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材料と方法 堆肥原料として生ゴミ区乾燥生乾燥生牛ふん区搾乳牛ふん ( 水分ゴミ少区ゴミ多区 85%) 生ゴミ( 水 生ゴミ分 82%) 乾燥生ゴ現48 乾55 物物ミ ( 水分 10%) も 49 割割75 34 乾燥生ゴミ 83 みがら ( 水分 10%) 合2

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注 ) 材料の種類 名称及び使用量 については 硝酸化成抑制材 効果発現促進材 摂取防止材 組成均一化促進材又は着色材を使用した場合のみ記載が必要になり 他の材料については記載する必要はありません また 配合に当たって原料として使用した肥料に使用された組成均一化促進材又は着色材についても記載を省略す

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26 Ⅴ-1-(7)水田での有機物利用

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Microsoft Word - ⑦内容C【完成版】生物育成に関する技術.doc

コシヒカリの上手な施肥

研究成果報告書

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

農家圃場における    メタン発酵消化液を用いた              栽培実証試験

23 Ⅴ-1-(1)(2)有機物利用の基礎と種類

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GREEN BIO

PC農法研究会

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「有機資源のたい肥化と利用促進」

失敗しない堆肥の使い方と施用効果

6 有機質資材の施用

カンキツの土づくりと樹勢回復対策 近年高品質果実生産のために カンキツ類のマルチ栽培や完熟栽培など樹体にストレスをかける栽培法が多くなっています それにより樹体への負担が大きく 樹勢が低下している園地が増えています カンキツ類を生産するうえで樹が適正な状態であることが 収量の安定とともに高品質生産の

Taro-23 Ⅴ-1-(1)(2)有機物利

ふくしまからはじめよう 農業技術情報 ( 第 39 号 ) 平成 25 年 4 月 22 日 カリウム濃度の高い牧草の利用技術 1 牧草のカリウム含量の変化について 2 乳用牛の飼養管理について 3 肉用牛の飼養管理について 福島県農林水産部 牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として 早春および刈取

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参考資料2 生ごみ等の飼料化、たい肥化に関するヒアリング結果

汚泥等の堆肥化調査研究事業

植物生産土壌学5_土壌化学

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平成 24 年度維持管理記録 ( 更新日平成 25 年 4 月 26 日 ) 1. ごみ焼却処理施設 (1) 可燃ごみ焼却量項目単位年度合計 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 A B 炉合計焼却量 t 33, ,972

Ⅱ-3 環境負荷低減技術 ( 1) 土壌分析結果を生かした施肥量削減 1 技術の内容土壌分析により土壌養分の量を把握し 現況の養分量にあわせ施肥量を加減する方法である 2 期待される効果養分が過剰にある場合は施肥量を減らすことができ 肥料のコスト低減にもつながる 特に施設園芸や果樹園 茶園では土壌中

2 地温 : 15~25 の温度帯に緩効性効果が一番高い 30 を超えると ウレアーゼ抑制材の分解が加速する上 微生物の繁殖も速くなり 微生物の活性を抑える効果が低くなる 3 土壌 ph: 弱酸性土壌 (ph5.5) からアルカリ性土壌 (ph8.0) まで土壌 ph が高いほど緩効性効果も高くなる

畜産環境情報 < 第 63 号 > 1. 畜産の汚水から窒素を除去するということはどういうことか 2. 家畜排せつ物のエネルギー高度利用 南国興産を例に 3. 岡山県の畜産と畜産環境対策 4. 兵庫県の畜産と畜産環境対策について

6 有機質資材の施用

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亜鉛を含む資材の農業利用に伴う環境影響(板橋直): 第27回土・水研究会プレゼンテーション

「副資材の特長を生かした畜産堆肥のつくり方」

私たちが作る野菜と、他の野菜との 「違い」と「考え方」

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(1) 泥炭 ( ピート ) 泥炭は 土壌の膨軟化や保水性の改善を用途とした土壌改良資材である これは 泥炭が土壌中での分解が遅く有機物の蓄積性が高いことと 重量に対して10~30 倍の水分を保持できるためである また 分解 ( 腐植化 ) が進むにつれてCEC を増大させるため 土壌の保肥力を高め

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29 Ⅵ-1-(1)(2)環境保全型農業

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都市近郊農住混在地域における小規模循環型農業に関する計画論的研究

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山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )


