Microsoft Word 施策の推進方策(Ⅰ-1-2健康寿命の延伸_

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

スライド 1

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

区分

計画の今後の方向性

歯科中間報告(案)概要

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を


第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

居宅介護支援事業者向け説明会

スライド 1

上田市介護予防 日常生活支援総合事業実施要綱 平成 30 年 5 月 31 日 告示第 131 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この告示は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 という ) 第 115 条の45 第 1 項に規定する介護予防 日常生活支援総合事業 ( 以下 総合事業

Microsoft Word - (セット案とれ)【閣議後会見用】取組ペーパー

高齢者の日常生活機能維持 回復のための リハビリテーション 日本リハビリテーション病院 施設協会 会長 全国デイ ケア協会 会長 医療法人真正会 霞ヶ関南病院 理事長 斉藤正身 1

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

第3節 重点的な取り組み

施策の方向 2 生活機能 身体機能を維持するための高齢者の健康づくり 年齢を重ねても できるだけ長く自立した活力ある生活を営むためには 高齢者の生きがいづくりや社会参加の支援とともに 要支援 要介護状態の主な原因疾患であるロコモティブシンドローム ( 運動器症候群 ) や 脳血管疾患 認知症などの予

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4 重点施策 Ⅰ の検討に当たっての現状の整理 ⑴ 本市の健康づくり 介護予防等に関係するデータ ア関係データの整理 1 本市の平均寿命と健康寿命 図 1 本市の平均寿命は 男性 歳 女性 歳と 全国平均の男性 歳 女性 86.3 歳に比べて男女とも若干高くなって

< 国が示す新しい総合事業の構成例 > ( 以下はサービスの典型例を示しているため, 市町村はこれらの例を踏まえて, 地域の実情に応じたサービス容を検討 ) 1 訪問介護 訪問型サービス ( 第 1 号訪問事業 ) 現行の訪問介護相当 多様なサービス 2 訪問型サービス A( 緩和した基準によるサー

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

表紙裏 ( 空白 )

通所型サービスの例 ( 典型例として整理したもの ) 現行の通所介護相当 市場 ( 地域支援事業の外 ) で提供されるサービス Ⅰ 通所介護 Ⅱ 通所介護 Ⅲ 通所型サービス A ( 緩和したによるサービス ) Ⅳ 通所型サービス B ( 住民主体による支援 ) Ⅴ 通所型サービス C ( 短期集中

加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

Microsoft PowerPoint 訪問サービス事業所向け研修会資料

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

生活福祉研レポートの雛形

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

医療 回復支援 在宅 見附市の地域包括ケアシステム 介護体制と支援の拡大 資料 1 病院 ( 救急 基幹病院等 ) 早期退院 回復期 ( 市外 ) リハビリ病院 見附市立病院 保健福祉センター 特養ほか 医療 救急 手術など高度医療 集中リハビリ 早期回復 見附市医療の里 老健施設ケアプラザ見附 か

泉大津

介護予防ケアマネジメントについて

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

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特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

健康くるめ21概要

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

福利厚生基本計画

事業内容

資料 3 ~ 鳥栖市高齢者福祉計画策定資料 ~ 鳥栖市高齢者福祉計画施策評価報告書 平成 29 年 7 月

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当


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Microsoft Word - 02-頭紙.doc

Microsoft Word - 3

平成 28 年 2 月以降に認定更新等により要支援認定を受けた方が介護予防訪問介護 介護予防通所介護を利用される場合 これまでの予防給付サービスから総合事業のサービスに変わります 要支援者の認定有効期間は現在最長 12か月ですので 大川市は平成 28 年 2 月から1 年かけて移行します 更新の場合

キーワード 住民参加の介護予防 シルバーリハビリ体操指導士 シルバーリハビリ体操 フリフリグッパー体操 住民主体の介護予防事業及び認知症対策の推進 茨城県利根町 この事例の特徴 茨城県立健康プラザが 地域支援事業開始前より介護予防を推進するために開催してきたシルバーリハビリ体操指導士養成講習会を修了

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リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家



01 【北海道】

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改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

