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修士論文 ( 要旨 ) 2017 年 1 月 攻撃行動に対する表出形態を考慮した心理的ストレッサーと攻撃性の関連 指導小関俊祐先生 心理学研究科臨床心理学専攻 215J4010 立花美紀

オンラインコミュニティにおける SNS ストレスの低減と主観的幸福感の向上 代表研究者岡本卓也信州大学人文学部准教授 1 問題 1-1 はじめに本研究の目的は (1)Social Networking Service( 以下 SNS) ストレスを測定する尺度を構成し,(2) パネル調査によって,SN

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モバイル端末市場動向調査レポート

寺島圭

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若者のコミュニケーション空間の展開

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スマホ利用によるコミュニケーションの変容 ( 上 ) SNS ( 概要 ) SNS , LINE 90 SNS SNS LINE 2011 SNS LINE LINE 2 SNS はじめに

論文内容の要旨

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

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発達研究第 25 巻 問題と目的 一般に, 授業の中でよく手を挙げるなどの授業に積極的に参加している児童は授業への動機づけが高いと考えられている ( 江村 大久保,2011) したがって, 教師は授業に積極的に参加している児童の行動を児童の関心 意欲の現われと考えるのである 授業場面における児童の積

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上記の結果より 若者はソーシャルメディアをつかって主なコミュニケーションを取っているため face to face のコミュニケーション能力が低下している といわれるようになったと推測する 3. 調査方法文献調査 総務省 HP 平成 27 年度版情報通信白書特集テーマ ICT の過去 現在 未来 第

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

CMCの社会的ネットワークを介した社会的スキルと孤独感との関連性

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自殺意識調査(結果概要)

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( 続紙 1) 京都大学博士 ( 教育学 ) 氏名小山内秀和 論文題目 物語世界への没入体験 - 測定ツールの開発と読解における役割 - ( 論文内容の要旨 ) 本論文は, 読者が物語世界に没入する体験を明らかにする測定ツールを開発し, 読解における役割を実証的に解明した認知心理学的研究である 8


センターでは,WAP からの位置情報を受信し, WAP が適切に設置されたかどうかを確認する 提案システムのシーケンス概要 図 2 に提案システムのシーケンスを示す. 携帯端末は,WAP から無線 LAN の電波を受信すると, DHCP サーバに対して IP アドレスを要求する. この要

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弘前校 診断・アセスメント結果を基にした 地域機関との連携による子ども支援の取り組み



様式 3 論文内容の要旨 氏名 ( 内田遼介 ) 論文題名 スポーツ集団内における集合的効力感の評価形成過程に関する研究 論文内容の要旨 第 1 章研究の理論的背景集団として 自信 に満ちた状態で目前の競技場面に臨むことができれば, 成功への可能性が一段と高まる これは, 競技スポーツを経験してきた

2-1. システム概要 2-2. システムの設計 SNS Twitter Web-GIS 推薦システム スマートグラスを統合 平常時は観光回遊行動支援 災害時は避難行動支援 情報の蓄積 共有 推薦とナビゲーションを可能にする 有用性 時間的制約の緩和 スマートグラスの統合 動的 リアルタイム性 SN

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol 12, No 1, pp 49 59, 2008 資料 看護師におけるメンタリングとキャリア結果の関連 Relationship between M

研究計画書

問題 近年, アスペルガー障害を含む自閉症スペク トラムとアレキシサイミアとの間には概念的な オーバーラップがあることが議論されている Fitzgerld & Bellgrove (2006) 福島 高須 (20) 2

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

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コーチング心理学におけるメソッド開発の試み 東北大学大学院 徳吉陽河

心理科学研究 39号=(P)☆新/8.寺島

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メディア 情報 コミュニケーション研究 2016 年第 1 巻 pp Journal of Media, Information and Communication, 1, 研究論文 情報プライバシーに基づく SNS 利用者の類型化 : プライバシーに関わる被害経験およ

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2/5 1. 恋のきっかけ SNS 女性の 4 人に 1 人が SNS がきっかけで 異性に好意を持った 経験アリ はじめに 恋愛におけるコミュニケーションにおいて SNS を活用することは有効だと思いますか? と聞いたところ SNS ユーザーの 20~30 代未婚女性のうち 56% と半数以上が