資料2 「生ごみの堆肥・飼料利用に関するヒアリングについて」

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千葉県産農産物の放射性物質検査結果について

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最近の環境対策試験の概要について

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     くらぶち草の会の野菜、畑作栽培技術

窒素吸収量 (kg/10a) 目標窒素吸収量 土壌由来窒素吸収量 肥料由来 0 5/15 5/30 6/14 6/29 7/14 7/29 8/13 8/28 9/12 9/ 生育時期 ( 月日 ) 図 -1 あきたこまちの目標収量確保するための理想的窒素吸収パターン (

ハーフェクトハリア_H1-H4_ _cs2.ai

生ゴミ堆肥のつくり方

終了サブテーマ毎詳細成果


取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

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180 髙橋 1 地力要因と改良方法 ( 金野ら,1976) 発酵温度は低すぎると堆肥化が進まず, 高すぎるとアン モニアガス ( 窒素の揮散 ) が生じるので, 初期の発酵温度 はこまめにチェックすることが大切である 4 の利用には堆積発酵させる堆肥化処理が必要となる 堆肥作りは有機物を完全に分解

一例として 樹脂材料についてEN71-3に規定されている溶出試験手順を示す 1 測定試料を 100 mg 以上採取する 2 測定試料をその 50 倍の質量で 温度が (37±2) の 0.07mol/L 塩酸水溶液と混合する 3 混合物には光が当たらないように留意し (37 ±2) で 1 時間 連

千葉県農耕地土壌の実態と変化

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平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性

はじめに

バイオ燃料

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野菜 区分農作物名作型等 葉茎菜類 果菜類果実的野菜 4 環境こだわり農産物の基準 (5 割以下の基準 ) 化学合成農薬 ( 延べ使用成分数 ) 化学肥料 ( 窒素成分量 kg/10a) レタス 結球露地秋冬 8 10 施設秋冬 5 8 非結球露地 8 10 施設 4 9 細ねぎ 春 4 10 細ね

Taro13-第2章まとめ(最終).PDF

パイプハウス利用型発酵乾燥処理施設における乳牛ふん尿の堆肥化技術

堆 肥 には 衝 撃 をやわらげる 作 用 がある 堆 肥 には 1 三 要 素 の 供 給 2 微 量 要 素 の 給 源 3 緩 効 性 肥 料 4 生 育 促 進 物 質 がある 5 微 生 物 の 給 源 6 土 壌 の 物 理 性 の 改 善 7 肥 料 成 分 の 保 持 など いろいろ


Microsoft Word - G-1 グリーンプラ識別表示制度(改定)

第 2 節廃棄物の排出 処理状況 1. 排出から処理 処分までの流れ (1) 発生量及び平成 22 年度の1 年間に県内で発生した産業廃棄物の発生量は 1,814 千トンであり 有償物量は 153 千トン は 1,661 千トンとなっている を種類別にみると が 6,638 千トンと最も多く 次いで

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(1) 生活排水について 地域の実状に応じ 下水道 浄化槽 農業集落排水施設 コミュニティ プラント等の生活排水処理施設の整備及び高度処理化 適正な施設維持管理等の対策を計画的に推進すること 加えて 合流式下水道の改善の取組を推進すること (2) 指定地域内事業場について これまで行われてきた汚濁負

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写真2 長谷川式簡易現場透水試験器による透 水性調査 写真1 長谷川式土壌貫入計による土壌硬度調査 写真4 長谷川式大型検土杖による土壌断面調査 写真3 掘削による土壌断面調査 写真5 標準土色帖による土色の調査 樹木医 環境造園家 豊田幸夫 無断転用禁止

氏名 ( 本籍 ) あんよんみ 安英美 ( 韓国 ) 学位の種類博士 ( 工学 ) 報告番号乙第 1525 号 学位授与の日付 平成 26 年 9 月 30 日 学位授与の要件学位規則第 4 条第 2 項該当 ( 論文博士 ) 学位論文題目 A Study on Enhanced Anaerobic


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HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品

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手順 5.0g( 乾燥重量 ) のイシクラゲをシャーレに入れ毎日 30ml の純水を与え, 人工気象器に2 週間入れたのち乾燥重量を計測する またもう一つ同じ量のイシクラゲのシャーレを用意し, 窒素系肥料であるハイポネックス (2000 倍に希釈したものを使用 ) を純水の代わりに与え, その乾燥重

20 石川県農業総合研究センター研究報告第 28 号 (2008) Ⅰ はじめに家畜ふん尿処理施設では 収集 運搬された家畜ふん尿は固液分離機に搬入され 固形分は堆肥化処理後 農耕地へ還元利用されている 液状分は好気発酵処理 さらに生物処理等の工程の順に適切な浄化処理が行われ その後 放流されている

