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資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

Ⅱ いじめ防止等のための具体的取組 1 いじめの未然防止 (1) 基礎 基本的事項の習得とすべての児童が参加 活躍できる授業をめざし わかる授業づくりをすすめる (2) 道徳教育の充実を図り 特別活動を通して規範意識や集団の在り方等についての理解と実践的態度の育成に努める (3) 月に 1 度 担任

上越市立有田小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 4 月策定 1 いじめの定義といじめに対する基本的な考え方 (1) いじめの定義児童生徒に対して 当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 ( インターネット

運動部活動の在り方に関する調査研究報告書

別紙(例 様式3)案

07 第1章の扉

(7) 生徒 保護者への啓発活動 * 学期末保護者会でのいじめの現状報告と未然防止の講話 *SNS の使用にあたり 親子ルール作り等を示す (8) 教職員の研修 * モラールアップ研修会を行い 体罰や不適切な発言がいじめにつながるということを確認する * 過度の競争意識 勝利至上主義 生徒のストレス

事務連絡 平成 28 年 9 月 26 日 各消防学校長殿 消防庁消防 救急課長 消防職員の厳正な服務規律の確保の徹底について 消防職員にあっては その職務の適正な遂行のため 厳格な服務規律の確保 法令の遵守が求められており 各消防学校におかれては 消防職員の服務規律の確保に日々努められていることと

( 県 p9) (5) 私立学校におけるいじめに対する対応県の私立学校主管部局において 重大事態があった場合等に適切に対応できるよう 体制を整備する ( 国 p20 31) (5) 私立学校におけるいじめに対する対応県の私立学校主管部局において 所管する学校における定期的なアンケート調査 個人面談の

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

神奈川県立逗子高等学校いじめ防止基本方針 1 いじめの防止等に関する基本的な考え方 ( 本校のいじめ防止に関する基本的な姿勢 ) いじめは いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず その生命又は身体に重大な危険を生じさせるお

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る行為 ( インターネットを通じて行われるものを含む ) であって 当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう 個々の行為が いじめ に当たるか否かの判断は 表面的 形式的にすることなく いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要である この際 いじめには 多様な態様があることに

体罰等体罰等の根絶根絶と児童生徒理解児童生徒理解に基づくづく指導指導のガイドラインガイドライン に寄せられたせられた意見意見の概要と意見意見に対するする県の考え方 1 意見の募集期間平成 25 年 6 月 28 日 ( 金 )~7 月 9 日 ( 火 ) 2 寄せられた意見の件数意見の数 7 件 (

Ⅰ いじめ問題に関する基本的な考え方 はじめにいじめは, 決して許されてはならない行為です しかし, いじめはどの学校のどの児童にも起こりうる問題であり, 本校についても例外ではありません これまでも, 各学級において生徒指導上の問題として担任をはじめ学校全体で問題の解決に取り組んできました そのよ

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学校いじめ防止基本方針(例)

(1) 組織の役割 1 未然防止ア ) いじめが起きにくい, いじめを許さない環境づくり 2 早期発見 事案対処ア ) いじめの相談 通報を受け付ける窓口イ ) いじめの早期発見 事案対処のための, いじめの疑いに関する情報や児童の問題行動などに係る情報の収集と記録, 共有ウ ) いじめに係る情報

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鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 平成 30 年 12 月改定 鎌倉市立関谷小学校

スクールソーシャルワーカー (SSW) 活用事業 趣旨 いじめ 不登校 暴力行為 児童虐待などの背景には 児童生徒が置かれた様々な環境の問題が複雑に絡み合っています そのため 1 関係機関等と連携 調整するコーディネート 2 児童生徒が置かれた環境の問題 ( 家庭 友人関係等 ) への働きかけなどを

神戸市立月が丘小学校いじめ防止基本方針 はじめに月が丘小学校は 教職員 保護者 地域が一体となって いじめの問題に取り組むよう いじめ防止対策推進法 第 1 3 条の規定に基づき いじめ防止等のための対策を総合的 かつ効果的に推進するために 基本的な方針 ( 以下 月が丘小学校基本方針 という )

