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しげのぶぜんじゅう
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1 看護研究における論文の書き方報告の質を高めるコツ東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科市倉加奈子

2 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 2

3 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 3

4 前回までの復習 ( 研究の目的 ) 1 質的研究の場合対象者の主観的経験が重要視される言葉の科学であり, 新たに仮説生成することを目的としている 2 量的研究の場合客観的な一般化可能性が重要視される数の科学であり, 理論に基づいて仮説検証することを目的としている ( 現代の医学的研究方法, メティカルサイエンスインターナショナル ) 4

5 前回までの復習 ( 研究の方法論 ) 1 質的研究の場合非構造化面接インフォーマルインタビュー半構造化面接半構造化インタビュー構造化面接標準化インタビュー柔軟性が高い面接の自由化柔軟性が低い面接の統一化 ( 現代の医学的研究方法, メティカルサイエンスインターナショナル ) 5

6 前回までの復習 ( 研究の方法論 ) 2 量的研究の場合 < 観察研究要因研究 > A(Exposure) B(Outcome) 原因結果エビデンスのレベルが低い < 介入研究 > I(Intervention) B(Outcome) 介入結果エビデンスのレベルが高い ( 医学的研究のデザイン, メティカルサイエンスインターナショナル ) 6

7 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 7

8 アウトプットするということアウトプットすることの意義人々の保健福祉の向上に, 直接的に役立てる! 他の新しい研究の発展に, 間接的に役立てる! 研究の参加者に対する義務を果たす! 研究を自己満足で終わらせない! 他の人々がそれを読み, 利用できるようにする! 自分の研究の意図や目的を明確に記述し, 研究から何が分かったのかを正確に読者に伝える必要性 8

9 アウトプットの形式学会発表と論文執筆 1 学会発表ポスター発表口頭発表シンポジウムラウンドテーブルなど 2 論文執筆 9

10 アウトプットする前に 1 投稿規程を読む学会発表や論文の投稿先がどのような内容の研究を求めているのか, どのような形式 ( 骨格 ) で書くように指示しているのか, を知る 2 ガイドラインを読む学会発表や論文の分野において, 自分が用いている研究デザインがどのような情報を報告する必要があるものなのか, を知る注意出版されている論文を真似して書かない! でたらめ多数! 10

11 アウトプットする前に 1 投稿規程をよむ! 11

12 アウトプットする前に 1 投稿規程をよむ! 12

13 アウトプットする前に 1 投稿規程をよむ! 13

14 アウトプットする前に 2 ガイドラインをよむ! ( 自分の用いた研究デザインは何か?) 研究で扱うデータの種類は? 質的量的研究対象の要因に操作 ( 介入 ) を加えるか? いいえはい質的研究量的観察研究量的介入研究 14

15 アウトプットする前に 2 ガイドラインをよむ! ENTREQ( 質的研究の報告ガイドライン ) 15

16 アウトプットする前に 2 ガイドラインをよむ! STROBE( 量的観察研究の報告ガイドライン ) 日本語翻訳版あり! 16

17 アウトプットする前に 2 ガイドラインをよむ! CONSORT( 量的介入研究の報告ガイドライン ) 日本語翻訳版あり! 17

18 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 18

19 アウトプットの基本的構成 IMRAD 序論 : Introduction (Background) 方法 : Methods 結果 : Results (And) 考察 : Discussion 発表する学会 / 投稿する論文により用語や形式が決められていることが多い 19

20 アウトプットの基本構成 1 序論研究を始めるに至った背景 ( 先行研究でわかっていること / いないこと, 本研究で明らかにしたいこと ) 2 方法実際に行った方法論 ( 対象やデザイン, 手続き ) 3 結果実際に得られた結果 ( 対象者の発言やデータ ) 4 考察本研究で得られた結果と先行研究の関連 ( 研究全体の結論, 今後の臨床や研究への活かし方, 本研究の限界 ) ( アクセプトされる英語医学論文を書こう, メシカルヒュー社 ) 20

21 アウトプットの基本構成 Introduction 総論 ( 全体 ) 各論 ( 自分の研究 ) Discussion 各論 ( 自分の研究 ) 総論 ( 全体 ) ( アクセプトされる英語医学論文を書こう, メシカルヒュー社 ) 21

