食文化の継承のための活動137 第 3 節専門調理師等の活用における取組 第 3 節専門調理師等の活用における取組 食事作法や伝統的な行事食等 我が国の豊かな食文化を普及 継承していくためには 高度 な調理技術を備えた専門調理師等を活用しながら 料理教室や体験活動 各種行事等を推進する必要があります

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第 6 章第6第 2 部 食文化の継承のための活動 章第 1 節ボランティア活動等における取組 食生活が多様化する中で 地域の郷土料理や伝統食等の食文化を大切にし 次の世代へ継承 を図るため 地域の食生活改善推進員等のボランティアによる食文化の継承に関する活動が行われています 一般財団法人日本食生活

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

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平成 29 年度食品安全モニター課題報告 食品の安全性に関する意識等について I. 食品の安全性に係る危害要因等について 問 1 A~G に掲げる事項についてリスクの観点からあなたはどう思いますか それぞれ の事項について 選択肢 1~6 の中から 1 つずつ選んでください 事項 A 環境問題 B

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

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平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

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多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

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次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

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上ある場合は 現行ルールと同様 3カ国目以降を その他 と表示することができる 一方 冠表示には いちごジャム の いちご のように 商品を特徴付ける原料が商品名に含まれるものの他に ブルーベリーガム の ブルーベリー のように 風味を表しているもの さらには たいやき の 鯛 のように 商品名自体

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

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記 1. 調査結果で判明した不十分な SR に基づき販売されている商品 企業名を明らかにすべきです消費者庁 報告書 は 届出 SR の報告内容が不十分で ガイドラインに準拠していない報告内容である商品が多数販売されていることを明らかにしました 制度の根幹を揺るがす事態であることを受け止め 消費者被害

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6 学校給食での地場産物活用に当たっての課題 学校給食における市町村産食材等の利用に関する調査 において 市町村に対し 学校給食で地場産物の活用を促進する上での課題について 市町村産食材と道産食材について それぞれ伺ったところ 次のような結果となりました 学校給食への地場産食材利用促進上の課題 関係

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旧制度からの主な変更点 1 加工食品と生鮮食品の区分の統一 JAS 法と食品衛生法において異なる食品の区分について JAS 法の考え方に基 づく区分に統一 整理 新たに加工食品に区分されるもの さん現行の食品衛生法では表示対象とはされていない 軽度の撒塩 生干し 湯通し 調味料等により 簡単な加工等

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CSR の 5 つの重要課題 食とスポーツで心と体の元気を応援 基本的な 考え 方 貢献するSDGs CSR の5 つの重要課題 の中心的対象となる SDGs の目標 食とスポーツを手掛ける企業として 食育活動 食文化の普及 スポーツの振興などを通して心と 体の健康づくりに貢献しています スポーツと

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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3. 健康増進法や景品表示法の違反要件である 著しい という規定を早急な対応として削除すること消費者委員会の 建議 は しかるべき対応 6 項目の一つに健康増進法の違反要件である 著しく事実に相違する表示 などの 著しい という文言を法律から削除することの検討を要請しつつも 早急な対応 項目では 著

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別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

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4.2 リスクリテラシーの修得 と受容との関 ( ) リスクリテラシーと 当該の科学技術に対する基礎知識と共に 科学技術のリスクやベネフィット あるいは受容の判断を適切に行う上で基本的に必要な思考方法を獲得している程度のこと GMOのリスクリテラシーは GMOの技術に関する基礎知識およびGMOのリス

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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第 6 章第6第 2 部 食文化の継承のための活動 章第 1 節ボランティア活動等における取組 食生活が多様化する中で 地域の郷土料理や伝統食等の食文化を大切にし 次の世代へ継承 を図るため 地域の食生活改善推進員等のボランティアによる食文化の継承に関する活動が行われています 一般財団法人日本食生活協会では 全国の食生活改善推進員により全国の郷土料理と食文化に関する情報を収集し 平成 15(2003) 年には 長寿日本 伝承の味 ~ 郷土料へんさん理と食文化 ~ を編纂しています 各道府県では 地域の食生活改善推進員協議会と協働しながら 郷土料理や食文化の伝達を行っています また 郷土料理や食文化の継承の手段の一つとして 食生活改善推進員が地域において開催する おやこの食育教室 などで子供とその保護者と一緒に郷土料理をつくる体験学習が行われています ( 事例 : 食生活改善推進員による食文化継承の取組参照 ) 第 2 節学校給食や行事 シンポジウム等における取組 1 学校給食における伝統的な食文化を継承した献立の活用 郷土料理や行事食等の地域に根ざした伝統的な食文化は その土地の産物を使って独自の料食文理法で作られ 食べ継がれてきたものであり これらを学校給食の献立として提供すること化のは 子供たちが地域の自然や文化 産業等に関する理解を深める上で有効な手段となります 継承現在 各地において学校給食の献立に郷土料理 行事食等が取り入れられています のまた 日本の食文化についての理解を深めるとともに 住んでいる地域の食文化が他の地域ためと比べどのような特徴を持っているかを知る観点から 他地域の郷土料理やそれらに使用されの活ている地場産物等を学校給食の献立に活用することも有効です 動2 行事やシンポジウム等における我が国の伝統ある食文化等の紹介や体験の盛り込み国民の各種文化活動を全国規模で発表 交流することを目的として毎年開催している国民文化祭において 地域の食文化等に関する行事を実施しています 平成 27(2015) 年 10 月 31 日 ~ 11 月 15 日に鹿児島県で開催された 第 30 回国民文化祭 かごしま 2015 では 食に関する事業を鹿児島県内各地で開催しました ( 事例 : 地域の食文化の継承 ( 第 30 回国民文化祭 かごしま 2015) 参照 ) 136

食文化の継承のための活動137 第 3 節専門調理師等の活用における取組 第 3 節専門調理師等の活用における取組 食事作法や伝統的な行事食等 我が国の豊かな食文化を普及 継承していくためには 高度 な調理技術を備えた専門調理師等を活用しながら 料理教室や体験活動 各種行事等を推進する必要があります 内閣府認定公益社団法人全日本司厨士協会は 各地の保育所 幼稚園 小学校での親子料理教室などのイベント開催や東日本大震災の被災地や各地の福祉施設での継続的な慰問活動など 総合的な食育の推進 普及を実施しています また 世界のシェフ団体と連携し 毎年 10 月 20 日をシェフズディとしており 平成 27(2015) 年には本年のテーマ Healthy Kids - Healthy Future に沿った活動を各地で開催しました 人材育成においては 若手の調理師を対象とした料理コンテストを各地で実施し 調理技術の向上のみならず 地産地消食材を使用するなど 広く日本における西洋料理の発展 食生活改善やその進展に寄与し 青年司厨士フォーラムや若い調理師対象の勉強会を多数開催するとともに 公邸料理人の育成のためにもその情報提供とともに和食団体との共催で講習会を開催するなど 多方面での食育推進に力を入れています さらに 航空自衛隊の目黒基地内での調理スタッフとの意見交換会や協会会員が在籍する大型ホテルでの調理場見学会などを開催し 相互の食育への理解を進めています 今後は 世界のシェフ団体 World Association of Chefs Societies( 世界司厨士協会連盟 ) の加盟国の日本代表として 平成 28(2016) 年度は 9 月にギリシャ共和国での 105 か国の加盟国が集まる世界会議への参加 さらに 10 月にはドイツ エアフルトで開催される Culinary Olympics( 世界料理オリンピック ) にナショナルチームを編成しての参加を予定しています これらの活動は 会報誌やインターネットを通じて広く調理師及び専門調理師の皆様にも情報を伝える予定です 公益社団法人日本調理師会では 食を通じて親子の心の触れ合いを図り愛情を深めるとともに 地産品を主な食材とした手作り弁当により子供の味覚を育み もって食育の推進に寄与することを目的に 平成 27(2015) 年度に 第 6 回全国こどものための愛情弁当コンテスト を開催しました 本コンテストには 全国から 育ち盛りの子供たちに食べさせてあげたい地域の特産品を用いたお弁当レシピが多数寄せられました また 東海三県 ( 愛知県 岐阜県 三重県 ) の各調理師会による合同展の他 千葉県 長野県の調理師会において地産の食材を使った伝統的な日本料理や郷土料理を主とし その他西洋料理 中国料理等の部門を含めた料理コンクールを開催し 日本古来の伝統料理の伝承や地産地消の推進について広く普及啓発しています こどものための愛情弁当コンテスト最優秀作品 第千葉県調理師会料理コンクール郷土 ヘルシー 創作部門日本調理師会長賞 6章