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

( 続紙 1) 京都大学博士 ( 教育学 ) 氏名田村綾菜 論文題目 児童の謝罪と罪悪感の認知に関する発達的研究 ( 論文内容の要旨 ) 本論文は 児童 ( 小学生 ) の対人葛藤場面における謝罪の認知について 罪悪感との関連を中心に 加害者と被害者という2つの立場から発達的変化を検討した 本論文は

( 別刷 ) 中年期女性のジェネラティヴィティと達成動機 相良順子伊藤裕子 生涯学習研究 聖徳大学生涯学習研究所紀要 第 16 号別冊 2018 年 3 月

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概要 突発的に発生する会話に焦点を当てたスマートフォンを利 用するユーザグルーピングシステム プロトタイプアルゴリズムの紹介 今後のシステム改良について

Powered by TCPDF ( Title Sub Title Author Publisher SNS における発言のしやすさと態度形成 : ソーシャルメディアにおける炎上から 加藤, 晋輔 (Kato, Shinsuke) 坂下, 玄哲 (Sakashita,

情報メディア研究第 16 巻第 1 号 見を提供すると考えられる. そこで本稿では, ネットツールの中でも, 今日普及が著しい LINE を対象に検討を行う. LINE は,2011 年にサービスが開始された SNS(Social Networking Service) ツールであり, 今日では幅広

トピックス

53 大学生の SNS における対人ストレス経験1 社会的ネットワークとの関連 佐 矢 藤 島 広 英 信州大学 玲 松本市役所 The relationships between the interpersonal stressors and the social networks on the

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

6. 調査結果及び考察 (1) 児童生徒のスマホ等の所持実態 1 スマホ等の所持実態 54.3% 49.8% 41.9% 32.9% % 78.7% 73.4% 71.1% 76.9% 68.3% 61.4% 26.7% 29.9% 22.1% % 中 3 中 2 中 1

[ 演習 3-6AA] ウェブページの検索結果の表示順序 ( 重要 ) 10D H 坂田侑亮 10D F 岩附彰人 10D D 財津宏明 1.1 ページランクとは ページランクとは グーグルが開発した検索エンジンのウェブページの重要度を判定する技術である サーチエ

目次 1. サイトの構成 画面説明 ログイン画面 環境チェック画面 パスワード確認画面 ユーザー新規登録画面 コンテンツの選択 トップページ画面 トピックス一覧

過去の習慣が現在の習慣に与える影響 インターネットの利用習慣の持ち越し 松岡大暉 ( 東北大学教育学部 ) 1 問題関心本研究の目的は, インターネットの利用の習慣について, 過去のインターネットの利用習慣が現在のインターネットの利用の習慣に影響を与えるかを検証することである. まず, 本研究の中心

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1 青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標 -ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)- スマ一トフォンが急速に普及し インタ一ネットがますます青少年にとって身近になる中 青少年がインターネットを安

1 スマートフォン普及率女子大は 99.2% も急増 スマートフォンの所有率は 99.2% 85.7% と高く は自分専用のパソコンも 54.9% と半数を超えています 同様の 4 年前 ( 平成 25 年度 ) の調査でスマートフォン所有率は 83.5% 26.3% で 特にの所有率が 4 年間で

千葉テストセンター発行 心理検査カタログ

114 響に関連した研究としては インターネット依存という文脈での調査研究が多い 例えば 吉田 高井 元吉 五十嵐 2005 は携帯メール依存尺度を作成し 携帯メール依存が 情 動的な反応 過剰な利用 脱対人コミュニ ケーション の3因子で構成されることを 示し また これらの因子がいずれも依存に基

当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸

東海 4 県若年層のスマートフォンネットワーク満足度調査 株式会社角川アスキー総合研究所 調査概要 (1) 調査時期 : 2014 年 12 月 3 日 ~9 日 (2) 調査方法 : ネットアンケート (3) 調査対象 : 東海 4 県在住の15 歳から34 歳までの男女 (4) 有効回答数 :

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Ⅲ 調査対象および回答数 調査対象 学校数 有効回答数児童生徒保護者 (4~6 年 ) 12 校 1, 校 1, 校 1,621 1,238 合計 41 校 3,917 ( 有効回答率 96.3%) 3,098 ( 有効回答率 77.7%) Ⅳ 調査の実施時期