Microsoft Word - ダイジェスト(A4改

フレイルのみかた

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

第2期データヘルス計画について

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

県民が がんに関する正しい知識を持ち生活習慣の改善を図るとともに 定期的 にがん検診を受ける習慣を持ち 自覚症状がある場合は早期に医療機関を受診する 等 県民が主体的にがん予防に取り組むための環境の整備を進めます 小 中学生や高校生のうちから 食生活 飲酒 喫煙等の生活習慣ががんに及ぼ す影響や が

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

介護予防 日常生活支援総合事業について 以下 総合事業 と標記します 総合事業の主旨 1 効果的な介護予防ケアマネジメントと自立支援に向けたサービス展開により 要支援状態からの自立促進や重度化予防の推進を図ります 2ケアマネジメントの中で 利用者本人が目標を立て その達成に向けてサービスを利用しなが

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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杉戸町高齢者実態調査

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目 次 はじめに 1 第 1 条目的 2 第 2 条定義 3 第 3 条基本理念 5 第 4 条市民の責務 7 第 5 条歯科医療等関係者の責務 9 第 6 条保健医療等関係者の責務 10 第 7 条事業者の責務 11 第 8 条市の責務 12 第 9 条基本的施策 13 第 10 条基本計画 16

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

平成18年度標準調査票

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

はじめに 介護保険制度の改正に伴い 要支援に認定された高齢者への介護サービスのうち 訪問介護 通所介護は 市町村ごとに実施されることになり 平成 27 年 4 月から 3 年の間に移行されることになりました 要支援高齢者は増加傾向にあり この方々の介護や生活を支えることは喫緊の課題です このことに鑑

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) 三菱製紙健康保険組合 平成 30 年 4 月

Transcription:

目標 Ⅰ 個性豊かに 健康で生き生きとした暮らしの実現基本施策 2 健康寿命の延伸 趣旨生活習慣病対策や認知症の発症予防と高齢期に応じた心身機能の維持 向上を促進します 現状及び課題 本県の平均寿命は男女ともに伸びていますが 健康で支障なく日常生活を送れる期間である 健康寿命 の伸びは平均寿命の伸びを下回っています 今後急速な高齢化が見込まれる中で 県民一人ひとりが 生活の質が保たれた状態で その方の持てる機能を発揮できる生活を送ることを目指し 健康寿命 を延ばすことが大切です 健康寿命の延伸を図るためには 高齢になってもできる限り心身の機能を維持し 広がりをもった社会生活を送ることが重要です 県では 健康ちば 21 を策定し 健康寿命の延伸 を総合目標の一 つと位置付け各種取組を推進しているところです 健康ちば 21 ( 健康増進計画 ) の施策の推進 個人の生活習慣の改善と それを支える環境の整備 栄養 食生活 身体活動 運動 休養 飲酒 喫煙 歯 口腔の健康 ライフステージに応じた 心身機能の維持 向上 こころの健康づくり 次世代の 健康づくり 高齢者の健康づくり 生活習慣病の発症予防と 重症化防止 がん 循環器疾患 糖尿病 慢性閉塞性肺疾患 つながりを生かし 健康を守り支える環境づくり 地域社会のつながりの醸成 健康支援のための社会参加 社会貢献 健康格差の実態と要因分析 健康ちば 21 より - 62 -

県民に対する生涯を通じた継続的な健康づくりを推進するため 地域 住民を対象とした地域保健と労働者を対象とした職域保健が連携し 保 健指導 健康管理を継続することが必要です 高齢期においても 健康で生き生きと自立して暮らしていくためには 良好な生活習慣を維持し 生活習慣病の発症 重症化を予防するとともに 要介護 要支援とならないよう運動器にも着目した健康づくりが重要です また 現状では認知症の発症を完全に防ぐことは困難ですが 生活習慣病の治療 食生活の見直し 定期的な運動や趣味活動による脳の活性化を図ることなどで 発症や進行を遅らせることが期待されており 県民一人ひとりの生活習慣の改善や健康づくり等の取組みをいかに持続させるかが重要となっています 高齢期における低栄養傾向は 要介護あるいは死亡リスクを高めます 低栄養状態を予防 改善することで生活機能を維持し 健康寿命を延伸することができます また 加齢に伴う筋肉量の低下 ( サルコぺニア ) 活動性や意欲の低下 歩行速度の低下 体重減少などフレイル ( 虚弱 ) の徴候を評価し 病気があるかどうか 生活環境はどうか 栄養状態はどうか 筋トレが必要かどうかなどを総合的に判断し 適切な介入を行うことが必要です なお 高齢者は加齢とともに健康に問題を抱える人が多くなりますが 身体の状況と心の状況は相互に強く関係しているので 高齢者の心の健康づくりも重要です 要介護 ( 要支援 ) 者の急増が見込まれる中 介護予防は 単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものでなく リハビリテーションの理念を踏まえて 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランス良く働きかけることが重要です 日常生活の活動を高め社会参加を促し 高齢者自らが必要性を実感しながら主体的に地域ぐるみに取り組むことが必要です - 63 -

