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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

平成 27 年地方分権改革に関する提案募集要項 内閣府地方分権改革推進室 1 趣旨内閣府地方分権改革推進室では 地方分権改革に関する提案募集の実施方針 ( 平成 26 年 4 月 30 日地方分権改革推進本部決定 ) に基づき 地方分権改革に関する全国的な制度改正に係る提案を募集します 2 提案の主

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管理番号 260 提案事項 ( 事項名 ) 平成 26 年地方分権改革に関する提案募集提案事項 防衛省第 2 次回答 提案区分 A 権限移譲提案分野消防 防災 安全 防衛大臣への自衛隊の災害派遣要請の権限を都道府県から指定都市へ移譲 提案団体 相模原市 浜松市 制度の所管 関係府省 求める措置の具体的内容 防衛省 内閣府 総務省 ( 消防庁 ) 現行 自衛隊への派遣要請は都道府県が行うこととされているが 災害現場の状況を直接知りうる基礎自治体であり かつ 都道府県と同等の規模能力を有する指定都市へ移譲すること 具体的な支障事例 地域の実情を踏まえた必要性等 制度改正の必要性 近年のゲリラ豪雨など 局地的 即時的な自然災害が増加している状況を踏まえると 人命が脅かされる災害が発生し それが市町村の対応能力を越えることが明白になった場合 広域調整を経ずして 災害現場の状況を知りうる市町村がいち早く災害派遣要請を行うことができるよう 自衛隊法を改正すべきであると考える それを基本としながら 以下の考え方により まずは指定都市にその権限を移譲する必要があると考える 指定都市は基礎自治体である一方で 道府県と同等の権限を有していること 日ごろから 訓練等を通じ 自衛隊 警察 医療機関等との情報の共有や連携を円滑に遂行できる環境を整えていること 指定都市には 道府県による出先機関などの行政支援機能がほとんど置かれておらず また 土木事業をはじめ 災害時の対応につながる事業についても 指定都市がその多くを行っていることから 道府県が指定都市の状況を把握し難い状況にあると考えられること 根拠法令等 自衛隊法第 83 条第 1 項災害対策基本法第 68 条の 2 1

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めている 3. 警察の運用 消防の広域応援 DMAT( 災害派遣医療チーム ) との協定等の事項は 何れも都道府県が権限を有しており 指定都市は上記を運用する立場にないところ 仮に現行の災害法制を維持したまま 自衛隊への災害派遣要請権限のみを指定都市に移譲すれば 都道府県による広域調整等により地方公共団体による対応を尽くさない段階で自衛隊に要請がかかることとなる 換言すれば 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有することとなるため 各機関の性質 役割分担を考慮すると 制度的に不適切である 4. また 運用の観点からは 上記の通り 災害対策に従事する各機関を運用する立場になく 広域的被災状況を把握する立場にない指定都市から直接災害派遣要請を受けたとしても 自衛隊の派遣の要否を判断することは困難であり 結局のところ 都道府県との調整を別途要するため 二重の調整を要することとなり 災害派遣の迅速性は担保されず 実効的な救援活動に支障をきたす恐れがある 5. 上記の通り 災害が指定都市の範囲内に限定して発生するか否かに関わらず 災害法制における指定都市の位置づけが 総合調整機能を担い 地方公共団体の対応を尽くす立場にないため 災害法制全体における指定都市の役割分担及び権限を変更することなしに 自衛隊の災害派遣要請権限を移譲する変更のみを実施することは不可能である 各府省からの第 1 次回答を踏まえた提案団体からの意見 第 1 次回答のとおり 現行の法の考え方では 災害対策は 市町村による第一義的な応急対応と 都道府県による関係機関間の総合調整を前提とされているところであるが そもそも その第一義的な応急対応においても 自衛隊の派遣要請に至るような緊急的なケースがあると考えることから 本提案に至ったものである また 回答では 地方公共団体による対応を尽くさない段階で 自衛隊に要請がかかることについて懸念されているが 派遣要請に至る判断基準は 広域調整等の対応の程度や段階によるものではなく 自治体の対応能力を越えると当該自治体が判断した段階で 行えるべきと考える 実際の災害においては 指定都市は 現場の状況を直接知りうる立場であるとともに 警察や消防等の関係機関間の活動調整 情報共有などに一定の役割を担うこととなることから その状況全般を踏まえたうえで 自衛隊に派遣要請を行うものと考えており このため 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有する ことにはならないものと考える 全国知事会からの意見 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである 市町村長は都道府県知事に自衛隊の災害派遣要請を要求することが可能であり さらに この要求をすることが出来ない場合には 防衛大臣等に通知することが可能である 全国市長会 全国町村会からの意見 2

