都市 (2008 年 ) 世界 1カ国 地域 (2009-2010 年 ) 評価対象 ビジネス環境 国の生産性 機関 エコノミスト (EIU) 国際経営開発研究所 (IMD) 名称 都市の住みやすさランキング (Livability Ranking) 世界競争力指標 (Gobal Competitiveness Index) 分野 居住系 経済系 対象国 都市 世界 140 都市 (2009 年 ) 世界 57カ国 地域 (2009 年 ) 評価対象 住みやすさ 企業の競争力環境 機関 ミュンヘン再保険会社 日本経済研究センター 名称 災害危険指標 (Natural hazard risk index) 潜在競争力ランキング 分野 災害系 経済系 対象国 都市 世界 50 都市 (2005 年 ) 世界 50カ国 (2008 年 ) 評価対象 リスク 今後 10 年間にどれだけ1 人当りGDPを増加させるか 機関 マーサー社 世界銀行 名称 生計費調査 ビジネスしやすさ指標 (Ease of Doing Business) 分野 生活系 ビジネス系 対象国 都市 世界 14 都市 (2009 年 ) 世界 18カ国 地域 (2009 年 ) 評価対象 生計費 ビジネスの規制環境 機関 マーサー社 エコノミスト (EIU) 名称 生活の質調査 IT 産業競争力指標 (IT industry competitiveness index) 分野 生活系 IT 系 対象国 都市 世界 215 都市 (2009 年 ) 世界 66カ国 (2009 年 ) 評価対象 生活の質調査 IT 企業の競争力環境 機関 UBS イェール大学 名称 物価 所得調査 環境パフォーマンス指標 (EPI) 分野 生活系 環境系 対象国 都市 世界 7 都市 (2009 年 ) 世界 149カ国 (2008 年 ) 評価対象 物価 所得調査 環境パフォーマンス 機関 中国社会科学院 名称 Global Urban Competitiveness Report (2007-2008) 分野 ビジネス系 対象国 都市世界 500 都市 (2008 年 ) 評価対象 Business worth 6

2009 年 10 月 22 日発行編集 発行財団法人森記念財団 http://www.mori-m-foundation.or.jp 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー私書箱 5 号電話 0(6406)6800( 代表 ) 郵便番号 106-6110 Email: morimfoundation@mori.miinet.jp Copyright 2009 The Mori Memorial Foundation All Rights Reserved. 無断転載を禁ず Global Power City Index 2009 作業担当三輪恭之久保隆行峰尾学中尾成政魚路学金信娥森記念財団都市戦略研究所株式会社三菱総合研究所