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茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告第 13 号 31 41. 2005 31 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 駒形智幸 EfectsoftheSeedingTimeandGrowingTemperaturesonGrowthand thefloweringtimeofbeddingplants TomoyukiKOMAGATA Summary Chrysanthemumpaludosumcv.NorthPole,Chrysanthemummulticaule,Belisperenniscv.EarlyPomPom Net, Catharanthusroseuscv.CoolerGrape,Zinniaelegans Z.angustifoliacv.ProfusionOrange,Petuniahybridacv. BakaraRoseandToreniafourniericv.CycloneRosePicotywereseededmonthly.About30daysafterseeding, theplantsweretransplantedinto9cm diameterpots,andweregrowninplasticgreenhouseswiththreediferent growingtemperatures(nonheated,heatedtoa5 minimum temperature(novembertoapril)andheatedtoa minimum temperature(novembertoapril).theexperimentalresultsclarifiedtherelationbetweenseeding timeorgrowingtemperaturesandgrowthorthefloweringtime,andfundamentaldataforintentionalproduction ofbeddingplantswereobtained. キーワード : 花壇苗, 播種時期, 栽培温度, クリサンセマム, デージー, ニチニチソウ, ジニア, ペチュニア, トレニア Ⅰ. 緒言花壇用苗物の生産は, ガーデニングブームなどにより順調に増加してきた 全国の花壇用苗物の作付け面積はここ 2~3 年間はほぼ横ばいであるが,2003 年には 1,741ha の作付けがあり, この 年間で 2.4 倍の伸びを示している 本県での作付け面積は 62.7ha で全国第 7 位に位置しており, その重要性を増してきている 一方, 花壇苗の流通は市場半分, 市場外半分といわれているが, 市場流通が主導的役割を果たしており, 市場への無計画な出荷が多くなると市場価格の下落を招く (3) このような事態を避けるには, 産地における作付け品目や出荷予定数量, 出荷予定時期などの生産情報を, あらかじめ市場などに伝えておくことが重要である また, 小売の大規模化や卸売市場法の改正による相対取引の増加等により, 指定された出荷時期に合わせて生産するケースが増えており, 今後はより 一層計画的な生産を求められるようになると考えられる 生産に当たってはまず出荷時期を決め, そこからさかのぼって播種時期を決定するが, 播種から開花までの期間は温度等によって大きく異なるため, 播種時期ごとに栽培温度と開花時期との関係を知っておく必要がある そこで, 本試験では計画的な生産の基礎資料を得ることを目的に, 数種の花壇苗について播種時期と栽培温度が生育ならびに開花時期に及ぼす影響について検討した Ⅱ. 材料および方法クリサンセマム パルドーサム ノースポール (Chrysanthemumpaludosumcv.NorthPole), クリサンセマム ムルチコーレ (Chrysanthemummulticaule), デージー アーリーポンポンネット (Belisperennis cv.earlypompom Net), ニチニチソウ クーラーグレープ (Catharanthusroseuscv.CoolerGrape), ジ