事 例 子供たちに対する調理師による つくる ことを通じた食育の推進 内閣府認定公益社団法人 全日本司厨士協会 全日本司厨士協会総本部では 一般社団法人ニュートリション運動推進会議子どもの健康づくり委 員会と共催し 東京都荒川区の小学校 5 年生 148 名を対象に 会長及び副会長による特別講演会と 東京地方本部の協力により 4 クラス同時の体験授業を行いました 東京地方本部では 東京都豊島区の勤労福祉会館にて東日本大震災の影響で豊島区に避難されてい る被災者の方々に昼食会 第 6 回としま地域交流のつどい を開催しました 関東総合地方本部では 千葉県富津市にて小学校 6 年生 46 名を対象に シェフ 17 名が参加し 砂 糖を使わないデザートの料理体験を行いました メニューはフルーツポンチです スイカ 梨 キウ イフルーツの甘さとミネラルウォーター メープルシロップを使いました 生徒は興味津々で 我先 にと調理をしたがる姿勢が印象的でした 北関東地方本部では 昭和 45 1970 年から続く高崎市の児童養護施設への慰問活動を行い ク リスマスの食事会を通して食事の素晴らしさを伝えています また 西日本地方本部では 熊本市の保育園で園児 108 名分の料理を提供し シェフと一緒にバ ター作り体験やケーキのデコレーション体験を行いました 料理を作る人や生産者への感謝の気持ち を忘れずに ありがとう いただきます をきちんと言いましょうとシェフから園児に話をすると 第6 章 みんな一生懸命聞いていました 食文化の継承のための活動 クッキングデモンストレーションの様子 千葉県富津市の小学校での砂糖を使わないデザート作り体験授業 第 4 節 情報の発信 日本の食文化について解説したガイドブックの作成及び配布や 日本全国こども郷土料理 サミット の開催など 日本食文化の理解醸成を推進しました さらに 国産農林水産物の消費拡大に向けた優良な取組を顕彰する フード アクション ニッポン アワード において 地域の食文化を保護し継承していく取組や食文化を活用して 地域の活性化を促している取組等を表彰しました 138

第6章食文化の継承のための活動139 第 4 節情報の発信 事例 食生活改善推進員による食文化継承の取組 一般財団法人日本食生活協会 1ふるさと料理教室の開催 ( 静岡県協議会 ) 幼児と保護者 小 中学生を対象に 今年は だし について学ぶこととし だしの取り方 だしの色々な違いについて体験しました 種類や効果 そして郷土料理の歴史や文化などにも触れ いままでに知らなかっただしについて学習しました だしをしっかり取る事で 減塩 につながり それが健康的な食生活につながる事を多くの人々に伝えています ふるさと料理教室 みずなみ 2 高校へ郷土料理出前講座 ( 岐阜県瑞浪市協議会 ) 瑞浪市協議会では毎年 市内の県立高校の家庭科教諭の依頼により 郷土料理を教えに出向いており 今年は 箱寿司 と からすみ に挑戦しました 次世代に地元の料理を伝えることは大切です 瑞浪市は 食塩摂取量が高いこともあり郷土料理にも 減塩 という目線を取り入れ 高校生と減塩について一緒に考えて未来へとつないでいます 和菓子 からすみ の実習風景 地元に伝わる箱ずし 和菓子 からすみ 生活福祉科の生徒と共に

3 食の魅力いっぱいの富山県 ( 富山県協議会 ) 富山県は四方を山と海に囲まれているので山の幸 海の幸に恵まれ食べ物がとてもおいしいところです 特に 三世代ふれあいクッキングセミナー では 三世代の同居率が高いこともあり 公民館に三世代で集まってもらい長寿のための食事など健康によい食事の紹介や実習を行い交流を深めています 富山県の郷土料理 富山の料理一品 4 親子の食育教室でいわしの手開き体験 ( 愛知県協議会 ) 親子の食育教室の実習では ごはん食にもパン食にも合う 簡単でおいしい地元の食材を使って3 つのグループに分かれて実習を行いました 今では親ともども経験のない いわしの手開き を子供達に体験してもらいました 気持ちが悪い と言いながら恐る恐る手にする子もいましたが食べてみると 骨までパリパリで美味しい と大好評でした いわしの手開きに挑戦第6章食文化の継承のための活動140

第6章食文化の継承のための活動141 第 4 節情報の発信 TOPICS トピックス 2015 年ミラノ国際博覧会で日本の農林水産業や食文化を世界に発信 イタリアで開催された 2015 年ミラノ国際博覧会 ( 以下 ミラノ万博 とい う ) は平成 27(2015) 年 5 月 1 日に開幕し 10 月 31 日までの184 日間 万博としては初の 食 をテーマに開催されました 我が国はミラノ万博を日本の農林水産業や食文化を世界に発信する重要な機会と捉え 農林水産省及び経済産業省を幹事省 国土交通省を副幹事省 独立行政法人日本貿易振興機構 (JETRO) を参加機関としてこれに参加しました 日本館は 日本の農業 食と食文化 伝統文化について 最新のテクノロジーを駆使して展示を行い それぞれ 触って 動かして あるいはスマートフォンにデータをダウンロードするなど ただ観るだけでなく 来場者に楽しみながら日本の農林水産業や食文化への理解を深めてもらえる場としました また イベント広場 では 58の地方公共団体や各種団体の参加によって各地の特産物や おうか 行列の絶えない日本館 食文化等を紹介しました 三重県からは 県立相可高等学校の生徒が実演を行い 魚をさばいたり だしを取る様子などを披露しました また 福井県からは 小浜市が キッズキッチン を出展し イタリアの子供たちに和食の定番であるみそ汁やおむすび作りを体験してもらい 我が国の食育の取組を世界にアピールしました か おう三重県立相可高等学校の生徒による にぎりずし の実演 小浜市が出展した キッズキッチン 日本館は開催期間中に総来場者数の1 割強に当たる 228 万人が来館し 最も人気のあるパビリオンの一つとなりました また 博覧会国際事務局が主催し 優秀なパビリオンを決定する褒賞制度 ( パビリオンプライズ ) において 日本館は展示デザイン部門で 金賞 を受賞しました これは 5 年ごとに行われる大規模の博覧会において日本館として史上初の快挙です

事例第6章食文化の継承のための活動142 地域の食文化の継承 ( 第 30 回国民文化祭 かごしま 2015) 文化庁では都道府県等と共催で 国民の文化活動への参加意欲に応えるとともに 文化活動の水準を高めるため 国民一般が行っている各種の文化活動を全国的規模で発表 競演 交流する場として国民文化祭を昭和 61 年度から毎年開催しています 平成 27(2015) 年 10 月 31 日から11 月 15 日までの16 日間にわたり開催された 第 30 回国民文化祭 かごしま2015 では 鰹や本格焼酎 黒豚 お茶など 地元の食材を使った郷土料理を通じ 鹿児島の豊かな食文化を紹介するイベントや交流会が開催されました これらのイベント等には 地元の子どもから大人までのほか 県内外からも多くの方々が来場し 世代を問わず地域の食文化に触れ その豊かさや良さ 大切さを学ぶ機会となるとともに 次代への食文化継承につながる契機となりました 県主催事業 ウェルカムイベント~ようこそかごしま国文祭へ! かごしま魅力たっぷりフェスタ~(10 月 30 日 31 日鹿児島市 ) 郷土料理のほか 地元食材を生かした新たな丼等が出展され これまで地元に根付いてきた食文化を再認識するとともに 新たな食文化等が創造される機会を提供し 2 日間で計 1 万 2 千人もの来場者で賑わいました シンポジウム 温泉文化と食文化 (11 月 6 日指宿市 ) 健康 をキーワードに 温泉と食の魅力を 観光 おもてなしと併せて議論しました 会場内に設けた 食のエリア では 地元指宿市の特産加工品等の振る舞いにより 参加者へのおもてなしを行いました 暮らしと共生 生活文化のフェスティバル (11 月 14 日 15 日鹿児島市 ) 鹿児島県商店街グルメNo.1 決定戦の地方大会をはじめ 鹿児島県の 本物 の食材や新特産品など 鹿児島らしいうまかもんを提供しました また かごしま国文祭に合わせて開発された記念商品も販売され 2 日間で4 万 2 千人もの来場者で賑わいました 市町村主催事業 国民文化祭 inいちき串木野 食の祭典 (11 月 7 8 日いちき串木野市 ) 食のまちづくり条例 を制定するなど 食育にも熱心に取り組むいちき串木野市では 同市出身のイタリアンシェフを招き 料理の実演やトークショーなどを開催しました この他 食に関するパネル展示や 健康レシピの紹介 食を中心として特産品販売を行い 2 日間で8 万 7 千人を超える来場者で賑わいました

