強制加入被保険者(法7) ケース1

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第14章 国民年金 

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

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強制加入被保険者(法7) ケース1

1

国民年金

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

年金・社会保険セミナー

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

問 28 保険医療機関等 保険医等 (1) 難度 B 64 問 29 保険医療機関等 保険医等 (2) 難度 B 68 問 30 保険医療機関等 保険医等 (3) 難度 B 70 問 31 療養の給付の一部負担金難度 C 74 問 32 入院時食事療養費難度 B 76 問 33 入院時生活療養費難度

第9章 国民年金制度について

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被用者年金一元化法

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第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

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新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

1 2

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強制加入被保険者(法7) ケース1

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

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スライド 1

老齢年金の繰下げ支給に係る支給開始時期の見直し 70 歳に達した後に繰下げ支給の申出を行った場合に 年金額は 70 歳の時点で申出を行った場合と変わらないにもかかわらず 申し出のあった月の翌月以降の年金しか支払われない扱いとしていることについて 繰下げの申出を行うまでの期間の給付も行うこととする (

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強制加入被保険者(法7) ケース1

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

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第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

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制度改正の概要について

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算が加算されるようになったとき 260 / 12. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が額計算の基礎となる組合員期間または加入者期間が 240 月以上である退職共済年金等を受けられるようになったとき 262 / 13. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が障害を支給事由とする年金給付

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

スライド 1

二いて 同法第二十八条の規定により記録した事項の訂正がなされた上でこの法律の施行の日(以下 施行日 という )以後に当該保険給付を受ける権利に係る裁定が行われた場合においては その裁定による当該記録した事項の訂正に係る保険給付を受ける権利に基づき支払うものとされる保険給付(当該裁定前に生じた保険給付

ライフプランニングと資金計画 問題 1. ファイナンシャル プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち 職 業倫理や関連法規に照らし 最も適切なものはどれか 1. 税理士資格を有しないファイナンシャル プランナーが 住宅ローン相談セミナーを開催し その出席者に対して無償で確定申告書の作成代行

社会保障 国民年金 問題 第 3 号被保険者とは 性別を問わず 第 2 号被保険者 ( 厚生年金保険の被保険者及び各共済組合等の組合員 加入者 ) の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60 歳未満の者である 2 第 1 号被保険者の場合は 日本国内に住所を有する必要があるが 第 2 号

えていない B 平成 28 年版男女共同参画白書 46 頁参照 設問のとおり C 平成 28 年版男女共同参画白書 41 頁参照 設問のとおり D 平成 28 年版男女共同参画白書 47 頁参照 設問のとおり E 平成 28 年版男女共同参画白書 35 頁参照 設問のとおり 問 5 解答 A A 平

Microsoft Word - 概要

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

Ⅱ 厚生年金の給付の種類とその受給要件 1 特別支給の老齢厚生年金 (65 歳になるまで ) 次の要件をすべて満たしているときに 支給開始年齢から 65 歳になるまでの間 支給されます 1 支給開始年齢以上であること 2 厚生年金被保険者期間が1 年以上であること 3 受給資格期間が 25 年以上

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

 


C 過労死等防止対策推進法 過労死等防止対策推進法において 設問のように事業主に報告書の提出を義務づける規定はない D 労組法 22 条 1 項 設問のとおり E 均等法 13 条 1 項 設問のとおり 問 5 解答 B A 社労士法 14 条の3 社会保険労務士名簿は 全国社会保険労務士会連合会に

の合計 ( ただし 20 歳以上 60 歳未満の期間 ) なお 保険料免除期間がある場合 本人は保険料を支払っていなくても 一定の期間が分子に加算される A さんの場合 保険料納付済月数は 国民年金保険料納付済期間 35 月 + 厚生年金保険被 保険者期間 398 月 + 厚生年金保険被保険者期間

(差し替え)【概要】年金機能強化法

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平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

