平成 30 年度学力 学習状況調査の結果 分析と今後の取組について 教育委員会 本年 4 月に小学校第 6 学年及び中学校第 3 学年を対象に実施された 学力 学習状況調査 の結果が 8 月 31 日に文部科学省から公表されました 調査結果やにおける児童生徒の学力の定着状況 学習状況 生活習慣等を分析し 今後の取組を以下のようにまとめました 調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることや 学校における教育活動の一側面であることに留意しながら 本調査結果を教育施策や各学校における指導の充実 学習状況の改善に役立て 取組を進めてまいります 1 調査の概要 (1) 目的 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図る 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる 以上のような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する (2) 対象学年 実施人数小学校第 6 学年 696 人中学校第 3 学年 685 人 (3) 調査実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) (4) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 算数 数学 理科 ) 主として 知識 に関する問題 (A 問題 ) 身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容 実生活において不可欠であり, 常に活用できるようになっていることが望ましい知識 技能 主として 活用 に関する問題 (B 問題 ) 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力 様々な課題解決のための構想を立て 実践し 評価 改善する力 1
2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2
2 教科に関する調査 分析 小学校 平均 正答率 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 理科 71 55 64 51 59.7 54.7 63.5 51.5.3 の平均正答率は 文部科学省より提供された小数点以下を四捨五入した 整数値をもとに公表しています 特徴的な傾向 < 小学校国語 > 強み : A 問題において 学年別漢字配当表に示されている漢字を正しく使う 設問が 相当数できています A 問題の 相手や場面に応じて適切に敬語を使う 設問が 相当数できています B 問題の 目的に応じて 文章の内容を的確に押さえ 自分の考えを明確しながら読む 設問が 相当数できています 課題 : A 問題において 登場人物の心情について 情景描写を基に捉える 設問に課題がみられます B 問題の 話し合いの参加者として 質問の意図を捉える 設問にやや課題がみられます < 小学校算数 > 強み : A 問題において 除法で表すことができる二つの数量の関係を理解している ことを問う設問が 相当数できています A 問題の 単位量あたりの大きさを求める除法の式と商の意味を理解している ことを問う設問が 相当数できています B 問題の 図形の構成要素や性質を基に 集まった角の大きさの和が 3 になっていることを記述する 設問が相当数できています 課題 : A 問題において 1に当たる大きさを求める問題場面における数量の関係を理解し 数直線上に表す 設問にやや課題がみられます B 問題の 折り紙の輪の色の規則性を解釈し それを基に条件に合う色を判断する 設問にやや課題がみられます 3
< 小学校理科 > 強み : 太陽の1 日の位置の変化と光電池に生じる電流の変化の関係を目的に合ったものづくりに適用する 設問が 相当数できています 土地の侵食について 予想が確かめられた場合に得られる結果を見通して実験を構想する 設問が 相当数できています 課題 : 人の腕が曲がる仕組みを模型に適用する 設問にやや課題がみられます 堆積作用について 科学的な言葉や概念を理解している ことを問う設問に課題がみられます 中学校 平均 正答率 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 理科 75 58 44 64 76.1 61.2 66.1 46.9 66.1 の平均正答率は 文部科学省より提供された小数点以下を四捨五入した 整数値をもとに公表しています 特徴的な傾向 < 中学校国語 > 強み : A 問題において 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直して読む 設問が 相当数できています A 問題の 語句の意味を理解し 文脈の中で適切に使う 設問について 相当数できています 課題 : A 問題において 伝えたい事実や事柄が相手に分かりやすく伝わるように書く 設問に課題がみられます B 問題の 文章の構成や展開について自分の考えをもつ 設問に課題がみられます B 問題の 話の展開に注意して聞き 必要に応じて質問する 設問に課題がみられます 4
< 中学校数学 > 強み : A 問題において 反比例について グラフと表を関連付けて理解している ことを問う設問について 相当数できています A 問題において 一次関数の意味を理解している ことを問う設問について 相当数できています B 問題の 三つの計算の順番を入れ替えたときの計算結果を数学的に表現する 設問が 相当数できています 課題 : A 問題において ひし形は 線対称な図形であり 点対称な図形でもあることを理解している ことを問う設問に課題がみられます A 問題の 多数回の試行の結果から得られる確率の意味を理解している ことを問う設問に課題がみられます B 問題の 与えられた情報を分類整理し 不確定な事象の起こりやすさの傾向を捉える 設問に課題がみられます < 中学校理科 > 強み : 無脊椎動物と軟体動物の体のつくりの特徴に関する知識を活用する 設問が 相当数できています 緊急地震速報を受け取ってからS 波による揺れが始まるまでの時間が最も長い観察地点を指摘する 設問が 相当数できています 課題 : ガスバーナーの空気の量を調節する場所を指摘する 設問に課題がみられます 化学変化を表したモデルを検討して改善し 原子や分子のモデルで説明する 設問に課題がみられます 光の反射の幾何学的な規則性についての知識 技能を活用する 設問に課題がみられます 5