コンピュータ応用・演習 情報処理システム

目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. データ概要 4. 研究内容 5. 分析結果 5-1. 基礎集計 5-2. アソシエーション分析 5-3. クラスター分析 6. まとめ 考察 7. 提案 8. 今後の課題 = 参考文献 = =Appendix= VMS 学生研究奨励賞 2

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Internet Use by Japanese High School Students with Reference to Social Anxiety and Gender. Abstract This study investigated the Internet use by Japane

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修士論文 ( 要旨 ) 2018 年 1 月 大学生の親しくなりたい同性の友人への自己表明に関連する心理的要因 - 過剰適応と本来感に注目して - 指導井上直子教授 心理学研究科臨床心理学専攻 216J4001 芥川慎

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表 1 全国調査の標準版性別尺度平均と標準偏差 (SD) 男性 女性 合計 標準版の尺度 人数平均 SD 人数平均 SD 人数平均 SD t 検定 仕事の負担 仕事の量的負担 *** 仕事の質的負担

Newgarten, BL., Havighrst, RJ., & Tobin, S.Life Satisfaction Index-A LSIDiener. E.,Emmons,R.A.,Larsen,R.J.,&Griffin,S. The Satisfaction With Life Scal

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人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1


02【平成30年度下半期】SNS相談事業の実施結果(報道発表用)

問 3 全員の方にお伺いします 日頃 サイバー犯罪 ( インターネットを利用した犯罪等 ) の被害に遭いそうで 不安に感じることがありますか この中から1つだけお答えください よくある % たまにある % ほとんどない % 全くない 全

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ソーシャルメディアと スマートフォンの潮流

< 用語解説 > *1 ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) インターネット上の交流を通して社会的ネットワークを構築するサービス全般を指す 代表的な SNS として Twitter mixi GREE Mobage Ameba Facebook Google+ Myspace Linked

報道関係者各位

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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修士論文 ( 要旨 ) 2014 年 1 月 ネットワーク社会における大学生のコミュニケーションの現状 オンライン コンテンツの利用形態と友人ネットワークおよび心理的影響との関連性 指導石川利江教授 心理学研究科健康心理学専攻 210J4061 山本健太郎

目次 はじめに 1 研究史 1 目的 1 方法 1 調査協力者調査機関場所手続き質問項目 まとめ 2 引用文献 3

はじめに 現在, インターネットは日常生活や職場などにおいて広く用いられており, インターネットは生活していく上で必須のものとなっている その利便性は年を追うごとに向上しており, 今や誰もがインターネットを使用する時代である インターネットは主に情報収集に用いられるほか, 利用者同士の交流にも多く使われている 近年は携帯電話の技術が急速に発達しており, 特にスマートフォンの普及は著しい スマートフォンはPCと同様の機能を搭載しており, 通話やメール機能のほか, インターネットに接続してPCと同じようにサイトを閲覧したりすることもできる 従来の携帯電話では, 主にメールや電話が使用されていたが, スマートフォンが普及してからは, インターネットにアクセスして検索エンジンやソーシャル ネットワーキング サービス (SNS), インスタント メッセンジャーである LINEを利用することも多くなった かつて いつでも, どこでも, だれでもネットワークにつながる を理想とする, インターネットの常時接続社会 ( ユビキタス社会 ) 1 が到来している 研究史 インターネットを用いたコミュニケーションは, 利用者に精神的に大きく影響を与えるものとして, 社会心理学や社会学の分野など幅広い分野から数多くの研究が行われてきた 社会心理学における研究では, クラウトのインターネット パラドクスの概念が度々用いられ, 現在でもなお賛否が分かれている インターネット パラドクスは, 対面コミュニケーションに代わってインターネット コミュニケーションに多くの時間を費やすことは, 強く親密な対面の対人関係をもろく希薄なオンラインの対人関係に置き換えていくことにつながり, 結果的に精神的健康が損なわれるというものである Krautは, インターネットの使用時間に着目し, 孤独感の増加や, 抑うつの増加との関連性を報告した (Kraut et al.,1998) これがインターネット パラド クスである しかし,World Internet Project(2010) などによる後の研究では, インターネット利用時間のみではなく, 利用形態や利用者の内面に着目するなど, さまざまな視点から考察することが必要であることを指摘している また, 利用者の内面に着目したものとして,Kimberly Youngのインターネット依存の先行研究が挙げられる (Young, 1998) Youngは,DSM-IVの精神疾患の分類を元に, インターネット依存を診断する尺度の作成を行った しかし, インターネット依存は, 一貫した定義はなく, 国際基準は存在しない 目的 本研究では, 現時点における若者のインターネット利用状況やインターネット依存度を把握し, インターネット パラドクスの先行研究にのっとり, インターネット利用内容やネットワーク規模, 心理尺度との関連性を検討する 方法 調査協力者 : 大学生 106 名 ( 男性 37 名, 女性 68 名 ) 調査期間 :2013 年 6 月末日 ( 質問紙調査 ) 場所 : 調査協力者のプライバシーの保護できる場所で行った 手続き : 関東の4 年制私立大学に在学する大学生に対して, 調査に同意できる場合のみ回答してもらい, その場で回収した 質問項目 1 回答者の基本的属性, 携帯の所持, インターネットの使用に関する質問, よく接続するオンライン コンテンツ, ネットワーク規模をぞれぞれ尋ねた 2 今回の調査において作成したツール別利用尺度について尋ねた 3インターネット依存尺度 20 項目を5 件法で尋ね, 得点結果を 20~39 点 40~69 点 70~100 点 の3 段階で評定した 4 相川の特性シャイネス16 項目を5 件法で評定した 5EQ 尺度 16 項目を5 件法で尋ねた 1

