研究炉に関わる研究環境と課題

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第 2 日 放射性廃棄物処分と環境 A21 A22 A23 A24 A25 A26 放射性廃棄物処分と環境 A27 A28 A29 A30 バックエンド部会 第 38 回全体会議 休 憩 放射性廃棄物処分と環境 A31 A32 A33 A34 放射性廃棄物処分と環境 A35 A36 A37 A38

日程表 mcd

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A23 A24 A25 A26 A27 A28 A38 A39 燃料再処理 A40 A41 A42 A43 第 3 日 休 憩 総合講演 報告 3 日本型性能保証システム 燃料再処理 A29 A30 A31 A32 A33 A34 A35 燃料再処理 A36 A37 燃料再処理 A44 A45 A4

炉物理の研究第 70 号 (2018 年 4 月 ) 京都大学研究炉の運転再開について 京都大学複合原子力科学研究所 1 中島健 三澤毅 1. はじめに大学が保有する 3 基の研究炉 ( 近畿大学原子炉 UTR-KINKI( 最大熱出力 1W) 京都大学研究用原子炉 KUR( 最大熱出力 5,000

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資料2 京都大学原子炉実験所の研究炉(KUR, KUCA)について(京都大学 提供資料)

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資料 4 廃止措置施設における 保障措置について 2019 年 4 月 24 日 Copyright CHUBU Electric Power Co.,Inc. All Rights Reserved. 1

新旧対照表

会場 F 会場 (40 人 ) 日時北九州国際会議場 31 会議室 10:00 中性子源, 中性子工学 9 月27 日( 木 ) 12:00 13:00 14:30 17:00 F01~08 医療用原子炉 加速器 / 中性子源, 中性子工学 F09~13 中性子源, 中性子工学 F14~17 ~16

試験研究炉の状況について

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Isotope News 2017年4月号 No.750

( 裏 ) ( 注 )1 1 の欄は, 記入しないでください 2 核燃料等を取り扱う行為等 の欄は, 修正申告に係るものを で囲んでください 3 2 の欄は, 茨城県核燃料等取扱税条例付則第 4 条第 1 項の規定に該当する使用済燃料について記入してください 4 3 の欄は, 茨城県核燃料等取扱税条

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1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

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4. 現行の輸送容器の基準 (JISZ1601 に定めるドラム缶 ) とポータブルタンクの規 格 輸送規定の比較 容器容量 ドラム缶 (JISZ1601) 212~230L ( 概ね φ60cm 高さ 90cm) ポータブルタンク (T14) 規定なし 側壁厚さ 1.0~1.6mm 6mm 以上 最

Heat-Transfer Control Lab. Report No. 1, Ver. 4 (HTC Rep /04/13) 原子炉内が崩壊熱のみによって加熱されている場合に必要な水の投入量の推定 < 公表データに基づく福島第一原発の燃料データのまとめ > 東北大学流体科学研究

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高速炉開発会議第 13 回戦略 WG 資料 1 82O-OG-0058 高速炉の新たな可能性について 2018 年 10 月 17 日 株式会社日立製作所原子力ビジネスユニット日立 GE ニュークリア エナジー株式会社 Hitachi Ltd All rights reserved.

もんじゅ ふげん に関する国の取組 2018 年 11 月 23 日 文部科学省研究開発局もんじゅ ふげん廃止措置対策監明野吉成 本日の御説明内容 1. もんじゅ ふげん の廃止措置に係る国の取組 もんじゅ 廃止措置に係る国の取組について ふげん 廃止措置に係る国の取組について 2. 敦賀エリアを中

525 人 ( 県内避難者 8 万 4671 人, 県外避難者 4 万 5854 人 ) となっている 福島第一原発事故は, まさしく, 重大な人権侵害である (2) 福島第一原発事故前にも, 原子炉施設の設置許可においては 災害の防止上支障がないこと であることが要件とされてきた ( 平成 24

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2 G8 サミット オリンピック等を見据えたテロ対策 カウンターインテリジェンス等 官民一体となったテロに強い社会の実現 27 年 12 月 国際組織犯罪等 国際テロ対策推進本部 において パリにおける連続テロ事案等を受けたテロ対策の強化 加速化等について を決定した 2020 年東京オリンピック

藤沢市木造住宅簡易耐震改修工事補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は, 木造住宅の耐震改修工事を促進することにより, 災害に強い安全なまちづくりを推進するため, 藤沢市耐震改修促進計画に基づき, 簡易耐震改修工事のための補強設計及び簡易耐震改修工事並びに工事監理に要する費用に対する補助金