32 ニア プロフュージョンオレンジ (Zinniaelegans Z. angustifoliacv.profusionorange), ペチュニア バカラローズ (Petuniahybridacv.BakaraRose), トレニア サイクロンローズピコティ (Toreniafournieri cv.cyclonerosepicoty) を供試した 毎月上旬に播種し, 約 1ヶ月間育苗後に鉢上をして生育, 開花状況を調査した 鉢上げ後 5 月 ~ 月はのビニルハウス下で栽培し,9 月 ~ 3 月に播種したものについて,11 月から 4 月の期間,5 加温, 加温と, 加温温度の異なる 3つのビニルハウス下で栽培した 播種は 288 穴セルトレイ, 鉢上げは 3 号ポリ鉢に行った 鉢上げ用土は赤土 2: 未調整ピートモス 2: パーライト 1を混合し, 用土 1l 当たり重焼リン, 過リン酸石灰およびようりんを 2g ずつ, 肥効調節型肥料 ( リニアタイプ, 肥効期間 70 日 ) を 3g, 苦土石灰をピートモス1l 当たり6g 加えたものを使用した セル育苗はガラス室内で行い, 月下旬から 5 月初旬にかけて最低 16 を目標に加温を行った なお, 播種はクリサンセマム パルドーサム ノースポール, クリサンセマム ムルチコーレ, デージー アーリーポンポンネット, ニチニチソウ クーラーグレープ は 2001 年度および2002 年度に, ジニア プロフュージョンオレンジ, ペチュニア バカラローズ, トレニア サイクロンローズピコティ は 2002 年および 2003 年のそれぞれ 2カ年に渡って行った 試験には 1 区当たり 18 鉢を供試し, 開花日 ( 第 1 花が咲いた日 ), 到花日数 ( 播種日から開花日までの日数 ), 開花時の, 他を調査した Ⅲ. 結果および考察 1. 気象条件およびハウス内気温表 1に 2001 年度から 2003 年度の月別平均気温, 最低極温ならびに日照時間を示した 2001 年は 7 月の平均気温が平年より2 高く, 日照時間は平年の 162% となり, 高温, 多日照の気象条件であった 2003 年は 7 月の平均気温が 4.2 低く, 日照時間が平年の 2% となり, 冷涼寡日照の気象条件であった 月最低極温は,2002 年の 月から 1 月にかけて低い傾向がみられた 2002 年の 1 月下旬から 2 月初旬の各ハウスの最低気温は, 区では 5 以下,5 区では 3, 区では 9 程度まで低下しており ( 図 1), 厳寒期の加温区では設定温度をやや下回る状態が継続していたと推測された 1 月下旬から 4 月中旬の各栽培ハウス内の平均気温は,4 月以降あまり大きな差がみられなくなった ( 図 2) 表 1 2001 年度 ~ 2003 年度の月別平均気温, 最低極温ならびに日照時間 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 平均気温 ( ) 2001 12.7 17.2 20.8 26.2 23.9 20.5 8.7 3.6 3.8 2002 1 17.0 19.0 25.4 25.8 21.0 16.4 8.3 3.8 2.6 5.8 2003 12.3 20.5 20.2 23.8 21.4 14.7 11.8 2.2 4.7 6.3 平年 12.1 16.7 19.9 2 25.3 21.6 9.9 4.1 2.7 6.8 月最低極温 ( ) 2001 3.7 3.7.4 17.5 15.7 4.2 0.9 6.8 6.6 2002 0.8 5.0.7 17.7 9.5 0.7.7 8.1 7.5 2003 1.3 15.5 17.5 4.0 1.8 7.2 7.5 7.6 日照時間 (h) 2001 213.8 150.2 85.4 23 7.0 120.0 170.7 176.6 18 193.8 156.8 182.7 2002 15 144.0 4.5 131.9 202.0 131.9 181.7 147.2 148.1 198.7 157.3 186.4 2003 158.9 133.8 8 38.2 115.7 159.9 143.7 9.0 169.9 19 191.5 16 平年 174.0 155.1 2.6 144.1 149.3 123.2 14 152.1 178.7 186.1 179.5 175.9