全国市長会 提案団体の提案の実現に向けて 積極的な検討を求める 各府省からの第 2 次回答 1. 第 1 次回答のとおり 災害対策は 災害対策基本法第 4 条及び第 5 条に基づき 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としています を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めているところです 3. 他方 被災地においてもっとも災害の状況を迅速かつ的確に把握しうる状況にある市町村長についても それに準ずる権限が必要であることから 災害対策基本法第 68 条の 2 第 1 項前段の規定により 市町村長は 都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めることができることとされています また 同条第 2 項の規定により 市町村長は 同項の要求ができない場合には その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知でき 当該通知を受けた 防衛大臣等は その事態に照らし 特に緊急を要し 都道府県知事の要請を待ついとまがないと認められるときは 当該要請を待たないで災害派遣を行うことができます 4. さらに 平成 20 年 5 月 28 日には 地方分権改革推進委員会は 以上の枠組みと災害派遣要請権限の市長への付与を求める全国市長会の意見を踏まえた上で 市町村長が 都道府県知事による防衛大臣に対しうる災害派遣要請をするよう求めた場合には 同時にその旨を防衛大臣等に対して通知することができるよう 必要な措置を講じる べきとの勧告を政府に対して行い これを受け 政府は 災害対策基本法第 68 条の 2 を改正し 市町村長が都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めた場合において 市町村長は その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知することができることとしたところであり ( 同条第 1 項後段 ) 現行の制度により 迅速かつ適切な災害派遣を行い得る枠組みが確保されているものと考えております 5. 加えて 今般の御意見に対し 全国知事会から 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである との御意見があるところです 6. これらを踏まえれば 指定都市に災害派遣要請の権限を付与することは 適さないと考えております 3

平成 26 年地方分権改革に関する提案募集提案事項 防衛省第 2 次回答 管理番号 430 提案区分 A 権限移譲提案分野消防 防災 安全提案事項自衛隊災害派遣要請権限の市長への付与 ( 事項名 ) 提案団体 郡山市 制度の所管 関係府省 求める措置の具体的内容 防衛省 内閣府 総務省 ( 消防庁 ) 浸水被害による住民の孤立化 雪害における道路の除雪等などの地域のみが直接的に把握できる被害に限定し 市長が自衛隊に対して直接 災害派遣を要請できるよう権限を付与し 都道府県へは事後報告とする 具体的な支障事例 地域の実情を踏まえた必要性等 提案事項 制度改正の必要性 自衛隊法第 83 条第 1 項に 都道府県知事その他政令で定める者は 天災地変その他の災害に際して 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には 部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる と示されている都道府県知事の自衛隊への災害派遣の要請権限について 浸水被害による住民の孤立化 大雪による雪害において道路の除雪等を速やかに行う場合などに限定し 災害救助活動をより迅速かつ的確に行うため 地域の被災状況を最も把握し 警察 消防等関係機関との連携により 市民の生命 身体及び財産を守る被災市から直接 自衛隊の派遣を要請できるよう権限を移譲すること提案する 詳細については別紙あり 根拠法令等 自衛隊法第 83 条第 1 項災害対策基本法第 68 条の 2 4

