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別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

平成 20 年度 NPO 法人 KOSHU かつぬま文化研究所 総会資料 日時 : 平成 20 年 5 月 24 日 ( 土 ) 会場 : 勝沼中央公民館 1 階会議室

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

剣淵_巻頭_00.01

1. 地域側の視点に立った観光振興 ( 地域振興 ) について 長期的な地域づくりを行い 内発的な地域資源の活用を促進 滞在交流は 地域ツーリズム型観光 観光による地域づくり 観光関係者が 観光側からの視点で地域を開発し そこに数多くの人々を送り込み 経済的な波及効果をもたらすこと ( 主は観光関係

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(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

活動状況調査

平成 22 年 4 月 9 日新しい公共円卓会議資料 平成 2 2 年 4 月 9 日第 5 回 新しい公共 円卓会議谷口委員提出資料 ソーシャルビジネスの振興について 1. 新しい公共とソーシャルビジネスの関係 2. ソーシャルビジネスの課題とこれまでの取り組み 3. 事業者及び支援者が集う 場

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

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市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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スライド 1

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

4-(1)-ウ①

Microsoft Word - 基本方針案ver.3.33


学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

国営常陸海浜公園プレジャーガーデンエリア 改修 設置 管理運営事業 民間事業者選定結果 平成 30 年 3 月 国土交通省関東地方整備局

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 5-2(3) に記載 5-2 第 5 章の特別の措置を適用して行う事業まち ひと しごと創生寄附活用事業に関連する寄附を行なった法人に対する特例 ( 内閣府 ): A2007 (1) 事業名 : 勝山市まちなか誘客プロジェクト ( 拠点文化財改修

計画書


Taro-全員協議会【高エネ研南】

Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

図 ごみの減量化方策及び資源化方策の検討の進め方 2 市民 事業者 行政の役割資料 2-2 に示したとおり 今後のごみ処理においては ごみの減量化 資源化の推進が重要となり これらを実現するためには 各主体がそれぞれの役割を認識し 相互に協力しながら取り組む体制を整備する必要があります

都市再生整備計画の目標及び計画期間 都道府県名 茨城県 市町村名 坂東市 ( 旧猿島町 ) 地区名 猿島地区 面積 800 ha 計画期間 平成 16 年度 ~ 平成 20 年度 交付期間 平成 16 年度 ~ 平成 20 年度 目標 地域資源を活用した交流人口の拡大と良好な居住環境を形成するまちづ

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

日本一のぶどう郷 その背後にある自然と暮らし 見てみませんか 見渡すかぎりのブドウ畑を 聞いてみませんか 吹き抜ける風でブドウの葉がささやく音を 味わってみませんか 口いっぱいに広がるブドウの甘みを 甲府盆地の東の端っこ 扇状地や川がつくった起伏のある土地 まるで迷路のように張り巡らされた水路が ブ

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 鹿嶋市鹿島神宮周辺地区地域再生計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 鹿嶋市 3 地域再生計画の区域 鹿嶋市の区域の一部 ( 鹿島神宮周辺地区 ) 4 地域再生計画の目標 4-1 地方創生の実現における構造的な課題 1 後継者不足の問題や商売としての魅力不足によ

[ 2 / ] 平成 26 年 0 月 05 日 19 時 08 分 2 秒作成 ( 連絡先 ) 事務事業名 イマリンビーチ管理運営事業 事 業 群 0 観光客受け入れ体制の整備 事 業 イマリンビーチ管理運営事業 事業の計画 2 年度計画目標年度 計画

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地域再生計画 1 地域再生計画の名称 琵琶湖疏水通船復活を契機とした京都 大津広域観光促進計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 滋賀県大津市及び京都府京都市 3 地域再生計画の区域 滋賀県大津市及び京都府京都市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 地方創生の実現における構造的な課題大津市及び京都

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

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5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

官民連携:調査結果

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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コンパクト プラス ネットワークの形成 1

