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7・統計表

平成 27 年国勢調査石垣市人口速報値 ( 平成 28 年 2 月 26 日公表 ) 総人口 :4 万 7,660 人 (H22:4 万 6,922 人 /738 人増 ) 男性人口 :2 万 3,691 人 (H22:2 万 3,310 人 /381 人増 ) 女性人口 :2 万 3,969 人

沖縄県 全 国 人数 構成比 人数 構成比 図表 1. 将来推計人口と年齢 3 区分別人口の将来推計 ( 単位 : 人 全国は千人 %) 年 総人口 1,392,818 1,423,622 1,440,410

沖縄県内市町村における福利厚生事業の状況について(概要)

データを正しく 活用していただくために 今回は 平成 23 年度に市町村国保で実施した特定健診結果のみ集計しています 今後 協会けんぽ沖縄支部の結果とあわせて 改めてデータ集を発行する予定です 1. 集計対象者 今回の集計対象者は 平成 23 年度に特定健康診査を受診した者 ( 市町村国保分のみ )

九州新幹線 久留米駅についてのアンケート の主な結果概要 福岡県立大学人間社会学部公共社会学科 2017 年度社会調査実習 九州新幹線調査 グループ担当教員田代英美学生調査グループ一同 回答者のプロフィール 久留米市の旧久留米市域にお住いの 18 歳 ~79 歳の方から無作為で ( くじ引きのような

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1.表紙.まえがき.目次

○01 ①調査の趣旨

★180117【A3縦及び横】《計8》04関連 ルート案の総合評価(委員会後修正含)

3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨

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当社のチャーター散骨はココが違います! 当社の委託代行散骨はココが違います! 1 2

H30 埋没不発弾等処理事業実施計画

《技6》04-2 需要予測について【170727】

施設までの距離は 地区中心付近からのおおよその距離 大原台 回答者の年齢構成 3 5 主な (2 箇所の行き先 ) 10% 1 70% 主な行き先 フレスタ沼田店 ( 約 0.7km) ビッグハウス沼田店 ( 約 1km) 買物目的 :7 :1 : 最寄り駅 大原 ( 約 0.7km) 駅 :88

【説明資料H300126】重度心身障害者医療費助成事業

開通後のダイヤ設定 ( 平日 1 日あたり ) 常磐線の土浦駅からは 特別快速と普通列車が合わせて 17 往復運転されています また 取手駅 成田駅からも快速列車上り 22 本 下り 21 本が品川駅まで乗り入れており 東京 品川への所要時間が短縮されました 宇都宮線 高崎線 東海道線 ( ここでは

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1-5

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 背景 人口減少と超高齢化が同時に進行する中 自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ 経済活動の低迷 人口の流出 財政支出の増加などの問題が深刻化し 持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある 平成 年度に実施したパーソントリップ調査の結

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目 次 1 目指すべき方向の策定に当たって 背景 目的 2 山梨県内の公共交通の現状と課題 本県を取り巻く環境 本県のバス交通の現状等 観光客と利用する交通手段等 3 山梨県のバス交通の目指すべき方向 背景と課題 基本的な考え方 基本理念 実現する将来像 基本目標 4 広域的な路線 5 地域内路線

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図 1 平成 19 年首都圏地価分布 出所 ) 東急不動産株式会社作成 1963 年以来 毎年定期的に 1 月現在の地価調査を同社が行い その結果をまとめているもの 2

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平成 31 年地価公示動向 沖縄県 公益社団法人沖縄県不動産鑑定士協会 ニライカナイ アセッツ コンサルティング株式会社 髙平光一 1. 県内景気動向日本銀行那覇支店によると 県内景気は 全体として拡大している 個人消費は堅調に推移している 観光は好調に推移している 公共投資は底堅く推移している 設

目次 1 平成 30 年度受診券の取り扱いについて P1 2 自己負担額平成 30 年度特定健康診査 P3 3 平成 30 年度健康診査について P4 4 平成 30 年度健診結果の送付先 P10 5 特定健診等の請求データ作成における留意事項 P11 6 平成 30 年度特定健診受診券の有効期限

