Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

区分


平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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居宅介護支援事業者向け説明会

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

平成20年度春の家居宅介護支援事業所事業計画

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

第 2 章垂水市地域包括ケアシステムの概要 1 垂水市の地域包括ケアシステムの考え方地域包括ケアシステムとは 高齢者等に関わる様々な人や社会資源が 地域の中でつながりを持って高齢者等の生活を支える仕組みです 高齢者については 介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう 医

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

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計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

01 【北海道】

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事業内容

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

地域包括ケアシステムの構築に向けた取組み 平成 30 年 3 月 30 日 ( 金 ) 厚生労働省老健局振興課

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

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三鷹市健康福祉総合計画2022

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

地域総合支援協議会

65歳~74歳 介護認定率(平成22年度)

第3章 指導・監査等の実施

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千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

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住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ

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1. 地域ケア会議の定義, 法的な位置づけ狛江市 ( 以下 市 ) では, 多様な生活課題を抱えている高齢者が, 地域で安心して自分らしく生活できる環境づくりを進めるため, 介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) 等への個別支援や関係機関 団体等の連携体制の構築を通じて, 介護支援専門員等が包括的か

第3節 重点的な取り組み

地域包括ケアシステム


地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

6 児童福祉法の改正 24 年 4 月には 障害者自立支援法と児童福祉法に分かれていた障がい児 の支援体制を一元化する改正がなされ 市町村が支給決定する障がい児通所支援 と都道府県が支給決定する障がい児入所支援が創設されました 7 障害者虐待防止法の施行 24 年 10 月には 障害者虐待の防止 養

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

別紙2

平成 20 年 9 月 29 日 平成 21 年度介護報酬改定に向けた提言 社会福祉法人東京都社会福祉協議会 はじめに センター部会長代行今裕司 東京都社会福祉協議会センター部会は 東京都内の地域包括支援センター 在宅介護支援センター デイサービスセンターの 664 箇所が加入している団体です 平成

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福祉用具貸与 介護予防福祉用具貸与 心身機能が低下した高齢者に 日常生活の自立を助ける用具をレンタルします 自 宅 に 住 ん で 自 宅 で 受 け る サ ー ビ ス ( 生活環境を整える ) 貸与品目 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 車いす ( 付

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

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改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

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事務連絡

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

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サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要 バリアフリー化や居住者への生活支援の実施等の基準を満たす住宅について都道府県等が登録を実施 サービス付き高齢者向け住宅の登録制度は 高齢者の居住の安定確保に関する法律 ( 高齢者住まい法 ) の改正により 平成 23 年 10 月に創設 料金やサービス内容

( 別紙 ) 地域ケア会議 に関する Q&A 問 1 今般 地域ケア会議 を通知に位置づけた背景は何か 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年へ向けて 高齢者が尊厳を保ちながら 住み慣れた地域で自立した生活をおくることができるよう 国は 医療 介護 予防 住まい及び生活支援サービスが 日常生

平成29年度 障害者白書(PDF版)

4 小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能型居宅介護 通い を中心として 利用者の様態や希望などに応じ 随時 訪問 や 泊まり を組み合わせてサービスを提供することにより 在宅生活の継続を支援するサービスです 介護予防小規模対機能型居宅介護は 介護予防を目的とした小規模多機能型居宅介護で 要支

平成 28 年 2 月以降に認定更新等により要支援認定を受けた方が介護予防訪問介護 介護予防通所介護を利用される場合 これまでの予防給付サービスから総合事業のサービスに変わります 要支援者の認定有効期間は現在最長 12か月ですので 大川市は平成 28 年 2 月から1 年かけて移行します 更新の場合

議案第3号

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)


北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

Transcription:

各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地域や自宅で生活し続けることを望んでいることが分かります 一方 高齢者が地域において安心して日常生活を営むことができるようにするためには 高齢者やその家族の相談を受け適切な機関につなぐ体制の整備 要介護状態等になるおそれのある高齢者への連続的かつ一貫性を持った予防給付対象サービスと介護予防事業の提供 要介護高齢者への保健医療サービス 福祉サービス等の組み合わせによる支援等を実施していく必要があります このように 高齢者の健康状態に応じて 地域において 医療 介護その他の関係機関が緊密に連携し 包括的な支援を実施していく仕組みが必要です 各市町村に設置された地域包括支援センターは 地域住民や関係機関等によって構成されるネットワークを構築し それを活用しながら包括的 継続的に高齢者の生活を支える中核機関として位置付けられています しかし 地域包括支援センターは 介護予防支援業務の負担が大きく 地域包括ケアシステムの構築に十分取り組めないところも見られます 施策の方向 地域包括支援センターが担うべき機能が十分発揮できるよう 職員に対する専門的な研修の実施や適切な助言を行い 地域における包括的 継続的マネジメントの支援 総合相談 支援 介護予防マネジメント機能の強化を図ります 地域住民や関係機関によるネットワークの構築及び運営が円滑に行われるよう 引き続き関係機関との連携強化に努めます 41

