大鹿村内発生土置き場(旧荒川荘)における環境保全について

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大鹿村内発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) における 環境保全について 平成 30 年 2 月 東海旅客鉄道株式会社

目 次 頁第 1 章本書の概要 1-1 第 2 章工事の概要 2-1 2-1 工事位置 2-1 2-2 工事の規模 2-2 2-3 工事の概要 2-2 2-4 工事工程 2-5 2-5 運搬に用いる車両の運行台数について 2-5 第 3 章環境保全措置の計画 3-1 3-1 環境保全措置の検討方法 3-1 3-2 重要な種等の生息 生育地の回避検討 3-2 3-3 土地の安定性への影響の回避検討 3-16 3-4 工事による影響を低減させるための環境保全措置 3-18 3-4-1 大気環境 ( 大気質 騒音 振動 ) 3-18 3-4-2 水環境 ( 水質 ) 3-20 3-4-3 動物 植物 生態系 3-22 3-4-4 景観 人と自然との触れ合いの活動の場 3-25 3-5 資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による影響を低減させるための環境保全措置 3-26 3-6 環境保全措置を実施していくにあたっての対応方針 3-27 第 4 章事後調査及びモニタリング 4-1 4-1 事後調査及びモニタリングの実施計画 4-1 4-2 事後調査及びモニタリングの結果の取扱い 4-2 第 5 章発生土置き場の管理計画 5-1 5-1 管理計画の概要 5-1 5-2 工事中の管理計画 5-1 5-3 工事完了後の管理計画 5-3

第 1 章本書の概要長野県下伊那郡大鹿村釜沢地区において計画している発生土置き場について 中央新幹線 ( 東京都 名古屋市間 ) 環境影響評価書 長野県 平成 26 年 8 月 ( 以下 評価書 という ) 及び 大鹿村内発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) における環境の調査及び影響検討の結果について ( 平成 30 年 2 月 ) ( 以下 調査 影響検討結果 という ) に基づいて工事中に実施する環境保全措置及び事後調査 モニタリングの具体的な計画 並びに 工事中 工事完了後に周辺環境への影響を回避低減するための管理計画についてとりまとめたものである 1-1

第 2 章工事の概要 2-1 工事位置大鹿地区ではこれまでに 図 2-1 に示す 8 箇所の発生土仮置き場候補地 ( 一部は公共事業での活用について協議中 ) のうち 3 箇所 (A B E) について発生土仮置き場として使用している 本書では 今回 新たに計画する発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地の環境保全措置をとりまとめる なお 発生土置き場の選定にあたっては 置き場の容量や非常口からの位置及び運搬経路の状況 法令等制約条件を踏まえて候補地を選定し 関係者との調整状況や環境の調査及び影響検討の結果を踏まえて 具体的な計画地としていく 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地の現況については写真 2-1 に示すとおりである 候補地 F 候補地 G 計画地 E 候補地 H 発生土置き場 凡例 ( 旧荒川荘 ) 計画地計画地 A 計画地 B 候補地 C 計画路線 ( トンネル ) 計画路線 ( 橋りょう ) 先進坑 ( トンネル ) 非常口非常口 ( トンネル ) 発生土仮置き場計画地 候補地発生土置き場計画地候補地 D 運搬に用いる車両の運行ルート 0 1 2 km 図 2-1 発生土置き場 発生土仮置き場の候補地および計画地の位置 写真 2-1 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地の現況 2-1

発生土置き場 旧荒川荘 計画地へは 南アルプストンネル除山非常口及び釜沢非常口か らの発生土を運搬することを計画している なお 土壌汚染対策法に基づく土壌溶出量基準 を超える自然由来の重金属等を含む発生土 要対策土 は搬入しない また 発生土置き場 旧荒川荘 への発生土の搬入は 発生土の発生状況や工事状況等を 踏まえ 発生土仮置き場A及びBと交互に行う可能性があるが 釜沢地区において複数の置き 場で同時に建設機械が稼働することがないように計画する 2-2 工事の規模 発生土置き場 旧荒川荘 計画地 面積 約4 400m2 容量 約30 000m3 最大盛土高 約15m 工事完了後の利用計画 盛土造成後 植林 法面緑化を行う 盛土沿いの県道は盛土を活用し拡幅する計画 2-3 工事の概要 発生土を用いた盛土の計画については図 2-2 に示す 0 10 20m 本図は自社測量成果物を用いている 今後の行政との協議により変わる可能性がある 図 2-2(1) 発生土置き場 旧荒川荘 計画地における盛土計画 2-2 平面図

