Dec.1970 目本 口腔 外 科 学 会 雑 誌 390 写真1症 受 傷 例6関 節 時 レ 線 像 再検時(治 療後5カ 月) 写 真1-2 写 真1-1 写 真1-4 写 真1-3 写 真1-5 右 関 節 写 真1-6 右 関 節 62

VoL16 No.4 顎 関節突起骨折治療 の遠隔成績について(小 野 他4名) 写 真2症 受 傷 例8関 節 レ 時 線 像 再検時(治 療後2年4カ 写 真2-1 391 月) 写 真2-2 写 真2-3 写 真2-4 写 真2-5 写 真2-6 右 関 節 右 関 節 63

392 日本 口腔 外 科 学 会 雑 誌 写真3症 受 傷 例9関 時 節 レ 線 Dec.1970 像 再 検 時(治 療 後3年5カ 月) 写 真3-1 写 真3-2 写 真3-3 写 真3-4 写 真3-5右 関 節 写 真3-6右 64 関 節

Vol.16 No.4 顎 関節 突起骨折治療 の遠隔成績につ いて(小 野 他4名) 写 真4症 受 傷 例10レ 線 393 像 時 再検時(治 療 後1年2カ 月) 写 真4-1 写 真4-2 真3-4,3-6)し た ま ま骨 性 治 癒 して い た.開 口度3横 指, 5カ 月,2ヵ 月,と 短 期 間 で あ った た め 受 傷 時 の 組 織 損 顎 の 前 方 運 動 が わ ず か に 制 限 され てい る のみ で,関 節 痛, 傷 の修 復 が 完 全 に行 な われ ず 未 だ 治癒 過 程 に あ った た め 雑 音 は な く,咬 合 も正 常 で 自覚 的 に は全 く不 自由 を感 じ であろ う て い な か った. は か な り強 度 の 変形 治癒 の もの で も な ん ら障 害 は 訴 え ら 症 例10(写 真4)は 右 隅 角 部 骨 折 を合 併 す る右 関 節 突 れ な か った. 起 骨 折 で 上 行 枝(大 骨 片)は 著 明 に 側 方 に移 動 し,小 骨 片 も側 方 に 転 位 し て い た(写 真4司).受 傷 後14日 治 療後 経 過期 間 の長 い症 例1,8,9,10で 1)顎 目に 関 節 突 起 骨折 の 骨性 治 癒 関 節 突 起 骨 折 の骨 折 片 の 骨 癒 着 は,大 別 す る と解 剖 学 線 副子 に よ る顎 間 固 定 と,突 出 した 右 関 節 部 を圧 迫 す る 的 に 正 常 な形 に整 復 され る正 常 治 癒 と,関 節 突 起 の 偏 位, よ うに顎 外 固 定 を37日 転 位 の ま ま骨 折 片 の 骨 結 合 の 行 な わ れ る変 形 治 癒 が あ る. 所 見 で(写 真4-2),関 度3.5横 指,顎 間 行 な った.術 後1年2ヵ 月の 節突 起 は ほ ぼ 正 常 位 に 復 し,開 口 骨 折 片 の転 位 の ない もの で は 非 観 血 的 治 療 に よ って も正 の前 方 運 動 が わ ず か に 制 限 され るの み で, 常 治 癒 が 行 なわ れ るが,転 位 の 著 しい もの で は 多 くの 場 他 の 自覚 症 状 は 全 くな か った. 合 変 形 治癒 が み られ る.そ こで この 変 形 治 癒 と関 節 機 能 の 回 復 の関 係 が 問 題 とな って 来 る. 総 括 お よ び考 案 Thoma12)は 変 形 治 癒 を3種 類 に 分 類 して い る.す なわ 以 上10例 の 関 節 突 起 骨 折 治療 状 況 に つ き,顎 運 動, ち 関 節 突 起 が 正 常 に 整 復 され ず,術 後 性 疼 痛,運 動 制 限, 自覚 症 状,レ 線 所 見 な どを参 考 に して 調 査 した 結 果,遠 健 側 関 節 の 異 常 な どの 骨 折 症 候 を 伴 うDysarthrosis, 隔成 績 判 定 の 時 期 が 各 症 例 に よ り異 な り,短 い もの は 治 変 形 治 癒 は あ るが な ん らの 症 状 を 伴 わ ず,充 分 な関 節 機 療 後 経 過 期 間 が2ヵ 月,長 能 を 保 っMetarthrosis,骨 い も の は6年4カ また 受 傷 か ら治 療 まで の 期 間 も7日 か ら47日 月 で あ り, 折 片 の骨 結 合 が な く 偽 関 節 形 成 の み られ るPseudoarthrosisで と幅 が あ あ る.関 節突起骨 り,か つ 受 傷 程 度,治 療 方 法 もそ れ ぞれ 異 な って い た た 折 で は 審 美 的 回 復 は ほ と ん ど問題 に な らず 顎 運 動 機 能 回 め,治 癒 状 況 に も多 様 性 が 認 め られ た.し か し関 節突 起 復 が 主 目的 で あ る こ とか ら,Thomaの 骨 折 の 治 療 目的 が機 能 回 復 を主 とす る も の で あ る こ とを 解 剖 学 的 正 常 位 へ の 整 復 は理 想 的 で は あ るが,こ の た め 考 え る と,症 例5,6以 に 必要 な外 科 的 治療 の 困難 性,危 険 性 か らMetarthrosis 外 の症 例 は ほ ぼ満 足 す べ き結 果 述 べ る ご と く, で あ って も治療 目的 は一 応 果 した もの と 考 え て よ か ろ を 得 て い る よ うで あ った.後 障 害 の 多 か った症 例5,6 は 受 傷 か ら治療 まで の 期 間 が 長 い の が特 長 で あ り,骨 折 治 癒 に 対 す る早 期 治 療 の 必 要 性 が 痛 感 され た.ま た症 例 うThoma12)の 分 類 に した が え ば,著 Dysarthrosisは 症 例3,5,6,Metarthrosisは 者 らの 調査 例 は, 6で は 受 傷 時 左 関節 突 起 は 前 内 方 に,右 関 節 突 起 は後 内 方 に 傾 斜 し,左 右 の 関 節 突 起 の 転 位 方 向が 逆 で あ り,こ の ご と く正 常 像 が回 復 され た に か か わ らず 治療 後 経 過 期 の こ とが 後 遺 症 発 現 と も関 係 して い るの で は な い か と考 間 の短 いた め か 軽 度 の疼 痛 を訴 え る も の が あ った.正 え られ た.症 例2,3,7で 治癒 で 術 後期 間 の長 い症 例4,10で はわずかに顎運動制限があ った.こ っ た が,治 療 終 了か ら リコー ル ま で の期 間 が,そ れ ぞ れ 65 な か った.し 症 例1, 8,gでPseudoarthrosisは か し症 例2,7 常 は 後 障害 は 全 くな か の こと か ら後 障 害 の 多寡 は 治療 後 観 察 期 間 に も

