1-1.Brexit 英国議会採決後の想定シナリオ 11 月 25 日 英国と欧州連合 (EU) が離脱協定案に合意した この後離脱協定合意案の採決を英国議会で 12 月 11 日に行う予定であるが 現時点で可決される可能性は低いと見られている 英下院 ( 議席数 650) で 議長 副議長 採決不

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サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

人民元週間レポート 2015 年 12 月 18 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

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(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2


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株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

為替相場展望2018年12月号

一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

金融政策決定会合における主な意見

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

中国 資金流出入の現状と当局による対応

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

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株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

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株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)


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平成30年度第1四半期における運用状況等

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2015 年 3 月 9 日 対外 対内証券投資の動向 (2015 年 2 月分 ) 投資信託委託会社等による対外証券投資が大幅増加 財務省の 対外及び対内証券売買契約等の状況 ( 指定報告機関ベース ) によると 2 月の対外証券投資は +2 兆 6,754 億円の取得超となり 前月の +2 兆

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2018 年 10 月号 中国の金融経済動向について 中国の AI 動向について 千葉銀行上海駐在員事務所

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

離脱案は当初 2018/12/11に議会採決が予定されていたが 野党 労働党のほか 与党 保守党の強硬離脱派や閣外協力の民主統一党 (DUP) からも強く反対され メイ英首相は採決を延期した メイ首相は議会を説得すべく 焦点のアイルランド国境問題の安全策 ( バックストップ ) について 英国が長期

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「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入

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1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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218 年の市場動向ー米長期金利の上昇を受けて USD Index も上昇ー 為替市場 株式 / 商品市場 金利市場 218 年 5 月 12 月末対比 218 年 5 月 12 月末対比 218 年 5 月 12 月末対比 USD/TWD % 台湾加権指数

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変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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平成23年11月1日

月例経済報告

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エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか

特別勘定の内容 目標値 110% または 120% の場合の特別勘定 種類 特別勘定の名称 投資対象となる投資信託 TMA 日本株式インデックスVA * 運用会社 資産運用関係費用 ( ( 年率 ) 注 ) 総合型 世界バランス 40TMA TMA 外国株式インデックスVA * TMA 日本債券イン

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定期調査の質問のうち 代表的なものの結果 1. 日本の株価を 企業のファンダメンタルズと比較してどう評価するか 問 1. 日本の株価は企業の実力( ファンダメンタルズ ) あるいは合理的な投資価値にくらべて 1. 低すぎる 2. 高すぎる 3. ほぼ正しく評価されている 4. わからないという質問で

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目次 1. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) における運用環境について 2. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) におけるポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 用語の説明 頁 1

今月の経済金融情勢2018年11月30日号

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月次人民元相場見通し 2018 年 12 月発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部 Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved.

1-1.Brexit 英国議会採決後の想定シナリオ 11 月 25 日 英国と欧州連合 (EU) が離脱協定案に合意した この後離脱協定合意案の採決を英国議会で 12 月 11 日に行う予定であるが 現時点で可決される可能性は低いと見られている 英下院 ( 議席数 650) で 議長 副議長 採決不参加を表明している議員を除いた可決に必要な過半数 320 票に対して 可決にはあと 40~70 票必要な状況 (11/27 時点 ) 仮に可決された場合は 合意案を元にした EU 離脱関連法案 が 19 年 1~2 月頃に策定 その後欧州議会 ( 単純過半数 ) 及び欧州理事会 (EU27 ヶ国の総人口の 65% を代表する 20 ヶ国の賛成票 ) による承認が必要となる 法案が承認されると英国は 3 月 29 日に EU を正式離脱して移行期間に移り 必要であれば移行期間を従来の 20 年末から 22 年 12 月まで延長可能となる 一方合意案が下院で否決された場合は 英国政府は代替案を下院に示すために 21 日間の猶予が与えられる その際考えられるシナリオは以下の通り 国民投票や選挙の実施 となれば 離脱日を延長する必要があり事態の長期化も ワーストシナリオケースとなる 合意なき離脱 となれば 世界経済に対する打撃も大きく 相場も大きく荒れることが考えられる 英国議会での可決は現状困難な情勢 (11/27 時点 ) 下院否決後に想定される BREXIT シナリオ 造反 5 程度 その他 60 DUP 10 造反 10 程度 想定シナリオ 合意なき離脱 見通し 大差での否決となった場合 再度の下院採決実施が厳しくなり 合意なき離脱の可能性も ワーストシナリオケース 造反 10 程度 労働党 255 390 ~ 360 280 ~ 250 保守党 314 造反 50~80 再度の議会下院採決 EU と再交渉の上 より柔軟な離脱方針にシフトし 反対派の支持を取り付け合意案可決へ 2 度目の国民投票 メイ首相は国民投票は実施しないと明言しており 実施の場合はメイ首相辞任の可能性も 野党 (315) 反対賛成 与党 (324) 内閣不信任投票 ( 解散 総選挙 ) 大差での否決となった場合 労働党が解散 総選挙を呼びかける可能性あり 直近の情勢を英メディアなどを元に作成 議長など投票しない議席は除く 保守党内は離脱案に対し EU の属国になる との批判が根強く 造反者が多数出る見込み DUP もアイルランド問題に対する反発で 10 人全員が反対の姿勢であり 可決には 40~70 票不足している状況 保守党信任投票 ( 党首選 ) メイ首相辞任 これまで保守党離脱強硬派は何度か信任投票実施を試みてきたが 必要となる票数を集めた実績は無く実現は困難か メイ首相が自ら辞任となった場合は 直ちに党首選を実施する必要あり ( 資料 ) 各種報道等より作成 1

