平成28年度 第1回 臨床研究に関する研修会

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平成29年度 第1回 臨床研究に関する研修会

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

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Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

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個人情報保護規定

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(3) 倫理学 法律学の専門家等 本法人に所属しない人文 社会科学の有識者若干名 (4) 一般の立場から意見を述べることができる者若干名 (5) 分子生物学 細胞生物学 遺伝学 臨床薬理学 病理学等の専門家若しくは遺伝子治療等臨床研究の対象となる疾患に係る臨床医として 日本医科大学長が推薦した者若干

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第 4 条公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするもので次に掲げるものは, 規則で定めるところにより, 防犯カメラの設置及び運用に関する基準 ( 以下 設置運用基準 という ) を定めなければならない (1) 市 (2) 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 260 条の2

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(5) 既存試料等 (6) 個人情報 (7) 保有する個人情報 (8) 匿名化 (9) 連結可能匿名化 (10) 連結不可能匿名化 (11) 研究者等 (12) 研究責任者 (13) 組織の代表者等 (14) 臨床研究機関 (15) 共同臨床研究機関 (16) 倫理審査委員会 (17) インフォーム

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同意説明文書(見本)

Transcription:

平成 28 年度第 1 回 臨床研究に関する研修会 臨床研究センター臨床研究ユニット 平成 28 年 4 月 22 日 1

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針について 2

臨床研究における様々な指針 医薬品 医療機器 再生医療等製品の承認申請を目的としているか? Yes 治験 No 治験以外の臨床研究 法律 医薬品医療機器等法 ( 旧薬事法 ) 省令 臨床試験の実施の基準に関する省令 (GCP) 通知 臨床試験の実施の基準に関する省令のガイダンス ヒト幹細胞研究 医療等ヒト幹細胞を研究用いる臨床研究に関する指針 生殖補助医療研究 ( ヒト受精胚作成を行う ) 遺伝子治療研究 遺伝子治療臨床研究に関する指針 遺伝子解析研究 ヒトゲノム 遺伝子解析研究に関する倫理指針 疫学研究 疫学研究に関する倫理指針 左記指針 他法令外臨床研究 告示 告示 告示 告示 告示 告示 再生 廃止 ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針 再生医療等の安全性の確保等に関する法律 臨床研究に関する倫理指針 統合人を対象とする医学系 3 研究に関する倫理指針

目的及び基本方針 研究対象者の人権の保護 安全の保持及び福祉の向上を図りつつ 人を対象とする医学系研究の科学的質及び結果の信頼性並びに倫理的妥当性を確保する事を目的とし 研究者等の責務等 研究計画書 倫理審査委員会 インフォームド コンセント等 個人情報等 重篤な有害事象への対応 研究の信頼性確保等に関して 研究者等 研究機関の長 倫理審査委員会その他の関係者の遵守事項について定めたもの 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス 4

人を対象とする医学系研究 人 ( 試料 情報も含む ) を対象として 傷病の成因 病態の理解ならびに傷病の予防方法 医療における診断方法 治療方法の改善 有効性の検証を目的として実施される活動 個人の健康に関する情報を用いた疫学的手法による研究 侵襲 介入の有無に関わらず 研究対象者から新たに取得した試料 情報を用いる研究や 既存試料 情報を用いる研究 5

指針の対象とならないもの 傷病の予防 診断又は治療を専ら目的とする医療 情報共有のための個別の症例報告 既存の医学的知見等について患者その他一般的な理解の普及を図るための出版物 広報物 自施設における医療評価のため 診療実績 ( 受診者数 処置数 治療成績等 ) の集計 ( 所属する医療従事者に供覧 事業報告 ) 自施設において提供される医療の質の確保のための施設内データの集積 検討 6

研究責任者の責務 1. 研究計画書の作成 2. インフォームド コンセントを受ける手続き 3. 研究の管理 監督 4. 研究機関の長への報告 5. 研究に関する登録 公表 6. 研究実施後の研究対象者への対応 7

1. 研究計画書の作成 研究を実施する際に適切な研究計画書を作成する 研究の倫理的妥当性及び科学的合理性の確保 研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価 作成された研究計画書は倫理委員会で審査を受け 研究機関の長の許可を受ける ( 長崎大学病院臨床研究倫理委員会の場合は病院長 ) 研究機関長の許可を受けた研究計画書に基づき研究を実施 8