2909_0 概要

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老齢基礎年金 老齢基礎年金は 国民年金の加入者であった方の老後の保障として給付され 65 歳になったときに支給されます 老齢基礎年金は 保険料納付済期間 ( 厚生年金保険や共済組合の加入期間を含む ) と保険料免除期間などを合算した資格期間が 10 年以上ある場合に 終身にわたって受け取ることができ

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

支給要件 37 Q80 受給権者が再婚したとき 65 旧国民年金法の障害 遺族給付 9 ⑷ 年金の併給調整 5 Q60 障害等級表 37 Q8 先妻または先夫の子と再婚後の 旧厚生年金保険法の障害 遺族給付 95 Q96 遺族厚生年金と遺族共済年金が Q6 障害手当金の要件 37 妻または夫の受給権

第七条二被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 厚生年金保険法 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 私立学校教職員共済法 国内居住要件 被用者年金各法 社会保険の適用事業所にお勤めの方 国家公務員 地方公務員 私立学校教職員 なし 年齢要件なし (65 歳以上の老齢厚生年金等の受給権者

はじめに 1 掛金は毎月 1 日に引き落としいたします 国民年金基金にご加入いただきありがとうござい ます 国民年金基金は 自営業者などの国民年金の第 1 号被保険者の方々の多様化するニーズに応え より豊かな老後を過ごすことができるよう 国民年金 ( 老齢基礎年金 ) に上乗せした年金を受け取るため

( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

無年金・低年金の状況等について

年金は 万が一のとき もしっかりサポートします! 一般的に 年金 と言いますと 老後の生活を支える 老齢年金 をイメージしますが それだけではありません! 年金には万が一のときに 障害厚生年金 や 遺族厚生年金 が支給される場合があります 障害厚生年金 病気やけがで障害の状態になったときは 厚生年金

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

JA バンク JF マリンバンク年金アドバイザー 第 2 回予想問題 (2017 年 10 月実施分 ( 一部修正 )) [ 問 -1] わが国の最近の人口動向等について, 正しいものは次のうちどれですか (1) 平成 27 年の簡易生命表によると, 日本人の平均寿命は, 女性が男性を8 歳以上上回

Ⅱ 厚生年金の給付の種類と受給要件 1 特別支給の老齢厚生年金 (65 歳になるまで ) 次の要件を全て満たしている方に 支給開始年齢から 65 歳になるまでの間 支給されます (1) 支給開始年齢以上であること (2) 厚生年金被保険者期間が 1 年以上であること (3) 受給資格期間が 10 年

平成 27 年 10 月から全国市町村職員共済組合連合会 ( 以下 市町村連合会 1 ) が年金の決定 支払いを行います ~ 各種届出等の手続き及び各種相談は 今までどおり共済組合で行います ~ 平成 24 年 8 月 22 日に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部

財財第  号

被扶養者になれる者の判定

2 社会保障協定のねらい 社会保障協定とは 国際間の人的移動の活発化に伴う年金等における課題の解決 協定発効前 二重負担の課題 在ルクセンブルク日本企業勤務の日本人 厚生年金保険料の徴収 ルクセンブルク年金保険料の徴収 年金受給資格の確保の課題 ルクセンブルク年金の最低加入期間である10 年を満たさ

Transcription:

INDEX 目次 独自給付 1:12 分 1. 第 1 号被保険者の独自給付と脱退一時金 2. 国民年金法の給付 3. 付加年金 ( 法第 43 条 ~ 第 48 条 ) 4. 付加保険料を納付できる者 ( 法第 87 条の 2 第 1 項 法附則第 5 条第 10 項 ) 5. 付加保険料の額と納付 ( 法第 87 条の 2 第 1 項 第 2 項 ) 6. 付加年金の支給要件と年金額 ( 法第 43 条 第 44 条 ) 7. 支給の繰上げ 繰下げとの関係について 講義中の法令 略令の一例 法第 43 条 国民年金法第 43 条 法附則第 5 条第 10 項 国民年金法附則第 5 条第 10 項