地域包括支援センターの概要 高齢者が住み慣れた地域で 安心してその人らしい生活を継続することができるようにするためには 個々の高齢者のニーズや状態の変化に応じて 介護サービスをはじめ様々なサービスが切れ目なく提供される必要があります 地域包括支援センターは こうした 地域包括ケア の実現に向け 高齢者の生活を支える役割を果たす中核機関として 相談からサービス調整に至る機能をひとつの機関で発揮する いわばワンストップサービスの拠点と位置づけられています 地域包括支援センターのイメージ 高齢者 総合相談 支援 虐待防止 早期発見 権利擁護 多面的 ( 制度横断的 ) 支援の展開 行政機関 保健所 医療機関 児童相談所など必要なサービスにつなぐ 虐待防止 介護サービス ボランティア 医療サービスヘルスサービス成年後見制度 長期継続ケアマネジメント 包括的 継続的マネジメント 日常的個別指導 支援困難事例等への指導 助言 地域での介護支援専門員のネットワークの構築 多職種協働 連携の実現 主治医 ケアチーム連携 介護支援専門員 支援 主任介護支援専門員 センターの運営支援 評価 地域資源のネットワーク化 社会福祉士 地域包括支援センター 保健師等 中立性の確保 人材確保支援 介護相談員 マネジメント 地域権利擁護 介護予防ケアマネジメント アセスメントの実施 プラン ( 支援計画 ) 作成 予防事業等の実施 再アセスメント 居宅介護支援事業所へ委託する場合もあり 民生委員 主治医 介護予防事業 予防サービス 介護保険サービスの関係者 地域医師会 介護支援専門員等の職能団体 地域包括支援センター運営協議会 権利擁護 相談を担う関係者 利用者 被保険者 ( 老人クラブ等 ) NPO 等の地域サービスの関係者 市町村ごとに設置 ( 市町村が事務局 ) 包括的支援事業の円滑実施及びセンターの中立性 公平性の確保の観点から 地域の実情を踏まえ構成員を選定する 地域包括支援センターには 原則として 保健師 社会福祉士 主任介護支援専門員 の3 種の専門職が配置され それぞれの専門性を生かし 相互に連携 協働してチームとして業務を行います ( チームアプローチ ) 地域包括支援センターは 総合性 包括性 継続性 という 3つの視点を持ち 以下の基本機能を担います (1) 包括的支援業務 1 介護予防ケアマネジメント業務要介護状態になることをできる限り予防するために 本人ができることはできる限り本人が行うことを基本として 利用者の主体的な活動と参加意欲を高めることを目指して 二次予防事業対象者 ( 介護予防事業 ) 要支援者( 介護予防サービス ) の双方を対象に 具体的な日常生活上の目標を明確にし セルフケアや 42