合事業新しい介護予防事業 地域介護予防活動支援事業の実施状況 ( 平成 24 年度 ) 実施市町村数開催回数 ( 回 ) 参加実人数 ( 人 ) 全 国 地域活動組織の育成 支援 1,016 227,947 ボランティア等の人材育成のための研修社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動 932 15,587 193,867 316 491,426 8,184( 団体 ) その他 191 157,438 291,832 千 葉 県 地域活動組織の育成 支援 25 5,804 ボランティア等の人材育成のための研修社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動 30 396 4,335 5 22,342 159( 団体 ) その他 4 1,090 25,174 要介護者等に対する介護予防に資する介護支援ボランティア活動等の社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動の実施状況による 介護予防事業は リハビリテーションの理念と地域づくりに視点を置 いた 新しい介護予防事業 ( 一般介護予防事業 ) として効果的 効率 的な推進が期待されています 現行の介護予防事業一次予防事業 介護予防普及啓発事業 地域介護予防活動支援事業 一次予防事業評価事業二次予防事業 二次予防事業対象者の把握事業 通所型介護予防事業 訪問型介護予防事業 二次予防事業評価事業 一次予防事業と二次予防事業を区別せずに 地域の実情に応じた効果的 効率的な介護予防の取組を推進する観点から見直す 介護予防を機能強化する観点から新事業を追加 一般介護予防事業 介護予防把握事業地域の実情に応じて収集した情報等の活用により 閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し 介護予防活動へつなげる 介護予防普及啓発事業介護予防活動の普及 啓発を行う 地域介護予防活動支援事業地域における住民主体の介護予防活動の育成 支援を行う 一般介護予防事業評価事業介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等の検証を行い 一般介護予防事業の事業評価を行う ( 新 ) 地域リハビリテーション活動支援事業地域における介護予防の取組を機能強化するために 通所 訪問 地域ケア会議 サービス担当者会議 住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する 介護予防 日常生活支援総介護予防 生活支援サービス事業 従来 二次予防事業で実施していた運動器の機能向上プログラム 口腔機能の向上プログラムなどに相当する介護予防については 介護予防 生活支援サービス事業として介護予防ケアマネジメントに基づき実施 全国介護保険担当課長会議 ( 平成 26 年 11 月 10 日 ) 資料抜粋 - 64 -

取組の基本方針 1 生活習慣病対策と認知症発症予防 2 高齢者の健康づくり 3 介護予防の推進を基本方針として施策を展開していきます 1 生活習慣病対策と認知症発症予防 病気の正しい理解の促進と定期健診の受診等を促進するための普及 啓発を行うことにより がんや生活習慣病等の予防をはじめとする健康 づくりを進めます 毎日の生活習慣等の改善に注目した バランスの取れた食生活 運動の習慣化 ストレス解消 禁煙 節度のある飲酒 歯 ( 義歯の使用も含む ) と歯ぐきの手入れによる咀嚼機能の保持等の健康づくりについて 高齢者が自らの健康課題をしっかり意識できるよう啓発するなど 生活習慣病対策等の取組を推進します 生活習慣病が認知症の発症のリスクを高めることは近年明らかに なってきており 認知症を重症化させない予防的な取組みについて検討 します 国で実施予定の認知症に関する 1 万人追跡調査や認知症施策推進総合 戦略 ( 新オレンジプラン ) も踏まえ 市町村が取り組む認知症の介護予 防事業が効果的に推進されるよう研修や情報提供等を行います 気軽に訪れることができる薬局等を利用して 認知症予備軍のチェッ クを行うなど 早期からの予防につながるような取り組みを行います 主な県事業 生活習慣病予防支援人材の養成 認知症の予防に関する取組の情報収集 提供 研修会の実施 薬局薬剤師による認知症予備軍の早期発見 - 65 -