研究計画書の記載事項 1 研究の名称 2 研究の実施体制 ( 研究機関の名称及び研究者等の氏名を含む ) 3 研究の目的及び意義 4 研究の方法及び期間 5 研究対象者の選定方針 6 研究の科学的合理性の根拠 7 第 12 の規定によるインフォームド コンセントを受ける手続等 ( インフォームド コンセントを受ける場合には 同規定による説明及び同意に関する事項を含む ) 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法を含む ) 9 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益 これらの総合的評価並びに当該負担及びリスクを最小化する対策 10 試料 情報 ( 研究に用いられる情報に係る資料を含む ) の保管及び廃棄の方法 11 研究機関の長への報告内容及び方法 12 研究の資金源等 研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等 研究者等の研究に係る利益相反に関する状況 13 研究に関する情報公開の方法 9

14 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応 15 代諾者等からインフォームド コンセントを受ける場合には 第 13 の規定による手続 ( 第 12 及び第 13 の規定による代諾者等の選定方針並びに説明及び同意に関する事項を含む ) 16 インフォームド アセントを得る場合には 第 13 の規定による手続 ( 説明に関する事項を含む ) 17 第 12 の 5 の規定による研究を実施しようとする場合には 同規定に掲げる要件の全てを満たしていることについて判断する方法 18 研究対象者等に経済的負担又は謝礼がある場合には その旨及びその内容 19 侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) を伴う研究の場合には 重篤な有害事象が発生した際の対応 20 侵襲を伴う研究の場合には 当該研究によって生じた健康被害に対する補償の有無及びその内容 21通常の診療を超える医療行為を伴う研究の場合には 研究対象者への研究実施後における医療の提供に関する対応 22研究の実施に伴い 研究対象者の健康 子孫に受け継がれ得る遺伝的特徴等に関する重要な知見が得られる可能性がある場合には 研究対象者に係る研究結果 ( 偶発的所見を含む ) の取扱い 23研究に関する業務の一部を委託する場合には 当該業務内容及び委託先の監督方法 24研究対象者から取得された試料 情報について 研究対象者等から同意を受ける時点では特定されない将来の研究のために用いられる可能性又は他の研究機関に提供する可能性がある場合には その旨と同意を受ける時点において想定される内容 25第 20 の規定によるモニタリング及び監査を実施する場合には その実施体制及び実施手順 10

2. インフォームド コンセントを受ける手続き 研究の内容に応じてインフォームド コンセント ( 以下 IC) を受ける手続きについて検討し研究計画書に定める 手続きの種類 文書 IC 口頭 IC( 記録作成を含む ) オプトアウト ( 情報公開 + 拒否機会 ) 同意説明文書 / 情報公開文書を作成する場合は患者さんが読みやすく 理解できる言葉で作成! 専門用語や略語は使用しない!! 図や表を用いてわかりやすく!!! 研究計画書と相違がないように作成!!!! 11

新たに試料 情報を用いる際の IC 手続き 侵襲 YES 文書 IC NO 介入 NO YES 文書 IC 口頭 IC+ 記録作成 人体から取得された試料 YES 文書 IC 口頭 IC+ 記録作成 NO 文書 IC 口頭 IC+ 記録作成オプトアウト オプトアウト ( 情報公開 + 拒否機会 ) 12

既存試料 情報のみを用いる場合 試料等の連結可能匿名化 ( 院内に対応表あり ) No 手続き不要 ( 連結不可能匿名化あるいは 院内に対応表を保有しない ) Yes 人体から取得された試料 No オプトアウト Yes 文書 IC 口頭 IC+ 記録作成オプトアウト ( 条件あり ) オプトアウト ( 情報公開 + 拒否機会 ) 13

説明内容 インフォームド コンセントを受ける手続き ( 文書 口頭 ) 1 研究の名称及び当該研究の実施について研究機関の長の許可を受けている旨 2 研究機関の名称及び研究責任者の氏名 ( 他の研究機関と共同して研究を実施する場合には 共同研究機関の名称及び共同研究機関の研究責任者の氏名を含む ) 3 研究の目的及び意義 4 研究の方法 ( 研究対象者から取得された試料 情報の利用目的を含む ) 及び期間 5 研究対象者として選定された理由 6 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益 7 研究が実施又は継続されることに同意した場合であっても随時これを撤回できる旨 ( 研究対象者等からの撤回の内容に従った措置を講じることが困難となる場合があるときは その旨及びその理由 ) 8 研究が実施又は継続されることに同意しないこと又は同意を撤回することによって研究対象者等が不利益な取扱いを受けない旨 9 研究に関する情報公開の方法 10 研究対象者等の求めに応じて 他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧できる旨並びにその入手又は閲覧の方法 14

