864 薬 師 寺 猛,河 B.副 1) 野 作 重 治 用 局 所 刺戟 作 用 局所 刺 戟作 用 は,そ の判 定 を正 確 にす るた め次 の2種 の方 法 を行 つ た. 先 ず家 兎 の眼 に2%E-17-2及 び2%Lidocaineを 点 眼 し,家 兎 結 膜及 び角 膜 ρ 充血 或 い は1角 膜上皮の 剥 離の 有無 を検 し たが,両 者 の いず れ に もか ゝる局 所 刺 戟 に よ る変 化 を認 め ら砲 な い(第1表). 更 に家 兎 の皮 下 に夫 々2%E-17-2 4図,第1表B).判 図,第1表B).判 0.5cc, 2% Lidocaine 0.5ccずつ 注 射 し,24h後 反 応 の有 無 を確 め た(第 定 定に に はRoseの はRoseの 方 方法 法に によ よ り刺 り刺戟 戟の の程 程度 度 を,.鼎,.++,十,一 を,鼎,++,;++,十,一 の5段 の5段 卿に 卿に 分け,洲 分け,洲 は壊 は壊 死, 死, 痂 皮形 成 な ど, は充 血或 いは 局所 貧血 の夫 い さ1cm以 上 の もの,骨 は充 血 或 い は局 所貧 血 め 大 い さ1cm上以下 の もの,+は 痕 跡 程度 の 充血,一 は何 らの症状 を現 わ さな い もの とし た., は高 度 の 刺戟 作 用,++は 中 等 度, +は 軽 度,一 は全然 刺 戟 作用 が ない もので あ る. 2%E-17-2皮 2% 下 注射 に て6例 中4例 に於 い て痕跡 程 度 の充 血 を認 め た, Lidocaineで は6例 中1例 痕跡 程 度 の充 血 を認 め た. 以上 か ら見 る と2% 2)血 E-17-2は2% Lidocaineと 同 様 局所 刺 戟作 用 が 殆ん どな い こ とが わ かる. 圧,呼 吸 に対 す る作 用 体 重2.0kg前 後 の家 兎 を使 用 し,観 血 的 に血 圧 測定 を行 い,呼 吸 は気 管 カニ ュ レ に よ り,タン ブ ール にて 煤 紙 上 に描 記 きせ た.使 用 せ る薬物 は耳静 脈 内注 射 に よつ た. E-17-2は0.5% 呼 吸作 用 は0.5% 1cc注 に よ り一 過性 に血 圧降 下 を示 し,濃 度 が高 くな るにつ れ て,血 圧 降下 が 著 明 となる. 1ccで は変 化 が ない が2% 1ccで は一 過 性 に増 大 す る(第4,5図). 第4図 次 にE-17-2と Lidocaineの 作 用 比 較 の た めLidocaine及 血 圧,呼 漸 次 上 昇 す る,か な り頻 回 と な る.た 1%に 第5図 びProcaineに 吸 に 対 す る作 用 上 はProcaineと ゝ るLidocaineの ゞLidocaineの て 出 現 す る(第6,7,8図). つ き 同 様 の 実 験 を行 つ て 見 た. 類 似 し て お り,い 血 圧 に 対 す る作 用 はGoldbergs)に 作 用 は3% 4% 1cc静 ず れ も血圧 は一過 性 に低 下 す るが よ つ て も証 明 され て い る,呼 注 で な い と現 われ な い の に 比 し て, 吸 は大 き く Procaneで 時
866 薬 師 寺 猛,河 野 重 治 第10図 第9図 緩 慢 で 痙 攣 中 に 死 亡 し な か つ た もの は 回 復 に 約24hを 以 上 の 実 験 の 結 果 よ りE-17-2は 要 す る. 中 枢 神 経 等 に 対 す る毒 性 に 於 い てLidocaineに 比 し て は うか に 少<,約 そ の32で あ り回 復 も極 め て 速 か で あ る. LD50は2% E-17-2腹 と な つ て お り,毒 Adrenaline添 腔 注 射 に よれ ば, 性 はLidocaineに 255mg/kgで あ り, 2% 毒 性 はLidocaineよ 比 し2% E-17-2は り少 く,毒 171mg/kgで あ り,単 独 の場 察 は 麻 酔 作 用 の あ る こ とが 明 らか と な つ た. ア ミ ノ安 息 香 酸 エ ス テ ル で あ るProcaineの し な いE-17-2の Lidceaine り少 い. 考 以 上 の 結 果 よ りE-17 2に 腔 内 注 射 に よ れ ば187mg/kg 比 し て 少 い こ と が わ か る. 加 に よ るLD50は2%E-17 2247mg/kgに 合 と 同 様E-17-2の Lidocaine腹 過 敏 症 が ア ミ ノ基 に 起 因 す る と い わ れ る が,そ の ア ミ ノ基 を 有 過 敏 症 の 有 無 の 実 験 は 今 後 の 研 究 に 期 待 さ れ る. そ の 局 所 麻 酔 力 に 於 い てLidocaineと.殆 ん ど変 りな く,中 枢 神 経 系 に 対 す る作 用 はLidocaineよ 性 も 少 い. E-17-2の 血 圧 に 対 す る 作 用 も下 降 を も た ら す が, Noradrenaline, Adrenalineに よ り拮 抗 さ れ る. 呼 吸 に 対 し て は 若 干 の 興 奮 作 用 を 有 し て い る. 結 1. E-17-2は 2. 表 面 麻 酔 力,伝 adrenalineに 4. 導 麻 酔 力 を 有 し て い る. 局 所 刺 戟 作 用 はLidocaineと 3. 家 兎 で0.5%溶 液1cc以 論 同程 度 で あつ て従 来 の もの に比 して 少 い. 上 を 静 脈 内 注 射 を す る と きな 血 圧 降 下 作 用 が み られ る.こ よ り拮 抗 き れ る. 中 枢 神 経 系 に 対 す る毒 性 はLidocaineの 5. 毒 性 はLidocaineに 稿 を 終 る に 臨 み,終 約 半 分 で あ る. 比 し て 少 い. 始 柳 指 導 を 陽 つ た 栗 秋 要 教 授 に 感 謝 致 し ま す. れ はAdrenaline, Nor
1) Braun, H.: Deutsch. Med. Wschr. 42, 1667 (1905). 2) Loefgren, N.: Sv. Kem.-Tidskr. 58,206 (1946). 3) Ther, L. & Harnisch, H.: Klin. Wschr. 31, 850 (1953). 4) Santon, J.: J. Am. Chem. Soc. 64, 1691-4 ; 2884-5 (1942) : 71,-1765-6 (1949) : 73, 4046-7 (1951) : 74, 3954-5 (1952). 5) Wieldling, S.: Acta Pharmacol. et Toxicol. 8, 117 (1952). 6) Goldberg, L.: Sv. Tandlak. Tidskr. 40, 819 (1947). 7) Goldberg, L.: Acta Physiol. Scand. (Stockholm) 18, 1 (1949).