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233 第四回日露協約と英米協調路線の再考 石井菊次郎を中心に

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2014年 希望小売価格表 クボタ

別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関

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する指導の手引き でも高校生への食育については具体的にふれられていない. 高校進学率 ₉₈.₄%( 平成 ₂₅ 年度学校基本調査 ) である高校生は, 社会に巣立つ前に, 学校教育で一斉に健康に対する自己管理能力を養うことができる最後の機会である. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康

石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネス

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2016/ 4 Contents Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興

₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年

標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討

上 野 山 崎 石 川 の 理 解 ₆,₁₃) や 医 療 従 事 者 との 良 好 な 関 係 ₁₄,₁₅), 治 療 への 参 加 意 識 ₃), 治 療 への 同 意 ₃) や 納 得 ₁₆), 疾 患 に 対 するリスクや 薬 の 必 要 性 についての 知 識 を 得 て いること ₃,₁

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁

す, 搗く, 焼く, 茹でるの ₄ 種類に分けられ, ソルギトックは蒸して作る餅の基本であり米粉に水, 砂糖, 蜂蜜などを加えふるいにかけ, 型に入れてから蒸した餅である ₁₀)₁₁). 本研究では本来うるち米粉を蒸して作るソルギトックにもち米粉を加え, もち米で作った粘りのある餅を食べてきた日本人

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀

2016/ 5 Contents Guarantee Information 平 成 27 年 度 事 業 実 績 お 知 らせ 融 資 保 証 制 度 一 覧 ( 保 証 月 報 4 月 号 )のお 詫 びと 訂 正 経 営 安 定 関 連 4 号 に 規 定 する 災 害 及 び 地 域 の 指

図 ₁ 試験体 図 ₂ 試験体の接合金物 図 ₃ 鋼製金物詳細 表 ₁ 試験体名と形態 斜材 ( 段組数 ( 段 ) 設置形態 B₄₀-₃D ₄₀ ₁₀₅ ₃ 対角止め B₄₀-₃C₁ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₃C₂ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₁D ₄₀ ₁₀₅ ₁ 対角止め

石 橋 堀 口 丸 井 稲 田 を 明 らかにし 理 解 することが 必 要 である ₁₀,₁₁).リ スク 認 知 とは,リスクに 対 する 主 観 的 なイメージ であり, 認 知 心 理 学 より 発 達 し 研 究 されてきた. 一 般 の 人 々と 専 門 家 でリスク 認 知 が 違 う

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2016/ 9 Contents Guarantee Information お知らせ経営安定関連保証制度 1 号に規定する 事業者 の指定について 創業者向けリーフレットを作成しました 事業成長支援保証 ( まるサポ 2000) をご活用ください 協会職員紹介 ❺ 新居浜支所 管理課 Q&A よく

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₁₈ ₂ RI フード ( オークリッジ型 ) ₁₃₀ 万円 ( 本体 )~ ₁.₅ ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ 核医学施設向けセフティキャビネット SCシリーズ 別途打合 ₁.₅ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ フード ( オークリッジ型 ) NSO ₁₂₀₀ ₁₅₀₀ ₁₈₀₀ ₁₁₈ ₁₃₂

石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

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刻な児童虐待であり, その防止が行政の最優先課題であることは異論がないであろう 児童虐待死亡ケースは, 家庭内で起きる 親による子殺し であるが, 日本における 殺人事件全体, 殺人事件の半数は家族親族の児童虐待, 100 間で起きる

32, 15, 3 EUS TIC 1 db,eus EG SR EUS 60, 27, 24 EUS EG SR 0. 11, , EUS EUS EG ₂₆ ₆ 1, 2, 1, 1, 3, 2, 4, 1 1, 2, 3, 4 FibroScan,

ウォーキングに 対 する 恩 恵 認 知 尺 度 の 開 発 身 体 活 動 運 動 と 関 連 性 のある 恩 恵 を 同 定 するこ とが 重 要 である. 日 常 活 動 に 多 く 含 まれるウォーキングは, 最 も 基 本 的 な 身 体 活 動 であり ₈,₉),₆₀ 歳 代 においても

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2 長田尚子 板橋衛 活用しつつ自給率の低い転作作物等の需要に応じた生産拡大が図られた.2010 年に戸別所得補償モデル対策が開始され, 米の 生産数量目標 に即した生産を行った販売農家 ( 集落営農を含む ) に対して所得補償を行い, 今後の戸別所得補償制度で米以外の多くの品目を広く組み込む方向を

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世界のナマズ食文化とその歴史

Vol. No. 校教育修了後の日常生活における, 手芸 裁縫活動の嗜好意識や実践度, 技能の習得状況等の調査を行い, 手芸 裁縫活動に対する意識と実態を明らかにすることを目的とした. それによって, 日常生活における ものづくり の意義や今日の手芸 裁縫活動及びそれらの技能の習得の意義について再考

Fire Department - - 広 報 ざ. 広 報 ざ. 室 定 先 着 順 講 無 期 間 氺 署 講 事 項 乙 訓 組 署 救 係 乙 訓 組 救 救 昼 間 初 式 優 良 体 育 館 初 式 式 典 頃 火 災 献 身 的 努 貢 献 優 良 次 敬 称 略 京 都 府 協 会

高齢者福祉施設入所者の食事摂取状況と排便習慣に対する乳酸菌含有飲料の影響

放射線管理用品 ₂₄ ₁ 多機能除染用ワイパー別途見積 ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ RI 実験衣 ₀.₄₅ 万円 ( 税抜 ) ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ 放射線管理区域標識別途見積別途打合医建エンジニアリング ₂₄ ₁ LED 表示灯 ( 使用中表示灯 ) 別途見積別途打合医建エンジニアリ

2018,30,41-51 資料 におけるダイエット とメディアの を とした より 1 めぐみ 2 3 Dieting behaviors and the media influence in females: A cross-sectional study with female student


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広島工業大学紀要教育編第 ₁₅ 巻 (₂₀₁₆)1 10 論文 同期型 CSCL を使った国際協調的外国語学習の実践 ツールの違いにおける社会的存在感と満足度との関係性 安部由美子 * 益子行弘 ** ( 平成 ₂₇ 年 ₁₀ 月 ₂₇ 日受付 ) International Collaborati

Ⅰ. 緒言 Suzuki, et al., Ⅱ. 研究方法 1. 対象および方法 1 6 表 1 1, 調査票の内容 図

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338 西博行 生中雅也 西村良夫 H Br F 図 ₁ ラニレスタットの構造式 のエナンチオマー評価法の開発研究を行っている 本論文では, ラニレスタットの光学活性中間体につき, キラル HPLC を用いた評価法の検討を行った結果について報告する なお, ラニレスタットは, 糖尿病合併症薬として臨

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2016 Vol.65 No.2 p < 資料 > 母体要因, 出生要因, 分娩様式と児の公衆衛生学的健康障害リスクとの関連についての研究 : 養育医療給付児での検討 高橋篤 ₁,2 ), 原澤和代 ₁ ), 原田明菜 ₁ ), 伊藤里加 ₁ ), 高橋雪子 ₁ ), 勅使河原洋子

問 題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問 題 2 ₁ ₂ ₃ 問 題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2

観 測 点 名 称 住 所 表 ₁ 防 災 科 学 研 究 所 強 震 ネットの 実 地 震 記 録 波 から 求 めた 計 測 震 度 計 測 震 度 震 度 階 ₃ 合 成 最 大 加 速 度 継 続 時 間 地 動 最 大 加 速 度 地 動 最 大 速 度 地 動 最 大 変 位 gal s

目 次 ページ 1. 事業報告書 1 2. 収支計算書 6 3. 事業別収支計算書 8 4. 貸借対照表 財産目録 正味財産増減計算書 正味財産減少理由書 監査報告書 14

佐見 植田 結びつくと考えられている ₅). 畑は, その疾病をいかに深刻なものととらえていたとしても, 罹患の可能性がないと考えている場合には, その疾病への恐れは存在しないことになり, 結果としていかなる予防行動も起こりえないとしている. また, この 重大性 の自覚と 罹患性 の自覚の ₂ つ

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原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2016 年第 26 巻第 1 号 気管支喘息患者に対する看護師による吸入指導の効果 医療法人康曜会プラーナクリニック看護科 ₁), 医療法人康曜会プラーナクリニック呼吸器内科 ₂), 群馬大学医 ₃) 学部附属病院呼吸器 アレルギー内科 中

注意事項 法令等略記凡例

高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 図 1 HFNC による換気パターンの変化 2) 健常人,COPD 患者,IPF 患者それぞれ ₁₂ 人の HFNC 前後の変化 量の増大が見られたが, 健常者では減少した. 全ての群で呼吸数と分時換気量は減少し,COPD と IPF 患者では毛

指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂

情報 BOX 申込み方法 募集 講演 電話以外で申込む場合は次の応募事項を書いてください 名など ( コースも ) 氏名 ( ふりがな ) 電話番号 郵便番号 住所 年齢 小中学生は学校名 学年 福岡市政だより 2016( 平成 28) 年 7 月 1 日 14 講座 などで 特に記載がないものは

はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者受入れをすべく,₁₉₇₉ 年 ₄ 月より帰国生入試を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学手続までのすべての事項を時間の流れ

美作大学 美作大学短期大学部紀要 2011, Vol ~ 14 論 文 GABA(γ- アミノ酪酸 ) の味覚への関与について ~ 酸味と塩味への関与 ~ Involvement of GABA in taste sensation : interaction with acid ta

北の国際協力拠点 ってなんだろう? 区に 国際協力の拠点があることをご存じですか今月は 開発途上国の課題解決や地域の活性化をお手伝いするJICA 北海道の活動をお知らせします JICAに関するお問い合わせ先 JICA 北海道 ( 札幌 )b₈₆₆ ₈333 c₈₆₆ ₈3₈₂ ホームページ www.