目 次 Ⅰ エコファーマー認定の実務 1 1 エコファーマーとは 2 エコファーマーのメリット 3 エコファーマー認定までの手順 4 申請書の作成について 5 導入計画書の様式 記入例 Ⅱ 認定の対象となる品目別生産技術 8 Ⅲ 参考資料 61 県事務処理要領 Q&A(H17.3 月バージョン )

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第 1 堆肥利用について 堆肥の役割良質な堆肥施用を柱とした土づくりは 化学肥料の低減が図られ 環境負荷を少なくするなど 環境調和型農業の推進にとって重要である 堆肥の利用により 土壌の理化学性や生物性が改善され 高品質作物の安定生産につながる 堆肥の具体的な施用効果としては 土壌の生産力に直接結びつく各種養分の供給 土壌団粒構造の形成および排水性 保水性の向上 さらには微生物活動の促進に伴う土壌微生物相の健全化などがある 堆肥利用上の留意点堆肥は 化学肥料と異なり原料やその製造方法によって内容成分が大きく変化する また 堆肥に含まれている養分の多くは有機態であり 土壌中の微生物の分解によってはじめて作物に吸収される無機態に変化する この微生物作用は 地温や土壌水分の影響を強く受けるため 堆肥の肥効は 化学肥料に比べ不安定である 一方 堆肥には 重金属など有害成分含量が化学肥料に比べ高いものが多いため その使用にあたっては 作物の種類や土壌の賦存量に留意することが重要である 堆肥の種類種類と肥効 堆肥の成分表示が義務づけられたことから 今後は 表示成分 ( 窒素 リン酸 カリ等 ) を参考にして利用することができる しかし 堆肥等の有機物は 微生物に分解され 作 物に利用されることになるため 表示成分が必ずしも作物に利用される成分を表すもので はない この無機化量は 堆肥の原料や製造方法によって大幅に異なり 同一成分であっ てもその肥効が大きく異なる 特に 窒素成分については 作物の生育に最も大きく関与 するので特に注意を払う必要がある この特性は窒素無機化特性と言われ 放出型や取り 込み型などがある ( 図 1-1 2 ) 放出型 ( 余剰汚泥 乾燥牛ふん 完熟堆肥等 ) は初 期段階で窒素成分を土壌に放出するため 作物の養分吸収にとってプラスに作用する 一 方 取り込み型 ( 製紙かす 小麦わら オガクズ等 ) では 窒素成分を取り込み作物の養 分吸収と競合するため 作物生産にはマイナスに影響することになる また 組成の異な る原料を複数組み合わせて堆肥を製造する場合 放出と取り込みが平行して進行したり 時期をずらして進行することがあるので複雑な肥効を示すことになる 一般的な素材については既に調べられており 素材の炭素含量と窒素含量の比率がその 肥効を左右することが知られている ( 表 1 ) しかし 素材の種類 組み合わせおよび堆 積期間によって その効き方は複雑なものになるため 未利用有機物資源を原料とした堆 肥については 分析値のみならず その肥効を明らかにする必要がある

1 0.5 年間放出量 0-0.5-1 0 10 20 30 40 50 ( 年 ) -1.5 余剰汚泥乾燥牛ふん稲わら製紙かす 完熟堆肥ハ -ク堆肥小麦わらオカ クス -2 図 1-1 主な有機物の長期連用における窒素放出ハ タ - ン (1 年間の施用量を 1 とした場合 ) 1 0.8 年間放出量 0.6 0.4 0.2 発酵牛ふん未熟堆肥発酵製紙カス籾殻 中熟堆肥オカ クス 堆肥水稲根 0-0.2 0 10 20 30 40 50 ( 年 ) 図 1-2 主な有機物の長期連用における窒素放出ハ タ - ン (1 年間の施用量を 1 とした場合 ) 注 ) 図 1-1 図 1-2 および表 1 は農林水産技術会議事務局発行 (1985) の 農耕地における土壌有 機物変動の予測と有機物の施用基準の策定 より引用