目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振

福知山市中心市街地活性化基本計画


表 4-6 MICEの誘致 開催との連携 MICEの誘致 開催に関連して ユニークベニュー (= 歴史的建造物 文化施設や公的空間等で 会議 レセプション等を開催すること ) や エクスカーション (= 会議プログラムの一部として 会議参加者及びその同伴者のために計画された リクレーションのための小

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1


2 おもてなしの推進 本県を訪れた旅行者がやすらぎと感動を覚え 再び訪れたくなる魅力ある地域づくりを進めるため 地域への誇りと愛着に基づくおもてなしを県民総参加により推進します 1 満足度 ( アンケート調査で非常に満足と答えた観光客の割合 ) 45% 以上 2 リピーター率 67% 以上 おもてな

2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,

官民連携事業(PPP)導入

5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

重工業から農林漁業まで 幅広い産業を支えた動力機関発達の歩みを物語る近代化産業遺産群 *

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

Ⅰ 観光振興計画制定の背景 1 観光による地域振興 観光立国推進基本法 に基づき策定された 観光立国推進基本計画 の中で 観光立国の実現は地域経済の活性化 雇用機会の増大 国民の健康の増進 潤いのある豊かな生活環境の創造 国際相互理解の増進等の意義を有するものである と位置づけられています また 東

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7-7 丸子地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水辺 里山 人きらめき 産業活力が満ちた依田川流域のまち ( 基本目標 ) 製造業の集積が高い地域であることから 職住近接のゆとりある生活空間の創出をめざすとともに 地域内外の交流促進や日常生活のための道路交通環境整備を進めます 依田川 内村川周辺に

Microsoft Word - 03第3章(p37-45)

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

PowerPoint プレゼンテーション

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コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活

( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事業特定事業の選定 宇治市 ( 以下 市 という ) は 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という ) 第 7 条の規定により ( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事

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阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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基本方針 2-1 観光資源の有効活用〇歴史 スポーツ 自然など 恵まれた観光資源を活用し 世界に向けた積極的な情報発信や意見交換の場の整備を行います 〇文化 芸術資源のデジタルアーカイブ 33 化により 資源の保護を進め インターネット上での有効活用も行います 2-2 活力ある産業〇ホームページ等の

8 月 : 新大阪駅周辺地域について 都市再生緊急整備地域の候補となる地域として公表 10 月 : 第 3 回大阪港ベイエリアに関する意見交換会 を開催 11 月 : 旧成人病センター跡地等に関するマーケットリサーチ結果の公表 ( 予定 ) グランドデザイン 大阪都市圏 の推進 淀川沿川の広域連携型

石井敏

丸森町観光施設の管理運営に関する サウンディング型市場調査 結果概要 平成 31 年 3 月 丸森町

Microsoft Word - 東京文化資源区構想最終報告書 docx

はじめに は 日本中の中小企業が今よりもっと容易に海外進出を果たす為の仕組みづくりとして 海外進出コンソーシアムを結成します このコンソーシアムは 当社と大手貿易支援企業のパートナー関係を中核とし 貿易に関して得意分野を持つ企業とのコラボレーションにより構成されます Copyright(C) 201

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Uモニ  アンケート集計結果

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

稲沢市の観光に関するインターネット調査調査項目 未定稿 1 回答者の属性 Q1 あなたの性別 1 男性 2 女性 1 つだけ選択 Q2 あなたの年齢 1 10 歳代 2 20 歳代 3 30 歳代 4 40 歳代 5 50 歳代 6 60 歳以上 1 つだけ選択 Q3 あなたの職業 1つだけ選択 1

数値目標 KPI 山口ゆめ花博の山口きらら博記念公園県外からの入場者数の年間利用者数 年月 申請時 - 57 万人 平成 28 年 12 月 初年度 - 57 万人 平成 30 年 3 月 2 年目 6 万人 87 万人 平成 31 年 3 月 3 年目 - 67 万人 平成 32 年 3 月 対象

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

渋川市都市計画マスタープラン意見シート

Transcription:

