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料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

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Transcription:

平成 22 年度再生医療 / 細胞 組織加工製品実用化のための薬事講習会 対面助言の実際 1

対面助言の実際 ( 説明内容 ) PMDA の相談制度について 対面助言の実際 注 ) 本日の内容は平成 22 年 6 月現在のものであり ご要望などに応じ相談制度は今後変更される可能性がございます 実際に相談を申し込まれる際は 機構 HP 等でご確認をお願いいたします 2

PMDAの相談制度について 3

PMDA の相談制度について 対面助言 ( 治験 申請 品質 安全性など ) - データの評価を伴う案件の相談 ( 詳しくは後述 ) 事前面談 - 対面助言を円滑に行うための面談 - 個別の申請品目に関わらない薬事法の説明 ( 機器の場合 ) 簡易相談 - ( 医療機器 ) 個別の申請品目に係る相談で承認申請データの評価を伴わ ない簡易な相談 一部変更承認申請への該当性など - ( 医薬品 ) 記載整備 MF( マスターファイル ) に関する内容 PMDA HP:http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/consult/taimen.html および平成 21 年 3 月 31 日付け薬機発第 0331004 号をご参照下さい 4

開発計画における対面助言の位置 細胞組織利用製品資料整備相談 非臨床試験確審査臨床試験 ( 治験 ) 承審査製造販売後治認確 Phase I 認承験申認 Phase II 申認届請 Phase III 請 Phase IV 治験相談 ( 医薬品 ) 第 I 相試験開始前相談 前期第 II 相試験開始前相談 後期第 II 相試験開始前相談 第 II 相試験終了後相談 ( 医療機器 ) 探索的治験相談 治験相談 申請前相談 ( 医薬品 ) 再評価 再審査臨床試験計画相談 再評価 再審査臨床試験終了時相談 相談区分についての詳細は平成 21 年 3 月 31 日付け薬機発第 0331004 号をご参照下さい 安全性 品質 性能に係る相談 医薬品事前評価相談 5

対面助言の実際 製品の開発促進に効果的な相談をするには? 6

対面助言の流れ医薬品治験相談の場合 : 相談申込み (PMDA HPをご参照ください ) www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/consult/iyakuhintaimen.htm 資料搬入 (5 週間前の月曜日 ) 事前調査 ( 照会 回答等のやりとり ) 医療機器治験相談の場合には 3 週間前 対面助言当日 相談記録作成 7

対面助言には時間制限がある 資料搬入から対面助言当日までの期間 (5 週間 医薬品治験相談の場合 ) 対面助言当日の議論時間 (2 時間 医薬品治験相談の場合 ) 曖昧な相談内容 (ex. 試験デザインの妥当性 ) 議論の範囲が広くなる 情報収集 論点抽出に時間がかかる 広く浅い議論になり 具体的な議論が困難になる 具体性に欠ける助言になってしまう 8

有意義な対面助言に向けた 相談事項についての情報整理 相談事項は明確かつ具体的に (ex. ウイルスクリアランス試験の試験計画及び解析手法に 問題はないか OO の規格項目は不要か否か 主要評価 項目 症例数設定 など ) 相談事項の議論に必要な情報の準備 事前面談 ( 無料 ) にて対面助言の準備に関する相談を行なっています 9

事前面談とは? 対面助言を円滑に進めるために実施する面談 ( 無料 ) ( 内容例 ) 相談項目の整理 相談者の抱える懸念を明確化 対面助言実施の必要性についてなど 相談資料の充足性 相談区分の確認 個別の申請品目に関わらない薬事法の説明等 ( 機器 ) データの評価及び記録作成等は対面助言にて行い 事前面談では行いません 10

事前面談の実際 参加人数は 5 人程度 ( 相談者側の出席者 ) 時間は 30 分以内 ( 機器 ) 20 分 ( 医薬品 ) 10 分 ( 薬事説明 ) 11

事前面談の留意事項 複数回実施することが可能です 必ずしも事前面談をしなくても 対面助言は実施可能です 事前面談をしても 対面助言の申し込みは強制されません 簡単な面談資料 ( 数ページ程度 ) をお願いする場合があります 具体的な相談予定は未定だけど 開発者 相談したいことが沢山あるのだが 開発方針で悩んでいるのだが とりあえず治験計画を立てたので PMDA に確認して欲しいとはいっても どこに問題点があるのかわからない 事前面談の積極的なご利用を! 12