地域の公的サービス 介護保険サービスを適切に利用する計画を作成 達成状況を評価し必要に応じて計画の見直しを行います 介護予防事業 介護予防サービスいずれにおいても 個々の高齢者の自立支援 が基本理念であり 一貫 継続したケアマネジメントを行うこととしています 2 総合相談支援業務地域の高齢者の実態把握を行い 地域から支援を必要とする高齢者を見いだし 相談につなげるとともに 適切な支援 継続的な見守りを行い 更なる問題の発生を防止するために 地域における様々なネットワークを構築します 個々の高齢者がどのような支援を必要としているかを把握し 地域における適切なサービス 関係機関や制度の利用につなげる等の支援を行います 3 権利擁護業務独居の認知症高齢者等 世帯内に適切な意思決定をできる人がいない場合や 高齢者虐待 リフォーム詐欺等他者からの権利侵害が疑われる場合などに 高齢者の人権や財産を守る成年後見制度や 社会福祉協議会が行う日常生活自立支援事業の活用などを支援します 4 包括的 継続的ケアマネジメント業務地域住民や関係機関等によって構成される人的ネットワーク ( 地域包括支援ネットワーク ) を活用しながら 介護支援専門員 主治医をはじめ 地域のさまざまな関係者が連携 協働することで 保健 医療 福祉その他の生活支援サービスなどを含め 地域における様々な資源を活用し ( 包括的 ) とぎれることなく ( 継続的 ) 施設 在宅を問わず地域における生活を支援します 具体的には 種々のネットワーク構築や 医療機関を含めた関係機関との連携 協働体制の構築 地域の介護支援専門員支援などがあります (2) 介護予防支援業務介護予防支援事業所としての指定を受けて 介護保険における予防給付の対象となる要支援者が 介護予防サービスの適切な利用等をすることができるよう 介護予防サービス計画を作成します 地域包括支援センターの責任主体は市町村であり 市町村が地域包括支援センターを活用しながら地域包括ケアを実現することになります そのため 市町村は 地域住民や関係機関からなる 地域包括支援センター運営協議会 を設置し センターの公正 中立性を確保するなど 地域包括支援センターの運営を支援します 43

2 介護と医療等の連携強化 現状 課題 (1) 介護サービスにおける連携 高齢者が要介護状態等となった場合 介護給付等対象サービスを中心に様々な保健医療サービス及び福祉サービスを組み合わせながら 地域における日常生活の継続を支援する体制を整備することが必要となります 重度の要介護高齢者の在宅生活を支えるためには 日中 夜間を通じて 訪問介護と訪問看護が密接に連携する必要があります このため 訪問介護と訪問看護が短時間の定期巡回型訪問と随時の対応を行う 定期巡回 随時対応サービス が創設されました また 看護と介護サービスの一体的な提供により医療ニーズの高い要介護者への支援の充実を図る観点から 小規模多機能型居宅介護と訪問看護の複数のサービスが一つの事業所から提供される 複合型サービス が創設されました 加えて 平成 23 年の介護保険法等の一部改正により 介護福祉士や一定の研修を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施が平成 24 年度から可能となりました 施設入所者の介護度が重度化している状況の中 たんの吸引や経管栄養が必要となる要介護者の入所が妨げられないように たんの吸引等を実施できる介護職員等の養成について進めて行く必要があります 要介護高齢者等が退院した場合には 在宅での生活支援が円滑に行われるように配慮する必要があります このためには 医療機関と介護支援専門員等の間の情報共有が行われ ケアプランに適切に反映されることが求められています (2) 認知症高齢者にかかる連携 認知症高齢者については 早い時期に認知症の診断を受けることによって 本人と介護者の生活の質を高め 家族の介護負担の軽減や適切な介護サービスの提供が可能となるとともに 介護者が認知症の症状に気付き 適切な情報提供をすることにより 認知症の早期発見につながることにもなります また 施設に入所されている認知症高齢者が入退院する場合においても 医療と介護との連携が必要です 本県では 平成 18 年度からかかりつけ医に対して 適切な認知症診断の知識 技術や家族からの話や悩みを聞く姿勢を習得するための研修を実施し もの忘れ相談医 として公表しています 認知症診療を行っている専門の医療機関を調査し 認知症に関する相談先一覧 として 公表していますが さらに 県民や関係機関に広く周知するとともに 随時 内容の見直し等により活用しやすい情報を提供していく必要があります 認知症の悪化防止の観点からは 認知症症状だけでなく 身体合併症が悪化した場合の適切な医療の提供が求められています 44