ニュージーランドにおける多国籍銀行の展開 現地通貨建て現地債権 の分析から 川本明人 ( 受付 ₂₀₁₄ 年 ₁₀ 月 ₃₁ 日 ) 目 次 はじめに Ⅰ ニュージーランドの銀行制度と特徴 Ⅱ ニュージーランドにおける銀行活動の歴史と現状 Ⅲ 多国籍銀行の理論とニュージーランド銀行 Ⅳ ニュージーラ


原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2015 年第 25 巻第 3 号 慢性閉塞性肺疾患患者における低酸素血症が高次脳機能と脳血流反応に及ぼす影響の検討 近畿大学医学部附属病院リハビリテーション部 ₁), 聖隷クリストファー大学リハビリテーション科学研究科理学療法開発学領域 ₂

風間慶祐, 他 ながら,LACの安全性や忍容性の検討は, これまで主に ₇₅ 歳以下もしくは₈₀ 歳以下を対象に検討が行われてきた. 一方で, 加齢により ADLの低下が見られ有訴率は上昇し ₅), 全身臓器機能低下が予想され, 一般に術後合併症のリスクは増加すると言われている ₆). このため ₈

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

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下里侑子, 他 写真 ₁ 胸痛自覚時の胸部 X 線右胸水を認めた. 写真 ₂ a を開始された. 移植 ₉ 年後より拘束性換気障害 (%VC ₄₁% FEV₁.₀ % ₁₁₆%) を認めたが, 慢性咳嗽の増悪はなく,SpO ₂は大気下で₉₈% と保たれ Activity of daily life

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

広島工業大学紀要教育編第 ₁₂ 巻 (₂₀₁₃)21 27 論文 CIEDE2000 色差式を用いたディジタルシネマ画像の所要ビット長の評価 古川功 * 鈴木純司 ** Evaluation of Required Bit Depth for Digital Cinema using CIEDE20

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田中武 栗栖慎也 甲斐健 山崎勇 織田浩二 﨑将智 植月唯夫 に対する評価基準が異なっても良いと考えられる ₂ ) 体育館のスポーツ照明として,LED 光源を用い, ₁ ) 照明用光源の LED 素子単体が見えない状態にする ₂ ) 実際の直下照度を低下させない ことで, 体育館内の照度分布の達成,


はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者の受入れを目指しています このため,₁₉₆₅ 年 ₄ 月より外国人留学生対象入学試験を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学


日本家政学会誌 Vol. ₆₆ No. ₅ 197~212(₂₀₁₅) 報文 近現代における 着物 の表記法とその意味の変遷 1874 年 ~1980 年の新聞記事を中心に 森理恵 ₁* Changes in the Term Kimono in 1870 s 1970 s Japan Rie MO



ネーザルハイフロー療法の適応と限界 図 1 左 : フィッシャーアンドパイケル社システム ( 出典 : 社内資料 ) 右 : パシフィックメディコ社システム ( 出典 : 社内資料 ) と酸素濃度計が付属している. ブレンダーには酸素配管と圧縮空気配管からのガスを混合させるものと, 酸素配管からの酸

モニモニタ ₁ ₁ タ エリアモニタ AE ₁₉₃₁ AE ₁₉₃₁V ₂₁₀ 万円 ₂₇₃ 万円 防水式電離箱 ₁ヵ月校正は別途 応用技研 電離箱式サーベイメータ ₁ ₁ 高感度 線エリアモニタ RFSD ₆₀₁ 別途見積中央監視装置が別途必要 ₄ヵ月応用光研工業 ₁ ₁ エリアモニタ G₆₄ (

2 251 Barrera, 1986; Barrera, e.g., Gottlieb, 1985 Wethington & Kessler 1986 r Cohen & Wills,

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放射線 ( 能 ) 測定システム ₁₁ ₁ 簡易型ホールボディカウンタ AT₁₃₁₆ 別途見積別途問合 ₁₁ ₁* ベッド式ホールボディカウンタ ACCUSCAN 別途見積別途問合 アドフューテックベラルーシ ATOMTEX 社 アドフューテックキャンベラジャパン 米国キャンベラ社 ₁₁ ₁* 立式

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ⅠⅠ 1 Ⅰ Ⅰ 2 Ⅰ 3 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 4 Ⅰ 4 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅲ 1 791

ているが, 概要的 断片的内容に止まり, とくに指導的教員の動向を捉えられる叙述になっていない ₅ ) 新修鳥取市史 第 ₅ 巻は, 時期ごとに県教育会 市教育会の動向を叙述し, 研究を一歩進めたが, やはり指導的教員の動向を踏まえたものではない ₆ ) 篠村昭二の鳥取県教育史研究は, 県内の指導的

( 建築設備 ) 1 最も不適当な 2 最も不適当な 3 最も不適当な

ごあいさつ 平 素 から 広 島 県 における 血 液 事 業 の 推 進 につきましては 献 血 者 の 皆 さまをはじめ 広 島 県 献 血 推 進 協 議 会 献 血 推 進 団 体 医 療 機 関 関 係 各 団 体 のご 理 解 とご 協 力 を 賜 り 厚 く 御 礼 申 し 上 げます

前田美和子, 田中 沙織 の起源は₁₈₉₅ 年にさかのぼる. もともと本学はキリスト教主義の女子教育を掲げ,₁₈₈₆ 年広島女学会として創立した. ₃ 年後の₁₈₈₉ 年に現在校母と呼ばれている N.B. ゲーンスが校長に就任し,₁₈₉₂ 年に幼稚園を開設, ₃ 年後の₁₈₉₅ 年に保姆養成科を発足

表 5-1 機器 設備 説明変数のカテゴリースコア, 偏相関係数, 判別的中率 属性 カテゴリー カテゴリースコア レンジ 偏相関係数 性別 女性 男性 ~20 歳台 歳台 年齢 40 歳台

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14 教育心理学研究,₂₀₁₈,₆₆,14-27 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ 大学生におけるアルバイト就労と精神的健康および修学との関連 高本真寛 * 古村健太郎 ** 本研究は, 大学生がアルバイトを行うことによって精神的健康と修学にどのような影響を受けるのかについて検討した 研究 ₁ では, 大学生 ₂₈₄ 名を対象に, アルバイト就労と抑うつとの関連を検討した 決定木分析の結果, 心理的負荷のかかる出来事 ( 職場での人間関係のトラブルやサポート源の消失 ) の方が深夜勤務よりも抑うつへのリスクが高いことが示された 研究 ₂ では, 大学生 ₃₂₄ 名を対象に, アルバイト就労と修学との関連について検討した 決定木分析の結果, アルバイト就労による授業等の欠席および期末試験期間中のアルバイト就労が修学困難に対するリスク要因となることが明らかとなった 本研究の結果から, 大学生が修学に支障を来すにいたるまでのプロセスには,(a) アルバイト中に心理的負荷のかかる出来事を経験することで精神的不調になり修学困難に至る,(b) 深夜勤務による睡眠不足や疲労の蓄積が大学への出席に支障を来すことで修学困難に至るという ₂ つの存在が示唆された キーワード : アルバイト, 抑うつ, 修学, 大学生 問題と目的 近年, 労働者の過重労働に対する問題意識が高まっている 例えば, 厚生労働省による第 ₁₂ 次労働災害防止計画では, 健康確保 職業性疾病対策において過重労働対策を優先的に取り組むべき事項に挙げている ( 厚生労働省, ₂₀₁₃) また,₂₀₁₄ 年 ₁₁ 月 ₁ 日には過労死等防止対策推進法が施行され,₂₀₁₄ 年 ₆ 月の改正労働安全衛生法公布を受け,₂₀₁₅ 年 ₁₂ 月から従業員数 ₅₀ 名以上の全事業場に対するストレスチェック制度が義務化された このような直近の動向からも, 国を挙げて労働者の過重労働や労働衛生問題に取り組む姿勢がうかがえる ただし, 平成 ₂₇ 年度の 過労死等 ₁ の労災補償状況 の報告を見ると, 労災請求件数ならびに支給決定件数は概ね増加の傾向が見られ, 特に精神障害に係る支給件数は, 過去最高を記録した昨年度比で ₂₅ 件の減少が見られたものの, 請求件数は ₁,₅₁₅ 件と過去最高を更新した ( 厚生労働省, ₂₀₁₆a) このように, 過重労働に対する社会的関心や取り組みが注目を集めながら, その問題の改善にはいまだ多くの課題が山積している そもそも, これまでの研究において, 過重労働は様々な身体 精神疾患のリスク要因となることが示されている (Milner, Smith, & LaMontagne, ₂₀₁₅; Virtanen, et al., * 横浜国立大学 ₂₄₀-₈₅₀₁ 神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台 ₇₉-₂ takamoto-masahiro-zw@ynu.ac.jp ** 弘前大学 ₂₀₁₀; Virtanen, Stansfeld, Fuhrer, Ferrie, & Kivimaki, ₂₀₁₂) また, 過重労働に付随して生じる短時間睡眠や睡眠不足も, 日常生活を送る中で大きな影響を及ぼす 短時間睡眠は翌日の眠気や疲労感を高めて生産性を低下させ (Centers for Disease Control and Prevention, ₂₀₁₁; Harma, et al., ₁₉₉₈), 認知的能力や情動にもネガティブな影響を及ぼす (Alhola & Polo-Kantola, ₂₀₀₇; Dorrian, et al., ₂₀₀₃; Harrison & Horne, ₂₀₀₀; Pilcher, Huffcutt, & Allen, ₁₉₉₆) さらに, 睡眠の時間 質の低下による疲労の蓄積は日中作業時の眠気や労働の質の低下をもたらし (Akerstedt & Wright, ₂₀₀₉; Sallinen, et al., ₂₀₀₃), 睡眠時間の短縮によって低下した神経行動機能は, その後に数日間の十分な睡眠をとるだけでは回復しない (Belenky, et al., ₂₀₀₃; Haavisto, et al., ₂₀₁₀; Van Dongen, Maislin, Mullington, & Dindes, ₂₀₀₃) 長期的視点に立つと, 睡眠時間が ₆ 時間未満の場合には虚血性心疾患リスクが高まるという知見もある (Garde, Hansen, Holterman, Gyntelberg, & Suadicani, ₂₀₁₃) 以上からも, 過重労働や短時間睡眠もしくは睡眠不足は大きな健康阻害リスクとなりうることは明らかである 他方, 過重労働以外にも, 仕事の質や仕事への適性の問題, 対人関係の問題も職場ストレスとして大きな意味をもつ 厚生労働省 (₂₀₁₂) による調査では, 職場の人間関係の問題 が職場ストレスとして最も多く ₁ 過労死等 とは, 過労死等防止対策推進法第 ₂ 条において 業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害 と定義される

