スライド 1

Similar documents
市町村合併の推進状況について

市町村合併の推進状況について

- 2 - 項五その他本会の目的を達成するために必要な事項(役員)第五条本会に次の役員を置く 会長一名副会長七名以内理事七名監事三名(役員の任期)第六条役員の任期は 二年とする ただし 任期満了後も 新役員が選任されるまでの間は 引き続きその職務を行うものとする 2補欠により選任された役員の任期は

<8B CF695BD88CF88F589EF8BA493AF90DD92752E786477>

<4D F736F F D D30318AC48DB88CA48B8689EF95F18D908F91967B95B62E646F6378>

<4D F736F F D2092E88ABC88EA959495CF8D5882C98AD682B782E982A8926D82E782B E646F6378>

<433A5C C6B617A B615C B746F705C8E648E965C8D7390AD8F918E6D82CC8BB38DDE5C A28F6F91E882CC8FF095B696E291E88F D7390AD A5C95BD90AC E937894C55C D837A A96A28F6F91E882CC8FF

(Microsoft Word -

1 はじめに 京都府特別職報酬等審議会では 平成 22 年 8 月 30 日に京都府知事から 行政委員会 の非常勤委員の報酬の在り方について 提言の依頼を受けたところである 京都府における行政委員会の非常勤委員の報酬は 教育委員会 公安委員会 選挙管理委員会 監査委員 人事委員会 労働委員会 収用委

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

Taro-議案第13号 行政手続条例の

Microsoft PowerPoint - kobetsuB4-slide-静山.ppt [互換モード]

新請願・陳情全部

笠縫東学区まちづくり協議会会則 ( 名称 ) 第 1 条本会は 笠縫東学区まちづくり協議会 ( 以下 協議会 という ) と称する ( 事務所 ) 第 2 条協議会の事務所は 滋賀県草津市集町 58 番地の8に置く ( 目的 ) 第 3 条協議会は 地域住民が主体となって地域共通の願いの実現ならびに

地方議会制度の概要について 地方議会は 憲法第 93 条第 1 項の 議事機関 として地方公共団体に設置されている 地方議会は 住民全体を代表する機関であり 住民の直接選挙で選出される議員により構成される 地方議会は 地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担うものとして 同じく

日本学術会議会則

Microsoft Word - kaisoku

( 除名 ) 第 9 条社員が次のいずれかに該当するに至ったときは 社員総会の決議によって当該社員を除名することができる (1) この定款その他の規則に違反したとき (2) この法人の名誉を傷つけ または目的に反する行為をしたとき (3) その他除名すべき正当な事由があるとき ( 社員資格の喪失 )

<4D F736F F D D332D318DC58F8982CC96F088F581698DB782B591D682A6816A2E646F63>

H28_1 saiketutaido(元データ)

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

PowerPoint プレゼンテーション

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

- 2 - ⑷ 保育所又は学童クラブにおいて 保育又は学童クラブの目的を達成するために 児童又はその保護者に対してされる行政指導 ⑸ 市の職員 ( 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 2 条に規定する地方公務員に該当する職員をいう 以下同じ ) 又は市の職員であった者に対して

Microsoft Word - 02 大都市 本文.doc

農業委員会法改正の全体像 農業委員会が その主たる使命である 農地利用の最適化 ( 担い手への集積 集約化 耕作放棄地の発生防止 解消 新規参入の促進 ) をより良く果たせるようにする 農業委員会 都道府県農業会議 全国農業会議所 農業委員会業務の重点化 農業委員会の業務の重点は 農地利用の最適化の

2 農業委員会の運営 2 農業委員会は 市町村長が議会の同意を得て任命した 農業委員 で組織され 農業委員は 合議体としての意思決定 ( 農地の権利移動の許可 不許可の決定など ) を担当 農業委員会は 農地利用最適化推進委員 ( 以下 推進委員 という ) を委嘱し 推進委員は 担当区域における農