壁面工 ( 植生シート ) 現道 拡幅後の道路 W= 約 7.0m 盛土 盛土補強材 ( 約 5m 約 10m) 断面 1 壁面工 ( 植生シート ) 現道 拡幅後の道路 W= 約 7.0m 盛土 盛土補強材 ( 約 5m 約 9m) 断面 2 断面 3 今後の行政との協議により変わる可能性がある 図 2-2(2) 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地における盛土計画断面図 2-3

工事概要は以下のとおりである 工事時間 :8 時 00 分 ~17 時 00 分休工日 : 日曜日 その他長期休暇 ( 年末年始等 ) 工事期間 : 平成 30 年度初 ~ 平成 31 年度末頃 ( 予定 ) 発生土の発生状況等により 工事期間の変更や やむを得ず 上記以外の時間や休工日に作業や運搬を行うことがあります 施工手順については 下記のフロー図及び図 2-3 のとおりである 主に1~3の作業を繰り返すことにより 盛土を構築する なお 工事にあたり 旧荒川荘は撤去することを考えている 基礎地盤の整地 排水工敷設 発生土搬入開始 1 盛土補強材の敷設 2 敷均し 締固め 3 所定の層厚の確保 所定の盛土高さ 付帯工 道路の舗装等 完工 図 2-3 発生土置き場における主な施工手順 2-4

2-4 工事工程工事工程を表 2-1 に示す 表 2-1 工事工程 作業名 年度 平成 30 年度 平成 31 内容 1/4 2/4 3/4 4/4 年度 準備工 支障移転 仮設設備設置等 盛土工 土搬入 締固め 転圧等 発生土の発生状況等により変更の可能性がある 2-5 運搬に用いる車両の運行台数について 運搬に用いる車両の運行台数を表 2-2 に示す 表 2-2 運搬に用いる車両の台数 ( 台 / 月 ) 工事位置 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地 1 年目 1/4 2/4 3/4 4/4 最大台数 / 月 総台数 /(1/4) 年 最大台数 / 月 総台数 /(1/4) 年 最大台数 / 月 総台数 /(1/4) 年 最大台数 / 月 総台数 /(1/4) 年 920 1094 1150 1641 1150 1641 0 0 車両台数は発生土の発生状況等により変更の可能性があるが 最大となる場合を想定して算定した 2-5

第 3 章環境保全措置の計画 3-1 環境保全措置の検討方法 調査 影響検討結果で予測した結果をもとに 調査 影響検討結果に記載した環境保全措置について 現地の状況に合わせて下記に示す具体的検討手順により採否を検討した 工事に伴う改変を予定している箇所に生育する植物について 環境保全措置の詳細な検討に向けた調査を実施したので その調査結果も同様の手順で検討した ( 具体的検討手順 ) 発生土置き場の詳細な計画にあたり 重要な動植物の種等が生息 生育する箇所をできる限り回避するとともに 重要な地形及び地質等その他の環境要因への影響も考慮し地形の改変範囲をできる限り小さくするように計画 そのうえで 工事による影響を低減させるための環境保全措置を現場の状況に即し 建設機械 仮設設備等のハード面 係員配置 教育 指導 設備のメンテナンス等のソフト面から検討 必要な場合には 環境を代償するための措置について検討 植物の移植等 専門性の高い環境保全措置については 専門家等の助言を受けて検討を行った 3-1

3-2 重要な種等の生息 生育地の回避検討 発生土置き場の検討にあたっては できるだけ多くの発生土を安全に盛土できるよう計画するとともに 重要な種等の生息 生育地が存在することから 図 3-1~12 及び表 3-1 のとおり 環境保全措置として 重要な種等の生息 生育地の回避検討を行い 重要な種等への影響について回避を図った なお 希少種保護の観点から位置等の情報については非公開にしている 希少種保護のため非公開 図 3-1 重要な種等の確認位置 ( 哺乳類 ) 3-2