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01 【集約】浄化槽保守点検業者名簿(北部)

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【150105】01-続き(意見の概要及び意見への対応)

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3 整備費用設定ルートの通過区間の標高データ等を基に 整備が想定される高架橋やトンネルといった施設の構造種別と数量を推計し 近年開業した九州新幹線や北陸新幹線等の事例から推計した単価を乗じた整備費用の総額は 約 2.7 兆円となる ( 図表 3 参照 ) この整備費用は 現行の財源スキームでは 運行

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阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

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旅客列車関係 東海道 山陽新幹線 JR 東海 JR 西日本 東海道 山陽新幹線を直通する一部 のぞみ の所要時間を短縮しますお客さまのご利用の多い時間帯に 東海道 山陽新幹線の東京 ~ 博多 広島間を直通運転する一部の のぞみ ( 下り計 5 本 ) の所要時間を現行より3 分短縮します これにより

 

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5. 観光マップ < 国内 > 目的地分析 From-to 分析 ( 宿泊者 ) 宿泊施設 < 外国人 > 外国人訪問分析 外国人滞在分析 外国人メッシュ 外国人入出国空港分析 外国人移動相

改版履歴 ( 操作方法に直接影響のない誤脱字の訂正 表現の変更は断りなく行っている ) 版数 改版箇所 改版内容 / 理由 日付 担当者 1.0 版 初版 2013/9/17 WIS 1.1 版 テストモードについて を追記 2013/9/30 情報 介護課森 1.2 版 26 頁

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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04.H26目次1.2

第 1 章基本計画の策定 1 策定の趣旨 総合計画基本構想では 豊かな自然と歴史 文化につつまれ人と人がつながる市民創造都市高岡 をまちの将来像に掲げ 17 のめざすまちの姿を目標として設定しています 第 3 次基本計画は 基本構想で示した市の基本的な取り組みの方向性に基づき 中期的な視点に立って

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

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図 -2 九州新幹線旅客数の推移 行き来の増加も認められる 図 -3 JR 西日本 新幹線 ( 博多 ~ 小倉間 ) 旅客数の推移 3, 福岡 熊本 鹿児島空港の利用状況 3.1, 福岡空港福岡空港の東京 ( 羽田 ) 中部( 中部 名古屋 ) 関西( 大阪 関西 ) 鹿児島の各路線の旅客数を図 -

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

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% 4.4% % 5.0% % 4.5% % 2.7% % 2.0% % 3.6% 5.1% 4.5% 2.6% 3.6%

第 40 回 看護総合 2009 年 平成 21 年 2009/7/18-19 京都府京都市 2009 年 2010 年 精神看護 2009/7/23-24 島根県松江市 2009 年 2010 年 母性看護 2009/8/6-7 佐賀県佐賀市 2009 年 2010 年 看護教育 2009/8/2

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コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活


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第 5 回沖縄鉄軌道技術検討委員会資料 資料 4-4 複数ルート案の比較評価について 南北間の交流人口の増加 委員会指摘反映済 平成 28 年 10 月 28 日沖縄県

もくじ 1. 評価について 1 2. 既存事例による整備前後の地域間移動の変化 ( 評価方法 1) 2 3. アンケート調査による県民 観光客の意識 行動の変化の可能性 ( 評価方法 2) 8 4. 総括 14