15 (₄₁.₃%), 次いで 仕事の質の問題 (₃₃.₁%), 仕事の量の問題 (₃₀.₃%) であった また, 精神障害に係る労災補償事案の内容を見ると, 過重労働だけでなく, 事故や災害の体験 や 対人関係の問題, セクシュアルハラスメント の経験によって精神障害を発病したと認定された件数が一定数見受けられる ( 厚生労働省, ₂₀₁₆a) 以上のことから, 仕事の質などに起因される職場ストレスや対人関係といった側面は, 労働者の健康問題を考える際に重要である これまでに概観した研究は労働者を対象としているが, 近年, 厚生労働省によって高校生や大学生のアルバイト就労に関する調査が実施された ( 厚生労働省, ₂₀₁₅a, ₂₀₁₆b) 調査の結果, 大学生の主なアルバイト先はコンビニエンスストア (₁₅.₅%), 個別指導学習塾 (₁₄.₅%), スーパーマーケット (₁₁.₄%), 居酒屋 (₁₁.₃%) であった 上記の業種先のうち, コンビニエンスストアや居酒屋は ₂₂ 時から ₅ 時までの深夜時間帯に営業する店舗が多く, 実際に深夜業があると回答した大学生の割合は ₄₀.₃% であった また, アルバイト就労によって学業に支障が出た経験があると回答した大学生は ₁₇.₈% 存在し, 自由記述の中では体調を崩したなどの記述もあり, 健康被害を被った学生がいることも明らかにされた 上述したアルバイト就労による健康被害を被った理由には, 休息の時間である深夜時間帯の勤務に伴う概日リズムの乱れが挙げられる 交代勤務によって夜勤勤務を行うことが多い看護師などを対象とした研究では, 夜勤勤務は疲労が蓄積しやすいだけでなく睡眠に問題を抱える者の割合も高く ( 菊池 石井, ₂₀₁₅; 久保 高橋 ミカエル 久保 鈴村, ₂₀₁₃), 身体的不調を訴えやすい ( 川村 山田 森岡, ₂₀₁₅) したがって, 体調不良や学業に支障を来した大学生の割合が一定数見られた背景には, 深夜業による睡眠不足や疲労の蓄積が誘因となっていると推測される ところで, 大学生の多くは発達段階において青年期後期にあたり, 実社会に出る準備段階にある 文部科学省が目指すキャリア教育では, 大学に在学する間に 社会的 職業的自立, 社会 職業への円滑な移行に必要な力 の獲得を促すことを目指しており, その中には 勤労観 職業観等の価値観 が含まれる ( 文部科学省中央教育審議会, ₂₀₁₁) 荒木 伊達 松下 (₂₀₁₅) は 活動志向型 かつ 仕事 就職活動に関わる キャリア教育に関する内容に アルバイト インターンシップ を挙げており, 大学生のアルバイト就労は 勤労観 職業観等の価値観 の形成に寄与すると考えられる ただし, 現状では大学生のアルバイト就労がキャリア教育の枠組みにおいて十分に扱われてはいない 一方で, 大学生によるアルバイト就労は well-being( 田村 木村 三井 松瀬, ₂₀₁₁) や就職活動目標 ( 関口, ₂₀₁₂), キャリア成熟 ( 粟津 小澤, ₂₀₁₁) との関連が示されており, 卒業後の職業観との関連が示唆される これらの知見をふまえても, アルバイト就労はキャリア教育に肯定的な影響を及ぼしうることが推測される しかし, 当然ながらアルバイト就労によって身体的 精神的不調や修学困難を来すことは避けなければならない そのため, 大学生は身体的 精神的健康を損なうことなく, 学業との両立が図れるようにアルバイト就労をマネージメントする必要がある しかしながら, 上西 梅崎 南雲 後藤 (₂₀₁₄) による調査では, 多くの大学生が労働法に関する知識を十分に持たず, 就労先で不当な扱いを経験しやすいことが明らかにされた 日本においては, ブラックバイト や ブラック企業 などと標榜されるほど, 大学生等や若年労働者を酷使する企業が一部存在することが問題となっている ( 今野, ₂₀₁₆) また, 労働政策研究 研修機構 (₂₀₁₅) は, 入社後 ₃ 年以内に若年労働社員の半数以上が離職する事業場が全体の ₂ 割存在し, そのような事業場では大量離職と大量採用が繰り返され, 長時間の時間外労働が課されていることが多いことを明らかにした このような問題の存在を踏まえても,(a) 労働法に関する知識を充分に獲得すること,(b) 自身の健康を含む実生活と就労とのバランスを, アルバイト就労を通して考え実行することの ₂ 点は大学生の身体的 精神的健康の維持だけでなく, 社会人となった後のワークライフバランスに関する意識の礎を形成する上でも重要な意味を持つ これまでの議論をまとめると, 大学生がアルバイト就労を行うことは, 勤労観 職業観等の価値観 やワークライフバランスを育むことにつながる可能性をもつ一方で, 過度もしくは過重なアルバイト就労, ならびに心理的負荷となる出来事の経験は身体的 精神的不調や修学困難を来す恐れも潜んでいる 深夜業が健康阻害リスクとなりうる点を考慮すれば, 大学生における深夜業を含むアルバイト就労の従事による健康阻害リスクの程度を明らかにする必要がある また, これまでの大学生のアルバイト就労に関する研究は実態調査を目的としたものが多く, どのようなアルバイト就労に関する要因が健康阻害要因となりうるのかが明らかにされてきたわけではない さらに, アルバイト就労に伴う健康阻害リスクを明らかにすることは,

16 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ 睡眠不足や疲労の蓄積, 身体的 精神的不調を原因として生じる, 修学困難という二次的な問題の発生を防ぐことにもつながると考えられる したがって, 大学生という若年者を対象とすることは,(a) 主に一般労働者を対象としてきた深夜業を含む労働に関する健康阻害リスク要因の再評価を促す,(b) アルバイト就労が精神的健康と修学に対して有するリスクを明らかにすることで大学生の健康管理や修学支援に関する示唆が得られるという ₂ つの意義を有する 以上の議論をふまえ, 本研究では大学生のアルバイト就労が精神的健康および修学状況に及ぼす影響について, アルバイト就労や深夜業の有無だけでなく, アルバイト就労中に経験する様々な出来事を含めて検討する 研究 ₁ では, アルバイト就労と抑うつとの関連を検討し, 研究 ₂ ではアルバイト就労と修学との関連を検討する 本研究における検討は, 以下の手順に準じて行う まず, アルバイト就労が精神的健康および修学へ及ぼす個々のリスクをオッズ比によって評価する 次に, 様々なアルバイト就労に関する諸要因がどのように複合的に影響し合うことでリスクを高めるかを探索的に検討する これは, それぞれの諸要因および諸要因間の交互作用による精神的健康と修学へのリスクを検討することを意味する そのため, 本研究では決定木分析 ₂ (decision tree) による検討によってこの目的を達成する 分析には CHAID(Chi-squared Automatic Interaction Detector: カイ ₂ 乗自動交互作用検出 ) による方法を選択し, 最後に得られたモデルの予測力の程度を示す的中率を算出する 本研究の実施に際し, 調査参加者間でアルバイト就労経験や現時点でのアルバイト就労の有無などの多様性が想定される そのため, 調査参加者の回答への負担軽減のために,SurveyMonkey 社のサービスを利用して分岐設問を含む web 調査票を作成する 調査参加者には,web 調査票へアクセスするための URL と QR コードを併載した調査への協力依頼書を配布し, 調査への協力に同意した場合には, 上記のいずれかから ₂ 決定木分析とは, 応答に対する何らかの基準で応答に関与する説明変数を再帰的に分割しながらモデルを構築する統計的な手法であり, データに潜む要因構造を 樹木 ( デンドログラムとも呼ぶ ) によって視覚的に表現することで複雑な影響要因の非線形効果や説明変数間の交互作用効果を自動的に摘出することができる ( 下川 杉本 後藤, ₂₀₁₃) 本研究で採用した CHAID による決定木分析は, ある変数 ( ノード と呼ぶ) における応答の相違を検定統計量と多重比較調整を行った p 値によって行われる web 調査票にアクセスして回答するように求める 本研究の分析では IBM SPSS Statistics ₂₄ を用い, 決定木分析には DECISION TREE パッケージを利用した 研究 1 方法調査参加者 ₂₀₁₅ 年 ₁ 月に, 関東近郊の私立 A 女子大学と私立 B 大学に在学する大学生 ₃₀₁ 名に調査参加の依頼を行い, 最終的に ₂₈₄ 名 (A 女子大学 ₁₅₇ 名,B 大学 ₁₂₇ 名 ; 男性 ₃₈ 名, 女性 ₂₄₆ 名 ) から有効回答が得られた ₃ ( 平均年齢 ₁₉.₃ 歳,SD=₀.₈₀) 調査参加者の学年構成は ₁ 年生が ₁₈₆ 名,₂ 年生が ₆₈ 名,₃ 年生が ₂₃ 名,₄ 年生が ₆ 名, 不明が ₁ 名であった 調査は講義時間内の時間を利用して実施した A 女子大学では,₁ 年生および ₂ 年生次に開講される統計学に関する学科の必修科目の ₂ 講義で実施し,B 大学では, 全学年向けに開講される社会心理学に関する教養科目で実施した 質問紙の構成 ₁. アルバイト就労経験の有無は, ₁. 今, アルバイトをしている ₂. 今はしていないが, これまでにアルバイトをしたことがある ( 今のところ, アルバイトをする予定はない ) ₃. 今までにアルバイトをした経験があって, これからアルバイトをする予定がある ₄. 今までにアルバイトをしたことがない の ₄ つの選択枝から回答を求めた 上記回答のうち, ₁ ₃ の選択枝に回答した調査参加者は以下の質問への回答を求めた アルバイト就労の経験がないと回答した調査参加者には, 下記の ₅. 抑うつ傾向 のみを回答するように調査画面を設定した ₂. アルバイトの内容や勤務条件等は以下の通り回答を求めた まず, 今現在ならびに過去に行っていたアルバイトの仕事内容, アルバイトを始めようとしたきっかけについて自由記述での回答を求めた ₄ 次に, 当該アルバイトを選択した理由について, 時給が良かったから 仕事の内容に興味があったから 自分の都合に合わせて勤務スケジュールが決められたから 通いやすかったから 友人や知り合いからの紹介 の各選択枝から多重回答形式で回答を求め, その他 として自由記述欄を設けた ₃ ₄ 私立 A 女子大学および私立 B 大学は, ともに人文社会科学系の学部が複数設置された大学である そのうち, 私立 A 女子大学は大学附属の幼稚園から高等学校まで設置されている アルバイト内容に関して, 業種や職種に関する選択枝を用意して回答を求める方法も考えられた しかし, 本研究はアルバイト就労と健康 修学との関連を, 探索的に検討することを目的としたため, 業種 職種については複数選択枝からの選択方 式ではなく, 自由記述方式による回答で十分であると判断した