9. 近代産業遺産の活用によるワインのまちの再活性化 ~ 観光資源の充実とワイン産業の振興の組合せ ~ 山梨県甲州市旧勝沼町地域 解決すべき課題商工業の振興経済農林業の振興観光の振興雇用の確保経済 社会中心市街地の活性化定住人口の増加社会アクセシビリティの向上地域の荒廃の抑制環境環境負荷の低減 事業概要甲州市勝沼地域に残る ぶどうやワイン産業に関連する近代化遺産を整備 修復し 市内のワイナリーと結びつけた観光ルートを作り出している 近代化遺産の中には民間ワイン事業者が所有する施設もあるが 甲州市の基盤整備に呼応する形で事業者自らが整備したり 所有建物を市へ寄付するなど 官民が連携して観光資源の発掘に努めている プロジェクトパッケージの構造図 地域産業と歴史的遺産を活かした観光地 目的 観光資源の充実 ワイン産業の振興 観光資源の開発 地域資源のネットワーク化 地域内ワイナリーの活性化 中小ワイナリーへの支援 プロジェクト ワイン資料館の改装 近代産業遺産の修復 保全 大日影トンネル遊歩道等フットパスの整備 ワインツーリズムの開催 トンネルワインカーブの整備 ワインの丘 (1975 年 ) 主体 事業者自治体 ( 市 ) 自治体 ( 市 ) 運営会社自治体 ( 市 ) 自治体 ( 町 ) 検討会 住民組織 自治体 ( 市 ) 68

プロジェクトの背景旧勝沼町 ( 現甲州市 ) は ぶどうとワイン生産の町として観光とワイン産業を中心に発展してきた ところが 後継者不足による耕作放棄地の増加や レジャー志向の変化によるぶどう狩り団体客の減少などにより近年活力が失われてきた また ワイン関係の観光客は秋の収穫期に集中するため 通年的な観光資源の発掘が求められていた 本事例における パッケージ化 地域産業と歴史的遺産を活かした通年的な観光地とするために 観光資源の充実とワイン産業の振興をパッケージ化している 近代産業遺産の修復による観光資源の発掘 近代産業遺産やワイナリーを結ぶ周遊ルートの整備による回遊性の確保を行うとともに 中小ワイナリーに対する支援を行うことで 観光基盤であるワイン産業の振興を図っている 見学のできるワイナリー ぶどうの丘ぶどうの丘 勝沼フットパス 半日コース 1 日コース 勝沼ぶどう郷駅 宮光園宮光園 龍憲セラー龍憲セラー トンネルワインカーブ案内所トンネルワインカーブ案内所 大日影トンネル大日影トンネル遊歩道遊歩道 JR 中央本線 ワイン資料館ワイン資料館 祝橋祝橋 勝沼トンネル勝沼トンネルワインカーブワインカーブ 69

(1) プロジェクトの内容 2003 年度 ( 平成 15 年度 ) に 勝沼町 ( 当時 ) 関係者と外部有識者からなる委員会 ( 財団法人広域関東圏産業活性化センター事業 ) により 町内に存在する近代産業遺産とワイン産業を活用した地域活性化方策が提言された 新たな観光政策の必要性を感じていた勝沼町は その提言を実現するため 2004 年 ( 平成 16 年 ) に 勝沼タイムトンネル 100 年構想 を策定し 構想に基づく整備計画を進めた 1 トンネルワインカーブの整備中央線の線路付け替えによって廃線となったトンネル2 本を JR から無償提供を受け うち 1 本をワイン貯蔵庫 ( ワインカーブ ) として再利用した (2005 年 ( 平成 17 年 ))( 写真 1 写真 2) 資金は県の補助と勝沼町 ( 当時 2005 年 ( 平成 17 年 ) 11 月に合併し甲州市となる ) が起債をして調達をした トンネルをワインカーブに転用する事例は他地域でも成功していたため 活用のアイデアとしては当初よりあった 自社に大きなワインカーブを所有していない町内の中小ワイナリーから強い要望があり ワイナリーへの支援という意味合いもあり実現された 写真 1: トンネルワインカーブ入口 ( 左 ) 写真 2: トンネルワインカーブ内部 ( 右 ) 2 大日影トンネルの遊歩道 JR から譲渡された 2 本の旧トンネルのうちもう 1 本については 2007 年 ( 平成 19 年 ) に線路を活かした遊歩道として整備された ( 写真 3) この遊歩道は 勝沼地域に点在する近代産業遺産やワイナリーを周遊するための遊歩道 勝沼フットパス ( 後述 ) の一部となっている ( 写真 4) 写真 3: 大日影トンネル遊歩道入口 3 フットパスの整備勝沼地域に点在する史跡 近代産業遺産 ワイナリーなどを観光客が歩いて回ることができるように 大日影トンネルを含む遊歩道を整備し 半日コース 1 日コース 70 写真 4: フットパスイベントツアー風景 ( 大日影トンネル遊歩道入口 ) ( 甲州市提供 )