1. 評価について 評価の視点評価項目評価指標指標の算出方法及び定性的評価方法 県土の均衡ある発展 南北間の交流人口 鉄軌道の有無による地域間移動の変化 他事例等の整備前後における地域間移動の変化を踏まえ 交流人口の拡大の可能性を評価する 具体的な評価方法 鉄軌道が整備されることで 沿線及びその周辺地域への速達性 定時性が向上し 通勤 通学圏域が広がることから 広域的な移動が行われる可能性がある また 移動利便性の向上等により これまで行けなかった商業地や観光地等への移動が便利になり 各地域間の移動が活発となることが期待される 以下の 2 つの方法で可能性の評価を行う 評価方法 1: 既存事例による鉄軌道の整備前後の地域間移動の変化 既存の事例から 鉄道の整備前後の都心と郊外間 都心と沿線地域間の目的別の移動の変化を把握し 鉄軌道の整備効果を評価する 評価方法 2: アンケート調査による県民 観光客の意識 行動の変化の可能性 県民及び県外観光客へのアンケートから 鉄軌道導入による地域間移動の意識 行動の変化を把握し 鉄軌道の整備効果を評価する 1

2. 既存事例による鉄軌道の整備前後における地域間移動の変化 2-1 路線の選定のフロー 地域間移動の変化を確認できるデータがある ( 対象路線の整備前後においてデータがある地域 ) パーソントリップ調査は昭和 40 年以降に実施 市町村間の移動が把握できる国勢調査データはHP 上では平成 2 年以降公表 ( 通勤通学目的のみ ) 昭和 40 年以降に開業した鉄道を対象とする 沖縄鉄軌道の延長等を踏まえ 都市鉄道で延長が 50km 以上の路線 ( 都心と郊外を結ぶ路線を対象 環状線は除く ) 整備前後の地域間移動の変化が確認できる路線 ( 昭和 40 年以降に開業した鉄道 ) で 延長が 50km 以上かつ都心と郊外を結ぶ路線は限られる つくばエクスプレス ( 平成 17 年開業 延長約 60km) を対象とする 2

参考 昭和 40 年以降に開業した路線長が 50km 程度以上の路線 会社名 路線名 区間 キロ程 開業年 備考 JR 西日本 山陽新幹線 新大阪 - 岡山 180.3 昭和 47 年 新幹線 JR 東日本 武蔵野線 府中本町 - 新松戸 57.5 昭和 48 年 環状線 JR 西日本 湖西線 近江塩津 - 山科 74.1 昭和 49 年 終点がPT 調査対象外 JR 西日本 山陽新幹線 岡山 - 博多 463.7 昭和 50 年 新幹線 JR 北海道 石勝線 新夕張 - 新得 89.4 昭和 56 年 運行本数が少ない JR 東日本 東北新幹線 大宮 - 盛岡 505.0 昭和 57 年 新幹線 JR 東日本 上越新幹線 大宮 - 新潟 303.6 昭和 57 年 新幹線 鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線 水戸 - 鹿島サッカースタシ アム 53.0 昭和 60 年 運行本数が少ない 阿武隈急行 阿武隈急行線 丸森 - 槻木 17.4 昭和 61 年 運行本数が少ない 阿武隈急行 阿武隈急行線 福島 - 丸森 37.5 昭和 63 年 運行本数が少ない 智頭急行 智頭線 上郡 - 智頭 56.1 平成 6 年 運行本数が少ない 北越急行 ほくほく線 六日町 - 犀潟 59.5 平成 9 年 運行本数が少ない JR 東日本 北陸新幹線 高崎 - 長野 117.4 平成 9 年 新幹線 JR 東日本 東北新幹線 盛岡 - 八戸 96.6 平成 14 年 新幹線 JR 九州 九州新幹線 新八代 - 鹿児島中央 137.6 平成 16 年 新幹線 首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス 秋葉原 -つくば 58.3 平成 17 年 - JR 東日本 東北新幹線 八戸 - 新青森 81.8 平成 22 年 新幹線 JR 九州 九州新幹線 博多 - 新八代 151.3 平成 23 年 新幹線 JR 東日本 &JR 西日本北陸新幹線 長野 - 金沢 228.1 平成 27 年 新幹線 JR 北海道 北海道新幹線 新青森 - 新函館北斗 148.3 平成 28 年 新幹線 評価対象路線の考え方 昭和 40 年以降に開業した路線長が 50km 程度以上の路線を抽出 新幹線 運行本数の少ない地方鉄道は対象外とする 環状線は 交流人口の移動パターン等が異なる可能性があるため対象外とする 延長が 50km 以上かつ都心と郊外を結ぶ つくばエクスプレス を対象とする 3

