求する診療報酬明細書の件数 ( 入院以外 ) は 糖尿病や高血圧 心疾患などの生活習 慣病が約 4 割を占めている 生活習慣病患者が増加することにより 医療費は年々増 大していくことが考えられる 図 2 戸田市の医療費の推移 ( ウ ) 健康寿命の延伸県は健康寿命を 65 歳に達した県民が自立した生

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( イ ) 現役世代の運動不足平成 24 年度実施の さいたま市健康に関する市民調査 において 男女共に 20 歳から64 歳の世代はその他の世代に比べ運動習慣のある人の割合が低い結果となっており この世代 ( いわゆる現役世代 ) の市民がいかに運動習慣を身につけるかが 本市の健康づくりにとって大

Ⅰ 目標達成

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背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

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調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

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(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた し かし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医 療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する

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案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

表紙裏 ( 空白 )


1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

1. 趣旨 目的 香川県糖尿病性腎症等重症化予防プログラム 香川県医師会香川県糖尿病対策推進会議香川県国民健康保険団体連合会香川県 本県では 糖尿病患者の人口割合が全国上位にあり 糖尿病対策が喫緊 の課題となっている 糖尿病は放置すると網膜症や腎症 歯周病などの合 併症を引き起こし 患者の QOL

泉大津

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11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

特定健康診査等実施計画書 ( 第 3 期 ) JXTG グループ健康保険組合 平成 20 年 4 月 1 日制定平成 22 年 4 月 1 日改訂平成 25 年 4 月 1 日改正平成 30 年 4 月 1 日改正 - 1 -

Ⅰ 障害福祉計画の策定にあたって

( イ ) 医療費の増大戸田市国民健康保険加入者一人当たりの医療費は 例年県内 63 市町村中では最も低い額である しかし 前期高齢者 (65 歳以上 75 歳未満 ) の医療費は高く ここ数年は県内 1 位であり 戸田市特有の問題である 近年では 糖尿病や高血圧などの生活習慣病患者の増加が 医療費


日本赤十字社健康保険組合特定健康診査等実施計画 Ⅰ 計画策定にあたって 1 背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務


スライド 1

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

特定健康診査等実施計画

宗像市国保医療課 御中

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

結果の概要

平成 29 年 3 月改定 特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) 協和発酵キリン健康保険組合 平成 29 年 3 月

<4D F736F F D208FAC93638CB48E7382CC8C928D4E919D90698C7689E696DA C82CC8D6C82A695FB2E646F63>

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

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「健康寿命」の伸長には若い頃からの健康改善が重要~2012年「健康寿命」の公表について考える

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

<4D F736F F D DC58F49817A88B089AE8E738C928D4E8C7689E68F918CB488C42E646F63>

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

第 1 節人口の推移 1 総人口と世帯数の推移 平成 25 年 1 月 1 日現在 人口は 580,852 人 世帯数は 259,048 で平成 5 年から 人口 世帯数ともに増加傾向にあります 出典 : 各年 1 月 1 日現在総人口 2 段階別人口の推移と将来推計平成 17 年から 25 年まで

(Microsoft Word - \217\254\212w\202U\224N\201i\216R\217\343\201j.doc)

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いの一部変更について(厚生労働省健康局長、保険局長:H )

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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歯科中間報告(案)概要

8 健康増進対策事業

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

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評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

( 人 ) 図 1 高齢化の推移と将来推計 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 (%) 40.0% 35.0% 30.0% 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0 平成 2 年平成 7 年平成 12 年平

01 【北海道】

スライド 1

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Q1.65 歳での健康寿命に 65 を足せば 0 歳での健康寿命になりますか A1. なりません 別途 健康寿命の算定プログラム 等を用いて 0 歳での健康寿命を算定する必要があります 例えば 健康寿命の算定方法の指針 の図 4-3 の男の算定結果を見ると 健康な期間の平均が 65 歳時点では 17

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

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2 3


第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

一人暮らし高齢者に関する意識調査結果 <概要版>2

Transcription:

健康長寿に係る先進的な取組事例 戸田市 ~ 生活習慣病対策講座 ~ (1) 取組の概要 生活習慣病対策講座 は 市民の健康づくりの一環として糖尿病 慢性腎臓病予防を目的に平成 25 年度から実施している この事業では 広報やホームページ ポスター等で受講者を募集し また過去の戸田市国民健康保険特定健康診査のデータから 糖尿病予備群 慢性腎臓病予備群を選定し 個別通知によって受講を促している 知識の普及と生活習慣改善を目標に専門医や管理栄養士による講義と調理実習などの実技を行っている 生活習慣病予防の基礎知識を身につけることで 受講者の糖尿病 慢性腎臓病予防につながり また受講者のみならず家族や友人への伝達により知識が波及することによって 今後 生活習慣病の予防 健康寿命の延伸につながると思われる また 将来増大が予想される医療費 介護給付費等の抑制にもつながると思われる (2) 取組の契機 ( ア ) 高齢化率の上昇埼玉県による市区町村別平均年齢の資料によると 戸田市の平均年齢は39.7 歳 ( 平成 26 年 1 月 1 日現在 ) と埼玉県下 1 位の若い県である 平成 26 年度埼玉県町 ( 丁 ) 字別人口調査では 高齢化率は15.0% と県平均 22.7% と比較して低い状況にある しかし 将来推計人口によると 平成 47 年には27.0% となり 今後急速に高齢化が進展すると予測される 平成 22 年までは 国勢調査人口 平成 27 年以降は 日本の市区町村別将来推計人口 ( 平成 20 年 12 月推計 )(H17 国勢調査から推計 ) ( イ ) 医療費の増大戸田市の国民健康保険加入者一人当たりの医療費は 埼玉県内市町村平均と比較すると全体は低いが 前期高齢者 (65 歳以上 75 歳未満の人 ) の医療費は高く 平成 23 年度は県内 63 市町村中 第 2 位であった 戸田市の第 2 期戸田市国民健康保険特定健康診査等実施計画 ( 平成 25 年度 ) によると 医療機関が各健康保険組合に請 1

