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補足 : 妊娠 21 週までの分娩は 流産 と呼び 救命は不可能です 妊娠 22 週 36 週までの分娩は 早産 となりますが 特に妊娠 26 週まで の早産では 赤ちゃんの未熟性が強く 注意を要します 2. 診断 どうなったら TTTS か? (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊

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表面から腫れがわかりにくいため 診断がつくまでに大きくなっていたり 麻痺が出るまで気付かれなかったりすることも少なくありません したがって 痛みがずっと続く場合には要注意です 2. 診断診断にはレントゲン撮影がもっとも役立ちます 骨肉腫では 膝や肩の関節に近い部分の骨が虫に食べられたように壊されてい

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脳性麻痺 Seminar: Cerebral Palsy The Lancet, Vol 363,May15, 2004 西伊豆早朝カンファランス仲田 H19.5 Cerbral Palsy とは発達中 ( 子宮内 分娩中 生後 2 年以内 ) の中枢神経損傷による非進行性の姿勢や運動障害のことであり 特徴的症状は痙性 運動障害 筋力低下 失調 固縮などである 先進国ではかつては Rh 不適合による athetoid quadriparesis が CP の主な原因だったが現在は大変少ない NICU の発達 超低体重児ケアの進歩により CP の頻度は増えた 多胎 絨毛羊膜炎 母体感染 分娩前出血 4 時間以上の第 2 期分娩 未治療の高ビリルビン血症 胎児の無酸素状態や感染などで CP の危険は高まる 過去 50 年で CP の予後は大きく改善したが 重症四肢不全麻痺 水頭症 重症てんかん 重度知能低下がある場合 死亡率は高く寿命は短い CP 患者の50% は手引きなしで歩け 25% は歩行不能 30% は知能低下がある てんかんは35% 上肢の知覚障害 97% 水頭 9% 視力障害 20-40% 半身麻痺があると立体覚障害 (97%) 2 点識別障害 (90%) 深部感覚障害 (46%) が見られる 尿失禁は多く (23.5%) 特に四肢不全麻痺や知能低下のある小児 成人に見られる 1. 病態生理 CP は誕生前から生後 2 年以内での大脳運動皮質の永久的かつ非進行性の病変により起こる 病変自体は変化しないが症状は発育とともに変化する CP 児の運動能力は成長とともに改善するが改善率は正常児に比し遅い その病理は中枢神経の出血 機械的損傷 深部中枢神経や大脳皮質の低酸素などであるが はっきりした hypoxic event を指摘できるのは CP 患者の50% 以下である 側脳室周辺の白質は妊娠 26 週から34 週にかけて選択的脆弱性 (selective vulnerability) があり この時期での胎児への障害は Periventricular leukomalacia を起し痙性対麻痺 (spastic diplegia) となる また基底核も 38 週から40 週にかけて selective vulnerability がありジストニー (dystonia) などの運動障害を起す 痙性 (spasticity) は拘縮 疼痛 亜脱臼を起こす 錐体外路障害 ( 基底核障害または高ビ リルビン血症 ) では athetosis chorea, dystonia, rigidity を起す 半身麻痺 (hemiplegia) は満期出産の児に多く大抵 大脳半球の障害である 1

CP の分類は変形 異常による分類 (spastic, dyskinetic, ataxic, mixed) 異常の解剖的分布による分類 (hemiplegia, monoplegia, diplegia, quadriplegia), 中枢神経障害の位置による分類 (periventricular, brainstem, cortical, pyramidal, extrapyramidal) がある CP の運動障害では dystonia( 不随意の持続性筋収縮 ) athetosis( 持続性の長い不随意運動 ) chorea( 比較的速いなめらかな不随意運動 ) が多いが rigidity( 固縮 ) は稀である 2. 診断 痙性 (spasticity) が続くと関節周辺の筋肉の不均衡により筋腱が短縮 関節拘縮 骨変形 関節の脱臼または亜脱臼を起こす 最も一般的な上肢の姿勢変形は 肩内旋 内転 肘屈曲 前腕回内 手関節屈曲 手指屈曲 thumb in palm である 下肢は股関節屈曲 内転 膝屈曲 足関節内反尖足 踵骨外反 足趾屈曲である 異常歩行としては toe walking( 爪先立ち歩行 : 足関節内反尖足 ) crouched gait( 膝屈曲歩行 : 股関節屈曲 膝屈曲 ankle calcaneus), windblown pelvis( 片方の股関節が内転位拘縮し対側が外転位拘縮 ) in-toeing( 内股歩行 ) out-toeing( 外股歩行 ) flat foot( 偏平足 ) がある 脊椎変形は scoliosis, kyphosis, lordosis がある 2

