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172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質 ) 声明が利用されてきた この声明は, メタ 111) アナリシス報告に関する 27 項目のチェックリストとフローチャートから構成されているものであるが, QUOROM 運営委員会では, 各チェック項目の維持, 削除, 追加, 改訂の必要性を継続的に検討してきた そして,2009 年 6 月, QUOROM から PRISMA へ というタイトルで, 新しい PRISMA (Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses) 声明が発表された 87) 本稿では,PRISMA 声明の内容の一部 ( 附表 H 1), システマティックレビューのフローチャート ( 附図 H 1) とチェックリスト ( 附表 H 2),QUOROM と PRISMA との比較 ( 附表 H 3) を和訳して紹介する さらなる詳細は, オリジナル論文を参照していただきたい 附表 H 1 PRISMA 声明 QUOROM から PRISMA への移行新たな PRISMA チェックリストはいくつかの点で QUOROM チェックリストとは異なる 主要な具体的変更点を表 H 2 に示す 概していうと,PRISMA チェックリストは QUOROM チェックリストの中のいくつかの項目を分割しており, 該当する場合は, システマティック レビューの報告全体での一貫性を向上させるためにいくつかのチェックリスト項目をリンクさせている また, フローチャートも修正されている 研究を組み入れたり, 除外理由を述べたりする前に, レビューチームはまず文献検索を実施しなければならない 検索の結果, 記録が得られ, これらの記録を審査し適格基準を適用することで, 論文の件数が絞られる 論文において複数の研究が報告される場合や, ある特定の研究から得られた結果が複数の論文に掲載される場合があるため, 組み入れられた論文の件数は研究件数よりも少ない ( あるいは多い ) かもしれない この情報を把握するために,PRISMA フローチャートでは, レビューのプロセスにおける上記の段階に関する情報を要求されるようになった PRISMA の支持 QUOROM を支持してきた雑誌の場合,PRISMA 声明が QUOROM 声明にとって替わるべきである それ以外の雑誌についても,PRISMA のウェブサイトで登録を行うことで PRISMA を支持していただきたい システマティック レビュー報告の透明性確保の重要性を著者ならびにその他の関係者に強調するために, われわれは PRISMA を支持する雑誌に対し,PRISMA 声明に言及し投稿規定の中に PRISMA のウェブアドレス k を含めるよう促している また, 編集機関に対しては,PRISMA の支持を検討するよう呼びかけ, 著者らに対しては PRISMA の原則への準拠を促している k http://www.prisma-statement.org/

173 附図 H 1 システマティック レビューのフローチャート

174 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 附表 H 2 システマティック レビューあるいはメタアナリシスの報告の際に含む項目のチェックリスト セクション / 項目 (Section/topic) # チェックリスト項目 (Checklist item) 報告頁 (page #) タイトル (Title) タイトル 1 その報告がシステマティック レビューなのか, メタアナリシスなのか, あるいはその両方なのかを特定すること 抄録 (Abstract) 構造化抄録 (Structured summary) はじめに (Introduction) 2 背景, 目的, データの情報源, 研究の適格基準や参加者や介入, 研究における吟味および統合方法, 結果, 限界, 結論ならびに主要結果の意味, システマティック レビュー登録番号などの情報を適宜含んだ, 構造化された要約を提供すること 論拠 (Rationale) 3 既知の事項と照らし合わせてレビューの理論的根拠を説明すること 目的 (Objectives) 4 参加者, 介入, 比較対照, アウトカム, 研究デザイン (study design) と関連付け (PICOS) て, 懸案の疑問に関する明確なステートメントを提供すること 方法 (Methods) 研究計画書と登録 (Protocol and registration) 適格基準 (Eligibility criteria) 情報源 (Information sources) 5 6 7 レビューの研究計画書の有無や, そのアクセス可能性とアクセス可能な場所 ( 例 : ウェブアドレス ) を示し, また入手可能であれば登録番号を含む登録情報を提供すること 適格基準として採用された研究特性 ( 例 :PICOS, 追跡期間 ) や報告特性 ( 例 : 検討した年数, 言語, 出版状況 ) について, 理論的根拠を示しながら明示すること 検索における全情報源 ( 例 : データベースと対象期間, 追加的な研究の特定を目的とした研究著者へのコンタクト ) ならびに最終検索日を示すこと 検索 (Search) 8 少なくとも 1 つのデータベースの電子検索式について, 使用されたあらゆる limits を含め, 再現できるくらいに詳細に示すこと 研究の選択 (Study selection) データの抽出過程 (Data collection process) 9 10 研究の選択過程 ( すなわち, スクリーニング, 適格性, システマティック レビューへの組み入れ, また, 該当する場合はメタアナリシスへの組み入れ ) を提示すること 報告からのデータ抽出方法 ( 例 : 見本用書式, 独立して抽出,2 重に抽出 ), ならびに研究者からデータを取得し, 確認するためのあらゆるプロセスについて説明すること データ項目 (Data items) 11 データ検索を行う手がかりとなったすべての変数 ( 例 :PICOS, 資金提供者 ), ならびにあらゆる仮定や単純化を列挙, 定義すること 個々の研究の risk of bias (risk of bias in individual 12 個々の研究の risk of bias を評価するために用いられた方法 ( これが研究レベルで行われたのか, アウトカムレベルで行われたかの明示を含む ), そしてこの情報があらゆるデータ統合においてどのように使用されるのかを説明すること 要約指標 (Summary measures) 13 主な要約指標 ( 例 : リスク比, 平均差 ) を提示すること 結果の統合 (Synthesis of results) 14 データの取り扱い方法, そして実施されていれば各メタアナリシスにおける一貫性 ( 例 :I 2 ) の指標も含め, 研究結果の統合方法について説明すること

