Outlook201901

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Outlook201603

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

Outlook201210

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

Invesco Premia Plus Fund

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Currency201207

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株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

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【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

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株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

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第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

スライド 1

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

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マネーマーケットマンスリー 2018年3月

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 FOMC後のスペシャルレポート(USHY).pptx

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

平成30年度第1四半期における運用状況等

Fidelity Charts & Graphs PowerPoint Template

チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

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平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

Weekly

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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特別勘定の内容 目標値 110% または 120% の場合の特別勘定 種類 特別勘定の名称 投資対象となる投資信託 TMA 日本株式インデックスVA * 運用会社 資産運用関係費用 ( ( 年率 ) 注 ) 総合型 世界バランス 40TMA TMA 外国株式インデックスVA * TMA 日本債券イン

Microsoft PowerPoint - Pictet_Market_Flash_ (直近の下落).pptx

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変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

参考資料いちよし証券投資情報部 2019 年 10 月 7 日 極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目 最終ページに お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております 必ずご確認ください

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

Microsoft PowerPoint - ï¼fiã••PAL镕年+第ï¼fiQ;ver5.pptx

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

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マネーマーケットマンスリー 2018年12月

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今月の経済金融情勢2018年12月25日号


今月の経済金融情勢2018年11月30日号

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経済金融・情勢資料  15年7月 

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日経平均株価 22,27.3 NY ダウ工業株 3 種 25,9.32 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 2, 22, 1, 1, 1, 21 年 月 2 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~

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エコノミスト便り

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

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経済の見通し 欧州 欧州経済は グローバル経済の堅調さを背景とした外需セクターの回復 労働市場の回復を背景にした堅調な個人消費 従来に比べ拡張的な財政政策による成長押し上げ効果を背景に潜在成長率を上回る成長が続いています 物価については 労働市場や経済の回復を背景にコアインフレ率 賃金上昇率は今後緩

日経平均株価 22,97. 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1,, 1,,, 21 年 7 月 23 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21 年 7 月第 3 週末 ) 短期 ( 日次ベース ) (217 年 1 月初

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週間マーケット情報 (2016 年 9 月 2 日 ~2016 年 9 月 9 日 ) ご参考資料 2016 年 9 月 12 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 2 日比で 0.23% 上昇しました 週初の日

目次 1. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) における運用環境について 2. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) におけるポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 用語の説明 頁 1

国内短期金利

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

スライド 1

日経平均株価 21,1. NY ダウ工業株 3 種 2,.31 米ドル 2, 2, 22, 円 2, 1, 1, 1, 12, 1,,, 22, 1, 1, 1,, 21 年 1 月 29 日発行休場の場合は直前の営業日までのデータ 長期 ( 週次ベース ) (27 年 1 月第 1 週末 ~21

一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

今月の経済・金融情勢

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

Microsoft Word ECB利下げ.doc

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

TFX_フィスコ通貨ウォッチャー

Transcription:

(2019 年 1 月 ) 目次 投資戦略のポイント P.1 内外経済 P.2 日本経済 米国経済 欧州経済 各資産の投資環境見通し P.3 前月の投資環境 国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 為替 金融商品取引業者関東財務局長 ( 金商 ) 第 405 号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員 / 一般社団法人投資信託協会会員