Ⅰ いじめ問題に関する基本的な考え方はじめに いじめは, 決して許されてはならない行為です しかし, いじめはどの学校のどの児童にも起こりうる問題であり, 本校についても例外ではありません これまでも, 各学級において生徒指導上の問題として担任をはじめ学校全体で問題の解決に取り組んできました そのよ

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3. いじめの未然防止のための取組未然防止の基本とは 児童が周囲の友人や教職員と信頼できる関係の中 安心 安全に学校生活を送ることができ 規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加 活躍できるような授業づくりや集団づくり 学校づくりを行っていくことである この基本をもとに取組を進める また 本校教職員

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はじめに 教育基本法第一条 ( 教育の目的 ) 教育は 人格の完成を目指し 平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない とあります ところが 平成 24 年 12 月に他府県において高校生が部活動顧問からの体罰を伴う厳しい指導を苦

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重大事態が疑われる事案が発生した時に、その原因がいじめにあるかを判定する。

2 いじめ防止等に取り組むための校内組織 いじめの防止等を実効的に行うため 以下の構成員により 学校いじめ防止対策委員 会 を設置します 学校いじめ防止対策委員会 学校内 氏名 役職 氏名 役職 丸瀨節子 校長 教頭 大津裕子 総括教諭 長谷川佳子 総括教諭 内藤恵理子 総括教諭 原口恵里 総括教諭

平成 30 年度 五泉市立川東小学校いじめ防止基本方針 はじめにこの五泉市立川東小学校いじめ防止基本方針 ( 以下 学校基本方針 という ) は いじめ防止対策推進法 ( 平成 25 年法律 71 号以下 法 という ) 第 13 条の規定に基づき 本校におけるいじめ防止等のための対策を効果的に推進

指導計画の作成 実行 進行管理 いじめの未然防止 早期発見 事案の実効的対処 ( 早期対応 重大事態への対応 ) いじめの 疑い 認知 及び 解消 解決 の判断 校内研修の実施を行い いじめを把握した際の解決に向けた対応方針の決定 関係機関との連携等 学校が一丸となっていじめに組織的 継続的に対応す

Q1 診断書等がない子どもへの合理的配慮はどう考えたらよいのか A1 診断書や障がい者手帳等の有無が 合理的配慮の提供に関する判断の基準ではありません 教育支援資料 ( 文部科学省平成 25 年 10 月 ) において 各障がいは以下のように定義されています ( 参考 ) 教育支援資料における各障が

2 いじめの防止等のための基本的な施策 (1) 基本となる取組 1 いじめの未然防止のための取組ア学校の重点目標の一つに いじめ防止 を掲げ いじめをしない 見逃さないことに組織的に取り組む イ教育活動全体を通して 児童の自己有用感と自己肯定感を高め 規範意識と人間関係能力を高める ウ道徳の時間を要

平成 30 年度滋賀県立大津清陵高等学校 通信制 いじめ防止基本方針 はじめにいじめは いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し その心身の健全な成長および人格の形成に重大な影響を与えるのみならず その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものです こうしたいじめから一人でも多

対象としたいじめの未然防止の観点が重要である このため 本校では 全ての生徒に心の通う対人関係を構築できるような力を育み いじめを生まない環境をつくるために 地域 家庭その他の関係機関と一体となって継続的な取組を進める また 教育活動全体を通じ 全ての生徒に いじめは決して許されない ことの理解を促

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Taro-附属小学校いじめ防止基本方

目 次 1. はじめに 1 2. いじめの定義 1 3. いじめの禁止 2 4. いじめ防止等のための組織 2 < 指導体制 > 5. 学校全体としての取組 3 < 学校の基本姿勢 > ( 1 ) いじめ防止のための取組 ( 2 ) いじめの早期発見 ( 3 ) いじめへの対処 ( 4 ) 家庭及び

