No.405 2018.2.26
株式見通し 世界的に株価は持ち直しも 不安定な状況は続く見込み 世界的に株価は持ち直す動きとなり 市場参加者の不安心理も沈静に向かった ただ 今後のイベントや経済統計の発表を受けて 適温 ( ゴルディロックス ) 相場 の終わりへの警戒が再燃する可能性は残る 金融市場が不安定な状況を脱するのに時間を要するとみられるが 世界経済と企業業績の改善見通しにより株価は上昇トレンドへ回帰すると予想 日経平均株価は24000 円台 NYダウは最高値 26616ドルの更新を目指す展開を想定している 世界的に株価は持ち直し 景気先行きを楽観 世界的に株価は持ち直しの動きをみせ 不安心理はいったん沈静に向かった NYダウは2 月に入って1/26の高値から10% を超えて下落して 調整局面 入りする場面もあったが2017 年末の水準を回復 米国発でインフレや国債増発に対する警戒が長期金利の押し上げや株安の要因となったが 世界経済の先行きに対する楽観自体は大きく揺らいでおらず 株式市場が景気の急減速や後退によって 弱気相場 入りとされる20% 超の下落を予想する市場参加者は少ないとみられる また 新興国関連の資産にすかさず押し目買いが入ったことや 商品市況が大崩れしていないことにも注目できる 2/21 時点のNYダウは2016 年末を100とすると125 新興国株も140と高い水準を維持 一方 日本株と欧州株は自国通貨高が嫌気されて戻りが鈍くなっている (2016 年末 =100) 160 150 140 130 120 110 100 主要株価指数の推移 ( 日次 :2017/1/4~2018/2/21) MSCI エマージング マーケット指数 NY ダウ日経平均株価ストックス欧州 600 指数 90 17/1 17/3 17/5 17/7 17/9 17/11 18/1 ( 注 )MSCIエマージング マーケット指数はMSCI Inc. が公表している指数で 当指数に関する著作権 知的所有権その他一切の権利はMSCI Inc. に属しており また MSCI Inc. は同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 注目イベント続く 米長期金利の落ち着きどころに注目 3 月にかけては 2/28の米連邦準備理事会 (FRB) のパウエル新議長による議会証言 3/9の雇用統計の発表 3/21の米連邦公開市場委員会 (FOMC) の結果と議長会見がある その過程でFRBによる2018 年の追加利上げが3 回ではなく4 回との見通しが強まった場合 金融市場は再び不安定化する可能性が高い ただ 先進国では新興国からの輸出攻勢 ネット販売や人工知能 (AI) 等の技術革新による価格競争圧力が物価上昇の抑制要因として働こう みずほ証券投資情報部では 米長期金利は一時的な上振れがあったとしても年央にか 1
けての上限は3.4% 程度と米景気拡大に見合ったペースの上昇になると予想している 先進国株と新興国株 市場参加者の不安心理はともに後退 シカゴ オプション取引所 (CBOE) が算出するVIX 指数 ( ボラティリティ インデックス ) は不安心理の沈静を示す20 以下まで一時低下 同指数の別名は 恐怖指数 この数値が大きいほど市場参加者が株式相場の先行きに不安を抱いていることを示す一方 小さい場合は不安心理が沈静していることを示す 同指数は2/5に37と中国の人民元ショックや景気不安 原油安が重なった2015 年以来となる水準まで上昇した 新興国株の上場投資信託 (ETF) をもとに算出するボラティリティ指数も2/8に35 台まで上昇 ただ 新興国の株式や通貨 コモディティといった資産は 先進国発の価格変動や資金流出に対してある程度の耐性も示している 例えば ブラジルのボベスパ指数は2/21に最高値を更新した 今後 好景気と低金利が共存する 適温 ( ゴルディロックス ) 相場 の終わりへの警戒が再燃する場面も想定内に置く必要は残る もっとも 長期投資を前提として短期的な価格変動を許容できる個人投資家にとっては投資機会にもなりうる 世界経済の力強い成長 米国の税制改革による恩恵 ハイテク景気等のファンダメンタルズ ( 基礎的諸条件 ) が株価を支えよう 60 50 40 30 20 VIX 指数と新興国 ETF ボラティリティ指数 ( 日次 :2015/1/2~2018/2/21) 不安心理高 不安心理低 新興国 ETF ボラティリティ指数 VIX 指数 10 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 0 15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7 18/1 ( 年 / 月 ) < 地域 セクター戦略 > 先進国株 ( 日米 ) 成長分野 地域別では 日米を中心とした先進国株と新興国株で強気の判断を継続 世界経済の成長に見合ったペースでの金利上昇は 最終的に株価の上昇を妨げないとみる 特に 内外のハイテク企業やEコマース企業のように持続的な高成長が期待される企業への投資家の支持は揺らがないと考える 日本株に関して 日経平均採用銘柄の今期予想株価収益率 (PER) は2/21 時点で13.0 倍 ( 日本経済新聞社予想ベース ) 一段の円高も警戒されてアベノミクス相場の平均レンジ14 倍 ~16 倍を下回っているが 日米の景況感格差と金利差拡大による為替相場の落ち着きとともに業績面からみた割安修正に向かうとみている 日経平均株価は今期予想ベースでPER14 倍台を回復して24000 円 NYダウは 最高値 26616 ドル更新を目指そう ( 上田正信 ) 2