2-2 つくばエクスプレス (TX) の事例による確認 2-2-1 TX の事業概要 路線 ( 通称 ) 開業年月日 区間 延長 駅数 つくばエクスプレス (TX) 平成 17 年 8 月 24 日 秋葉原 ~ つくば 58.3km うち地下区間 16.3km 20 駅 概要つくば ~ 秋葉原間を最高速度 130km/h 最速 45 分で結ぶ路線 つくばエクスプレス沿線の自治体は東京の郊外地域としてベッドタウンとなっており 駅周辺の開発と相まって各市町村の人口は増加傾向にある つくば市と東京都心を直結するつくばエクスプレスの沿線となるつくば市域では 鉄道の整備と一体的にまちづくりを進め 既存の自然環境と都市が調和 融合した良好な居住環境を有する個性豊かな田園市街地の形成を目指している UR 都市機構では 研究学園葛城 つくばみどりの里 中根 金田台の 3 地区のまちづくりが進められている 首都圏新都市鉄道 HP 出典 UR 都市機構 http://www.ur-net.go.jp/ibaraki/work/tx.html 4

2-2 つくばエクスプレス (TX) の事例による確認 2-2-2 TX の整備による地域間移動の変化 ( 東京都心 ~ つくば市 ) TX の整備前後で 通勤 通学 私事等の人の移動 ( 日あたりトリップ数 ) を確認 路線の東京 ( 都心 ) とつくば市 ( 郊外 ) の地域間移動について 都心 郊外 郊外 都心の双方向でトリップ数の増加がみられる 速達性 定時性の向上等により通勤 通学圏の拡大や買物 観光 レジャーの行き先変更が生じた可能性があり TX の整備前後で地域間移動 ( 都心と郊外での交流人口 ) の増加がみられる 6 5 千トリップ / 日 4.6 4 3 2 2.6 1.5 1.4 2.0 つくば市 1 0.4 0.7 0.9 0 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 通勤通学私事業務 6 千トリップ / 日 つくば市 東京 23 区 (TX 沿線区を除く ) 5 4 3 東京 23 区 (TX 沿線を除く ) 2 1 0 1.6 1.0 1.2 1.3 0.4 0.1 0.3 0.3 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 通勤 通学 私事 業務 東京 23 区 (TX 沿線区を除く ) つくば市 資料第 4 回 第 5 回東京都市圏パーソントリップ調査 5

2-2 つくばエクスプレス (TX) の事例による確認 2-2-3 TX の整備による地域間移動の変化 (TX 沿線 ~ つくば市 ) TX 沿線とつくば市の地域間移動について 双方向でトリップ数の増加がみられる 速達性 定時性の向上等により通勤 通学圏の拡大や買物 観光 レジャーの行き先変更が生じた可能性があり TX の整備前後で地域間移動 (TX 沿線間での交流人口 ) の増加がみられる 6 5 4 3 千トリップ / 日 5.0 4.3 3.5 2.4 つくば市 2 1 0.3 0.3 1.2 1.4 0 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 通勤通学私事業務 つくば市 TX 沿線 6 5 4 3 2 1 千トリップ / 日 2.8 4.3 1.1 1.8 2.3 3.7 1.7 2.9 東京 23 区 (TX 沿線を除く ) 0 H10 H20 H10 H20 H10 H20 H10 H20 通勤通学私事業務 TX 沿線 つくば市 資料第 4 回 第 5 回東京都市圏パーソントリップ調査 6

