温室効果が低く環境に優しい代替フロン (CF3I) を用いた世界トップレベルの半導体加工技術の実現 平成 19 年 9 月 28 日 NEDO 環境技術開発部 ( 株 ) 半導体先端テクノロジーズ 1
我が国の代替フロン等 3 ガス 排出削減への取り組み 2
我が国の京都議定書による温室効果ガス削減目標 (1990 年比 6% 削減 ) 我が国の京都議定書目標 ( 6%) の内訳 エネルギー起源 CO2 非エネルギー起源 CO2 CH4 N2O 代替フロン等 3 ガス HFC PFC SF6 森林吸収 CDM 等 温室効果ガス排出量合計 基準年百万 t-co2 2010 年百万 t-co2 課題 1048 1056 +0.6% 以内 139 124 1.2% 以上 50 51 +0.1% 以内 --- --- : 代替フロン等 3 ガス分野は 1995 年を基準年とした CO2 換算排出量比 68 吸収源 : 3.9% CDM 等 : 1.6% 1237 1163 6% 3
京都議定書対象温室効果ガ議定書温室効果ガス排出削減の取り組みの流れ 基準年 ( 単位 : 百万 ton-co2) エネルギー起源 CO2 (+0.6%) 1056 CO 2 1122 N 2 O 40 CH 4 25 (1990 年 ) 1187 経済成長による増加 代替フロン等 3 ガス 非エネ起源 CO2 メタン排出 一酸化二窒素排出 ( 1.2%) 124 森林吸収源 3.9% CDM 等 1.6% 計 ( 5.5%) 68 1112 6% 削減 1237 HFC 20.2 PFC 12.6 50 3 ガス (+0.1%) 51 1163 スSF 6 16.9 (1995 年 ) 基準排出量 1237 特定フロン類 160 モントリオール(1995 年 : 参考値 ) 特定フロンからの移行阻止 回収 除害技術 代替物質の開発 ノンフロン化技術 CFC 65.0 HCFC 95.0 最終的に使用禁止 (2030 年 ) 数値は H17 年 3 月 30 日地球温暖化対策推進本部 京都議定書達成目標計画 ならびにモントリオール議定書関係資料より抜粋 4
特定フロン類 (CFC HCFC) および代替フロン類等 3 ガス (HFC PFC SF6) 排出量推移 排出量 (1 排出量 (100 万 t-co2) 0 0 万 t - C O 250 200 150 100 65.0 95.0 CFC HCFC の代替として 3 ガス排出量が増加 46.0 118.4 CFC HCFC 3 ガス 2 50 )49.7 67 51 39.1 0 1995 実績 2000 実績 2010 自然体 2010 第 1 次目標 2010 第 2010 2 次目標 削減目標値達成のため重点対策が必要 67.5 107 2010 見通し (1998 年の時点における自然体の推定値 - 当初見通し ) 地球温暖化対策推進大綱 (1998 年 ) 目標値 :+2% ( 73 百万 t-co 2 ) 京都議定書目標達成計画 (2004 年 ) 目標値 :+0.1% ( 51 百万 t-co 2 ) 67.5 2010 見通し (2004 年度時点での推定値 ) 67.5 ( 現行対策での推定値 ) 出典 : 産業構造審議会化学 バイオ部会第 12 回地球温暖化防止対策小委員会 H17/6 月 CFC HCFC の値は NEDO による推定値 5
代替フロン削減目標 (5600 万 ton-co2 削減 ) 達成のための重点的取り組み 1995 年 ( 基準年 ) 49.7 2010 年推定値 107 (+5%) 2010 年 ( 第 1 次削減目標値 ) 73.7 (+2%) HFCs 20.2 PFCs 12.6 HFCs 51.1 SF6 16.9 2010 年自然体での予測値 107 PFCs 10.8 SF6 11.8 第 1 次削減量目標 (1998) 107-73=34 2010 年削減量加速 ( 再精査による削減量加速 ) 66.6 (+2%) 単位 ( 百万 t-co2) (2004 再精査 ) 73-66=7 追加対策 2010 年 ( 第 2 次削減目標値 ) 51.7 (+0.1%) 発泡 断熱材 HFCs 34.9 冷凍空調機器 半導体 液晶製造 金属製造 PFCs 8.7 SF6 8.0 第 2 次削減目標追加措置 (2005) 73-51=22 最終削減目標 107-51=56 重点対策分野 発泡断熱 冷凍空調機器 半導体 液晶製造 金属製造等の分野での代替フロン 脱フロン技術の開発と普及 6