175 研究全般に関する risk of bias (Risk of bias across 追加的な分析 (Additional analyses) 結果 (Results) 研究の選択 (Study selection) 研究の特性 (Study characteristics) 研究内の risk of bias (Risk of bias within 個々の研究の結果 (Results of individual 結果の統合 (Synthesis of results) 研究全般に関する risk of bias (Risk of bias across 追加的な分析 (Additional analysis) 考察 (Discussion) エビデンスの要約 (Summary of evidence) 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 累積エビデンスに影響するかもしれないあらゆる risk of bias の評価 ( 例 : 出版バイアス, 研究内での選択的報告 ) について明示すること 追加的な分析 ( 例 : 感度分析またはサブグループ解析, メタ回帰分析 ) が実施されていれば, その方法を説明し, そのうちのいずれが事前に規定されていたのかを示すこと スクリーニングされた研究, 適格性が評価された研究, レビューに加えられた研究の件数を示し, 各段階での除外の理由について, 理想的にはフローチャートを用いて述べること 各研究について, データ抽出が行われる手がかりとなった特性 ( 例 : 研究の規模,PICOS, 追跡期間 ) を示し, 引用を提示すること 各研究の risk of bias に関するデータ, そして入手可能であれば, アウトカムレベルのあらゆる評価を提示すること ( 項目 12 参照 ) 検討対象となったすべてのアウトカム ( 利益や害 ) について, 研究別に (a) 各介入群に関する簡単な要約データ,(b) 効果推定値と信頼区間を, できればフォレストプロットを付けて提示すること 実施された各メタアナリシスの結果を信頼区間や一貫性の指標を含めて提示すること 研究全般に関するあらゆる risk of bias 評価の結果を提示すること ( 項目 15 参照 ) 追加的な分析 [ 例 : 感度分析またはサブグループ解析, メタ回帰分析 ( 項目 16 参照 )] が実施されていれば, その結果を示すこと 各主要アウトカムに関して, エビデンスの強さを含め, 主な結果について要約すること またそれらが主要な集団 ( 例 : 医療提供者, 利用者, 政策決定者 ) とどう関係しているか検討すること 限界 (Limitations) 25 結論 (Conclusions) 26 研究レベルおよびアウトカムレベルにおける限界 ( 例 :risk of bias), さらにはレビューレベルにおける限界 ( 例 : 特定された研究が完全に検索されていない, 報告バイアス ) について議論すること 結果の一般的解釈を他のエビデンスと関連付けて提示し, 今後の研究への影響を示すこと 資金 (Funding) 資金 (Funding) 27 システマティック レビューの資金提供者, ならびにその他の支援 ( 例 : データの提供 ), そしてシステマティック レビューにおける資金提供者の役割について説明すること

176 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 附表 H 3 QUOROM チェックリストと PRISMA チェックリストとの実質的な特異的変化 セクション トピック 項目 QUOROM PRISMA コメント 抄録 (Abstract) QUOROM ならびに PRISMA は著者に対し, 抄録の報告を求めている しかし,PRISMA は書式については具体的に示していない はじめに (Introduction) 目的 (Objective) この新項目 (4) は, レビューにおいて,PICO 報告システム ( システマティック レビューの参加者, 介入, 比較対照, アウトカムについて説明するシステム ), さらに研究デザインのタイプの特定を加えたもの (PICOS) を用いて検討する明確な疑問について取り上げたものである この項目はチェックリストの項目 6,11,18 に関連する 方法 (Methods) 研究計画書 (protocol) この新項目 (5) は著者に対し, レビューにおける研究計画書の有無, そして研究計画書がある場合にはそのアクセス方法を報告するよう要求している 検索 (Search) 組み込まれた研究の risk of bias 評価 検索の報告に関する項目は,QUOROM, PRIS- MA の両チェックリストに存在するが,PRISMA は著者に対し, 少なくとも 1 つの電子検索式について詳細な説明を提供するよう要求している ( 項目 8) このような情報がなければ, 検索の再現は不可能である QUOROM の 質評価 から改名した この項 目 (12) は, 結果 セクションにおける本情報の 報告 ( 項目 19) に関連する アウトカムレベル の評価, という新たな概念が導入されている 研究全般に関する risk of bias 評価 この新項目 (15) は著者に対し, 組み込まれた研究内における結果の選択的な報告など, レビューにおけるあらゆる risk of bias 評価について説明するよう要求している この項目は, 結果 セクションにおける本情報の報告 ( 項目 22) に関連する 考察 (Discussion) QUOROM, PRISMA の両チェックリストにおいて考察のセクションが取り上げられているが, PRISMA では考察のために 3 項目 (24 26) を費やしている PRISMA では主な限界のタイプが明確に提示され, それらについて検討することが要求されている 資金 (Funding) この新項目 (27) は著者に対し, システマティック レビューのあらゆる資金提供者に関する情報を提供するよう要求している