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めている 3. 警察の運用 消防の広域応援 DMAT( 災害派遣医療チーム ) との協定等の事項は 何れも都道府県が権限を有しており 市 ( 市長 ) は上記を運用する立場にないところ 仮に現行の災害法制を維持したまま 自衛隊への災害派遣要請権限のみを市 ( 市長 ) に付与すれば 都道府県による広域調整等により地方公共団体による対応を尽くさない段階で自衛隊に要請がかかることとなる 換言すれば 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有することとなるため 各機関の性質 役割分担を考慮すると 制度的に不適切である 4. また 運用の観点からは 上記の通り 災害対策に従事する各機関を運用する立場になく 広域的被災状況を把握する立場にない市 ( 市長 ) から直接災害派遣要請を受けたとしても 自衛隊の派遣の要否を判断することは困難であり 結局のところ 都道府県との調整を別途要するため 二重の調整を要することとなり 災害派遣の迅速性は担保されず 実効的な救援活動に支障をきたす恐れがある 5. 上記の通り 災害が市 ( 市長 ) の範囲内に限定して発生するか否かに関わらず 災害法制における市 ( 市長 ) の位置づけが 総合調整機能を担い 地方公共団体の対応を尽くす立場にないため 災害法制全体における市 ( 市長 ) の役割分担及び権限を変更することなしに 自衛隊の災害派遣要請権限を付与する変更のみを実施することは不可能である 各府省からの第 1 次回答を踏まえた提案団体からの意見 近年の災害は ゲリラ豪雨による河川の氾濫や土砂災害等 局地的な災害が増加傾向にあり また その災害対応に当たっては 市民の生命 身体及び財産を守るため 迅速かつ的確な対応が必要となっている 人口が密集した都市部においては局地的な災害等が発生すれば被害が大きくなる可能性が非常に高いため 一部地域的な災害等にあっても 市長が自衛隊の派遣を直接要請できる権限を委譲されるよう再度要望する 全国知事会からの意見 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである 市町村長は都道府県知事に自衛隊の災害派遣要請を要求することが可能であり さらに この要求をすることが出来ない場合には 防衛大臣等に通知することが可能である 全国市長会 全国町村会からの意見 全国市長会 提案団体の提案の実現に向けて 積極的な検討を求める 各府省からの第 2 次回答 5

1. 第 1 次回答のとおり 災害対策は 災害対策基本法第 4 条及び第 5 条に基づき 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としています を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めているところです 3. 他方 被災地においてもっとも災害の状況を迅速かつ的確に把握しうる状況にある市町村長についても それに準ずる権限が必要であることから 災害対策基本法第 68 条の 2 第 1 項前段の規定により 市町村長は 都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めることができることとされています また 同条第 2 項の規定により 市町村長は 同項の要求ができない場合には その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知でき 当該通知を受けた 防衛大臣等は その事態に照らし 特に緊急を要し 都道府県知事の要請を待ついとまがないと認められるときは 当該要請を待たないで災害派遣を行うことができます 4. さらに 平成 20 年 5 月 28 日には 地方分権改革推進委員会は 以上の枠組みと災害派遣要請権限の市長への付与を求める全国市長会の意見を踏まえた上で 市町村長が 都道府県知事による防衛大臣に対しうる災害派遣要請をするよう求めた場合には 同時にその旨を防衛大臣等に対して通知することができるよう 必要な措置を講じる べきとの勧告を政府に対して行い これを受け 政府は 災害対策基本法第 68 条の 2 を改正し 市町村長が都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めた場合において 市町村長は その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知することができることとしたところであり ( 同条第 1 項後段 ) 現行の制度により 迅速かつ適切な災害派遣を行い得る枠組みが確保されているものと考えております 5. 加えて 今般の御意見に対し 全国知事会から 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである との御意見があるところです 6. これらを踏まえれば 市長に災害派遣要請の権限を付与することは 適さないと考えております 6

管理番号 628 提案事項 ( 事項名 ) 平成 26 年地方分権改革に関する提案募集提案事項 防衛省第 2 次回答 提案区分 A 権限移譲提案分野消防 防災 安全 自衛隊に対する災害派遣の要請手続きの都道府県知事から市町村長への権限移譲 提案団体 長崎県 制度の所管 関係府省防衛省 内閣府 総務省 ( 消防庁 ) 求める措置の具体的内容自衛隊への災害派遣の要請手続きを 都道府県知事から直接市町村長まで拡大する権限移譲 具体的な支障事例 地域の実情を踏まえた必要性等 支障 制度改正の必要性 現状では 自衛隊法第 83 条第 1 条により 災害発生後 人命 財産の保護のために必要がある場合 市町村長が都道府県知事に依頼し 自衛隊への災害派遣要請をすることが原則となっている しかしながら 市町村合併も進展し 区域が広域化するとともに 災害の種類の多様化 大型化している中で より迅速に効率的に対応するためには 市町村長の権限として 直接災害派遣要請ができることが求められると考える 台風や大雨などの風水害はある程度の予測 準備の対応は可能であるが 地震や大規模な事故などの対応は特に緊急性を要するので 避難勧告 避難指示の権限を有する市町村長の判断のバックボーンとなるものと考える 市町村長へ権限を拡大しても 同時に都道府県知事への通知や報告を行うことで 都道府県の応援や協力体制も可能になるものと考える 根拠法令等 自衛隊法第 83 条第 1 項災害対策基本法第 68 条の 2 7

