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取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない


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コシヒカリの上手な施肥

チャレンシ<3099>生こ<3099>みタ<3099>イエット2013.indd

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

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Ⅲ-3-(1)施設花き

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     くらぶち草の会の野菜、畑作栽培技術

農家圃場における    メタン発酵消化液を用いた              栽培実証試験

PC農法研究会

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平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

失敗しない堆肥の使い方と施用効果

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注 ) 材料の種類 名称及び使用量 については 硝酸化成抑制材 効果発現促進材 摂取防止材 組成均一化促進材又は着色材を使用した場合のみ記載が必要になり 他の材料については記載する必要はありません また 配合に当たって原料として使用した肥料に使用された組成均一化促進材又は着色材についても記載を省略す

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Microsoft PowerPoint - 土壌診断の勧め

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表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm


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秋植え花壇の楽しみ方


Microsoft Word - 堆肥Q&A.doc

2 地温 : 15~25 の温度帯に緩効性効果が一番高い 30 を超えると ウレアーゼ抑制材の分解が加速する上 微生物の繁殖も速くなり 微生物の活性を抑える効果が低くなる 3 土壌 ph: 弱酸性土壌 (ph5.5) からアルカリ性土壌 (ph8.0) まで土壌 ph が高いほど緩効性効果も高くなる

Ⅱ-3 環境負荷低減技術 ( 1) 土壌分析結果を生かした施肥量削減 1 技術の内容土壌分析により土壌養分の量を把握し 現況の養分量にあわせ施肥量を加減する方法である 2 期待される効果養分が過剰にある場合は施肥量を減らすことができ 肥料のコスト低減にもつながる 特に施設園芸や果樹園 茶園では土壌中

4. 再生資源の利用の促進について 建近技第 385 号 平成 3 年 10 月 25 日 4-1

農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

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窒素吸収量 (kg/10a) 目標窒素吸収量 土壌由来窒素吸収量 肥料由来 0 5/15 5/30 6/14 6/29 7/14 7/29 8/13 8/28 9/12 9/ 生育時期 ( 月日 ) 図 -1 あきたこまちの目標収量確保するための理想的窒素吸収パターン (

Microsoft Word - ⑦内容C【完成版】生物育成に関する技術.doc

3 園芸作物 < 果菜類 > 1-1 トマト [ ハウス ] ア導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容 トマトは主に道央 道南および道北の施設で栽培され 作型は促成 ( ハウス加温 マルチ ) 半促成 ( ハウス マルチ ) 抑制 ( ハウス ) などである 品種は 桃太郎 ハウス桃太郎 桃太郎

材料と方法 堆肥原料として生ゴミ区乾燥生乾燥生牛ふん区搾乳牛ふん ( 水分ゴミ少区ゴミ多区 85%) 生ゴミ( 水 生ゴミ分 82%) 乾燥生ゴ現48 乾55 物物ミ ( 水分 10%) も 49 割割75 34 乾燥生ゴミ 83 みがら ( 水分 10%) 合2

〔表紙〕

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参考資料2 生ごみ等の飼料化、たい肥化に関するヒアリング結果

機関名 ( 地独 ) 北海道立総合研究機構農業研究本部 部署名 企画調整部企画課 記入者氏名 山崎敬之 電話番号 レーザー式生育センサを活用した秋まき小麦に対する可変追肥技術 レーザー式の生育センサを使って秋まき小

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

リン酸過剰の施設キュウリほ場(灰色低地土)における基肥リン酸無施肥が収量に及ぼす影響

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目次 はじめに 1 液肥を使うための畑の準備 2 液肥のまきかた 2 液肥の散布は 少量で多回数 が効果的 2 液肥は野菜の株元へ散布する 2 天気が良い時に液肥を散布しましょう 3 液肥の成分 4 液肥の効果を補いたい場合 4 野菜への使い方 こまつな 5 レタス 6 ほうれんそう 7 ちんげんさ

