KEN0109_施工技術の動向-三.indd

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第 15 章コンクリート補修工 15-1 ひび割れ補修工 (1) ひび割れ表面処理工 ( 研磨工 ) 15-1 (2) ひび割れ低圧注入工 15-1 (3) ひび割れ充填工 目地補修工 (1) 成型ゴム挿入工 15-4 (2) 充填工 既設水路断面修復 表面被

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数量総括表 東広畔橋 工 種 種別規格単位 数 量 摘 要 ひびわれ注入工ひびわれ注入エポキシ樹脂系 m 24 表面含浸工 ひびわれ注入 ひびわれ注入 表面含浸 エポキシ樹脂系 IPH システム同工法 329 横 下向き注入 エポキシ樹脂系 IPHシステム同工法 317 上向き注入 サンハイドロック

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1. 数量総括表種別材質 規格単位数量備考断面修復工ポリマーセメントモルタル m2 4.7 t=50mm m Co 殻処理 m3 0 表面含浸工 下向き ( 地覆 ) プロテクトシルCIT 同等品以上 m2 27 横向き ( 地覆 ) プロテクトシルCIT 同等品以上 m2 24 上向き

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土木工事における適切な工期設定の考え方 1. 主旨建設産業においては 適切な賃金水準の確保 週休 2 日の推進 長時間労働の是正など必要な環境整備を進めているなか 工事時期を平準化し適切な工期の設定することにより 建設現場の週休 2 日の実現に取り組む必要がある 平成 30 年 4 月 1 日より原

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また 建築工事市場単価フォローアップ要領 の3. 検討のための要件及び対応の内 3-4 本施行されている工種の急激な価格変動が認められた場合 の調査方法について フォローアップにおける定点調査の所要な変更を行った 内容は次回の定点調査は代表細目から全細目に変更することし 解りやすい表現とした 3.2

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平成 29 年度事業報告 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 平成 29 年度事業の概要 当会計年度における県内の経済は 公共投資では大型案件の増加等により 景気は回復基調にありましたが 県が行う土木事業については 減少傾向にありました 平成 29 年度の

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施工技術の動向 橋梁補修工の新規制定歩掛について 国土交通省総合政策局公共事業企画調整課 1. 国土交通省では平成 26 年度土木工事標準歩掛に 橋梁補修工 3 工種の歩掛を新規に制定した 本稿では, 調査状況や歩掛制定の検討内容について, その概要を紹介する 2. 近年の橋梁補修工事の増加により全国的に歩掛制定の要望があったことから, 施工実態調査を実施した 調査の規模としては, 国土交通省および都道府県ならびに政令市が行っている橋梁補修工事を対象としている 表面塗布工法 ひび割れ補修工法 低圧注入工法 充てん工法 含浸材塗布工法 主な補修工法 断面修復工法 左官工法 吹付け工法 表面処理工法 表面被覆工 充てん工法 パネル取付け工 埋設型枠工法 塗装工法 シート工法 82

橋梁補修工は, ひび割れ補修工 断面修復工 表面被覆工 と三つに大別され, それぞれの工法もさらに多岐にわたる工法がある ( 1 ) 図 1 に示す各工法を対象に施工実態調査を実施し, 実績の多かった工法 ( 青囲み部 ) を対象に新規歩掛制定を行った 3. 足 場 設 置 ひ び 割 れ 部 の 清 掃 注 入 孔 の 設 置 シール材塗布及び注入器具取付 注入材の注入 ( 追加注入含む ) シー ル 材 及 び 注 入 器 具 撤 去 仕上げ 平成 26 年度に制定した各工法の概要および施工フロー等を紹介する 1 低圧注入工法 概要 コンクリートに生じたひび割れを閉塞する工法で, ひび割れ補修 ( 低圧注入工法 ) の例を 2 に示す 足場撤去 注入器具の種類によって作業の順序が前後しても適用できる ール材塗布及び注入器具を取付, 注入材を低圧で注入する工法 ( 2 4 ) である 注入が終了した後に注入器具及びシール材を撤去し表面を仕上げる これら一連作業の歩掛制定を行った 効果 劣化因子 ( 塩化物イオン, 二酸化炭素水など ) がコンクリートの内部に供給されることを防止する 適用範囲 本工法は, 橋梁のひび割れ補修における 1 橋当たりの低圧注入作業 ( ひび割れ延長 300m 以下, 注入圧力 0.4MPa 以下 ) を行う場合に適用する 施工フロー 低圧注入工法は, コンクリート構造物の劣化により, ひび割れした部分を注入材を用いて補修する工法で, ひび割れ部の清掃, 注入孔の設置, シ 83

足場設置 ひび割れ面のカット ひび割れ部の清掃 プライマー塗布 充てん材の充てん 2 充てん工法 概要 コンクリートに生じたひび割れを閉塞する工法で, ひび割れ補修 ( 充てん工法 ) の例を 4 に示す 仕 上 げ 足 場 撤 去 効果 劣化因子 ( 塩化物イオン, 二酸化炭素水など ) がコンクリートの内部に供給されることを防止する 適用範囲 本工法は, 橋梁のひび割れ補修における 1 橋当たりの充てん作業 ( ひび割れ延長 300m 以下 ) に適用する 施工フロー 充てん工法は, コンクリート構造物の劣化により, ひび割れした部分をカット ( 5 ) した後, 表面を清掃し, プライマー塗布 ( 6 ) 後に充てん材を充てん ( 7 ) して補修する工法である これら一連作業の歩掛制定を行った 84