結果 考察 106 名全体のうち, 有効回答 87 名 ( 男性 31 名, 女性 56 名 : 平均年齢 =20.26,SD=0.80) を調査対象とした 得られた結果から, インターネット利用内容尺度を因子分析し, SNS 利用およびつながり因子 LINE 利用因子 おしゃべり使用型因子 の3 因子を抽出した 相関分析を行った結果, インターネット依存度得点は, 利用時間 (r=.417, p<.001) および, おしゃべり使用型因子 (r=.350, p<.001) に強い正の相関が見られた インターネット依存度と, シャイネスおよびEQの心理尺度とは相関が見られなかった また, インターネット利用時間に性差が見られ, 男性の方がインターネット利用時間が長かった これは, 先行研究でも同様の調査結果が報告されており, それを支持する結果である ネットワーク規模については, LINE メール条件 および SNS 条件 において 知り合い その他 の交流相手がいないと答えた人数が最も多かったことが特徴的であった め, インターネット依存が必ずしも心理的な影響を受けているとは言い切れない さらなる心理尺度による検討が必要である 今後は, インターネットを用いたコミュニケーションについて教育が必要であり, これまでにはなかったコミュニケーションの方法として出現したインターネットを, どう活用するかについて焦点を当てた検討が求められる 1 いつでも どこでも だれでもネットワークにつながる という概念 この他にも様々な意味を持つとされるが, 現在は上記の内容を指すとされる 2 社会学では, 道具のコンサマトリー (consummatory) 的利用とインストゥルメンタル (instulmental) 的利用に分類することがある 前者は, 非経済 享楽といった意を表し, 後者は手段などを表す まとめ インターネット利用時間とインターネット依存度に有意な相関が表れたことは,Youngの主張を支持するものといえる しかし, 心理尺度においては, インターネット依存度とはあまり関係がなかったた 参考サイト World Internet Project. ワールドインターネットプロジェクト研究財団法人国際コミュニケーション基金. 2010 2

引用文献 Kraut R. Patterson M. Lundmark V. Kiesler S. Tridas M. and Scherlis W. "Internet Paradox: a social technology that reduces social involvement and psychological well-being?",american Psychologist, 53, p.1017-1031. 1998. KrautR.et.al. "Internet Paradox Revisited" Journal of Social Issues vol.58 2002.. SandersField M. Diego M. and Kaplan M. "The relationship of internet use to depression and social isolation among adolescents" Adolescence, 35, p.237-242. 2000 Kimberly S Young. インターネット中毒 まじめな警告です 毎日新聞社 1998 川浦康至 坂田正樹 松田光恵 ソーシャルネットワーキング サービスのりように関する調 査 -mixi ユーザの意識と行動 - コミュニケーション科学 23 号 p.91-110. 2005 年 太幡直也 ソーシャル ネットワーキング サービス上での個人情報公開に関する心理学的研 究 - プライバシー意識に着目して - 常磐大学人間科学部 2010 年度若手研究助成最終報告書 2010 年 3