食文化の継承のための活動143 第 4 節情報の発信 かつおと焼酎 食と文化の祭典 (10 月 31 日 11 月 1 日枕崎市 ) だし鰹節生産量日本一を誇る枕崎市から 和食の基本となる出汁にちなんだ食文化と 焼酎にまつわる 文化を幅広く全国に向けて発信するため 出汁取り実演や講演会などを開催し 2 日間で約 1 万 4 千人の来場者で賑わいました 食の祭典 in 霧島 (11 月 7 8 日霧島市 ) 霧島の食材を使った料理コンテスト 霧島千人鍋 黒豚の試食や黒酢ぶり料理等のワークショップなど 霧島の食文化を五感で楽しんでいただきました 2 日間で約 2 万 8 千人の来場者で賑わうとともに 地元食材を後世に受け継いでいくことの大切さを認識できる貴重な機会となりました たるみずふれあいフェスタ2015~ 食 焼酎 いで湯の郷 ~(10 月 31 日 11 月 1 日垂水市 ) 垂水市の特産物である海山の食材や新商品 郷土料理等を試食しながら楽しいトークショーを展開しました また ブリ カンパチ さやいんげんや焼酎 飲む温泉水 新開発した商品などを展示 即売することで垂水市の食の文化を全国に発信し 2 日間で1 万人を超える来場者で賑わいました そ 元気だ! そおグルメコンテスト (11 月 3 日曽 そ曽 お於 お於 市産黒豚等の食材を使用した グルメコンテストを開催しました また 料理研究家を招いて 曽於市の食材を使いながら 食についての講演 試食を行い 約 8 千人の来場者で賑わいました 市 ) ゆるキャラ & 大鍋フェスタ (11 月 8 日さつま町 ) 地元さつま町の ちくりん鍋 をはじめ 東北地方を含む全 4 団体の大鍋の魅力と味を堪能してい ただきました それぞれの地域の食の文化を体験していただき 約 2 万人の来場者で賑わいました ウェルカムイベント かつおと焼酎 食と文化の祭典 / 出汁取り実演 国民文化祭 in いちき串木野 シンポジウム 温泉文化と食文化 / イタリアン料理の実演 & トークショー 6章

コラム 和食 の日 (11 月 24 日 ) のイベントについて 6章食文化の継承のための活動 いただきます と発声する農林水産大臣と児童第 3 回日本全国こども郷土料理サミット第144 平成 25(2013) 年 12 月 和食 ; 日本人の伝統的な食文化 がユネスコ無形文化遺産に登録され たことを契機として 和食文化の次世代への継承に向けた国民的な機運を醸成していくことが重要となっています 食 をテーマに開催された 2015 年ミラノ国際博覧会 でも 日本館に総来場者数の1 割強に当たる228 万人が来館するなど 和食 の人気は世界に広がっていますが その一方で国内では 海外の食文化の流入や核家族化など社会情勢の変化等により 和食文化の存在感は薄れつつあります こうした中 実りの秋の季節に和食文化の大切さを再認識するきっかけとなるようにと願いを込めて 11 月 24 日 が い 1 い 1 2 4 日本食の日 和食 の日として制定され 様々なイベントが開催されています 平成 27(2015) 年の11 月 24 日は 和食文化の保護 継承に取り組む一般社団法人和食文化国民会議により 和食の基本である だし が感じられる和食給食を提供する だしで味わう和食の日 の活動が行われ 全国から約 2,000 校の小学校等が参加しました 森山農林水産大臣も東京たいめい都中央区立泰明小学校を訪問して 児童たちと一緒に和食給食をいただきながら 和食文化の大切さを伝えました また 前日の 11 月 23 日には 国際連合大学 ( 東京都渋谷区 ) にて 第 3 回日本全国こども郷土料理サミット ( 農林水産省主催 ) が開催されました 全国の小学校から 調査 発表部門 及び おえかき部門 に合計 1,000 件近くの応募作品が寄せられ 当日は全国の各ブロック代表の9 名の小学生がそれぞれのふるさとや家庭の郷土料理について発表を行いました 今後も 家庭や学校 地域など様々な場で 日本人の伝統的な食文化である和食文化を次世代の子供たちへ受け継ぐための食育活動が行われていくことが期待されます

第7章食品の安全性等に関する情報提供の推進145 第 2 部第 7 章 食品の安全性等に関する情報提供の推進 第 1 節リスクコミュニケーションの充実 1 リスクコミュニケーションの推進 平成 15(2003) 年 7 月 1 日の食品安全基本法の施行により 有害な微生物や化学物質等の食品に含まれる危害要因を摂取することによって人の健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合に その発生を防止し 又はそのリスクを適切なレベルに低減するための枠組である リスクアナリシス が導入されました リスクアナリシスは リスク評価 リスク管理 及び リスクコミュニケーション の三つの要素から成っています この枠組に基づき リスク評価機関である食品安全委員会と リスク管理機関である厚生労働省 農林水産省 消費者庁等が連携 協力して 食品安全行政を展開しています このうち リスクコミュニケーションについては リスクアナリシスの全過程において 消費者 生産者 食品関連事業者 行政等の関係者間での意見交換を行うとともに パブリックコメント等を行うことにより公正性や透明性を確保し 国民の意見をリスク評価やリスク管理措置の決定に反映させています また 食品の安全性に関する国民の知識と理解を深めるため 各種会合や資料を公開するほか 意見交換会の開催 意見 情報の募集 ホームページ メールマガジン Facebook 等による情報発信等を行っています 2 意見交換会 食品の安全性等に関するリスクコミュニケーションの取組の一つとして 消費者庁 食品安全委員会 厚生労働省及び農林水産省等が連携して 消費者等を始めとする関係者間での意見交換会を開催しています 平成 27(2015) 年度には 昨年度に引き続き 関係府省で連携し 平成 23(2011) 年度から重点的に取り組んでいる食品中の放射性物質対策に関する意見交換会を 地方公共団体の協力を得ながら 全国各地で開催しました また 農薬について 消費者にその登録制度 基準設定の考え方や安全確保について理解を深めていただくため 専門家や関係府省担当者から情報を提供し 生産者 消費者を交えて参加者との意見交換を行う意見交換会 食品に関するリスクコミュニケーション 知ろう 考えよう 農薬のこと を関係府省で連携して開催しました

7章食品の安全性等に関する情報提供の推供に努めています 第進146 夏場には 一般的な食中毒予防のポイントや牛肉 牛レバー 豚肉等の生食のリスクを消費者に正しく理解していただくことを目的として 食中毒予防に関する意見交換会 ~ 食中毒予防のポイントを学ぼう ~ を関係府省で連携して開催しました また 冬場を前にして 流行が見込まれるノロウイルスに焦点を当て その特徴を理解し 食中毒を予防するためのポイントや適切な手洗いの方法等について理解を深めていただくため 食品に関するリスクコミュニケーション~ノロウイルスによる食中毒を予防しましょう~ を関係府省で連携して開催しました いわゆる 健康食品 については その安全性や 機能性等の特性を理解し 消費者に適切に利用していただくことを目的とし 食品に関するリスクコミュニケーション健康食品の安全性や機能性に関する意見交換会 を関係府省で連携して開催しました なお 意見交換会で使用した資料や議事録は 関係府省のホームページにおいて公開しています 消費者庁では 地方公共団体や消費者団体等と連携しながら 消費者の身近なリスクと安全について 消費者 事業者 専門家等の情報共有 理解促進のための意見交換を実施しています 平成 27(2015) 年度も引き続き 食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションに重点を置き 関係府省 地方公共団体等と連携し 消費者が正確な理解に基づき行動できるよう また 東京電力福島第一原子力発電所事故による風評被害の防止の観点も踏まえ 意見交換会等を実施しました 加えて 昨年度同様に コミュニケーター ( 地域において食品中の放射性物質に関する正確な情報発信ができる者 ) に対し ウェブサイトを活用した情報提供やメールマガジンの配信等の各種支援を行いました 食品安全委員会では 毎年度策定する食品安全委員会運営計画に基づき 食品安全委員会が行うリスク評価結果等への理解の促進等のため 食中毒 食品添加物 農薬等をテーマとして取り上げ 地方公共団体とも連携しつつ 意見交換会を開催しました また 食育の一環として消費者に対する食品安全教育のため 地方公共団体等への積極的な講師派遣 マスメディアや消費者などとの懇談会等を実施し 積極的な情報提供や意見交換に努めています さらに いわゆる 健康食品 に関するメッセージを公表して 一般消費者を対象とした説明会を開催しました ( コラム : いわゆる 健康食品 に関するメッセージ参照 ) 意見交換会で使用した資料や議事概要は食品安全委員会のホームページにおいて公開しています 厚生労働省では 消費者に食品の安全性確保について理解を深めていただくために 輸入食品等についての意見交換会を開催するほか 地方厚生局及び検疫所において施設見学等を含む意見交換会を開催しました また 地方公共団体等が主催する意見交換会や講習会等の機会を活用し 情報 意見の交換に努めています また 子ども見学デー において 子供を対象に食の安全について学ぶきっかけになるよう 食の安全に関するクイズや輸入コーヒー豆のサンプリング体験 手洗い方法や宇宙食の安全性等に関する講習等を実施しました 農林水産省では 本省 地方農政局等において消費者との懇談会 消費者や事業者への説明会等の開催を通じて 食品の安全確保に係るテーマや動植物の防疫等について積極的な情報提