などのコース設定をし 勝沼フットパス と名づけた 遊歩道整備にあたっては 国土交通省まちづくり交付金を活用した ルート設定などの検討は住民が中心となって行った フットパス整備後は 検討に加わった住民を中心とする 勝沼フットパスの会 が設立され ガイド付きイベントツアーの開催などの活動を行っている ( 写真 5) フットパスとは イギリスを発祥とする 森林や田園地帯 古い街並みなど地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くこと Foot ができる小径( こみち ) Path のこと ( 日本フットパス協会 ) である 写真 5: フットパスイベントツアー風景 ( 甲州市提供 ) 4 近代産業遺産の修復 保全 JR から譲渡された2 本のトンネルの他 勝沼ワイン生産の基礎を築いた宮崎光太郎の居宅 宮光園 ( 写真 6) の修復 1930 年 ( 昭和 5 年 ) に建設されたコンクリートアーチ橋 祝橋 の改修 勝沼にワイン製造を伝えた土屋助次郎 ( 龍憲 ) が建設したワイン貯蔵庫 龍憲セラー広場 の改修など 近代産業遺産の修復を進めた 事業の多くは国土交通省まちづくり交付金事業として実施され 2004 年度 ( 平成 17 年度 )~2009 年度 ( 平写真 6: 宮光園成 21 年度 ) に実施されている 修復対象とする産業遺産については 市民を中心とする 近代産業遺産を守り育てる検討会 によって選定され 修復された産業遺産はフットパスによって結ばれている 5 ワインツーリズムの開催勝沼ワインの愛飲者を全国に広めることと ワインのまち勝沼をアピールするため 2008 年 ( 平成 20 年 ) より ワインツーリズム を開催している 市内 30 のワイナリーでの試飲の他 特設会場での飲食ブースの設置 ワインやぶどう 地域の歴史文化を学ぶ企画の実施 野菜など地域産品の販売所の設置など ワイナリーだけでなく地域全体で勝沼をアピールするイベントとなっている ( 写真 7) イベント当日はワ写真 7: ワインツーリズムメイン会場イナリーを結ぶ無料バスが実行委員会によって運行されている 運営は NPO 法人 KOSHU かつぬま文化研究所 かつぬま朝市会 勝沼ワイン協会など地域内の住民組織 事業者により組織された実行委員会が行っている 71

