不動産投資市場の活性化に関するアンケート調査 1. 調査対象 (1) 売上高十億円以上及び資本金一億円以上の不動産業を行っている会社 263 社不動産証券化を実施するアセットマネジメント会社 86 社 :349 社 (2) 都市銀行 地方銀行 第二地方銀行 信託銀行 保険会社 証券会社 ノンバンク 政府系 系統系金融機関 147 社厚生年金基金 企業年金基金 1,197 団体 :1,344 社 団体 2. 調査方法 時期 郵送 メール送付によるアンケート調査 ( 平成 24 年 3 月実施 ) 3. 回収状況 (1) 不動産会社 :58 社 ( 不動産会社 31 社 アセットマネジメント会社 26 社 建設会社 1 社 ) (2) 金融機関等 :74 社 団体 ( 都市銀行 2 社 地方銀行 17 社 証券会社 2 社 信託銀行 4 社 保険会社 1 社 リース会社 2 社 年金基金 44 団体 不明 2 社 ) 調査結果の構成 (1) 不動産会社向けアンケート調査結果 P1~9 (2) 金融機関向けアンケート調査結果 P10~17 17 調査結果については 一定の回答サンプルが集まったものについて集計している
(1) 不動産会社向けアンケート調査結果 1
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投資に対する意向 ) 不動産投資が見込まれる施設 不動産ファンドビジネスへの取組意向 証券化手法を活用した不動産投資が見込まれる施設には 賃貸マンション オフィス 商業施設 といった三大用途に対する意向が高い一方で 物流施設 や 宿泊施設 も比較的高い傾向にある 今後不動産ファンドビジネスを拡大しようと考えている不動産会社は 回答の約半数を占めている 問証券化手法を活用した不動産投資が見込まれる施設 問今後の不動産ファンドビジネスへの取組意向 n=54~57 0% 20% 40% 60% 80% 100% n=58 オフィス 73% 18% 9% 商業施設賃貸マンション 60% 55% 32% 32% 9% 13% 物流施設宿泊施設インフラ施設 41% 25% 27% 36% 54% 58% 23% 21% 48% 拡大する現状を維持する 官公庁施設ヘルスケア施設 13% 9% 33% 48% 55% 43% 森林 農地等 0% 85% とてもあてはまる あてはまる あてはまらない 0% 縮小する証券化手法を活用しない 2
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投資に対する意向 ) 不動産ファンドビジネスを拡大する理由 / 行わない理由 不動産ファンドビジネスを拡大する理由には 安定的な収益確保が見込める 市場回復や市場拡大 市場回復や市場拡大が見込める との理由が多い 一方 不動産ファンドビジネスを行わない理由は 知識やノウハウを持った人材が不足 証券化するコストや事務処理が負担 との理由が多い 問不動産ファンドビジネスを拡大する理由 問不動産ファンドビジネスを行わない理由 n=26~28 0% 20% 40% 60% 80% 100% n=11~12 0% 20% 40% 60% 80% 100% 安定的な収益確保が見込めるから 市場回復や市場拡大が見込めるから 証券化不動産の収益性や流動性が高いから 44% 48% 7% 32% 64% 4% 23% 62% 証券化の知識やノウハウを持った人材が不足しているから 証券化するコストや事務処理が負担だから用途が証券化の仕組みに適さないから コーポレートローンの調達条件が良かったから 50% 25% 25% 46% 38% 36% 18% 45% 27% 45% 27% 収益源を多様化するため 23% 42% 35% 収益性が証券化する水準を満たさないから 25% 58% とてもあてはまるあてはまるあてはまらないとてもあてはまるあてはまるあてはまらない 3
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投資に対する意向 ) 不動産投資の取組意向 ( 用途別 地域別 ) 用途別 地域別の取組意向をみると地域別の取組意向をみると 賃貸マンション は東京 23 区 + 東京圏において積極的であり オフィス は東京 23 区を中心に積極的に取り組む傾向にある 商業施設 や 物流施設 は オフィス ほど東京 23 区に一極集中する傾向は弱く 東京 23 区 + 東京圏において積極的に取り組む意向が示されている 問用途別 地域別の不動産ファンドビジネスへの取組意向をどう考えるか n=53~54 0% 20% 40% 60% 80% 100% n=53~55 