金利 為替見通し ドル円は下落トレンドが転換するかに注目 ドル円相場は 2016 年 11 月以来の安値を付けた後は自律的に反発する展開 今後は1 月中旬以降の下落トレンドが転換するかどうかに注目 良い金利上昇 に関心が移れば 日米金利差とのかい離を修正する形で ドル円相場も反発に向かう可能性 豪州 CPIは予想を下回るもRBAの見通しに沿った動き 中期的には成長率加速と失業率低下を背景にインフレ率は上昇 利上げの可能性 豪ドル相場は底堅い動きが続くと予想 ドル円は2016 年 11 月以来の安値を付けた後は自律的に反発する展開 ドル円相場は2/16に1ドル =105.55 円と 2016 年 11 月の米大統領選挙でのトランプ氏勝利を受けて急伸して以来の安値を付けた後 急速な下落場面に一服感が出たこと等から自律的な反発となった 2/21には1 月の米連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事要旨が公表され 短期的な景気見通しの強まりと緩やかな利上げに前向きな姿勢が示されたこともドル買い要因となった 下落トレンド反転に注今後のドル円相場は 1 月中旬以降の下落トレンドが反転 上昇するかどうかに目 良い金利上昇 注目が集まる 2 月以降の米金利上昇をきっかけにした米株価急落と市場変動に関心が移れば金利率 ( ボラティリティ ) の急上昇については すでに株価が持ち直しに転じ 下旬に差とのかい離修正へは価格変動性指数 (VIX) が安定水準とされる20を下回る等 金融市場が落ち着く兆しがみられている 米国の財政悪化による 悪い金利上昇 への懸念等から 米国債売りがドル売りの思惑に結びついた可能性も指摘されるが 米経済や企業業績の好調さによる 良い金利上昇 に関心が移れば 日米金利差とのかい離を修正する形で ドル円相場が反発に向かう可能性は高いだろう 今週は2/28に米連邦準備理事会 (FRB) のパウエル議長による就任後初となる半期議会証言が予定されている 引き続き緩やかながら着実に利上げを実施する姿勢を示せば インフレ懸念に対してFRBが後手に回るリスクが軽減されることで 米金利の急激な上昇にも歯止めが掛かってくるだろう ( ドル ) NY ダウ平均株価と VIX 指数 27000 25500 24000 ( 日次 :2016/10/3~2018/2/21) NYダウ平均株価 ( 左目盛 ) VIX 指数 ( 右目盛 ) ( 指数 ) 40 3.0 35 2.8 30 2.6 (%) 日米金利差とドル円相場 ( 日次 :2016/10/3~2018/2/21) (1ドル = 円 ) 128 124 120 22500 25 2.4 116 21000 20 2.2 112 19500 15 2.0 108 18000 10 1.8 金利差 ( 米 10 年国債 - 日本 10 年国債 )( 左目盛 ) ドル円 ( 右目盛 ) 104 16500 5 1.6 100 16/10 16/12 17/2 17/4 17/6 17/8 17/10 17/12 18/2 16/10 16/12 17/2 17/4 17/6 17/8 17/10 17/12 18/2 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 3
豪州 CPIは予想を下回るもRBA 見通しに沿った動き 中期的には利上げの可能性が高い 豪ドル相場は対ドルでは1/26に2015 年 5 月以来となる1 豪ドル =0.8136ドルまで上昇後 予想を下回る17 年 10-12 月期の消費者物価指数 (CPI) 等を受けて反落 対円では米金利上昇をきっかけにした米株価急落によるリスク回避の動きから 一時 17 年 6 月以来の1 豪ドル =83.32 円まで値を下げる展開となっている 1/31に発表された10-12 月期のCPIは前年比 +1.9% と市場予想 ( 同 +2.0%) を下回り 想定されていた豪州準備銀行 (RBA) の目標レンジ ( 同 +2%~+3%) 下限に到達することができなかった ただ 振れの激しい項目を除いたコア指数である基調インフレ率は同 +1.90% と 前四半期の同 +1.85% から若干ながら加速した インフレ率はRBAの見通しにほぼ沿った形で緩やかに上昇しつつあるが 依然として小売業の競争激化等の構造的な物価抑制要因の強い状況が続いている RBAは16 年 8 月の利下げ実施以降 約 1 年半にわたって政策金利を1.50% に据え置き 中立的な金融政策スタンスを維持している 2 月の理事会声明では 最近の雇用の想定を上回る増加等を受けて 今後の成長率加速と失業率低下に対する自信をいく分強めているが それが賃金やインフレ率の上昇にどの段階でつながるか不確実であるとして 引き続き慎重に見極める姿勢を示している ただ 中期的には需給のひっ迫が徐々に賃金やインフレ率の上昇につながるとの見方は堅持しており ロウRBA 総裁は次の政策変更の可能性は 短期的には低いものの 利下げよりも利上げの可能性が高いとの考えを繰り返している 豪ドルは利上げ観測後退から下落も 今後利上げ観測を背景に底堅い動きが続く公算 10-12 月期 CPIが予想を下回ったこと等を受けて 1 月末時点で80% 程度となっていた金利デリバティブ市場が織り込むRBAによる年内の利上げ確率も 足元では50% 程度まで低下している 豪ドル相場も市場の利上げ観測の後退につれて下落しているが 前述した通り今後の豪州経済の回復とインフレ率の上昇見通しをふまえれば 利下げ観測がなくなってしまうことは考えにくく 今後は賃金指数の緩やかな上昇や失業率の緩やかな低下等を受けて利上げ確率も上昇 に転じ 