い ( ただし 当該書面を交付しないで是正の要求等をすべき差し迫った必要がある場合 は この限りでない ) こととされていることに留意すること (2) その他地方自治法第 245 条の5 第 5 項の規定により 是正の要求を受けた地方公共団体は 当該事務の処理について違反の是正又は改善のための必要な

3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

定 款 社会福祉法人 木谷会

(2) 変更の内容 定款変更の内容は別紙のとおりであります (3) 日程 定款変更のための株主総会開催日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 定款変更の効力発生日平成 28 年 6 月 17 日 ( 金曜日 ) 以上 - 2 -

<90568B6389EF82CC82B582A882E E342E696E6464>

議案用 12P

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

自治労福島県職員労働組合退職互助会規約(抄)

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

社会福祉法人美郷町都賀保育園定款第一章総則 ( 目的 ) 第一条この社会福祉法人 ( 以下 法人 という ) は多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して統合的に提供されるよう創意工夫することにより 利用者が個人の尊厳を保持しつつ 心身ともに健やかに育成されるよう支援する事を目的として 次の社会


- 2 - 収納した歳入を その内容を示す計算書(当該計算書に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式 磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて 電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう 以下同じ )を含む )を添えて 会計管理者又は指定金融機

一般財団法人 日本万歩クラブ 定款

弦打校区コミュニティ協議会会則 ( 名称及び組織 第 1 条この会は, 弦打校区コミュニティ協議会 ( 以下 協議会 という ) と称し, 協議会の区域内に居住する個人および所在する法人ならびに別表 ( 組織図 ) に掲げる構成団体等で組織する ( 目的 ) 第 2 条協議会は, 住みよい地域社会の

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

<4D F736F F D E31302E313792B98EE68CA78CF695F18D868A4F D862E646F63>


資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

Microsoft Word 目次.doc

メ 札幌市オンブズマン条例 平成 12 年 12 月 12 日条例第 53 号 改正 札幌市オンブズマン条例 平成 15 年 10 月 7 日条例第 33 号 平成 20 年 11 月 7 日条例第 36 号 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 4 条 ) 第 2 章責務 ( 第 5 条 第 7

この制度は 2003 年 9 月 2 日から施行され 旧 地方自治法 244 条の2による管理委託を行ってきた 公の施設 の場合は 3 年間 ( 経過措置 ) の間に自治体が指定管理者制度に移行することになっている 現時点で 指定管理者制度導入のため 1 指定の手続きについて一般ルールとして定めた自

包括規定 案

議案番号議案件名議会議決年月日議決結果 議案第 1 号 平成 26 年度美郷町一般会計補正予算第 11 号 平成 27 年第 1 回美郷町議会臨時会 平成 27 年 1 月 14 日 原案可決 議案第 2 号 工事請負契約の一部変更について 平成 27 年第 2 回美郷町議会臨時会 平成 27 年

取締役会規定

- 1 - 地方自治法施行令第百七十四条の三十九第三項による土地区画整理法第五十五条の読替え(は読替部分)(は当然読替部分)(は改正に係る読替部分)改正後の地方自治法施行令第百七十四条の三改正前の地方自治法施行令第百七十四条の三十読替前の土地区画整理法第五十五条十九第三項による読替後の土地区画整理法

Microsoft Word - 文書 1

市町村合併の推進状況について

(H 改正 ) 北海道社会保険労務士政治連盟規約 (S 改正 ) 第 1 章総 ( 名称 ) 第 1 条本連盟は 北海道社会保険労務士政治連盟 ( 以下 道政連 ) と称する (S 改正 /H 改正 ) ( 事務所 ) 第 2 条本連盟は 事務所を札幌

3. さいたま市議会の議決すべき事件等に関する条例 ( 目的 ) 第 1 条この条例は さいたま市議会基本条例 ( 平成 21 年さいたま市条例第 55 号 ) 第 25 条の規定の趣旨にのっとり 市行政における基本的な計画の策定等を地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 96 条第

11総法不審第120号

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

議案第 362 号 専決処分 ( 大田市税条例の一部を改正する条例 制定 ) の承認について 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 179 条第 1 項の規定に より 別紙のとおり専決処分したので 同条第 3 項の規定によりこれ を報告し 承認を求める 平成 29 年 6 月 9