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東京 23 区 44% 20% 東京 23 区 36% 29% 16% 18% 賃貸貸マンション 東京圏近畿圏中部圏その他地方圏 9% 6% 6% 30% 39% 42% 40% 32% 28% 34% 20% 25% 21% 商業施設 東京圏近畿圏中部圏その他地方圏 22% 11% 6% 6% 42% 44% 46% 41% 33% 東京 23 区 50% 東京 23 区 39% オフィス 東京圏近畿圏中部圏 6% 4% 46% 23% 物流施設 東京圏近畿圏中部圏 11% 6% 20% 4% 21% 32% 35% 34% 40% 39% 42% その他地方圏 4% 30% その他地方圏 6% 25% 32% 38% 積極的に取り組む慎重に取り組む取り組まないわからない積極的に取り組む慎重に取り組む取り組まないわからない 4
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投資に対する意向 ) 期待されるエクイティ投資家 近年の金融機関の貸出態度 不動産会社がエクイティ投資家として期待しているのは 国内の機関投資家や年金基金が最も多く 次いで海外の機関投資家や年金基金が多い 近年の金融機関の貸出態度は緩和しているとの回答が多い 問今後 エクイティ投資家として期待される主体はどこか 問近年の金融機関の貸出態度はどのような状態か n=53~56 0% 50% 100% n=54 国内機関投資家国内年金基金 57% 59% 34% 9% 国内富裕層 28% 44% 28% 国内事業法人 20% 56% 24% 国内金融機関 33% 53% 海外機関投資家 45% 7% 海外年金基金 35% 48% 55% 海外富裕層 11% 54% 35% 海外金融機関 68% 海外政府系ファンド 32% 57% 11% とてもあてはまるあてはまるあてはまらない 30% 緩和している変化していない厳しくなっている 5
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産の開発 再生意向 ) 東日本大震災による影響と具体的な意向変化 東日本大震災による影響は 約 6 割の不動産会社が 影響を与えた と回答している 具体的な意向としては 立地や建物性能への意識の中でも 耐震 免震 制震性能 節電 省エネ性能 地盤強度 土壌の質 に変化があったと回答している 問東日本大震災が不動産の開発 再生に対する意向に影響を与えたか n=55 42% 13% 投資規模 問具体的にどのような意向の変化があったか n=31~32 エリア 用途 建物性能への意識 0% 20%40%60%80%100% 拡大する 現状維持 縮小する 全体の開発 再生規模 6% 81% 13% 1 件あたりの開発 再生規模 0% 84% 16% 分散する 現状維持 集約する 開発 再生するエリア 23% 74% 3% 開発 再生する建築用途 10% 84% 6% あて ややあて あてはま はまる はまらな らない 72% 28% 0% 45% 影響を与えた 耐震 免震 制震性能を重視 やや影響を与えた影響は与えていない 節電 省エネ性能を重視地盤の強度 土壌の質を重視 59% 56% 湾岸地域を避ける 23% 立地 52% 38% 44% 3% 0% 6
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産の開発 再生意向 ) 老朽化 遊休化している不動産の開発 再生意向と取組方法 老朽化 遊休化している不動産の開発 再生に対する意向は高く再生に対する意向は高く 約 8 割の回答者は積極的又はある程度取り組む意向を有している 開発 再生の取組方法としては 自らのバランスシートで行う方法と証券化手法を活用して行う方法とが同水準となっている 問老朽化 遊休化不動産の再生が重要との指摘がある中 今後のビジネスにおいて これらの不動産の開発 再生についてどう取り組むか n=56 問不動産の開発 再生の取組みについて どう行うか (MA) n=43 0% 20% 40% 60% 23% 25% 自社のバランスシート上で行う 49% 証券化手法を活用して行う 積極的に取り組む 市街地再開発事業に参加するなどして行う 33% 52% ある程度取り組む取り組まない その他 9% 7