豪ドル相場も底堅い動きが続く可能性が高いと予想する ( 五十嵐聡 ) (%) 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 豪州の成長率 インフレ率と政策金利 ( 月次 :2009/1~2020/6) RBA インフレ目標 (2%~3%) 政策金利 3 ヵ月金利先物 (18/2/21) 実質 GDP 成長率 ( 前年比 ) RBA 見通し (18/2 時点 ) 基調インフレ率 ( 前年比 ) RBA 見通し (18/2 時点 ) (%) 豪ドルと金利市場の利上げ確率 120 100 80 60 ( 日次 :2017/6/1~2018/2/21) (1 豪ドル = 円 ) 93 91 89 87 2.5 40 85 2.0 1.5 20 利上げ確率 (18/11)( 左目盛 ) 豪ドル円 ( 右目盛 ) 83 1.0 0 81 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ( 年 ) 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10 17/11 17/12 18/1 18/2 ( 注 ) 実質 GDPは2017/9 基調インフレ率は17/12まで いずれも四半期 ( 年 ) ( 注 ) 利上げ確率は 金利デリバティブ市場が示す各 RBA 理事会において ( 年 / 月 ) ベース 政策金利は18/2/21 時点まで 政策金利が現行水準 (1.50%) から引き上げられる確率 出所 :RBA ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 4
マーケットポイント 小型ロケット 小型衛星ビジネスに注目 世界では 低コストで開発可能な超小型 ~ 小型衛星 ( 以下 小型衛星 ) を用いたサービスや その打ち上げのための小型ロケットの開発 製造に取り組むベンチャー企業が増加 日本でも 世界の小型衛星打ち上げ需要の拡大見込みに加え 2018 年 11 月の 宇宙活動法 の本格施行を前に 小型ロケット事業等に参入する企業が増え始めている 小型ロケット事業を手がける日本企業が増える世界的な小型衛星を利用したビジネスの拡大が同打ち上げ需要を押し上げ 70m 60m 50m 40m 30m 20m 10m 日本でも小型ロケットの開発 打ち上げ事業に取り組む企業が増え始めている 2018 年 2 月に宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が打ち上げに成功した電柱サイズのロケット SS-520 の製造には キヤノン電子(7739) が飛行を制御する装置で参画 同社はIHI(7013) 子会社のIHIエアロスペース 清水建設 (1803) 等と17 年 8 月に設立した共同出資会社で 小型ロケット打ち上げサービスの事業化を目指している また 18 年 1 月にJAXAが3 度目の打ち上げに成功した小型ロケット イプシロン は IHIエアロスペースが機体システムを開発 製造 ベンチャー企業の動きでも 実業家の堀江貴文氏らが創業したインターステラテクノロジズがSS-520と同サイズのロケット MOMO の打ち上げを目指している 小型ロケット事業への参入が相次ぐ背景には 重さが100キログラム前後という小型衛星の打ち上げ需要が今後拡大すると見込まれることがある 世界では 低コストで開発可能な小型衛星を大量に打ち上げ 世界中どこでもネットが使える環境の整備を目指す動きがあるほか 地上を撮影して得られたデータを解析し 利用するビジネスが立ち上がりつつある 衛星画像の活用が期待されるシーンとして 例えば 農作物の育成管理 森林の火災や違法伐採の監視 都市開発等が挙げられる さらに店舗の駐車場に停車している車の数を定点撮影して業績予測に活用したり 石油タンクを上空から撮影し続けることで世界中日米の主なロケットの全長および打ち上げ費用 ロケット名 ( 開発 製造 ) ファルコン9 ( 米スペースX) H2A (JAXA 三菱重工業) イプシロン (JAXA IHIエアロスヘ ース ) SS-520 (JAXA 等 ) MOMO ( インターステラテクノロシ ス ) 全長 (m) 70 53 26 9.5 10 打ち上げ費用 約 68 億円 約 100 億円 40 億円超 ( 目標 30 億円 ) 約 5 億円 ( 注 ) 5,000 万円以下 ( 注 ) 衛星打ち上げ用は5 億円以下目標 出所 : 各種資料よりみずほ証券作成 5
の石油備蓄量を推計する取り組み等もある 小型衛星を宇宙に運ぶのに 大型のロケットで複数の衛星を相乗りさせるケースもあるが 打ち上げ時期や軌道を自由に選べないデメリットがある 小型ロケットなら小型衛星を運ぶのに特化しており 低コストで頻繁に打ち上げることが可能となる 11 月に 宇宙活動法 が本格施行 企業が宇宙ビジネスに参入しやすくなる 日本では 民間が宇宙開発する際のルールを定めた 宇宙活動法 が2018 年 11 月に本格施行することも 企業のロケット事業等への参入を後押し これにより 国がロケットの機能や関連施設の体制等 一定の安全基準に基づき 企業によるロケットや衛星の打ち上げを1 回ごとに審査して許可を与えるほか 事故が起こった場合には保険でカバーできない損害について国も賠償金の一部を負担する措置が講じられる 事故の際の補償に加え 事業化のための安全基準が明示されることで 企業は自社の技術や体制をどう強化すれば参入可能になるか道筋をつけられ 宇宙ビジネスに取り組みやすくなるとみられている 小型ロケットや小型衛星ビジネスに関連する主な銘柄 小型ロケットや小型衛星ビジネスにかかわる主な国内銘柄では