第7章食品の安全性等に関する情報提供の推進147 第 1 節リスクコミュニケーションの充実 意見交換会の様子 図表 - 72 平成 27(2015) 年度における意見交換会の主な開催テーマ 食品中の放射性物質対策( 消費者庁 食品安全委員会 厚生労働省 農林水産省 ) 農薬の必要性 安全性( 消費者庁 食品安全委員会 厚生労働省 農林水産省 環境省 ) ノロウイルス等による食中毒予防( 消費者庁 厚生労働省 ) 健康食品の安全性 機能性( 消費者庁 厚生労働省 農林水産省 ) リスク評価結果等: 食中毒 食品添加物 農薬 いわゆる 健康食品 ( 食品安全委員会 ) 輸入食品の安全性確保( 厚生労働省 ) HACCPに基づく衛生管理( 厚生労働省 ) 動物検疫( 農林水産省 )

コラム第7章食品の安全性等に関する情報提供の推進148 いわゆる 健康食品 に関するメッセージ 近年 いわゆる 健康食品 ( 以下 健康食品 という ) に関する情報がインターネット テレビ マスコミ 書籍など あらゆる媒体を通じて流通しています このような中で 国民の半分程度の方が 健康食品 を摂っています 一方 健康食品 による健康被害が国内外で多く報告されています 食品安全委員会は 平成 27(2015) 年 6 月 いわゆる 健康食品 に関する検討ワーキンググループを立ち上げて 科学的な観点から 健康食品 のリスクについて検討しました 要因ごとに科学的事実を基に 健康食品 による健康被害を避けるために 安全性の観点から国民が知っておくべき事項を議論し その結果を 同年 12 月 8 日 報告書 として取りまとめるとともに 国民に向けて19 項目からなる いわゆる 健康食品 に関するメッセージ さらに そのエッセンスを 食品安全委員会委員長及びワーキンググループ座長から 国民の皆様へ ( 下記 ) として発信しました なお 平成 28(2016) 年 1 月 28 日 消費者を主な対象とした いわゆる 健康食品 に関する説明会 を開催し メッセージの背景や内容の説明 質疑応答により その理解の促進を図りました - 国民の皆様へ- 若さと健康を願うあなたに の健康のための といったキャッチフレーズを 毎日たくさん見聞きします そして 医薬品のようにカプセルや錠剤の形をしたサプリメント 健康によい 成分を添加した飲料や食品など さまざまな 健康食品 が売られています 今や国民のおよそ半分の方々が こうした 健康食品 を利用されているという調査もあり 健康食品 市場が拡大しています これは 健康で長生きしたいという古来変わらない人々の願望の表れでしょう 健康食品 がこのような願いに応えるものならばよいですが 残念ながら 現代でも これさえ摂れば 元気で長生きできる という薬や食品はありません それどころか逆に 健康食品 で健康を害することもあります しかも そのような情報は皆様の目に触れにくいのが現状です 消費者は 健康食品 のリスクについての情報を十分に得られないまま 効果への期待だけを大きくしやすい状態に置かれているといえます 食品安全委員会ではこういった状況を憂い 幅広い専門家からなるワーキンググループを作り 健康食品 の安全性について検討しました まず 健康食品 から健康被害が起こる要因を挙げ 次にその要因ごとに 健康被害事例などを含めた文献などからの科学的事実を調べ 皆様に知っていただきたい要点として取りまとめました そうして作成した報告書からさらに抜粋して 皆様に向けて19 項目のメッセージをまとめました これらには 健康食品 で健康被害が出ることをなくしたいという本委員会の願いを込めました その中でお伝えしたいことのエッセンスは次のとおりです 健康食品 を摂るかどうかを判断するときに 是非知っておいていただきたいことをまとめてあります これらを読んで 健康食品 についての科学的な考え方を持って その判断をしてください 健康被害を避けるためにとても大切な知識です 脇昌子 佐藤洋いわゆる 健康食品 に関する検討ワーキンググループ座長 食品安全委員会委員長

第7食品の安全性等に関する情報提供の推進149 第 1 節リスクコミュニケーションの充実 健康食品 に関するメッセージのエッセンス 健康食品 については 多くの人での何年にも及ぶ長期間の科学的研究が少なく 安全性や有効 性が確立しているとはいえません 健康食品 を利用するかどうかはあなたの判断次第です 信頼のできる情報を基に あなた自身の健康に役立つ選択をしてください ここでいう 健康食品 とは 健康への効果やダイエット効果をうたって販売されている食品 を言います これには 特定保健用食品 ( トクホ ) 栄養機能食品 機能性表示食品も含まれます また ここでは サプリメント とは カプセル 錠剤 粉末 顆粒形態の 健康食品 を言います 食品 であっても安全とは限りません 健康被害のリスクはあらゆる食品にあります 身近な 健康食品 にも健康被害が報告されています 天然 ナチュラル 自然 のものが 安全であるとは限りません これは食品全般に言えることです 栄養素や食品についての評価は 食生活の変化や科学の進展などにより変わることがあります 健康に良いとされていた成分や食品が その後 別の面から健康を害するとわかることも少なくありません 多量に摂ると健康を害するリスクが高まります 錠剤 カプセル 粉末 顆粒の形態のサプリメントは 通常の食品よりも容易に多量を摂ってしまいやすいので注意が必要です ビタミン ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります 現在の日本では 通常の食事をしていればビタミン ミネラルの欠乏症が問題となることはまれであり ビタミン ミネラルをサプリメントで補給する必要性を示すデータは今のところありません 健全な食生活が健康の基本です むしろサプリメントからの摂り過ぎが健康被害を起こすことがあります 特にセレン 鉄 ビタミンA ビタミンDには要注意です 章

7章食品の安全性等に関する情報提供の推食品安全委員会では リスク評価に係る審議経過の透明性の確保と情報提供のため 食品安第 健康食品 は医薬品ではありません 品質の管理は製造者任せです 病気を治すものではないので 自己判断で医薬品から換えることは危険です 品質が不均一 表示通りの成分が入っていない 成分が溶けないなど 問題ある製品もあります 成分量が表示より多かったために健康被害を起こした例があります 誰かにとって良い 健康食品 があなたにとっても良いとは限りません 摂取する人の状態や摂取量 摂取期間によって 安全性や効果も変わります 限られた条件での試験 動物や細胞を用いた実験のみでは効果の科学的な根拠にはなりません 口コミや体験談 販売広告などの情報を鵜呑 ( うの ) みにせず 信頼のできる情報 ( ) をもとに 今の自分にとって 本当に安全なのか 役立つのかを考えてください 食品安全委員会 医薬基盤 健康 栄養研究所の 健康食品 の安全性 有効性情報 厚生労働省のインターネットサイトなど 参照 食品安全委員会 ; 健康食品 に関する情報 https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html 厚生労働省 ; 健康食品ホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/ 国立研究開発法人医薬基盤 健康 栄養研究所 ; 健康食品 の安全性 有効性情報 https://hfnet.nih.go.jp/ 第 2 節食品の安全性に関する情報提供 進150 食品の安全性に関する情報については 消費者庁及び食品安全委員会が国民からの情報 食品安全委員会及び厚生労働省 ( 国立医薬品食品衛生研究所 ) が国内外の食品安全関係情報 厚生労働省が食中毒や商品の回収情報等を収集し 必要に応じ 関係府省で随時共有を行っています これらの情報を元に 消費者庁 消費者委員会及び食品安全委員会では 消費者行政 食品安全の総合案内 ホームページにより 一体的な情報提供を行っています (http://www.anzen.go.jp/) 消費者庁では 消費者の目線で消費者への分かりやすい情報提供に努めています 食品の安全に関する注意喚起や回収情報等について 報道発表や地方公共団体への情報提供 消費者庁ホームページほか リコール情報サイトや消費者庁 Twitter 等を通じ 消費者に周知を図っています また 平成 23(2011) 年度から重点的に取り組んでいる食品中の放射性物質については 基準値や検査結果等 食品等の安全の問題を分かりやすく説明する冊子 食品と放射能 Q&A を更新して提供しています (http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/160315_food_qa.pdf)