希少種保護のため非公開 図 3-2 重要な種等の確認位置 ( 鳥類 春季 ) 3-3

希少種保護のため非公開 図 3-3 重要な種等の確認位置 ( 鳥類 繁殖季 ) 3-4

希少種保護のため非公開 図 3-4 重要な種等の確認位置 ( 鳥類 夏季 ) 3-5

希少種保護のため非公開 図 3-5 重要な種等の確認位置 ( 鳥類 秋季 ) 3-6

希少種保護のため非公開 図 3-6 重要な種等の確認位置 ( 鳥類 冬季 ) 3-7

希少種保護のため非公開 図 3-7 重要な種等の確認位置 ( 爬虫類 ) 3-8

希少種保護のため非公開 図 3-8 重要な種等の確認位置 ( 昆虫類 ) 3-9

希少種保護のため非公開 図 3-9 重要な種等の確認位置 ( 魚類 ) 3-10

希少種保護のため非公開 図 3-10 重要な種等の確認位置 ( 底生動物 ) 3-11

希少種保護のため非公開 図 3-11 重要な種等の確認位置 ( 植物 ) 3-12

表 3-1(1) 発生土置き場周辺に生息 生育する重要な種等 希少種保護のため非公開 3-13

表 3-1(2) 発生土置き場周辺に生息 生育する重要な種等 希少種保護のため非公開 3-14

表 3-1(3) 発生土置き場周辺に生息 生育する重要な種等 希少種保護のため非公開 希少種保護のため非公開 図 3-12 重要な種等の確認位置 ( 植物 ) 3-15

3-3 土地の安定性への影響の回避検討 発生土置き場の検討にあたっては できる限り地すべり地形を回避するとともに 安定計算により安全性が確保されることを確認した さらに 以下の環境保全措置を採用し 土地の安定性に配慮した工事計画とすることにより 土地の安定性への影響を回避する計画とした 工事の計画面で実施する環境保全措置を表 3-2 に示す 表 3-2 土地の安定性に関する計画面の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 工事に先立ち 地形及び地 排水設備は基準に基づき設計 土地の安定性 適切な構造及び工法の 採用 質等の地域の特性を詳細に把握したうえで 土地の安定確保が図られる工事計画を採用することで 土地の する また より安全性を高めるため 大規模地震を想定した設計とすることで 土地の安定性の確保を図る計画と 安定性を確保できる した 工事中は 表 3-3 の環境保全措置について工事契約に盛り込み確実な実施を図るとともに適切な時期に実施状況の確認を行う 表 3-3 土地の安定性に関する工事実施時の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 土地の安定性 法面 斜面の保護 盛土補強材により法面 斜面を補強することで 崩壊を予防するとともに 植生シートにより法面を緑化し 法面保護することで 土地の安定性を確保できる 盛土補強材による法面 斜面の補強及び植生シートによる法面の保護を行う また 施工基面に勾配を設け 排水を促すことで発生土の泥濘化を防止する 排水は縦排水に集水して適切に排水し 降雨時の浸食を防止する ( 図 3-13) 支持地盤上に分布する崖錐堆 盛土の実施時において 技 積物を撤去する また盛土補 術基準に従って適切に施工 強材を重機械等の使用により 土地の安定性 適切な施工管理 管理を行うことで 安全性の高い工事を実施すること 損傷させないように注意して施工する 敷均し締固めの層 ができ 土地の安定性を確 厚は 30cm を基本とし 層厚管 保できる 理材を使用して技術基準に基 づいた層厚管理を実施する 3-16

施工中その 1 仮設の沈砂池 + 縦排水 現道 完成時の盛土仕上り高さ 盛土 凡例水の流れ 施工中その 2 現道 完成時の盛土仕上り高さ 基盤排水層 仮設の沈砂池 + 縦排水 盛土補強材壁面工 ( 植生シート ) 排水升小河内沢川盛土壁面工 ( 植生シート ) 盛土補強材 凡例 水の流れ 基盤排水層 排水升 小河内沢川 完成時 拡幅後の道路 現道 排水側溝 地表の水は 排水側溝で集水する 縦排水は完成時は埋め戻す 盛土補強材壁面工 ( 植生シート ) 盛土 凡例 水の流れ 地下の水は 暗渠排水路で集水する 排水升基盤排水層 図 3-13 排水計画イメージ ( 施工中及び完成時 ) 小河内沢川 3-17

