小惑星探査機 はやぶさ 2 の 運用状況 2018 年 10 月 23 日 JAXA はやぶさ 2 プロジェクト

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小惑星探査機 はやぶさ 2 の 運用状況 2018 年 10 月 23 日 JAXA はやぶさ 2 プロジェクト

本日の内容 はやぶさ 2 に関連して TD1-R1-A 運用の報告 TD1-R3 運用計画 について紹介する TD1-R1-A : タッチダウン 1 リハーサル 1A(2 回目のリハーサルに相当 ) TD1-R3 : タッチダウン 1 リハーサル 3(3 回目のリハーサルに相当 ) 2

目次 0. はやぶさ2 概要 ミッションの流れ概要 1. プロジェクトの現状と全体スケジュール 2.TD1-R1-A 運用報告 3.TD1-R3 運用計画 4.DPSでのプレスコンファレンス 5. 今後の予定 TD1-R1-A : タッチダウン 1 リハーサル 1A(2 回目のリハーサルに相当 ) TD1-R3 : タッチダウン 1 リハーサル 3(3 回目のリハーサルに相当 ) DPS:Division for Planetary Sciences of the American Astronomical Society( 米国天文学会の惑星科学部門 : 惑星関係では世界で最も大きな会合の 1 つ ) 3

はやぶさ 2 概要 目的 はやぶさ が探査した S 型小惑星イトカワよりも始原的なタイプである C 型小惑星リュウグウの探査及びサンプルリターンを行い 原始太陽系における鉱物 水 有機物の相互作用を解明することで 地球 海 生命の起源と進化に迫るとともに はやぶさ で実証した深宇宙往復探査技術を維持 発展させて 本分野で世界を牽引する 期待される成果と効果 水や有機物に富む C 型小惑星の探査により 地球 海 生命の原材料間の相互作用と進化を解明し 太陽系科学を発展させる 衝突装置によって生成されるクレーター付近からのサンプル採取という新たな挑戦も行うことで 日本がこの分野において さらに世界をリードする 太陽系天体往復探査の安定した技術を確立する 特色 : 世界初の C 型微小地球接近小惑星のサンプルリターンである 小惑星にランデブーしながら衝突装置を衝突させて その前後を観測するという世界初の試みを行う はやぶさ の探査成果と合わせることで 太陽系内の物質分布や起源と進化過程について より深く知ることができる 国際的位置づけ : 日本が先頭に立った始原天体探査の分野で C 型小惑星という新たな地点へ到達させる はやぶさ 探査機によって得た独自性と優位性を発揮し 日本の惑星科学及び太陽系探査技術の進展を図るとともに 始原天体探査のフロンティアを拓く NASAにおいても 小惑星サンプルリターンミッションOSIRIS-REx ( 打上げ : 平成 28 年 小惑星到着 : 平成 30 年 地球帰還 : 平成 35 年 ) が実施されており サンプルの交換が取り決められていることに加えて科学者の相互交流が行われており 両者の成果を比較 検証することによる科学的成果も期待されている 4 はやぶさ 2 主要緒元 ( イラスト池下章裕氏 ) 質量 約 609kg 打上げ 平成 26 年 (2014 年 )12 月 3 日 軌道 小惑星往復 小惑星到着 平成 30 年 (2018 年 )6 月 27 日 地球帰還 平成 32 年 (2020 年 ) 小惑星滞在期間 約 18ヶ月 探査対象天体地球接近小惑星 Ryugu( リュウグウ ) 主要搭載機器サンプリング機構 地球帰還カプセル 光学カメラ レーザー測距計 科学観測機器 ( 近赤外 中間赤外 ) 衝突装置 小型ローバ 4

ミッションの流れ概要 打上げ 2014 年 12 月 3 日 地球スイングバイ 2015 年 12 月 3 日 小惑星到着 2018 年 6 月 27 日 地球帰還 2020 年末ごろ リモートセンシング観測によって 小惑星を調べる その後 小型ローバや小型着陸機を切り離す さらに表面からサンプルを取得する 小惑星出発 2019 年 11-12 月 サンプル分析 ( イラスト池下章裕氏 ) 安全を確認後 クレーターにタッチダウンを行い 地下物質を採取する 人工クレーターの生成 衝突装置 放出衝突装置によって 小惑星表面に人工的なクレーターを作る 5

現状 : 1. プロジェクトの現状と 全体スケジュール 10 月 14 日から 16 日にかけてタッチダウンのための 2 回目のリハーサルである TD1-R1-A を行った 10 月 15 日に高度 22.3m まで降下し LRF の機能確認を行った 1 回目のタッチダウンに向けた 3 回目のリハーサル (TD1-R3) は 10 月 23-25 日に行う ( すでに開始 ) 全体スケジュール : 2015 2016 2017 2018 2019 2020 イベント 12 3 10 12 4 6 7 12 12 初期運用 EDVEGA スインク ハ イ 接近 小惑星遷移運用小惑星近接運用帰還運用 再突入 打上げ (12 月 3 日 ) 地球スイングバイ (12 月 3 日 ) Ryugu 到着 (6 月 27 日 ) Ryugu 出発 (11~12 月 ) カプセル再突入 (2020 年末ごろ ) ESA 局 (MLG/WLH) 試験南半球局運用期間運用 (CAN/MLG) (5 月 21 日,22 日 ) 10 月 5 月 光学航法合期間 5 月 6 月 11 月 12 月 イオンエンジン運用 3 月 6 月 3 月 5 月 11 月 4 月 1 月 6 月 TBD TBD TBD TBD 6