Case study: 生物系医療機器品質相談 相談事項 製造工程の感染性物質に対する安全性対策について 13

資料構成 ( 例 1: 生物系医療機器品質相談 ) 相談の概要 相談事項とその背景についての簡潔な説明 ( 相談者が妥当と考える安全性対策の案 その対策がどのような根拠に基づいたものであるのか 相談に至った経緯 ) 当該品目に関する基本的な情報 品目概要や適用疾患に関する情報など 相談事項の内容に関する資料 製造工程で使用する生物由来原料のリスト 生物由来原料の管理方法 ( ドナースクリーニング ウイルス否定試験 その他の原材料規格など ) 製品の製造工程における感染性因子検出のため検査項目 試験項目及び試験方法の妥当性の説明 ( 試験成績など ) ウイルスクリアランス試験成績 * 必要となる資料は 製品の特性や相談内容よって異なりますので 詳細については事前面談にてご相談ください 14

事前調査について 事前面談後に社内で相談事項を決定し 必要な情報を収集し 相談資料を作成したので 対面助言を申し込んだ 相談資料提出後 PMDA から照会を送付予定との連絡があった PMDA による事前調査はどのように 行なわれるのだろうか? 相談者 15

事前調査のながれ 資料搬入後 機構担当者から対面助言当日までの大まかなスケジュールが連絡される PMDA 照会回答等のやりとりは FAX 又は電子メール等で行なう 資料搬入 審査チームでの検討会実施 相談者 照会作成 送付 回答受領 照会受領 照会に対する回答作成 送付 審査チームでの検討会実施 対面助言当日へ 16

審査チームによる検討会 相談資料だけでなく 国内外ガイドラインや論文等 入手可能な限りの情報を確認し 必要に応じて外部専門家の意見も参考にした上で 相談事項に対して検討を行なっております 相談事項に対して適切な助言を行なうために必要な情報 ( 相談者意見も含む ) を確認する目的で 照会を行なっております 照会に対する 回答受領 情報収集 ( 相談資料 国内外 GL など ) 外部専門家 ( 必要に応じて ) 審査チームによる検討会 照会作成 必要に応じて追加照送付会が行なわれます 17

照会の目的 考え方 相談者の認識との間に齟齬が生じないよう 相談者意見を詳細に確認させていただきます 入手可能な情報を確認 検討した上で照会が作成されます ( 相談資料 国内外ガイドラインや論文 過去の相談記録等 ) 照会内容は複数の段階でチェックした上で送付させて頂きます 例えば以下のような場合では 同じ照会をさせていただくことがあります ( 過去に同一品目について相談が実施されている場合 ) 相談者の考え方が前回から変更していないか確認する場合 相談当日に出席された相談者側の専門家に 専門家としての客専門家としての客観的ご意見をお尋ねする場合 18

対面助言当日 参加人数は原則 15 人まで ( 相談者側の出席者 ) 時間は2 時間 相談者側の社外専門家も同席可能ですが 対面助言の主体はあくまで相談者と PMDA 審査チームです 相談終了後 音声記録をお渡しいたします 事前調査をふまえ 相談者と PMDA の意見に乖離がある点を中心に議論を行ないます 19

Case study: 医薬品第 Ⅱ 相試験終了後相談 相談事項 1 主要評価項目の妥当性について 2 比較対照群の必要性について... 20

資料構成 ( 例 2: 医薬品第 Ⅱ 相試験終了後相談 ) 相談の概要 相談事項とその背景についての簡潔な説明 ( 相談者が妥当と考える項目及び設定根拠に関する説明 ) 当該品目に関する基本的な情報 品目概要や適用疾患に関する情報など 相談事項の内容に関する資料 治験薬概要書 当該疾病と既存療法について ( 既存療法とその予後及び問題点に関する資料 類薬との比較表 ) 国内 ( 海外 ) 臨床試験成績 前臨床試験成績 治験プロトコール案 引用文献コピーなど 21 * 必要となる資料は 製品の特性や相談内容よって異なりますので 詳細については事前面談にてご相談ください

治験相談における照会について 開発方針を決定づける重要事項は 試験デザインを検討するうえでも不可欠な情報です 製品特性 対象疾患 既存治療法 製品に期待する臨床的位置付けなど 相談者と PMDA の認識に齟齬が生じないよう 詳しく確認させていただきます 22

様々な観点から相談内容を検討します 科学的な根拠に基づいた見解を示すことを原則としておりますが 相談内容によっては科学的でない観点が重要になる場合も想定されます 倫理的な観点 臨床現場の実態 治験の実施可能性など 23

対面助言の目的 対面助言記録について 相談内容に対する PMDA の考え方を示し 開発に関する助言を行うこと 対面助言記録とは PMDA の助言を書面で相談者に提供するもの 相談当日に PMDA との議論が平行線のまま決着がつかなかった場合 対面助言記録には基本的に PMDA の考え方を中心に記載し 相談者の意見を詳細に記載することはありません 相談の前提となる相談者の考え方や事前照会に対する相談者回答の概要は記載いたします 24