キヤノン電子やIHI NEC(6701) 等が挙げられる このうち キヤノン電子はIHIエアロスペース等と設立した共同出資会社において小型ロケットの自社開発のほか 和歌山県に専用の発射場を建設する計画もあることが伝えられている また NECは 2018 年 1 月に初の自社所有の小型衛星 ASNARO( あすなろ )-2 をイプシロンロケットで打ち上げ 同衛星で撮影した画像を国内外の政府機関や企業等に販売するサービスを9 月にも始める方針で 中東での油田監視等の需要を見込む イプシロンロケットの部材供給では 川崎重工業 (7012) 等 一方 海外銘柄については 2018 年 1 月に小型ロケット エレクトロン の打ち上げに成功した米ロケットラボ等 宇宙ビジネスの新たな流れといえる小型ロケット 小型衛星の開発 利用サービスを手がけるのは未上場のベンチャー企業が多い 大手航空 宇宙企業では 欧州エアバス (AIR) が大量の小型衛星を使い世界中のどこでもネット接続できる通信網の構築を目指す米ワンウェブに出資 および衛星の設計 製造で連携している等の取り組みがある ( 半杭亮一郎 ) 小型ロケット 小型衛星ビジネスの主な関連銘柄 NEC(6701) 小型衛星 ASNARO-2 で宇宙利用サービスに参入 衛星画像を国内外で販売へ 日本航空電子工業 (6807) ロケット 衛星搭載機器を手掛ける イプシロンロケットに慣性センサユニット等を供給 三菱重工業 (7011) 宇宙関連事業を幅広く展開 イプシロンロケットにガスジェット装置を供給 川崎重工業 (7012) イプシロンロケットで衛星を格納するフェアリングの設計 製造を担当 IHI(7013) 子会社がイプシロンロケット全体のシステム開発 機体製造を担当 キヤノン電子 (7739) IHI 子会社等との共同出資会社で小型ロケットの開発や専用の発射場建設を計画 ソフトバンクグループ (9984) 小型衛星利用サービスのベンチャー企業である米ワンウェブに出資 エアバス (AIR) 宇宙機器産業の世界大手 米ワンウェブと小型衛星の生産で協業 ( 注 ) 上記銘柄はみずほ証券が任意に選定したもの 出所 : 各種資料よりみずほ証券作成 6
クローズアップ Ⅰ 小売業界 :Q3 業績好調も 今後は選別がより重要に 小売セクターの2017 年度 Q3 決算は 天候にも恵まれて12% 営業増益となり 11 四半期連続増益を達成 ただ 足元では価格競争が激化 インバウンドの前年ハードルも高まる 電子商取引 (EC) 専業も台頭してきている Q4および18 年度の業績見通しはより慎重にみる必要があり 銘柄選別の重要性が増していると考える 17 年度 Q3は12% 営業増益 11 四半期連続増益を達成 小売セクターの主要 88 社の2017 年度 Q3(9-11 月および10-12 月 ) 決算は 前年同期比 5% 増収 12% 営業増益となり 11 四半期連続の増益を達成した 10-12 月期決算企業の営業利益が11 四半期連続の増益となったほか 9-11 月期決算企業の営業利益も2 四半期連続で増益となった 2 年続いた暖冬傾向から 2017 年秋冬シーズンは一転して寒波が到来したこともあり 季節商品が好調に推移した また インバウンド需要や国内富裕層向けの高額品消費も好調に推移した 一方 収入環境の改善が進む等マクロ景気が良好な状況を維持しているにもかかわらず 食品や日用消耗品では 価格競争が激化する状況がみられており これまでとはやや異なる形でサブセクターや企業間での業績格差が顕著にみられた 小売主要 88 社のサブセクター別四半期売上高と営業利益 ( 前年同期比伸び率 %) 四半期業績 2016 年度第 3 四半期第 4 四半期 2017 年度第 1 四半期第 2 四半期第 3 四半期売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益 合計 0.1 4.5 0.4 5.0 2.4 1.7 3.0 3.4 4.7 11.8 うち 2 月期決算等 0.3 6.3 0.3 4.7 2.1 3.4 2.1 0.9 4.9 11.2 うち 3 月期決算等 2.7 0.3 4.0 6.2 5.1 22.1 7.2 10.9 6.2 13.1 百貨店 3.3 13.1 1.3 7.8 0.3 10.4 1.0 7.7 1.4 15.1 アパレル 8.5 7.0 4.0 赤継 4.1 109.3 1.9 赤継 2.3 11.8 総合小売 (GMS) 2.0 6.8 1.4 0.4 2.9 0.1 1.7 9.4 3.3 10.0 コンビニエンスストア 1.2 1.2 0.2 0.5 4.4 2.7 4.4 0.4 2.5 9.4 食品スーパー 3.9 3.3 1.7 3.8 3.7 7.7 3.8 1.3 3.4 0.1 ドラッグストア 7.4 13.1 4.7 13.8 4.7 9.7 7.5 7.9 7.9 3.2 衣料品専門店 2.7 8.3 0.5 13.2 5.5 2.5 7.5 14.6 9.6 17.0 同 ( 除くファーストリテイリンク ) 3.8 1.0 1.6 3.9 2.6 12.2 6.3 4.8 2.3 7.2 ホームセンター 家具 0.2 3.6 1.3 16.0 1.2 4.7 3.7 6.0 2.6 1.9 家電量販店 2.1 7.8 0.5 17.1 1.0 5.6 4.5 2.6 2.9 15.1 その他専門店 4.6 0.4 2.5 14.0 5.6 16.7 8.4 16.2 6.8 19.1 外食 2.1 214.4 6.3 66.8 7.6 67.1 6.0 9.6 5.1 17.3 ( 注 1) 第 1 四半期 :3-5 月または 4-6 月 第 2 四半期 :6-8 月または 7-9 月 第 3 四半期 :9-11 月または 10-12 月 第 4 四半期 :12-2 月または 1-3 月 ( 注 2) 小売主要企業 88 社を集計 2 月期決算等には 2 月期 5 月期 8 月期決算企業 3 月期決算等には 3 月期 6 月期 9 月期 12 月期決算企業を含む ( 注 3) 前年同期比伸び率は合併や日本基準から IFRS への切り替え等の影響を考慮した実質ベースで算出 IFRS 採用企業の営業利益は事業利益を集計対象とした出所 : 各種資料よりみずほ証券作成 7