3-4 工事による影響を低減させるための環境保全措置 工事による影響を低減させるため 工事中に実施する環境保全措置について 工事の内容や周辺の住居の状況等を考慮し 以下のとおり計画する 3-4-1 大気環境 ( 大気質 騒音 振動 ) 工事の計画面で実施する環境保全措置を表 3-4 に示す 表 3-4 大気環境に関する計画面の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 大気質 ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 ) 排出ガス対策型建設機械の 採用 排出ガス対策型建設機械を使用することにより 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる 発生土置き場で使用する建設機械は 排出ガス対策型を使用する計画 ( 写真 1) とした 大気質 工事規模に合わせて必要以上 発生土置き場で使用す ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 粉じん等 ) 騒音 工事規模に合わせた建設機 械の設定 の建設機械の規格 配置及び稼働とならないように計画することで 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 粉じん等 騒 る建設機械は 工事規模を想定して必要以上の規格 配置 稼働とならないように計画す 振動 音 振動の発生を低減できる る 発生土置き場で使用す 騒音振動 低騒音 低振動型建設機械の 採用 低騒音 低振動型建設機械の採用により 工事に伴う騒音 振動の発生を低減できる る建設機械は 低騒音 低振動型建設機械を使用する計画 ( 写真 1) とした 写真 1 排出ガス対策型 低騒音 低振動型建設機械 ( 写真は低騒音 排出ガス対策型 ) 3-18

工事中は表 3-5 の環境保全措置について工事契約に盛り込み確実な実施を図るとともに 適切な時期に実施状況の確認を行う 表 3-5 大気環境に関する工事実施時の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 大気質 ( 二酸化窒素 建設機械の使浮遊粒子状物質 ) 用時における騒音配慮振動大気質 ( 二酸化窒素 建設機械の点浮遊粒子状物質 ) 検及び整備に騒音よる性能維持振動大気質 ( 二酸化窒素 工事従事者へ浮遊粒子状物質 ) の講習 指導騒音振動 建設機械の使用にあたって 高負荷運転の防止 アイドリングストップの推進等により 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生を低減できる 法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検 整備により 建設機械の性能を維持することで 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生を低減できる 建設機械の高負荷運転の抑制 建設機械の点検及び整備について 工事従事者への講習 指導を実施することにより 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生を低減できる 発生土置き場での建設機械の稼働に従事する者に対して高負荷運転の防止及びアイドリングストップを講習 指導する 発生土置き場で使用する建設機械は 法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備を行い 建設機械の性能を維持する 発生土置き場での工事従事者に対して 建設機械の高負荷運転の防止 建設機械の点検及び整備について 講習 指導を実施する 大気質 ( 粉じん等 ) 工事現場の清掃及び散水 工事現場の清掃や散水を行うことで 粉じん等の発生を低 減できる 発生土置き場では 工事現場の清掃及び散水を行う 騒音 振動については 作業期間中継続的に測定を行い その結果も踏まえて影響の低減を図る 3-19

3-4-2 水環境 ( 水質 ) 工事の計画面で実施する環境保全措置を表 3-6 図 3-14 に示す 表 3-6 水環境に関する計画面の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 水質 ( 水の濁 り ) 工事排水の適 切な処理 工事により発生する濁水は必要に応じ 発生水量を考慮した沈砂池等を設置し 法令等に基づく排水基準等を踏まえ 沈殿 濾過等 濁りを低減させるための処理をしたうえで排水することで 公共用水域への影響を低減できる 発生土における細粒分の割合など 盛土工事の状況に合わせて 排水設備を設置する計画とした ( 図 3-14) 拡幅後の道路 現道 排水側溝 地表の水は 排水側溝で集水する 縦排水は完成時は埋め戻す 盛土補強材壁面工 ( 植生シート ) 盛土 凡例 水の流れ 地下の水は 暗渠排水路で集水する 排水升 小河内沢川 基盤排水層 図 3-14 排水計画イメージ ( 完成時 ) 3-20