22 タイトル (Title) タイトルは, 研究デザインの種類を含める例 ) 虚血性心疾患患者に対する心臓リハビリテーションの効果検証のためのランダム化比較試験終末期医療に携わる医療職の葛藤に関する質的研究がん患者の QOL に及ぼす要因横断研究を用いて (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A cross-sectional study. Head and Neck, Published Online, 2013) 22

and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with

23 抄録 (Abstract) 研究で実施されたことの十分な情報が含まれるバランス良く要約され, なるべく構造化抄録 ( 序論, 方法, 結果, 考察 / 結論 ) の形〇学会の場合は, 最初に抄録だけ提出構造が決まっている場合あり (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A cross-sectional study. Head and Neck, Published Online, 2013) 23

24 序論 (Introduction) 科学的な背景と論拠の説明 <コツ!> 最初に大きな枠組みを書く次に自分の研究に関連した重要な先行研究を述べる最後に先行研究の問題点を指摘する( 目的へ ) 例 ) 〇〇の死亡率は % 以上である / は ~~ など生活上の大きな負担が強いられるが死亡率の低減に関連すると言われてきた先行研究では ~ の関連が明らかにされていない 24

序論 (Introduction) 量的研究の場合特定の目的や仮説例 ) (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A

25 序論 (Introduction) 量的研究の場合特定の目的や仮説例 ) (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A cross-sectional study. Head and Neck, Published Online, 2013) 本研究の目的は, 〇〇疾患患者において, がにおよぼす影響性を検討することであった本研究においてはを対象とし, を受けることでの向上に効果があると仮説を立てそれを検討することを目的とした量的研究の目的には,PECO や PICO の要素を含める 25

26 序論 (Introduction) 質的研究の場合特定の目的や仮説質的研究は仮設生成を目的とした研究であるため仮説はない何を知るために研究がなされたのかというリサーチクエスションをそのまま記載例 ) 本研究の目的は, 〇〇疾患患者において,~~ に対する考え方の特徴にはどのようなものがあるのか検討することであった本研究においてはを対象とし,~~ の際にが抱える葛藤を明らかにすることが目的であった 26

27 方法 (Methods) 研究デザイン ( 横断 / 縦断 / 介入 ) 参加者 ( 適格基準, 選定方法, 場所, 期間 ) 例 ) 本研究のデザインは自己記入式アンケート調査を用いた横断研究デザインであった〇〇年月 ~ 月までの期間 ~~ 病院にて対象者をリクルートした対象者の基準は 1~~ なこと 2~~ なこと 3~~ なことの 3 点であり主治医により選出された 27

28 方法 (Methods) 量的 - 観察研究の場合研究に用いられた変数観察研究の場合は原因 (Exposure) と結果 (Outcome) の変数について具体的に収集したデータすべてを記載それぞれ節を設けて説明例 ) 年齢 ( 診療録より情報収集した本研究では 65 歳以上を高齢と定義し高齢者と中高年者の 2 群に分けて解析を行った ) うつ症状の自己評価(~を測定するために尺度を用いた尺度は項目下位因子で構成され 4 件法で回答を求めるものである本研究では ) 28

29 方法 (Methods) 量的 - 介入研究の場合研究に用いられた変数介入研究の場合は結果 (Outcome) の変数について観察研究と同様に記載介入研究の場合は介入手続き (Intervention) について別の節を設けて記載例 ) 最初に ~ と説明しその後 20 分間をするよう指示した日間薬 ~mg~ 錠を服用するよう指示した 29

30 方法 (Methods) 質的研究の場合研究に用いられた変数質的研究の場合は変数を作り出していく作業であるため言葉というデータを収集した手続きを詳細に記載例 ) グループディスカッション形式で分間自由に討論するよう指示し内容はすべて IC レコーダーを使って録音した終了後研究者が録音された情報から逐語録を作成し解析に使用したインタビューは 1 対 1 の構造化面接により行った質問項目は Appendix の通りである 30

31 方法 (Methods) 量的研究の場合研究のサンプルサイズと根拠バイアスの除去 ( 測定やランダム化の工夫 ) 応用編! 余裕があったら勉強してみよう! 31

32 方法 (Methods) 量的研究の場合解析手法データの整理の仕方( 欠損値の処理 ) 使用した統計解析の手法( 効果量 ~ 検定 ) 使用した統計解析ソフト(SPSS R ) (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A cross-sectional study. Head and Neck, Published Online, 2013) 32