コスト増への対応と価 Q3 決算において 特徴的であったのが 前述のサブセクター間およびサブセク格政策が業績格差にター内での業績格差の拡大である インバウンド等の追い風を受けた百貨店が全社で増益 コンビニエンスストアが全社で減益となったほかは 主なサブセクターでは 2ケタ営業増益の企業がある一方で 減益となる企業もみられた 減益となった企業は 増益となった企業と比較してコスト対策で遅れがみられるほか 商品 価格政策においても課題が多いという特徴が指摘できる 経営陣の現状認識の差や現場への徹底力の差が業績格差として現れた可能性が高い 主な企業の 17 年 9-11 月期および 10-12 月期営業利益の増減益の状況 衣料品 ライフスタイル百貨店家電量販店ドラッグストア食品スーパーコンビニエンスストア 2 ケタ増益 ファーストリテイリング良品計画 J. フロントリテイリング高島屋丸井グループ ケーズ HD ビックカメラエディオン マツモトキヨシ HD ツルハ HD フジヤオコーベルク 1 ケタ増益 オンワード HD ユナイテッド アローズ青山商事 三越伊勢丹 HD H2O リテイリング ウエルシア HD サンドラッグスギ HD バロー 1 ケタ減益ヤマダ電機クスリのアオキアークス オークワセブン - イレブン ジャパン しまむら 2ケタ減益アダストリアライトオン ( 注 ) 増益 減益は前年同期比出所 : 各社資料よりみずほ証券作成 コスモス薬品クリエイト SDHD カワチ薬品 U.S.M.H ライフコーポレーション ファミリーマートローソン 足元では価格競争激化 コスト増 EC 専業の台頭もあり 厳しさが増している Q3は 天候やインバウンドに支えられた印象が強い 1 月以降は 日用消耗品を中心とする価格競争が激化しているとみられる インバウンドや高額品消費は 3 月頃から前年ハードルが高まってくるため 今後の業績については より慎重にみる必要があろう 円高進行による輸入物価の下落等 コスト面でポジティブな寄与も見込めるが サプライチェーン全体のコストが上昇し 電子商取引 (EC) 専業の台頭が進む等 事業環境は厳しさを増しており 銘柄の選別が一層重要になってくる ドラッグストア 海外展開力のある企業等を評価 ESG 関連にも注目 みずほ証券では ドラッグストアの中長期的な成長ポテンシャルを評価している 高齢化やセルフメディケーションの意識の高まりにともなう需要拡大 食品スーパーのシェアを奪う可能性等が背景である 人件費等のコスト増や価格競争の激化により 2017 年度 Q3に苦戦する企業が見られたが 主力の医薬品や化粧品の価格は安定している また 国内小売分野の消費に強い回復が期待しにくいなか 成長市場であるアジアを中心に海外事業を強化しているファーストリテイリング (9983) ニトリHD(9843) 良品計画(7453) にも注目している このほか 株式市場で注目度が増すとみるESG(E: 環境 S: 社会 G: 企業統治 ) を経営の根幹に据え 経営改革を進めている丸井グループ (8252) や ユニー ファミリーマートHD(8028) との連携を進めることでさらなる成長の可能性を追求しているドンキホーテHD(7532) 等を高く評価している ( 小倉成夫 ) 8
クローズアップ Ⅱ インターネット広告関連決算 : 売上高は各社好調 インターネット広告を主たる収益源とする企業の2017 年 10-12 月期決算が出そろった 年末商戦における広告宣伝活動の活発化 動画広告の拡大 広告技術の改善等を背景に 売上高は5 社とも市場予想を上回った 18 年のインターネット広告市場は前年比 13% 増が予想されている 注目銘柄として インターネット広告大手のアルファベット フェイスブックが挙げられよう 加えて 復調が期待されるツイッターにも注目したい 売上高は5 社とも市場予想を上回った みずほ証券がフォローしているインターネット広告関連 5 社の2017 年 10-12 月期決算は 好調な年末商戦等を背景に広告主による宣伝活動が活発化し 売上高はいずれも市場予想平均 ( ブルームバーグ集計 以下市場予想 ) を上回った ( 下表参照 ) なかでも 動画はユーザの利用率( エンゲージメント ) を高める手段として有効と認識している企業が多いとみられ 業界全体で動画コンテンツおよび動画広告に注力する動きが継続している また ツイッターやスナップ等は広告主の利便性向上のため 広告掲載の自動化等 広告技術の改善も行い 成果が出始めている このほか アルファベットは非広告収入の拡大 フェイスブックは インスタグラム の成長等 収入源を多様化する取り組みも順調に推移している 一方 大手企業を中心に コストの大幅な増加もみられる アルファベットは モバイル広告および運用型広告の成長に加え 年末商戦でハードウエア事業が伸びる等 全体と比較して粗利益率の低い事業が好調だった その結果 全体の営業利益率が低下して4 四半期ぶりに1 株当たり利益 (EPS) が市場予想を下回った また フェイスブックはEPSが市場予想を上回ったが 