工事中は 表 3-7 の環境保全措置について工事契約に盛り込み確実な実施を図るととも に適切な時期に実施状況の確認を行う 表 3-7 水環境に関する工事実施時の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 水質 ( 水の濁り ) 工事排水の監視 工事排水の水の濁りを監視し 処理状況を定期的に確認することで 水質管理を徹底することができる 公共用水域への排水時に工事排水の水の濁り 汚れを監視する計画とした 沈砂池等の点検 整備を確実に行 発生土置き場に設置する 水質 ( 水の濁り ) 処理装置の点検 整備による性能維持 い 性能を維持することにより 工事排水の処理を徹底することができる 仮設の沈砂池等は 点検 整備を実施し 工事排水の処理を徹底する計画とし た 工事排水については 適切に処置を行ったうえで 小河内沢川に放流する なお 放流箇所については 今後の河川管理者との協議により変更となる可能性がある 工事排水の監視としては 水質について基準に準拠していることを確認したうえで放流を行うとともに 合わせて水量を確認する 3-21

3-4-3 動物 植物 生態系 工事の計画面で実施する環境保全措置を表 3-8 に示す 表 3-8 動物 植物 生態系に関する計画面の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 植物 林縁保護植栽等による重要な種等の生息環境の確保 改変する区域の一部に周辺の生育環境を考慮したうえで 林縁保護植栽等を図り その効果を確認することで自然環境を確保できる 重要な種等の生育箇所の近傍においては 樹木の伐採時期をできる限り遅くするとともに 工事中は寒冷紗や潅水等の実施により生育環境への影響低減を行い 工事後は植林により原状回復に努める計画とした ( 図 3-15) 動物 低騒音 低振動型の建設機械の採用 低騒音 低振動型の建設機械の採用により 騒音 振動の発生が抑えられることで 鳥類等の生息環境への影響を低減できる 使用する建設機械は 低騒音型 低振動型建設機械を使用する計画 (P3-18 写真 1) とした 植物 外来種の拡大抑制 資材及び機械の運搬に用いる車両のタイヤ洗浄や工事後の施工ヤードの速やかな在来種による緑化等に努める また作業員に対し 外来種拡大防止対策の重要性について教育を行うことで 外来種の拡大を抑制し 生育環境への影響を回避又は低減できる 発生土を搬出する施工ヤードにタイヤ洗浄装置を設置するとともに 周辺道路の清掃及び散水を行い 外来種の侵入の抑制を図る計画とした ( 写真 2) 写真 2 周辺道路の清掃及び散水 タイヤ洗浄機の設置 今後 重要な種等の情報を新たに入手した場合 専門家の助言を踏まえて保全措置を検討する 3-22

現地調査での確認状況3-23 確認位置図生育環境の保全策専門家等の助言希少種保護のため非公開希少種保護のため非公開 事業実施にあたり 日陰を作っているスギ列植( 確認地点の南側 ) を伐採することにより 日照条件が変化し 生育環境が保全されない可能性があるため 以下の保全策を実施する計画とした 1 樹木の伐採時期をできる限り遅くする 2 工事中は寒冷紗や潅水等の実施により生育環境への影響低減を行う 3 工事後は植林により原状回復に努める計画とする 自生地での保全が適切である 保護ネットの設置まで行わず 上から寒冷紗を垂らす程度でよい 暖地性のシダのため 植栽は冬季の防寒 防風の効果が高い常緑樹の方が適切 スギ列植の伐採 植栽樹木を植える時期は 秋か冬が適切である 生育環境の確認は 個体の状況や植物にとっての周辺環境の変化を 総合的に観察する必要がある 図 3-15 生育環境の保全策 ( トキワトラノオ )