対面助言記録の構成 表紙 受付日 番号 治験成分記号 相談区分 相談日 機構担当部及び出席者 相談者側出席者等 相談事項 2 ページ 品目の概要及び相談に至った経緯等 別添として添付 目以降 確認事項 ( 相談当日の変更など 必要に応じて記載 ) 当日のプレゼンテーションに関する議論 ( あれば ) 個々の相談事項 相談事項の解釈 相談事項に対するPMDAの意見 対面助言当日の議論 各相談事項について繰り返し 25

相談記録のサンプル 相談区分などを記載 PMDA 担当部を記載 PMDA 出席者全員の氏名を記載 相談者側出席者の所属及び氏名 ( 全員 ) を記載 以下 相談事項及び助言の内容を記載 26

追加相談について 相談者の主張の根拠となる新たな情報や対案等を示して頂き 追加相談で解決策を議論することも可能です どのような場合でもPMDAの見解に疑問がある際には 遠慮なく担当者にご確認ください 担当者に尋ねにくい場合や 担当者の説明が納得できない場合には 部長 審議役あるいは上席審議役 センター長にご相談下さい 27 27

対面助言のポイント ( まとめ ) 事前面談をご活用ください 相談事項は 明確かつ具体的に 相談事項の議論を行うに足る 十分な資料 データをご用意ください 社内及び外部専門家との間で 事前に十分な協議等を行なうことをお勧めします 疑問がある場合には 遠慮無く担当者にご確認ください 28 28

良い製品をより早く開発するには 成功のための開発戦略 - 製品の臨床上の位置づけを考慮する - 原材料の安全性確認を怠らない - 製造工程や品質管理について一貫性を持つ - 非臨床試験の目的を理解する - 適切なプロトコルに基づいて治験を実施する より良い製品を早く開発するためにも PMDA にご相談ください 29

対面助言利用の例 1 非臨床試験確審査臨床試験 ( 治験 ) 承審査治認確 Phase I 認験申認 Phase II 申届請 Phase III 請 承認 製造販売後 Phase IV 開発前相談 ( 医療機器 ) 新規製品開発時に 申請に際し必要な資料の概念的な要求事項について 指導及び助言 申請品の科学的評価データは無くてもよい 既承認品目及び関連製品の市場調査 文献情報等を基に助言 具体的な試験方法等の提示はしません 生物系安全性確認 品質相談 医療機器及び使用した原材料の生物由来原料基準への適合性や ウイルス プリオン等 感染性物質に対する安全性及び品質について 指導及び助言 例えば ウイルス不活化試験の妥当性などが該当 30

対面助言利用の例 2 非臨床試験確審査臨床試験 ( 治験 ) 承審査治認確 Phase I 認験申認 Phase II 申届請 Phase III 請 承認 製造販売後 Phase IV 細胞 組織利用製品資料整備相談確認申請 治験計画の届出又は承認申請等に際し 添付すべき資料の作成について 指導及び助言 スムーズな資料作成が目的 申請資料の充足性に係る形式的なチェック 各試験項目における試験条件 結果等の記載の充足性チェック データの評価を伴うものは該当しません 医療機器治験 申請前相談 日本国内で実施される治験等について 治験実施計画書作成等の段階で 指導及び助言 相談申込みまでに得られている品質 安全性試験 外国における使用状況及び類似品目の情報に基づき 試験デザインに関する内容について議論 例えば 適応 対象疾患の選択 や 比較対象の設定 主要評価項目の妥当性 などが該当 31

対面助言の実際は以上で終了です 32

事前に頂いたご質問への回答 所掌外のものや重複する内容の質問につきましては割愛させて頂きました 悪しからずご了承願います ます 33

制度に係るもの 34

頂いたご質問への回答 1 Q: 通常の医薬品 / 医療機器の開発と比べ 細胞 組織加工医薬品等の開発ではプロセスがどの点においてどれだけ違うのか また 通常の医薬品と同等のプロセスはどこか A: 細胞 組織加工製品と通常の医薬品 / 医療機器の開発プロセスは基本的には同じと考えられます ただし細胞 組織加工製品については 通常の医薬品 / 医療機器の開発における規制に上乗せする形で 治験計画届を行う前に 製品の品質及び安全性を確認する目的の確認申請が求められる事となります 35