Microsoft Word - ~ doc

日本学術会議法

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

Taro-定款.jtd

PowerPoint Presentation

Microsoft Word - ★HP版平成28年度検査の結果

協会定 款

第 4 章中第 34 条の次に次の 1 条を加える ( 行政指導の中止等の求め ) 第 34 条の 2 法令又は条例等に違反する行為の是正を求める行政指導 ( その根拠 となる規定が法律又は条例 ( 地方自治法第 252 条の17の2 第 1 項又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 55 条

(5) 賦課徴収業務に関する構成団体からの相談及び支援に係る事務 (6) 地方税法に基づき構成団体が賦課すべき地方税の税額を共同で算定するために必要な 電算システムの整備に関する事務 ( 広域連合の作成する広域計画の項目 ) 第 5 条広域連合が作成する広域計画 ( 地方自治法 ( 昭和 22 年法

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

スライド 1

Microsoft Word 規約

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

新法人定款 平成13年3月変更

公益財団法人 日本航空協会 定款

48

二頁第三条第三項中 国家公安委員会 を 前項に定めるもののほか 国家公安委員会 に改め 同項を同条第五項とし 同条第二項の次に次の二項を加える 3国家公安委員会は 毎年 犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で 特定事業者その他の事業者が行う取

青葉台自治会会則 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本会は 以下に掲げるような共同活動を行うことにより 良好な地域社会の維持及び形成に資する事を目的とする (1) 回覧板の回付等区域内の住民相互の連絡 (2) 会員相互の融和親睦をはかる (3) 行政機関との連絡調整 (4) 区域内諸施設の維持

Microsoft PowerPoint - □ks_J_J_日本の地方自治について2014_final.pptx

三島市議会基本条例 平成 31 年 3 月 22 日 条例第 15 号 目次 前文 第 1 章総則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章議会及び議員の活動の原則等 ( 第 3 条 第 7 条 ) 第 3 章市民と議会との関係 ( 第 8 条 第 10 条 ) 第 4 章市長等と議会との関係 (

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

規約

剰余金の配当に関するお知らせ

自治制度演習 第1クール まとめ 2007_11.doc

Microsoft Word - å®ı款V3.00_朕絇盋.docx

発刊にあたって 地方分権一括法が施行されて 地方の自己決定機会と自己責任が拡大し 議会においても議決 監視機能の強化が従前にもまして重要となりました 分権時代の今 市議会は何をなさねばならないのか 市議会が議決 監視機能をどのように強化するのか 市議会がその役割を果たす上で現行の議会制度のままでよい

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

<4D F736F F D2090AC89CA95A887458F8A974C8ED282AA95A CC8FEA8D8782CC97AA8EAE91E38EB78D732E646F6378>

- 1 - 港湾法施行令(昭和二十六年政令第四号)(抄)(第一条関係)(傍線の部分は改正部分)改正案現行(緊急確保航路)(緊急確保航路)第十七条の十法第五十五条の三の五第一項に規定する緊急確保航路の第十七条の十法第五十五条の三の四第一項に規定する緊急確保航路の区域は 別表第五のとおりとする 区域は

新座市税条例の一部を改正する条例

一般財団法人ヒューマニン財団定款 平成 26 年 6 月 30 日変 更 1

定 款 社会福祉法人仁和会

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

示して, 理事会の招集を請求することができる ( 同条第 2 項 ) この請求のあった日から 5 日以内に, 当該請求があった日から 2 週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には, 当該請求をした理事は, 理事会を招集することができる ( 同条第 3 項 ) 監事は,

平成11年6月8日

第三条大学校の名称及び位置は 次のとおりとする 名称位置 千葉県生涯大学校京葉学園千葉市 千葉県生涯大学校東葛飾学園千葉県生涯大学校東総学園千葉県生涯大学校外房学園千葉県生涯大学校南房学園 松戸市 流山市銚子市 香取郡神崎町茂原市 勝浦市館山市 木更津市 一部改正 平成四年条例七三号 六年四一号 一