33 方法 (Methods) 質的研究の場合解析手法言葉を統合していく時の理論的枠組み ( エスノグラフィー内容分析グランデッドセオリー ) とその具体的な手続き言葉の統合や分類に参加した人や職種言葉の統合や分類に用いた解析ソフト 33

34 方法 (Methods) 倫理的配慮臨床研究の場合対象者の人権が冒されない工夫としてどのようなことを行ったかを記載提出した倫理審査委員会の正式名称登録番号などを記載 34

35 結果 (Results) 参加者 ( フローチャート ) 例 ) 全対象者名研究参加者名同意が得られず欠損値あり / フォローできず介入群名最終分析対象者介入 : 名統制群名欠損値あり / フォローできず最終分析対象者統制 : 名 35

36 結果 (Results) 量的研究の場合記述的データ / ベースラインデータ例 ) n (%) または M±SD (Nutritional status, food intake, and dysphagia in long-term survivors with head and neck cancer treated with chemoradiotherapy: A cross-sectional study. Head and Neck, Published Online, 2013) (Depression in patients with Head and Neck cancer and a functional genetic polymorphism of the serotonin transporter gene. Head and Neck, 2012) 36

37 結果 (Results) 質的研究の場合記述的データ / ベースラインデータ例 ) 各ケースの背景を詳細に記載 ( Palliative care : a contradiction in terms? A qualitative study of cancer patients with a Turkish or Moroccan background, their relatives and care providers. BMC Palliative Care, 2010) 37

38 結果 (Results) 量的研究の場合主要な結果 ( アウトカムと推定 ) 効果量と信頼区間を必ず記載する (p 値を入れても可 ) 例 ) 効果量 :Odd ratios ( オッズ比 ) 信頼区間 :95%CI (95% 信頼区間 ) 予測因子 (Prevalence and associated factors of psychological distress among Korean cancer patients. General Hospital Psychiatry, 2011) 38

39 結果 (Results) 質的研究の場合主要な結果質的研究では理論的枠組み ( エスノグラフィー内容分析グランデッドセオリー ) によって結果の表記の仕方が異なってくる! たとえば KJ 法のようにまとまりごとに整理していく場合には表を記載することが推奨されるなど 39

40 結果 (Results) 量的研究の場合補助的解析 ( サブグループ解析感度分析 ) 応用編! 余裕があったら勉強してみよう! 40

41 考察 (Discussion) カギとなる結果本研究の限界と一般化可能性 ( 外的妥当性 ) 解釈 < コツ!> 最初に今回の結果から何が言えるかを述べるこの研究の対象者が想定していた母集団とどの程度ズレがあるのかを述べる最後に他の関連する先行研究に触れて全体の結論へ 41

42 その他資金源謝辞公の機関による資金を使用した場合資金提供機関研究費番号などを記載リークルートなどに協力を得た場合機関名や具体的な人物について記載 42

43 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 43

44 論文の体裁基本的には投稿規定を参考に例 ) 1. 序論 2. 方法 2-a 研究デザインと対象者 2-b 評価指標 2-c 統計的解析 3. 結果 3-a 対象者の選出 3-b ベースラインのデータ 3-c ~と~の関連の分析 4. 考察 5. 結論 44

45 学会発表の体裁基本的には投稿規定を参考にするが明確な規定がないことも多いイラストや無駄な情報は入れない! 例 ) 1. 背景と目的 2. 方法 3. 結果 4. 考察 5. 限界と一般化可能性 6. 結論 45

46 もくじ前回までの復習アウトプットの準備アウトプットの構成体裁を整える参考文献 46

47 参考文献 1 医学的研究のデザイン, メティカルサイエンスインターナショナル 2 現代の医学的研究方法, メティカルサイエンスインターナショナル 3 国際誌にアクセプトされる医学英語論文, メティカルサイエンスインターナショナル 4 アクセプトされる医学英語論文を書こう, メシカルヒュー社 5 日本人のための医学英語論文執筆ガイド, 医学書院 6APA 論文作成マニュアル第 2 版, 医学書院 47

172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集附録 H QUOROM から PRISMA へ従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質

172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質 ) 声明が利用されてきたこの声明は, メタ 111) アナリシス報告に関する 27 項目のチェックリストとフローチャートから構成されているものであるが,