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産の開発 再生意向 ) 証券化手法を活用する理由及び活用しない理由 証券化手法を活用する理由は 自社単独では取り組みにくい事業に取り組める 機関投資家の出融 機関投資家の出融資が期待できる などが多く 幅広い投資家を確保出来ることが利点となっている 一方 証券化手法を活用しない理由には 事務手続きの負担や証券化コストが大きい が最も大きい 問証券化手法を活用する理由 (MA) 問証券化手法を活用しない理由 (MA) n=21 0% 20% 40% 60% n=19 0% 20% 40% 60% 80% 自社単独では取り組みにくい事業に取り組めるから 52% 事務手続きの負担や証券化コストが大きい 63% 機関投資家等の出融資が期待できるから 48% 開発 再生に適した証券化スキームがない 事業リスクの軽減が図られるから 38% 信託受託されにくい 16% 不動産の開発 再生による収益に期待できるから 機関投資家等の出融資を受けることが難しい 16% その他 その他 8
不動産会社向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産の開発 再生意向 ) 証券化手法を活用した不動産の開発 再生の拡大に必要となる取組み 証券化手法を活用した不動産の開発 再生を拡大するための取組みとしては 税制上の特例措置 制 制度 運用面での規制緩和 についての回答が多くなっている 問今後 不動産証券化手法を活用した不動産の開発 再生を拡大するためには どのような取組みが必要と考えるか n=51~52 0% 50% 100% 税制上の特例措置 67% 2% 制度 運用面での規制緩和事業リスクの明確化 情報整備 65% 46% 46% 35% 0% 8% 公的金融支援 39% 14% 専門的人材の育成 21% 65% 13% 国民の理解の促進 10% 62% 29% とてもあてはまるあてはまるあてはまらない 9
(2) 金融機関向けアンケート調査結果 10
金融機関向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投融資に対する意向 ) 不動産投融資の対象となる施設 証券化手法を活用した不動産投融資が見込まれる施設には オフィス 商業施設 賃貸マンション 商業施設 賃貸マンション といった用途に加え 物流施設 も比較的高い傾向にある 問今後 証券化手法を活用した不動産投融資が見込まれる施設にはどのようなものが考えられるか n=63~68 0% 20% 40% 60% 80% 100% オフィス商業施設 49% 39% 賃貸マンション 38% 物流施設 33% インフラ施設 60% 宿泊施設 11% 55% 官公庁施設 10% 48% ヘルスケア施設 9% 59% 森林 農地等 5% 25% 46% 4% 53% 8% 51% 10% 52% 14% 25% 34% 43% 32% 70% とてもあてはまるあてはまるあてはまらない 11
金融機関向けアンケート調査 ( 証券化手法を活用した不動産投融資に対する意向 ) 不動産ファンドビジネスへの投融資の取組意向 不動産投融資の取組意向について 回答者の約 5 割が現状維持の意向であるが 約 1 割は今後不動産ファンドビジネスを拡大しようと考えている 不動産ファンドビジネスへの投融資を行わない理由には 知識やノウハウを持った人材が不足 証券化するコストや事務処理が負担 が多い 問今後 不動産ファンドビジネスへの投融資に対する取組意向をどう考えるか n=74 11% 12% 51% 拡大する 現状を維持する 縮小する 証券化手法を活用しない 問不動産ファンドビジネスへの投融資を行わない理由 n=11~15 証券化の知識やノウハウを持った人材が不足しているから 証券化するコストや事務処理が負担だから用途が証券化の仕組みに適さないから 0% 20% 40% 60% 80% 100% 67% 33% 0% 収益性が証券化する水準を 満たさないからコーポレートローンの 0% 27% 貸出条件が良かったから 38% 67% 73% 54% とてもあてはまるあてはまるあてはまらない 12