資料 2 農業データ連携基盤の構築について 農業データ連携基盤 (WAGRI) WAGRI とは 農業データプラットフォームが 様々なデータやサービスを連環させる 輪 となり 様々なコミュニティのさらなる調和を促す 和 となることで 農業分野にイノベーションを引き起こすことへの期待から生まれた造語

04 栽培履歴管理表(別添B)岩農H30 A科

6 有機質資材の施用

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書き方 ( 例 ) 別記第 17 号様式 農業生産法人報告書 自 至 平成 年 月 日平成 年 月 日 伊達市農業委員会会長様 平成年月日 主たる事務所の所在地伊達市 町 番地 法人の名称株式会社 代表者氏名 印電話番号 次のとおり農地法第 6 条第 1

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、

植物生産土壌学5_土壌化学

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食品廃棄をめぐる現状

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温度 平成 23 年平均平成 23 年最高平成 23 年最低平均気温 ( 平年値 ) 最高気温 ( 平年値 ) 最低気温 ( 平年値 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 1 生育期間中の気温推移 ( 淡路農技内 ) 降水 3 量

新梢では窒素や燐酸より吸収割合が約 2 分の1にまで低下している カルシウム : 窒素, 燐酸, カリとは異なり葉が52% で最も多く, ついで果実の22% で, 他の部位は著しく少ない マグネシウム : カルシウムと同様に葉が最も多く, ついで果実, 根の順で, 他の成分に比べて根の吸収割合が高い

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終了サブテーマ毎詳細成果

Microsoft PowerPoint - ~ [互換モード]

どうして GAP を導入するの? 産地や農家が安定した経営を続けるためには 次のような取組が必要です 産地の信頼を守るための体制を作りましょう 安全な農産物の生産は農家の責務です また 産地の農家のうち 1 人でも問題を起こせば 産地全体で出荷停止や商品回収を行わなければならず その後の取引にも影響

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農耕地からの窒素等の流出を低減する - 農業環境収支適正化確立事業の成果から - 平成 14 年 3 月 財団法人日本農業研究所

世田谷清掃工場 平成 27 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) スラグ ( ガス化溶融 )( 含


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参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

再生材料や部品の利用促進を具体的に進めていることから その努力を示すものとして 本規格では マテリアルリサイクル及びリユースのみを対象としている 機器製造業者が直接その努力に関わるという 観点からも 本規格では 再生資源をマテリアルリサイクルのみに限定している Q5) 自らが資源循環利用をコントロー


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1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

水田メタン発生抑制のための新たな水管理技術マニュアル(改訂版)

足立清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

都市近郊農住混在地域における小規模循環型農業に関する計画論的研究

渋谷清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰 ( 含有試験 ) 6 4 周辺大気環境調査結果 7 5 試料採取日一覧 8 (

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

26 Ⅴ-1-(7)水田での有機物利用

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手

生ゴミ堆肥のつくり方

設備立体図 リデュース 発生 排出抑制 リユース 再利用 1次熟成槽 リサイクル 予備混合機 再生利用 再資源化 発酵槽 生ごみ混合機 事務所 生ごみ混合機 機械設備 最大処理能力 設備概要 生ごみ 1 000kg 日 剪定枝 1 250kg 日 生ごみ混合機 1 軸混合型 2 670kg 日 発

目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

18 これらの観点から, 今後の消費ニーズに応えていくためには内容成分にも言及し, 食味が良くて有効成分が多く, 有害成分の少ないチンゲンサイの栽培を検討する必要がある 本試験では品種, 収穫時期, 換気方法, 窒素施肥量がチンゲンサイ中のビタミン, 還元糖, 含量に及ぼす影響を検討したので, その

Microsoft Word - 特記例

Microsoft PowerPoint - 参考資料2

( 50 ) 園芸土壌のリン酸過剰がもたらす弊害とその対策 1. はじめに 1.1 土壌肥料学との出会い筆者は2015 年 3 月まで, ちょうど40 年間東京農業大学土壌学研究室 ( 現, 生産環境化学研究室 ) に在職した 本研究室は, 東京農業大学の初代学長である横井時敬先生の次男横井利直先生