1-2. 社債デフォルト急増により高まるリスク 2018 年の社債デフォルトの件数及び金額は 過去最悪だった 2016 年を大幅に上回る ( ) ペースで増加 ( )2015 年中旬以降 中国等の景気減速 原油安 米国の利上げ開始に伴う緩和マネーの巻き戻しとそれによるグローバルな株安 ドル高よるドル建債務負担の増加 ドル建て債務返済に伴う新興国からの資金流出 更に欧州の信用不安 中国の 痛みを伴う構造改革 等が重なり合い 資本の厚みも増やせない状況下 社債のデフォルトが増加していた 当局による急なレバレッジ削減により 民間企業のデフォルトが加速 企業形態別の割合では 以前は国有企業 ( 地方 中央 ) が半分以上を占めていたものの 現在は民間企業が逆転した 互保聯保 と呼ばれる企業間での相互保証や連帯保証という形で銀行融資を受けている民間企業も多く 本土債のデフォルトが記録的な水準に増加する中でそうした相互保証に伴うストレスが連鎖するリスクが浮上 リスクを回避しようとする投資家が資金を引き上げるなど 足許は企業業績に関わらず社債の値下がりが生じているケースもあり 債券市場でのリスク連鎖が懸念される 社債デフォルト件数及び金額推移 社債デフォルト金額の企業形態別内訳 1200 1000 800 金額 ( 上場企業 左軸 : 億元 ) 金額 ( 非上場企業 左軸 : 億元 ) 件数 ( 右軸 : 件 ) 社数 ( 右軸 : 社 ) 120 100 80 その他 4% 外商独資 5% 地方国有企業 14% 中央国有企業 6% 600 60 400 40 民営企業 66% 合弁企業 5% 200 20 0 2014 2015 2016 2017 2018-Oct 0 ( 注 )2014 年初 ~2018 年 10 月末までの累計 ( 資料 )Bloomberg Wind みずほ総合研究所等より作成 2

2. ドル人民元推移 (2016 年 4 月以降 ) 7.0 チャイナショックによる資金流出が進み人民元安へ 当局の規制強化により元安抑制 堅調な人民元相場を背景に規制緩和へ 米中通商問題から元安へ 6.9 6.8 6.7 6.6 6.5 6.4 6.3 6 月 24 日 Brexit でリスクオフムードに 10 月 1 日人民元が SDR 構成通貨入り 5 月 18 日米 FOMC 議事要旨にて米利上げ観測拡大 1 月 4 日オフショア人民元急騰につられ オンショア人民元もドル安人民元高進行 11 月 9 日米大統領選挙 11 月 10 日 2010 年 9 月ぶりにドル人民元は 6.80 を突破 その後もドル高基調から人民元安が進行 5 月 24 日ムーディーズ中国国債格下げ 5 月 26 日人民元安進行を防ぐべく 反循環的調整要因 を導入 9 月 8 日外貨リスク準備金に係る規制を事実上撤廃 1 月 9 日当局は 反循環的調整要因 を停止 8 月 3 日外貨リスク準備金制度再開 6 月 24 日預金準備率引き下げ実施 6 月 15 日米国 中国に対して 500 億ドル分制裁関税発表 8 月 24 日 反循環的調整要因 再開 期間 :2016/4/1~2018/11/30 ドル / 人民元実勢相場 :6.2662~6.9740 6.2 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 2016 年 2017 年 2018 年 3