規定により公示した区域下水道 ( 組織 ) 第 4 条法第 7 条ただし書及び令第 8 条の2の規定により 下水道事業に管理者を置かないものとする 2 法第 14 条の規定により 下水道事業管理者の権限を行う市長の権限に属する事務を処理させるため 上下水道部を置く ( 重要な資産の取得及び処分 )

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

Taro-第9回定例会議案

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

Transcription:

専決処分に係る論点について 資料 1 専決処分の対象 現行の専決処分制度は 原則として議会の権限全てに及んでいるが このことについてどう考えるか < 参考 : 議会の議決事件 ( 法 96)> 1 条例の制定 改廃 2 予算 3 決算認定 4 地方税の賦課徴収又は分担金 使用料 加入金若しくは手数料の徴収 5 重要な契約の締結 6 一定の財産の取得 管理及び処分 7 負担付きの寄附又は贈与 8 権利の放棄 9 重要な公の施設の長期かつ独占的な利用 10 審査請求その他の不服申立て 訴えの提起 和解 斡旋 調停及び仲裁 11 損害賠償の額の決定 12 区域内の公共的団体等の活動の総合調整 13 その他法律又はこれに基づく政令等により議会の権限に属する事項 14 条例により議会の議決すべきものと定められた事件 1

専決処分に係る論点について 議会の議決事件のうち 予算 条例については 議会の本来的な権限である議決権の中でも重要なものであるが 専決処分の対象とされていることについてどう考えるか 一方 専決処分の対象から除外することについて 議会が議決しないとき 特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるとき等において 住民サービスの停滞を防ぐという観点から どう考えるか 仮に 条例について専決処分の対象から除外する場合 対象から除外するものと除外しないものを区分することができるか 例えば 地方税条例 議員報酬条例 職員給与条例などについて どう考えるか 人事案件のうち副知事 副市町村長については専決処分の対象となっているが これらの機関は必置とされていないこと また 仮に議会の同意が得られず選任ができない場合であっても 職務代理者 ( 法 152) や臨時代理者 ( 法 252 の 17 の 8) に関する規定の適用により行政事務の執行が停滞するなどの支障は生じないと考えられることを踏まえ その対象から除外することについてどう考えるか 一方 行政委員会の委員の選任については そもそも委員会の設置が義務付けられていること ( 法 180 の 5) や 裁定的権限を有する委員会の場合 委員の選任がなされないことが 住民等の権利保護の観点から問題があると考えられることを踏まえると 副知事 副市町村長と同様に考えることができるか 専決処分は 長と議会が対立した場合等に その結果住民サービスの停滞を防ぐための 補充的手段として 長に一定の権限を付与しているものであり 専決処分の対象を限定することは 専決処分権を長に認めた趣旨に反すると考えられるのではないか 2

専決処分に係る論点について 不承認の効力 専決処分をした場合 議会に報告し 承認を求めることとなっているが 専決処分が適法になされていれば 不承認でも長に政治的責任が残るのみであり 処分の効力は有効であると解されている そこで 議会の不承認が法的効果を有することとすることについてどう考えるか 議会が専決処分を不承認とした場合 将来効を失わせるなどの法的効果を検討すべきではないか 不承認に法的効果を与える場合 行政事務の法的安定性 第三者の利益保護との兼ね合いをどのように考えるか 加えて 議会において議決すべき事件を議決しないとき にまで 不承認に効力を与える必要はないのではないか 不承認の法的効果を考えるときには 専決処分の対象として残した場合 1 2 予算 専決処分に基づき予算が決定されると その執行手続が開始されることとなるため 議会が承認するか否かによって 契約等の法的効力が否定されるとすることは 第三者の利益保護や住民サービスの法的安定性の観点から問題があると考えられるのではないか 条例 議会が必ず開会されることとなれば 議会としては改正案の提案が可能であることから あえて不承認に法的効果を付与する必要はないのではないか 3