INDEX 目次 独自給付 1:12 分 8. 支給停止と失権 ( 法第 47 条 第 48 条 ) 9. 寡婦年金 ( 法第 49 条 ~ 第 52 条 ) 10. 死亡した夫の要件 ( 法第 49 条等 ) 11. 妻の要件 ( 法第 49 条等 ) 12. 寡婦年金の支給期間と年金額 ( 法第 49 条第 3 項 第 50 条 ) 13. 支給停止と失権 ( 法第 51 条 第 52 条 ) 確認問題 講義中の法令 略令の一例 法第 47 条 国民年金法第 47 条

第 1 号被保険者の独自給付と脱退一時金 第 1 号被保険者の独自給付 短期滞在の外国人に支給される脱退一時金

国民年金法の給付 国民年金法の給付 基礎年金被保険者の種別を問わずその加入実績に基づき支給 独自給付第 1 号被保険者としての加入期間に基づき支給 付加年金 寡婦年金 死亡一時金

付加年金 ( 法第 43 条 ~ 第 48 条 ) より高い給付を希望する第 1 号被保険者 上乗せして受給 付加年金 国民年金定額負担 定額給付 付加保険料を納付法第 87 条の 2 に規定 老齢基礎年金

付加保険料を納付できる者 ( 法第 87 条の 2 第 1 項 法附則第 5 条第 10 項 ) 付加保険を納付できる者 第 1 号被保険者 65 歳未満の任意加入被保険者 保険料の全部 または一部の額の納付を免除されている者 65 歳以上の特例による任意加入被保険者 国民年金基金の加入員 付加保険料を納付することができません

付加保険料の額と納付 ( 法第 87 条の 2 第 1 項 第 2 項 ) 付加保険料の額月額 :400 円 付加保険料を納付することができる期間 法第 87 条第 3 項の通常の保険料を納付した月 付加保険料を納付することができない期間 保険料の追納が行われた期間 後納保険料の納付が行われた期間 付加保険料を納期限までに納付しなかった場合平成 26 年 4 月 付加保険料の納付を辞退したものとみなされていた ( 付加保険料納付不可 ) 国民年金の通常の保険料と同様に 過去 2 年分までの付加保険料を納付することができるようになった

付加年金の支給要件と年金額 ( 法第 43 条 第 44 条 ) 付加年金の支給要件 付加保険料の保険料納付済期間を有する者であること 老齢基礎年金の受給権を取得した者であること 付加保険料の保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したとき 老齢基礎年金の受給権を取得した月 翌月 受給権者が死亡した月 付加年金 老齢基礎年金 付加年金の支給期間 老齢基礎年金の支給期間 付加年金の年金額 200 円 付加保険料の納付済期間の月数例 :40 年間付加保険料を納付した方 200 円 480 月 =96,000 円 付加年金については 改定率の改定による自動改定の仕組みは適用されない

支給の繰上げ 繰下げとの関係について 取り扱いが異なる 区分付加年金振替加算 老齢基礎年金の支給を繰り上げた場合 同様に繰り上げられる 同じ割合で減額される 繰上げは行われないため 減額の問題も生じない 老齢基礎年金の支給を繰り下げた場合 同様に繰り下げられる 同じ割合で増額される 増額されない 繰下げ待機期間中に振替加算部分だけを受けることはできない

支給停止と失権 ( 法第 47 条 第 48 条 ) 老齢基礎年金の受給権を取得した月 翌月 受給権者が死亡した月 付加年金 老齢基礎年金 支給停止 全額支給停止 受給権消滅 老齢基礎年金が全額支給停止されている間は 付加年金の支給も停止される

寡婦年金 ( 法第 49 条 ~ 第 52 条 ) 第 1 号被保険者としての受給資格期間を満たした夫 老齢基礎年金を受給する前に死亡 夫 保険料の掛け捨てを防止 60 歳 65 歳 妻 寡婦年金支給 有期年金