平成 22 年度から平成 23 年度まで 医療と介護の連携強化に向け 関係機関が抱えている課題を共有し 今後の対応策を検討することを目的とした検討会を開催しました その中で 医療や介護の社会資源には地域差があるため 専門機関に関する情報提供の方法や連携ツール 連携方法等について検討がなされました 施策の方向 (1) 介護サービスにおける連携 24 時間対応の定期巡回 随時対応サービスが適切に提供されるよう 市町村での適切な整備について技術的な助言を行います 複合型サービスにより医療及び介護のニーズに応じた柔軟なサービスが円滑に提供されるよう 市町村での適切な整備について技術的な助言を行います 介護福祉士や介護職員等がたんの吸引等を実施する条件となっている研修を開催し たんの吸引等を実施可能である介護職員等を養成するほか 事業者登録を行うなど 体制整備を推進します 入院医療から退院後の在宅復帰が円滑にできるよう 医療機関と居宅サービス事業所との情報共有が行える体制整備を促進します (2) 認知症高齢者にかかる連携 認知症を早期に発見し 早期の適切な対応を推進するため もの忘れ相談医 や認知症専門医療機関 認知症の相談窓口等の情報を定期的に調査し 内容を更新のうえ 県民や関係機関等に対して周知します 地域におけるかかりつけ医同士の連携や 専門医療機関との連携のあり方等について 検討会の内容を公表 周知するとともに 効果的な取組に関する情報を提供するなどして それぞれの機関を有効に活用できるよう努めます もの忘れ相談医 や医療機関等の連携強化を図るための研修等を行い 認知症の早期発見 早期対応の体制整備を推進します 45

各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 2 節 相談 支援体制の充実 1 県における相談 支援体制 現状 課題 (1) 県介護実習 普及センター 高齢者が地域において安心して日常生活を営むことができるようにするためには 高齢者やその家族に生活上の様々な不安が生じた場合に 相談を受け 適切な機関につなぐ等の対応を行う体制を整備することが必要です 県介護実習 普及センターでは 福祉機器展示室を開設し 多様な福祉用具の展示を行うとともに 相談員を配置し 相談等に対応しています 市町村及び地域包括支援センター等で対応できない高度で複雑な福祉用具の活用及び住宅改修についての相談に対応するため 福祉用具 住宅改修に関し専門的な知識を有する者を登録し 地域や相談者の自宅等へ派遣しています 県民介護講座を開催し 県民一般の介護に関する基礎的な知識や技術の普及を推進しています 指導者として必要な知識 技術の習得に重点をおいた研修を実施し 地域福祉の中核として指導的役割を担える人材の養成を推進しています 高齢化が急速に進んでいることから 福祉用具及び住宅改修に関する相談体制の整備や 介護知識や介護技術の普及により介護家族の負担の軽減を図っていく必要があるため 今後とも相談体制の強化 研修内容を充実していくとともに 県介護実習 普及センターの利用促進のため PRしていく必要があります (2) 県高齢者総合相談センター 県高齢者総合相談センターは 高齢者やその家族が抱える法律 医療 年金など様々な心配ごと 悩みごと等に対する相談に応じていますが 年々 相談内容が高度化 専門化する傾向にあります 同センターが県北地域に位置しているため 他の地域からの相談件数が相対的に尐ないことから 市町村への相談員の派遣による巡回相談会等を通して 県内すべての地域の高齢者に対して相談サービスを提供できるようにする必要があります (3) 認知症コールセンター 高齢者の増加に伴い 認知症高齢者も増加しています 認知症高齢者が在宅での生活を継続していくには 本人や本人を支える家族の心身の健 康を保つことが重要となるため 平成 22 年度から認知症コールセンターを開設しています 認知症介護の経験者が相談員となり 経験を生かした対応をしています 46

症状への対応 介護における悩みだけでなく 認知症に関する相談は多岐にわたります 相談できずに抱え込んでしまう場合もあり 相談員の対応力強化が必要です 広報に努めていますが 引き続き 認知症コールセンターについて 広く県民に周知していく必要があります 施策の方向 (1) 県介護実習 普及センター 福祉用具の展示に加え 用具選定や住宅改修に関する相談に応じるとともに 関係機関の協力を得て 福祉用具及び住宅改修について相談できる者を登録し 出張相談等を行えるよう相談体制の整備 強化を推進します また 障がい者の方の住宅改修についても相談体制の整備 強化を推進します 研修等を通じて 県民一般へ介護に関する基礎的な知識や技術を普及していくとともに 地域福祉の中核となる指導的役割を担える人材の養成を推進します (2) 県高齢者総合相談センター 高齢者からの相談内容が高度化 専門化する傾向にあるため 相談員に対する研修の充 実に努めるとともに 県内全地域の高齢者に対する相談に応じるため 市町村に相談員を 派遣して実施する巡回相談会等の充実に努めます (3) 認知症コールセンター 認知症コールセンターについて 市町村や関係団体と連携をとりながら 引き続き県民 へ周知します 幅広い相談に適切に対応できるよう相談員の資質向上に努めます 市町村 地域包括支援センター 47

