SPLEDID GIFTS FRM MICRRGAISM Science Café @ JSPS Washington DC, 12/03/15 Masanori Funabashi Ph.D. Dept. of Bioengineering and Therapeutic Science University of California, San Francisco
The obel Prize in Physiology or Medicine 2015 for their discoveries concerning a novel therapy against infectious caused by roundworm parasites William C. Campbell Satoshi mura for her discoveries concerning a novel therapy against Malaria Youyou Tu http://www.nobelprize.org
フィラリア線虫による感染症 マラリア原虫による感染症 http://www.nobelprize.org
古来より漢方薬として用いられていたヨモギ属植物のクソニンジンから薬効成分として Artemisinin を見出した http://www.nobelprize.org
静岡県伊東市川奈ゴルフ場近くの土から抗寄生虫活性を示す Streptomyces averimitilis を発見 薬効成分として Avermectin を見出し その構造の一部を改変した Ivermectin を開発 http://www.nobelprize.org
微生物から薬??
The obel Prize in Physiology or Medicine 1945 for the discovery of penicillin and its curative effect in various infectious disease Alexander Fleming Ernst Boris Chai oward Walter S C Penicillium chrysogenum から薬効成分ペニシリンを発見 アオカビのまわりには黄色ブドウ球菌 ( 病原菌 ) が生えていない http://www.nobelprize.org
The obel Prize in Physiology or Medicine 1952 for the discovery of streptomycin, the first antibiotic effective against tuberculosis Selman Abraham Waksman 2 2 C Streptomyces griseus から結核に有効なストレプトマイシンを発見 http://www.nobelprize.org
Antibiotics, which are produced by microorganisms and which possess the property of inhibiting the growth and even of destroying other microorganisms. Waksman, obel Lecture, December 12, 1952 ペニシリンの発見から約 30 年微生物からの抗生物質探索は盛んに行われた β- ラクタム系アミノグリコシド系マクロライド系グリコペプチド系テトラサイクリン系 ペニシリン ( カビ ) S C 2 C 2 ストレプトマイシン ( 放線菌 ) 基本骨格が出揃う エリスロマイシン ( 放線菌 ) 2 テトラサイクリン ( 放線菌 ) バンコマイシン ( 放線菌 )
抗生物質だけじゃない! 微生物の代謝産物から発見されたクスリ 免疫抑制剤 抗高脂血症剤 タクロリムス (FK506) メバロチン a 放線菌 放線菌 カビ ミコフェノール酸 抗癌剤 カビ ドキソルビシン ブレオマイシン 2 2 2 S マイトマイシン シクロスポリン 放線菌 2 S 放線菌 S 放線菌 アクチノマイシン 2 カビ メイタンシン 放線菌 放線菌
放線菌??
雨上がりの土の匂い それは放線菌の匂いです ゲオスミン https://www.jic.ac.uk/departments/molecular-microbiology/
Avermectin を生産するのも放線菌 Streptomyces avermitilis Avermectin Digital Atlas of Actinomycetes 2, http://www.actino.jp/digitalatlas/
放線菌 ( 微生物 ) は一つの菌でたくさんの有機化合物を創る能力を持っているんです! Avermectin 生産菌ゲノム 30 以上もの有機化合物の設計図がある. Ikeda et. al.
どうやって微生物からクスリのタネ を見つけているの??
天然物スクリーニングの流れ 自然から試料採取 微生物の分離 培養 活性化合物の精製 バイオアッセイスクリーニング 抽出 リード化合物の取得
低分子化合物創薬の流れ 研究 標的分子の選択 評価 スクリーニングリード化合物の取得 リード化合物の最適化 開発候補化合物の取得 開発候補化合物の見極め 生産性の向上 製造コストの問題 活性毒性評価物性改変 安全性薬物動態 製造検討品質管理 開発 Phase I Phase II Phase III 安全性 有効性用量 動態検討 安全性効果
1973 年 色々な場所から土を採取し菌を分離 様々な条件で培養し 有用と思われる物質を生産する菌を選抜し Merck に送付 @ 北里 抗寄生虫活性剤スクリーニング @Merck リード化合物の取得 1979 年 Avermectin 論文報告 1981 年動物薬として上市牛 羊 豚などほとんどの家畜で効果を示し ベストセラーに ( もちろん犬にも効果 ) リード化合物の最適化 開発候補化合物の取得 見極め 治験 申請 ロイヤリティは 250 億円以上 活性毒性評価 生産性向上検討 安全性薬物動態 製造法開発品質管理 ヒト医薬として開発 (W の協力 ) 1988 年 アフリカ等で集団投与 10 億人に無償提供 ヒトのオンコセルカ症にも有効であることが判明
大村先生のグループは今日までに 500 ちかくもの化合物を微生物から発見! Rokitamycin ( ヒト医薬抗生物質 ) Tilmicosin ( 動物薬抗生物質 ) Staurosporin ( 研究試薬 ) グリベックの元となった化合物 anaomycin ( 動物薬抗生物質 ) Cerulenin ( 研究試薬 ) 26 種類もが医薬 動物薬 研究用試薬として実用化
これまでに承認された低分子医薬の由来 天然物骨格をヒントにした全合成化合物 天然化合物 天然化合物を有機化学修飾 全合成化合物 J. at. Prod. 75, 311-335 (2012) 天然化合物は医薬品として非常に重要な資源
Pfizer, Sanofi, Merck, J&J, BMS 多くの欧米大手製薬企業は天然物創薬から撤退 天然化合物 混合物である -TS に不向きな場合 構造不明 - 精製 構造決定に時間 誘導体化が比較的困難 - 反応点も多く 合成が困難 合成化合物 純品 -TS に適している 構造が明らか - ヒット後の展開が早い 誘導体化が比較的楽 - 既存方法 リソースをそのまま利用可 天然物創薬はリソースがかかる
主成分分析による化合物の多様性 化学合成化合物 天然化合物 2 2 2 2 2 S S S 医薬品 有機化学合成者が想像もつかないような複雑な構造も多い J. Chem. Inf. Comput. Sci., 2003, 43 (1), pp 218 227
天然化合物 ユニークな化合物が期待 - 微生物 代謝産物の多様性 - 特異的な活性 合成化合物 ユニークな化合物が得難い - 既存の構造の亜流 - 不適切な構造は排除 通常の培養法では化合物生産能力を活かしきれていない - 休眠遺伝子を活性化させる 地球に生存する 1-10% しか培養できていない - 遺伝子を他の菌株にいれてしまう 天然物は未知なる可能性を秘めている
さらには ヒトにも ヒト体細胞の数 37 兆個 ヒトに常在する微生物の数 100~1000 兆個数千種類 ヒトの遺伝子数 約 2 万 微生物の遺伝子数 2 千万以上 ヒトに常在する微生物は健康に非常に重要な役割を果たしている
What splendid gifts microorganism are!