概要 コンクリート構造物の劣化により, 欠落した部分や, 欠落はしていないが中性化, 塩化物イオン化など劣化因子を含む, かぶりコンクリートを除去した後の断面復旧を目的とした工法で断面修復工 ( 左官工法 ) の例を 6 に示す 効果 使用機能性等を元の状態に回復させる 適用範囲 本工法は, 橋梁の断面修復における 1 橋当たりの左官作業 ( 体積 1.5m 3 以下 ) に適用する 施工フロー 断面修復工 ( 左官工法 ) は, コンクリート構造物の劣化等により欠落した部分等の断面を修復する工法で, 欠落した部分のコンクリートにカッター作業 ( 9 ) を行い, その後, はつり作業 足場設置 コンクリートはつり ( カッター工含む ) 鉄筋ケレン 鉄筋防錆処理 ( 必要に応じ計上 ) 断面修復 ( 左官 ) ( プライマー含む ) 足場撤去 85

( 10) を行う 必要に応じて鉄筋ケレン ( 12) と鉄筋防錆処理 ( 13) を行う はつり後のコンクリート表面にプライマーを塗布 ( 14) し, 断面修復材をコテ等で塗りつけ補修 ( 15) する これら一連作業の歩掛制定を行った 概要 コンクリート表面を被覆材で覆う工法で, 表面被覆 ( 塗装工法 ) の例を 8 に示す 効果 劣化因子とコンクリートとの接触を遮断する 適用範囲 本工法は, 橋梁補修のコンクリート面の表面被覆工 ( 塗装工法 ) における 1 橋当たりの塗装作業 ( 仕上げ面積 2000m 2 以下 ) に適用する ただし, 新設時の塗装には適用しない 施工フロー 塗装工法は, コンクリート構造物のコンクリート表面を被覆材で覆う工法で, 下地処理 ( 17), プライマー塗布, 下塗り { パテ塗布 }( 86

足場設置 下地処理 プライマ - 塗 布 下塗り ( パテ塗布 ) 中塗り 上塗り 足場撤去 4. 歩掛制定に当たって, 橋梁補修は多様な工法であるため, 補修を行う規模, 条件および材料特性に伴う施工方法の違いを工法ごとに検証する必要があった また, 施工量が少量の場合にも対応した歩掛や, 積算の簡素化についても検討した 1 施工日数算出式の採用 2 少量の施工に対応した歩掛 3 簡素化を考慮した一連作業の複合歩掛化 18), 中塗り, 上塗り ( 19) の各作業を行って被覆する工法である 塗装工法では各作業に対応した歩掛の制定を行った 今回制定した歩掛は全て 10のとおり, 標準的な編成人員で行う場合の施工日数を式により求めるものとした 87

1. 適用範囲本資料は, 橋梁の断面修復における 1 橋当りの左官作業 ( 体積 1.5m 3 以下 ) に適用する 2. 施工概要施工フローは, 下記を標準とする 足 場 設 置 コンクリートはつり ( カッター工含む ) 鉄筋ケレン 鉄筋防錆処理 ( 必要に応じ計上 ) 断面修復 ( 左官 ) ( プライマー含む ) 足 場 撤 去 ( 注 ) 本歩掛で対応しているのは, 実線部分のみである 3. 編成人員 断面修復工 ( 左官工法 ) の編成人員は, 次 表を標準とする ( 人 / 橋 ) 土木一般世話役 特殊作業員 普通作業員 1 2 1 4. 施工歩掛 4 1 1 橋当り施工日数 ( 鉄筋ケレン 防錆 処理を含む ) コンクリートはつり ( カッター工含む ), 左官 ( プライマー 仕上げ含む ), 鉄筋ケレ ン 防錆処理を含む 1 橋当りの施工日数 Dは 次による D=18.92 V+1.48 D: 1 橋当り施工日数 ( 日 / 橋 ) V: 1 橋当りの延べ施工量 (m 3 / 橋 ) これにより施工量が少量の場合にも実態を反映した歩掛となっている また, 材料については, 施工現場で必要な量を計上することが可能な歩掛とした 歩掛改定の詳細については, 国土交通省のホームページに記載 (http://www.mlit.go.jp/sogosei saku/constplan/sosei_constplan_tk_000024. html) 5. 平成 26 年度制定した 橋梁補修工 の 3 工種 ( 4 工法 ) の標準歩掛の新規制定により, 従来のように見積り等を徴収する必要がなくなり, 受発注者の積算に関わる負担が軽減すると見込んでいる 引き続き, 必要な調査を行い, 標準歩掛の整備 改定を推進する等, 適正な予定価格の設定に努めていく なお, 標準歩掛は, 実際の施工における工法や機械を規定するものではなく, 標準的な施工を想定して予定価格を算出するためのツールであり, 任意と指定を正しく理解し, 適切な運用をお願いしたい 88