死亡した夫の要件 ( 法第 49 条等 ) 死亡日の前日に 死亡日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が 25 年以上あること 25 年以上 1 昭和 5 年 4 月 1 日以前に生まれた者 保険料納付済期間 保険料免除期間 生年月日に応じて 21 年 ~24 年 保険料納付済期間 保険料免除期間 期間短縮の特例 学生納付特例期間と若年者納付猶予期間のみを有する者 65 歳未満の任意加入被保険者 寡婦年金は支給されない 第 1 号被保険者とみなされる 2 障害基礎年金の受給権者であったことがないこと 3 繰上げ支給の老齢基礎年金を含め 老齢基礎年金の支給を受けていないこと 死亡した夫がこれら 3 つの要件をすべて満たしていることが必要

妻の要件 ( 法第 49 条等 ) 1 夫によって生計を維持していたこと 2 事実上の婚姻関係を含め 夫との婚姻関係が 10 年以上継続したこと 3 65 歳未満であること 4 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者でないこと 死亡した夫との生計維持の認定の基準 遺族基礎年金の生計維持の認定基準

寡婦年金の支給期間と年金額 1( 法第 49 条第 3 項 第 50 条 ) 寡婦年金の支給期間 夫の死亡の当時 妻が 60 歳未満の場合 夫 死亡 60 歳に達した日の属する月の翌月 65 歳に達する日の属する月 妻 支給 夫の死亡の当時 妻が 60 歳以上の場合 60 歳未満 死亡 65 歳 夫 夫の死亡日が属する月の翌月 65 歳に達する日の属する月 妻 支給 60 歳以上 65 歳

寡婦年金の支給期間と年金額 2 ( 法第 49 条第 3 項 第 50 条 ) 寡婦年金の額 死亡 夫 第 1 号被保険者としての被保険者期間 夫の死亡日が属する月の前月 第 1 号被保険者としての被保険者期間について 法第 27 条に規定される老齢基礎年金の年金額の計算方法により計算した額の 4 分の 3 に相当する額 死亡した夫が付加保険料を納付していた場合でも 付加年金は上乗せされない

支給停止と失権 1( 法第 51 条 第 52 条 ) 寡婦年金の支給停止 労働基準法の規定による遺族補償が行われるとき死亡 夫 死亡の日から 6 年間 妻 寡婦年金の支給が停止

支給停止と失権 2( 法第 51 条 第 52 条 ) 1 65 歳に達したとき 2 死亡したとき 3 婚姻をしたとき 4 養子となったとき ( 直系血族または直系姻族の養子となったときを除く ) 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき 5 寡婦年金の失権 受給権者が次のいずれかの失権事由に該当した場合 寡婦年金の受給権者が繰上げ請求をした場合 寡婦年金の受給権は消滅する 繰上げ請求をした後 寡婦年金は支給されない

確認問題 問題 1 付加保険料の額は月額 200 円で 付加年金の年金額は 400 円 付加保険料の納付済期間の月数 である 解答 ( 法第 44 条 第 87 条の 2) 付加保険料の額は月額 400 円で 付加年金の年金額は 200 円 付加保険料の納付済期間の月数 となります 問題 2 寡婦年金は 死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるときには支給されない 解答 ( 法第 49 条第 1 項ただし書 )

INDEX 目次 独自給付 2:10 分 1. 死亡一時金 ( 法第 52 条の 2~ 第 52 条の 6) 2. 死亡一時金の支給要件 ( 法第 52 条の 2 等 ) 3. 死亡一時金の不支給 ( 法第 52 条の 2 第 2 項 第 3 項 ) 4. 遺族の範囲と順位 ( 法第 52 条の 3) 5. 死亡一時金の額 ( 法第 52 条の 4) 6. 支給の調整 ( 法第 52 条の 6) 7. 脱退一時金 ( 法附則第 9 条の 3 の 2) 8. 脱退一時金の支給要件 ( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 1 項等 ) 9. 脱退一時金の額 ( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 3 項等 ) 確認問題 講義中の法令 略令の一例 法第 52 条の 2 国民年金法第 52 条 2