6 ぶどうの丘ぶどうの丘は 辺りをぶどう畑で囲まれた小高の丘の上にあり 日本最大級のワインショップやワインカーブ ( 写真 8) レストラン 宿泊施設 温泉施設などを有する観光施設である 勝沼町 ( 当時 ) に所在する中小ワインメーカーの販路確保と 観光客の宿泊ニーズ対応のために町営施設として建設された ワインカーブには 甲州市の審査会に合格した市内ワインメーカー製造の約 180 銘柄のワインが所蔵されてい写真 8: ぶどうの丘のワインカーブる 施設は 1975 年 ( 昭和 50 年 ) から営業開始しているが 勝沼タイムトンネル 100 年構想においても ワイン産業支援と観光振興の施設として 重要な位置を占めている (2) 効果 1 地域資源のネットワーク化と観光資源の開発近代産業遺産とワイナリーを結ぶフットパスの整備 ワインツーリズムの開催などによる効果で 2004 年 ( 平成 16 年 ) 以降勝沼地域の観光客数は増加傾向となっており 2008 年度 ( 平成 20 年度 ) の勝沼地域の観光客数は約 190 万人と過去 10 年間で最大となった また ワインセラーに訪れる観光客に 個人客とリピーターが増加している傾向があるようだが これは フットパスの整備 ワインツーリズムの開催などにより 個人ワイン愛好家を勝沼地域に呼び込む取組みが成果を挙げているためであると思われる なお 2003 年 ( 平成 15 年 ) から 2004 年 ( 平成 16 年 ) に勝沼地域の観光客数が飛躍的に増加 (1,138 1,798 千人 ) しているが これは 2003 年 ( 平成 15 年 ) が天候不順であったためぶどう狩りの観光客が大幅に減少したことと ワイン人気の高まりによるワインセラーへの観光客の増加が重なったものと考えられる ( 千人 ) 勝沼地域の観光客数 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年甲州市資料 出典 : 甲州市資料 72

2 ワイン産業の振興ぶどうの丘での販売により 中小ワインメーカーの販路が確保されるとともに それが宣伝となり 地域外の販売量も増加している また 専用ワインカーブを所有していない中小ワインメーカーの要望に応え 勝沼トンネルワインカーブを整備したところ ワインメーカー用ワインカーブ約 30 万本分はすべて利用されており ワインメーカーの経営支援に効果をあげている (3) 成功要因 1 上位計画の策定近代化産業遺産を地域資源として活用するための構想 勝沼タイムトンネル 100 年構想 においては ぶどうとワインだけでなく ぶどうとワイン産業の発展に貢献した近代化産業遺産に着目することで 産業遺産群に歴史と物語性を付与することができた また 点在する遺産やワイナリーを線でつなぐ散策ルートを設定することで 遺産群が地域産業や文化と結びつき 地域資源に面的広がりを出すことに成功した 2 民間事業者との協力宮光園の市への譲渡や隣接する資料館の整備など 構想実現にあたって民間ワインメーカーの協力が重要な働きを示した 市による地域全体の整備計画が 民間投資を促した側面もあるが 当該事業者が勝沼を会社のシンボルとして位置づけ 勝沼ワイン全体の品質向上やワイン観光の振興の取り組んできたことが 協力体制の背景に存在する 3 民間主体のプラットフォームの構築勝沼地域には市民の自発的な組織による活動が多い 毎月 1 回朝市を行う かつぬま朝市会 フットパスツアーの企画などを実施する 勝沼フットパスの会 甲州種ワインの品質向上のために地元資本の中小ワイン事業者が結成した 勝沼ワイナリーズクラブ などがあり それぞれの組織は市とも連携し活動をしている このような組織の存在と官民連携の下地があったため 近代産業遺産の保存活用やワインツーリズムの実施などの取組みが大きな広がりを見せていると考えられる (4) 今後の課題フットパスの整備により 歩行者のための散策ルートは整備されたが 高齢者や多くのワイン愛好家のためには公共交通機関による回遊ルートの整備が必要である 現在市民向けの巡回バスは存在するが 2 ルートそれぞれ 1 日 3 便だけの運行である ワインメーカーからは 夏から秋にかけてのシーズン中の土日には巡回バスの便数を増発して欲しいとの要望がある 73

現在の観光客は年間 190 万人であり 地域への負荷はそれほど多くないが 今後観光客がさらに増加した場合 地域の自然環境や生活環境に大きな影響を及ぼすことが予想される マイカー観光増加への対応 公共交通の充実 生活空間と観光地との関係などについて検討していく必要がある 関係リンク先甲州市観光情報リンク集 http://www.city.koshu.yamanashi.jp/koshu_wdm/html/sightseeing/42444614201.html 勝沼フットパスオフィシャル HP http://footpath.seesaa.net/ ワインツーリズム山梨 http://www.yamanashiwine.com/ 74