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めている 3. 警察の運用 消防の広域応援 DMAT( 災害派遣医療チーム ) との協定等の事項は 何れも都道府県が権限を有しており 市町村 ( 市町村長 ) は上記を運用する立場にないところ 仮に現行の災害法制を維持したまま 自衛隊への災害派遣要請権限のみを市町村 ( 市町村長 ) に移譲すれば 都道府県による広域調整等により地方公共団体による対応を尽くさない段階で自衛隊に要請がかかることとなる 換言すれば 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有することとなるため 各機関の性質 役割分担を考慮すると 制度的に不適切である 4. また 運用の観点からは 上記の通り 災害対策に従事する各機関を運用する立場になく 広域的被災状況を把握する立場にない市町村 ( 市町村長 ) から直接災害派遣要請を受けたとしても 自衛隊の派遣の要否を判断することは困難であり 結局のところ 都道府県との調整を別途要するため 二重の調整を要することとなり 災害派遣の迅速性は担保されず 実効的な救援活動に支障をきたす恐れがある 5. 上記の通り 災害が市町村 ( 市町村長 ) の範囲内に限定して発生するか否かに関わらず 災害法制における市町村 ( 市町村長 ) の位置づけが 総合調整機能を担い 地方公共団体の対応を尽くす立場にないため 災害法制全体における市町村 ( 市町村長 ) の役割分担及び権限を変更することなしに 自衛隊の災害派遣要請権限を委譲する変更のみを実施することは不可能である 各府省からの第 1 次回答を踏まえた提案団体からの意見 回答については 了解しました 災害が大規模化 特殊化している中 住民の生命 財産を守るため 自衛隊の部隊に頼らざるを得ない事態や緊急性がある場合には 今後ともご協力をお願いしたい 全国知事会からの意見 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである 市町村長は都道府県知事に自衛隊の災害派遣要請を要求することが可能であり さらに この要求をすることが出来ない場合には 防衛大臣等に通知することが可能である 全国市長会 全国町村会からの意見 全国市長会 提案団体の提案の実現に向けて 積極的な検討を求める 各府省からの第 2 次回答 8

回答なし 9

管理番号 683 提案事項 ( 事項名 ) 平成 26 年地方分権改革に関する提案募集提案事項 防衛省第 2 次回答 提案区分 A 権限移譲提案分野消防 防災 安全 自衛隊の災害派遣要請権限の全市長への移譲 提案団体 横浜市 制度の所管 関係府省 求める措置の具体的内容 防衛省 内閣府 総務省 ( 消防庁 ) 市長が自衛隊に対して直接 災害派遣を要請できるようにし 派遣要請は都道府県に事後報告することとする 具体的な支障事例 地域の実情を踏まえた必要性等 制度改正の必要性 大規模災害発生時においては 72 時間以内の人命救助に象徴されるように 迅速な応急対策が求められる 制度改正による効果 事態を最も把握している現場の被災市の長である市長から 取りまとめ役の県を経由することなく 直接 自衛隊に対して災害派遣を直接要請できる権限が付与されれば 大規模災害発生時の通知事務の簡素化や迅速な派遣要請の実施につながり 住民の生命を守るための救助活動等も より迅速な対応となることが見込まれる 懸念の解決策 なお 本提案は 災害対策法の前提である 地方公共団体による広域的な対応を行っても解決できない場合 を崩しておらず 要請をするときは 既に地方公共団体では対応できない状況で 迅速性や事務の効率化を最優先に考えるべきであることから 都道府県知事のみが災害派遣要請を行う合理的な理由はない また 要請が集中する との懸念については そのような状態は甚大な被害が想定される災害であり 権限移譲による弊害ではなく むしろ国において情報収集が遅くなる要因となるのではないか 根拠法令等 自衛隊法第 83 条災害対策基本法第 68 条の 2 10