死亡一時金 ( 法第 52 条の 2~ 第 52 条の 6) 死亡 第 1 号被保険者 保険料を納付 老齢基礎年金障害基礎年金など 受給しないで死亡した場合 保険料の掛捨てを防止 一定の遺族 死亡一時金支給

死亡一時金の支給要件 1( 法第 52 条の 2 等 ) 1 死亡日の前日に 死亡日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての被保険者期間に 保険料を納付した月数が 36 月以上ある者が死亡したこと 保険料を納付した月数 36 月以上 第 1 号被保険者としての被保険者期間 死亡 保険料 4 分の 1 免除期間の月数 4 分の 3 保険料半額免除期間の月数 2 分の 1 保険料 4 分の 3 免除期間の月数 4 分の 1 死亡日の属する月の前月 任意加入被保険者 特例による任意加入被保険者 第 1 号被保険者とみなされる

死亡一時金の支給要件 2( 法第 52 条の 2 等 ) 2 死亡者が 老齢基礎年金 または障害基礎年金の支給を受けたことがないこと 下記の給付の支給を受けたことがある者は 老齢基礎年金 または障害基礎年金の支給を受けたことがある者 とみなされる 旧国民年金法の老齢年金 旧国民年金法の通算老齢年金 旧国民年金法の障害年金 旧国民年金法の母子年金 旧国民年金法の準母子年金 老齢基礎年金 または障害基礎年金の支給を受けたことがある者 とみなされる 旧国民年金法の母子福祉年金 または準母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金

死亡一時金の不支給 ( 法第 52 条の 2 第 2 項 第 3 項 ) 同一の事由について遺族基礎年金を受けることができる者がいる場合 ( 胎児であった子が生まれ 遺族基礎年金の受給権が発生した場合を含む ) 死亡一時金が支給されない ただし 死亡者の遺族基礎年金の受給権者となる配偶者がなく 子だけが遺族基礎年金の受給権を取得し, その子と生計を同じくする父 または母がいることにより 子の遺族基礎年金が支給を停止されている場合を除く 遺族基礎年金の受給権の発生と消滅が同一月である場合は 遺族基礎年金が支給されないため 死亡一時金が支給される 死亡 父 子 生計同一関係 受給権取得 支給停止

遺族の範囲と順位 ( 法第 52 条の 3) 遺族の範囲 死亡の当時 死亡者と生計を同じくしていた死亡者の配偶者 子 父母 孫 祖父母 または兄弟姉妹 先順位 受給の順位 1 番目 配偶者 2 番目 子 3 番目 父母 4 番目 孫 5 番目 祖父母 6 番目 兄弟姉妹 なお 未支給年金とは異なり 三親等内の親族 ( 死亡者の配偶者 子 父母 孫 祖父母 または兄弟姉妹を除く ) は受けることができません また 子の遺族基礎年金の支給が停止されていることにより支給される死亡一時金は 配偶者にのみ支給されます

死亡一時金の額 ( 法第 52 条の 4) 死亡日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての保険料納付実績 保険料納付済期間の月数保険料 4 分の 1 免除期間の月数を 4 分の 3 で計算した月数保険料半額免除期間の月数を 2 分の 1 で計算した月数 保険料 4 分の 3 免除期間の月数を 4 分の 1 で計算した月数 合算した月数 合算した月数 36 月以上 180 月未満 180 月以上 240 月未満 240 月以上 300 月未満 300 月以上 360 月未満 360 月以上 420 月未満 420 月以上 金額 120,000 円 145,000 円 170,000 円 220,000 円 270,000 円 320,000 円 死亡日の属する月の前月までの付加保険料の納付済期間が 3 年以上ある場合 8,500 円 死亡一時金については 改定率の改定による自動改定の仕組みは適用されない