駒形智幸 : 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 33 図 1 各栽培温度における冬季の気温の推移 (2002 年 ) 図 2 各栽培温度における冬季から春季の平均気温の推移 (2002 年 ) 2. 花壇苗の生育, 開花状況 1) クリサンセマム パルドーサム ノースポール 生育, 開花状況を表 2に示した 播種時期別の最短到花日数は,4 月 ~ 6 月播種では 53~61 日,7 月および 8 月播種では 日および 79 日,9 月 ~ 3 月播種では 70~91 日 ( 加温 ) となり, 播種から開花まではおおむね 3ヶ月以内であった 到花日数は 6 月播種で 53 日と最も短く,11 月播種ので 130 日と最も長くなった 4 月 ~ 8 月播種ではが 20cm 前後となり, 徒長気味の生育となった 草姿は短日期には横張型, 長日期には立性気味を示すとされ (2), が大きくなりやすい 3 月 ~ 8 月播種では何らかの徒長対策が必要と考えられた 4 月 ~ 7 月播種では花径が 3cm 未満と小さくなった 月 ~1 月に播種してで栽培した場合,2002 年度はし,9 月播種では凍害による障害がみられ品質が著しく低下した 本種 は露地で越冬する程度の耐寒性を保つが,5~6 以下の低温が長期間続く地帯での越冬は困難である (2) 当所は, 冬季には最低気温が 近くにまで低下するため, 本栽培方式によるでの良品生産は困難であると考えられた 5 に加温すれば問題なく生産が可能であることから,9 月 ~ 1 月播種では 5 以上で加温栽培することが望ましい 一般的な出荷期は 月 ~ 5 月であるが (2), 本試験の結果を用い, 開花日から栽培温度と播種日の組み合わせをたどることにより, 出荷日に応じた播種時期ならびに栽培温度を決定できる 2) クリサンセマム ムルチコーレ生育, 開花状況を表 3に示した. 播種時期別の最短到花日数は,4 月 ~ 6 月播種では 53~64 日,7 月播種は 日,8 月播種は 0 日,9 月 ~ 12 月播種は 1 ~122 日 ( 加温 ),1 月 ~ 3 月播種は 82~90 日

34 表 2 播種時期および栽培温度がクリサンセマム パルドーサム ノースポール の生育, 開花に及ぼす影響 播種日鉢上日 4/4 5/8 8/6 4/29 6/9 6/29 8/2 9/1 栽培温度 開花日 ( ) 6/4 7/3 7/29 9/16 /24 12/1 到花日数 ( 日 ) 61 57 53 79 86 20.0 20.6 18.5 20.8 19.6 13.7 15.8 1 1 14.0 18.1 18.7 側枝数 ( 本 ) 5.6 6.7 6.8 6.6 4.9 花径 9/6 /6 5 12/5 91 13.9 16.8 5.6 11/28 2/ 83 127 13.2 11.0 /6 11/9 5 2/1 118 11.5 16.9 8.4 3.6 1/4 3/18 90 130.4.4 15.0 13.7 11/8 12/12 5 3/7 119 11.2 17.4 9.6 2/7 3/30 91 114 9.7 12.5 14.7 12/6 1/8 5 3/20 4 1 15.4 8.7 3.6 3/4 4/7 88 90.6 11.8 1 14.1 1/7 1/31 5 4/5 88 12.5 15.5 8.3 3/25 4/27 77 80 15.1 1 2/6 3/3 5 4/21 74 14.2 15.3 8.0 4/17 5/13 70 69 12.8 14.7 3/5 3/31 5 5/14 70 16.7 14.9 8.0 5/ 2001 年度播種と 2002 年度播種の平均 66 16.0 13.9 6.4 5.9 6.9 8.5 7.6 7.2 7.1 8.9 8.6 2.7 2.2 2.7 3.2 2.8 3.6 3.6 3.6 障害発生等徒長徒長花径小花径小品質悪 ( 加温 ) であった 到花日数は 6 月播種で 53 日と最も短く, 月播種ので 147 日と最も長かった 本種はパルドーサム種より長日性が強いと考えられており (2), 本試験の結果でも,8 月 ~ 3 月播種の最短到花日数は, パルドーサム種に比べて長くなった 4 月 ~ 7 月播種では蕾数が 5 個未満と少なくなり,5 月 ~ 7 月播種では花弁の展開不良がみられた 9 月 ~ 2 月に播種して栽培した場合,2002 年度はした 本種は温暖な気候を好み, 高温や多湿には弱く, 耐寒性もパルドーサム種ほど強くない (2) 9 月 ~ 2 月 播種のではの危険が高いことから,5 以上で加温栽培することが望ましい 一般的な出荷期は 2 月 ~ 5 月であり (2), 本試験の結果から出荷日に応じた播種時期ならびに栽培温度を決定できる 3) デージー アーリーポンポンネット 生育, 開花状況を表 4に示した 播種時期別の最短到花日数は,4 月 ~ 6 月播種では 62~67 日,7 月 ~ 8 月播種では 80 日程度,9 月 ~ 1 月播種では 90~112 日 ( 加温 ),2 月播種 ( 加温 ) および 3 月播種 ( ) はいずれも 80 日程度であった 到花日数は