2-3 TX の整備による地域間移動の変化 ( まとめ ) 路線の延長等が沖縄の路線に似た TX の事例において 整備前後で 1 東京都心とつくば市間の通勤 通学 私事等の日当たりトリップ数の増加がみられる 2TX 沿線とつくば市間の通勤 通学 私事等の日当たりトリップ数の増加がみられる これらのことから TX の整備により 地域間移動が増加していると考えられる 事例のまとめ TX の整備により 都市と郊外 沿線地域において 通勤 通学 私事等の人の移動 ( 日あたりトリップ数 ) の増加が確認された 7

3. アンケート調査による県民 観光客の意識 行動の変化の可能性 3-1 鉄軌道導入による県民の意識 行動の変化について 3-1-1 県民の鉄軌道の利用意向について 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が整備された場合 鉄軌道の利用可能性について目的別 ( 通勤 通学 買物等 ) で確認 鉄軌道が導入された場合 条件が整えば 県民の約 7 割が通勤 通学に鉄軌道を利用する意向 また 観光 レジャーにおいても県民の約 7 割が利用意向を示している 仮に那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合の目的別鉄軌道利用可能性 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 通勤 (N=1,331) 13.0 55.9 31.2 通学 (N=352) 27.0 48.3 24.7 利用意向約 69% 親族等訪問 (N=2,105) 13.7 50.5 35.8 利用意向約 75% 通院 送迎等 (N=2,105) 10.7 37.2 52.1 非日常買物 (N=2,105) 12.4 42.4 45.1 観光 レジャー (N=2,105) 15.6 56.7 27.7 フィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 鉄軌道を利用すると思う フィーダー交通の整備などの条件が整えば 鉄軌道を利用すると思う フィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 鉄軌道を利用しないと思う 利用意向約 72% 8

3-1 鉄軌道導入による県民の意識 行動の変化について 3-1-2 県民の観光 レジャー等における行き先変化の可能性 1 鉄軌道導入により行き先が大きく変化することが想定される 非日常の買物 観光 レジャー について 行き先変化の可能性を確認した 鉄軌道が導入された場合 非日常の買物 観光 レジャーにおいて利用意向を示す人のうち 9 割以上の人が条件が整えば鉄軌道を利用して今まで行かなかった場所にも出かけると回答 鉄軌道を使って今まで行かなかった場所にも出かけるようになる可能性 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 非日常買物 (N=1155) 観光 レジャー (N=1521) 25.1 23.0 69.7 71.1 5.2 5.9 非日常の買物 観光 レジャーにおいて 条件が整えば 鉄軌道を利用し 今まで行かなかった場所にもでかける可能性が高く より遠くの地域へ出かけることも期待できる フィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 今までとは異なる場所にも買物に出かけるようになると思うフィーダー交通の整備などの条件が整えば 今までとは異なる場所にも買物に出かけるようになると思うフィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 買物の行き先の追加 変更はないと思う 9

3-1 鉄軌道導入による県民の意識 行動の変化について 3-1-2 県民の観光 レジャー等における行き先変化の可能性 2 鉄軌道が導入された場合 非日常の買物 や 観光 レジャー の行き先について 居住地 ( 北部 中部 南部 ) ごとに確認 他地域にも行きたいとする意向の割合が 北部 中部 南部どの地域でも増加している 非日常買物での行先 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100% 観光 レジャーでの行先 中部 北部に行きたい割合が増加 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100% 部中部北部南部中部北部南居住地南部 中部に行きたい割合が増加 現在 鉄軌道が出来たら 現在 鉄軌道が出来たら 現在 鉄軌道が出来たら 34.4 16.5 36.5 10.0 33.2 34.3 85.2 49.9 83.0 45.9 56.7 56.1 14.50.3 15.6 17.6 9.6 0.5 中部 北部に行きたい割合が増加 南部 北部に行きたい割合が増加 部中部北部南部中部北部南居住地南部 中部に行きたい割合が増加 現在 鉄軌道が出来たら 現在 鉄軌道が出来たら 現在 鉄軌道が出来たら 47.3 27.6 14.3 15.3 13.4 16.5 39.2 26.0 50.6 42.5 22.6 36.6 70.1 46.3 30.2 35.1 42.1 北部に行きたい割合が増加 24.2 注 : 各回答者の移動頻度も考慮した 行先別 南部 : 那覇市 糸満市 豊見城市 南城市 与那原町 南風原町 八重瀬町中部 : 宜野湾市 浦添市 北中城村 中城村 西原町 嘉手納町 読谷村 北谷町 沖縄市 うるま市移動回数 の構成比を示す北部 : 恩納村 宜野座村 金武町 名護市 今帰仁村 本部町 国頭村 大宜味村 東村 10