第7食品の安全性等に関する情報提供の推進151 第 2 節食品の安全性に関する情報提供 全委員会の会合や各種専門調査会を原則公開とし 議事録や配布資料を迅速にホームページ上で公開しているほか 年 4 回発刊している季刊誌 食品安全 において 主なリスク評価結果について図表を交えて分かりやすく説明しています ( 食品安全委員会ホームページに掲載 食品安全 (http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/kikansi.html)) 加えて 原則毎週メールマガジンを配信し 食品安全委員会や専門調査会の審議結果の概要や開催案内等の食品の安全性に関する情報をタイムリーに提供するとともに 実生活に役立つ情報 安全性の解説 Q&A 等を月 2 回 読み物版 として配信しています 平成 27(2015) 年度は 読み物版 の総集編として 冊子 食べものについて知っておきたいこと を発刊しました ( 食品安全委員会ホームページに掲載 (https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/sousyuhen.html)) さらに ソーシャルメディア (Facebook ブログ) を活用し 食品の安全性に関して社会的に注目されている事案等について 適時適切な情報発信を行っています また 食品安全に関する基礎的知識についての理解を促進するために マスメディアや消費者などとの懇談会や 一般消費者等を対象とし 委員が交代で科学的に食品安全について講義する 食品を科学する リスクアナリシス ( 分析 ) 連続講座 を実施しました さらに 国内外の食品の安全性に関する情報等を データベースシステムである 食品安全総合情報システム に蓄積し ホームページを通じて公開して 情報の共有と利便性の向上に努めています (http://www.fsc.go.jp/fsciis/) 一方 食品安全に関する論文 食品安全委員会が取りまとめた食品健康影響評価の内容等を国内外に広く発信するため 英文電子ジャーナル Food Safety を年 4 回発行しています 厚生労働省では 食中毒や商品の回収情報等について 必要に応じ 随時 厚生労働省のホームページ上で公開しているほか 食中毒統計を取りまとめて公表しています また 消費者が食品の安全性確保について正しい知識が得られるよう リーフレットやパンフレット等の普及啓発資材を作成するとともに ホームページにおいて 食品添加物 残留農薬等の規格基準や監視状況を始めとする施策に関する情報のほか 家庭でできる食中毒予防等についての情報発信を行っています (http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html) さらに 食中毒に特に注意が必要な時期には インターネットテキスト広告等政府広報を通じて 消費者への注意喚起を積極的に実施しています また 子供向けのページでは 食中毒予防に関するゲームや子供向けパンフレット等を教育現場等で活用いただけるよう掲載しています (http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhinkodomo/index.html) 平成 27(2015) 年度は 食肉等による食中毒予防について リーフレットやクリアファイルを作成し配布するとともに ホームページの充実を図りました また 輸入食品の安全確保に関するリーフレットを作成し配布するとともに ホームページに掲載しました (http://www.mhlw.go.jp/file/06-seisakujouhou-11130500-shokuhinanzenbu/yunyusyokuhin.pdf) さらに 厚生労働省 Twitter により 有毒植物や毒きのこ ノロウイルス等の食中毒予防の 章

ポイントをツイートし 食中毒予防に関する注意喚起を行いました 農林水産省では 消費者が健全な食生活を送るには 食品の安全性についての正しい知識を持ち 適切に食品を選び 取り扱うことが重要であるとの観点から ホームページやセミナーによる情報提供を行っています 安全で健やかな食生活を送るために というページでは 健やかな食生活を送るためのポイント 新鮮でおいしい食品の選び方 家庭での取り扱い方 など 消費者の日常生活に役立てていただけるよう情報を掲載しています (http://www.maff.go.jp/j/fs/index.html) また 加工肉の発がん性評価に関する正確な情報 カフェインの過剰摂取に関する注意喚起など 社会的に関心の高いテーマについてタイムリーに発信しています (http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/wadai.html) 平成 27(2015) 年度は 家庭でできる食品安全 と題し バランスの良い食生活の大切さや食品中のアクリルアミドを減らす調理法などをテーマとしたセミナーを全国 4 会場で開催しました さらに メールマガジン 食品安全エクスプレス ( 平成 28(2016) 年 1 月末日現在の登録者数 : 約 1 万 8 千人 ) において 農林水産省をはじめ関係府省による報道発表資料 意見 情報の募集 審議会 意見交換会等の開催情報等を毎日発信し 食の安全と消費者の信頼の確保に関する情報を提供しています 文部科学省では 食品については 出荷段階で検査が行われ 出荷制限等の措置が取られることとなっていることを前提に 一層の安心を確保する観点から 学校給食の検査に関する事業を実施しました 安全で健やかな食生活を送るために 第7章食品の安全性等に関する情報提供の推進152 消費者向けリーフレット ホームページ 消費者行政 食品安全の総合案内 ホームページ

第7食品の安全性等に関する情報提供の推進153 第 3 節食品表示の適正化の推進 第 3 節食品表示の適正化の推進 1 食品表示の一元化 表示制度の普及 定着 食品の表示は 消費者の権利として位置付けられた消費者の安全の確保や消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保などを図る上で重要な役割を果たすものです これまでは 食品の表示について一般的なルールを定めている法律には 食品衛生法 ( 昭和 22 年法律第 233 号 ) 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律 ( 昭和 25 年法律第 175 号 平成 27 年 4 月 1 日より 農林物資の規格化等に関する法律 以下 JAS 法 という ) 健康増進法 ( 平成 14 年法律第 103 号 ) の3 法がありました しかし 目的が異なる 3つの法律にルールが定められていたために 制度が複雑で 分かりにくいものとなっていました 食品表示法 ( 平成 25 年法律第 70 号 ) は 上記 3 法の食品の表示に関する規定を統合したもので 食品の表示に関する包括的かつ一元的な制度を創設するものです 法律の目的が統一されたことにより 整合性の取れたルールの策定が可能となったため 消費者 事業者の双方にとって分かりやすい表示を実現することができるようになりました 具体的なルールは 食品表示法に基づく食品表示基準に定められています 食品表示基準はこれまで上記 3 法の下に定められていた 58 本の表示基準を統合するとともに 必要な見直しを踏まえて措置したものです 主な制度の変更点としては 1 加工食品の栄養成分表示の義務化 2アレルギー表示に係るルールの改善 3 機能性表示食品制度の創設などがあります 食品表示法に基づく新たな食品表示制度は平成 27(2015) 年 4 月 1 日からスタートしたところであり 新たな食品表示制度の内容について 消費者 事業者への普及啓発を進めているところです なお 加工食品と添加物は 5 年 生鮮食品であれば 1 年 6 か月の間 以前の制度に基づく表示を認めるという猶予期間を設けています ただし 機能性表示食品制度については 全くの新しい制度なので 猶予期間はありません また 消費者基本計画 ( 平成 27 年 3 月 24 日閣議決定 ) において インターネット販売等における食品表示 加工食品の原料原産地表示 食品添加物表示 遺伝子組換え表示の在り方などの個別課題については順次実態を踏まえた検討を行うこととされています これを受け インターネット販売等における食品表示については 平成 27(2015) 年 12 月から消費者庁に 食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会 を設置し インターネット販売での食品に関する情報提供のあり方について検討を行っています また 加工食品の原料原産地表示については 平成 28(2016) 年 1 月から 消費者庁と農林水産省が共同で 加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会 を設置し 今後の対応方策について検討を行っています さらに 平成 25(2013) 年 10 月から翌年にかけて ホテル 百貨店等が提供する料理のメニュー等の表示に関して 実際には 表示されていた食材と異なる食材が使われていた いわゆる 食品表示等問題 について 消費者庁は 食品表示等問題関係府省庁等会議を開催しての対策パッケージの取りまとめ 不当景品類及び不当表示防止法 ( 昭和 37 年法律第 134 号 以下 景品表示法 という ) 違反が認められた事業者に対する措置命令 事業者の予見 章