17 深夜時間帯の勤務条件は, ₂₂ 時以降の深夜時間帯での勤務がありますか ( ₂ 件法 ), ₁ か月に何日間, ₂₂ 時以降の深夜時間帯での勤務がありますか 過去 ₃ か月を平均してお答えください によって回答を求めた また, 勤務時間については, アルバイトで働くときの ₁ 日および ₁ 週間でのおおよその平均勤務時間を教えてください と教示した上でそれぞれの勤務時間を尋ねた さらに, 過去 ₃ か月における実際の勤務時間を把握するために, 最近のアルバイトの合計時間についてそれぞれ教えてください と教示し, 今月 ( ₁ 月 ), 先月 (₁₂ 月 ), 先々月 (₁₁ 月 ) についてそれぞれ回答を求めた 最後に, ここ ₁ 週間の平均睡眠時間を教えてください と教示し, 睡眠時間について回答を求めた ₃. アルバイト勤務時による心理的負荷を把握するために, 心理的負荷による精神障害の認定基準 ( 厚生労働省, ₂₀₁₁) における 業務による心理的負荷評価表 に挙げられる ₃₆ 項目を参考に, アルバイト就労時における心理的負荷に関する ₃₄ 項目を作成した 心理的負荷による精神障害の認定基準 は, それぞれ 事故や災害の体験 仕事の失敗, 過重な責任の発生 仕事の量 質 役割 地位の変化等 対人関係 セクシュアルハラスメント の ₆ 類型に分けられる その他, アルバイトの勤務シフトの増減に関する ₃ 項目 ( 採用時に合意した以上のシフトを入れられる 採用時にシフトの変更を命じられた 一方的にシフトを削られた ) を加えて ない ある の ₂ 件法で回答を求めた 今現在アルバイトを行っていない調査参加者には, 直近のアルバイト就労について回答を求めた ₄. アルバイト勤務が学生生活へ及ぼす影響について, 厚生労働省 (₂₀₁₅a) の結果を参考に, アルバイト就労が大学生活等に支障を来すことを示す ₄ 項目を作成した これらの項目は, 大学生がアルバイト就労による日常生活や修学への影響を主観的にどのように評価しているかを把握することを目的とした ₄ 項目のうち, 試験の準備期間や試験期間中にシフトを入れられる アルバイトを優先して, 友人との約束をキャンセルしたことがある アルバイト勤務のために, 体調を崩したことがある の ₃ 項目については ない ある の ₂ 件法で回答を求めた アルバイト勤務の疲れで授業に出席できない は 全くない から かなりある の ₅ 件法で回答を求めた ₅. 抑うつ傾向を測定するために K-₆ 日本語版 (Furukawa, et al., ₂₀₀₈) を用いた ( ₆ 項目 ₅ 件法 ) 本研究におけるカットオフポイントは ₉ 点とした (Furukawa, et al., ₂₀₀₈) 個人属性として性別, 学年, 年齢への回答を求めた 結果大学生のアルバイト就労状況アルバイト就労経験の有無に関する質問では, 今現在アルバイトを行っている者が ₂₁₁ 名 (₇₄.₃%), アルバイト経験があり, 今後アルバイトを行う予定がない者が ₁₈ 名 (₆.₃%), アルバイト経験があり, 今後アルバイトを行う予定がある者が ₂₈ 名 (₉.₉%), アルバイト経験がない者が ₂₇ 名 (₉.₅%) であった 次に, アルバイト経験があると回答した ₂₅₇ 名から得られたアルバイトを始めたきっかけに関する ₂₇₉ の自由記述を集計した その結果, 金銭を得るため (₁₉₁), 社会経験を積むため (₅₀), 時間に余裕があるため (₁₀), 勧められたため (₁₃), その他 (₁₅) に分類された このうち, 金銭を得るため は, その目的からさらに 言及なし 交際費等のため (₁₅₆), 実家の家計のため ( ₃ ), 生活費 学費等 (₁₉), 貯金 (₁₃) に分類された アルバイトの仕事内容は, 今現在行っているアルバイトとこれまでに行っていたアルバイトを区別せずに集計した 自由記述の分類は, 第 ₁ 著者が全記述を厚生労働省 (₂₀₁₅a) の結果を参考に分類し, その分類結果を第 ₂ 著者が確認した その結果, アルバイト先に選ばれた業種等が多い順に飲食系 (₃₈.₅%), 販売系 (₃₄.₆%), 教育系 (₁₂.₃%) と続き, 娯楽系 (₄.₈%), ホテル系, イベント系 ( ともに ₁.₇%), 医療 介護 保育系 (₁.₅%), 配送 引越系 (₀.₄%), その他 (₄.₁%) であった 特に多かったアルバイト先は, コンビニエンスストア, 学習塾 ( ともに ₉.₇%), ファミリーレストラン (₇.₄%), スーパーマーケット (₆.₁%), カフェ (₅.₈%), 居酒屋 (₅.₆%) であった ₅ アルバイトの選択理由や深夜業の有無, アルバイトの勤務時間等を集計した結果を Table ₁ に示す その結果, アルバイトの選択理由では, 金銭面による理由が約半数にのぼり, 日程の調整のしやすさ, 仕事内容への興味を理由に挙げた学生が約 ₄₀% 見られた 現在アルバイトを行っている大学生のうち, 深夜業があると回答した割合は ₄₆.₀% であり,₁ か月平均で ₇.₉ 日深夜業を行い,₁ 週間の平均勤務時間は ₁₆.₂ 時間であった 過去 ₃ か月における ₁ か月の平均勤務時間は, ₁ 月,₁₂ 月,₁₁ 月の順に M=₄₉.₂(SD=₄₃.₁₄, min=₀, ₅ 回答のうち, 繁忙期にのみ行われるアルバイト ( 年末年始の郵便局における年賀状の仕分けや税務署での確定申告のスタッフなど ) は集計から除外した 詳しい集計結果に関する問い合わせについては, 第 ₁ 著者に連絡されたい

18 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ Table アルバイトの選択理由と勤務状況の集計結果 アルバイトの選択理由とアルバイトの就労経験勤務状況 ₁ ₂ ₃ ₁₀₁ ₇ ₁₁ 時給が良かったから (₄₇.₉%)(₃₈.₉%)(₃₉.₃%) ₈₁ ₇ ₇ 仕事の内容に興味があったから (₃₈.₄%)(₃₈.₉%)(₂₅.₀%) 自分の都合に合わせて勤務スケジュールが決められたから ₈₆ ₃ ₁₆ (₄₀.₈%)(₁₆.₇%)(₅₇.₁%) ₂₂ ₁₃ ₁₆ 通いやすかったから (₁₀.₄%)(₇₂.₂%)(₅₇.₁%) ₅₉ ₄ ₁₀ 友人や知り合いからの紹介 (₂₈.₀%)(₂₂.₂%)(₃₅.₇%) ₁₀ ₂ ₅ その他 ( ₄.₇%)(₁₁.₁%)(₁₇.₉%) ₉₇ ₉ ₄ 深夜業の有無 (₄₆.₀%)(₅₀.₀%)(₁₄.₃%) ₇.₉ ₈.₅ ₅.₀ ₁ か月平均の日数 ( 深夜業 ) (₅.₁₆) (₆.₀₀) (₇.₂₃) ₅.₂ ₅.₄ ₅.₀ ₁ 日の平均勤務時間 (₁.₈₁) (₁.₅₇) (₁.₈₇) ₁₆.₂ ₁₇.₉ ₁₄.₆ ₁ 週間の平均勤務時間 (₉.₃₃) (₉.₀₃) (₇.₂₅) ₅.₉ ₆.₀ ₆.₁ 睡眠時間 (₁.₂₃) (₁.₃₄) (₁.₂₂) 注 ₁ ) 表中のアルバイト就労経験の数値はそれぞれ ₁. 今, アルバイトをしている ₂. 今はしていないが, これまでにアルバイトをしたことがある ( 今のところ, アルバイトをする予定はない ) ₃. 今までにアルバイトをした経験があって, これからアルバイトをする予定がある を示す 注 ₂ ) 表中において, 深夜業の日数,₁ 日および ₁ 週間の勤務時間, 睡眠時間における括弧内の数値は標準偏差を示し, それ以外は割合 (%) を示す max=₃₇₅),m=₅₇.₃(sd=₃₉.₂₀, min=₀, max=₃₇₅),m= ₅₄.₄(SD=₃₉.₂₀, min=₀, max=₃₄₈) であった 平均睡眠 時間については, 現在のアルバイト就労の有無にかかわらず, 約 ₆ 時間であった アルバイト就労と抑うつ傾向の関連アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事の経験やシフトに関するトラブル, 学業への影響について単純集計を行った (Table ₂ 左側 ) その結果, アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事において最も経験数が多かった出来事は, 顧客や取引先からクレームを受けた が ₁₀₃ 件 (₄₈.₈%) であり, 上司が替わった が ₅₅ 件 (₂₆.₁%), 自分の昇格 昇進があった が ₃₈ 件 (₁₈.₀%), 仕事のペース, 活動の変化があった が ₃₇ 件 (₁₇.₅%), 理解してくれていた人の異動があった が ₂₆ 件 (₁₂.₃%), ノルマが達成できなかった が ₂₆ 件 (₁₂.₃%) と続いた また, シフトに関するトラブル や学業への影響について尋ねた項目では, 採用時にシフトの変更を命じられた が ₉ 件 (₄.₃%), 採用時に同意した以上のシフトを入れられた が ₃₇ 件 (₁₇.₅%) と ₂ つの項目で経験数が ₂₀% を超えなかったが, それ以外の出来事の経験率は ₂₀% を超えていた また, アルバイト勤務の疲れで授業に出席できない については, 全くない が ₁₂₂ 名 (₄₇.₅%), ほとんどない が ₅₇ 名 (₂₂.₃%), あまりない が ₂₇ 名 (₁₀.₅%), たまにある が ₄₅ 名 (₁₇.₅%), かなりある が ₅ 名 (₁.₉%) であった 続いて, アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事と抑うつ傾向との関連を検討した 検討に先立ち,K-₆ の合計得点 ₆ (M=₄.₄₅, SD=₄.₉₁) の信頼性を α 係数と ω 係数を用いて確認した結果,α=.₈₉₉(₉₅% CI [.₈₇₆,.₉₁₉], inter-item r=.₆₀₄, range=.₂₄₉.₆₈₅, precision=₀.₀₁₅) であり ₇,ω=.₉₀₄(₉₅% CI[.₈₇₈,.₉₂₃]) であった 以上の結果から, 内的整合性の観点からの信頼性は十分と判断した K-₆ の得点をカットオフポイントである ₉ 点で抑うつ傾向を評価した結果,₆₆ 名 ( 男性 ₆ 名, 女性 ₆₀ 名 ;₁₉.₄%) が ₉ 点以上であり, 現在アルバイトを行っている者では ₄₁ 名 ( 男性 ₅ 名, 女性 ₃₆ 名 ) が該当した 以降の分析では,₉ 点未満を ₀,₉ 点以上を ₁ とした ₂ 値に変換して分析に用いた 心理的負荷のかかる出来事と抑うつの関連を検討するために, 性別を調整したオッズ比を算出した ₈ (Table ₂ 左側 ) その結果, 仕事の失敗, 過重な責任の発生等 に該当する出来事では, ノルマが達成できなかった (OR=₃.₀₀), 顧客や取引先から無理な注文を受けた (OR=₃.₁₄), 顧客や取引先からクレームを受けた (OR=₃.₀₆) の経験が, 仕事の量 質 に該当する出来 ₆ ₇ ₈ K-₆ の得点が ₉ 点以上の者は気分 不安障害相当と見なされうることを考慮すると, 本研究における該当者数の割合の多さを留意した考察が必要である precision とは,α 係数が信頼性を推定する際の前提条件である 弱平行測定 をどの程度満たしているかを指標化したものであり, SDr precison = 1 1 2 k ( k 1) 1 2 によって算出することができる (Cortina, ₁₉₉₃) 上記式内における SD r は項目間の相関係数の標準偏差を示し,k は項目数を示す 弱平行測定が満たされている場合には,precision=₀ となる 経験数が ₁₀ に満たない出来事のオッズ比を算出したところ, オッズ比が ₁₀ を超えるものや ₉₅% CI の上限値が ₁₀₀ を超えるなど, 不安定な推定値が散見されたため表中に掲載しないこと とした