3. 円人民元推移 (2016 年 4 月以降 ) 125 120 115 チャイナショック及び BREXIT によるリスクオフ相場 7 月 29 日日銀追加緩和決定も市場の期待を下回る内容米第 2QGDP が市場予想比弱い結果 9 月 21 日日銀が追加緩和を決定 ( イールドカーブ コンロトール オーバーシュート型コミットメント ) トランプ米大統領誕生米金利上昇 ドル高 12 月 14 日米金利引き上げ トランプ相場の剥落 3 月 15 日 6 月 14 日米金利引き上げ 北朝鮮を巡る地政学リスクの高まり ECB 資産買入縮小決定 3 月 21 日米金利引き上げ 米金利上昇 世界株安 通商問題勃発 7 月 31 日日銀がフォワードガイダンス導入 イールドカーブコントロールの柔軟化実施 5.4 5.6 5.8 6.0 110 6.2 105 100 95 6 月 24 日 Brexit でリスクオフムードに 期間 :2016/4/1~2018/11/30 円 / 人民元実勢相場 :5.7080~6.6515 1 月 20 日トランプ米大統領就任 11 月 9 日米大統領選挙 12 月 13 日米金利引き上げ 6 月 13 日米金利引き上げ 2018 年政策金利見通し 3 回 4 回へ ドル / 円 ( 左軸 ) 円 / 人民元 ( 右軸 反転 ) 6.4 6.6 6.8 90 7.0 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 2016 年 2017 年 2018 年 4

4-1. 人民元為替相場見通し USD/CNY 100JPY/CNY CNY/JPY EUR/CNY 2018 年 2019 年 4~6 月 7~9 月 10~12 月 12 月 1~3 月 6.65 ~ 7.05 6.60 ~ 7.00 6.60 ~ 7.00 6.55 ~ 6.95 6.55 ~ 6.95 (6.90) (6.85) (6.85) (6.80) (6.80) 5.78 ~ 6.41 5.89 ~ 6.67 6.00 ~ 6.80 6.06 ~ 6.95 6.06 ~ 6.95 (6.27) (6.28) (6.40) (6.48) (6.60) 15.60 ~ 17.29 15.00 ~ 16.97 14.71 ~ 16.67 14.39 ~ 16.49 14.39 ~ 16.49 (15.9) (15.9) (15.6) (15.4) (15.1) 7.45 ~ 8.11 7.39 ~ 8.19 7.46 ~ 8.40 7.47 ~ 8.41 7.47 ~ 8.41 (7.87) (7.95) (7.95) (7.96) (7.96) 各主要通貨の見通し USD/JPY EUR/USD EUR/JPY 2018 年 2019 年 4~6 月 7~9 月 10~12 月 12 月 1~3 月 110 ~ 115 105 ~ 112 103 ~ 110 100 ~ 108 100 ~ 108 (110) (109) (107) (105) (103) 1.12 ~ 1.15 1.12 ~ 1.17 1.13 ~ 1.20 1.14 ~ 1.21 1.14 ~ 1.21 (1.14) (1.16) (1.16) (1.17) (1.17) 123 ~ 130 124 ~ 131 121 ~ 128 118 ~ 128 118 ~ 128 (125) (126) (124) (123) (121) みずほ ( 中国 ) 予想 () 内は各四半期の終値予想 5

4-2. 人民元為替相場見通し ( 総括 ) 人民元 ドル ユーロ < 現状 > 当局主導によるデレバレッジ推進により 民間企業の資金繰り悪化及び社債のデフォルト増加等を受けた株安に加え 中国としては 想定外 であった米中貿易摩擦激化により中国経済の不確実性 不透明感が高まったことにより 元安が進行 イタリア財政予算や英 Brexit 問題等欧州政局不安を背景としたユーロ安もドル高の動きを加速させ ドル高元安要因の一端に 12 月 1 日に開催された米中首脳会談では 対中関税を 90 日間猶予するという形で来年 1 月の追加制裁が回避され その後元高方向へ巻き戻しの動きが見られた < 見通し > 12 月に米国の利上げが想定される中 米中金利差は縮小傾向 さらに年末にかけてはレパトリの外貨買いニーズが高まることが見込まれることから 年内は引き続き元安基調が継続か 米中貿易摩擦における火種は依然として残ったままではあるものの パウエル FRB 議長が利上げに対するトーンを弱める中で 年明け以降は米利上げサイクルが終盤に差し掛かることに加え 中国の各種財政政策や金融政策 規制強化等も効果として表れてくると見られることから徐々に元安圧力は弱まり 緩やかに元高方向に推移する見通し < 現状 > 好調な米国経済や原油価格の上昇を背景とした物価先高感 これらに伴う米国の利上げ期待 米債の増発懸念等を要因に米金利が上昇 年後半のドルインデックスは高値圏で推移 < 見通し > FRB による緩やかな利上げや ユーロ安 新興国通貨安を受けてドルは騰勢を強めているが 足許は世界経済全体として景気循環がピークアウトの様相を強めており 新興国からの資本流出も懸念材料 今後 内外経済環境が徐々に利上げを正当化出来なくなり FOMC が現在よりも中立的なスタンスへ修正することで徐々にドル安が進む展開が想定される < 現状 > ユーロ圏の基礎的経済指標が軒並み悪化してきていることや イタリア新年度予算案を巡る欧州委員会との攻防 及び独首相の党首辞任報道や難航する英国の EU 離脱交渉等政局不安を背景にユーロ安が進行 < 見通し > イタリアを中心とした政局不安が燻る中 ECB は市場 経済の混乱を避ける為 利上げ着手には時間がかかる可能性も 今後スペイン等でも政治リスクが高まる可能性がある中 インフレ指標を含めた欧州経済指標の鈍化が確認された場合は 米金利低下によるドル安の下で大崩れこそ避けられるものの 上値を追うのは難しい状況に 6