第7章食品の安全性等に関する情報提供の推1 消費者庁 HP:http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140328premiums_5.pdf 可能性を高めるためのガイドライン 1 の作成など 表示の適正化に向けた取組を行ったほか 平成 26(2014) 年度には景品表示法について 行政の監督指導態勢の強化のため調査権限を事業所管大臣等に委任可能とする等の改正 不当な表示による顧客の誘引を防止するため 不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度を導入する等の改正が行われ 平成 28(2016) 年 4 月より施行予定となっています 図表 - 73 食品表示法の概要 2 JAS 規格の見直し等 進154 JAS 法では JASマークについての制度が定められています JASマークは 食品や木材等の農林物資が 一定の品質を有していることなどを消費者等に示すものであり 農林水産大臣が定める日本農林規格 ( 以下 JAS 規格 という ) に適合しているものだけに貼ることが認められています JASマークを自らが製造 販売する製品に貼ることを望む事業者は 農林水産大臣の登録を受けた第三者機関 ( 登録認定機関 ) から認定を受け JAS 規格に適合していることを検査等により確認した上で製品にJASマークを貼ることができます JAS 規格については 従来 缶詰やハム等の加工食品の品質を確保するための規格が多く定められていましたが 近年 消費者や事業者の多様なニーズに対応して 生産方法や流通方法に着目した規格も定められてきています 具体的には 有機農産物や有機加工食品などに定められている有機 JAS 規格 牛肉や豚肉などに定められている生産情報公表 JAS 規格 流通の方法について定めた流通 JAS 規格があり 他にも熟成ハム類や地鶏肉 手延べそうめん等について規格が定められています また こうしたJAS 規格について 消費者 事業者の多様なニーズに応えられるよう 透明性の高い手続きによりJAS 規格の制定と見直しを進めています

第7食品の安全性等に関する情報提供の推進155 第 3 節食品表示の適正化の推進 コラム 機能性表示食品制度について 機能性表示食品制度とは機能性表示食品とは 事業者の責任において 科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品であり 制度の主な特徴は 以下のとおりです 疾病に罹患していない者( 未成年者 妊産婦 ( 妊娠を計画している者も含む ) 及び授乳者を除く ) を対象にした食品です 生鮮食品を含め 原則全ての食品が対象となっています 安全性及び機能性の根拠に関する情報 健康被害の情報収集体制などの必要な事項が 商品の販売前に 事業者から消費者庁長官に届け出られます 特定保健用食品とは異なり 国が安全性と機能性の審査を行っていません 届け出られた内容は 消費者庁のウェブサイトで公開されます 消費者は 商品の安全性や機能性がどのように確保されているのかなどについて 商品の情報を販売前に確認することができます また 消費者庁が中心となり 表示内容について 監視を行うこととしています 図表 - 74 新たな機能性表示食品制度の創設 機能性表示食品制度施行後の状況平成 27(2015) 年 4 月に制度が施行されて以来 平成 27(2015) 年度末の時点で273 件の届出情報が公表されています 平成 27(2015) 年 9 月には 初めての生鮮食品として 静岡県内の生産者団体が届け出た みかん 及び岐阜県内の企業が届け出た もやし に係る届出情報を消費者庁ウェブサイトに公表したところです また 本制度の検討過程において残された検討課題である 食事摂取基準に摂取基準が策定されている栄養成分 ( ビタミン ミネラルなど ) や 機能性関与成分が明確でない食品の取扱い等については 平成 28 (2016) 年 1 月から 消費者庁に 機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会 を設置し 今後の対応方策について検討を行っています 本制度を活用いただくために消費者庁では 本制度についてより消費者や事業者の皆様に御理解いただけるよう 機能性表示食品制度を含む新たな食品表示制度に関する説明会の開催や 機能性表示食品制度に関する消費者向けの普及 啓発用の資料の作成などの取組を行っています 作成したパンフレットや届出件数は 消費者庁ウェブサイトから閲覧することができます 機能性表示食品に関する情報 http://www.caa.go.jp/foods/index23.html パンフレット( 消費者の皆様へ ) http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150810_1.pdf パンフレット( 食品関連事業者の方へ ) http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150810_2.pdf 章

第 8 章第8第 2 部 調査 研究その他の施策の推進 章調査 研究その他の施策の推進156 第 1 節調査 研究等の実施 1 日本人の食事摂取基準 の作成 公表 活用促進 国民の健康の維持 増進 生活習慣病の予防を目的として国民が健全な食生活を営むことが できるように 日本人の食事摂取基準 を策定し 5 年ごとに改定しています 日本人の食事摂取基準 (2015 年版 ) は 平成 27(2015) 年度から平成 31(2019) 年度まで使用する予定です 食事摂取基準 (2015 年版 ) では 高齢化の進展や糖尿病有病者数の増加等を踏まえ 生活習慣病の発症予防に加えて 重症化予防も視野に入れて策定を行い エネルギーの指標として目標とするBMI(Body Mass Index) の範囲を定めているほか 炭水化物 たんぱく質 脂質 各種ビタミン及びミネラルといった栄養素を性 年齢階級別でどのくらい摂取したら良いかについて定めています 食事摂取基準 (2015 年版 ) の主な改定のポイントとしては 生活習慣病予防を目的とした目標量を充実させており ナトリウム ( 食塩相当量 ) については 高血圧予防の観点から男女ともに値を 2010 年版よりも低めに設定しています 2 日本食品標準成分表 の充実 活用促進 日本食品標準成分表は 戦後間もない昭和 25 年に初版を公表して以降 国民が日常摂取する食品の成分に関する基礎データを提供することを目的として 食品数や成分項目の充実を図るための改訂を重ねてきています 平成 27(2015) 年 12 月に 日本食品標準成分表 2015 年版 ( 七訂 ) を公表し 五訂日本食品標準成分表以来 15 年ぶりに収載食品を拡充するとともに 新たに炭水化物成分表編を作成するなどの改訂を行いました ( トピックス : 日本食品標準成分表の改訂について参照 ) また 電子データを文部科学省ホームページで公開するほか 検索が容易な 食品成分データベース としても公開し 国民が利用しやすい情報として提供しています ( 日本食品標準成分表 2015 年版 ( 七訂 )http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm) ( 食品成分データベース http://fooddb.mext.go.jp/) 3 国民健康 栄養調査の実施 活用 健康増進法 ( 平成 14 年法律第 103 号 ) に基づき 国民の健康の増進の総合的な推進を図る

章調査 研究その他の施策の推進157 第 1 節調査 研究等の実施 ための基礎資料として 国民の身体の状況 栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため 国民健康 栄養調査を実施しています 国民健康 栄養調査は 毎年 11 月に実施しており 身長 体重 血圧等の身体状況に関する事項 食事の状況やエネルギー及び栄養素等摂取状況に関する事項 食習慣 運動習慣 休養習慣 飲酒習慣 歯の健康保持習慣等 生活習慣の状況に関する事項について 把握し 解析 公表しています 平成 26(2014) 年の調査では 所得格差を主要テーマとして実施しました ( トピックス : 平成 26 年国民健康 栄養調査結果の概要参照 ) 平成 27(2015) 年の調査は 社会環境を主要テーマとして実施しました また 平成 28(2016) 年の調査は 拡大調査を行い 都道府県格差の把握を行う予定です 国民健康 栄養調査の結果については 厚生労働省のホームページに掲載するとともに 国立研究開発法人医薬基盤 健康 栄養研究所のホームページにおいて 昭和 20 年代から実施されてきた国民栄養調査の結果も併せて掲載するなど情報提供を行っています (http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html) 4 農林漁業や食料の生産 流通 消費に関する統計調査の実施 公表 食育を推進する上で必要となる農林漁業の姿や食料の生産 流通 消費に関する基礎的な統計データを広く国民に提供し 食育に対する国民の理解増進を図っています 主なものは次のとおりです 1 米や野菜等主要な農畜産物の生産や流通に関する調査 魚介等の水産物の生産や流通に関する調査の実施 公表 2 世帯及び外食における食品ロス等の実態を明らかにする調査の実施 公表第8