4 いじめの疑いに関する情報があった時の緊急会議の実施 いじめの情報迅速な共有 関係児童等への事実関係の聴取 指導や支援の体制 対応方針の決定 保護者との連携した対応の実施 5 必要に応じた説明 ( 公表 ) への対応決定 6 いじめ防止等に係る校内研修を企画し 計画的に実施 3 いじめ防止に向けた

いて正しく理解し 自分と他者の人権をともに大切にし 実践的な態度を身につけられるよう努めます また 生徒自らがいじめの問題を自分のこととして捉え 考え 議論する活動や校内でいじめ撲滅や命の大切さを呼びかける活動を進めるなど 生徒自らがいじめの未然防止に主体的に取り組み 全ての生徒にとって居心地のよい

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

冷やかしやからかい 悪口や脅し文句 嫌なことを言われる仲間はずれ 集団による無視をされる軽くぶつかられたり 遊ぶふりをして叩かれたり 蹴られたりするひどくぶつかられたり 叩かれたり 蹴られたりする金品をたかられる金品を隠されたり 盗まれたり 壊されたり 捨てられたりする嫌なことや恥ずかしいこと 危険

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

本条は 購入者等が訪問販売に係る売買契約等についての勧誘を受けるか否かという意思の自由を担保することを目的とするものであり まず法第 3 条の2 第 1 項においては 訪問販売における事業者の強引な勧誘により 購入者等が望まない契約を締結させられることを防止するため 事業者が勧誘行為を始める前に 相

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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03 Ⅱ-1 配偶者等からの暴力に関する認知度

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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

小樽市立北陵中学校いじめ防止基本方針令和元年 5 月改定 1. はじめにいじめの問題は 生徒が夢と誇りを持ち 生き生きと学校生活を送ることを妨げる重大な人権上の問題です 平成 25 年 6 月に いじめ防止対策推進法 が成立し 北海道においては 平成 26 年 4 月に 北海道いじめの防止に関する条

目 次 条例の制定理由 1 条例の特徴 2 条例骨子案 4 1 前文 4 2 目的 4 3 定義 4 4 基本理念 5 5 いじめ防止基本方針 6 6 児童生徒の心構え 7 7 いじめの防止 早期発見 7 8 いじめへの対処 10 9 いじめ重大事態への対処 関係機関との連携 12 11

(1) いじめの未然防止いじめはどの子どもにも起こりうるものです このことを踏まえ 本校では 全ての児童生徒を 心の通う対人関係を構築できるよう育み いじめを生まない環境をつくるために 地域 家庭その他の関係者と一体となって継続的な取組を進めます また あらゆる教育活動を通じて 全ての児童生徒に い

目 次 1 年間取組計画 2 2 いじめ対応マニュアル 4 3 いじめ防止等に対する基本的な考え方 5 (1 いじめ防止対策推進法制定の意義 (2 学校いじめ防止基本方針 4 いじめ防止等の対策 6 (1 学校いじめ防止等の組織の設置 (2 いじめ防止等のための取組 5 重大事態への対処 8 (1

教職員の事故 1 負傷事故 前の対策 安全点検日 1 日常的に器具 器材の安全点検をする 毎月 1 0 日 事故発生 2 危険を予測して授業の安全面に配慮する 1 負傷者の応急処置をする 養護教諭等 状況把握 1 応急処置をする 命にかかわる 2 場合によっては救急車 番手配を 物は躊躇

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

平成 31 年度富山県立となみ東支援学校いじめ防止基本方針 富山県立となみ東支援学校 Ⅰ いじめに対する基本的な考えいじめは いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず その生命又は身体に危険を生じさせるおそれのあるもので

○ 被害児童生徒・保護者の意向を的確に把握し、調査方法を工夫しながら調査を進めること。

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2 いじめの防止等に関する組織 (1) いじめ対応チーム 法第 22 条に基づき いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため 本校に いじめ対応チーム を置く ア構成校長 教頭 生活指導担当 ( 校内 ) 生活指導担当 ( 校外 ) 道徳 人権教育担当 校内研修担当 学年担当 養護教諭 その他の必