工事中は 表 3-9 の環境保全措置について工事契約に盛り込み確実な実施を図るととも に適切な時期に実施状況の確認を行う 表 3-9 動物 植物 生態系に係る環境に関する工事実施時の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 工事区域外及び林内への不用 動物植物 生態系 工事従事者へ の講習 指導 意な立ち入り等の制限やゴミ捨ての禁止などについて工事従事者に指導することで 人為的な攪乱 踏みつけ等によ 工事従事者に対して 工事施工ヤード外及び林内への不用意な立ち入りやゴミ捨ての禁止等について 講習 指導を実施する る影響を低減できる 専門家等の技術的助言を踏まえ環境保全措置の計画を行ったが 環境保全措置の実施にあたっても 専門家等の技術的助言を得ながら実施していく また 事後調査やモニタリングの結果も踏まえ影響の恐れが確認された場合 速やかに専門家等の技術的助言を受け 必要な場合は追加の環境保全措置を講ずる 3-24

3-4-4 景観 人と自然との触れ合いの活動の場 工事の計画面で実施する環境保全措置を表 3-10 に示す 表 3-10 景観 人と自然との触れ合いの活動の場に関する計画面の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 大鹿村という地域特性を 景観人と自然との触れ合いの活動の場 仮設物の色合い への配慮 仮設物の色合いへの配慮をす ることで 景観等への影響を低減できる 考慮し 発生土置き場の周囲 ( 県道に接する箇所 ) に仮囲いを設置するが 景観へ配慮した色彩の塗装を 施す計画とした 工事中は表 3-11 の環境保全措置について 工事契約に盛り込み 確実な実施を図るとと もに適切な時期に実施状況の確認を行う 表 3-11 景観 人と自然との触れ合いの活動の場に関する工事実施時の環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 工事従事者へ安全運転教育を 人と自然との 触れ合いの活動の場 工事従事者への安全運転教育 行い 交差部は徐行運転するなど登山道として安全な歩行ルートを確保することで利用 工事従事者に対して 公道 における安全運行ルールなどを定期的に教育する 性への影響を低減できる 3-25

3-5 資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による影響を低減させるための環境保全措置 資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による影響を低減させるための環境保全措置に ついて 工事の内容や周辺の住居の状況等を考慮して 表 3-12 のとおり計画する 表 3-12(1) 資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による 影響を低減するための環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 大気質 ( 粉じん等 ) 資材及び機械の運搬に用いる車両の出入口や周辺道路の清掃及び散水 タイヤの洗浄 資材及び機械の運搬に用いる車両の出入口 周辺道路の清掃及び散水 タイヤの洗浄を行うことで 粉じん等の発生を低減できる 発生土を搬出する施工ヤードにタイヤ洗浄装置を設けるとともに 周辺道路の清掃及び散水を行う計画とした (P3-22 写真 2) 大気質 ( 粉じん等 ) 荷台への防じんシート敷設及び散水 荷台に防じんシートを敷設するとともに散水することで 粉じん等の発生を低減できる 発生土置き場に係る資材及び機械の運搬に用いる車両において 積込時の発生土の状況を踏まえ必要に応じて実施する計画とした 大気質 ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 ) 騒音振動 資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備による性能維持 法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により 資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持することで 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生を低減できる 発生土置き場に係る資材及び機械の運搬に用いる車両において実施する計画とした 大気質 ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 ) 騒音振動 環境負荷低減を意識した運転の徹底 資材及び機械の運搬に用いる車両の法定速度の遵守 アイドリングストップ及び急発進や急加速の回避を始めとしたエコドライブの徹底により 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生を低減できる 発生土置き場に係る資材及び機械の運搬に用いる車両において実施する計画とした 3-26

表 3-12(2) 資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による影響を低減するための環境保全措置 環境要素環境保全措置環境保全措置の効果実施箇所等 大気質 ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 ) 騒音振動 工事従事者への講習 指導 資材及び機械の運搬に用いる車車両の点検及び整備 環境負荷低減を考慮した運転について 工事従事者への講習 指導を実施することにより 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質 騒音 振動の発生の低減が見込まれる 発生土置き場に係る資材及び機械の運搬に用いる車両において実施する計画とした 動物 資材運搬等の適切化 配車計画を運行ルートに応じた車両の台数や速度 運転方法などに留意して計画することにより動物全般への影響を低減できる 発生土置き場に係る資材及び機械の運搬に用いる車両において実施する計画とした 3-6 環境保全措置を実施していくにあたっての対応方針 環境保全措置については 工事契約に盛り込み確実な実施を図る 環境保全に資する仮設設備等については 現地の状況に合わせ 設置を行う 環境保全に資する仮設設備等については 定期的な設置状態や稼働状態の点検を行い 不具合のある場合には速やかに対応する 元請会社職員に対し環境影響評価書の記載内容について教育したうえで 元請会社から工事関係者全員に対し具体的に実施する措置について教育を行い 確実な遂行を図る 実施状況について定期的に確認し 必要な場合は指導を行う 3-27