支給の調整 ( 法第 52 条の 6) 第 1 号被保険者 死亡 夫 保険料を納付 老齢基礎年金障害基礎年金など 受給しないで死亡した場合 保険料の掛捨てを防止 妻 死亡一時金 寡婦年金 受い給ず権れ者かの一選方択がに支よ給り

脱退一時金 ( 法附則第 9 条の 3 の 2) 日本国籍を有しない者が日本国内に短期間滞在して帰国した場合 その間に納付した国民年金の保険料が老齢給付等に結びつかない 問題の指摘 平成 6 年の制度改正で公布 ( 平成 7 年 4 月施行 )

脱退一時金の支給要件 1( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 1 項等 ) 1 請求日の前日に 請求日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての被保険者期間に 保険料を納付した月数が 6 月以上あること 保険料 4 分の 1 免除期間の月数 4 分の 3 保険料半額免除期間の月数 2 分の 1 保険料 4 分の 3 免除期間の月数 4 分の 1 2 日本国籍を有しない者であること 3 老齢基礎年金 または旧国民年金法の老齢年金 通算老齢年金の受給資格期間を満たしていないこと 脱退一時金の支給要件を見る上で 任意加入被保険者と特例による任意加入被保険者は 第 1 号被保険者とみなされる

脱退一時金の支給要件 2( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 1 項等 ) 4 障害基礎年金 その他政令で定める給付の受給権を有したことがないこと 5 6 被保険者でなく かつ 日本国内に住所を有していないこと 最後に被保険者の資格を喪失した日から起算して 2 年を経過していないこと 最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は 最後に被保険者の資格を喪失した後 初めて 日本国内に住所を有しなくなった日から起算して 2 年を経過していないこと

脱退一時金の額 1( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 3 項等 ) 基準月 が所属する年度により支給額が異なる 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度 保険料納付済期間保険料 4 分の 1 免除期間保険料半額免除期間保険料 4 分の 3 免除期間のうち 基準月 請求日の前日までに保険料が納付された月のうち直近の月 最後に保険料が納付された月 第 1 号被保険者 被保険者期間 請求日の属する月の前月 請求日の属する月

脱退一時金の額 2 ( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 3 項等 ) 対象月数 保険料納付済期間の月数保険料 4 分の1 免除期間の月数を4 分の3で計算した月数保険料半額免除期間の月数を2 分の1で計算した月数保険料 4 分の3 免除期間の月数を4 分の1で計算した月数 合算した月数 法附則第 9 条の3の2 第 3 項に規定される脱退一時金の額対象月数金額 6 月以上 12 月未満 40,740 円 12 月以上 18 月未満 81,480 円 18 月以上 24 月未満 122,220 円 24 月以上 30 月未満 162,960 円 30 月以上 36 月未満 203,700 円 36 月以上 244,440 円 ( 実際の脱退一時金の支給額は 厚生労働省または日本年金機構の HP でご確認ください ) 補足 脱退一時金の額の計算の基礎となった第 1 号被保険者としての被保険者期間は 被保険者でなかったものとみなされる

確認問題 問題 1 死亡一時金の支給要件における保険料納付済期間には 任意加入被保険者としての保険料納付済期間は含まれるが 特例による任意加入被保険者としての期間は 保険料納付済期間とはされていない 解答 ( 法附則第 5 条第 10 項 平成 6 年改正法附則第 11 条第 10 項等 ) 死亡一時金の支給要件における保険料納付済期間には 特例による任意加入被保険者としての期間も含まれます 問題 2 日本国籍を有しない者であって 被保険者である者は 脱退一時金を請求することができる 解答 ( 法附則第 9 条の 3 の 2 第 1 項 ) 脱退一時金を請求できる者は 国民年金の被保険者でない者に限られます