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八王子市学校サポーター事業実施要綱 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 八王子市立小 中学校 ( 以下 学校 という ) に在籍する特別な支援が必要な児童 生徒に対して学校生活における適切な支援を行うため 学校サポーターを必要に応じて学校に配置し 本市における特別支援教育の充実を図ることを目的とする

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3 学びのユニバーサルデザイン化 合理的配慮は 障がいのある生徒の能力を最大限に伸長させるとともに 障がいのない生徒と共に学ぶことができるようにするための必要な支援です また ホームルームや一斉授業において 学びのユニバーサルデザイン化 を図るなど 個別の支援 と 全体への配慮 の両面で支援を考える

第2章 主な回答結果一覧(3ヵ年比較)

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

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問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

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粟野小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 3 月改定 はじめに いじめは いじめを受けた児童の基本的人権を著しく侵害し その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず 生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがある 一方 いじめはどの子どもにも どの学校にも起こりうる 極め

(2) いじめの理解すべての子供は かけがえのない存在であり 社会の宝です 子供が健やかに成長していくことはいつの時代も学校 保護者 地域の願いであり 豊かな未来の実現に向けて最も大切なことです 子供は人と人とのかかわり合いの中で 自己の特性や可能性を認識し また 他者の長所等を発見します 互いを認

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(3) 障害を理由とする差別障害を理由とする不当な差別的取扱いを行うこと又は合理的配慮の提供をしないことをいいます (4) 障害を理由とする不当な差別的取扱い客観的にやむを得ないと認められる特別な事情なく 障害又は障害に関連する事由により障害者を区別し 排除し 又は制限すること 障害者に障害者でない

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表 いじめ対策委員会 学校内 学校外 校長 年学年主任 学校評議員 PTA 会長 教頭 年学年主任 学校評議員 PTA 副会長 生徒指導担当 年学年主任 学校評議員 PTA 副会長 支援教育コーディネータ 管理グループリーダー 学校評議員 PTA 副会長 養護教諭 スクールカウンセラー 学校評議員

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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資料 3 体罰の根絶を目指して 平成 24 年度体罰実態調査から見た体罰防止策 北海道教育委員会

再三指導し続けているのに なぜ体罰はなくならないか? 体罰の要因分析 P11

再三指導し続けているのに なぜ体罰はなくならないか? 2 指導が上手くいかず 感情的になってしまうこと 体罰の要因分析 P15

再三指導し続けているのに なぜ体罰はなくならないか? 3 指導が教職員個人に任され 組織で対応していないこと 体罰の要因分析 P17

学校教育法第 11 条 校長及び教員は 教育上必要があると認めるときは 文部科学大臣の定めるところにより 児童 生徒及び学生に懲戒を加えることができる ただし 体罰を加えることはできない 体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について ( 通知 ) ( 平成 25 年 3 月 13 日 24 文科初第 1269 号 )2 懲戒と体罰の区別について その懲戒の内容が 身体的性質のもの すなわち身体に対する侵害を内容とするもの ( 殴る 蹴る等 ) 児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの ( 正座 直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等 ) に当たると判断された場合は 体罰に該当する 体罰の要因分析 P11

体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について ( 通知 ) ( 平成 25 年 3 月 13 日 24 文科初第 1269 号 )3 正当防衛及び正当行為について 児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して 教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使は もとより教育上の措置たる懲戒行為として行われたものではなく これにより身体への侵害又は肉体的苦痛を与えた場合は体罰には該当しない また 他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為に対して これを制止したり 目前の危険を回避したりするためにやむを得ずした有形力の行使についても 同様に体罰に当たらない これらの行為については 正当防衛又は正当行為等として刑事上又は民事上の責めを免れうる 有形力の行使 : 目に見える物理的な力 体罰の要因分析 P11

