第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

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いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

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第6学年 理科学習指導案

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小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

に見えない世界の中でどのような化学的変化が起こったのかという推論が必要になる さらに 洗剤などの日常生活用品に付いている 酸性 中性 アルカリ性などの言葉が 初めて学習に出てくることで 実験で扱う水溶液と 生活の中にある様々な水溶液とを関連付けて考えることができるようにしたい そして 水溶液の学習を

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

理科科学習指導案

理科学習指導案

ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

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小学校理科の観察,実験の手引き 第6学年B(2) 植物の養分と水の通り道

第4学年理科学習指導案

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群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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解答類型

1. 単元名水よう液の性質 2. 単元目標いろいろな水溶液が金属と反応する様子を調べたり リトマス紙などを使って物質を3つの性質にまとめたり 水溶液にとけているものを調べたりする活動を通して 水溶液の性質について推論する能力を育むとともに その性質やはたらきについての考えをもつことができるようにする

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理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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国語科学習指導案様式(案)

2年D組 理科学習指導案

とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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学習評価の進め方(小学校理科)

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知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

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第6学年2組 理科学習指導案

関心 意欲 態度科学的思考力観察 実験の技能 表現第 5 学年理科学習指導案平成 16 年 6 月 15 日 ( 火 ) 第 3 校時指導者宇多幹子場所理科室 1 単元名 植物の発芽と成長 2 単元の目標と評価規準 植物の発芽と成長を, それにかかわる条件に着目しながら調べる活動を通して, 見いだし

体積の変化分は本来すべての方向に起こるはずなのに 容器の口の方向にしか起こっていないように見える 特に 試験管のような容器では 上の方向 が強調され 体積の増加 ではなく 中の空気 水が上昇する 或いは移動するといった謝った考えを引き起こしてしまう ( 金属球では全体が膨らんだり縮んだりするので 自

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

理科学習指導案(形式)

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理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

4. タブレット端末の利用状況 ( 利用機材の内容と利用のねらい ) ハードウェア機材名 :ipad ねらい : 水が流れる様子や地形が変化した様子を確認できるよう 動画で撮影し記録する 上流 中流 下流それぞれの様子が撮影できるよう ipadは3 台準備する 機材名 :ENVY110( 複合印刷機

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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理科第 5 学年北広島町立八重小学校指導者岡部良 単元名 もののとけ方 本単元で育成する資質 能力 根拠をもとにした思考 判断 表現力 1 単元について 単元観 本単元は, 小学校理科学習指導要領のA 物質 エネルギー (1) 物の溶け方 物を水に溶かし, 水の温度や量による溶け方の違いを調べ, 物

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

5 年理科実践事例 1. 単 元 もののとけ方 ( 啓林館 5 年下 ) 2. 指導時期 1 月 ~2 月上旬 3. 目 標 ものを水に溶かし その変化の様子を 水の温度や量などの条件に目を向けながら調べたり ものを水に溶かしたときの全体の重さを調べ たりする活動を通して ものが水に溶けるときの規則

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○数学科 2年 連立方程式

5 児童の実態と主題に迫るための手だて (1) 児童の実態本学級の児童は明るく 男女の仲もよい いろいろな場面で声を掛け合ったり 仕事を手伝ったりできる児童も多い 話し合い活動では 友達の意見のいいところを取り上げて考えをまとめることができたり 人の意見を聞いて自分の考えを変えることができたりする児

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

英語科学習指導案

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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事例 2-2

できるようにする 野菜を学年園やプランターで栽培する計画を立てさせる際には, 平成 27 年度全国学力 学習状況調査 2(5) に取り組ませ, 前学年までに学習した植物の成長にかかわる知識や経験も活用して考える必要があることに気付かせる 実際に野菜を育てる活動に取り組ませることにより, 知識や経験を

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

第 6 学年理科学習指導案 平成 28 年度 12 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 場所 理科室 1 単元名変わり続ける大地 2 単元について本単元では 第 5 学年 流れる水のはたらき 第 6 学年 大地のつくり の学習を踏まえて 地球 につ内容の関連と学習の系統性いての基本的な見方や概念を

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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

※ 教科 理科テキスト 小6 1学期 4月 ものの燃え方

平成 30 年度 品川区学力定着度調査 の結果から明らかになった課題と学力向上に向けた取組 ( 国語 ) 1. 国語の定着状況についての概要 どの学年もほとんどすべての項目において 目標値を上回った 昨年度から取り組んできた 文章を書き表す際の 言葉の正しい使い方の指導 が 言葉についての知識 理解