3) Adolph, H. u. Schwertner, H.: Haufigkeit, Behandlungsmethodik and Nachuntersuchungsergebnisse bei Kiefergelenkfrakturen. Dtsch Stomat 19: 837-842 1969. 4) Archer. W. H.: Oral Surgery (monograph). ed. 4, W. B. Saunders Co, Philadelphia & London, 1967, p 833 5) Bornemann, G: Ergebnisse der konservativen Behandlung bei Luxationsfrakturen des Kiefergelenkes. Fortschr d Kiefer u Gesichtschirurgie 2: 20-24 1956. 6) Members of the Chalmers J.Lyons Club: Fractures involving the mandibular condyle: A post-treatment servey of cases. 3 Oral Surgery 54: 45 `73 1947. 8) Cook, R. M. & Mac Farlane, W. I.: Subcondylar fracture of the mandible. OSOM & OP 27: 297-304 1969. 9) Herfert, O.: Zu der Therapie der Kiefergelenkbruche. Fortschr d Kiefer u Gesichtschirurgie 2: 15-19 1956. 10) Kivimaki, J. & Ekholm, A.: Nachuntersuchungen von Bricken des Kiefergelenkfortsatzes. D Z M Khlk 31: 139-143 1959. 11) Thoma, K. H.: Oral Surgery(monograph). ed. 2, C. V.Mosby Co, St.Louis, 1952, p 642. 12) Thoma, K. H.: Oral Surgery (monograph). ed. 4, C. V. Mosby Co, St. Louis, 1969, p 583.