2.TD1-R1-A 運用報告 TD1-R1-A の目的 低高度 ( 高度 40m 以下 ) での航法誘導の精度の確認 近距離で高度の計測を行う LRF( レーザ レンジ ファインダ ) の特性の確認 タッチダウンのための 2 回目のリハーサルであるが 1 回目のリハーサル (TD1-R1 9 月 10-12 日 ) に行うことができなかった項目について再度行うため TD1-R1-A という名称にした ( TD1-R2 という名称は 最初に計画していた 2 回目のリハーサルと同じ名称になるため 混乱を避けるために使用しない ) 7

2.TD1-R1-A 運用報告 高度 TD1-R1-A の運用実績 ホームポジション復帰 ホームポジション 20km 減速 ΔV GCP-NAV (Ground Control Point Navigation) 小惑星表面の特徴点を観測することで 探査機の位置 速度を求める手法 5km HPNAV (Home Position Navigation) 小惑星の画像中心方向および探査機姿勢データより探査機の位置 速度を求める手法 40m 上昇 ΔV 時間 ( 日本時間 ) JAXA 10/14 23:50 10/15 10:10 最低高度 22.3m 10/15 22:44 10/16 15:00 8

2.TD1-R1-A 運用報告 LIDAR から LRF への引き継ぎの実績 JAXA 高度 27m 25m にかけて LIDAR による高度計測値 ( 緑色 ) と LRF による高度計測値 ( 黄色 ) がほぼ一致しており 高度計測が LIDAR から LRF に正しく引き継がれたことが分かる 9

2.TD1-R1-A 運用報告 航法誘導の精度の実績 今回の運用では 最低高度 22.3m まで降下したが 誘導精度の実績は 小惑星地表に対して 10.8m であった 10

2 TD1-R1-A運用報告 初公開 ONC-W1が最下点付近で撮影した画像 6m 高度約47mにおいてONC-W1で 撮影 撮影時刻は 2018年10月 15日 22:45 日本時間 画像クレジット JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉 工大, 明治大, 会津大, 産総研 11

2 TD1-R1-A運用報告 初公開 ONC-W1が最下点付近で撮影した画像 赤い丸がタッチダウンの候補地 点であるL08-B 高度約47mにおいてONC-W1で 撮影 撮影時刻は 2018年10月 15日 22:45 日本時間 画像クレジット JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉 工大, 明治大, 会津大, 産総研 12

3.TD1-R3 運用計画 10 月 23 日 25 日にタッチダウンのための 3 度目リハーサルを行う 目標 以下のことを行うことで 低高度での航法誘導制御の精度を確認する LRF( レーザ レンジ ファインダ ) による計測値を探査機の制御にフィードバックする 条件が満たされれば ターゲットマーカを切り離す 切り離したターゲットマーカを追跡する 13

3.TD1-R3 運用計画 高度 TD1-R3 のスケジュール ホームポジション復帰 ホームポジション 20km 減速 ΔV ターゲットマーカ分離 GCP-NAV (Ground Control Point Navigation) 小惑星表面の特徴点を観測することで 探査機の位置 速度を求める手法 5km HPNAV (Home Position Navigation) 小惑星の画像中心方向および探査機姿勢データより探査機の位置 速度を求める手法 約 40m 上昇 ΔV 時間 ( 日本時間 ) JAXA 10/24 13 時頃 10/24 23 時頃 10/25 12:00 頃 10/26 14

LIDAR を使用しながら秒速 10cm で降下 3.TD1-R3 運用計画 TD1-R3 低高度シーケンス 高度約 25m より LRF 高度制御開始 TM 追跡を終えたら上昇し, 高度 20km へ戻る 小惑星自転速度に同期するために横方向スラスタ噴射 TM をカメラで追跡しながら高約 20m を維持 25m LIDAR 高度計測 TM を地表方向へ押しながら切り離すために数 m 降下する TM 分離 FLASH 使用 TM 追跡 20m 0m 15

3.TD1-R3 運用計画 ターゲットマーカ 本体 ( ボール ) の大きさ : 直径約 10cm A B C D E 表面には再帰性反射フィルム 4 本の棒 : 転がり防止 内部にはポリイミド小球が多数 最初に分離するもの :B ターゲットマーカの内部には 一般の人からプロジェクトに寄せられた名前が書かれたシートを搭載 16

4.DPS でのプレスコンファレンス DPS = Division for Planetary Sciences of the American Astronomical Society( 米国天文学会の惑星科学部門 惑星の分野では世界最大の学会の 1 つ 期日 場所 :10 月 21-26 日 ノックスビル (Knoxville), USA) はやぶさ 2 のプレスカンファレンス :10 月 25 日 12:15 13:15( 日本時間 10 月 26 日 01:15 02:15) 情報 :https://aas.org/meetings/dps50/2nd-media-advisory タイトル :Hayabusa2 Explores Asteroid Ryugu 登壇者 ( 敬称略 ): 藤本正樹 (JAXA) 藪田ひかる ( 広島大 ) 巽瑛理 ( 東大 ) Deborah Domingue (Planetary Science Institute) Lucille Le Corre (Planetary Science Institute) Ralf Jaumann (German Aerospace Center) 新しい事項も発表 : 日本側でも公開する DPS での はやぶさ 2 スペシャルセッション 10 月 25 日 ( ポスター発表 13 件 ) 10 月 26 日 ( 口頭発表 9 件 ) 17

5. 今後の予定 運用の予定 10 月 23-25 日 :TD1-R3(3 回目のタッチダウンリハーサル ) 記者説明会等 11 月 8 日 ( 木 ) 11 時 ~ 記者説明会 @ お茶の水 12 月 6 日 ( 木 ) 午後 TBD 記者懇談会 @ 相模原 18