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第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法の追究 小学校主題 2 単元名 水溶液の性質 3 単元について本単元は 学習指導要領 A 物質 エネルギー (2) 水溶液の性質 : いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ 水溶液の性質や働きについての考えをもつことができるようにする を受けて構成されている 児童は 第 5 学年 もののとけ方 の学習で 水溶液には物がとけている とけているものは 熱したり冷やしたりすることで取り出すことができる 物が水に溶けても水と物とを合わせた重さは変わらないことなどを学習している 本単元では 炭酸水や塩酸などの水溶液を用いて 酸性 アルカリ性 中性に分けられる 気体がとけている水溶液がある 水溶液には金属を変化させるものがあることを追究する活動を通して 水溶液の性質について理解を図るとともに 推論する能力を育てることをねらいとしている 本学級の児童は 理科の学習には意欲的な児童が多い 児童の中には既習の学習や生活経験から考えて自分なりの予想を立てている 実験結果から考えて考察しているが 自分の考えに自信がもてない児童がいる そこで 本単元では グループでの話し合いを充実させることで どの児童も自分の考えをもち 一人一人が考えを深められるようにしたい 本時では 前時で解明できなかった水溶液には 何が溶けているのかを考える活動を行う どのようにすれば入っているものがわかるのか 各班で実験方法を考え実行する 学習問題に対して どうすれば解決できるのか児童が話し合いをしながら行うことで 意欲的に学習に取り組むことができると考える また 予想 実験方法 考察を班の友達と話し合いをしながら考えて進めていくことで 様々な情報をもとに 水溶液に何が溶けているか考えを深めることができると考える 本単元の学習は 中学校第 2 学年第 1 分野の 化学変化と物質の質量 第 3 学年 1 分野の 酸 アルカリとイオン の学習につながっていく 本時で行う学習をきっかけに水溶液に興味 関心をもち 中学校の学習につなげていきたいと考える 4 単元の評価規準 自然事象への関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 自然現象についての知識 理解 いろいろな水溶液の液性や溶けているもの及び金属を変化させる様子に興味 関心をもち 自ら水溶液の性質や働きを調べようとしている 水溶液の性質や働きを適用し 身の回りにある水溶液を見直そうとしている 水溶液の性質や働きについて予想や仮説をもち 推論しながら追究し 表現している 水溶液の性質や働きについて 自ら行った実験の結果と仮説や予想を照らし合わせて推論し 自らの考えを表現している 水溶液の性質を調べる工夫をし リトマス紙や加熱器具などを適切に使って 安全に実験をしている 水溶液の性質を調べ その過程や結果を記録している 水溶液には 酸性 アルカリ性及び中性のものがあることを理解している 水溶液には 気体が溶けているものがあることを理解している 水溶液には 金属を変化させるものがあることを理解している 1

5 単元の目標 いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を推論しながら調べ 見いだした問題を計画的 に追究する活動を通して 水溶液の性質や働きについての見方や考え方を持つことができるようにする 6 単元の指導計画 時 ( 第一次 ) 1 時 学習活動 これまでに学習した水溶液の性質について振り返る 第 5 学年 もののとけ方 で学習したことを振り返ることで 水溶液に対しての関心をもたせる 身の回りの水溶液を調べる 生活の中で使われている水溶液を調べて 身の回りには学習で扱った水溶液以外にもたくさんの水溶液があることを知り 学習への意欲をもたせる 3 つの水溶液には 何が溶けているのだろうか 何が溶けているのか グループで実験方法を考える においをかぐ 蒸発させる 石灰水を入れる A は食塩水 B はホウ酸水 C はわからない C の水溶液には 何が溶けているのだろう 2 3 時 ( 本時 ) 前時を振り返る C は 何が溶けているのかわからなかった 前時の実験で C の水溶液はシュワシュワしていた C の水溶液には 本当に気体が溶けているのだろうか 水溶液から出てくる泡を取りだすにはどうすればよいかグループで話し合う 水溶液を振って 出てきたものを袋に集めよう 水上置換で出てきたものを集めよう 冷やしたら出てくるのではないか 温めたら良いのでは 実験し 結果をまとめる 予想したよりも袋にたくさんの気体が集まった すごい! 温めるとたくさん出てきた 取り出したものは何だろう 取り出した気体は何か調べる 集めた気体にマッチを近づけてみる 石灰水を入れてみる C の水溶液には 二酸化炭素が溶けていた 気体が溶けている水溶液は 温度が低い時はあまり出ない 反対に 温かいとたくさんの気体が出てくる 二酸化炭素を水に溶かしてみよう 水を入れたペットボトルに ボンベの二酸化炭素を入れてよく振る ペットボトルがへこんだ 二酸化炭素が溶けたら 容器がへこむんだ 二酸化炭素は 水に溶ける 2