3-2 鉄軌道導入による観光客の意識 行動の変化について 3-2-1 観光客の鉄軌道の利用意向について 過去 2 年間に沖縄旅行の経験のある観光客を対象に 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が整備された場合 鉄軌道の利用可能性について確認 条件が整えば 観光客の約 8 割が利用する意向を示している 利用意向のある観光客のうち約 6 割が 鉄軌道を利用することで より多くの観光地を訪問したいと回答している 条件が整えば 沖縄観光経験者 (670 サンプル ) の約 8 割が 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合 鉄軌道を利用すると思うと回答 仮に那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合 あなたは沖縄観光で鉄軌道を利用すると思いますか 0% 20% 40% 60% 80% 100% 25.1 54.9 20.1 フィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 鉄軌道を利用すると思う フィーダー交通の整備などの条件が整えば ( 一部のみの利用も含め ) 鉄軌道を利用する可能性があると思うフィーダー交通の整備などの条件にかかわらず 鉄軌道は利用しないと思う そのうち約 6 割が 鉄軌道を利用することでより多くの観光地を訪問すると思うと回答 鉄軌道を利用することで あなたの観光行動が変わると思いますか (n=536) 0% 20% 40% 60% 80% より多くの観光地を訪問すると思う 63.2 1つの観光地での滞在時間を長くすると思う 25.6 特に変わらないと思う 19.5 その他 1.9 注 : 複数回答であり合計は 100% を超える 具体的な観光地 70か所 ( 北部 29 中部 21 南部 20) を選択肢として示し これまでの沖縄の交通の状況では行こうと思わなかった観光地で 仮に 那覇と名護を1 時間で結ぶ鉄軌道ができたら 行きたいと思うところ を回答いただいた 11