19 Table アルバイト就労による心理的負荷の経験等と抑うつ傾向 修学困難との関連 No. 項目内容 研究 ₁(n=₂₁₁) 研究 ₂(n=₂₆₃) 経験数オッズ比 (₉₅% CI) 経験数オッズ比 (₉₅% CI) V₁ ( 重度の ) 病気やケガをした ₆( ₃) ₁₃(₁₀) ₂.₄₅[₀.₅₀, ₂.₃₈] V₂ 悲惨な事故や災害の体験, 目撃をした ₇( ₆) ₉( ₆) V₃ 業務に関連し, 重大な人身事故, 重大事故を起こした ₁( ₀) ₁( ₁) V₄ 会社の経営に影響する等の重大な仕事上のミスをした ₃( ₃) ₂( ₂) V₅ 会社で起きた事故 事件について, 責任を問われた ₆( ₅) ₂( ₂) V₆ 自分の関係する仕事で多額の損失等が生じた ₈( ₆) ₇( ₅) V₇ 業務に関連し, 違法行為を強要された ₂( ₁) ₅( ₄) V₈ 達成困難なノルマが課された ₆( ₆) ₁₁( ₆) ₃.₂₃[₀.₇₉, ₁₃.₂₁] V₉ ノルマが達成できなかった ₂₆( ₂₃) ₃.₀₀[₁.₂₅, ₇.₂₃] ₄₂(₂₂) ₂.₀₄[₀.₈₄, ₄.₉₅] V₁₀ 新規事業の担当になった, 会社の建て直しの担当になった ₂( ₂) ₁( ₀) V₁₁ 顧客や取引先から無理な注文を受けた ₂₁( ₁₇) ₃.1₄[₁.₁₈, ₈.₃₂] ₂₂(₁₇) ₂.₅₁[₀.₈₃, ₇.₅₆] V₁₂ 顧客や取引先からクレームを受けた ₁₀₃( ₈₉) ₃.₀₆[₁.₄₆, ₆.₄₃] ₁₁₁(₇₂) ₁.₀₉[₀.₅₁, ₂.₃₄] V₁₃ 大きな説明会や公式の場での発表を強いられた ₂( ₁) ₆( ₃) V₁₄ 上司が不在になることにより, その代行を任された ₁₉( ₁₈) ₁.₉₈[₀.₇₀, ₅.₆₀] ₃₈(₂₂) ₂.₃₅[₀.₉₆, ₅.₇₇] V₁₅ 仕事内容 仕事量の ( 大きな ) 変化を生じさせる出来事があった ₂₉( ₂₄) ₁.₇₇[₀.₇₂, ₄.₃₈] ₃₇(₂₁) ₁.₉₀[₀.₇₅, ₄.₈₁] V₁₆ ₁ヶ月に ₈₀ 時間以上の時間外労働を行った ₀( ₀) ₀( ₀) V₁₇ ₂ 週間にわたって連続勤務を行った ₄( ₄) ₈( ₄) V₁₈ 勤務形態に変化があった ₂₅( ₂₁) 2.₈₃[₁.₁₄, ₇.₀₅] ₃₉(₂₃) ₂.₁₈[₀.₈₉, ₅.₃₁] V₁₉ 仕事のペース, 活動の変化があった ₃₇( ₃₃) 2.₅₅[₁.₁₄, ₅.₇₀] ₈₂(₄₂) ₁.₆₉[₀.₇₈, ₃.₆₅] V₂₀ 退職を強要された ₇( ₅) ₅( ₁) V₂₁ 配置転換があった ₁₅( ₁₃) ₄.₀₄[₁.₃₇, ₁₁.₉₁] ₁₇( ₈) ₂.₅₈[₀.₇₈, ₈.₆₁] V₂₂ 複数名で担当していた業務を ₁ 人で担当するようになった ₁₉( ₁₅) 2.₉2[₁.₀₅, ₈.₁₅] ₃₇(₂₄) ₀.₆₃[₀.₁₈, ₂.₂₂] V₂₃ アルバイトであるとの理由により, 仕事上の差別, 不利益取扱いを受けた ₄( ₃) ₆( ₃) V₂₄ 自分の昇格 昇進があった ₃₈( ₃₀) ₀.₇₅[₀.₂₉, ₁.₉₄] ₄₈(₂₇) ₁.₆₉[₀.₇₀, ₄.₀₇] V₂₅ 部下が減った ₁₈( ₁₈) ₃.21[₁.₁₃, ₉.₁₄] ₂₄(₁₃) ₃.2₄[₁.₁₅, ₉.₁₁] V₂₆ アルバイトである自分の契約満了が迫った ₅( ₃) ₉( ₂) V₂₇ ( ひどい ) 嫌がらせ, いじめ, 又は暴行を受けた ₆( ₆) ₆( ₅) V₂₈ 上司とのトラブルがあった ₂₁( ₁₆) ₆.₇₄[₂.₅₂, ₁₈.₀₂] ₂₄(₁₂) ₁.₃₁[₀.₃₆, ₄.₇₅] V₂₉ 同僚とのトラブルがあった ₂( ₂) ₉( ₅) V₃₀ 部下とのトラブルがあった ₂( ₁) ₄( ₄) V₃₁ 理解してくれていた人の異動があった ₂₆( ₂₅) ₃.₉₆[₁.₆₃, ₉.₆₃] ₃₉(₂₉) ₂.₃₇[₀.₉₄, ₅.₉₄] V₃₂ 上司が替わった ₅₅( ₅₂) 2.₄₅[₁.₁₈, ₅.₀₉] ₉₀(₅₇) ₁.₇₇[₀.₈₂, ₃.₈₁] V₃₃ 同僚等の昇進 昇格があり, 昇進で先を越された ₅( ₅) ₈( ₇) V₃₄ セクシュアルハラスメントを受けた ₁₆( ₁₅) ₄.₇2[₁.₆₅, ₁₃.₅₃] ₁₃(₁₁) ₂.₇₇[₀.₆₈, ₁₁.₃₄] E₁ 採用時に合意した以上のシフトを入れられた ₃₇( ₃₃) 2.₆₆[₁.₂₁, ₅.₈₆] ₃₅(₁₉) ₁.₆₈[₀.₆₃, ₄.₄₈] E₂ 採用時にシフトの変更を命じられた ₉( ₈) ₅.₅₅[₁.₄₂, ₂₁.₆₉] ₁₉(₁₃) ₁.₃₃[₀.₃₆, ₄.₈₇] E₃ 一方的にシフトを削られた ₄₃( ₄₁) 2.₅₃[₁.₁₇, ₅.₄₇] ₈₉(₅₅) ₁.₃₀[₀.₆₀, ₂.₈₃] E₄ 試験の準備期間や試験期間中にシフトを入れられる ₈₂( ₇₁) ₁.₅₈[₀.₈₀, ₃.₁₅] ₉₁(₄₄) ₀.₈₃[₀.₃₇, ₁.₈₈] アルバイト勤務の疲れで授業に出席できない 1.₆1[₁.₂₂, ₂.₁₃] ₁.₆₁[₁.₁₉, ₂.₁₉] アルバイトを優先して, 大学等の授業を欠席したことがある ₄₃(₂₁) 2.₉1[₁.₂₅, ₆.₈₀] E₇ アルバイトを優先して, 友人との約束をキャンセルしたことがある ₁₂₃(₁₀₆) ₁.₃₈[₀.₆₈, ₂.₈₃] ₁₄₀(₈₀) ₁.₄₅[₀.₆₇, ₃.₁₄] E₈ アルバイト勤務のために, 体調を崩したことがある ₄₅( ₃₉) ₁.₇₉[₀.₈₂, ₃.₉₀] ₄₉(₃₂) ₁.₅₈[₀.₆₆, ₃.₈₁] 注 ₁ ) 表中の経験数は現在アルバイトを行っている調査参加者のみを集計し, 括弧内は女性の経験数を示す 注 ₂ ) 研究 ₁ は抑うつに対するオッズ比を算出し, 研究 ₂ は不可の取得の有無に対するオッズ比を算出した オッズ比の算出の際には性別の影響を調整した 事では, 勤務形態に変化があった (OR=₂.₈₃), 仕事のペース, 活動の変化があった (OR=₂.₅₅) の経験が抑うつリスクを高めていた また, 役割 地位の変化等 に該当する出来事では, 配置転換があった (OR=₄.₀₄), 複数名で担当していた業務を ₁ 人で担当 するようになった (OR=₂.₉₂), 部下が減った (OR= ₃.₂₁) の経験が, 対人関係 に該当する出来事では, 上司とのトラブルがあった (OR=₆.₇₄), 理解してくれていた人の異動があった (OR=₃.₉₆), 上司が替わった (OR=₂.₄₅) の経験が抑うつリスクを高めてい