( 第 2 次 ) 4 時 水溶液を見分ける方法が他にないだろうか においをかいだり 薬品を使ったりせずに簡単に一目でわかる方法はないだろうか考える リトマス試験紙があることを知る リトマス試験紙の使い方を知る リトマス紙を使って 水溶液に性質を調べよう リトマス紙に水溶液をつけて 色の変化を調べ結果をまとめる 表にまとめてわかりやすくする 塩酸は 青いリトマス紙を赤色に変化させた 食塩水 炭酸水は リトマス紙の色を変化させなかった アンモニア水や石灰水は 赤いリトマス紙を青色に変化させた 水溶液は 酸性 中性 アルカリ性の3つの性質に分けられることを知る 5 時 リトマス紙以外にも 身近な材料を用いて水溶液の酸性 中性 アルカリ性を調べることができることを知る身近な材料を使って 酸性 中性 アルカリ性を見分けよう リトマス紙の実験で扱った水溶液を用いて実験し まとめる 酸性 中性 アルカリ性によって色が変った 植物の汁の中には 酸性 中性 アルカリ性によって色が変化するものがある ( 第 3 次 ) 6 時 腐食した金属の写真を見て 気付いたことを話し合う 表面が溶けたようになっているよ 酸性雨が原因じゃないかな 酸性雨が金属やコンクリートを溶かすと聞いたことがあるよ 酸性の水溶液は 金属を溶かすのだろうか 酸性の水溶液に金属を加えると どうなるのだろうか 塩酸に金属を加えると どのように変化するか調べる 実験をし まとめる 鉄とアルミニウムからは 泡が出てきた 試験管が熱くなった 金属はなくなってしまった 酸性の水溶液に金属を加えると 熱や泡を出して溶ける 7 8 時 塩酸に溶けた鉄はどうなったか イメージ図をかいて考えを交流し その意見を確かめる方法を考える 見えないくらい小さくなっている 気体になって 空気中に出て行った 蒸発させれば確かめることができるだろう 塩酸に溶けた鉄はどうなったのだろうか 実験をし まとめる 塩酸の中に溶けていたけど 見た目は鉄と違う 出てきた金属は 鉄と同じ性質をもっているのだろうか 析出した物質の性質も鉄とは異なるのか 調べる方法を考える 磁石を近づけてみる もう一度 塩酸に溶かして同じ反応かどうか調べる 結果から考察する 磁石に引き付けられない 塩酸に溶かしてみても泡や熱が出てこないことから 出てきたものは鉄ではないことが考えられる 塩酸に溶かした鉄は もとの性質とは違うものに変化する 3

9 時 塩酸に溶けたアルミニウムはどうなったのか予想する 塩酸に溶けてアルミニウムはどうなったのだろうか 実験し 結果をまとめる 前時と同じように行う アルミニウムは 塩酸によって別のものに変化する 10 時 単元まとめをする 水溶液には 気体が溶けているものがある 水溶液には 酸性 アルカリ性 中性の性質がある 水溶液には 金属を溶かす性質のものがある 7 提案内容 授業の手立て 工夫理科の学習では 観察 実験の時間が多いということを感じた 児童は 毎時間の観察 実験に わぁ すごい! 予想と違った やっぱりそうか などの驚きの言葉が出ている 理科では 毎回観察 実験して新しい発見をすることがとても楽しいと感じている しかし 単元で学ばせたい 理解させたいことが深められていないように感じた 国語科の学習をしているとき 話し合いを取り入れることで 個人の考えが広がったり 自信がなく自分の考えがでない児童でも 友達の意見をもとに考えをもつことができたりするようになった また 単元のゴールを決め そこに向かってどのような学習をしていけばよいか計画を立てることで 最後まで主体的に学習に取り組むことができた 授業全体でみると 少人数の話し合いを充実させることで より活発な意見交換ができ 国語科の学習が苦手な児童も 国語が楽しい と意欲的に学習できていた 理科の学習でも同じように 話し合いを充実させることで 理科が楽しい と感じたり より学習の知識 理解を深めたりできるのではないかと考える そのため 次のような手立てを考えた 1 自ら学び課題を解決していくための指導過程の工夫大日本図書の指導計画では 第一次では水溶液には 酸性 アルカリ性 中性がある 第二次で水溶液には気体が溶けているものがある 第三次では水溶液には 金属を変化させるものがあることを学習する 本学級の児童は 第 5 学年で学習した もののとけ方 で 導入で行ったシュリーレン現象を見た 食塩が解けていく様子に驚き ものが溶けていくことについて興味をもって 学習を進めていくことができた このことから 本単元でもいくつかの水溶液を目の前にしたときに なんの水溶液だろう 何が入っているのだろう と水溶液に興味をもって学習に取り組めるのではないかと考える 児童が問題意識をもって取り組んでいけるようにするために 第一次では 水溶液には気体が溶けているものもあるという学習から入ることにする 単元全体で 児童が常に問題意識をもって学習に取り組むことができるようにさせたい 2 意見交流のさせ方本時は 水溶液の中に本当に気体が溶けているのか調べる 今までは 自分で考えた実験方法を全体で共有してふさわしい実験方法 または教師が考えた方法で調べさせていた このような進め方だと どこか教師主導で授業を展開してしまっているため 児童が実験自体は楽しんでいるが 自分なりの実験方法を考えた児童にとっては 考えても結局できないために意欲を半減させてしまう そのため 学習の理解も深い理解にはつながらない そこで 今までの学習で行ってきた実験方法をもとに班ごとにどうすれば解明できるか考え 問題解決できる場をつくる 既習の学習や生活の中からどのような方法が考えられるか話し合う また 実験の結果からどういうことが言えるのか少人数で考察することで 自分だけで考察するよりもより考えを深めることができると考える こうすることで 常に児童が問題意識をもって学習に取り組めるのではないかと考える 話し合いでは もし ~ だとしたら ~ だろう と根拠を入れて話をするようにする 4