第 4 章事後調査及びモニタリング 4-1 事後調査及びモニタリングの実施計画 事後調査及びモニタリングについては 中央新幹線( 東京都 名古屋市間 ) 環境影響評価書 長野県 ( 平成 26 年 8 月 ) 及びこれに基づく 事後調査計画書( 平成 26 年 11 月 ) 並びに 大鹿村内発生土置き場( 旧荒川荘 ) における環境の調査及び影響検討の結果について ( 平成 30 年 2 月 ) に基づいて実施する 事後調査の実施内容は環境保全措置の内容や現地の状況 工事計画を考慮して表 4-1 のとおりとする 表 4-1 事後調査の実施内容 環境要素 の区分 調査項目調査地点調査時期及び頻度 林縁保護植栽等の生育林縁保護植栽等の生育環境の保全各種の生活史及び生育特植物環境の保全策を実施し策を実施した植物の生育状況性に応じて設定た植物の生育地 なお植物の移植後の生育状況の確認は 専門家等の助言を得ながら状況に応じて検討する 事後調査とは別に 工事中の環境管理を適切に行うことを目的に 表 4-2 のとおりモニタリングを実施する 表 4-2 モニタリングの実施内容 環境要素 の区分 調査項目調査地点調査時期及び頻度 大気質 ( 二酸化窒素 浮遊粒子状物質 粉じん等 ) 図 4-1 工事最盛期に 1 回 ( 四季調査 ) 騒音 振動図 4-1 工事最盛期に 1 回 水質 浮遊物質量 水素イオン濃度 自然由来の重金属等 図 4-1 ( 発生土置き場の工事排水を放流する箇所の下流地点及び発生土置き場の排水路等の流末箇所 ) 図 4-1 ( 発生土置き場の排水路等の流末箇所 ) 工事前に1 回工事中に1 回 / 年 ( 下流地点は渇水期に実施 ) 工事前に 1 回 工事中に1 回 / 年工事後に 1 回 搬入する発生土について 搬入元における土壌汚染のモニタリングにより土壌汚染対策法に定める基準等との差が小さい場合に実施 その他 モニタリングとは別に施工ヤードでの騒音 振動について日々簡易計測を行い その結果も踏まえて影響の低減を図る 4-1

本図は自社測量成果物を用いている 今後の行政との協議により変わる可能性がある 図 4-1 モニタリング調査地点 4-2 事後調査及びモニタリングの結果の取扱い 事後調査及びモニタリングの結果については 自治体との打ち合わせにより周知方法を決 定のうえ 地区にお住まいの方々に公表する また 上記結果や 環境保全措置の実施状況については 年度ごとに取りまとめ 長野県 等関係自治体への報告を行うほか 当社ホームページにおいても公表する 結果を受け 必要な場合には 追加の環境保全措置の実施や環境保全措置の変更を実施す る その場合 環境保全措置の追加や変更に伴い影響が及ぶ可能性のあるお住まいの方々 に対し 内容を説明のうえで実施する 4-2

