Untitled

Similar documents
Untitled

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

H


1

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell in

第6号-2/8)最前線(大矢)

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1

ββ

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事


立命館21_松本先生.indd



立命館20_服部先生.indd




立命館16_坂下.indd



立命館人間科学研究No.10



立命館21_川端先生.indd

立命館14_前田.indd

立命館17_坂下.indd


立命館人間科学研究No.10


立命館19_椎原他.indd

立命館人間科学研究No.10

立命館19_徳田.indd


北海道体育学研究-本文-最終.indd

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

00_090906_責出.qxd

平成14年度研究報告

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

神経細胞での脂質ラフトを介した新たなシグナル伝達制御を発見

心房細動1章[ ].indd

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

論文の内容の要旨

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %


( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

研究成果報告書

子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ

平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授ら

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

ヒト胎盤における

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

Microsoft Word - 01.doc


様式)

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の要約

11.【最終版】プレスリリース修正  循環器内科泉家

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

<4D F736F F D BE391E58B4C8ED2834E C8CA48B8690AC89CA F88E490E690B62E646F63>

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

Pacing Rhythm NO.2

Microsoft Word - HP用.doc

研究成果報告書

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

Untitled


日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

第 90 回 MSGR トピック : 急性冠症候群 LDL-C Ezetimibe 発表者 : 山田亮太 ( 研修医 ) コメンテーター : 高橋宗一郎 ( 循環器内科 ) 文献 :Ezetimibe Added to Statin Theraphy after Acute Coronary Syn

cover

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

独立行政法人国立循環器病研究センターにおけるミニブタの使用状況 国立循環器病研究センター 動物実験管理室室長塩谷恭子 1. はじめに 独立行政法人国立循環器病研究センターの動物実験におけるミニブタとの関わりの歴史は 2000 年のジャパンファームクラウン研究所の設立時にさかのぼります 当時の研究者は

世界初! 細胞内の線維を切るハサミの機構を解明 この度 名古屋大学大学院理学研究科の成田哲博准教授らの研究グループは 大阪大学 東海学院大学 豊田理化学研究所との共同研究で 細胞内で最もメジャーな線維であるアクチン線維を切断 分解する機構をクライオ電子顕微鏡法注 1) による構造解析によって解明する

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

06. 【送付】プレスリリース原稿 LCZ696

Microsoft Word - 44-第4編頭紙.doc

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子


<31315F985F95B62D899C8CA98E8182D982A92E696E6464>

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

Untitled

スライド 1

スライド 1

図 : と の花粉管の先端 の花粉管は伸長途中で破裂してしまう 研究の背景 被子植物は花粉を介した有性生殖を行います めしべの柱頭に受粉した花粉は 柱頭から水や養分を吸収し 花粉管という細長い管状の構造を発芽 伸長させます 花粉管は花柱を通過し 伝達組織内を伸長し 胚珠からの誘導を受けて胚珠へ到達し

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63>

Transcription:

上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 166. 心筋保護作用における細胞膜特殊構造の新しい役割 堤保夫 Key words: カベオラ, カベオリン, 虚血再潅流障害, 心保護, ポストコンディショニング 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部麻酔 疼痛治療医学分野 緒言近年の食生活の欧米化, 人口の高齢化および生活習慣病の増加は, 本邦における心血管リスクを急激に増加させている. 虚血性心疾患やリスクを有する患者の心合併症発生予防とその治療は患者予後にとって重要な因子となっている. カベオラは細胞膜に存在する直径 50-100 nm 前後の陥凹であり, コレステロールやスフィンゴ脂質に富んだ膜ドメインと称され, 細胞膜のシグナル伝達, エンドサイトーシスなどの断片的な性質は明らかにされてきた. また, カベオリンはカベオラを構成する構成タンパクである. カベオリンは両末端が細胞質側に露出し脂質分子と結合しシグナル伝達に関与すると考えられる. 特にカベオリン骨格ドメインと呼ばれる部分は多くのシグナル伝達関連分子に結合するだけでなくそれらの機能制御にも関与すると考えられている. こうした背景の下, 著者らは吸入麻酔薬先行投与 ( プレコンディショニング ) によって細胞膜カベオラ数が増加し, カベオリンを介した心筋保護作用が活性化されることを突き止め 1-3), カベオリン-3 過剰発現マウスにおいては虚血再潅流障害に対し内因的心筋保護作用が存在することを明らかにした 4). さらに, オピオイド プレコンディショニングがカベオラに与える影響を報告している 5). これらの結果からカベオラ及びカベオリン-3 が心筋保護作用に重要な役割を担っていることが明らかとなった. 最近, 刺激を長期間虚血の後に加えた場合においても心保護作用が引き起こされることが報告され, ポストコンディショニングとして注目を浴びている. しかし, ポストコンディショニングにカベオラ及びカベオリンがどのように作用し, 心筋保護効果にどのように関与しているのかは明らかではない. 方法 結果および考察マウスの摘出心をランゲンドルフ酵素法にて潅流, 得られた遊離心室筋細胞をディッシュに接着させ, ポストコンディショニング刺激を加えた後, 組織固定. これらの細胞を電子顕微鏡を使用してその細胞表面を観察, カベオラの数を対照群と比較評価した. これにより, ポストコンディショニング刺激によって細胞膜のカベオラ数が増加することが明らかとなった ( 図 1). 1