求する診療報酬明細書の件数 ( 入院以外 ) は 糖尿病や高血圧 心疾患などの生活習 慣病が約 4 割を占めている 生活習慣病患者が増加することにより 医療費は年々増 大していくことが考えられる 図 2 戸田市の医療費の推移 ( ウ ) 健康寿命の延伸県は健康寿命を 65 歳に達した県民が自立した生活を送る期間 ( 要介護 2 以上 ) になるまでの期間 と定義している 戸田市では平成 24 年は 男性 15.71 歳 女性 18.96 歳と男女とも県平均より短い また ( イ ) で述べたとおり 医療機関にかかる ( 入院を除く ) 原因の4 割は生活習慣病であることが分かっている そのため 第 2 次健康増進計画では 高齢になっても健康で自立した生活を送るために 望ましい生活習慣を身につけ 健康寿命を延ばすことを目指している 図 3 戸田市の健康寿命 男 女 15.71 歳 16.84 歳 18.96 歳 19.76 歳 戸田市 埼玉県 0 5 10 15 20 25 ( エ ) 取組の内容 事業名 事業開始 生活習慣病対策講座 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 25 年度 188 千円 159 千円 予 算 郵送料 専門職賃金 郵送料 専門職賃金 講師謝礼 資料 講師謝礼 資料 参加人数 延べ人数 116 人 ( 実 53 人 ) 延べ人数 137 人 ( 実 64 人 ) 期 間 6 月下旬 ~7 月上旬 4 回 6 月下旬 ~7 月上旬 4 回 実施体制 戸田市福祉保健センター 戸田市福祉保健センター 2

平成 26 年度事業内容 1 市民への周知 ( 平成 26 年 6 月 ) 18 歳以上の市民及び在勤者を対象に広報 ホームページ ポスターで募集を行った また 戸田市国民健康保険特定健診データから糖尿病予備群 慢性腎臓病予備群を選定し教室の案内と共に疾病に関する資料を送付することで知識の周知を行った 個別通知者の選定基準は以下のとおり 糖尿病予備群戸田市国民健康保険特定健康診査受診者のうち 平成 24 25 年度 2 年間連続して HbA1c6.0% 以上 (NGSP 値 ) 以上慢性腎臓病平成 25 年度戸田市国民健康保険特定健康診査受診者のうち e-g 予備群 FR( 推算糸球体濾過量 ) がステージ3 以上 ( 治療中は除く ) 個別通知表 ( 慢性腎臓病予備群 ) 個別通知裏 ( 慢性腎臓病予備群 ) 2 講座の実施 ( 平成 26 年 6 月 ~7 月 ) 講座は下記のとおりテーマが異なる内容の講座を全 4 回実施した 連続での受講は 必須ではなく 1 回のみの参加も可とした 回内容講師参加数 1 2 3 4 糖尿編 糖尿病のアレ コレ知ってる? ~ 自分の血糖値を知ろう!~ 恐怖の歯周病菌って何? ~ 予防の方法を知ろう!~ 慢性腎臓病編 慢性腎臓病ってどんな病気? ~ 自分の腎機能を知ろう!~ 食生活編 予防は食事が秘訣って知ってた?1 ~ 自分の 1 日塩分摂取量を知ろう!~ 調理実習編 予防は食事が秘訣って知ってた?2 ~ 自分で作って 食べて感じてみよう! ~ 専門医 歯科衛生士 専門医 保健師 糖尿病予備群 30 人 9 人 30% 32 人 2 人 6.3% 管理栄養士 31 人 3 人 9.7% 管理栄養士 23 人 4 人 17.4% 通知者の参加数 割合 慢性腎臓病予備群 5 人 16.6% 8 人 25% 6 人 19.4% 4 人 17.4% 合計 14 人 46.7% 10 人 31.3% 9 人 29.0% 8 人 37.8% 3