投資戦略のポイント 1 米国株式相場急落の実体経済への影響 2 欧州主要国での政治的混乱 3 日本景気の先行きに対する懸念 4 新興国中国 : 製造業 PMI は低下 12 月の株式相場は荒れ模様の中 景気敏感性が高いとされる資本財や足元の原油価格の下落を受けたエネルギーなどの業種を中心に下落しました また これまでの上昇相場を牽引してきた消費や情報技術の関連銘柄も売られる展開となりましました 債券市場では FRB( 連邦準備理事会 ) の利上げで短期の金利が上昇する一方 中 長期の金利が横ばい もしくは低下し 国債利回りは 2 年が 5 年を上回る 逆イールド の状態となりました この状態がみられると 投資家の間では景気後退に対する警戒感が広がりやすく 株式相場の下落に影響したとみられています 地区連銀経済報告によると景気に対する楽観的な見方が一部で後退したとの指摘があり 11 月の雇用統計では非農業部門雇用者の増加数 ( 前月比 ) が鈍化しました 景気減速が懸念される中 FOMC( 連邦公開市場委員会 ) では事前予想の通り利上げが決定されましたが 2019 年の想定利上げ回数については前回から引き下げられました 政策金利見通しに加え 政府機関閉鎖の影響もあり ドルはユーロや円に対して下落しました 主要国の政治問題が株式相場の下落要因となりました ドイツでは 与党党首選で現首相の側近とされる幹事長が選出されましたが 政権や議会運営は依然不安定との見方もあります フランスでは 大統領の政策に対する抗議デモの激化が同国経済に影響を与えています イタリアでは 2019 年予算案に関して財政赤字幅を縮小した修正案が EU に承認され 制裁については一旦回避されました 英国では EU からの離脱案の議会採決が延期され 信任投票で首相の続投は決まったものの 先行き不透明感は残っています 景気の減速傾向がみられる中 ECB( 欧州中央銀行 ) は定例理事会で資産買い入れを 12 月で終了することを決め 政策金利は少なくとも 2019 年夏まで据え置くとの方針を示しています 2019 年の経済成長および物価見通しについては下方修正しました 当面は ドイツ フランス および英国における政治的な先行き不透明感が懸念材料となりそうです 投資家のリスク回避の動きが顕著にみられました 株式相場は下落し 長期金利は一時 0% を下回りました 7~9 月期の法人企業統計では 製造業による能力増強投資と建設機械向けが設備投資の伸びに寄与したことが示されました 10 月の機械受注統計においても 代表的な船舶と電力を除く民需の受注額が高い伸びとなったものの 前月に大幅な落ち込みとなった反動もあり 基調判断は下方修正されました 日銀短観 (12 月調査 ) では 大企業製造業の業況判断指数は前回調査と同水準となりましたが 先行きについては悪化するとの見通しが示されました 日銀は国債買い入れオペにおいて長期 (5~ 10 年 ) を減額しましたが その後の金融政策決定会合では現行の金融緩和政策の維持にとどまったことから長期金利の低下圧力が強まり 一時は 0% を下回りました 中国 製造業 PMI( 政府調査 ) は 米中貿易摩擦が影響して景況感の低下が続き 11 月は景況判断の節目とされる 50 ちょうどとなり 12 月は 50 を下回りました ブラジル ブラジル中央銀行は 政策金利を据え置きました インフレは低水準にあるものの FRB が利上げを続ける中 自国通貨安となる可能性に配慮し 利下げを見送った形となりました 1

内外経済 日本経済 欧州経済 国内実質 GDP 成長率 ( 前期比 ) と寄与度 ユーロ圏実質 GDP 成長率 ( 前期比 ) と寄与度 1.5 1.5 - - 0.5-0.5 0.5-0.5 - -3.0 2016 年 民間最終消費支出 民間住宅 民間企業設備 民間在庫品増加 公的需要 純輸出 実質 GDP - -3.0 - -1.5 2016 年 個人消費設備投資在庫投資 政府支出純輸出実質 GDP - -1.5 6.0 4.0 - -4.0-6.0 米国経済 2016 年 米国実質 GDP 成長率 ( 前期比年率 ) と寄与度 個人消費民間住宅民間設備民間在庫 政府支出純輸出実質 GDP 6.0 4.0 - -4.0-6.0 日本 : 7 ~ 9 月期の実質 GDP 成長率は前期比 0.6%( 年率 2.5%) と マイナス成長となりました 米国 : 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前期比年率 +3.4% と 前期から減速しました 欧州 ( ユーロ圏 ): 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前期比 +0.2% と 前期から減速しました * 出所 :Bloomberg より明治安田アセットマネジメント作成 2