専決処分に係る論点について 3 人事案件 ( 副知事 副市町村長 監査委員など ) 不承認の場合 失職することとするなど 不承認の効力のあり方を考えるべきか 無効な専決処分 専決要件を満たさない専決処分については 本来無効であることから 不承認であっても無効であることに変わりはないが 一度専決処分が行われると 当該処分に基づく具体の行為について住民訴訟等により争われない限り 当該処分の内容で行政が執行されてしまうことについてどう考えるか 4

専決処分について 現行制度 専決処分 議会が成立しないとき 在任議員の総数が議員定数の半数に満たない場合 議会へ報告し その承認を求めなければならない 長 第 113 条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき 出席議員の数が議長の外 2 名を下る場合 長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき 平成 18 年改正 議会において議決すべき事件を議決しないとき 議会 議会の承認が得られなかった場合といえども当該処分の効力には影響がない 何故ならば 本条の専決処分は 議決機関たる議会がその本来の職責を果たし得ない場合又は果たさない場合に長が補充的に議会に代わってその機能を行うものであり また時間的に余裕がないために処分するものであるから 議会の承認が得られないためその処分が無効になるとすれば すでに行われた処分に関係する者の利益を害し 行政の安定を損ない 当該処分の目的を達成することも不可能となる場合も考えられ 本条制定の趣旨が全く没却されるおそれがあるからである 逐条地方自治法 ( 松本英昭著 ) より抜粋 地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号 )( 抄 ) 第百七十九条普通地方公共団体の議会が成立しないとき 第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき 普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき 又は議会において議決すべき事件を議決しないときは 当該普通地方公共団体の長は その議決すべき事件を処分することができる 2 議会の決定すべき事件に関しては 前項の例による 3 前二項の規定による処置については 普通地方公共団体の長は 次の会議においてこれを議会に報告し その承認を求めなければならない 5

都道府県 ( 地方自治法制定前 ) 制度の沿革 ( 専決処分 ) 明治 23 年制定の府県制において 府県知事は 一定の場合に府県参事会の権限に属する事件 府県会の議決すべき事件を専決処分することができることとされた また 専決処分に付した場合は 次回の府県会に報告するものとされた 昭和 21 年の府県制改正により 府県知事のなした専決処分の報告について 府県会の承認を求めることとされた 市町村 ( 地方自治法制定前 ) 明治 21 年市制において 市長は 急施を要する場合 で市参事会を招集する暇がないときは 市参事会 ( 執行機関 ) の事務を専決処分することができることとされた 明治 44 年市制 町村制改正により 市長は一定の場合に市会の権限に属する事件を市参事会の議決に付することができることとされ 市町村長は 一定の場合に市参事会 ( 副議決機関 ) 又は町村会が議決又は決定すべき事件に関して専決処分することができることとされた また 市町村長が行った専決処分は 次回の市参事会又は町村会に報告しなければならないこととされた 昭和 21 年市制 町村制改正により 市町村長のなした専決処分の報告について 市参事会又は町村会の承認を求めることとされた 昭和 21 年改正の経緯 政府原案は この点について従前どおりとしていたが 衆議院の審議において 報告するだけでは意思機関を無視することにならないか また 議会の回数も増えており専決処分は必要がなくなっているのではないか等の意見が出され 各党共同修正により 専決処分は次回の会議での承認を要することに改められた 地方自治法 ( 昭和 22 年 ) 議会が成立しないとき 第 113 条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき 長において議会を招集する暇がないと認めるとき 又は議会において議決すべき事件を議決しないときは 長はその議決すべき事件を処分することができることとされた 第 28 次地方制度調査会答申 ( 平成 17 年 12 月 ) において 制度本来の趣旨に即した要件の明確化等を図るべきである とされたことを踏まえ 平成 18 年改正により 議会を招集する暇がないと認めるとき が 議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき とされた 6