第 1 回 糖尿病編 糖尿病の基礎知識について専門医による講義と歯周病予防についての歯科衛 生士による講義を実施した 写真専門医による講義の様子 写真歯科衛生士による講義の様子 第 2 回 慢性腎臓病編 慢性腎臓病の基礎知識について専門医による講義を実施した 講義後には 自分の腎機能を知ろう! というテーマで 保健師による講義内容の振り返 りを行い チェックシートを用いて受講者が e-gfr 値を計算し 自分の腎機能 について確認した 右 : 自分の腎機能を知ろう! チェックシート写真 : 保健師による講義内容の振り返り 第 3 回 食生活編 管理栄養士による 生活習慣病予防のための食生活の講義を実施した 塩分チェック表 を用いて 受講者それぞれが日頃の塩分摂取量を計算し 食生活の振り返りを行った 第 4 回 調理実習編 管理栄養士による 献立作成に関する講義 調理実習を実施した 生活習慣病予防のための減塩の食事と季節野菜を取り入れたメニューをグループごとに調理し 試食した 4

写真管理栄養士による講義の様子 写真実際の試食メニュー 3 健康づくりポイント事業へ参加勧奨健康づくりポイント事業とは 生活習慣を改善したり 運動習慣を確立することを目指す事業である 生活習慣改善に取り組むとポイントが付与され 貯めたポイントで抽選によって賞品を貰える仕組みになっている 健康に関心があっても実践できない市民への動機付けとして平成 26 年から開始した 講座終了後にも良い生活習慣が継続出来るように 事業の参加を勧奨し 約 17 人が参加した 4 アンケートの実施 ( 平成 26 年 6 月 ~9 月 ) 各講座の直前 直後に受講者へアンケートを実施した また 慢性腎臓病編を受講した32 人を対象に講座実施 2か月後に 振り返りシート として 生活習慣について調査をした 慢性腎臓病編の受講者へ実施した 振り返りシート ( オ ) 取組の効果平成 26 年度に慢性腎臓病編に受講した人へ実施した 講座直前と直後のアンケートと2か月後に実施した 振り返りシート の結果から取組みの効果について検討した 1 正しい知識の普及慢性腎臓病に関する以下の設問について3つの選択肢から回答を選んでもらった 正答率は以下のとおりであった 5

設問直前正答率直後正答率 2 か月後正答率 1CKD とは何か? 52% 100% 83% 2 腎機能の指標は? 41% 86% 93% 120 100 80 60 40 20 0 % 図 4 受講後の知識の比較 直前直後 2 か月後 1CKD とは? 2 慢性腎臓病の指標は? 正当率について直前と直後を比較すると 設問 1では48ポイント 設問 2では4 5ポイント上昇している また 直後と2か月後を比較すると 設問 1では17ポイント低下したが 設問 2では7ポイント上昇している しかし どちらも直前より高くなっている これらの結果から 講座受講により正しい知識を得られたと言える 2 生活習慣改善の意欲向上 継続日常取り組んでいる生活習慣 今後取り組みたい生活習慣について10 点満点の設問を設け 回答をしてもらった 講座直前と直後を比較すると 一人平均 0.2ポイント上昇しており 2か月後においても わずかだが上昇していた このことから 講座を受講したことによって 生活習慣改善への意欲が向上 継続していると言える 6.2 6.1 6 5.9 5.8 5.7 5.6 点 一人平均 5.8 点 図 5 受講後の生活習慣改善意欲の比較 一人平均 6 点 一人平均 6.1 点 講座直前講座直後 2 か月後 3 その他の効果 主観的理解度の上昇 あなたの慢性腎臓病に関する知識 理解度は10 段階中どのあたりですか? という設問を設け 0~10 点の間で回答をしてもらった 講座直前と直後を比較すると 一人平均 3.8ポイント上昇していた 2か月後においては 直後と比較すると低下しているが 直前と比較すると2.7 ポイント上昇している このことから 講座に受講したことによって知識 理解が深まったと感じていると言える 6

8 図 6 受講後の主観的理解度の比較 6 4 2 0 点 直前直後 2 か月後 知識の周知 2か月後 振り返りシート の設問の中に 今回の生活習慣病の講座で得た知識を 周囲の人に伝えましたか? という項目を設けた その結果 29 人中 25 人 (86%) が身近な人に伝えた または今後伝えようと思っていると回答し その相手は家族が最も多く 講座受講者のみならず 受講していない家族への周知につながったと言える 図 7 周知した人の割合図 8 知識を伝えた相手 ( カ ) 成功の要因 創意工夫した点 1 戸田市国民健康保険特定健康診査データから対象者を選定したこと特定健診のデータから 糖尿病予備群 慢性腎臓病予備群を選定し 講座参加勧奨の個別通知をすることにより 講座の受講へつながった また 受講しない人にも 資料を送付したことで生活習慣病に関する知識の普及ができた 2 チェックシートを活用したこと慢性腎臓病についての理解を深めるために e-gfr 値を計算する 自分の腎機能を知ろう! というチェックシートを作成し 講義の中で使用した 自分の腎機能について分かって良かった という感想もあり 自分の腎機能について知る機会となった ( キ ) 課題 今後の取組 1 生活習慣病の知識がない人に知識の普及をすすめていくアンケート結果から 元々良い生活習慣がある方々が受講している傾向があり 生活習慣病の知識が少ない方が受講するような効果的なアプローチをしていくことが課題である 7