調査で明らかになった体罰を行った教職員の誤った意識 体罰には程度があり この程度の行為は体罰ではない 指導のためには 必要な有形力の行使が存在する 熱心に指導しているので 児童生徒 保護者は許してくれる 間違った認識をもっている教職員が存在! 厳しい指導としてある程度の体罰は必要だ!? 法や通知の理解不足による体罰を是認するという誤った解釈 児童生徒のやる気を起こすための有形力の行使は必要!? 法や通知の理解不足による有形力の行使を是認するという誤った解釈 これくらいは許される!? 法や通知の理解不足による体罰に程度があるという誤った解釈 体罰の要因分析 P11~14

体罰を行った教職員の誤った認識 1 体罰ではなく指導だから許される!? だから 許される指導の範囲!? 指導の一環!? 指導上の行為!? 体罰は禁止です 指導にはなりません 児童生徒に与えるのは 不安感や恐怖心などの ストレス 苦痛です 体罰の要因分析 P11~14

体罰を行った教職員の誤った認識 2 気合いを入れるためにやった だから 頬を平手でたたく 太ももを足で蹴る 道具を投げつける 問題ない!? 体罰は禁止です 児童生徒に悪影響を与えるだけです 児童生徒に与えるのは 無力感や倦怠感です 自暴自棄を招きます 体罰の要因分析 P12~13

体罰を行った教職員の誤った認識 3 体罰には程度がある だから 体罰は禁止です 程度は関係ありません この程度なら体罰に当たらない!? 児童生徒の心身に深刻な悪影響を与え 教員や学校への 信頼を失墜させます 体罰の要因分析 P12~13

調査で判明した事案のうち 自分が行ったことが体罰だ とは認識していなかった教職員が行った体罰は この程度であれば体罰ではないと体罰を認めていない 教職員が行った体罰その他 素手で殴る 56.5% 蹴る 15.2% 殴る 蹴る 6.5% 投げる 転倒させる 4.3% 投げる 転倒させる 殴る 蹴る 17.4 4.3 6.5 15.2 56.5 素手で殴る その他 17.4% 蹴る 体罰の要因分析 P13

体罰後の児童生徒や保護者の行動で 体罰に至った一連 の事態が収束したと思ってしまう教職員が存在する 児童生徒が反省し 指導ができた!? 児童生徒が自分を責めて誰にも相談しないケースがある 指導の一環として保護者が理解した!? 体罰を指導の一環と考えることがそもそも間違い 保護者や本人に謝って許してもらえた!? 体罰を行った事実は許しがあっても消えない けがをしなかった!? けががなくとも体罰を行った事実は消えない 体罰を行ったという事実は決して消えない 体罰の要因分析 P14

勝手な解釈のメカニズム たたく 平手打ち 蹴る 体罰 児童生徒に動揺が一切見られない 身体に対する侵害 肉体的苦痛はないと勝手に判断 たたく行為で指導が深まる その後も元気に通学している 保護者からも全面的に理解された 児童生徒との信頼関係がある 体罰を行ったという事実は決して消えない 指導の一環 一部として許容? 自分の指導が正しかった? 体罰の要因分析 P11~14

調査で判明した所属長の誤った認識 教職員や保護者 児童生徒が体罰だと相談 報告しても 保護者や児童生徒の理解が得られたことやけががないことなどから 体罰に至った一連の事態が収束し 所属長が事故報告をしないケースが存在する 教職員が体罰を報告したのに 所属長が報告しなかった もの 77.8% 事故後に保護者から相談があったのに 所属長が報告しなかった もの 69.2% 体罰の要因分析 P14

校長の誤った認識 1 児童生徒 保護者に 理解が得られた だから 児童生徒 保護者の理解が あっても体罰があったという事実は消えません 事態が収束 解決!? 事故報告書の提出!! + 原因の究明と再発防止に向けた取組! 体罰の要因分析 P14,20

校長の誤った認識 2 程度が軽いし 身体的な外傷や疾患が認められない だから 体罰はあるかないかです 体罰に程度はありません 原則として 身体に対する侵害があれば体罰です 体罰ではない!? 事故報告書の提出!! + 原因の究明と再発防止に向けた取組! 体罰の要因分析 P14,19