表 1 有機物の分解特徴による群別と施用効果 乾物 100kg/a 連用の場合 初年目の分解 有機物の例 施 用 効 果 の 特 徴 有機物例 1 年目 N 5 年目 N 5 年目 C 放出 kg 放出 kg 集積 kg C N 共速やか 余剰汚泥 施用年におけるN 放出効果大 余 に分解する けいふん 有機質肥料的に考えて良い 施用 剰 5,3 6.3 39 ( 年 60~80% そさい残渣 絶対量が少ないことと 残存率が 汚 程度 ) クローハ など 少ないことから累積効果 有機物 泥 (C/N 比 10 集積への効果は少ない 前後 ) 窒 C N 共中程度 牛ふん 施用年においてかなりのN 放出が 乾 の速度で分解 豚ぷんなど あり 施用量によっては肥料の代 燥 0.62 1.35 50.3 する 替とすることもできる かなりの 牛 素 ( 年 40~60% (C/N 比 量のC Nが土壌中に残存するの ふ 程度 ) 10~20) で 連用すると土壌有機物の富化 ん やN 放出の増加がおこる 放 C N 共ゆっく 通常の堆肥 施用年においてもある程度のN 放 り分解する 類 ( 中 ~ 完 出があるが施用量を減らす程では 完 0.26 0.70 82.1 ( 年 20~40% 熟 ) ない 大部分のC Nが土壌中に 熟 程度 ) (C/N 比 残るので連用により土壌の有機物 堆 出 10~20) 含量が高まり 数年後から地力的 肥 窒素供給が明らかとなる C N 共非常に 分解の遅い 肥効は少ないが C Nのほとん 群 ゆっくり分解 堆肥類 どが土壌中に残るので 有機物を バ 0.26 0.44 133.4 する ( バーク堆肥増加させる効果は大きい ( 年 0~20%) など ) (1 年目のみC Nの分解があって ク その後ほとんど分解が進まないも 堆 (C/N 比 のがあるが 混合物が分解してい 肥 20~30) るものと思われる ) 地力窒素放出が明らかになるのには長期間を必要とする Cの分解が速 稲わら 施用年におけるNのとり込みが大 やか 麦わら きいが C/N 比や分解速度が早い 稲 -0.04 0.37 32.8 ( 年 60~80%) とうもろこ もので1 年以内 遅い場合に3 年 わ Nはとり込み し茎など 目に再放出が始まり その後堆肥 ら が起る (C/N 比 に類したN 放出を示すようになる 50~120) 窒 連用した場合 C/N 比の高いもの 小 はN 供給が始まるまでに時間がか 麦 -0.42-0.09 48.7 素 かる 施用量に比べCの集積は少 わ なく Nの集積が多い ら と Cの分解が中 未熟堆肥 施用直後は土壌 作物への影響は明 り 位いかゆっく 水稲根 製 らかでないものが多いが 連用で 未 0.09 0.52 79.4 りで ( 年 20~60 紙かすなど わら類 堆肥類に近くなる 土壌 熟 こ %)Nは出入り (C/N 比 へのC Nの集積は中程度 堆 がないもの 20~140) 肥 み あるいはとり込みが起るも 群 の Cの分解が非 おがくずな Cの分解は早くはないが C/N 比 お 常に遅く ( 年 0 ど が高いため Nのとり込みが大き が -0.16-0.33 119.1 ~20%)Nのと (C/N 比 い Cの集積は初めの数年間はと く り込みが起る 200~) くに多い ず もの

堆肥の利用法 堆肥を利用するには 作物に必要な養分の全量を堆肥で施用するのではなく 化学肥料 と組み合わせて施用することが安全である 栽培作物の種類や土壌タイプで異なるが 一 般的な堆肥の施用量は以下のとおりである ( 表 2,3,4 ) なお 未利用有機物資源を原料とした堆肥の利用に当たっては その肥効が明らかでな い場合があるため 3 要素や全炭素の分析結果を勘案して試験栽培の後実用化する 表 2 草地 飼料畑における家畜排せつ物処理物の施用基準 ( 倉島 ) (t/10a) 項目 予想収量 牛 豚 鶏 草種 堆肥 液状ふん尿 堆肥 乾燥ふん 牧草 イネ科草地 5~6 3~4 5~6 2~3 0.5 混播草地 5~6 3~4 5~6 2~3 0.5 とうもろこし 5~6 3~4 5~6 2~3 0.5 イタリアンライク ラス 4~5 3 4~5 2 0.4 表 3 水田 普通畑における家畜排せつ物処理物の施用基準 ( 志賀 ) (t/10a) 項目 牛ふん 豚ぷん 乾 燥 作物 生ふん 乾燥ふん 堆 肥 生ふん 乾燥ふん 堆 肥 鶏ふん 水稲 2~2.5 1 1~2 1.5 0.7 0.5~1.5 0.2 一般畑作物 2~3 0.5~1.5 1.5~3 1~2 0.5~1 1~2 0.2~0.4 表 4 野菜畑における家畜排せつ物処理物の施用基準 ( 湯村 ) (t/10a) 牛豚鶏 野菜牛ふん乾燥オカ クス 豚ぷん乾燥オカ クス 乾燥オカ クス 牛ふん牛ふん堆肥豚ぷん豚ふん堆肥鶏ふん鶏ふん堆肥 少肥型 2~4 0.4~0.8 1~2 1~2 0.3~0.4 1~2 0.2~0.3 0.4~1 中肥型 3~5 0.6~1.2 1.3~2.5 1.3~2.5 0.4~0.6 1.2~2.5 0.3~0.4 0.6~1.5 多肥型 4~6 0.8~1.5 2~4 2~4 0.5~0.8 1.7~3.5 0.4~0.5 1~2 少肥型 : タ イコン サトイモ シ ャカ イモ ホウレンソウなど (N K O 基準量 20kg/10a 以下の場合 ) 2 中肥型 : ショウカ キャヘ ツ レタス トマト スイカなど (N K O 基準量 25kg/10a 前後の場合 ) 2 多肥型 : ナス ヒ - マン キュウリなど (N K O 基準量 30~35kg/10a の場合 ) 2 注 ) 表 2~3 は農林水産技術会議事務局発行 (1995) の農林水産試験研究における環境研究手法 Ⅱ- 畜産廃棄物の有効利用 より引用