金融機関向けアンケート調査 ( 不動産の開発 再生に対する投融資意向 ) 不動産投融資に対する取組意向 ( 用途別 地域別 ) 用途別 地域別の取組意向をみると地域別の取組意向をみると 賃貸マンション オフィス について 東京 オフィス について 23 区を中心に積極的に取り組む意向が高く それ以外の地域は総じて慎重な取組意向が示されている 商業施設 物流施設 においても 東京 23 区 ( 又は東京圏 ) のみ積極的に取り組む意向が示されている 問用途別 地域別の不動産ファンドビジネスへの投融資への取組意向をどう考えるか n=53~54 0% 20% 40% 60% 80% 100% n=53~54 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東京 23 区 32% 42% 10% 東京 23 区 14% 54% 14% 賃貸貸マンション 東京圏 9% 近畿圏 2% 中部圏 2% 48% 40% 23% 29% 21% 21% 28% 商業施設 東京圏 3% 近畿圏 2% 中部圏 0% 52% 45% 36% 34% 22% 29% その他地方圏 0% 33% 41% その他地方圏 0% 50% 24% 東京 23 区 25% 51% 8% 東京 23 区 44% 22% オフィス 東京圏 2% 近畿圏 2% 中部圏 0% 54% 52% 43% 29% 33% 18% 24% 物流施設 東京圏 12% 近畿圏 2% 中部圏 2% 42% 36% 24% 28% 22% 24% その他地方圏 0% 29% 24% その他地方圏 0% 24% 48% 28% 積極的に取り組む慎重に取り組む取り組まないわからない積極的に取り組む慎重に取り組む取り組まないわからない 13
金融機関向けアンケート調査 ( 不動産の開発 再生に対する投融資意向 ) 東日本大震災による影響と具体的な意向変化 東日本大震災による影響は 約 6 割の金融機関が 影響を与えていない と回答している 影響を与えたと回答した金融機関では 具体的な意向の変化として立地や建物性能への意識のなかでも 耐震 免震 制震性能 地盤強度 土壌の質 を重視する傾向にある 問東日本大震災が不動産の投融資に対する意向に影響を与えたか n=71 9% 投資規模 問具体的にどのような意向の変化があったか n=22~26 0% 20%40%60%80%100% 拡大する 現状維持 縮小する 全体の開発 再生規模 8% 68% 24% 1 件あたりの開発 再生規模 4% 74% 22% 28% エリア 用途 分散する 現状維持 集約する 開発 再生するエリア開発 再生する建築用途 28% 14% 60% 77% 12% 9% あて ややあて あてはま はまる はまらな らない 62% 38% 0% 63% 影響は与えていない耐震 免震 制震性能を重視 やや影響を与えた影響を与えた 地盤の強度 土壌の質を重視湾岸地域を避ける 33% 節電 省エネ性能を重視 21% 立地地 建物性能への意識 48% 50% 75% 52% 0% 4% 14
金融機関向けアンケート調査 ( 不動産の開発 再生に対する投融資意向 ) 老朽化 遊休化している不動産の開発 再生意向と取組方法 老朽化 遊休化している不動産の開発 再生意向は 5 割の回答者が積極的又はある程度取り組む意向を有している また 開発 再生の取組方法としては 証券化手法を活用した投融資が多い 問老朽化 遊休化不動産の再生が重要との指摘がある中 今後のビジネスにおいて これらの不動産の開発 再生についてどう取り組むか n=66 8% 問不動産の開発 再生の取組みについて どう行うか (MA) n=35 0% 20% 40% 60% 80% 証券化手法を活用した投融資 69% 50% 42% 積極的に取り組む 事業者に対する投融資 49% ある程度取り組む 取り組まない その他 6% 15
金融機関向けアンケート調査 ( 不動産の開発 再生に対する投融資意向 ) 証券化手法を活用しない理由 証券化手法を活用しない理由としては 開発 再生はリスクが高い 事務手続きの負担や証券化コスト 事務手続きの負担や証券化コストが大きい とするもの多い 問証券化手法を活用しない理由 (MA) n=17 0% 20% 40% 60% 開発 再生はリスクが高い 事務手続きの負担や証券化コストが大きい 41% 開発 再生に適した証券化スキームがない 24% その他 18% 16
金融機関向けアンケート調査 ( 不動産の開発 再生に対する投融資意向 ) 証券化手法を活用した不動産の開発 再生の拡大に必要となる取組み 証券化手法を活用した不動産の開発 再生を拡大するための取組みとしては 事業リスクの明確化や情報整備 税制上の特例措置 制度 運用面での規制緩和 専門的人材の育成 が示されている 問今後 不動産証券化手法を活用した不動産の開発 再生を拡大するためには どのような取組みが必要と考えるか n=52~66 0% 50% 100% 事業リスクの明確化 情報整備制度 運用面での規制緩和 56% 42% 2% 48% 39% 13% 税制上の特例措置 46% 41% 14% 専門的人材の育成 42% 49% 9% 公的金融支援 41% 12% 国民の理解の促進 50% 33% とてもあてはまるあてはまるあてはまらない 17