各資産の投資環境見通し 前月の投資環境 (12 月 ) 10 年国債利回りは低下基調 12 月の 10 年国債利回りは低下しました 英国の EU 離脱問題を巡る先行き不透明感から投資家のリスク回避姿勢が広がる中 国内株式相場が軟調に推移したことから低下基調となりました 10 年国債利回りは一時 0% を下回りました 国内株式相場は大幅に下落 長期金利は米国 ドイツともに低下 外国株式相場は下落 12 月の国内株式相場は大幅に下落しました 世界景気の減速懸念が広がる中 英国の EU 離脱案の議会採決の動向や 下旬には米国政府機関が一部閉鎖されるなど 政治的な先行き不透明感を受けた投資家のリスク回避の動きが急速に広がったことから 下落基調となりました なお 月末近くには株価の割安感を評価する動きから 反発する場面がありました 米国 :12 月の長期金利は低下しました 原油価格の下落や将来の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がったことに加えて 下旬には政府機関の一部閉鎖など政治的な先行き不透明感もあり 低下基調となりました 欧州 :12 月のドイツ長期金利は低下しました ユーロ圏の低調な経済指標や原油価格の下落に加えて 米国長期金利が低下した影響もあり 低下しました ただし イタリア政府が 2019 年予算の修正案を EU に提出し同国財政赤字に対する懸念が後退したこともあり ドイツ長期金利の低下幅は限定的となりました 12 月の外国株式相場は下落しました 世界景気の減速懸念が広がる中 FRB が来年以降の政策金利見通しを引き下げたものの 金融政策については引き続き引き締め方向との投資家の見方から下落し 下旬には米国政府機関の一時閉鎖と政治的な先行き不透明感もあり 下落基調となりました なお 月末近くには株価の割安感を評価する動きから 反発する場面がありました ただし 欧州では イタリア政府が 2019 年予算の修正案を EU に提出したことを受けて財政問題に対する懸念が後退したから 下げ幅は限定的でした 3 12 月の市場動向 債券利回り 株価指数 ダウ工業株 30 種平均 S&P500 ナスダック指数 FTSE100 DAX ハンセン指数 為替相場 2018/12/31 2018/11/30 騰落率 ( 幅 ) 前月末 前々月末 前々月末差 日本 10 年国債 0% 9% 9% 米国 10 年国債 2.68% 2.99% 0.30% ドイツ10 年国債 0.24% 0.31% 7% 英国 10 年国債 1.28% 1.36% 9% 豪 10 年国債 2.32% 2.59% 0.27% ブラジル10 年国債 9.24% 9.89% 0.66% 南アフリカ 10 年国債 日経平均株価 TOPIX 8.88% 8.94% 6% 前月末 前々月末 前々月末比 20,014.77 22,356 10.45% 1,494.09 米国ドル / 円 109.69 113.57 3.42% ユーロ / 円 125.83 128.44 3% 英国ポンド / 円 139.87 144.79 3.40% 豪ドル / 円 77.31 82.98 6.83% 20.68 1,667.45 21.75 4.92% 前月 前々月とも 月末が休日となる市場については直前取引日の水準を記載しています 10.40% 23,327.46 25,538.46 8.66% 2,506.85 2,760.17 9.18% 6,635.28 7,330.54 9.48% 6,728.13 6,980.24 3.61% 10,558.96 11,257.24 6.20% 25,845.70 26,506.75 2.49% 前月末 前々月末 前々月末比 ブラジルレアル / 円 28.24 29.34 3.76% トルコリラ / 円 南アフリカランド / 円 7.63 8.19 6.80% 出所 :Bloomberg