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豊中市ブロック塀等撤去補助金交付要綱 平成 30 年 8 月 10 日実施 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 本市の区域内に存する道路に面するブロック塀等の撤去を実施する者に対し 豊中市ブロック塀等撤去補助金 ( 以下 補助金 という ) を交付することについて必要な事項を定め もって地震等により

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上市町ペレットストーブ導入促進事業補助金交付要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 上市町補助金等交付規則 ( 平成 2 年上市町規則第 2 号 以下 規則 という ) 第 21 条の規定に基づき 上市町ペレットストーブ導入促進事業補助金 ( 以下 補助金 という ) の交付に関し必要な事項を定め

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MDSAP の調査結果の 試行的受入れについて ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 品質管理部 登録認証機関監督課 1

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スライド 1

Transcription:

補足説明資料 京都大学臨界集合体実験装置 (KUCA) で使用する高濃縮ウラン燃料の撤去について 平成 30 年 8 月 京都大学複合原子力科学研究所

京都大学研究用原子炉 :KUR (Kyoto University Research Reactor) タンク型の軽水冷却軽水減速熱中性子炉 ( 最大熱出力 :5,000kW) 濃縮度約 20% の MTR 型燃料を使用 一般研究 材料照射 放射性同位元素生産 開発研究および教育訓練を目的とした研究用原子炉 全国大学の共同利用研究施設として 年間 200 件程度の共同利用研究を実施 原子力発電所の約 600 分の 1 程度 昭和 39(1964) 年 6 月 25 日に初臨界 同年 8 月 17 日に 1,000kW 達成 昭和 43(1968) 年 7 月 16 日に 5,000kW 達成 ( 出力アップ ) 平成 22(2010) 年 5 月に低濃縮ウラン炉心へ移行 KUR の炉心 ( 運転時 ) 1

京都大学臨界集合体実験装置 : KUCA ( Kyoto University Critical Assembly ) 初臨界 : 昭和 49(1974) 年 8 月 最大熱出力 :100W( 通常 1W 以下で運転 ) 複数架台 ( 炉心 ) 方式 軽水減速架台 (C 架台 ) 固体減速架台 (A 架台 B 架台 ) ( 減速材 : ポリエチレン 黒鉛など ) D-T 加速器を併設 (14MeV 中性子源 ) 国内で唯一大学が所有する臨界実験装置 KUCA 本体平面図 軽水減速炉心 固体減速炉心 2

高濃縮ウランと低濃縮ウランについて ウランには 核分裂しやすいウラン -235 と核分裂しにくいウラン -238 の二つの種類 ( 同位体 ) があり ウラン全体に対するウラン -235 の割合 を 濃縮度 といいます この濃縮度 ( ウラン -235 の割合 ) が 20% 未満のものを 低濃縮ウラン 20% 以上のものを 高濃縮ウラン と呼んでいます 原子力発電所の燃料は 5% 未満 高濃縮ウランは 天然ウランに比べると 盗取された場合に 核兵器の原材料に流用されやすいというセキュリティ上の懸念があります 原子炉の安全性や放射能 放射線安全という点では 低濃縮ウラン燃料と高濃縮ウラン燃料との違いはありません KURでも以前は高濃縮ウラン燃料を使用していましたが 平成 19(2007) 年までにすべての高濃縮ウランの使用済燃料を撤去し 平成 22(2010) 年 5 月から低濃縮ウラン燃料による運転を開始しています 3

KUCA の高濃縮ウラン燃料の撤去及び低濃縮化 1 核セキュリティ サミットにて決定 ( 平成 28(2016) 年 4 月 : 日米合意 ) KUCA で使用する高濃縮ウラン燃料の米国への撤去 KUCA の低濃縮化 ( 低濃縮ウラン燃料による運転へ変更 ) ( リーフレット 1 ページ参照 ) 当研究所としては日米合意の内容を着実に実施していきたい旨を一昨年 ( 平成 28(2016) 年 ) の熊取町及び泉佐野市原子力問題対策協議会と大阪府原子炉問題審議会で報告 KUCA の低濃縮化の状況 高濃縮ウラン燃料の撤去にあたり KUCA の低濃縮化が必要 低濃縮化のためには 国への原子炉設置変更承認申請 安全審査 燃料製造 輸送等で 約 4 年程度の期間を要すると見込まれる 国への 原子炉設置変更承認申請 については 昨年の熊取町及び泉佐野市原子力問題対策協議会と大阪府原子炉問題審議会で了承 現在 申請関係書類を準備中 今年度上半期中には申請予定 4