5. 人民元金利市場動向 5.5 5 成長支援 資産バブル抑制 金融危機防止 に重点 中期貸出制度 (MLF) 常設貸出制度 (SLF) リバースレポ金利を引き上げ 預金準備率引き下げ 金融政策を緩和方向に微調整 4.5 4 3.5 O/N SHIBOR 1W SHIBOR 3M SHIBOR CDB2Y CDB3Y 3 2.5 2 1.5 1 Apr-16 Jul-16 Oct-16 Jan-17 Apr-17 Jul-17 Oct-17 Jan-18 Apr-18 Jul-18 Oct-18 7

6. 中国のマクロ情報 : 経済指標総括 カテゴリー経済指標対象月実績前回コメント 経済成長 GDP 成長率 ( 前年比 ) 2018 年 3Q 6.5% 6.7% 第 3 四半期 GDP 成長率は伸び悩んだ 米中貿易紛争の影響と株式市場の下落で中国の景気減速懸念が意識された 当局が景気刺激の為 多くの政策を出したものの 未だ有効な段階には至っていない また基礎建設と不動産開発の投資成長率の低下も続いている 景気動向 中国国家統計局製造業 PMI 2018 年 11 月 50.0 50.2 11 月の製造業 PMI は 50 に悪化し 今年の最低値を更新 海外需要の減少や新規注文の減少により 中小企業への影響が大きい 中国景気減速懸念が継続している 貿易統計 ( 元建て ) 貿易収支 2018 年 10 月 2,336.3 億元 2,132.3 億元 輸出 ( 前年比 ) 2018 年 10 月 20.1% 17.0% 輸入 ( 前年比 ) 2018 年 10 月 26.3% 17.4% 追加関税の発動に先駆けて出荷を前倒したことにより 輸出入ともに前年同期比大幅に増加 物価統計 CPI( 前年比 ) 2018 年 10 月 2.5% 2.5% PPI( 前年比 ) 2018 年 10 月 3.3% 3.6% CPI は安定な上昇を継続している 食品価格は先月より下落している PPI は引続き低下しており 国内需要の減少を反映している 金融政策 社会融資総額の新規増加額 ( 前年比 ) 2018 年 10 月 0.73 兆元 2.21 兆元 9 月の大幅増加の反発や国慶節連休で社会融資総額は前月比大幅に減少 企業の新規貸出の増加幅は短期 中長期ともに減少している 8

7. 当面のイベント 中国 米国 〇欧州 日付 指標 イベント 日付 指標 イベント 日付 国 指標 イベント 12/7 外貨準備高 12/3 ISM 製造業景況指数 12/5 欧 ユーロ圏小売売上高 12/8 貿易統計 12/6 貿易収支 12/11 独 ZEW 景況感指数 12/9 消費者物価指数 (CPI) 12/6 ISM 非製造業景況指数 12/21 欧 消費者信頼感指数 生産者物価指数 (PPI) 12/7 雇用統計 12/14 欧 マークイットユーロ圏製造業 PMI 12/10~15 マネーサプライM2 12/11 PPI 独 マークイットドイツ製造業 PMI 12/14 小売売上高 12/12 CPI 12/18 独 IFO 企業景況感指数 鉱工業生産 12/14 小売売上高 12/31 製造業 PMI 12/14 鉱工業生産 非製造業 PMI 12/14 マークイット米国製造業 PMI 12/19~20 FOMC 12/21 個人所得 支出 12/27 消費者信頼感指数. 12/27 新築住宅販売件数 日本 日付 指標 イベント 12/14 日銀短観 12/19 貿易統計 12/21 消費者物価指数 (CPI) 12/28 失業率 有効求人倍率 9