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めている 3. 警察の運用 消防の広域応援 DMAT( 災害派遣医療チーム ) との協定等の事項は 何れも都道府県が権限を有しており 市 ( 市長 ) は上記を運用する立場にないところ 仮に現行の災害法制を維持したまま 自衛隊への災害派遣要請権限のみを市 ( 市長 ) に付与すれば 都道府県による広域調整等により地方公共団体による対応を尽くさない段階で自衛隊に要請がかかることとなる 換言すれば 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有することとなるため 各機関の性質 役割分担を考慮すると 制度的に不適切である 4. また 運用の観点からは 上記の通り 災害対策に従事する各機関を運用する立場になく 広域的被災状況を把握する立場にない市 ( 市長 ) から直接災害派遣要請を受けたとしても 自衛隊の派遣の要否を判断することは困難であり 結局のところ 都道府県との調整を別途要するため 二重の調整を要することとなり 災害派遣の迅速性は担保されず 実効的な救援活動に支障をきたす恐れがある 5. 上記の通り 災害が市 ( 市長 ) の範囲内に限定して発生するか否かに関わらず 災害法制における市 ( 市長 ) の位置づけが 総合調整機能を担い 地方公共団体の対応を尽くす立場にないため 災害法制全体における市 ( 市長 ) の役割分担及び権限を変更することなしに 自衛隊の災害派遣要請権限を付与する変更のみを実施することは不可能である 各府省からの第 1 次回答を踏まえた提案団体からの意見 第 1 次回答のとおり 現行の法の考え方では 災害対策は 市町村による第一義的な応急対応と 都道府県による関係機関間の総合調整を前提とされているところであるが そもそも その第一義的な応急対応においても 自衛隊の派遣要請に至るような緊急的なケースがあると考える また 回答では 地方公共団体による対応を尽くさない段階で 自衛隊に要請がかかることについて懸念されているが 派遣要請に至る判断基準は 広域調整等の対応の程度や段階によるものではなく 自治体の対応能力を越えると当該自治体が判断した段階で 行えるべきと考える 実際の災害においては 市は 現場の状況を直接知りうる立場であるとともに 警察や消防等の関係機関間の活動調整 情報共有などに一定の役割を担うこととなることから その状況全般を踏まえたうえで 自衛隊に派遣要請を行うものと考えており このため 自衛隊が地方公共団体以上に地域の災害対策に責任を有する ことにはならない 全国知事会からの意見 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである 市町村長は都道府県知事に自衛隊の災害派遣要請を要求することが可能であり さらに この要求をすることが出来ない場合には 防衛大臣等に通知することが可能である 全国市長会 全国町村会からの意見 全国市長会 提案団体の提案の実現に向けて 積極的な検討を求める 11

各府省からの第 2 次回答 1. 第 1 次回答のとおり 災害対策は 災害対策基本法第 4 条及び第 5 条に基づき 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としています を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要があると認める場合に 区域内の被災 対応状況を全般的に掌握した上で 総合調整機能を担う都道府県知事等に 自衛隊の災害派遣要請権限を認めているところです 3. 他方 被災地においてもっとも災害の状況を迅速かつ的確に把握しうる状況にある市町村長についても それに準ずる権限が必要であることから 災害対策基本法第 68 条の 2 第 1 項前段の規定により 市町村長は 都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めることができることとされています また 同条第 2 項の規定により 市町村長は 同項の要求ができない場合には その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知でき 当該通知を受けた 防衛大臣等は その事態に照らし 特に緊急を要し 都道府県知事の要請を待ついとまがないと認められるときは 当該要請を待たないで災害派遣を行うことができます 4. さらに 平成 20 年 5 月 28 日には 地方分権改革推進委員会は 以上の枠組みと災害派遣要請権限の市長への付与を求める全国市長会の意見を踏まえた上で 市町村長が 都道府県知事による防衛大臣に対しうる災害派遣要請をするよう求めた場合には 同時にその旨を防衛大臣等に対して通知することができるよう 必要な措置を講じる べきとの勧告を政府に対して行い これを受け 政府は 災害対策基本法第 68 条の 2 を改正し 市町村長が都道府県知事に対し 災害派遣の要請をするよう求めた場合において 市町村長は その旨及び災害の状況を防衛大臣等に通知することができることとしたところであり ( 同条第 1 項後段 ) 現行の制度により 迅速かつ適切な災害派遣を行い得る枠組みが確保されているものと考えております 5. 加えて 今般の御意見に対し 全国知事会から 自衛隊の災害派遣要請は 引き続き都道府県知事の権限とするべきである との御意見があるところです 6. これらを踏まえれば 市長に災害派遣要請の権限を付与することは 適さないと考えております 12