11 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法を含む ) 12 試料 情報の保管及び廃棄の方法 13 研究の資金源等 研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等 研究者等の研究に係る利益相反に関する状況 14 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応 15 研究対象者等に経済的負担又は謝礼がある場合には その旨及びその内容 16 通常の診療を超える医療行為を伴う研究の場合には 他の治療方法等に関する事項 17 通常の診療を超える医療行為を伴う研究の場合には 研究対象者への研究実施後に おける医療の提供に関する対応 18 研究の実施に伴い 研究対象者の健康 子孫に受け継がれ得る遺伝的特徴等に関する重要な知見が得られる可能性がある場合には 研究対象者に係る研究結果 ( 偶発的所見を含む ) の取扱い 19 侵襲を伴う研究の場合には 当該研究によって生じた健康被害に対する補償の有無及びその内容 20 研究対象者から取得された試料 情報について 研究対象者等から同意を受ける時点では特定されない将来の研究のために用いられる可能性又は他の研究機関に提供する可能性がある場合には その旨と同意を受ける時点において想定される内容 21侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) を伴う研究であって介入を行うものの場合には 研究対象者の秘密が保全されることを前提として モニタリングに従事する者及び監査に従事する者並びに倫理審査委員会が 必要な範囲内において当該研究対象者に関する試料 情報を閲覧する旨 15

対象 インフォームド コンセントを受ける手続きオプトアウト ( 情報公開 + 拒否機会 ) 侵襲 介入がなく既存試料 情報のみを利用する研究 ( 後ろ向き観察研究など ) で 研究機関の長が許可した研究 方法 研究の概要や情報を予め通知 公開し研究対象者等が拒否できる機会を保障する 公開する内容 研究の概要 ( 目的 研究対象者 研究の方法 利用する情報 試料など ) 研究期間 研究機関の名称並びに研究責任者の氏名 連絡先 情報利用の拒否の申し出があった場合は速やかに解析対象から除外 16

3. 研究の管理 監督 項目 研究計画書の遵守徹底 内容 f 研究が研究計画書通りに進められているか確認 実施に携わる研究者をはじめとする関係者の指導 管理 有害事象 進捗状況 有害事象の発生状況とその対応 重篤な有害事象発生時の対応 他の研究者等または共同研究施設への情報提供 研究の進捗状況 ( 実施症例や脱落症例等 ) を把握 多施設共同研究の場合は研究全体の進捗状況を把握 全体の進捗状況を把握した上で研究期間の延長や継続の可否を検討 研究の継続 中止等の検討 ( 左記に該当する場合 ) 研究の倫理的妥当性 科学的合理性を損なう恐れがある情報を得た場合 研究の適格性 研究結果の信頼性を損なう恐れがある情報を得た場合 期待される利益よりも予測されるリスクが高いと判断された場合 ( 中止 ) 十分な成果が得られた または十分な成果が得られないと判断された場合 ( 中止 ) 17

項目 試料 情報の管理 情報共有 個人情報の管理 研究計画書あるいは手順書に従い管理 保管 廃棄 試料 情報等の漏えい 混交 盗難 紛失等の発生防止 研究に関する情報 ( 安全性 進捗等 ) について 研究者等への情報提供 多施設共同研究については研究機関 研究責任者間で円滑に情報共有できるように窓口の明確化 ( 事務局設置等 ) 研究計画書あるいは手順書等に従いモニタリング 監査を実施 モニタリング及び監査に従事する者の指導 管理 あり 介入 あり モニタリング : 必須監査 : 任意 モニタリング 監査 侵襲 なし なし モニタリング : 任意監査 : 任意 モニタリング : 任意監査 : 任意 ( 注 ) 監査は対象となる研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者は実施不可 18