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

地震動による被害(題目は14ポイント,MSゴシック体で)

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

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東京農大リサイクル研究センターから生産される生ごみ肥料 みどりくん の利用について平成 14 年 11 月 5 日東京農業大学土壌学研究室教授後藤逸男 1. 生ごみ肥料 みどりくん について国内から産出される生ごみを肥料として再資源化して 地域内物質循環社会を構築する実践的研究を行う目的で 平成 14 年 4 月 東京農業大学世田谷キャンパス内に生ごみから肥料を製造するためのプラント ( 生ごみ乾燥肥料化プラント ) が 東京農大と ( 株 ) 西原環境衛生研究所との産学協同により建設された このプラントは筆者らが開発した技術を利用して ( 株 ) 西原環境衛生研究所が設計した第一号機であるため 約半年間にわたり試験稼働と運転条件の調整などを行い 10 月中旬から定常運転を開始するに至った そこで 今後このプラントから生産される生ごみ肥料 みどりくん を地域内で円滑かつ有効に利用するための協議の場を世田谷区役所にお願いして作って頂いた 本技術および生産物である生ごみ肥料 みどりくん の特徴は次のとおりである 1 本技術は平成 6 年から行った一連の生ごみリサイクル研究の成果 2 生ごみを短時間に乾燥して それに少量の尿素 ( 乾燥物の約 2%) を添加混合して ペレット化する方式であるため 処理時間が短い 3 製品の水分が10% 程度であるため 保存性が高く かびが生えることはない 4 一切堆肥化処理を行わないため 製造過程および製品からは悪臭が出ない 5 肥料成分が窒素 : リン酸 : カリ=4:1:1であるため リン酸 カリが集積した最近の野菜圃場やハウスの基肥として適する 6 塩分含有量は約 1%( 塩化ナトリウムとして ) であり 肥料として利用する場合には問題とならない 7 油含有量は約 10% であるが これまでの約 3 年間にわたる農家圃場 ハウスでの栽培では支障がない 8 重金属 環境ホルモン含有量は天然存在量程度で 農業利用上全く問題はない みどりくん を野菜栽培の基肥として利用することによる利点は次のとおりである 1 既存の化学肥料や有機質肥料の代替物として利用できるため 経費削減が可能 2 土壌中でゆっくり分解する肥料 ( 緩効性 ) であるため 塩類濃度を高めにくい 3 緩効性肥料であるため 野菜の品質が向上する ( ビタミンCの増加と硝酸の低下 ) 4 緩効性肥料であるため 地下水への硝酸溶出を軽減できる 5 通常の施用量が500~1000kg /10aであるため 有機物補給効果も期待できる みどりくん を野菜栽培の基肥として利用することによる利点は次のとおりである 1 堆肥化を施していない新鮮有機物であるため 施用直後には急激な有機物分解に伴う二酸