2 市町村における相談 支援体制 現状 課題 (1) 地域包括支援センター 地域包括支援センターは 平成 18 年 4 月の介護保険制度改正により 地域の高齢者ケアの中核的拠点として創設されました 平成 23 年 10 月現在 県内には 112 か所 ( 直営 16 か所 委託 96 か所 ) が設置されています 地域包括支援センターでは 介護保険制度のほか 様々な制度や地域資源を利用した総合的な相談 支援を行っています (2) 在宅介護支援センター 平成 23 年 6 月現在 県内には 72 か所が設置されています 在宅介護支援センターは 在宅介護等に関する総合的な相談に応じ ニーズに即した各種サービスが受けられるよう 行政機関やサービス実施機関 居宅介護支援事業所などとの調整を図る役割を担っていますが 地域包括支援センターを設置している市町村では 廃止するところもあり 設置数は減尐しています (3) 市町村保健センター 市町村保健センターは 地域住民に対し 健康相談 保健指導 健康教育 自主的な保健活動の場の提供などを目的として設置された施設で 平成 23 年 6 月現在 県内に 70 か所 ( 健康管理センターを含む ) が設置されています 施策の方向 (1) 地域包括支援センター 地域包括支援センターにおける相談 支援活動を支援するため 研修等により従事職員の資質向上を図ります 地域住民や関係機関によるネットワークの構築等が推進されるよう コーディネート機関としての機能強化を図るため 研修会を開催するなど 職員の資質向上を図ります また 関係機関の出席する会議等を活用し 情報を提供するなどして 関係機関との連携強化を支援します (2) 在宅介護支援センター 地域包括支援センターとの役割分担や相互の連携 協力を図りながら 地域の高齢者やその介護者等からの相談に応じ 必要な助言を行う機関として機能するよう 市町村に対して助言を行います 48

本来の在宅介護支援センターの業務を踏まえ 市町村等の意向を確認のうえ 地域包括 支援センターとの連携や役割分担を図ります (3) 市町村保健センター 地域における生活習慣病などの予防や健康づくりの拠点としての活用が図られるよう 市町村に対して助言を行います 3 その他の関係機関等 現状 課題 (1) 社会福祉協議会 市町村社会福祉協議会は 地域住民の生活課題の解決に向けて 様々な相談に応じるとともに 住民のニーズを捉えた福祉サービスの提供や ボランティア等の住民参加の促進など多様な地域福祉活動を展開しています しかしながら 介護保険制度の導入など福祉サービスの充実が進む中 尐子高齢化や単身世帯の増加等で 公的な福祉サービスでは対応できない課題は多様化しています また 東日本大震災により応急仮設住宅等での生活を余儀なくされている被災者への生活相談支援など新たな課題が生じており 今後は その課題に対応するため 地域住民の支え合いによる体制を構築するなどの重要な役割を一層積極的に展開していく必要があります 県社会福祉協議会は 県内の地域福祉推進のため 企画や調査 啓発 生活福祉資金の貸付 経営指導 研修等の事業を実施しています 今後は この機能をさらに充実させていくとともに 地域福祉を推進する中核的な機関として 地域福祉活動の担い手である市町村社会福祉協議会の活動を積極的に支援していく必要があります 認知症や知的 精神障がい等により判断能力が十分でなく 日常生活を営むのに不安がある方が地域の中で自立した生活を送れるよう 日常生活自立支援事業を実施し 福祉サービス利用のための手続き 日常的な金銭管理及び書類等の預かりを援助しています 今後 さらなる高齢化の進展や障がい者の地域生活移行促進 東日本大震災と原発事故による避難生活の長期化等に起因すると考えられる要介護認定者の増加等に伴い 日常生活自立支援事業に対するニーズがますます高まると考えられるため 事業の充実を促進する必要があります (2) 民生委員 児童委員 民生委員 児童委員は 地域において援助を必要とする住民の様々な相談に応じるとともに 必要な援助を住民の立場に立って 幅広く行っています 最近では 孤独死 対策や高齢者や児童への 虐待 防止 さらには災害時の要援護者支援などに力を入れるなどの一翼を担うなど活動の場を広げています こうした活動を通して 地域住民のニーズを早期に発見し 行政や関係機関との連絡 調整を行うなど その役割は一層大きくなっています 49