3. 治療 spasticity に対しては色々な治療の組み合わせがある 例えばボツリヌス毒素を局所に筋注することにより経口筋弛緩剤の量を減らせる ボツリヌス毒素に理学療法や装具を併せて使うのも良い CP の spasticity に対する治療で合意されているのは 小児が 5 歳から6 歳に達するまでに治療して拘縮が起こらないようにすることである 3,4 歳以下の児ではめったに関節拘縮 骨変形は起さず理学療法 経口薬 ブロック 装具が有効である ボツリヌス毒素の反応も2 歳から6 歳が最も良い アキレス腱延長術は6 歳以上で最も成績が良く 股関節回転骨切りは8 歳が良い 手術後の児は急速な成長期に 手術成果を保つためにブロックやギプスなども必要である 電気刺激は randomized controlled study では痙性の治療に無効であったが筋力増強には役立つ 例えば腓腹筋に botulinum toxin A を注射し同時に前脛骨筋を電気刺激することにより成人の尖足歩行改善に役立つ 装具は立位 歩行を改善する 最もよく使われるのは ankle-foot orthosis である 側弯症はカーブが 40 度を越えると装具ではまず進行を抑えられないが positioning には役立つ 高圧酸素療法は CP には効果はない 4. 薬剤小児で痙性を抑えるのに baclofen( リオレサール ) tizanidine( テルネリン ) diazepam( セルシン ) などの経口薬剤はよく使われる 非経口的に使われるのは baclofen( リオレサール ) botulinum toxin, alcohol, phenol などである 硬膜内 baclofen 注入は痙性を抑えるに役立つ Baclofen pump を体内に入れ3ヶ月毎 薬液を補充 5-7 年毎にポンプを入れ替える Neuromuscular blockade/chemodenervation Botulinum toxin, alcohol, phenol を使用して痙性的な筋肉の選択的脱神経を行う Alcohol の効果は3ヶ月から6ヶ月 phenol は4から8ヶ月持続する Botulinum toxin A( ボトックス ) は筋注して脱神経を行い合併症も少なく容易であり CPに対しては 1988 年から使用されている Botulinum toxin A は局所的な痙性に baclofen( リオレサール ) 硬膜内注入と selective dorsal rhizotomy( 後根神経切除 ) はより広範な痙性に対して行われる (L2 から L5 の椎弓切除が必要 ) ボトックス (100U/A) は 1 筋肉あたり 2 から 6U/kg 最大 29U/kg を筋注する ( 日本国内ではボトックスの適応は1 眼瞼痙攣 2 片側顔面痙攣 3 痙性斜頚の三疾患である 用量は成書参照 ) 既に固定した拘縮に対しては禁忌である ( 効果がない ) 4. 手術 Selective dorsal rhizotomy( 選択的後根切除 ) は一時的な筋力低下を起すので装具併用や 3

長期の理学療法が必要である 適応となるのは知能正常 純粋な痙性 対麻痺 拘縮が完成していない 筋力がある 姿勢が安定しているような患者である 理想年齢ははっきりしないが 2 歳から4 歳あるいは6 歳から8 歳で行う術者もいる Athetosis, ataxia, rigidity, dystonia, 筋力低下がある時は適応にならない 1 回行うと不可逆的であるので注意が必要である 尖足に対するアキレス腱延長は 6.5 歳以上で行うと成績がよく再発も少ない 股関節亜脱臼はほっておくと脱臼 拘縮を起こしていくので 50% 以上の亜脱臼に対しては内転筋切腱術 腸腰筋腱切腱を行うと脱臼を予防できる 年長児では大腿骨や骨盤骨切り術が行われる Crouched gait( 膝屈曲歩行 ) は hamstring 延長などが行われる 側弯症は CP の 25% にあり四肢麻痺患者では 60 から 75% に達する CP の側弯症が 特発性側弯と異なるのは骨格の成長が終わっても側弯が進行することである 進行すると痛み 座位困難 心肺障害を起す 成長中の患者で側弯のカーブ (Cobb 角 ) が 40 度から 50 度 成長が終わった患者で 50 度を越える時は手術 (spinal instrumentation) の適応である 肘の屈曲拘縮に対しては上腕筋延長 二頭筋 Z 形成 肘関節包リリースなどが行われる まとめ 1.CP は誕生前から2 歳までの中枢神経損傷による姿勢 運動障害のこと 2. 重症四肢不全麻痺 水頭症 重症てんかん 重度知能低下あると寿命が短い 3. 妊娠 26 週から34 週で側脳室周辺白質の選択的脆弱性あり対麻痺起こす 4. 妊娠 38 週から40 週で基底核の選択的脆弱性あり dystonia 起こす 5. 痙性があると疼痛 拘縮 亜脱臼 脱臼を起こす 6. 痙性に対する治療は5,6 歳までに行い拘縮を予防する 7. 痙性にリオレサール テルネリン内服 ボツリヌス毒素筋注 硬膜内 baclofen 注入 8. 痙性に小児期に選択的後根神経切除が行われる 9.CP の側彎症は成長が終わっても進行する 4

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