による炭水化物第8TOPICS トピックス 日本食品標準成分表の改訂について 平成 27(2015) 年 12 月 新しい日本食品標準成分表を公表しました 5 年ぶりとなる今回の改訂は 食品数の大幅な増加に加え 成分項目も増え 別冊も1 冊増えるという大幅なものです 1 食品数の増加今回の改訂では 15 年ぶりに収載食品が増え 本編にあたる成分表 2015 年版では2,191 食品が収載されました 主な新規食品は以下のとおりです (1) 日本人の伝統的な食文化を代表する食品 刺身 まあじ まだい するめいかなど 天ぷら さつまいも きす バナメイエビなど (2) 健康志向を反映した食品五穀 あまに油 えごま油など (3) 子供のアレルギー増加に配慮した食品米粉 米粉パン 米粉めんなど (4) 食べる機会が増えた食品 図表 - 75 日本食品標準成分表の沿革 名称 公表年 食品数 日本食品標準成分表 昭和 25 年 (1950 年 ) 538 改訂日本食品標準成分表 昭和 29 年 (1954 年 ) 695 三訂日本食品標準成分表 昭和 38 年 (1963 年 ) 878 四訂日本食品標準成分表 昭和 57 年 (1982 年 ) 1,621 五訂日本食品標準成分表 平成 12 年 (2000 年 ) 1,882 五訂増補日本食品標準成分表 平成 17 年 (2005 年 ) 1,878 日本食品標準成分表 2010 平成 22 年 (2010 年 ) 1,878 日本食品標準成分表 2015 年版 ( 七訂 ) 平成 27 年 (2015 年 ) 2,191 資料 : 文部科学省作成 ベーグル アンチョビ にほんじか モッツァレラ バルサミコ酢 ビール風味炭酸飲料など (5) 調理後食品とりのから揚げ とんかつ 魚のフライ 肉 野菜等の焼き ゆで 油いためなど特に (5) の調理後食品は 加工食品の栄養表示の義務化を踏まえて より正確な栄養計算が可能となるよう収載を充実したものです 章調査 研究その他の施策の推進158 図表 - 76 差引き法 2 別冊の充実今回の改訂のもう一つのポイントは 別冊の 炭水化物成分表編 が作られたことです 現在の成分表では 炭水化物 ( 可食部 100g 当たり ) は 100gから水分とたんぱく質 脂質 灰分等を差し引いた 差引き法 で計算しています ( 図表 -76 差引き法 による炭水化物参照 ) この方法は簡便なため 諸外国でも使われていますが 各成分の分析誤差などがすべて炭水化物にしわ寄せされてしまいます また 炭水化物を構成するでん粉 糖類 食物繊維など 異なる栄養的価値を持つものが一緒にされてしまうという問題があります このため 食品成分委員会では 7 年間かけて 食品の炭水化物組成に関する調査 研究を行いました 主要な食品の分析に加え 類似食品の成分値や諸外国の成分表データを活用した推計 原材料配合割合に基づく計算を行い 利用可能炭水化物と糖アルコール 有機酸の成分値を 炭水化物成分表編 としてまとめました 利用可能炭水化物とは 炭水化物のうちヒトの酵素で消化可能で 吸

第8調査 研究その他の施策の推進159 第 1 節調査 研究等の実施 収 代謝される成分であり 炭水化物成分表編 では でん粉とぶどう糖 果糖 ガラクトース しょ糖 麦芽糖 乳糖 トレハロース等を収載しています (854 食品 ) この利用可能炭水化物の合計量は 従来 栄養指導の現場などで便宜的に使われてきた糖質 (= 炭水化物 - 食物繊維 ) とは強い正相関があることが報告されていますが より正確に含有量を捉えたものです 一方 これまで成分表には アミノ酸成分表 と 脂肪酸成分表 の2 冊の別冊があり それぞれたんぱく質を構成するアミノ酸 脂質を構成する脂肪酸の組成を収載しています 今回はこれらの別冊も同時に改訂し 新しい アミノ酸成分表編 では337 食品から1,558 食品に 脂肪酸成分表編 は1,262 食品から1,782 食品に 収載食品数が増えました これに伴って 本編に収載のアミノ酸組成から計算したたんぱく質量や脂肪酸 ( 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 ) 脂肪酸のトリアシルグリセロール当量の情報も飛躍的に充実しました 3 既存データの見直し既収載食品の多くは 過去の成分表の収載値を引き継いでいます しかし 時の流れとともに 分析技術が進展していることに加え 原材料の品種や栽培方法 ( 生産方法 ) 食品の製造方法などの変化により 食品の成分値が変わることがあります 例えばビタミン Dは 従来の分析方法では 試料に由来する妨害成分の影響により分析値の信頼性が低かったため 今回の改訂では きのこについて 新しい分析方法で再分析を行い 収載値を変更しました この他の成分についても 収載値に疑義があった食品は 積極的に再分析をして見直しています また 米の水分値の見直し ホイップクリームの成分値の計算に用いるグラニュー糖量の変更 ひじきの製法別 ( ステンレス釜 鉄釜 ) の細分化など 収載値が現在の流通実態に即したものとなるよう努めました 4 そう菜の計算ライフスタイルの変化に伴って 外食 中食が増加し 家庭で食材から調理する割合は年々減っています また 平成 32(2020) 年 4 月には加工食品の栄養表示が完全に義務化されることから 調理した食品の栄養計算を正確に行うことが 一層重要になっています 成分表 2015 年版では 新しい試みとして 家庭や事業所給食でよく食べられるそう菜のレシピ ( 食材名 食材の重量 調理方法 ) を収集し 成分表の収載値を活用して栄養計算をする手法を 実例とともに解説しています そう菜のレシピは製品によって異なり 栄養計算の結果も違いますので 食材の配合割合や成分値の計算結果は 平均と最大 最小を収載しました これにより 一般の消費者の方にとっては 普段購入される食品の成分について 目安が得られることになります 5 データファイルの公開食品成分表は世界各国で作られ オンラインで互いのデータを参照する取組が活発に行われています 日本の成分表も 今回改訂からPDFファイルに加えて 日本語版と英語版のデータファイルを作成し 文部科学省のホームページで公開しています (http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm) 章

トピックス第8章TOPICS 平成 26 年国民健康 栄養調査結果の概要 国民健康 栄養調査 は 国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として 国民の身体の状況 栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため 毎年実施しています 平成 25(2013) 年度から開始している 健康日本 21( 第二次 ) では 基本的方向の1つとして 新たに 健康格差の縮小 を盛り込み 健康づくりとして 地域や社会経済状況の違いによる健康状態の差を縮小することを目指すことを位置付けました そこで 平成 26(2014) 年の国民健康 栄養調査では 所得と生活習慣等に関する状況について把握しました 所得と生活習慣等に関する状況 生活習慣等の状況について 所得の低い世帯では 所得の高い世帯と比較して 穀類の摂取量が多く野菜類や肉類の摂取量が少ない 習慣的に喫煙している者の割合が高い 健診の未受診者の割合が高い 歯の本数が20 歯未満の者の割合が高いなど 世帯の所得の違いにより差がみられました 健診の受診に関する状況 健診を受診していない者では 健診を受診している者と比較して 男女ともに現在習慣的に喫煙している者の割合 運動習慣がない者の割合 血圧の平均値が高く 女性に関しては肥満者の割合も高いという結果でした 図表 - 77 所得と生活習慣等に関する状況 1. 食生活 2. たばこ 3. 健診 4. 歯の本数 世帯所得世帯所得世帯所得 200 万円以上 ~ 200 万円未満 600 万円以上 200 万円 200 万円以上 ~ 600 万円未満 ** ** 未満 600 万円未満 * * * 割合または平均割合または平均割合または平均 穀類摂取量 ( 男性 ) 535.1g 520.9g 494.1g 穀類摂取量 ( 女性 ) 372.5g 359.4g 352.8g 野菜摂取量 ( 男性 ) 253.6g 288.5g 322.3g 野菜摂取量 ( 女性 ) 271.8g 284.8g 313.6g 肉類摂取量 ( 男性 ) 101.7g 111.0g 122.0g 肉類摂取量 ( 女性 ) 74.1g 78.0g 83.9g 現在習慣的に喫煙している者の割合 ( 男性 ) 35.4% 33.4% 29.2% 現在習慣的に喫煙している者の割合 ( 女性 ) 15.3% 9.2% 5.6% 未受診者の割合 ( 男性 ) 42.9% 27.2% 16.1% 未受診者の割合 ( 女性 ) 40.8% 36.4% 30.7% 20 歯未満の者の割合 ( 男性 ) 33.9% 27.5% 20.3% 20 本未満の者の割合 ( 女性 ) 31.2% 26.5% 25.8% 資料 : 厚生労働省国民健康 栄養調査 ( 平成 26(2014) 年 ) 調査 研究その他の施策の推進160 基本項目に関する状況 肥満者の割合 糖尿病が強く疑われる者の割合は 男女ともに増加せず推移し 収縮期血圧の平均値は経年的にみて男女ともに低下傾向にあるなど 生活習慣病の予防対策に一定の効果がみられています 一方で 喫煙している者の割合は平成 22(2010) 年以降男女とも減少しておらず このうち たばこをやめたいと思う者の割合が男性 26.5% 女性 38.2% にとどまるなど 引き続き対策が必要です 国民健康 栄養調査では 引き続き実態の把握を行い 様々な取組の推進に役立つデータを発信していきます