図 1 電子顕微鏡を用いたカベオラの観察 ポストコンディショニング作用によって細胞膜カベオラの数は増加した 次に ポストコンディショニング後のカベオリン-3 の活性をイムノブロッティング法にて確認した 図2によると ポストコンディショ ニング刺激によりカベオリン-3 のタンパク発現が増加していることが明らかとなった 図 2 カベオリン-3 のタンパク活性 ポストコンディショニング刺激によるタンパク発現の変化 マウス in vitro 遊離心筋細胞を特殊チャンバーにて 2 時間低酸素状況 95%N2, 5%CO2 に暴露する その後 トリパンブ ルー染色し細胞数を数え 生きた細胞の割合を計算し 比較検討した この低酸素モデルにおいて心筋細胞生存率がポストコンディショニング刺激により上昇することを明らかにした 図3 さらに 同様のモデルにて sirna を用いカベオリン-3 ノックダウン細胞によりカベオラ カベオリン-3 のポストコンディショニング作用へ の関与を明らかにした 図3 2

図 3. 低酸素による細胞生存率の変化. 低酸素潅流実験においてポストコンディショニング刺激によって単一心筋細胞の生存率は 52 ± 9% から 70 ± 8% へと上昇する (*P<0.05). しかしながらカベオリン-3 をノックダウン (Cav-3 KD) することによって, この生存率の上昇は棄却された (46 ± 12%, #P<0.05). マウスの in vivo 虚血再潅流モデルを用いて対照群, ポストコンディショニング群において心筋梗塞サイズを測定比較した. マウスを人工呼吸下に開胸, 血行動態を測定しながら, 心臓冠動脈左前下行枝を 30 分間閉塞した後ポストコンディショニング刺激を行った.2 時間再潅流し, 再び冠動脈を閉塞,Evans Blue を注入し心臓を取り出す. その後, 心臓をスライスし, TTC にて再染色を行い心筋梗塞サイズを測定した. 同様の虚血再潅流実験をカベオリン-3 ノックアウトマウスで行い, カベオリン-3 のポストコンディショニング作用に対する影響を明らかにした ( 図 4). 3

図 4. 虚血再潅流実験における心筋梗塞サイズの比較. 冠動脈の虚血再潅流に対する心筋梗塞サイズは, ポストコンディショニングによって 44 ± 9% から 29 ± 3% へと減少した (*P<0.05). しかしながらこの心保護作用はカベオリン-3 のノックアウトマウスにおいては認められなかった (42 ± 5%, #P<0.05). これらの結果より, ポストコンディショニング作用における心筋保護作用にカベオラ及びカベオリンが重要な役割を演じることが明 らかとなった. また, 本研究を遂行中にカベオラおよびカベオリンが心肥大を介した心不全に関与していることが明らかになった ため 6), 現在はこれらの心肥大に対する役割について研究を行っている. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部麻酔 疼痛治療医学分野の大下修造, および田中克 哉である. 文献 1) Tsutsumi, Y. M., Patel, H. H., Head, B. P., Niesman, I. R., Jennings, M., Horikawa, Y., Huang, D., Moreno, A. L., Patel, P. M., Insel, P. A. & Roth, D. M. : Mechanisms of cardiac protection from ischemia/reperfusion injury: a role for caveolae and caveolin-1. FASEB J., 21 : 1565-1574, 2007. 2) Horikawa, Y. T., Patel, H. H., Tsutsumi, Y. M., Jennings, M. M., Kidd, M. W., Hagiwara, Y., Ishikawa, Y., Insel, P. A. & Roth, D. M. : Caveolin-3 expression and caveolae are required for isofluraneinduced cardiac protection from hypoxia and ischemia/reperfusion injury. J. Mol. Cell. Cardiol., 44 : 123-130, 2008. 3) Tsutsumi, Y. M., Kawaraguchi, Y., Horikawa, Y. T., Niesman, I. R., Kidd, M. W., Chin-Lee, B., Head, B. P., Patel, P. M., Roth, D. M. & Patel, H. H. : Role for caveolin-3 and glucose transporter 4 in isoflurane-induced delayed cardiac protection. Anesthesiology, 112 : 1136-1145, 2010. 4) Tsutsumi, Y. M., Horikawa, Y. T., Jennings, M. M., Kidd, M. W., Niesman, I. R., Yokoyama, U., Head, B. P., Hagiwara, Y., Isikawa, Y., Miyanohara, A., Patel, P. M., Insel, P. A., Patel, H. H. & Roth, D. M. : Cardiac-specific overexpression of caveolin-3 induces endogenous cardiac protection by mimicking ischemic preconditioning. Circulation, 118 : 1979-1988, 2008. 5) Tsutsumi, Y. M., Kawaraguchi, Y., Niesman, I. R., Patel, H. H. & Roth, D. M. : Opioid-induced preconditioning is dependent on caveolin-3 expression. Anesth. Analg., 111 : 1117-1121, 2010. 4

6) Horikawa, Y. T., Panneerselvam, M., Kawaraguchi, Y., Tsutsumi, Y. M., Ali, S. S., Balijepalli, R. C., Murray, F., Head, B. P., Niesman, I. R., Rieg, T., Vallon, V., Insel, P. A., Patel, H. H. & Roth, D. M. : Cardiac-specific overexpression of caveolin-3 attenuates cardiac hypertrophy and increases natriuretic peptide expression and signaling. J. Am. Coll. Cardiol., 57 : 2273-2283, 2011. 5