化炭素の発生が伴う そのため 施用 1~2 週間後に播種や定植を行うことが望ましい ただし 溝肥方式であれば 施用後直ちに作付けても支障がない 2 多量に表面局所施用すると タネバエが発生しやすい 特に 春作の作付けには要注意 ただし 施用量が1t/10a 程度以下であれば全層施用でもほとんど支障がない ダイアジノンを 3kg /10a 程度散布すれば全く問題なし 要するに既存の有機質肥料と同様の扱いをすればよい みどりくん の今後の課題は次のとおりである 1 みどりくん は全くの新規資材であるため 肥料取締法では該当する肥料が存在しない したがって 現状では肥料登録を行うことができない ただし この資材の肥料効果が学会などで公知されている また食品リサイクル法の円滑運用上から農林水産省など関係機関も肥料登録に向けた前向きの検討を開始している 2 みどりくん の肥料登録を目指して ( 独 ) 肥飼料検査所と協議しながらデータの集積を行う必要がある 3 みどりくん の肥料登録が済むまでは有価販売できないので それまでの間はもちろん無償で農家の皆さんに使って頂くことになる ( 肥料販売業者による無償配布も禁止されているので 法律上では研究材料の提供となるが 決して農地を研究のための実験台とする意図はない ) 2. みどりくん の利用について現在 東京農大リサイクル研究センターには毎日学内から約 100kg 世田谷区学校給食センターから約 400kgの生ごみが搬入され 約 60kgの みどりくん が生産されているので 年間生産量は約 20トンとなる この20トンの内 約 2トンはキャンパス内の成人学校や花壇に利用する予定である その他にこれまで約 3 年間にわたって試用して頂いた約 50 件の農家の内 東京都三鷹市 ( 星野直治氏 : 露地野菜 ) 埼玉県加須市 ( 木村正美氏 : ハウスキュウリ ) 横浜市( 佐野浩二氏 : 軟弱野菜 ) には連用の効果 影響を調べる目的で合計約 3トンを区外に搬出したいと考えている 残りの約 15トンを世田谷区内の農家圃場で利用して頂くことを提案したい 世田谷区で出た生ごみを世田谷区内で肥料資源として再資源化することにぜひご協力頂きたい 3. みどりくん の使い方 みどりくん は野菜の基肥として利用する 大まかな野菜別施用量は次のとおりである ただし 正確には土壌診断結果に基づいて決定する 春作の果菜類 :1t/10aを全層施用あるいは溝肥施用すれば 無追肥で栽培できる 春作のキャベツ ブロッコリー カリフラワー :500~1000kg/10a 秋作のキャベツ ブロッコリー カリフラワー:1000kg/10a( 果菜の跡地では 土寄せ時に 250~500kg /10a) 軟弱野菜 :500kg/10a

世田谷区内における生ごみ肥料 みどりくん の肥効試験 目的 : 東京農大リサイクル研究センターで製造された生ごみ肥料 みどりくん の肥効を世田谷区内の農家圃場で確認する 試験地 : 世田谷区瀬田 ( 耕作者吉岡光章 ) 黒ボク土 耕種概要栽培 : コマツナ施肥 : 平成 14 年 9 月 3 日 ( みどりくん の施用量は1t/10a) 播種 : 平成 14 年 10 月 1 日調査 : 平成 14 年 10 月 25 日 結果 : 下表のとおり 世田谷区内でのコマツナ栽培試験 (2002 年 ) 試験区 施肥量 ( kg /10a) 草丈 生育量 ビタミンC 硝酸 窒素 (N) リン酸 (P 2 O 5 ) カリ (K 2 O) cm g/20 株 mg/100g mg/kg 慣行区 72.0 135 63.3 21 126 41.6 6810 みどりくん 37.7 5.4 17.3 19 102 49.1 4870 考察 : みどりくん 区の生育量は 慣行区の 81% であったが ビタミンC 量は 1.2 倍に増加し 硝酸含有量は約 30% 低下した すなわち 生育量は低下したが 品質の向上が確認された なお 慣行施肥量が一般的なコマツナ施肥量より著しく多かったため 両試験区の施肥量を一致させることができなかった 今後は 同一施肥量間で生育と品質を比較することが望まれる 慣行区 みどりくん

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2 1 80kg 1 100kg E-mail igoto@nodai.ac.jp Tel03-5477-2310

10 500kg 1000kg 10 2 14 4

生ごみの減量 リサイクルの方策について ( 答申 ) 平成 15 年 3 月発行世田谷区清掃 リサイクル部 154-8504 東京都世田谷区世田谷 4-21-27 TEL:(03)5432-1111( 代 ) 区のホームページ http://www.city.setagaya.tokyo.jp/ 印刷物登録番号平成 14 年度清掃 リサイクル部第 7 号