校長の誤った認識 3 総合的に判断した結果 行き過ぎた指導 だった だから 行き過ぎた指導として 身体に対する侵害または肉体的苦痛を与えた場合 総合的判断でも正当な行為でない限り 体罰です 体罰ではない!? 事故報告書の提出!! + 原因の究明と再発防止に向けた取組! 体罰の要因分析 P14,19

市町村教育委員会の誤った認識 体罰を行った教職員が深く反省し 今後に向けて改善意欲がある 緊急保護者会議を開催した 学校が保護者の理解を得て事態を収束させた だから 大きな影響はない!? 体罰後に体罰を行った教職員や学校が いかなる対応を取っても 教職員が児童生徒に対し 体罰を行ったという事実は 消えません 事故報告書の提出!! + 原因の究明と再発防止に向けた取組! 体罰の要因分析 P14,19

誤った意識を変えるには 1 学校教育法 文科省通知などの徹底した理解が必要 体罰 身体に対する侵害 肉体的苦痛を与えるもの 体罰は学校教育法第 11 条により禁止 体罰の要因分析 P11,18

誤った意識を変えるには 2 強い指導として有形力を行使すれば体罰です 通常の指導の範囲内に 身体的に対する侵害は含まれません 気合いを入れるための有形力の行使は 児童生徒の心身に悪影響を与えるだけです 正当防衛又は正当行為でなければ児童生徒に非があっても 体罰をしたことは消えません 体罰の要因分析 P18~19

2 指導が上手くいかず 感情的になってしまうこと 指導が上手くいかず 感情的になってしまい 体罰に及んだものが過半数 期待を裏切られた 体罰の要因分析 P15~16

2 指導が上手くいかず 感情的になってしまうこと 感情のコントロールが大切! アンガーマネジメント 自分の中に生じた怒りの対処法を段階的に学ぶ方法 ( 例 ) 一定の秒数を数える 深呼吸するなどのリラックスする方法 教員のためのアンガーマネジメント 指導の場面で感情的になることで児童生徒への対応に問題となる事例が発生 怒りの性質を正しく知り ストレス耐性を高くすることで落ち着いて問題を整理し 解決に向かう能力を身に付けることが重要 体罰の要因分析 P15,18

3 指導が教職員個人に任され 組織で対応していないこと 再三指導したのに 聞いてくれない 体罰は禁止です 指導方法について 相談できる体制は校内に整っていますか? ほかに指導の手段がなかった!? 一部の教職員に任せきりにしたりしない! 特定の教職員に抱え込ませたりしない! 体罰の要因分析 P17,18~19

3 指導が教職員個人に任され 組織で対応していないこと 特別支援学級は通常の学級と同じ指導方法では 児童生徒を指導できない 指導方法について 学ぶ仕組みは校内に整っていますか? 迷っている教職員をサポートする体制は整っていますか? どのようにすればいいのかわからない? 一部の教職員に任せきりにしたりしない! 特定の教職員に抱え込ませたりしない 体罰の要因分析 P17,18~19

3 指導が教職員個人に任され 組織で対応していないこと 児童生徒からの挑発や学級崩壊を止められない 体罰は禁止です 指導方法について 相談できる体制は校内に整っていますか? ほかに指導の手段がなかった!? 一部の教職員に任せきりにしたりしない! 特定の教職員に抱え込ませたりしない 体罰の要因分析 P17,18~19

体罰をした後 悔やんでも 体罰をした後では 体罰を行った教職員や学校がどんなに手を尽くしても 児童生徒の反省や保護者の行動があっても 体罰を行った 事実は消えない! 何をやっても 事故報告書の提出!! + 原因の究明と再発防止に向けた取組! 体罰の要因分析 P20

体罰を受けた児童生徒への影響 不安感や恐怖心などの強いストレス 自制心 正義感 道徳性などの発達阻害 心理的影響 知的好奇心や興味 関心の喪失 児童生徒が学習すること 自分より弱い者を力で従わせようとする 話合いで解決せず 強い者の意思を優先 体罰 は 一切認められません 体罰の要因分析 P20

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