20 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ 通常群 : 77.8% (n= 196) リスク群 : 22.2% (n= 56) 通常群 : 42.9% (n= 12) リスク群 :57.1% (n= 16) 経験あり 上司とのトラブル 2 χ 1 = 22.22(р=.000) 経験なし 通常群 : 82.1% (n=184) リスク群 :17.9% (n=40) 経験あり理解してく経験なしれていた人の異動 2 χ 1 = 5.46(р=.019) 経験あり顧客や取引経験なし先からのクレーム 2 χ 1 =11.61(р=.002) 通常群 : 11.1% (n= 1 ) リスク群 :88.9% (n= 8 ) 通常群 : 57.9% (n= 11) リスク群 :42.1% (n= 8) 通常群 : 72.2% (n=70) リスク群 :27.8% (n=27) 通常群 : 89.8% (n=114) リスク群 :10.2% (n=13) 2 2 2 2 χ 1 = 9.00(р=.013) χ 1 = 4. 97(р=.026) χ 1 =9.81(р=.002) χ 1 = 10.65(р=.001) 深夜業の採用時にシフトの変更退職の強要有無 1.5 日未満 1.5 日以上なしあり 通常群 : 100.0% (n= 1 ) リスク群 :0.0% (n= 0 ) 深夜業日数 通常群 : 0.0% (n= 0 ) リスク群 :100.0% (n= 8 ) 通常群 : 87.5% (n= 7 ) リスク群 :12.5% (n= 1 ) 通常群 : 36.4% (n= 4 ) リスク群 :63.6% (n= 7 ) 経験なし 通常群 : 75.8% (n=69) リスク群 :24.2% (n=22) 通常群 : 16.7% (n=1) リスク群 :83.3% (n=5) 経験あり経験なし 通常群 : 91.1% (n=113) リスク群 :8.9% (n=11) Figure 決定木分析によるアルバイト就労が抑うつリスクに及ぼす要因分析 経験あり 通常群 : 33.3% (n=1) リスク群 :66.7% (n=2) た さらに, セクシュアルハラスメントを受けた (OR=₄.₇₂) の経験は抑うつリスクを高めていた 他方, アルバイト就労によるトラブルや学業への影響について尋ねた項目では, 採用時に合意した以上のシフトを入れられた (OR=₂.₆₆), 採用時にシフトの変更を命じられた (OR=₅.₅₅), 一方的にシフトを削られた (OR=₂.₅₃) の経験が抑うつリスクを高めていた どのようなアルバイト就労や心理的負荷のかかる出来事の経験が複合的に抑うつのリスクとなるのかを明らかにするために, 心理的負荷のかかる出来事, 深夜業の有無 日数, アルバイト勤務時間, 学生生活に関する項目を説明変数,K-₆ を基準変数とした CHAID による決定木分析を行った 分析ではこれまでにアルバイト経験があると回答した ₂₅₇ 名を対象にした 分析の結果を Figure ₁ に示す 本モデル全体における的中率は ₈₄.₁% であった 本モデルにおいて, 第 ₁ 層は 上司とのトラブルがあった ( 項目 ₂₈) の経験の有無で分岐され, 経験あり群における高リスク者が ₅₇.₁%, 経験なし群における高リスク者が ₁₇.₉% であった (χ ₂ (₁)=₂₂.₂₂, p=.₀₀₀) 項目 ₂₈ を経験した群では, 第 ₂ 層で 理解してくれていた人の異動があった ( 項目 ₃₁) の経験の有無で分岐された( 経験あり群 : 高リスク者 ₈₈.₉%, 経験なし群 : 高リスク者 ₄₂.₁%;χ ₂ (₁)=₅.₄₆, p=.₀₁₉) また, 項目 ₃₁ も経験した群は第 ₃ 層において深夜勤務日数が ₁.₅ 日を境に分かれ,₁ か月に ₁.₅ 日以上の深夜業を行った群にのみ高リスク者が含まれた (₁.₅ 日未満 : 高リスク者 ₀.₀%,₁.₅ 日以上 : 高リスク者 ₁₀₀.₀%;χ ₂ (₁)=₉.₀₀, p=.₀₁₃) 他方, 項目 ₃₁ の経験なし群では, 第 ₃ 層において深夜業の有無で分かれ, 深夜業あり群の高リスク者は ₆₃.₆%, 深夜業なし群の高リスク者は ₁₂.₅% であった (χ ₂ (₁)=₄.₉₇, p=.₀₂₆) 一方, 第 ₁ 層において項目 ₂₈ の経験なし群では, 第 ₂ 層で 顧客や取引先からクレームを受けた ( 項目 ₁₂) の経験の有無で分岐され, 経験あり群における高リスク者は ₂₇.₈%, 経験なし群における高リスク者は ₁₀.₂% であった (χ ₂ (₁)=₁₁.₆₁, p=.₀₀₂) 項目 ₁₂ の経験あり群では, 第 ₃ 層において 採用時にシフトの変更を命じられた の経験の有無で分岐された ( 経験あり群 : 高リスク者 ₈₃.₃%, 経験なし群 : 高リスク者 ₂₄.₂%;(χ ₂ (₁)= ₉.₈₁, p=.₀₀₂) 他方, 項目 ₁₂ の経験なし群では, 第 ₃ 層において 退職を強要された ( 項目 ₂₀) の経験の有無で分かれ, 経験あり群の高リスク者は ₆₆.₇%, 経験なし群の高リスク者は ₈.₉% であった (χ ₂ (₁)=₁₀.₆₅, p=.₀₀₁) 以上の結果から, 上司とのトラブル の経験が抑うつに対して最も高い判別力を有することが示された また, 上司とのトラブルを経験した場合には, 理解してくれていた人の異動 が抑うつリスクをさらに高めること, 深夜業の有無や深夜業日数も抑うつの判別要因となり, 深夜業を行うことが抑うつを高めるリスク

21 になることが明らかにされた 一方, 上司とのトラブルがない場合においても, 顧客等からのクレームを経験することや採用時にシフトの変更や退職を強要されることが抑うつリスクを高めていることも示された 考察本研究の結果, 大学生はアルバイト先に深夜時間帯の営業がある飲食系や販売系の仕事を選択する傾向があり, 約半数の大学生は深夜業を経験し, 平均すると ₁ 週間に ₂ 回程度の深夜業を行っていた また, 採用時の合意以上の勤務や試験期間中での勤務を求められるなど, シフトに関するトラブルを経験した大学生が一定数存在することが改めて明らかとなった 今野 (₂₀₁₆) が指摘するように, ブラックバイトの被害者となった学生はシフトに関するトラブルを多く経験している 本研究の結果を踏まえても, 一部の大学生のみの問題には留まらないことがうかがえる アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事の経験について,₃₄ 項目中 ₈ 項目では ₁ 割を超える経験率を示し,₁₃ 項目では該当出来事の経験が抑うつリスクを高めていた 大学生のアルバイト就労においても一定の経験数が認められ, 抑うつリスクを高める出来事が確認されたことをふまえると, 大学生におけるアルバイト就労と抑うつの関連を検討する際にもこれらの項目が十分有効であると考えられる アルバイト就労におけるどのような要因が抑うつと関連するのかを検討した結果, 上司とのトラブル の経験が抑うつに対して最も高い判別力を有していた また, 上司とのトラブルを経験した場合には, 理解してくれていた人の異動 が抑うつリスクをさらに高めること, 深夜業の有無や深夜業日数も抑うつの判別要因となり, 深夜業を行うことが抑うつを高めるリスクになることが明らかにされた 一方, 上司とのトラブルがない場合においても, 顧客等からのクレームを経験することや採用時にシフトの変更や退職を強要されることが抑うつリスクを高めていた 以上の結果から, アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事の中でも, 職場内における人間関係の問題や職場での接客トラブル, サポート源の消失が重大な抑うつリスク要因であり, 深夜業それ自体もリスク要因になることが示された 深夜業が抑うつのリスクを高めるという結果は, 一般労働者を対象とした研究 ( 川村他, ₂₀₁₅) と整合する結果であったが, リスクの大きさでは心理的負荷のかかる出来事の経験の方が大きかった 青年期後期にあたる大学生では, 対人ストレスは身近なストレスであり, ストレッサーとして のインパクトも大きい (Pillemer, Ivcevic, Gooze, & Collins, ₂₀₀₇; Seiffge-Krenke, & Shulman, ₁₉₉₃) そのため, 上司とのトラブルや理解してくれていた人の異動, クレーム対応といった職場における人間関係に起因した出来事を経験する方が, 深夜業を行うことよりも抑うつを高めることにつながったと考えられる 続く研究 ₂ では, アルバイト就労と修学との関連について検討する 調査票の構成は基本的に研究 ₁ と同じ枠組みとするが, 抑うつに代わり修学状況を測定し, その指標には大学の講義における 不可 の取得数を用いる また, アルバイト就労と修学との関連を検討するため, アルバイト就労については各大学の期末試験実施期間を含む ₇ 月から ₉ 月に限定して回答を求め, 単位の取得状況は前期に履修した講義を対象とする 研究 2 方法調査参加者 ₂₀₁₆ 年 ₁₁ 月と ₁₂ 月,₂₀₁₇ 年 ₁ 月に, 関東近郊の私立 A 女子大学と私立 B 大学, 国立 C 大学に在学する大学生 ₃₅₀ 名に調査参加の依頼を行い, 最終的に ₃₂₄ 名 (A 女子大学 ₇₆ 名,B 大学 ₆₁ 名,C 大学 ₁₈₇ 名 ; 男性 ₁₃₉ 名, 女性 ₁₈₅ 名 ) から有効回答が得られた ( 平均年齢 ₁₉.₄ 歳,SD=₀.₉₉) 調査参加者の学年構成は ₁ 年生が ₁₉₇ 名,₂ 年生が ₈₄ 名,₃ 年生が ₃₈ 名,₄ 年生が ₅ 名であった 調査は講義時間内の時間を利用して実施した A 女子大学では,₁ 年生および ₂ 年生次に開講される統計学に関する学科の必修科目および選択必修科目の ₂ 講義で実施し,B 大学では, 全学年向けに開講される社会心理学に関する教養科目で実施した C 大学では, 全学年向けに開講される心理学に関する教養科目で実施した 質問紙の構成 ₁. アルバイト就労経験の有無は, 研究 ₁ の選択枝に 今, 複数のアルバイトを掛け持ちしている を加えた ₅ つの選択枝を用いて回答を求めた ₂. 夜勤を含む勤務時間と睡眠時間は以下のように回答を求めた まず, 深夜時間帯の勤務条件については, ₂₂ 時以降の深夜時間帯での勤務がありますか ( ₂ 件法 ), ₁ か月に何日間,₂₂ 時以降の深夜時間帯での勤務がありますか 過去 ₃ か月を平均してお答えください, ₂₂ 時から ₅ 時までの時間帯でアルバイト勤務を行うとき, 普段何時まで勤務しますか の ₃ 項目について回答を求めた 次に, 勤務時間については, アルバイトで働くときの ₁ 日および ₁ 週間でのおおよその平均勤務時間を教えてください と教示した上でそれぞれの勤務時間を尋ねた また,₇ 月,₈ 月,₉ 月の勤