連用上の留意点 一般に堆肥は 当該作付期 間に全量分解 ( 無機化 ) しな いものが多く 未分解の部分 は次作または翌年に持ち越さ れる したがって 堆肥を連 用する場合には 堆肥や化学 肥料の施用量を減ずるなど施 肥設計をその都度変更する必 要がある ( 図 2 ) また 重金属等の有害物質 については基準値以下であっ ても 多量に施用される場合 や連年施用によって土壌中の 重金属含量が増加する恐れがある 3.5 3.0 環境庁は 1984 年に 重金属の指標として土中にこれ以上に蓄積してはいけない亜鉛の 濃度を 120ppm と定めた 過去の試験結果から亜鉛含有量 1,000ppm の汚泥を毎年乾物で 1t /10aの割合で施用した時 作土層の亜鉛濃度は 10 年以上の連用で120ppmの水準を超えた 今後 重金属等の基準値が厳しく見直され また あらゆる食糧に玄米のカドミウム基 準値 (0.4ppm 以下 ) のような安全基準が設けられることが予想される このため 重金属 等の有害物質の含量が比較的多い堆肥については 花木や植木など食糧以外の作物を対象 として施用するのが安全である ( 表 5 ) N 施 2.5 用 2.0 量(kg / 1.5 a 1.0 化学肥料作)0.5 0.0 牛糞堆肥 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ( 作 ) 図 2 牛糞堆肥を一定量連用した場合のN 供給量の推移 ( 年分解率 0.3, 年 2 作で10 作後の有機物によるN 代替率 60% の場合但し 化学肥料と併用により 1 作当たりN3.5kg 供給される ) 表 5 各種コンポストの重金属含有量 ( 乾物当たりppm) 下水汚泥コンホ スト都市ごみコンホ スト牛ふん堆肥豚ふん堆肥鶏ふん堆肥 Cd 0.61~5.9 0.42~1.52 0.1~0.54 0.05~2.1 0.4~2.8 Hg 0.31~4.9 0.05~1.07 0.01~0.21 0.005~0.13 nd~0.06 As 0.6 ~24.4 0.54~2.15 0.07~0.1 0.1~1.6 0.3~2.2 Cu 108 ~380 18.7~127 12.8~46.4 50.1~639.5 30~60 Zn 350~3,300 71.6~350 49~189 56.5~1,564 300~500 Pb 15~122 3.35~45.6 0.79~13.9 0.5~18.2 tr 注 ) 日本土壌肥料学会編 (1998) 土と食糧の 土と環境 より引用 nd: 検出限界以下 tr: 痕跡 堆肥化の際の留意事項堆肥化については 基本的な処理を適正に行い 空気が十分にある状態で微生物を繁殖させることにより 病原菌 寄生虫 雑草種子等を死滅させる また 汚臭がひどい場合は 堆肥化施設内に内張りをし その中の排気を脱臭装置を通

して行う 生ごみ ( 高水分 ) の堆肥化では 水分調整や通気性確保に特に留意し さらにビニール プラスチック類 金属類等の分解しにくいものが混入しないように注意する 堆肥化処理の基本 水分水分を 60~65% 程度にする ( 籾殻などの添加により調整 ) 空気 ( 酸素 ) 攪拌または時々切返す ( 切返しは温度が下がり始めたとき ) 強制通気は0.1m 3/m3 分程度を目安 ( 通気型施設 ) 微生物戻し堆肥を混合する 栄養分微生物の繁殖に十分な栄養分を確保 温度 60 以上を 2 日以上経過 期間切返しをしても温度が上昇しなくなるまでを目安とする ( 堆積発酵の場合は 3 ヶ月以上を要する )