第 5 章発生土置き場の管理計画 5-1 管理計画の概要国土交通大臣意見を受け平成 26 年 8 月に公表した環境影響評価書において 発生土置き場の設置にあたっては 関係地方公共団体等と調整を行った上で 濁水や土砂の流失防止やその他 周辺環境への影響を回避低減するための管理計画を 発生土置き場毎に作成することとしている このたび 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地について 工事中 工事完成後における管理計画を 長野県 大鹿村と協議のうえ以下のとおり とりまとめた 5-2 工事中の管理計画 (1) 発生土搬入計画 発生土置き場( 旧荒川荘 ) 計画地への搬入土は中央新幹線除山非常口 釜沢非常口及び南アルプストンネル ( 長野工区 ) のトンネル掘削により発生するズリ ( 主に粘板岩 砂岩頁岩 ) であり 坑口部を除き土壌汚染対策法の対象とはならないものの 建設工事で発生する自然由来重金属等含有土対応ハンドブック (H27.3 土木研究所編 ) 等を踏まえた自然由来の重金属及び酸性化可能性の調査を行い その結果 自然由来の重金属等及び酸性化可能性が確認された土 ( 要対策土 ) 及び関係法令の基準等に適合することが確認された土に区分し 発生土置き場 ( 旧荒川荘 ) 計画地へは 基準値に適合することが確認された土のみを搬入する 搬入路は県道赤石岳公園線を使用する (2) 計画上の配慮事項 排水計画 流入水処理: 発生土置き場の外周に排水溝を設置する 地下水処理: 盛土下部に暗渠を設置し 下端部に排水升を設置する 沈砂池 : 必要に応じて沈砂池を設置する 排水設備 : 排水設備は基準 1 に基づき設計する 盛土計画 安定性 : 盛土全体の安定性については 円弧すべりによる安定性の検討を行った 地震時の検討は 大規模地震動 ( レベルⅡ) で検討を行い 許容安全率を上回る安全性を確保している また 盛土法面は盛土補強材による法面の保護や緑化を行う計画とする 法面管理計画 法面勾配 : 盛土補強材を用いた補強土壁として 勾配を 1:0.3 とする 法面保護 : 植生シートによる緑化を行い 法面を保護し 土砂流出を防止する 道路土工 (H22.4 日本道路協会 ) 5-1

植生のイメージ (3) 造成中の配慮事項 試験施工 : 設計に基づき 地盤支持力や盛土強度が確保されるか確認する 具体的には 盛土底面部での支持力を確認する平板載荷試験と盛土材としての適性を確認するための粒度試験 撒き出し厚さと転圧回数を確認するための試験盛土を実施し 試験後の盛土の沈下量と密度試験による盛土強度を確認する また 必要に応じて沈下板や法面丁張からの沈下量や法面傾斜等を確認するための計測を実施する 事前処理工 : 支持地盤上に分布する崖錐堆積物の撤去し 排水設備を設置する 伐採 : 裸地部分からの土砂流出を防止するように範囲を決定し 実施する 敷均し締固め: 盛土補強材を重機械等の使用により損傷させないように注意して施工する 敷均し締固めの層厚は 30cm を基本とし 層厚管理材を使用して技術基準に基づいた層厚管理を実施する 施工中の排水: 日々の作業終了時には 施工基面に勾配を設けた上で 樹脂ネットによる仮設の沈砂池を設置する 排水は縦排水に集水した上で暗渠排水へ接続し 降雨時の浸食を防止する 排水設備設置にあたっては土砂や草を除去し 機能を確保する また まとまった降雨が予想される場合は 予め排水の状況を確認する 排水の監視 : 放流口にて水質の確認を行い 排水基準を越えることの無いよう監視する (4) 造成中の異常時対応 大雨(1 時間降水量 30 mm以上 ): 作業を中止し 巡回点検 ( 法面 排水箇所等 ) の実施 異常を発見した際 異常時連絡系統図に従い 関係各所に連絡 安全確保に必要な措置の実施 地震( 震度 4 以上 ): 巡回点検 ( 法面 構造物等 ) の実施 異常を発見した際 異常時連絡系統図に従い 関係各所に連絡 安全確保に必要な措置の実施 5-2

5-3 工事完了後の管理計画 発生土置き場( 旧荒川荘 ) 計画地は借地であるため 造成完了後は地権者へ返還する計画である モニタリング結果を踏まえ 必要に応じて 工事完了後も影響が収束するまでの間 モニタリングを実施し 必要の際には追加の環境保全措置を実施する 上記の措置が完了したのちの最終的な管理の引継ぎにおいては 大鹿村及び地権者と十分に調整を行い 適切な管理が継続して実施されるよう努める 5-3

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