各資産の投資環境見通し 国内債券 長期金利は 市場環境と材料次第で大きく動く可能性 日銀は 7 月末の金融政策決定会合において イールドカーブ コントロールによる 10 年国債利回りのレンジを拡大するとともに 当分の間 現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する としたフォワードガイダンスを導入しました 日銀はその後の会合においても同金融政策を維持しています 足元では 投資家のリスク回避の動きから 10 年国債利回りはマイナス金利で推移する可能性もあります 一方 日銀が 1 月の金融政策決定会合で政策調整を行う可能性も残っています 10 年国債利回りは 市場環境と材料次第で大きく動く場面もあると考えています 国内債券利回りの推移 0.40 0.30 0.20 0.10 0-0.10-0.20 20 年国債利回り ( 右軸 ) 10 年国債利回り ( 左軸 ) 5 年国債利回り ( 左軸 ) * 出所 :Bloomberg より明治安田アセットマネジメント作成 0.80 0.70 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 国内株式 国内株式相場は変動率の高い展開 国内株式相場は 外部環境の影響を受けて変動率の高い展開が続くと予想しています 足元の株価水準はすでに 来期の企業業績について減益転換が織り込まれていると考えています 米国株式相場が反発する場面においては 国内株式相場も割安感から 同様の動きになるとみられます しかし 米中貿易摩擦やFRBの利上げは実体経済に対してマイナスの影響を与えています 企業業績については予想 EPSの下方圧力が強まる可能性があることから 株式相場が上昇する場面においてもその上値余地は限定的とみています ただし 米中貿易交渉が進展し 予想以上の結果を生むことになれば 国内株式相場の上昇につながると考えています 円高の進行 企業景況感の急速な悪化 国内外の政治情勢が注目されます 4 ( 円 ) 日経平均株価 TOPIX の推移 25,000 24,000 23,000 22,000 21,000 20,000 19,000 18,000 日経平均株価 ( 左軸 ) TOPIX( 右軸 ) ( ホ イント ) 2,000 1,900 1,800 1,700 1,600 1,500 1,400 1,300 * 出所 :Bloombergより明治安田アセットマネジメント作成

各資産の投資環境見通し 外国債券 長期金利は低下一巡後は上昇するも レンジ内での動きへ 米国 : 株式や原油などリスク性資産の価格が急落したことを受けた投資家のリスク回避姿勢から 足元の長期金利は低下しています 米国景気は底堅さを維持していることから 景気の先行きに対する過度に悲観的な見方が後退する過程で 長期金利は上昇に転じるとみられますが 潜在成長率や FOMC メンバーの政策金利予測を考慮すると 3% 近辺が上限とみています 欧州 : ユーロ圏の実体経済に対する過度に悲観的な見方が後退し イタリア財政問題が沈静化するとともに ドイツ長期金利は緩やかに水準を切り上げるとみられます ただし ECB のフォワード ガイダンスで金利水準の変動率が抑えられるとみられ レンジ内の動きに収束すると予想しています 3.5 3.0 2.5 1.5 米 独 10 年国債利回りの推移 米国 10 年国債利回り ( 左軸 ) 0.2 ドイツ10 年国債利回り ( 右軸 ) * 出所 :Bloombergより明治安田アセットマネジメント作成 0.8 0.6 0.4 外国株式 外国株式相場は 決算発表に注目 米国では大型減税効果の剥落に加え 原材料コストの上昇や関税引き上げ さらに金利上昇の影響もあり 企業業績が悪化するとの見方が広がっています 株式相場は軟調な展開となっていますが 堅調な米国経済は続いており 足元のエネルギー価格の下落を受けて原材料コストの上昇に対する懸念は和らいでいます 1 月後半から本格化する 10~12 月期の決算発表においては 市場予想を上回る決算内容を発表する企業が増えると予想されます 株価の調整が進んだ好業績銘柄が再評価される展開になるとみています < 地域別の主な注目材料 > 米国 : 企業業績 米中通商交渉の進展 金融政策見通し M&A 設備投資 欧州 : 金融政策の動向 英国議会の EU 離脱案採決 イタリア財政 新興国 : 中国の金融 財政政策 商品市況 地政学リスク 5 S&P500 DAX FTSE100の推移 ( ポイント ) ( ポイント ) 3,100 14,000 3,000 13,000 DAX( 右軸 ) 2,900 12,000 2,800 11,000 2,700 10,000 2,600 S&P500( 左軸 ) 9,000 2,500 8,000 FTSE100( 右軸 ) 2,400 7,000 2,300 6,000 * 出所 :Bloombergより明治安田アセットマネジメント作成