第8調査 研究その他の施策の推進161 第 2 節海外の Shokuiku( 食育 ) に関連する状況 国際交流の推進等 第 2 節海外の Shokuiku( 食育 ) に関連する状況 国際交流の推進等 1 Shokuiku( 食育 ) の海外展開 国立研究開発法人医薬基盤 健康 栄養研究所国立健康 栄養研究所では アジア各国の若手研究者を研究所に招き 研修や共同研究等を行っています 特に近年 Shokuiku( 食育 ) に対する各国の研究者の関心は高く 共同研究を通じて その手法や成果を世界に発信しています 平成 27 年 (2015)7 月から 3 か月間受け入れたベトナム国ハノイ医科大学 ( 平成 25 (2013) 年 9 月に同国初の栄養学部開設 ) の講師は Double burden malnutrition に関する研究 : 日本の経験のベトナムへの応用可能性について をテーマとした研修の一環として わが国の Shokuiku( 食育 ) の背景と 食育ガイド の活用について学び 学校ベースでの Shokuiku( 食育 ) の視察のため埼玉県志木市立志木小学校を訪問し 同校における食育の取組及び栄養教諭の役割についての講義を受け 学校給食の見学を行いました また 平成 27(2015) 年 11 月に受け入れたアフリカ アジア地域の計 7 か国からの研修員を対象とした国際協力機構 (JICA) の課題別研修 母子栄養改善 において 妊産婦 乳幼児の食事摂取基準の策定とその活用 普及に向けて~ 母子栄養改善の事例 をテーマとした講義を実施し 妊産婦 乳幼児の食事摂取基準 妊産婦のための食事バランスガイド わが国の Shokuiku( 食育 ) の背景及び第 2 次食育推進基本計画について紹介しました 外務省では 海外広報活動の中で食育関連トピックを取り上げています 具体的には 日本の食文化等も取り上げている海外向け日本事情発信誌 にぽにか を在外公館を通じて配布しています また 在外公館で上映や貸出を行ったり 海外のテレビ局にて放映されたりしている映像資料 ジャパン ビデオ トピックス (Japan Video Topics) においても 日本の食文化や日本食などを紹介しています また 外務省や農林水産省では在外公館等において 日本食文化の普及や対日理解の促進 良好な対日感の醸成を目的に 各国要人やオピニオンリーダー等に対して日本産の食材を用いた日本食等を提供し 日本の魅力を伝える等の取組を行っています さらに農林水産省では 手軽につくれる日本食 をコンセプトとした料理講座を開催し 親子を対象として日本食の作り方や日本産食材の活用方法などを学べる場を提供することにより 海外の子供たちへの食育活動に取り組んでいます 2 海外における食生活の改善等 世界では現在 約 8 億人が栄養不足に苦しんでおり その大半が開発途上国で暮らしていると推計されています このような窮状を改善するため 我が国は様々な形で取組を行っています 自国の貧困削減を含む経済や社会の開発努力を行っている開発途上国に対し 食糧援助規約に関連して食糧援 章

域の研究機関等とのネットワークづくりを目指して研究交流を継続的に行っています 第8章助を実施していますが これに必要な生産物および役務を調達するために必要な資金を開発途上国に対して贈与する 食糧援助 について 平成 26(2014) 年度には二国間または国際機関との連携で 100 億円 ( 平成 25(2013) 年度 107 億円 ) の支援を実施しました また 我が国は 国連食糧農業機関 (FAO) に対して 平成 27(2015) 年度に約 60 億円の分担金を拠出するとともに 国連世界食糧計画 (WFP) に対して 難民や被災者に対する緊急食料支援等を行うために 平成 26(2014) 年度には約 145 億円 ( 平成 25(2013) 年度約 92 億円 ) を拠出しました さらに 官民連携による栄養改善の国際展開の取組を推進するため 平成 27(2015) 年 3 月に健康 医療戦略推進本部の下に栄養改善事業の国際展開検討チーム ( 以下 チーム という ) が設置されています また 官民合同の 栄養改善事業支援プラットフォーム を設立することを目指して チーム員である一般財団法人食品産業センターと JICA が事務局を務める栄養改善事業支援プラットフォーム準備作業グループが平成 27(2015 年 ) 年 10 月に設立されました 同準備作業グループは 平成 27(2015) 年 11 月に 海外から有識者を招き 世界の栄養不良の状況と企業のビジネスの可能性について欧米企業の事例紹介などを行うセミナーを開催しました 3 国際的な情報交換等 食品安全委員会では 年に数回 海外から有識者を招いて意見交換会や勉強会を開催しており 国際的に活躍されている方々から食品の安全性に関する最新の知見を直接聞くことができる貴重な機会となっています また 平成 27(2015) 年度は リスク評価機関間の情報共有等国際的な協力を推進するため ASAE( ポルトガル経済食品安全庁 ) ANSES( フランス食品環境労働衛生安全庁 ) と MOC( 協力覚書 ) を新たに締結するとともに EFSA( 欧州食品安全機関 ) との MOC の内容を改定し 改めて締結しました 国立研究開発法人医薬基盤 健康 栄養研究所国立健康 栄養研究所では アジア太平洋地 調査 研究その他の施策の推進162

第8章調査 研究その他の施策の推進163 第 2 節海外の Shokuiku( 食育 ) に関連する状況 国際交流の推進等 事例日本人大学生が外国人留学生とロールプレイで 日本の食 を共有 A Guide to Shokuiku を活用した 日本の食 の魅力 ~ 名古屋学芸大学管理栄養学部の事例 ~ 内閣府では 生涯にわたって大切にしたい食育について示した 食育ガイド の英語版 A Guide to Shokuiku を平成 27(2015) 年 5 月に公表しました この公表を受け A Guide to Shokuiku を活用した日本の食の魅力を紹介する授業を展開している大学がありますので 一例として御紹介します 名古屋学芸大学では 外国人留学生が 日本の食 を正しく知って自分の食生活に取り込み 母国の人々にそのよさを伝えてほしいという願いと 日本人学生が地球的視野に立って行動する資質能力 ( 他者理解を通した豊かな人間性 日本の食文化の伝達 国際社会で必要な基本的資質能力等 ) を持ち 専門性を発揮できる教員として活躍してほしいという願いを合わせて A Guide to Shokuiku の公表を機に 日本人大学生が外国人留学生と 日本の食 について英語で共有する学習プログラムを実施しました 参加した日本人大学生は管理栄養学部教職課程で学ぶ16 名 ( 以下 日本人学生 という ) です 周到な準備を経て 同じキャンパス内の名古屋外国語大学日本語教育センターの学生 ( 以下 留学生 1 という ) を教室に招き グループ毎に 日本の食 の魅力や課題を英語のロールプレイ ( 外国人に説明する場面を想定して 複数の人がそれぞれ役を演じる ) で紹介し 共有し これからの食のあり方などを話し合いました 2 1 留学生は教科目の一つ 英文日本事情 を履修済み 2 国際協力の現地経験が豊富な 3 名の教員 ( 教職論 栄養教育学 国際栄養学の各担当教員 ) がファシリテーターとして参加 グループが取り上げた主なテーマ ( 概要 ) A: ランチでの いただきます ごちそうさま で質の高い共食を体験 B: 生涯食育の視野で 学校を拠点にした成長期の子供たちの食育 C: 自給率アップも考えあわせて 家庭での食材等の無駄遣いを少なくする食育 D: 食べることは生きること を基点にした日本らしさを重視する食育

との重要性と難しさを具体的に学ぶ好機となったようです 第8章The Circles of Shokuiku ( A Guide to Shokuiku の 2 ページ目 ) ~ 学習プログラムに参加した留学生の気づき 学び~ 〇 The Circles of Shokuikuが面白い この図を使って自国の食を考えることができる 〇 日本の食 の全体が体系的に理解できて良かった 〇食の改善 向上について 個人 家族 学校や組織 地域 国などが積極的に進めていることがわかった 〇日本の食料自給率がとても低いことに驚いた 〇食事の時の挨拶 ( いただきます ごちそうさま ) をすることの大切さがわかった 〇 主食と主菜と副菜を組み合わせて食べる ことが栄養的によくて 日本人の健康水準を高くしていることに加えて食料自給率を高くすることを学んだ 〇母国に帰ったら The Circles of Shokuiku( 左図 ) を使ってオーストラリア版を描いてみようと思う 等 ~ 学習プログラムに参加した日本人学生にとっての気づき 学び~ 〇普段日本語で理解したつもりだったことも 一語一句意味を再理解することが必要だった 〇国際比較や地域比較の視点で 自国の特徴を認識することの必要性を具体的に学ぶ機会となった 〇 A Guide to Shokuiku は 留学や外国旅行の必携品のひとつになる A Guide to Shokuiku をはさんで 学生食堂で談笑しあう日本人学生と留学生 A Guide to Shokuiku を活用した日本人大学生と外国人留学生とのロールプレイによる授業は 異なった文化や環境下で育まれてきた食習慣や価値観の人々と 食の課題や展望について共有するこ 調査 研究その他の施策の推進164