第 2 回 船坂まちづくり塾 1. 船坂地区の 農 と住民の役割 2. 意見交換など 平成 22 年 2 月 21 日 ( 日 ) 午前 10 時 ~12 時 船坂新聞行事掲載ありがとう
第 1 回船坂まちづくり塾では 主に船坂地区の都市計画土地利用制度について 学習しました 1 市街化区域 市街化調整区域 2 用途地域制度 3 地区計画や住民主体のまちづくり 都市計画区域 市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域 用途地域 市街化区域 1) 既に市街地を形成している区域 2) 概ね 10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 地域ごとに建てられるものが決まっているんだ!
区域区分制度のイメージ 都市計画区域を定め 市街化区域と市街化調整区域に区分 ( 線引き ) します 西宮市は阪神間都市計画区域として区域区分を行うことが都市計画法に定められています
建築物の用途制限 (48 条 ~51 条 ) 都市計画で定められる 12 種類の用途地域に応じて 建築基準法に基づき建築物の用途を制限し 市街地の環境を確保 低層住宅のための地域 小規模な店や事務所をかねた住宅 小中学校などが建てられる 主に低層住宅のための地域 小中学校などのほか 150 m2までの一定の店などが建てられる 中高層住宅のための地域 病院 大学 500 m2までの一定の店などが建てられる 主に中高層住宅のための地域 病院 大学などのほか 1500 m2までの一定の店や事務所など必要な利便施設が建てられる 住居の環境を守るための地域 3000 m2までの店舗 事務所 ホテルなどは建てられる 主に住居の環境を守るための地域 店舗 事務所 ホテル カラオケボックスなどは建てられる
船坂地区の市街化区域の用途地域について 船坂地区の市街化区域の用途地域 第一種低層住居専用地域 建ぺい率 40% 容積率 100% 高さの最高限度 10m 外壁の後退距離 1m 以上 12 種類の用途地域のなかで一番厳しい用途規制の地域です 住宅のほか店舗等に供する部分の床面積が 50 m2以下かつ延べ床面積の 1/2 以下の兼用住宅などが建築できますが 店舗だけの建築物は建築することができません
第 2 回船坂まちづくり塾では 農 をテーマに考えてみようと思います 農業 業 業 の部分は農家 ( 農政 ) の専門 農 第 2 回船坂まちづくり塾では 都市計画担当外の分野も多くありますが 船坂地区のまちづくりにとって重要な要素である 農 についてまちづくりの観点からお話しすることとします
農の視点で見てみると 農業を通じて地域が管理されてきた
でも 土地利用が少しずつ変化している
市街地の土地利用と同様に法によ り 農地にも色々な位置づけ ( 色 ) があります 農地 農業支援 農地転用の難易度
農振法と都市計画法による土地利用区分 市街化調整区域で 100 ha 以上必要 ( その他 200) 農業振興地域 農用地区域 線引き都市計画区域 農振地域は市街化区域にできないが 積極的に優良農地を保全 市街化区域 市街化区域は 農地転用は届出すれば許可不要 船坂地区 市街化調整区域 生産緑地 船坂地区は白地の調整区域と市街化区域です
線引き都市計画区域内の農地の位置づけ 市街化調整区域 市街化区域 農業振興地域 (200ha 以上 ) 農用地区域 ( 特に優良な農地 ) 生産緑地 生産緑地 宅地化農地 農業振興地域以外の農地 宅地化農地 農地の属性により 農地転用 ( 許可 ) の容易さが変わります 農業振興地域の農地や生産緑地は農地転用が極めて困難 ( 不許可 ) です 市街化区域内の宅地化農地は 届出だけで農地転用が可能です
船坂地区の生産緑地指定状況 船坂地区の市街化区域には 残すべき農地として都市計画に位置づけられた 生産緑地地区 は案外少ない指定状況となっています
船坂地区の農地と景観 1. 船坂地区の美しい景観は 里山と農地が主役である 2. 農業景観は 気候風土に育まれた地域性のある景観である 3. 美しい農地は これを観光やまちづくりの資源とすることも考えられる 4. 農業の 業 の部分は農家の領域であるが 農 の部分で都市住民や地区住民も関われることがある 5. 景観政策で必要なものは 見る対象 ( 視対象 ) と 見る場所 ( 視点場 ) であり 両者が揃って初めて効果を発揮する
船坂にとって 農 は 住 とともに大切な要素 地区の活性化 魅力の保全と育成 長所の発見と向上 都市との交流 地域のコミュニティ 改善すべき所は? 農あるまちづくり 農のある風景 農が伝える地域イメージ 農がとりもつ交流 農が育てるコミュニティ 農地の保全 まちづくりを通じた連携づくり相互理解 参加 協力
農 と地域 都市のかかわり 農業 ( 経営 ) は 農家の専門 農家の事情もある 農 が支える景観や土地利用は地域や都市にとっても大切 農 あるまちづくりは農家だけの問題ではない 農家以外も関われることがある 農 や自然は 船坂地区のまちづくりの資源