22 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ 務時間を把握するために, 各月の勤務時間数について回答を求めた ₉ 最後に, ここ ₁ 週間の平均睡眠時間を教えてください と教示して回答を求めた ₃. アルバイト勤務時の心理的負荷とアルバイト勤務時におけるシフトトラブルを把握するために, 研究 ₁ と同じくそれぞれ ₃₆ 項目と ₃ 項目を用いて, ない ある の ₂ 件法で回答を求めた 今現在アルバイトを行っていない調査参加者には, 直近に行っていたアルバイト時のことについて回答を求めた ₄. アルバイト勤務による学生生活への影響について, 研究 ₁ で使用した ₄ 項目に アルバイトを優先して, 大学の授業等を欠席したことがある を追加した ₅ 項目を用いて回答を求めた なお, 不可 の取得数については ₂₀₁₆ 年度前期に限定し, 不可 をとった学生にはその理由として テストの準備が十分にできなかった 授業への出席が足りなかった レポートの提出ができなかった その他 から当てはまるものをすべて選択するように回答を求めた 個人属性として性別, 学年, 年齢への回答を求めた 結果大学生のアルバイト就労状況アルバイト就労経験の有無に関する質問では,₁ つのアルバイトを行っている者が ₂₀₀ 名 (₆₁.₇%), 複数のアルバイトを行っている者が ₆₃ 名 (₁₉.₄%), 過去にアルバイト経験があり今後アルバイトを行う予定がない者が ₁₂ 名 (₃.₇%), アルバイト経験があり, 今後アルバイトを行う予定がある者が ₁₈ 名 (₅.₆%), アルバイト経験がない者が ₃₁ 名 (₉.₆%) であった 現在アルバイトを行っている大学生のうち, 深夜時間帯での勤務があると回答した割合は ₉₈ 名 (₃₇.₃%) であり,₁ か月平均で ₇.₄ 日深夜業を行っており, そのうち ₂₄ 時以降の勤務があると回答した者は ₃₆ 名であった 勤務時間に関しては,₁ 週間の平均勤務時間は ₁₄.₁ 時間であり,₇ 月,₈ 月,₉ 月の平均勤務時間は, それぞれ M=₄₁.₈(SD=₄₁.₈₂, min=₀, max=₁₂₀), M=₅₀.₀(SD=₃₄.₈₈, min=₀, max=₁₆₀),m=₄₆.₂(sd= ₃₂.₁₃, min=₀, max=₁₆₀) であり, 平均睡眠時間は ₅.₉ 時間 (SD=₁.₁₆) であった 現在アルバイトを行っている ₂₆₃ 名を対象に, 修学への支障を表す アルバイト勤務の影響で, 講義の単位で 不可 をとったことがある の単純集計を行った その結果, ₁ つもない が ₂₁₈ 名 (₈₂.₉%), ₁~ ₂ つある が ₂₈ 名 (₁₀.₆%), ₃~₅ つある が ₂ 名 ₉ この期間にアルバイト就労をしていない者は, データ上欠測値とした (₀.₈%), ₆ つ以上ある が ₁ 名 (₀.₄%) であった また,₂₀₁₆ 年度前期の講義で 不可 を取った学生を対象とすると, テスト準備 を ₂₃ 名 (₆₇.₆%), 授業への出席数 を ₁₅ 名 (₄₄.₁%), レポート提出 を ₆ 名 (₁₇.₆%) が理由として挙げていた アルバイト就労と修学状況の関連アルバイト就労における心理的負荷のかかる出来事の経験やシフトに関するトラブル, 学業への影響について単純集計を行うとともに, 修学困難のリスクとの関連を, 性別を調整したオッズ比を算出した (Table ₂ 右側 ) 分析にあたり, ₁ つもない を ₀ とし,₁ つ以上不可をとったことがあると回答したものを ₁ に変換した その結果, 役割 地位の変化等 に該当する出来事のうち 部下が減った (OR=₃.₂₄) の経験は修学困難のリスクを高めていた 他方, アルバイト就労によるトラブルや学業への影響について尋ねた項目では, アルバイトを優先して, 大学等の授業を欠席したことがある (OR= ₂.₉₁) の経験が修学困難のリスクを高めていた どのようなアルバイト就労や心理的負荷のかかる出来事の経験が複合的に修学困難のリスクをもたらすのかを明らかにするために, アルバイト勤務の影響で, 講義の単位で 不可 をとったことがある の項目を基準変数として, 心理的負荷のかかる出来事, 深夜業の有無 日数, アルバイト勤務時間, 学生生活に関する項目, 学年, アルバイト状況を説明変数とした CHAID による決定木分析を行った 分析にはこれまでにアルバイト経験があると回答した ₂₉₃ 名を対象にした 分析の結果を Figure ₂ に示す 本モデル全体における的中率は ₈₈.₈% であった 本モデルにおいて, 第 ₁ 層は アルバイトを優先して, 大学等の授業を欠席したことがある の有無で分岐され, 経験あり群における修学支障群が ₂₇.₉%, 経験なし群における修学支障群が ₉.₄% であった (χ ₂ (₁)=₁₁.₅₅, p=.₀₀₂) 経験あり群では, 第 ₂ 層で 現時点でのアルバイト就労 の有無で分岐された ( 就労中群 : 修学支障群 ₂₄.₄%, 就労なし群 : 修学支障群 ₁₀₀%;χ ₂ (₁)=₅.₄₂, p=.₀₂₀) また, 就労中群では, 第 ₃ 層において 部下が減った の経験の有無で分かれ, 経験あり群における修学支障群は ₆₀.₀%, 経験なし群における修学支障群は ₁₉.₄% であった (χ ₂ (₁)=₃.₉₂, p=.₀₄₈) 一方, 第 ₁ 層におけるアルバイトによる授業等の欠席がない者および現在アルバイト未就労の者では, ₇ 月の労働時間 が ₆₄ 時間で分岐され,₆₄ 時間以上群における修学支障群は ₂₅.₇%,₆₄ 時間未満および現在アルバイト未就労群における修学支障群は ₆.₅% であった (χ ₂ (₁)=₁₂.₈₆,

23 n n n n χ р n n χ р χ р n n n n n n n n χ р χ р n n n n n n n n Figure 決定木分析によるアルバイト就労が単位取得の困難に及ぼす要因分析 p=.₀₀₆) また, 上記の群は第 ₃ 層において 学年 が ₃ 年生で分かれ,₃ 年生以上における修学支障群は ₅₀.₀%,₃ 年生未満における修学支障群は ₆.₁% であった (χ ₂ (₁)=₆.₂₅, p=.₀₃₇) 考察アルバイト就労と修学状況との関連を検討した結果, アルバイト就労を理由とした授業等の欠席が最もリスク要因となることが示された また, 現在アルバイトをしている学生では, さらに 部下が減る ことが修学困難のリスクになっていた 一方, アルバイト就労を理由とした授業等の欠席がない学生では,₇ 月の労働時間が ₆₄ 時間以上であることがリスク要因となり, たとえ ₆₄ 時間未満であっても,₃ 年生以上ではアルバイト就労がリスク要因になりうることが示された 以上の結果から, アルバイト就労を行うことが修学困難へのリスク要因となりうることが明らかとなった 一般労働者を対象とした先行研究では, 深夜業を行うことが疲労の蓄積や睡眠問題を抱えやすく ( 菊池 石井, ₂₀₁₅; 久保他, ₂₀₁₃), 眠気や疲労感を高める (Centers for Disease Control and Prevention, ₂₀₁₁; Harma, et al., ₁₉₉₈) ことが示されている それに対して, 大学生は一般労働者と比較すると, 労働時間以外の時間を自身の裁量に よって自由に決定できる そのため, 大学生は過度もしくは過重なアルバイト就労による睡眠不足や疲労の蓄積を, 授業等での居眠りや欠席によって解消することも可能である すなわち, 過度もしくは過重なアルバイト就労を行った大学生は, 上記の手段によって疲労や睡眠不足を解消させた結果, 授業への出席やテスト準備が十分にできなかったり, レポートの提出ができなくなり, 修学困難へとつながったと推測される また, 心理的負荷のかかる出来事の中で 部下が減った のみリスク要因となった理由は, アルバイト先の従業員数の減少による業務量等の増加などが背景にあると推測することもできる 他方,₇ 月の労働時間が ₆₄ 時間以上であることもリスク要因になっていた ₇ 月は多くの大学において学期末の定期試験等が実施される時期である この時期の過剰なアルバイト就労は定期試験等の準備などが十分にできず, 結果として修学困難へのリスクが高まると推測される 今野 (₂₀₁₆) では, 過酷なアルバイト就労下に置かれた学生が, 疲労や睡眠不足によって大学の講義に出席できない, もしくは出席しても居眠りをしてしまい, 講義に出席できなくなった事例を報告している 先述した考察を踏まえても, 本研究の結果は,