8 本時の指導 (1) 本時の目標 水溶液には 気体が溶けているものがあることを理解することができる ( 知識 理解 ) (2) 本時の展開 (2/10) 学習活動と主な内容 1 前時の振り返りをする C は何が溶けているのかわからなかった C の水溶液は 蒸発させても何も残らなかった 気体が溶けていると思うよ 2 めあてを確認する 3 取り出して証明する方法を考え 全体で共有する 取り出し方について 試験管を振って 出てきた気体を集めよう 水上置換で集めよう 5 年生の時 ホウ酸は冷やしたら出てきたから 気体も同じように出てくるかもしれない 暑い日に コーラを放置したらシュワシュワがなくなったから 温めると取り出せるかもしれない 証明方法について もし 気体が酸素だとしたら 火を近づけると激しく燃えたから 気体に火を近づけてみよう もし 気体が二酸化炭素だとしたら 石灰水を入れると白く濁るから 気体に石灰水を入れてみよう もし 酸素か二酸化炭素だとしたら 気体検知管を使っても調べられるよね 火を近づけても 石灰水を入れても反応がなかったら 窒素だね 4 実験する 取り出し方 証明方法 ( 石灰水 ) ( 振る ) ( 温める ) C の水溶液には いったい何が溶けているのだろうか ( 気体検知管 ) ( 冷やす ) 教師の支援 と評価 前時の実験で C の水溶液には気体が溶けているのではないかという疑問が残ったことを想起させ 自分なりの予想を確認する 5 年生で学習したこと 生活経験などから実験方法を考えるように助言する 話し合いでは 根拠をもって話し合いができるように必ず 考えを述べるときは なぜそう考えたのか理由を言えるようにする ~ のとき ~ をしたら取り出せたから ~ という方法はどうだろう 今までに学習したことを生かして 実験方法を考えるようにする 証明方法について話す場面では もし ~ だとしたら ~ だろう と結果のイメージが付きやすいように話し合う 全体共有では 取り出し方 証明方法と分けて話をすることによって 実験の流れを各班がつかめるようにする また 全体で共有することによって 他の方法もあることがわかるようにする 保護メガネを着用させる 熱い湯でやけどをしないようにビーカーや試験管の持ち方に気を付けるようにする ペットボトルを振るときは 周囲を確認するように助言する 実験の時間を決め 時間内であればいくつかの方法で試しても良いことを伝える 火を扱う操作は 安全に気を付けて操作するように助言する ( 火を近づける ) 5 結果をまとめ 考察を全体で意見交流する 石灰水を入れると 白く濁ったことから C の水溶液には 二酸化炭素が溶けていることが分かった とてもたくさんの気体が出てきた 冷やすとたくさん出てくると考えたが 温めた方がたくさん出てきた 各班で 実験の方法が異なることが予想されるため どのような実験を行ってどうなったのか話すようにする 水溶液の中には 気体が溶けているものがあることを理解できたか ( 発言 記録分析 ) C の水溶液には 二酸化炭素が溶けていた 気体が溶けている水溶液は 温 度が低い時はあまり出ない 反対に 温かいとたくさんの気体が出てくる 5