専決処分 ( 地方自治法第 179 条 ) の執行状況 (1) 事件別 態様別 区分 対象期間 専決処分件数 平均件数 ( 件数 / 年 ) 条例予算契約その他 議会を招集する暇がないとき その他 H16.1.1~12.31 373 7.9 79 89 1 204 373 0 都道府県 市区 町村 H17.1.1~12.31 402 8.6 74 121 4 203 402 0 H18.1.1~12.31 345 7.3 93 81 1 170 345 0 1,120 7.9 246 291 6 577 1,120 0 H19.1.1~12.31 6,015 7.4 - - - - - - H20.1.1~12.31 5,369 6.6 - - - - - - H21.1.1~12.31 4,941 5.4 - - - - - - 16,325 6.8 0 0 0 0 0 0 H18.7.1~H19.6.30 5,554 5.4 1,923 3,114 99 418 5,391 163 H19.7.1~H20.6.30 5,486 5.5 2,039 3,102 100 245 5,350 136 H20.7.1~H21.6.30 5,361 5.4 2,021 3,072 88 180 5,214 147 16,401 5.4 5,983 9,288 287 843 15,955 446 出典 : 全国都道府県議会議長会調べ 市議会の活動に関する実態調査結果 ( 全国市議会議長会 ) 全国町村議会議長会調べ 7

専決処分 ( 地方自治法第 179 条 ) の執行状況 (2) 町村議会における専決処分の審議結果 種別 件数 ( 平成 20 年 7 月 1 日 ~ 平成 21 年 6 月 30 日 ) ( 単位 : 件 ) 審議結果承認不承認 条例 2,021 2,008 13 予算 3,072 3,047 25 契約 88 85 3 その他 180 180 0 合計 5,361 5,320 41 都道府県分は 当該法令改正時 ( 平成 18 年 ) までしか調査を行っていないため 対象外とした 市区分は 審議結果にかかる調査を行っていない 出典 : 全国町村議会議長会調べ 都道府県における地方税条例改正にかかる専決処分の状況 7 団体は ( 岩手県 秋田県 新潟県 大阪府 兵庫県 鳥取県 佐賀県 ) は 地方税法案の可決を仮定した条例を提案 議決 4 団体は ( 石川県 静岡県 三重県 長崎県 ) は法律の可決を受けて条例を提案 議決 上記以外の36 団体は 4 月 1 日施行部分は3 月専決を行い それ以外は6 月議会で審議 総務省調べ 8

平成 21 年における専決処分の実施事例 (1) 都道府県 A 団体 平成 21 年中の専決処分数 (3) 平成 21 年 5 月臨時会 議案名 : 平成 20 年度 A 団体一般会計補正予算の専決処分について承認を求める件 議案名 :A 団体税条例等の一部改正の専決処分について承認を求める件 平成 21 年 9 月定例会 議案名 : 未払家賃請求事件及び保証債務金請求事件に係る訴えの提起の専決処分について承認を求める件 B 団体 平成 21 年中の専決処分数 (6) 平成 21 年 6 月定例会 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて (B 県税条例及び B 県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例 ) 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて ( 控訴の提起 ) 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて ( 公立大学法人 B 大学が定めた業務に関して徴収する料金の上限の認可 ) 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて ( 平成 20 年度 B 団体一般会計補正予算 ) 平成 21 年 9 月定例会 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて ( 選挙長等の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例 ) 平成 21 年 11 月定例会 議案名 : 専決処分の承認を求めることについて ( 手数料条例の一部を改正する条例 ) C 団体 平成 21 年中の専決処分数 (2) 平成 21 年 6 月定例会 議案名 : 専決処分について (C 県税条例等の一部を改正する条例の制定について ) 議案名 : 専決処分について ( 訴えの提起 ) 各団体の HP を参考に作成 上記はいずれも議会の承認案件 ( 委任専決は除く ) 9