24 教育心理学研究第 ₆₆ 第 ₁ アルバイト就労が学業時間にあてる時間を圧迫し, 修学困難を誘発しうることを示唆する 厚生労働省 (₂₀₁₅b) は, 学生アルバイトが多い業界団体に対して (a) 労働基準関連法令を遵守すること,(b) 学生の本分である学業との両立が図れるように配慮することを要請している 今回の結果を考慮するならば, 学期末の定期試験が実施される時期への配慮が特別求められることになる また, 本研究の結果では,₃ 年生以上であることも修学困難のリスク要因であった 一般的には, 学年が上がるにつれて学部もしくは学科の専門領域における講義の割合が増加していく これらの専門領域の講義は, それ以外の講義と比較して講義内容の専門性が高く,₁ つの講義における授業準備等の負担も大きい場合が多い そうした中, アルバイト就労を行うことは, 講義準備の十分な時間の確保を難しくさせ, 結果として修学困難リスクを高めると考えられる その他にも, 学年が上がるにつれて大学の講義に対するモチベーションの低下やアルバイト就労に割く時間の増加などといった要因が, 修学困難のリスクを高めている可能性も考えられる 全体的考察本研究は, 大学生が行うアルバイト就労やアルバイト就労中に経験する出来事と精神的健康および修学状況との関連について検討を行った 本論文における ₂ つの研究において, アルバイト就労経験のある大学生は約 ₉ 割にのぼり, 多くの大学生にとってアルバイト就労が身近な存在であると推測される また, 大学生は一般労働者と同じように, 深夜業を行うことや心理的負荷のかかる出来事の経験が精神的健康に支障を来すリスクとなること, 過度もしくは過重なアルバイト就労は修学困難のリスクにもなりうることが示唆された なお, 抑うつには心理的負荷のかかる出来事の経験が主要なリスク要因となり, 修学困難には, 学期末の定期試験期間のアルバイト就労が主要なリスク要因となることが明らかとなった 本研究で明らかとなった知見をふまえると,(a) アルバイト就労中に心理的負荷のかかる出来事を経験することで抑うつ状態をはじめとする身体的 精神的不調を来して最終的に修学困難に陥る,(b) 過度もしくは過重なアルバイト就労による疲労 睡眠不足の蓄積などに起因する講義中の居眠りや欠席を繰り返すことで最終的に修学困難に陥るという二つのプロセスが示唆される 特に,(b) のプロセスに関しては, すでに厚生労働省 (₂₀₁₅b) によって要請がなされており, 企業側 の努力も必要となるだろう また, 上記に示した二つのプロセスに至らないための各大学などによる啓発活動も重要となる ただし, より具体的な支援方策を提案するためにも, 上記プロセスにおける緩衝要因を特定するための研究を実施していくことも望まれる 本研究の結果, 過度もしくは過重なアルバイト就労は精神的健康や修学困難へのリスク要因となりうることが明らかとなった このような状態におかれた大学生等に対して, 大学側は在学中の大学生に対する健康管理や修学支援という視点だけでなく, 卒業後の視点も含めた支援が必要となるだろう 例えば, 過度もしくは過重なアルバイト就労に身を置いている学生にとって, 文部科学省が目指す 社会的 職業的自立, 社会 職業への円滑な移行に必要な力 やワークライフバランスを含む 勤労観 職業観等の価値観 の基礎を適切に獲得するのは困難であると推測される したがって, 各大学が実施しているキャリア教育の枠組みの中で, 労働法に関する知識の獲得やワークライフバランスを, 大学生にとって身近な存在であるアルバイト就労を通して考える機会を設けていくことは大きな意味を持つと考えられる このような取り組みは, アルバイト就労による問題への予防や支援だけでなく, それ以外の学生にとっても, 学生自身の勤労観や職業観を見つめるきっかけにもなる そのため, キャリア教育の可能性をさらに広げることにもつながると考えられる 本研究の結果をふまえた課題は, 以下の ₃ 点である 第 ₁ は, 調査参加者の代表性の問題である アルバイト就労によって身体的 精神的不調や修学困難を来した大学生の多くは, 大学への通学が困難な状況にある そのため, 上記に当てはまる大学生等を対象とした研究の実施が求められる また, 本研究における調査が主に ₁, ₂ 年生を受講対象者とする講義であったため, 調査参加者が ₁ 年生に偏っていた 研究 ₂ では ₃ 年生以上 という 学年 が修学困難に対するリスク要因となったことを考慮すると,₃ 年生以上の学生の代表性についても留意が必要であろう この点については, 単位の取得状況や講義の履修状況といった観点も含めた標本の代表性に関する吟味が必要である 第 ₂ は, アルバイト就労と抑うつとの関連性である 本研究では, アルバイト就労が抑うつへ及ぼす影響を仮定した しかし, 横断的調査による検討では要因間に逆の方向性の存在も否定できない そのため, 縦断的調査によってアルバイト就労が抑うつへ及ぼす影響を検討する必要がある 第 ₃ は, アルバイト就労と身体

25 的 精神的健康や修学状況との関係について, さらなる詳細な検討の必要性である 特に, 本研究では深夜時間帯の勤務時間を過去 ₃ か月の平均時間数によって測定した この回答方法では, 各月の繁忙程度の把握や勤務時間数の正確性が評価できない そのため, 今後は各月の勤務時間を正確に把握していくことが必要である また, 日々のアルバイト就労や深夜業の有無, 勤務時間や睡眠などが日々の感情や疲労に及ぼす影響や, 大学等での単位の取得について, 大学等の学事歴スケジュールに沿った縦断的調査の実施が求められる 引用文献 Akerstedt, T., & Wright, K. P. Jr. (₂₀₀₉). Sleep loss and fatigue in shift work and shift work disorder. Sleep Medicine Clinics, 4, ₂₅₇-₂₇₁. doi:10.1016/j.jsmc. 2009.03.001 Alhola, P., & Polo-Kantola, P. (₂₀₀₇). Sleep deprivation: Impact on cognitive performance. Neuropsychiatric Disease and Treatment, 3, ₅₅₃-₅₆₇. 荒木淳子 伊達洋駆 松下慶太 (₂₀₁₅). キャリア教育論 仕事 学び コミュニティ慶應義塾大学出版会粟津俊二 小澤明子 (₂₀₁₁). 女子大学生のアルバイト経験がキャリア成熟に与える影響日本教育心理学会総会発表論文集, 53, ₁₃₈. Belenky, G., Wesensten, N. J., Thorne, D. R., Thomas, M. L., Sing, H. C., Redmond, D. P.,... Balkin, T. J. (₂₀₀₃). Patterns of performance degradation and restoration during sleep restriction and subsequent recovery: A sleep dose-response study. Journal of Sleep Research, 12, ₁-₁₂. doi:10.1046/j.1365-2869. 2003.00337.x Centers for Disease Control and Prevention (₂₀₁₁). Effect of short sleep duration on daily activities: United States, ₂₀₀₅-₂₀₀₈. Morbidity and Mortality Weekly Report, 60, ₂₃₉-₂₄₂. Cortina, J. M. (₁₉₉₃). What is coefficient alpha?: An examination of theory and applications. Journal of Applied Psychology, 78, ₉₈-₁₀₄. doi:10.1.1.527.7772 Dorrian, J., Lamond, N., Holmes, A. L., Burgess, H. J., Roach, G. D., Fletcher, A., & Dawson, D. (₂₀₀₃). The ability to self-monitor performance during a week of simulated night shifts. Sleep, 26, ₈₇₁-₈₇₇. doi:10.1.1. 629.5607 Furukawa, T. A., Kawakami, N., Saitoh, M., Ono, Y., Nakane, Y., Nakamura, Y.,... Kikkawa, T. (₂₀₀₈). The performance of the Japanese version of the K₆ and K₁₀ in the World Mental Health Survey Japan. International Journal of Methods in Psychiatric Research, 17, ₁₅₂ ₁₅₈. doi:10.1002/mpr.257 Garde, A. H., Hansen, A. M., Holterman, A., Gyntelberg, F., & Suadicani, P. (₂₀₁₃). Sleep duration and ischemic heart disease and all-cause mortality: Prospective cohort study on effects of tranquilizers/ hypnotics and perceived stress. Scandinavian Journal of Work, Environment and Health, 39, ₅₅₀-₅₅₈. doi:₁₀.₅₂₇₁/sjweh.₃₃₇₂ Haavisto, M., Porkka-Heiskanen, T., Hublin, C., Harma, M., Mutanen, P., Muller, K.,... Sallinen, M. (₂₀₁₀). Sleep restriction for the duration of a work week impairs multitasking performance. Journal of Sleep Research, 19, ₄₄₄-₄₅₄. doi:₁₀.₁₁₁₁/j.₁₃₆₅-₂₈₆₉. ₂₀₁₀.₀₀₈₂₃.x Harma, M., Suvanto, S., Popkin, S., Pulli, K., Mulder, M., & Hirvonen, K. (₁₉₉₈). A dose-response study of total sleep time and the ability to maintain wakefulness. Journal of Sleep Research, 7, ₁₆₇-₁₇₄. doi:₁₀.₁₀₄₆/j.₁₃₆₅-₂₈₆₉.₁₉₉₈.₀₀₁₁₅.x Harrison, Y., & Horne, J. A. (₂₀₀₀). The impact of sleep deprivation on decision making: A review. Journal of Experimental Psychology: Applied, 6, ₂₃₆-₂₄₉. doi:₁₀.₁₀₃₇//₁₀₇₆-₈₉₈x.6.3.₂₃₆ 川村小千代 山田和子 森岡郁晴 (₂₀₁₅). 定期巡回 随時対応型訪問介護看護に従事する介護職者の疲労兆候とその職場関連要因産業衛生学雑誌, 57, ₇₇- ₈₄. doi:₁₀.₁₅₃₉/sangyoeisei.b₁₄₀₁₅ 菊池由紀子 石井範子 (₂₀₁₅). 女性看護師の疲労の自覚症状と勤務の関係産業衛生学雑誌, 57, ₂₃₀-₂₄₀. doi:₁₀.₁₅₃₉/sangyoeisei.e₁₄₀₀₅ 今野晴貴 (₂₀₁₆). ブラックバイト 学生が危ない岩波書店厚生労働省 (₂₀₁₁). 心理的負荷による精神障害の認定基準について厚生労働省 Retrieved from http:// www.mhlw.go.jp/stf/houdou/₂r₉₈₅₂₀₀₀₀₀₁z₃zjatt/₂r₉₈₅₂₀₀₀₀₀₁z₄₃h.pdf(₂₀₁₁ 年 ₁₂ 月 ₂₆ 日 ) 厚生労働省 (₂₀₁₂). 平成 ₂₄ 年労働者健康状況調査厚生労働省 Retrieved from http://www.mhlw. go.jp/ toukei/list/h₂₄-₄₆-₅₀.html(₂₀₁₇ 年 ₁ 月 ₇ 日 ) 厚生労働省 (₂₀₁₃). 第 ₁₂ 次労働災害防止計画厚生労働省 Retrieved from http://www.mhlw.go.jp/

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27 Part-Time Jobs, Mental Health, and Earning University Credit MASAHIRO TAKAMOTO (YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY) AND KENTARO KOMURA (HIROSAKI UNIVERSITY) JAPANESE JOURNAL OF EDUCATIONAL PSYCHOLOGY, 2018, 66, 14 27 The present study examined associations among working a part-time job, students' mental health, and earning university credit. Study 1 investigated relation between having a part-time job and depression. Undergraduates (N=284) completed questionnaires. Decision-tree analysis revealed that interpersonal stress in the workplace, such as trouble with a supervisor or lack of support resources, was associated with a higher risk of depression, compared to stress associated with working at night. Study 2 investigated the relation between having a part-time job and credits earned at university. Undergraduates (N=324) completed questionnaires. Decision tree analysis revealed that being absent from classes due to working a part-time job and working during the term-end examination period were associated with a high risk of failure to obtain university credit. These results suggest that (a) a higher mental workload may lead to failure to obtain university credit because of depression, and (b) short sleep duration associated with working at night and consequent accumulation of fatigue may lead to failure to obtain credit because of poor attendance at lectures. Key Words: part-time job, depression, earning university credit, university students