3-2 鉄軌道導入による観光客の意識 行動の変化について 3-2-2 県民の観光 レジャー等における行き先変化の可能性 県外観光客に これまでの沖縄の交通の状況では行こうと思わなかった観光地で 鉄軌道ができたら行きたいところについて確認 鉄軌道が整備された場合 これまでの沖縄の交通の状況では行こうと思わなかった 北部地域や中部地域の観光地へも行くとの意向が示されていることから 周遊観光の拡大が期待される 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 国際通り海洋博公園 ( 美ら海水族館 ) 首里城オリオンビール工場牧志公設市場 万座毛やんばるの植物群落ひめゆり平和祈念資料館 沖縄平和祈念公園ブセナ海中公園残波岬ナゴパイナップルパーク 瀬底ビーチ琉球村沖縄アウトレットモールあしびなー 美浜アメリカンビレッジおきなわワールド文化王国 玉泉洞 OKINAWA フルーツらんど 辺戸岬今帰仁城跡北谷公園サンセットビーチ琉球ガラス村 真栄田岬道の駅許田 やんばる物産センター 美々ビーチいとまん 宜野湾海浜公園斎場御嶽波の上ビーチ 比地大滝おもろまち 26.0% 20.2% 21.8% 20.0% 17.7% 20.2% 19.0% 14.1% 17.4% 13.1% 14.5% 15.2% 17.1% 15.8% 15.0% 11.1% 12.9% 13.7% 13.4% 14.0% 13.1% 12.5% 11.4% 11.0% 12.3% 11.5% 9.3% 11.5% 32.9% 47.9% 5.6% 1.9% 3.6% 5.7% 2.0% 2.2% 6.8% 2.9% 7.1% 5.3% 3.6% 1.4% 2.2% 2.6% 6.4% 1.8% 2.2% 2.5% 2.7% 0.6% 1.4% 3.5% 0.3% 4.4% 3.5% 2.4% 1.8% 2.3% 南部 中部 北部 6.8% 今後 訪問したい観光地 ナゴパイナップルパーク海洋博公園 ( 美ら海水族館 ) ブセナ海中公園 OKINAWA フルーツらんどやんばるの植物群落オリオンビール工場瀬底ビーチ辺戸岬名護城公園 OKINAWA ゴーヤーパーク万座毛琉球村今帰仁城跡比地大滝道の駅ゆいゆい国頭慶佐次湾のヒルギ林中城城跡残波岬ナゴパラダイス宜野湾海浜公園おきなわワールド文化王国 玉泉洞ネオパークオキナワ美々ビーチいとまん勝連城跡沖縄こどもの国北谷公園サンセットビーチ首里城東南植物楽園道の駅許田 やんばる物産センター 美浜アメリカンビレッジ 1.7% これまでの沖縄の交通の状況では行こうと思わなかった観光地で 鉄軌道ができたら行きたいと思うところ 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 7.0% 8.0% 図 今後訪問希望地 + 鉄軌道が整備された場合に行きたい観光地 のベスト 30 5.7% 5.6% 5.3% 4.4% 4.3% 4.0% 3.6% 3.6% 3.5% 3.5% 3.2% 3.2% 3.1% 2.9% 2.8% 2.7% 2.6% 2.5% 2.5% 2.4% 2.4% 2.4% 2.3% 2.3% 2.2% 2.2% 7.1% 6.8% 6.8% 6.4% 鉄軌道ができたら行きたいと思うところ 北部や中部の観光地が多い 図 鉄軌道が整備された場合に行きたい観光地 のベスト 30 12

3-3 アンケート調査による意識 行動の変化 ( まとめ ) 県民 県民については 通勤 通学 観光 レジャーでは 条件が整えば 約 7 割が鉄軌道の利用意向を示している 居住地 ( 北部 中部 南部 ) ごとに確認すると 非日常買物 観光 レジャーで他地域にも行きたいとする意向の割合が 北部 中部 南部どの地域でも増加している 観光客 観光客については 条件が整えば 約 8 割が鉄軌道の利用意向を示している 鉄軌道が整備された場合に行きたい観光地としては 南部だけでなく 北部や中部の観光地が多く選ばれている アンケート分析のまとめ 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合 条件整備をあわせて行うことで 県民 観光客ともに 北部 中部 南部の地域間での移動が多くなる可能性が確認された 13

4. 総括 鉄軌道の導入による地域間移動の変化の可能性について 他事例及び県民 観光客アンケートにより確認した 事例のまとめ つくばエクスプレス (TX) について 新線整備前後での沿線住民のトリップ目的地の変化をみると 都心と郊外 沿線地域において 通勤 通学 私事等の人の移動 ( 日あたりトリップ数 ) の増加が確認されたことから TX の整備により 地域間移動が増加していると考えられる アンケート分析のまとめ アンケート結果から 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合 フィーダー交通の充実など条件が整えば 県民については 非日常の買物や観光 レジャーで 居住地以外の地域へも行きたいという意向が増加することが確認された また 観光客については 南部だけでなく 北部 中部の観光地などより多くの観光地へ行くと思うとの意向が確認された 事例及びアンケート結果より 那覇と名護を 1 時間で結ぶ鉄軌道が導入された場合 条件整備をあわせて行うことで 県民 観光客の交通手段や行き先の選択肢が広がり 北部 中部 南部の地域間移動の機会が増加し 南北間の交流人口が増加する可能性が確認できた なお 南北間の交流人口の増加については 各ルート案ごとに比較評価はせず 鉄軌道整備の効果として評価する 14