KUCA の高濃縮ウラン燃料の撤去及び低濃縮化 2 高濃縮ウラン燃料の撤去に向けて 平成 28(2016) 年 4 月の日米合意以降 日米政府関係機関にて実施に向けた方針や輸送開始時期等の協議を実施 併せて 国内の関係省庁間 ( 文部科学省 外務省 原子力規制庁 国土交通省 警察庁 海上保安庁 ) においても輸送に向けた諸課題等の検討を実施 日米政府関係機関の協議の中で 昨年秋頃から米国が 2021 年度末までにすべての燃料の撤去を完了するよう要請 米国からの要請を受け 撤去にあたっては核物質防護等の関係法令上様々な制約があることを踏まえ 当研究所では国内の関係省庁や輸送業者等とともに 輸送回数 輸送手段 陸上輸送 海上輸送のセキュリティ要件などを勘案し 様々な輸送オプションを検討 平成 31(2019) 年度から 2021 年度の 3 年間で年間複数回の輸送を実施し すべての燃料の撤去を完了することを日米間で合意 5

KUCA の高濃縮ウラン燃料の撤去及び低濃縮化 3 今後の輸送計画 平成 31(2019) 年度の夏頃からの輸送開始を目標に 積出港の利用に向けた調整 輸送時の警備体制に係る規制当局 治安当局等との連携 その他輸送に伴う諸手続きを進めたいと考えています 米国へ安全に輸送するために KUCA の高濃縮ウラン燃料は 手で直接取り扱うことができるほど放射線が低いという特徴があります ( リーフレット 2 ページ参照 ) 高濃縮ウラン燃料は 原子力規制委員会等が定めた安全基準に沿った厳しい試験に合格した キャスク と呼ばれる専用の輸送容器で米国まで運びます ( リーフレット 2 ページ参照 ) 米国までの輸送は 各々国土交通大臣の承認を受けた専用車両 ( トレーラー ) 及び難沈構造の輸送船で行います ( リーフレット 3 ページ参照 ) 高濃縮ウラン燃料の撤去に係る輸送の安全性等に関しては 熊取町及び泉佐野市原子力問題対策協議会での協議 大阪府原子炉問題審議会での審議が必要 6

京都大学臨界集合体実験装置 (KUCA) の燃料変更に係る全体スケジュール 30.8.10 平成 29(2017) 年度平成 30(2018) 年度平成 31(2019) 年度 2020 年度 2021 年度 4-6 月 7-9 月 10-12 月 1-3 月 4-6 月 7-9 月 10-12 月 1-3 月 4-6 月 7-9 月 10-12 月 1-3 月 4-6 月 7-9 月 10-12 月 1-3 月 4-6 月 7-9 月 10-12 月 1-3 月 [ 高濃縮ウラン燃料による運転期間 ] [ 低濃縮ウラン燃料による運転期間 ] KUCA の運転計画 運転再開 ( 新規制基準対応 ) 低濃縮燃料による運転開始 [ 日米政府関係機関での協議 輸送オプションの検討等 ] [ 輸送に向けた関係各所との調整 諸手続き等 ] [ 米国への高濃縮ウラン燃料の輸送実施期間 ] 高濃縮ウラン燃料の撤去 輸送計画の日米合意 平成 31(2019) 年度からの輸送開始について * 熊取町及び泉佐野市原子力問題対策協議会での協議 了承 * 大阪府原子炉問題審議会での審議 平成 31(2019) 年度から輸送開始 年間複数回の輸送を実施 2021 年度末までにすべての高濃縮ウラン燃料の撤去を完了 熊取町 泉佐野市 貝塚市には安全協定に基づく燃料運搬の事前 事後の報告 熊取町及び泉佐野市原子力問題対策協議会 大阪府原子炉問題審議会にて輸送実施状況を毎年報告 KUCA 燃料の低濃縮化 原子炉設置変更承認申請等 ( 準備 ) [ 国 ( 原子力規制委員会 ) による安全審査期間 ] 承認予定 原子炉設置変更承認申請( 予定 ) 高濃縮ウラン燃料の撤去時期に併せて 年度予算計画に沿って 複数回に分けて新しい燃料を搬入 各燃料搬入ごとに使用前検査を実施 2022 年度に 5 回目の燃料搬入を予定 燃料製造 使用前検査等 原子炉設置変更承認申請について * 熊取町 泉佐野市 貝塚市との安全協定に基づく協議 了承 * 大阪府原子炉問題審議会での審議 了承 燃料製造諸手続きの準備開始 燃料製造開始 1 回目燃料搬入 2 回目燃料搬入 3 回目燃料搬入 4 回目燃料搬入 7