代替フロン等 3 ガス排出量の分野別実績 ( 年 ) 1995 基準年 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 総排出量 51.2 51.8 50.1 45.3 38.7 34.0 28.8 25.1 23.5 19.3 (100 万 t-co2) 17.2 16.6 HFC 等製造に係る事項 22.9 21.2 19.1 17.6 17.1 14.9 11.6 8.4 7.3 3.2 2.6 3.2 発泡 断熱材に係る事項エアゾール等に係る事項冷凍空調機器に係る事項洗浄剤 溶剤に係る事項半導体等製造に係る事項 絶縁ガス機器に係る事項金属製品に係る事項 0.5 1.4 0.8 10.4 4.1 11.0 0.2 0.4 2.1 1.2 9.9 5.0 11.8 0.2 0.4 2.6 1.5 9.6 6.2 10.3 0.3 0.4 2.9 1.8 6.7 6.4 9.1 0.5 0.4 2.8 2.1 3.7 6.8 5.0 0.7 0.4 2.8 2.5 2.2 7.4 2.8 1.0 0.4 2.7 2.9 2.2 5.7 2.0 1.2 0.4 2.7 3.4 1.7 5.7 1.5 1.1 0.7 2.6 3.7 1.5 5.5 1.2 1.0 0.6 2.2 4.0 1.5 5.8 1.0 1.0 0.3 1.6 4.4 1.7 4.9 0.7 1.0 0.3 1.1 4.2 1.6 4.6 0.7 0.9 出典 : 産業構造審議会化学 バイオ部会第 17 回地球温暖化防止対策小委員会 H19/6 月 : 目標計画策定時の基準年 (1995 年 ) 総排出量は 49.7( 50) 百万 t-co2 とされていたが その後 推計方法の変更や更なる使用実態の把握等により変更されている 発泡 断熱材 冷凍空調機器 半導体等製造 及び 金属製品 が増加傾向にある 7
HFC 等 3 ガス分野別排出量推移 ( 京都議定書対象外の HFC PFC を除く ) HFC 等 3 ガスガス別排出量推移 ( 京都議定書対象外の HFC PFC を除く ) ( 百万 GWPt) 60.0 50.0 40.0 金属製品に係る事項電気絶縁ガス使用機器に係る事項半導体等製造に係る事項洗浄剤 溶剤に係る事項冷凍空調機器に係る事項エアゾール等に係る事項発泡 断熱材に係る事項 HFC 等製造に係る事項 ( 百万 GWPt) 60.0 50.0 40.0 SF6 PFC HFC 30.0 30.0 20.0 20.0 10.0 10.0 0.0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 0.0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出典 : 産業構造審議会化学 バイオ部会第 17 回地球温暖化防止対策小委員会 H19/6 月 8
代替フロン等 3 ガス排出抑制状況の国際比較について 国際比較が可能な 2004 年時点で 我が国の排出量は 基準年比約 48% 減少しているが 一方で 米国は約 51% の大幅増 また EU は横ばいに留まっている なお 中国については 詳細なデータは不足しているが WRI-CAIT の 2000 年ベースと我が国 (2004 年 ) を比較すると 約 2.3 倍の排出量になる 現在は より増加しているものと推測される 先進各国の代替フロン等 3 ガス排出量推移 ( 百万 GWPt) 114 120 133 132 135 125 133 131 143 米国 95 EU15 ヵ国 67 72 76 76 66 64 61 64 67 66 日本 51 52 50 45 39 34 29 25 23 19 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 資料 :UNFCCC 9
NEDO の代替フロン等 3 ガス 排出削減への取り組み 10
温暖化対策目標へ向けた組織的取り組み (1990 年比 6% 削減 ) 我が国の京都議定書目標 ( 6%) の内訳 エネルギー 環境技術本部による総合的貢献 エネルギー起源 CO2 非エネルギー起源 CO2 CH4 N2O 代替フロン等 3 ガス HFC PFC SF6 森林吸収 CDM 等 温室効果ガス排出量合計 基準年百万 t-co2 2010 年百万 t-co2 課題 1048 1056 +0.6% 以内 139 124 1.2% 以上 50 51 +0.1% 以内 --- --- 68 吸収源 : 3.9% CDM 等 : 1.6% 1237 1163 6% 省エネ技術開発部新エネ技術開発部環境技術開発部エネルギー対策推進部 省エネ技術開発部新エネ技術開発部 環境技術開発部 エネルギー対策推進部および京都メカニズム事業推進部 : 代替フロン等 3 ガス分野は 1995 年を基準年とした CO2 換算排出量比 11