駒形智幸 : 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 35 表 3 播種時期および栽培温度がクリサンセマム ムルチコーレの生育, 開花に及ぼす影響 播種日鉢上日栽培温度開花日到花日数 ( ) ( 日 ) 4/4 5/8 8/6 4/29 6/3 7/3 8/2 9/5 6/7 7/9 7/29 9/15 11/14 1/26 64 62 53 0 142 1 15.1 15.7.6 葉高 5.2 6.2 7.0 7.0 4.9 15.5 1 1 15.2 1 9.7 蕾数 4.2 6.9 花径 9/6 /6 5 1/24 140 8.9 1 12.0 1/6 3/2 122 147 7.1 9.5 3.9 14.9 12.3 9.9 /6 11/9 5 2/24 141.8 5.3 15.7 9.4 1/30 3/21 116 134.3 5.0 15.1 13.7 11/7 12/12 5 3/17 130.3 4.9 16.9 3.2 2/23 3/30 8 114 8.3 1 11.9 12/6 1/8 5 3/29 113 12.6 5.2 1 9.5 3/17 4/11 1 95 9.7 1 5.3 1 15.3 8.4 9.6 8.4 1/6 2/1 5 4/13 97 1 5.3 15.9 12.5 4/6 5/1 90 84 11.0 11.6 14.5 12.8 11.0 2/6 3/6 5 5/3 86 1 5.3 17.3 11.0 3.6 4/30 5/28 83 84 13.9 13.9 5.4 14.2 7.8 11.5 3/5 4/5 5 5/28 84 14.7 5.2 14.9 6.4 5/26 2001 年度播種と 2002 年度播種の平均 82 13.7 5.0 5.0 14.5 6.8 7.4 2.4 2.1 3.7 3.2 3.2 障害発生等花弁展開不良花弁展開不良花弁展開不良 2002 年度半数 6 月播種で 62 日と最も短く, 月播種ので 138 日と最も長かった 4 月 ~ 7 月播種ではが cm 前後とやや徒長し,6 月播種では奇形花や不開花がみられた 9 月 ~ 12 月播種では葉枯れやが多発した 寒さには比較的強いが,5 以下の温度や強い霜では葉先が傷むため (7),9 月 ~ 12 月播種では 5 以上で加温栽培することが望ましい 一般的な出荷期は 11 月 ~ 4 月であり (7), 本試験の結果から出荷日に応じた播種時期ならびに栽培温度を決定できる 4) ニチニチソウ クーラーグレープ 生育, 開花状況を表 5に示した 播種時期別の最短到花日数は,4 月 ~ 8 月播種では 59~84 日,9 月 ~ 11 月播種では 173~190 日 ( 加温 ),12 月播種および 1 月 ~ 2 月播種ではそれぞれ 146 日および 8~ 125 日 ( 加温 ),3 月播種では 3ヶ月程度 ( ) であった 到花日数は 7 月播種で 59 日と最も短く, 月播種の 5 区で 223 日と最も長かった 9 月 ~ 1 月に播種してで栽培した場合 ( 月播種では 5 区も ) はし, 月および 11 月播種では 加

36 表 4 播種時期および栽培温度がデージー アーリーポンポンネット の生育, 開花に及ぼす影響 播種日鉢上日栽培温度開花日到花日数 ( ) ( 日 ) 4/4 5/8 8/6 4/29 6/3 7/2 7/31 9/5 6/9 7/12 8/7 9/22 /24 12/18 67 65 62 78 80 4.7.1 9.5 11.7 5.7 葉高 5.7 5.8 5.2 6.4 5.8 14.2 15.2 11.4 15.9 16.4 11.9 蕾数 3.0 1.0 1.4 4.7 3.8 花径 2.8 9/6 /6 5 12/23 8 7.2 4.1 1 5.2 12/13 2/21 99 138 7.1 4.2 1 /6 11/8 5 2/20 137 7.6 12.2 8.6 1/26 3/20 112 133 7.2 6.3 3.0 12.5 11/7 12/12 5 3/21 134 7.5 12.5 8.6 2/25 3/29 1 113 7.0 6.2 4.7 6.1 9.2 13.2 12/6 1/8 5 3/30 114 7.5 4.5 7.8 3.2 3/16 4/24 0 8 7.0 6.1 4.5 3.6 