各資産の投資環境見通し 為替 米ドルは日米 TAG 交渉の行方 ユーロは政治材料に注目 米ドル : 景気については好調を維持する中でも潜在成長率に向けて緩やかに減速するとみられます FRB は政策金利を引き上げましたが 今後の政策金利見通しについては引き下げました 米ドルは円に対して 日米金利差が拡大するとの見方が後退する中 日米間の物品貿易協定 (TAG) 交渉を巡って為替条項の行方が注目されることから 当面は軟調な展開が予想されます ユーロ : 景気については 製造業 PMI が引き続き景況判断の節目とされる 50 を上回っているものの低下基調にあり 回復ペースは鈍化するとみています ECB は量的緩和政策の終了を正式に決定しましたが 利上げについては慎重な姿勢を続けるとみられます ユーロは円に対して 政治問題が意識される場面では下押しする可能性がありますが ECB による将来的な金融政策正常化を目指す動きに支えられ底堅い動きになるとみています ブラジルレアル :1 月に就任する次期大統領による財政再建策に対する期待が支援材料と考えられますが 下落基調にある原油価格が重しになるとみています インドネシアルピア : 中央銀行は政策金利を一旦据え置いたものの 通貨防衛の姿勢を継続するとみられます 経常赤字に対する懸念はありますが 安定した経済成長を背景に底堅い動きになるとみています 南アフリカランド :2 期連続のマイナス成長から脱したことや 政府の財政健全化に対する取り組みが評価され 底堅い動きになるとみています 6 ( 円 ) 外国為替推移 ( ドル / 円 ユーロ / ドル ) 115.00 110 105.00 ドル / 円 ( 左軸 ) ユーロ / ドル ( 右軸 ) 100 * 出所 :Bloombergより明治安田アセットマネジメント作成 ( 円 ) 3 3 28.0 26.0 24.0 2 2 外国為替推移 ( 新興国 資源国通貨 ) フ ラシ ルレアル / 円 ( 左軸 ) 南アフリカラント / 円 ( 右軸 ) イント ネシアルヒ ア / 円 (1000 ルヒ アあたり 右軸 ) * 出所 :Bloomberg より明治安田アセットマネジメント作成 ( ドル ) 1.250 1.200 1.150 1.100 ( 円 ) 1 1 1 9.0 8.0 7.0 6.0

7 投資環境見通し 当資料は 明治安田アセットマネジメント株式会社 ( 以下 当社 という ) がお客さまの投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり 投資勧誘を目的とするものではありません また 法令にもとづく開示書類 ( 目論見書等 ) ではありません 当資料は当社の個々のファンドの運用に影響を与えるものではありません 当資料は信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが 内容の正確性 完全性を保証するものではありません 当資料の内容は作成日における当社の判断であり 将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません また予告なしに変更することもあります 投資に関して最終的な判断を下すのはお客さまであり 当社は 法律 財務 会計等に関してお客さまにアドバイスする立場にはありません 当資料に掲載されている過去の実績 データ等は将来の実績 データ等を示すものではなく 今後の成果を保証 約束するものではありません なお 当資料に記載された情報 商品に関する権利は当社に帰属いたします したがいまして 当社の書面による同意なく その全部または一部を複製しまたその他の方法で配布することはご遠慮ください 資料中で用いているインデックスおよび発表元は以下のとおりです 記載したインデックスに関する著作権等の一切の権利は当該インデックスの発表元に帰属します TOPIX: 株式会社東京証券取引所日経平均株価 : 株式会社日本経済新聞社ダウ工業株 30 種平均 : S&P Dow Jones Indices LLC S&P500: スタンダード アンド プアーズファイナンシャルサービシーズエルエルシー NASDAQ:The NASDAQ OMX Group, Inc. DAX: ドイツ証券取引所 FTSE100: FTSE 社ハンセン指数 :Hang Seng Indexes Company Limited