3 質問紙調査 ( 児童生徒用 学校用 ) に関する調査の結果 分析 児童生徒質問紙の結果から 強み 自分にはよいところがあると思う と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 84 82 78 76 74 72 68 78.3 77.9 83.7 84 84 82 78 76 74 72 68 73.9.7.3 78.8 小学校 中学校と平成 26 年度から昨年度まで継続してとの比較において高い数値となっていました 本年度は 小学校においてより0.3 ポイント下回りましたが 昨年度よりも高い数値となっています 子どもたちの自己肯定感を高める取組を 今後も継続して行うことが必要だと考えています 国語 算数 ( 数学 ) の授業の内容はよく分かる と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 算数わかる 数学わかる 85 84.6.6 84.6 83.4 85 75.7 78.6 75 75 69.4 71 小学校 中学校ともに との比較において高い数値となっています 今後も 子どもたちが わかった と実感できる授業づくりに向けた取組を さらに進めていきます 6
課題 家で 学校の授業の予習 復習をしている と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 55 45 35 30 52.1 62.6 30 56.3 56.2 平日に 1 時間以上家庭学習をする と答えた割合 ( 児童 生徒 ) 75 62.5 64.4 61.4 66.2 75 67.7 69.6 64.4.6 55 55 家庭学習の時間については 平日において小学校 中学校ともに数値が下がり を下回っています 休日の学習時間についても小学校 中学校ともに依然として課題があると考えられます これらの課題については ゲームや携帯電話 スマートフォン等に費やす時間とも関連しており 合わせて取り組む必要があります 家庭での学習方法等を具体的に示したり 学習を適切に評価 指導したりするなどの取組を継続するとともに 提示した課題だけでなく 予習 復習 自主学習等にも取り組むよう指導するなど 児童生徒が より意欲を持って学習できるよう取り組んで行きたいと考えています 7
学校質問紙の結果から 模擬授業や事例研究など実践的研修をよく行った と答えた割合 ( 学校 ) 100 100 57.1 55.7 66.7 63.3 37.1 46.2 20 20 0 0 小学校 中学校ともにの数値を上回っています 指導力の向上に向けた 研修が 各校で進められています 今後も 指導力の向上に向けた取組を さらに進めていきます 児童生徒に 家庭での学習方法等を 具体例を挙げながら教える とい う設問に よく行なった と答えた割合 ( 学校 ) 30 47.6 41.2 38.4.4 30 30 30.6 32 20 10 20 10 10 0 0 小学校 中学校ともに昨年度より取組がなされておらず の数値を下回 りました 児童 生徒質問紙の結果からも明らかなように 児童生徒がより意 欲を持って家庭で学習できるように引き続き取り組む必要があります 8
4 今後の取組 教育委員会 本調査結果等を活用した指導方法の検証 改善を図るため 各校への指導 助言を行います 教育アドバイザーを学校に派遣し 各校での取組を支援します 授業での目標 ( めあて ねらい ) の提示と振り返りの実質化と内容の充実 活用型学習の実施 ねらいが完結できる授業のタイムマネジメント等 基礎基本の定着を図ります 指導力向上に向け 教育研究センターを中心に課題別研修会等の充実を図ります 家庭学習の充実 読書活動の推進に向けて 家庭学習 読書のすすめ の活用を促進します 各小中学校が授業や学習規律 生活規律面での系統性を図り 発達段階に応じた効果的な指導ができるよう 小中学校の連携を促進します 各小中学校 本調査結果を分析して自校の課題を明らかにし 改善に向けた具体的な取組を全教職員で組織的に進めます 授業での目標 ( ねらい ) を子どもたちにとってわかりやすいめあてとして提示するとともに 振り返る活動を徹底します また 板書計画等を活用して 1 時間の学習活動を設定し その時間のねらいが完結できるようタイムマネジメントを徹底します さらに 活用型学習の実施を通して 基礎基本の一層の定着を図る取組を進めます 校内研修を充実させ 自校の課題に応じた指導改善を進めます 家庭学習の充実 定着に向け 家庭での学習方法等を 具体例を挙げて指導するとともに 与えた課題についての適切な評価 指導を徹底します また 予習 復習 自主学習等にも取り組むよう指導し 児童生徒が より意欲を持って学習できるよう 家庭と連携 協力しながら学校全体で取組を進めます 子どもたちの学力の保障にむけ 9 年間を見通した学習の系統性を図り より効果的な学習指導 生徒指導ができるよう 小中学校の連携を推進します 保護者 家庭との連携 規則正しい生活習慣や 携帯電話やゲーム インターネットの使い方についてのルール作り等 子どもたちが計画的に時間を使い 生活時間を調整していけるように 家庭での学習環境の整備に向け 働きかけます 読書習慣を身につけるための環境の整備に向け 働きかけます 学校での出来事や将来のことについてなど 家庭での対話を働きかけます 9