今後も 地域において住民の立場に立った相談 援助を行うことが期待されているため 活動に必要な知識や技術の習得を円滑に行えるよう 研修会や情報提供を充実させる必要 があります 施策の方向 (1) 社会福祉協議会 市町村社会福祉協議会の事業展開への指導的役割を果たす県社会福祉協議会の活動が効果的に実施されるよう支援するとともに 東日本大震災による新たな課題に対応できるよう県社会福祉協議会及び市町村社会福祉協議会との連携を強化します 県社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業については 今後も引き続き事業の周知徹底を図るとともに 援助を必要とする方が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう 成年後見制度等の他制度との連携強化など適切な運用に向けて支援します (2) 民生委員 児童委員 多様化 複雑化する住民ニーズに対応するため 民生委員 児童委員に対する研修の充実に努め 活動の活性化を図るとともに 援助を必要とする住民への適切な助言や福祉サービスの情報提供が行えるよう 関係機関との連携を図ります 50

各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 3 節 地域リハビリテーションの推進 現状 課題 リハビリテーションとは 単に失われた心身機能の回復を図るだけでなく 本人の持つ潜在的な能力を引き出して行動変容を促し 家庭や社会への参加を可能にすることにより 生きがいのある生活を送れるよう支援するものです 現在 リハビリテーションは 医療保険 介護保険 市町村事業等により様々な形態で実施されていますが 高齢者や障がい者が家庭や地域社会において自立した生活を送るためには 地域の中で高齢者等の様々な状況に応じたリハビリテーションが適切に実施される必要があります 地域において保健 医療 福祉等の関係者やボランティア等の住民がリハビリテーションの立場から行う全ての活動を 地域リハビリテーション といいます 本県では平成 12 年度から地域リハビリテーション支援体制の整備に取り組み 平成 21 年 3 月に策定した 福島県地域リハビリテーション連携指針 2009 を基に推進しています 本県では 平成 24 年 1 月 1 日現在 県地域リハビリテーション支援センター ( 県支援センター ) を 1 か所 地域リハビリテーション広域支援センター ( 広域支援センター ) を 8 か所指定しており そのほか 広域支援センターの協力機関として 相談支援活動を担う 地域リハビリテーション相談支援センター を 44 カ所指定し 地域リハビリテーション支援体制の充実に取り組んでいます また 居宅を訪問してのリハビリテーションの普及を図るため 理学療法士 作業療法士等を配置して訪問によるリハビリテーションを実施している訪問看護ステーションを 訪問リハビリ ステーション に指定しています 施策の方向 本県の地域リハビリテーション支援体制が上記の連携指針に沿って整備されたことから この体制を維持 活用して関係機関相互の連携を強化し 地域における高齢者等の様々な 状況に応じたリハビリテーションの実施を促進します 51

住民 リハビリ実施機関等 救急医療施設 病院 診療所 介護療養型医療施設 介護老人保健施設 訪問看護ステーション 訪問リハビリ ステーション 特別養護老人ホーム 身体障害者更生援護施設 居宅介護支援事業者等 保健所 保健福祉事務所 関係機関との連絡調整 関連事業の推進 市町村 健康増進事業 地域支援事業の実施 保健部門 福祉部門 介護保険部門の連携 地域包括支援センター 住民からの相談対応 住民組織患者の会家族の会ボランティアグループ老人クラブ等 地域リハビリテーション相談センター 地域のリハビリ実施機関の支援 1 地域住民の相談への対応に係る支援 2 福祉用具 住宅改修等の相談への対応に係る支援 ( テクノエイド ) 地域リハビリテーション広域支援センター 1 地域のリハビリ実施機関の支援 1 地域住民の相談への対応に係る支援 2 福祉用具 住宅改修等の相談への対応に係る支援 ( テクノエイド ) 2 リハビリ施設の共同利用 3 地域のリハビリ施設等における従事者への援助 研修 1 施設に出向いて行うリハビリ従事者への援助 2 リハビリ従事者に対する研修 4 地域レベルの連絡協議会の設置運営 福島県地域リハビリテーション支援センター 1 地域リハビリテーション広域支援センターの支援 2 リハビリ資源の調査 研究 3 関係団体との連絡調整 福島県地域リハビリテーション協議会 1 連携指針の作成 2 都道府県リハビリテーション支援センターの指定に係る調整 協議 3 地域リハビリテーション広域支援センターの指定に係る調整 協議 4 地域リハビリテーション相談センターの指定に係る調整 協議 5 訪問リハビリ ステーションの指定に係る調整 協議 52