2 高齢者の健康づくり 食生活や運動など健康づくりに関する意識を高めるための県民大会を開催すること等により 高齢者の健康づくりについて普及啓発を図ります また 県民が主体的に健康づくりに取り組めるよう健康づくりに関する情報 県内の健康 福祉情報や厚生統計情報などを整理し 県民に分かりやすく発信します 要介護 要支援にならないよう運動器症候群 ( ロコモティブシンドロ ーム ) 等の予防について普及啓発を図ります 薬局を地域に密着した健康情報拠点として 医薬品の適正な使用に関する助言や 正しい知識に基づいて 自分自身の健康に責任を持ち軽度な身体の不調は自分で手当てするセルフメディケーションの推進 健康に関する相談と情報提供を行うなど 高齢者の健康づくりを進めます 高齢者が心の健康を保てるよう 多様な機関における相談体制等の 充実と周知により 高齢者の心の健康づくりを進めます 高齢者のインフルエンザ及び肺炎球菌感染症の予防のため 予防接種法による実施主体である市町村の適切な実施に向け支援を行います また 高齢者の結核を早期発見するため 感染症法に基づき市町村及び高齢者施設の事業者が実施する健康診断の適切な実施に向け支援を行うとともに 重症化やまん延の防止を図り 罹患率の低下につなげていきます 地域の老人クラブの活動等を支援し スポーツや文化活動を通じて生 きがいづくり 健康づくりを促進します 主な県事業 健康ちば 21 の推進 健康づくりや保健 医療 福祉 介護に関する情報提供 高齢者のための各種予防接種の適切な実施 - 66 -

3 介護予防の推進 要介護状態になったり 重度化したりしないよう 高齢者自らが積極的に介護予防に取り組むため 高齢者に身近な場所で予防教室を開催するとともに 地域の元気な高齢者が他の高齢者に介護予防の必要性を広める体制づくりを支援します また 高齢者の誤嚥性肺炎等を予防するため口腔ケアの大切さと 口腔の状態と全身の健康との関係等に関する知識を広く県民に周知するなど 介護予防の普及 啓発を図ります 市町村が実施する一般介護予防事業について より効果的な事業実施が図られるよう県内外の先進的な取組事例の成果等の情報提供を行うとともに 地域づくりによる介護予防事業の実施に向け市町村を支援します また 今後 市町村の事業評価を集積し 評価のあり方について検討を進めます 要支援者が意欲を持って日々の生活を主体的に過ごすために必要な自立支援に役立つ適切な介護予防ケアプランを作成することができるよう 介護予防に従事する地域包括支援センター等の職員に対する研修の一層の充実を図ります 住民同士で介護予防の必要性を実感し 地域ぐるみで取り組むことが できるよう地域リハビリテーションの理念を活かし 地域のリハビリテ ーション専門職等の活用も図りつつ支援を行います 福祉ふれあいプラザ介護予防トレーニングセンター において 高齢になっても元気に自立した生活を送るために 壮年期 (40 歳以上 ) からの健康づくり ( 介護予防 ) を効果的に行えるよう 運動を通じて一人ひとりに合った支援を行います 主な県事業 介護予防に関する市町村への支援 介護重度化防止推進員の養成 福祉ふれあいプラザの運営 - 67 -

時間軸対象者例 高齢者リハビリテーションのイメージ < 役割の創出 社会参加の実現 > 地域の中に生きがい 役割をもって生活できるような居場所と出番づくりを支援する家庭内の役割づくりを支援する <IADL 向上への働きかけ > 参加へのアプローチ 生活機能 <ADL 向上への働きかけ > 掃除 洗濯 料理 外出等ができるように 意欲への働きかけと環境調整をする 食事 排泄 着替え 入浴等ができるように 意欲への働きかけと環境調整をする < 機能回復訓練 > 活動へのアプローチ 座る 立つ 歩く等ができるように 訓練をする 心身機能へのアプローチ 脳卒中 骨折など ( 脳卒中モデル ) 急性期 回復期リハ 閉じこもり 虚弱高齢者 ( 廃用症候群モデル ) 生活期リハ 全国介護保険担当課長会議 ( 平成 26 年 7 月 28 日 ) 資料抜粋 - 68 -