農 を資源としてどう活かすか... 農 を通じた交流やコミュニティづくりも多面的機能のひとつ 簡易直売所 里のイベント 市民農園 付加価値付市民農園 農の駅アグリ + 教室 観光農園 農家レストラン 農住組合農地付住宅 体験農園 農業サポーター 教育農園食育の場 六次産業直売所 技術指導人材育成 やりやすい むつかしい
六次産業とは 儲かる農業や漁業として注目されている産業形態です 農産物の生産から加工 販売を一体的に行うもので 体験交流などを組み合わせた事例もあります 一次産業 米や野菜の栽培 + 二次産業 食品加工 + 三次産業 流通 販売 農家レストラン 1+2+3=6 1 2 3=6 かけてもたしても 6 になります
農産物直売所について考えてみると 都市住民のニーズ 新鮮な野菜 安心安全な食品 地産地消 低価格 ふれあい 体験 人気のある直売所 常時開設 ( 時間確定 ) 複数農家契約 種類豊富 付加価値 生産者の顔 農地が見える 生産者とのふれあい 良好な自然環境 交通の便や駐車スペース イベントや PR でも すべての条件を揃えるのは大変です 体力にあわせた検討が必要です
名産品 特産品のブランド化のはなし 関アジ 関サバ 大分県の佐賀関漁港で水揚げされたアジやサバは 関アジ 関サバとして商標登録され 高額 ( サバは 2 匹で 7, 350-) で販売されています マスコミなどの活用となぜ美味しいのかという説明がこれでもかとされています 系群 一本釣り 漁場環境 瀬付き魚 流通
立場の違いによる農地保全 に関する課題 ニーズ 農家 市民 行政
都市農地保全に関する課題 ニーズ 市民の立場 1 都市農地の保全意向が高い 2 新鮮 安全 安心な農産物生産を期待している 3 農産物の直売 地元購入希望等地産地消ニーズが高い ( フードマイレージ ) 4 援農 農作業ニーズがある 5 農のある暮らしへのニーズがある 援農 新潟市や箕面市などで 農業サポーター制度が導入され サポーターを受入れる農家と都市住民のサポーターの仲介を行っている
都市農地保全に関する課題 ニーズ 農家の立場 1 都市農地の保全意識が低い または個々の農家で保全意向が異なる 2 高齢化 後継者不足 3 農業収益の低下により営農意欲が減退 4 均分相続による農地の細分化 5 固定資産税 相続税が高額 6 営農環境が悪化など
都市農地保全に関する課題 ニーズ 行政の立場 1 国の政策上市街化区域内農地 ( 生産緑地除く ) の保全が位置づけられていない 2 都市農地保全のための制度が少ない 3 市街化調整区域でもまとまった優良農地以外は 農業振興や農地の保全策が少ない 4 行政内部組織の連携調整が不備 5 自治体により農地の保全の取組みが異なる
農業サポーター制度について 農作業も農家と都市住民では 捉え方が違います 農家が嫌がる農作業も都市住民の一部はレクリエーション! 農家の視点都市側住民の視点 農家の実情 後継者不足 高齢化 きつい しんどい 農地保全の必要性 農作業 都市住民の希望 農作業体験 自然とのふれあい 農地保全意識 就農意欲 ( 納税猶予 生産緑地 ) 安心安全な農産物 箕面市や新潟市など全国各地で農業サポーター制度が導入され 多くの方が登録されています 農業サポータ制度とは 営農を支援するため 農作業の手伝いを希望する農家と農作業に興味のある都市住民を結びつけ 農家と都市住民の健康的な活動を応援する取り組みです
行政以外の農業支援の取り組み事例 市町村が取り組む農業サポーター制度のほかにも NPO 団体などが広域的に取り組んでいる援農活動もあります 例えば 先日 市へ説明に来られた 棚田むすびの会 などがあります 次回の船坂まちづくり塾まち歩きに 棚田むすびの会 の会員が参加される予定です いま 農 がブーム帰農 就農 地産地消 食の安全など いま 農 ブームが起きています ある地方では都会出身の若い女性が 農ギャル として農業を始め 都市内や都市近郊では立地条件を活かした市民農園や体験農園が広がりを見せています 鉄道会社が運営する市民農園 ( アグリス成城 ) も現れ スポーツクラブ感覚 で利用者が殺到していると聞きます
棚田むすび会のご紹介 棚田むすびの会から提供されたスライドです 参考として聞いて下さい
棚田むすびの会とは? 都会から棚田に出かけ 農作業のお手伝いや米作り会員は約 120 名 8 割が女性大阪市中央区南船場に拠点
設立の経緯 会長扇田久美子 ( 出張調理家 ) 代表中崎義志晴 ( 事務担当 米屋 ) 会長はもともと代表の米屋の顧客で 無農薬の米などを業務用に仕入れていた 2008 年 会長が生駒の棚田の休耕田で野菜づくりを始めたのがきっかけで荒廃する棚田の現状を知り 棚田保全に目覚め 棚田むすびの会を設立した
会の特徴 フェミニン ( 女性視点 ) な活動 会員の 8 割が都会に住む女性 棚田ネットワークの関西支部的機能
シンボルマーク
現在の活動エリア 滋賀県大津市仰木 ( おうぎ ) 奈良県生駒市西畑 ( にしはた ) 三重県伊賀市柘植 ( つげ )
2009 年活動実績 棚田調査 棚田ボランティア 棚田オーナー制度による米作り 都会と棚田の交流イベント等年間活動回数 56 回