11.9 1/6 2/4 5 4/15 99 4.7 12.0 7.7 3.0 4/6 5/7 90 90 7.0 4.5 9.5 11.6.6 2/6 3/6 5 5/2 85 6.8 13.0 3.8 4/28 5/25 81 81 6.6 7.4 4.1 4.9 12.8 12.1 3/5 4/5 5 5/24 80 7.5 4.2 12.8 2.7 5/22 2001 年度播種と 2002 年度播種の平均 78 8.0 7.5 4.5 12.4 8.9 7.5 6.6 6.4 6.3 6.1 4.0 2.4 2.1 2.7 2.8 3.2 2.8 3.0 2.7 2.8 障害発生等花径小奇形花, 不開花花径小葉枯れ大葉枯れ大多発多発 温区でも生育に障害が発生した ニチニチソウの生育適温は 20~26 で, 栽培には最低 18 を保つ必要があるとされている (6) 本試験では が加温の最高温度であり, ニチニチソウの生育にとってはかなり低い気温であった 冬季の加温温度を 18 程度に設定したうえで播種時期との生育, 開花について再検討する必要がある 出荷は暖地向けには 3 月から始まり, 9 月頃まで続く (6) 4 月以前に出荷するためには栽培温度を変えて再検討が必要であるが,5 月 ~ 月出荷については本試験の結果から, 出荷日に応じた播種時 期ならびに栽培温度を決定できる 5) ジニア プロフュージョンオレンジ 生育, 開花状況を表 6に示した 播種時期別の最短到花日数は 1 月 ~ 3 月播種では 69~81 日 ( 加温 ), 4 月 ~ 8 月播種は 55~ 日,9 月 ~ 12 月播種は 77~ 91 日 ( 加温 ) となり, 播種後 2~3 ヶ月程度で開花に至った 到花日数は 7 月播種で 55 日と最も短く, 12 月播種 ( 加温 ) で 91 日と最も長かった 7 月および 8 月播種ではが高く, 徒長気味の生育となった 9 月 ~12 月播種および 1 月播種のと5

駒形智幸 : 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 37 播種日 4/4 5/8 8/6 表 5 播種時期および栽培温度がニチニチソウ クーラーグレープ の生育, 開花に及ぼす影響 鉢上日 5/3 6/ 7/3 8/2 9/1 栽培温度 ( ) 開花日 6/27 7/22 8/5 9/3 /17 到花日数 ( 日 ) 84 75 60 59 16.0 16.9 20.3 16.7 17.1 15.7 16.4 17.0 16.0 17.8 9/6 /6 5 4/11 217 9.9.6 2/26 173.0 11.6 障害発生等 /6 11/9 5 5/16 222 6.3.3 4/14 190 7.5 11.5 生育悪 11/7 12/25 5 6/7 212 13.0 14.2 生育極端に悪 5/3 177 9.4 12.4 12/6 1/28 5 5/24 169 11.1 14.2 5/1 146.6 1 1/6 2/28 5 5/21 134.8 1 5/11 6/1 125 115 12.6 12.2 14.9 13.9 2/6 3/15 5 5/29 112 13.2 1 5/25 8 93 1 15.0 1 3/5 4/11 5 6/7 94 15.0 15.0 2001 年度播種と 2002 年度播種の平均 6/5 92 1 葉縁黄化 加温,2 月播種のでは, や著しい生育不良などにより営利生産が困難であると考えられた 9 月 ~ 12 月播種の 加温は, ボリューム不足のため品質が悪かった ジニアの生育適温は昼間 25~30, 夜間 20 であり, 高温強日射を好む また, 相対的短日植物であるため, 短日下では開花は早まるが栄養成長が劣り, 十分なボリュームを得られない (4) このため, 栽培温度をより高く設定するとともに, 短日期には電照によるボリューム確保等の検討が必要であると考えられた 一般的な出荷期は 4 月下旬 ~ 月上旬 であり (4), 本試験の結果から出荷日に応じた播種時期ならびに栽培温度を決定できる 6) ペチュニア バカラローズ 生育, 開花状況を表 7に示した 播種時期別の最短到花日数は 1 月,2 月,3 月播種ではそれぞれ 87,, 65 日 ( 加温 ) となり,2 月および 3 月播種では栽培温度による差はほとんどなかった 4 月 ~ 6 月および8 月播種では50~56 日,7 月播種ではで41 日, 9 月 ~ 12 月播種では 89~129 日 ( 加温 ) であった 到花日数は 7 月播種で 41 日と最も短く, 月播