研究開発およびセキュリティ対策のための人材採用を拡大していること等から コストが増加している インターネット広告関連 5 社の 17 年 10-12 月期決算の実績および市場予想 銘柄名 売上高 EPS ** 決算発表日市場かい離前年同期市場かい離前年実績実績予想 (%) 比 (%) 予想 (%) 同期 アルファベット 2/1 258.73 * 255.90 * 1.1 22 9.70 10.04 3.3 7.56 フェイスブック 1/31 129.72 125.48 3.4 47 2.21 1.95 13.6 1.21 ツイッター 2/8 7.32 6.86 6.6 2 0.19 0.14 35.7 0.11 スナップ 2/6 2.86 2.53 13.0 72 0.13 0.16-0.19 バイドゥ (ADR) 2/13 235.56 230.50 2.2 29 14.90 13.34 11.7 13.23 * トラフィック獲得費用を除くベース トラフィック獲得費用 : 検索等のクリックに応じてパートナーサイト等に支払われる費用 **EPS は非 GAAP ベース ( 注 ) 売上高の単位は米国企業が億ドル バイドゥが億人民元 EPS の単位は米国企業がドル バイドゥは 1ADS 当たり ( 注 ) 利益 単位は人民元 かい離は実績と市場予想のかい離 市場予想はブルームバーグ集計による市場予想平均出所 : 会社資料およびブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 9
2018 年のインターネット広告市場は前年比 13% 成長となる見込み 2018 年は冬季オリンピック FIFAワールドカップ 米国中間選挙等 大型イベント開催の効果で世界の広告支出は前年比 5.2% 増加すると 広告会社大手インターパブリック グループ傘下の調査会社マグナ グローバルは予想している なかでも インターネット広告全体の支出の伸びは マス広告からの媒体シフトやマーケティング手法の変化により 広告市場全体を上回る同 13% 増が見込まれている 種類別ではモバイル端末による利用拡大が続いている動画広告 (SNSに掲載される動画は除く) が同 29% 増 SNS( ソーシャル ネットワーキング サービス ) 広告が同 26% 増と20% を超える伸びを維持し 検索広告もモバイル利用がけん引して同 12% 増加すると マグナ グローバルは予想している 世界の広告支出の推移と予想 ( 億ドル ) ( 年次 :2002~2022) 7,000 予想 6,000 雑誌 ラジオ 屋外等インターネット 5,000 新聞 4,000 テレビ 3,000 2,000 1,000 0 02 04 06 08 10 12 14 16 18 予 20 予 22 予 ( 注 ) 予想はマグナ グローバル ( 年 ) 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 インターネット広告大手のアルファベット フェイスブックに加え ツイッターにも注目 こうしたなか アルファベット フェイスブック ツイッターに注目したい アルファベットとフェイスブックはともにコスト増の影響が残るものの 中核事業のさらなる成長および収入源を多様化する取り組みを通じて増益基調が続こう ツイッターは 動画広告の高成長が継続しているほか プロモツイート ( 広告主によるツイート ) 作成手順を簡易化した新ツールを投入し 広告主による広告作成が増加していること等から復調が期待される インターネット広告関連 5 社 銘柄名 ( ティッカー ) 概要 アルファベットクラスA 株 検索エンジン グーグル 動画共有サイト ユー (GOOGL) チューブ 等を運営 フェイスブック (FB) SNS フェイスブック インスタグラム メッセージングアプリ メッセンジャー ワッツアップ 等を運営 ツイッター (TWTR) 短文投稿サイト ツイッター を運営するソーシャルメディア大手 スナップ (SNAP) 写真 動画共有アプリ スナップチャット の運営会社 大半のユーザは若年層 (18 歳 ~34 歳 ) バイドゥ (ADR)(BIDU) 中国語インターネット検索エンジンの最大手 中国語表記は 百度 出所 : 各種資料よりみずほ証券作成 ( 安田一隆 ) 10
経済トピックス ブラジル トルコは政治情勢見極め後 通貨安定も ブラジルレアルは年金改革審議の先送りリスクにより目先は下値不安も その後は景気浮揚や内外金利差が下支えするとみられる ブラジル中央銀行は利下げ打ち止めが視野に トルコリラはシリア等の地政学リスクに留意が必要も ファンダメンタルズの改善や 国内政治の安定 内外金利差 バリュエーション面の割安感等により徐々に安定が見込まれる ブラジルは焦点の年ブラジルの2017 年実質 GDP 成長率は前年比 +1% 程度と3 年ぶりのプラス成長 金改革が遅れ レア 18 年は前年比 +2% 台後半への浮揚が見込まれる 背景には 中国経済の安定ルは目先下値不安を受けた輸出増加 物価安定や利下げによる内需の回復が挙げられる も 景気浮揚が下支えブラジル中央銀行は2 月会合で政策金利を0.25% 引き下げ 6.75% とした 利下げペースは鈍化しているものの 政策金利は過去最低を更新した 先行きについては景気浮揚やインフレ率の緩やかな上昇等により 次回 3/21 会合では利下げの中断を示唆しており 徐々に様子見姿勢に転じていくとみている 焦点の年金改革法案は テメル大統領の不正疑惑等により審議が遅れている 政府与党は2 月下旬にも連邦下院での投票を目指しているが 法案成立に必要な賛成票が集まっていないもよう 18 年 10 