4. 研究機関の長への報告 項目 重篤な有害事象 侵襲を伴う研究において 重篤な有害事象発生時 ( 他施設で発生した場合も同様 ) 内容 重篤な有害事象の内容 研究との因果関係の有無 経過 転帰 研究責任者の見解等 研究との因果関係は問わない 変更申請 研究計画の変更時例 ) 検査項目の追加 研究期間の変更 変更内容と変更理由研究者等の変更 実施状況 研究の終了 ( 中止 ) 結果の公表 年に 1 回 又は必要に応じて 研究を終了 ( 中止 ) 時 結果の最終公表時 ( 侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) 介入を伴う研究の場合 ) 研究の進捗状況 有害事象の有無 逸脱発生の有無 研究を終了 ( 中止 ) した旨 ( 中止の場合は中止理由も ) 研究結果の概要 結果の最終公表時期 公表内容 公表場所 19

研究の概要の登録 5. 研究に関する登録 公表 1. 介入を伴う研究を実施するに先立ち 下記のいずれかの公開データベースに研究の概要を登録 国立大学附属病院長会議 :UMIN 一般財団法人日本医薬情報センター :JAPIC 公益社団法人日本医師会 :JMA CCT 2. 研究結果の公表 研究終了時には研究の結果を公表 ( 介入 侵襲の有無は問わず ) 侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) 介入を伴う研究の結果の最終の公表を行った際は研究機関の長へ報告 20

6. 研究実施後の研究対象者への対応 通常の診療を超える医療行為を伴う研究を実施した場合 研究終了後においても研究対象者が当該研究の結果により得られた最善の予防 診断及び治療を受けることができるよう努める 特に 未承認医薬品 医療機器の使用又は既承認医薬品 医療機器の承認等の範囲 ( 効能 効果 用法用量等 ) を超える使用を伴う研究を実施後には 当該治療等を受けられるか否かの判断を行うにあたり 結果により得られた知見のほか 継続するために必要な経済的負担を含めて研究対象者等に説明 21

研究者等の責務 1. 教育 研修 2. 臨床研究の実施 3. 個人情報等に係る基本的責務 22

1. 教育 研修 研究に必要な知識 技術 研究に関する指針 並びに一般的な遵守すべき各種規則 研究活動における不正行為 研究活動に係る利益相反など 研究期間中も継続して教育 研修を受ける必要があります! 教育研修の当院の規定については後程説明します 23

2. 臨床研究の実施 研究対象者の生命 健康及び人権を尊重し研究を実施 原則として予めインフォームド コンセントを取得 法令 指針を遵守し研究機関の長の許可を得た研究計画書に従って適正に研究を実施 研究の妥当性 科学的合理性 研究結果の信頼性を損なう事実 もしくは情報を得た場合には速やかに研究責任者又は研究機関の長へ報告 侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害事象の発生を知った場合には 研究計画書又は手順書等に従い 研究対象者等への説明等 必要な措置を講じるとともに 速やかに研究責任者に報告 24

3. 個人情報等に係る基本的責務 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 の他 下記の法律 条例等を遵守し臨床研究を実施 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号 ) 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 58 号 ) 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 59 号 ) 地方公共団体において制定される条例等 25

3. 個人情報に係る基本的責務 死者の尊厳及び遺族等の感情に鑑み 死者について特定の個人を識別することができる情報に関しても 生存する個人に関するものと同様に 適切に取り扱う 研究者等は 研究の実施に当たって 偽りその他不正の手段により個人情報等を取得しない 研究者等は 原則としてあらかじめ研究対象者等から同意を受けている範囲を超えて 研究の実施に伴って取得された個人情報等を取り扱わない 26

長崎大学病院における 倫理委員会申請時の注意点について 27

教育 研修 1 研究者等は 臨床研究の実施に先立って 研究に関する倫理並びに研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育 研修の受講が必要 CITI Japan e- ラーニングプログラム http://edu.citiprogram.jp/defaultjapan.asp?language=japanese 当該プログラムを受講するには 事前に登録が必要 希望者 受講歴の確認は病院総務課 ( 内線 :2540) へ連絡 28

教育 研修 2 年に1 回程度教育 研修の受講が必要 ( 継続研修 ) 年に1 回以上の研修会への参加が原則 ( どうしても参加出来ない場合はe-ラーニング+テスト ) 前年度中に 1 回以上 臨床研究に関する研修会 (e- ラーニング受講を含む ) に参加していない場合は新規申請は不可 e- ラーニング受講後は必ずテストを受けて下さい テスト成績 80 点以上で合格です ( ランダム 5 問 ) 29