平成 21 年における専決処分の実施事例 (2) 市町村 A 市 平成 21 年中の専決処分数 (10) 平成 21 年第 1 回定例会 議案名 : 専決処分の承認について ( 平成 20 年度 A 市一般会計補正予算 ( 第 7 号 ) ) 議案名 : 専決処分の承認について ( 平成 20 年度 A 市一般会計補正予算 ( 第 8 号 ) ) 議案名 : 専決処分の承認について (A 市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について ) 議案名 : 専決処分の承認について ( 公立大学法人 A 公立大学定款の変更について ) 議案名 : 専決処分の承認について ( 公立大学法人 A 公立大学設立のための財産の出資の変更について ) 平成 21 年第 2 回定例会 議案名 : 専決処分の承認について (A 市市税条例等の一部を改正する条例の制定について ) 議案名 : 専決処分の承認について ( 公立大学法人 A 公立大学が徴収する料金の上限の定めに係る認可について ) 平成 21 年第 3 回定例会 議案名 : 専決処分の承認について ( 平成 21 年度 A 市一般会計補正予算 ( 第 2 号 ) ) 議案名 : 専決処分の承認について ( 平成 21 年度 A 市一般会計補正予算 ( 第 3 号 ) ) 平成 21 年第 4 回定例会 議案名 : 専決処分の承認について ( 平成 21 年度 A 市一般会計補正予算 ( 第 5 号 ) ) B 町 平成 21 年中の専決処分数 (3) 平成 21 年 5 月臨時会 議案名 : 平成 20 年度 B 町一般会計補正予算の専決処分について 議案名 :B 町税条例の一部を改正する条例の専決処分について 議案名 :B 町都市計画税条例の一部を改正する条例の専決処分について 各団体の HP を参考に作成 上記はいずれも議会の承認案件 ( 委任専決は除く ) 10

議会の同意を得て選任することとされている機関の例 地方自治法を根拠を有する執行機関等のうち 議会の同意を長の選任の要件としているものは以下のとおりである 補助機関 副知事 副市町村長 執行機関 教育委員会 人事委員会 公平委員会 監査委員 公安委員会 収用委員会 固定資産評価審査委員会 選挙管理委員会 労働委員会 海区漁業調整委員会 内水面漁場管理委員会 農業委員会については 法律により選挙等により委員が決定されることとされており 議会の同意を要しない 地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号 )( 抄 ) 第百六十二条副知事及び副市町村長は 普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する 第百八十条の五執行機関として法律の定めるところにより普通地方公共団体に置かなければならない委員会及び委員は 左の通りである 一教育委員会二選挙管理委員会三人事委員会又は人事委員会を置かない普通地方公共団体にあつては公平委員会四監査委員 2 前項に掲げるもののほか 執行機関として法律の定めるところにより都道府県に置かなければならない委員会は 次のとおりである 一公安委員会二労働委員会三収用委員会四海区漁業調整委員会五内水面漁場管理委員会 3 第一項に掲げるものの外 執行機関として法律の定めるところにより市町村に置かなければならない委員会は 左の通りである 一農業委員会二固定資産評価審査委員会 4~8( 略 ) 11

地方六団体の専決処分に対する意見 全国知事会 特段の言及なし 全国都道府県議会議長会 議会と首長の関係について具体的な検討項目を例示すると次のとおりである 3 首長の専決処分を存続させるか また 専決処分不承認の場合の首長の対応措置を義務付けるか 全国市長会 長の専決処分等について いずれも 9 割以上の市長が維持 継続すべきという回答 全国町村会 専決処分を行う場合は 議会に理解を得られるよう努めており 基本的には現行制度で問題ないと考える 全国市議会議長会 決算不認定の場合及び専決処分不承認の場合の対応措置を首長に義務付けること 全国町村議会議長会 専決処分は 議会の議決権が軽視される一因となっているため 議会が 不承認 とした場合 その効力が存続するものは将来効力を失わせ 改めて提案させるなどの措置を義務付けるべきである 全国都道府県議会議長会 全国市長会 全国町村会及び全国町村議会議長会の意見は 平成 22 年 5 月 19 日地方行財政検討会議第一分科会 第二分科会合同会議 ( 第 1 回 ) 提出資料より抜粋 全国市議会議長会の意見は 第 29 次地方制度調査会第 13 回専門小委員会 ( 平成 20 年 7 月 29 日 ) 資料 3 より抜粋 12