月の大統領選挙を控え 4 月以降は選挙に向けた動きが本格化するとみられ 法案先送りのリスクがある また 大統領選挙に関しては 支持率でリードするルーラ元大統領が汚職等に関する控訴審判決で有罪となり 大統領選挙への出馬がさらに難しくなった しかし 本人は最高裁等へ訴えることで大統領選挙への出馬をあきらめていないようだ このほか 軍政礼賛をかかげる極右の野党候補者らが追う一方 与党系候補者は出遅れており 景気浮揚等により挽回できるか注目される ブラジルレアルはこうしたリスクを見極めるため 目先は下値不安を抱えた展開に その後は 景気浮揚期待や内外金利差等により安定していくとみている ドルレアルとレアル円の推移ブラジル政策金利とインフレ率 国債利回り (1ドル = レアル ) ( 日次 :2016/1/4~2018/2/21) (1レアル = 円 ) ドルレアル ( 左逆目盛 ) レアル円 ( 右目盛 ) 2.8 40 レ 3.0 38 ア 3.2 ル 36 高 3.4 34 3.6 3.8 テメル 32 ショックレ 4.0 4.2 4.4 30 28 26 アル安 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 18/1 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) (%) ( 月次 :2007/1~2018/12) 20 政策金利消費者物価 (IPCA) 18 2 年国債利回り 中銀のインフレ率予想 16 14 12 10 7.31 8 6.75 6 4 レンジ 2 2.86 0 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ( 年 ) ( 注 ) レンジはインフレターゲットで 2016 年まで +4.5%±2.0% 17~18 年は 4.5%±1.5% 消費者物価は 18 年 1 月まで 国債利回りは 2007/3~2018/2/20 政策金利は 2/20 まで 中銀のインフレ予想 ( マーケットシナリオ 17 年 12 月時点 ) は 18 年 3 月末 ~18 年 12 月末出所 : ブラジル中銀 ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 11
トルコは安定成長や中銀の金融引き締め姿勢が続く見込み トルコの2017 年の実質 GDP 成長率は前年比 +6% 台半ばと 13 年以来の高い伸びが見込まれる 16 年の軍事クーデター未遂による景気減速の反動増や 減税等の景気刺激策による下支えが寄与した 18 年は景気刺激策の一巡等により 同 +4% 台と10 年長期平均 (4% 台後半 ) に近い安定成長が見込まれる 景気の過熱感が和らぎ インフレ圧力の緩和や経常赤字の抑制等 ファンダメンタルズの改善に寄与しよう トルコ中央銀行は 1/18 会合で政策金利の 1つであり 現状 短期市場金利を左右している後期流動性貸出金利を12.75% で据え置いた ただ 声明文は物価見通しが一時的な要因に頼らずに大幅に改善するまで 断固として 引き締め姿勢を維持し 必要があればさらなる引き締めを行うとした その後発表された1 月消費者物価指数は前年同月比 +10.35% と前月 ( 同 +11.92%) から鈍化したものの 中銀の物価目標 (5.0%±2.0%) を大きく上回っており 当面 金利据え置きが続く見込み ( 次回会合は3/7) トルコリラは地政学リスクに留意も 国内政治の安定や内外金利差が下支え トルコリラ相場は 2017 年 11 月に1ドル =3.98リラまでリラ安となったあと 12 月末には米国とトルコが相互にビザ発給を再開したことやドル安により 1 月上旬に1ドル =3.73リラ程度まで上昇 しかし 1 月下旬にはトルコがシリアのクルド人部隊への攻撃を行ったことで上値が重くなり 足元は3.79リラ程度で推移 対円では ドル円の円高により 2 月中旬には17 年 11 月につけた史上最安値 (1リラ =28.01 円 ) に接近 今後は シリア等の地政学リスクに留意が必要とみられる 米露はクルドへの限定的な攻撃は容認姿勢だが トルコの軍事作戦が短期間で終了するのかみていきたい 一方 世論調査では与党公正発展党に対する支持率は5 割近くで引き続き安定 2002 年のエルドアン政権発足以来 欧州連合 (EU) 加盟を目指して市場寄りの改革を行い 経済成長により中間所得層が約 3 倍に増加したほか 親イスラム的な姿勢により 農村部や保守派の支持を得た 19 年の実権型大統領制への移行を控え 国内政治の安定が続いていることに加え 内外金利差 実質実効為替レート等 でみた中期的な割安感もあり リラは徐々に安定していくとみている ( 折原豊水 ) トルコリラの推移 (1ドル = リラ ) ( 日次 :2017/1/2~2018/2/21) (1リラ = 円 ) 3.3 35 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0 4.1 対ドル ( 左逆目盛 ) 対円 ( 右目盛 ) 34 33 32 31 30 29 28 27 17/1 17/3 17/5 17/7 17/9 17/11 18/1 ( 年 / 月 ) 出所 : ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 リラ高 リラ安 新興国通貨の実質実効レートからみたバリュエーション (%) 15 10 5 0 5 10 15 20 25 中国(米国)チェコインド 割高 マレーシアポーランドタイ17 年 12 月までの 10 年間 ) からのかい離率出所 : 国際決済銀行 (BIS) 資料よりみずほ証券作成 フィリピン南アメキシコトルコ( 注 ) 実質実効為替レートの直近値 (2018 年 1 月 ) の長期平均 (08 年 1 月 ~ ロシアインドネシア 割安 ブラジル 12