倫理委員会の選択 研究責任者の所属に関係なく長崎大学病院の患者さんの試料 情報を用いる研究は長崎大学病院臨床研究倫理委員会へ申請 ( 医学部保健学科 医歯薬学総合研究科保健学専攻所属は除く ) 内容 1 健常人 ( ボランティア ) のみを対象とする場合医歯薬 2 長崎大学病院の患者の試料 情報を使用する場合 病院 申請先が不明な場合は総務課 ( 内線 :2540) へ連絡 30

ヒトゲノム 遺伝子解析研究倫理審査委員会 ヒトゲノム 遺伝子解析研究に関する倫理指針に準拠して行う研究についてはまず ヒトゲノム 遺伝子解析研究倫理審査委員会 へ申請 委員会で指示された時のみ病院臨床研究倫理委員会へ申請 ( その際には ヒトゲノム 遺伝子解析研究倫理審査委員会で許可された計画書 同意書 承認書を提出 ) 特に指示されない場合は病院倫理委員会への申請は不要 31

申請方法 電子申請システム (CT-Portal) から申請 ログイン ID:aa 職員番号パスワード : 生年月日 ( 初期 ) サービスコード :nagasaki-univ 操作 入力で不明な点はマニュアルを確認して下さい ( 学内限定 ) ID が登録されていない研究者は総務課 ( 総務 )( 内線 :2540) へ連絡 32

倫理申請の流れ 研究者 申請 差し戻し (4 営業日以内 ) 再申請 研究計画書 同意説明文書の記載内容 倫理委員会申請書 関連書類の確認を行います 事務局 / 臨床研究センタ 申請受理後 倫理委員会へ 注意 病院倫理委員会 締切 ( 委員会開催 2 週間前の水曜日 17:00) までに事務局 / 臨床研究センターでの指摘事項等の修正が完了したのを確認された研究のみ その月の倫理委員会で審議されます 他の業務の兼ね合いや 申請順にチェックする事を考慮して 4 営業日以内とさせて頂きます 差し戻しの期限や修正する時間も考慮して申請して下さい 33

倫理申請時に必要な書類 研究計画 ( 新規申請 ) 倫理審査申請書 ( 研究計画 ) 利益相反審査自己申告書 研究計画書 同意説明文書 / 同意書または情報公開文書 その他 臨床応用計画 倫理審査申請書 ( 臨床応用計画 ) 利益相反審査自己申告書 同意説明文書 / 同意書 参考文献 製品概要 症例報告 倫理審査申請書 ( 症例報告 ) 利益相反審査自己申告書 発表予定の抄録 / 論文 院内製剤 倫理審査申請書 ( 院内製剤 ) 利益相反審査自己申告書 院内製剤使用計画書 ( 現在検討中 申請時に確認して下さい ) 34

提出書類について 申請時の注意点 研究計画書 同意説明文書 申請書の内容に相違がないようにして下さい 薬剤や医療機器などを使用する研究については添付文書や製品概要も提出して下さい 修正後に再提出する場合は修正履歴 コメントを削除して提出して下さい 35

再申請時の注意点 CT ポータル上で倫理審査申請書や利益相反審査自己申告書を修正し 再提出する際は 再度 関連ファイル登録 より 申請書 申告書の自動添付を行う 修正後に保存のみでは最新情報が申請書類に反映されません 初回の申請と同様修正後は PDF か Word を選択 36

関連書類のひな形 臨床研究センターのホームページに各種ひな形を掲載しています ひな形は随時更新しています 使用するひな形が最新版かどうかを確認してから作成して下さい 37

臨床研究に関する支援 研究計画相談 研究デザイン インフォームド コンセントの方法 研究計画書 同意説明文書作成時の注意点 モニタリング実施体制の検討など 統計相談 研究計画書 同意説明文書チェック ( 申請前 ) UMIN 登録支援 情報公開支援 統計に関する勉強会 38

臨床研究に関する問い合わせ 臨床研究センター臨床研究ユニット内線 :7726 mail:rinshou7726@umin.ac.jp 平日 9:00~17:00( 時間外は要相談 ) 臨床研究センターホームページ http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/research/ 39