38 表 6 播種時期および栽培温度がジニア プロフュージョンオレンジ の生育, 開花に及ぼす影響 播種日鉢上日 栽培温度 開花日 ( ) 到花日数 ( 日 ) 蕾数 花径 障害発生等 1/6 2/1 5 生育悪 3/28 81 14.5 2/6 3/6 5 4/25 79 14.9 16.1 9.8 4/16 5/15 70 1 13.0 15.9 12.4 3/5 4/3 5 5/14 71 14.5 14.1 6.8 5.3 4/5 5/7 6/5 7/5 8/5 5/9 6/30 7/26 8/29 5/12 6/16 7/11 8/3 8/29 /7 69 66 59 55 63 1 14.9 15.1 21.1 18.0 18.7 17.7 18.2 20.1 18.5 8.5 9.2 7.3 9.4 9.8 7.8 8.9 5.6 12.2 5.4 5.8 5.7 5.9 5.9 5.7 2003 年度 2003 年度 9/6 /7 5 11/26 81 1.4 8.5 ボリューム不足 11/22 77 17.0 12.6 8.0 4.7 ボリューム不足 /7 11/5 5 1/2 87 14.0 7.1 3.9 ボリューム不足 11/6 12/8 5 1/3 2/2 88.8 7.7 5.0 4.0 ボリューム不足 12/7 1/7 5 生育悪 2002 年播種と 2003 年播種の平均 3/7 91 14.0 1 8.9 ボリューム不足 種の 5 加温で 151 日と最も長かった ペチュニアは相対的長日植物であり, 高温長日下で良く開花し, 逆に低温短日下では開花までの期間が長くなる (1) 本試験でも, 生育期間が高温長日期にあたる 4 月 ~ 8 月播種では 2ヶ月以内に開花し, 低温短日期にあたる 9 月 ~ 12 月播種では, 加温で開花まで 3ヶ月 ~ 4ヶ月を要した 短日期の到花日数を小さくするためには長日処理が有効と考えられ, 今後検討すべき課題である 生育は 5 月 ~ 8 月播種ではやや徒長し, 花径は小さくなった 9 月 ~ 12 月播種では, ではし, 5 加温でも下葉の黄化やが多発し, 品質は良くなかった ペチュニアは半耐寒性の多年草で, 生育適温は 15~25 である (1) 比較的低温にも耐え,12 月播種では 加温で下位葉の黄化がみられたものの, 程度に加温すれば冬季でも生産が可能であると考えられる 一般的な出荷期は 3 月 ~ 月上旬頃であり (1), 本試験の結果から出荷日に応じた播種時期ならびに栽培温度を決定できる 7) トレニア サイクロンローズピコティ 生育, 開花状況を表 8に示した 播種時期別の最短

駒形智幸 : 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 39 表 7 播種時期および栽培温度がペチュニア バカラローズ の生育, 開花に及ぼす影響 播種日鉢上日栽培温度開花日到花日数 ( ) ( 日 ) 4/19 2 8.4 葉高 4.0 11.0 蕾数 花径 7.6 1/7 2/12 5 4/15 98 9.8 4.7 14.5 18.2 8.1 4/4 4/23 87 76 8.3 4.0 3.8 13.0 11.7 1 2/6 3/6 5 4/25 78 9.7 5.2 15.5 8.1 4/19 5/ 66 8.4 4.1 4.1 12.1 1 16.1 11.7 3/5 4/8 5 5/11 67 9.7 14.1.5 7.5 4/5 5/7 7/5 8/5 5/5 7/29 8/29 5/9 5/31 6/30 7/29 8/15 9/24 65 56 54 53 41 50 8.6 9.5 11.1.4.2 4.1 7.3 7.2 5.9 5.9 13.2 15.8 17.8 16.1 17.3 11.8 14.7 12.3 1 8.9 1 9/6 /9 5 12/16 1 14.1 7.5 12/4 89 15.0 6.6 7.8 7.8 7.7 7.8 7.6 7.7 6.8 6.4 6.8 7.6 障害発生等 ボリュームやや小 少し徒長 少し徒長 少し徒長 /7 11/12 5 3/6 151 8.9 4.7 1 16.8 7.7 下葉黄化 2/13 129 8.7 14.7 11.7 11/5 12/8 5 3/19 135 14.2 20.8 8.1 下位葉枯 3/2 118 4.2 1 12/8 1/11 5 3/29 112 8.6 4.0 13.0 19.3 8.0 下葉枯 3/17 2002 年播種と 2003 年播種の平均 0 8.5 3.8 