ご参考 1 グローバルマーケット : ドル円 (2016 年 4 月以降 ) 125 120 115 6 月 24 日 Brexit でリスクオフムードによる急激な円高 期間 :2016/4/1~2018/11/30 ドル / 円相場 :99.89~118.18 9 月 21 日日銀が追加緩和を決定 ( イールドカーブ コンロトール オーバーシュート型コミットメント ) 12 月 14 日米金利引き上げ 1 月 20 日トランプ米大統領就任 6 月 14 日米金利引き上げバランスシートの縮小に関する計画を発表 12 月 13 日 FOMC で 25bp の利上げを実施 2018 年の利上げ見通しは 3 回を維持 3 月 21 日米金利引き上げ 7 月 31 日日銀がフォワードガイダンス導入 イールドカーブコントロールの柔軟化実施 110 105 100 4 月 28 日 BOJ 会合 予想外の現状維持 4 月 23 日仏大統領選挙第 1 回投票ではマクロン氏とルペン氏の決選投票に決定 5 月 17 日ロシアゲートでリスク回避の動きが一段と強まる 6 月 13 日米金利引き上げ 2018 年政策金利見通し 3 回 4 回へ 7 月 8 日 8 月 5 日米雇用統計が市場予想を大きく上回る結果 95 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 2016 年 3 月 15 日米金利引き上げ 11 月 9 日市場予想に反し トランプ新大統領誕生が決定 2017 年 9 月 21 日 FOMC は年内の利上げ見通しを維持 2018 年 10

ご参考 2 グローバルマーケット : ユーロドル (2016 年 4 月以降 ) 1.23 1.18 1.13 1.08 6 月 24 日 Brexit でユーロ売り圧力が強まる 期間 :2016/4/1~2018/11/30 ユーロ / ドル相場 :1.0388~1.2555 10 月 4 日 ECB が資産買入れのペースを緩める ( テーパリング ) 観測報道 後に否定 7 月 8 日 8 月 5 日米雇用統計が市場予想を大きく上回る結果 11 月 9 日市場予想に反し トランプ新大統領誕生が決定 12 月 8 日債券購入プログラムの延長を決定 3 月 29 日英国が EU 離脱を通告 6 月 14 日米金利引き上げバランスシートの縮小に関する計画を発表 9 月 25 日メルケル氏が大統領選に勝利 6 月 27 日ト ラキ ECB 総裁による テ フレ圧力はリフレの力に置き換わった インフレを抑制している要因はすべて一時的なもの とのタカ派的な発言 5 月 17 日ロシアゲートでドルが下落 4 月 23 日仏大統領選挙第 1 回投票ではマクロン氏とルペン氏の決選投票に決定 4 月 17 日独経済指標低迷 ECB 利上げ観測後退 10 月 26 日 ECB 理事会が資産購入額の半減を決定 6 月 15 日 ECB 理事会にて 2019 年夏迄のマイナス金利継続を表明 1.03 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 01 月 04 月 07 月 10 月 2017 年 2018 年 11

ご参考 3 人民元為替相場 :2005 年以降の推移 2005 年 : 人民元切り上げ開始 2008-2009 年 : 米国のリーマンショックを背景に実質固定相場期間開始 2010 年から元高進行再開 2014 年 : 人民元相場は双方向へ推移も 11 月の金利引き下げにより再度元安進行 2015 年 :8 月 11 日人民銀行仲値の算出方法変更により 実質的な通貨切り下げ (6.21 6.40 台 ) 2016 年 : 年初 ドル人民元は 2011 年の水準まで元安進行 春節明けから元高方向へ戻るも再び元安が進行 6 月の英国民投票による EU 離脱派勝利によるリスクオフ 11 月の米大統領選でトランプ候補勝利により財政出動等への期待を背景としたドル高を経て ドル人民元は 2008 年以来の元安水準へ 8.5 8.0 ドル / 人民元実勢相場 元安 7.5 7.0 9.5 8.5 2005 年 7 月 21 日元 2.1% 切上げ 相場の柔軟性を高めると発表 2012 年 4 月 14 日日中の変動幅拡大 2014 年 3 月 17 日日中の変動幅拡大 2015 年 8 月 11 日人民元相場の水準調整を実施 6.5 外国為替管理改革スタート 通貨バスケット制を参考し 管理された変動相場制に移行 6.0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 円 / 人民元実勢相場 元高 元安 7.5 6.5 5.5 4.5 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 元高 12

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