NEDO におけるフロン対策分野の技術開発の流れ (1) ~1997 代替物質の開発 ロータリーキルン方式 CFC 分解処理技術 (1996~1998) プラズマ方式特定フロン破壊処理技術 (1993~1995) 実線は実施済み 実施中のPJ, 点線は検討中のPJ 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010~ 新規冷媒等研究開発 (1994~2001) 建築用断熱材フロン回収 処理技術調査 (2000~2001) 液中燃焼方式 HFC-23 破壊技術の開発 (1998~2001) プラズマ方式 SF6 等に代替するガスを利用した電子デバイスクリーニンク フ ロセスシステムの研究開発 (1998~2002) 回収 破壊技術の開発 電子デバイス製造プロセスで使用するエッチングガスの代替ガスシステム及び代替プロセスの研究開発 (1999~2003) シクロペンタン断熱材からのシクロペンタン回収技術開発 (1999~2000) ハロン破壊実証試験 (1999~2000) HFC 等破壊処理技術調査 (1999~2000) 省エネフロン代替物質合成技術開発 (2002~006) ノンフロン化技術の開発 SF6フリー高機能発現 Mg 合 SF6フリー高機能発現 Mg 合金組織制御技術開発金組織制御技術開発 PJ (2004~2006) 超臨界 CO2 による断熱発泡材の開発 空気サイクル冷凍システム空調技術の開発 断熱材中のフロン回収 無害化技術 現場発泡 ( 新規フロン代替物質 ) 実証研究開発を経て実用化へ SF6 代替ガスによる送変電機器技術の開発 実用化研究を経て実用化へ 新規フロン代替物質を使用したエッチング性能評価 水発泡を含むノンフロン発泡材の革新的ノンフロン系断熱材技術開発断熱性能劣化防止 (2007~2011) 建築物解体現場向け可搬型処理装置の開発 ( 実用化 ) CDM JI 事業への適用 ノンハロン消火システムの基礎技術開発 省エネ型 SF6 代替ガス利用 Mg 鋳造システムの開発 ノンフロンダストブロワーの開発 ノンフロン冷凍 / 空調システムの開発 (2005~2009) 市場化促進支援へ 自動車 家電リサイクル現場向高機能回収無害化設備の開発 送変電分野からの温室効果ガス排出抑制 半導体 MEMS 分野からの温室効果ガス排出抑制 ノンハロン消火システムの世界市場投入 SF6 フリーマク ネシウム鋳造 製造技術開発 タ ストフ ロワー分野の完全ノンフロン化 発泡分野の完全ノンフロン化達成 冷凍空調システムからの冷媒漏洩対策 断熱発泡材中のフロン回収無害化達成 リサイクル現場のフロン漏洩セ ロ化無害化達成 フロン製造 利用現場の漏洩ゼロ化 ( 含海外 ) 12
NEDO におけるフロン対策分野の技術開発の流れ (2) [ 第 1 期 : 回収 破壊技術の開発 ] CFC HFC 等破壊 回収技術開発 ( プラズマ キルン 焼却方式 ) ~ 2005 年 ~ 2010 年 2008 年 京都議定書第 1 約束期間 (2008 年 ~2012 年 ) [ 第 4 期 :NEDO 開発技術の実証 普及 ] 2012 年 ~ 2015 年 HFC-23 破壊技術の開発 設備実用化実証 [ 第 2 期 : 代替物質の開発 ] 電子テ ハ イスクリーニンク エッチンク カ ス等技術開発 ( 低 GWP 合成ガス開発 ) 地域地球温暖化防止支援事業 (H18~20 年度 ) 省エネフロン代替合成技術開発 ( 絶縁カ ス 断熱 エッチンク マク ネシウム等 ) 新規フロン代替物質を使用したエッチング性能評価 開発技術の実証 普及促進地球温暖化対策推進大綱目標達成希少資源対応フロン回収システム開発世界規模での温暖化抑止への貢献開発技術の CDM JI 化 [ 第 3 期 : ノンフロン化技術の開発 ] 超臨界 CO2 による断熱発泡材開発 /CO2 圧縮機 空調機の要素技術開発 SF6 フリー Mg 合金組成制御技術開発 革新的ノンフロン系断熱材技術開発 ノンフロン冷凍空調システム開発 ( 業務 住宅 車 ) 13
参考資料 新規代替フロン CF3I について 地球温暖化係数 GWP 1 オゾン層破壊係数 ODP 0.006 14