タイムテーブル (2 月 26 日 ~3 月 30 日 ) 月日国内月日海外 2 28 1 月鉱工業生産 2 26 米 1 月新築住宅販売件数 1 月住宅着工件数 27 米 1 月耐久財受注 ( 速報値 ) 3 1 17 年 10-12 月期法人企業統計 米 2 月消費者信頼感指数 2 2 月都区部消費者物価指数 28 中国 2 月製造業 PMI 1 月失業率 ユーロ圏 2 月消費者物価指数 1 月有効求人倍率 パウエルFRB 議長が就任後初となる議会証言 ( 下院 ) 1 月家計調査 3 1 米 2 月 ISM 製造業景況指数 8 1 月国際収支 4 イタリア総選挙 17 年 10-12 月期 GDP(2 次速報 ) 5 中国全国人民代表大会 ( 会期は10 日間程度 ) 2 月景気ウォッチャー調査 6 オーストラリア準備銀行理事会 日銀金融政策決定会合 (~9 日 ) 7 トルコ中銀金融政策決定会合 12 1-3 月期法人企業景気予測調査 米 1 月貿易収支 13 2 月国内企業物価指数 米地区連銀経済報告 ( ベージュブック ) 14 1 月機械受注 8 中国 2 月貿易収支 19 2 月貿易収支 ECB 政策理事会 中曽 岩田日銀副総裁任期満了 9 中国 2 月消費者物価指数 21 春分の日 ( 国内金融市場休場 ) 米 2 月雇用統計 23 2 月全国消費者物価指数 韓国 平昌冬季パラリンピック (~18 日 ) 30 2 月失業率 13 米 2 月消費者物価指数 2 月有効求人倍率 14 中国 2 月小売売上高 鉱工業生産 固定資産投資 2 月家計調査 米 2 月小売売上高 3 月都区部消費者物価指数 16 米 2 月住宅着工件数 2 月鉱工業生産 米 2 月鉱工業生産 2 月住宅着工件数主な国内企業の決算発表予定 18 ロシア大統領選挙 19 G20 財務相 中央銀行総裁会議 (~20 日 ブエノスアイレス ) 2 3 28 1 パーク24 エイチ アイエス伊藤園 20 米 FOMC(~21 日 ) ブラジル中銀金融政策委員会 (~21 日 ) 2 アインHD 21 米 17 年 10-12 月期経常収支 5 ピジョン 8 米 2 月中古住宅販売件数積水ハウス 13 ツルハHD 米 FRBによる経済見通し パウエル議長記者会見 主な海外企業の決算発表予定 22 EU 首脳会議 (~23 日 ) 英中銀金融政策委員会の結果公表 2 26 パロアルトネットワークス 23 米 2 月耐久財受注 ( 速報値 ) 27 エクスプレス スクリプツ ホールディング プライスライン グループ米 2 月新築住宅販売件数 28 スリーディー システムズ アイトロン Lブランズ 米連邦政府つなぎ予算期限 3 セールスフォース ドットコムロシア中銀理事会 1 VMウェア ベストバイ 6 27 米 3 月消費者信頼感指数シエナ オートデスク 8 15 フィニーサーアドビシステムズ 30 グッド フライデー ( 欧州主要国 香港市場等休場 米国は債券 株式 商品休場 為替は通常取引 ) 日本国債入札予定 2/27:2 年 3/1:10 年 3/6:30 年 3/13:5 年 3/15:20 年 3/27:40 年 3/29:2 年 米国債入札予定 3/12:3 年 10 年 3/13:30 年 3/22:10 年 TIPS 3/26:2 年 3/27:5 年 3/28:7 年 ( 注 ) 記載事項はすべて 予定 ないし 見込み であり 予告なく変更されることがあります 海外イベントおよび経済指標は現地日程で記載しています出所 : 各種資料よりみずほ証券作成 ( 投資情報部 ) 13
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お詫びと訂正 マーケットビュー404号 2018/2/19発行 の 株式見通し P.2 において誤りがございました お詫びして訂正いたします 訂正箇所 P.2 グラフ 米景気減速懸念 米国債格下げ時のNYダウ の期間の表示 誤 週次 2011/4/1 2012/3/30 正 日次 2011/4/1 2012/3/30 この資料は情報提供を目的としたものであり 投資勧誘を目的としたものではありません 銘柄の選択 投資に関する最終決定はご自身の判断でお願い します 本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが その正確性 完全性を保証したものではありません 本資料に示された意見や予測は 資料作成時点での当社の見通しであり 今後予告なしに当社の判断で随時変更することがあります また 本資料のコンテンツおよび体裁等も当社の判断 で随時変更することがあります 発 マーケットビュー No.405 編 行 所 みずほ証券株式会社 商 号 等 みずほ証券株式会社 金 融 商 品 取 引 業 者 関 東 財 務 局 長 金 商 第 94 号 加 入 協 会 日本証券業協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 100-0004 東京都千代田区大手町 1-5 - 1 大手町ファーストスクエア U R L https //www.mizuho- s c. c o m / 集 みずほ証 券 非 売 品 問い合わせ先 みずほ証 券コールセンター 0120-324- 390 落丁 乱丁本は お取り替えいたします 投資情報部 広告審査番号 MFB17073-180222