12.8 16.0 8.0 8.1 8.2 下葉黄化少 到花日数は 1 月,2 月,3 月播種では 加温でそれぞれ 114,2,85 日 ( 加温 ),4 月 ~ 8 月播種では 64~74 日であった 到花日数は 7 月播種で 64 日と最も短く,1 月播種の 5 加温で 126 日と最も長くなった 9 月以降 1 月までの播種期では, に加温してもや生育不良が発生した 5 月 ~ 8 月播種ではが高くなり, 特に 6~7 月播種では 20cm 以上となるため, 何らかの徒長防止対策が必要である トレニアは東南アジア原産の非耐寒性 1 年草で, 出荷期は 5 月上旬 ~ 9 月が一般的である (5) 本試験では 1 月に播 種し, 鉢上げ後 で栽培すると 4 月 30 日に開花したが生育不良であり, 品質に問題があった 12 月 8 日に播種し,15 で栽培すると順調に生育し,3 月 15 日に開花したことを確認しており,1 月上旬に播種して 15 で栽培すれば 4 月中旬頃に開花すると予想されることから,5 月上旬出荷のためには1 月播種,15 加温で管理する必要があると考えられる 5 月中旬以降の出荷は, 本試験の結果を参考にすれば容易に出荷時期に合わせて播種時期を決定できる

40 播種日 表 8 播種時期および栽培温度がトレニア サイクロンロースピコティ の生育, 開花に及ぼす影響 鉢上日 栽培温度 ( ) 開花日 到花日数 ( 日 ) 障害発生等 1/7 2/25 5 5/12 126.4 12.3 生育不良 4/30 5/26 114 1 9.9 9.8 11.4 13.0 生育不良 やや生育不良 2/6 3/9 5 5/20 4 11.9 やや生育不良 5/18 6/2 2 89 12.4 13.9 15.3 3/5 4/11 5 5/31 87 14.2 17.1 4/5 5/7 6/5 7/5 8/5 5/9 6/8 7/31 8/29 5/29 6/18 7/15 8/11 9/7 /14 85 74 69 67 64 70 13.8 15.0 16.9 20.8 27.2 19.3 17.3 17.6 18.9 20.3 21.5 20.7 9/6 /9 5 12/25 1 8.2.0 生育不良 /6 11/11 5 生育不良著 11/5 12/25 5 生育不良著 生育不良著 12/8 1/16 5 生育不良著 2002 年播種と 2003 年播種の平均 生育不良著 Ⅳ. 摘要クリサンセマム パルドーサム ノースポール (Chrysanthemumpaludosumcv.NorthPole), クリサンセマム ムルチコーレ (Chrysanthemummulticaule), デージー アーリーポンポンネット (Belisperennis cv.earlypompom net), ニチニチソウ クーラーグレープ (Catharanthusroseuscv.Coolergrape), ジニア プロフュージョンオレンジ (Zinniaelegans Z. angustifoliacv.profusionorange), ペチュニア バカ ラローズ (Petuniahybridacv.Bakararose), トレニア サイクロンローズピコティ (Toreniafourniericv. Cyclonerosepicoty) を毎月播種し,5 月から 月は,11 月から4 月までは栽培温度を,5 加温, 加温に設定して生育, 開花時期との関係を調査した その結果, 播種時期と栽培温度, 開花時期との関係が明らかになり, 計画的な生産に有効な基礎資料が得られた

駒形智幸 : 数種花壇苗の生育, 開花に及ぼす播種時期ならびに栽培温度の影響 41 引用文献 1. 別所雅夫 (1995). ペチュニア. 農業技術大系花卉編 8:pp619624. 農文協. 東京. 2. 羽毛田智明 (1995). その他のクリサンセマム類 6. 農業技術大系花卉編 :pp7077. 農文協. 東京. 3. 池田幸弘 (2000). 花壇苗生産の技術と経営. pp17. 農文協. 東京. 4. 伊藤秋夫 川嶋盛哉 (2001). ヒャクニチソウ. 農業技術大系花卉編 8:pp611614. 農文協. 東京. 5. 森瀬憲生 (1995). トレニア. 農業技術大系花卉編 8:pp567568. 農文協. 東京. 6. 関晶夫 (1995). ニチニチソウ. 農業技術大系花卉編 8:pp573575. 農文協. 東京. 7. 高木誠 (1995). イングリッシュデージー. 農業技術大系花卉編 8:pp493494. 農文協. 東京.