頂いたご質問への回答 2 Q: 製品が医薬品であるか医療機器であるかの判断基準を知りたい A: 一般的には 主に組織を物理的に補完することを期待する場合は医療機器 細胞やその分泌物等の薬理作用等を期待する場合には医薬品とされることが多いようですが 様々な要因を含めて 製品ごとの個別判断となりますので行政 ( 厚生労働省医薬食品局監視指導 麻薬対策課又は機構 ) にご相談願います 36

頂いたご質問への回答 3 Q: 大学病院等のアカデミアから確認申請が可能か? A: 医師主導治験を行う場合は医師が確認申請を行うことができます 37

頂いたご質問への回答 4 Q: 承認申請書は 医薬品のように CTD 形式をとって作成 申請することで当局側では対応可能と考えてよろしいですか? A: 承認申請書については薬事法施行規則第 38 条 添付資料については同規則第 40 条に従って頂くこととなります 医薬品に該当する場合には 提出する書類は CTD 形式で作成頂くこととなります なお 医療機器に該当する場合には CTD 形式で提出頂く必要はありません 38

頂いたご質問への回答 5 Q: 細胞 組織加工製品は 全て 特定生物由来製品で 特定しょうか? A: 生物由来製品あるいは特定生物由来製品への指定については 平成 15 年厚生労働省告示第 209 号などにリスト化されているもの以外は 個別の製品ごとに薬事食品衛生審議会でその該当性について審議されることとなります 細胞 組織加工製品についても個別の製品ごとに 原材料や製造工程からの感染性因子残存のリスクなどを考慮し 該当性が判断されることとなります 生物由来製品の指定の考え方については 以下の厚生労働省 HPもご参照願います http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/12/h1218-2a.html /2002/12/h1218 2a html 39

頂いたご質問への回答 6 Q: 再生医療に使う細胞を培養するための培養機器 あるいは細胞分離機器などについて医療機器である必要性はありますか? A: 製造所で製造装置として使用するのであれば 医療機器である必要性は低いものと考えますが 使用するデバイス等の医療機器への該当性や承認の要否については その使用方法や使用目的も関連します 薬事法規制の適用については 厚生労働省医薬食品局監視指導麻薬対策課によって個別に判断されますので 適宜ご相談願います 40

頂いたご質問への回答 7 Q: 細胞 組織加工に用いる細胞を培養する容器に関する薬事的な規制はどのようなものでしょうか? A: 細胞培養に用いられる容器は医療機器等への該当性は低いものと考えられますが 確認申請や承認申請では 製造に使用することの適格性 ( 必要性や安全性を踏まえた使用の妥当性 ) について説明できることが必要です 例えば当該容器の構成成分等が最終製品に残留する可能性がある場合には 当該物質の残留量や生物学的安全性等について検討し 必要に応じて適切な規格設定等による品質管理を行うこととなります 41

頂いたご質問への回答 8 Q: 細胞療法において細胞投与 ( 移植 ) 前に細胞の機能調節を目的として処理する薬剤を医薬品として製造承認申請することは可能でしょうか? その場合 どのような申請区分になるのでしょうか? A: 一般的には当該薬剤で処理された細胞が製造販売承認の対象となり 当該薬剤は原材料として位置づけられる場合が多いと考えられますが 承認申請の対象や申請区分については 製品ごとの個別判断となりますので 使用方法 使用目的 作用機序や期待する効能効使用目的果などの情報を整理した上で 厚生労働省医薬食品局監視指導 麻薬対策課 審査管理課にご相談願います 42

頂いたご質問への回答 9 Q: 再生医療の実用化を考えた場合 薬事法下での医薬品として開発を進めることが望ましいでしょうか それとも臨床研究を先行する方が望ましいでしょうか? A: 一般論で申しあげますと 臨床研究を積み重ねたあとに薬事申請を行うメリットは それが薬事法での承認を得られるかどうか 製品化の可能性を慎重に判断することができることだと思いますが デメリットとしては薬事申請用にデータを取り直す必要が出てくるなどの手間と時間を要すことだと思います 実際の開発ではケースバイケースの判断となると考えます 43

頂いたご質問への回答 10 Q: アカデミア主導で行う臨床試験データの取扱い ( 治験資料への活用 ) はどうなるか? また臨床研究として実施されたデータを承認申請資料として使用した前例はないのか? あるのであればその基準を知りたい A: 医師主導治験のデータであれば 承認申請の添付資料 ( 申請内容の根拠となる資料 ) として活用することが可能です 臨床研究のデータについては 承認申請の添付資料とすることは出来ませんが 審査の参考資料として提出することは可能です 44

品質に係るもの 45

頂いたご質問への回答 11 Q: 細胞加工製品の場合 細胞 サイトカイン 足場の組み合わせになることが多いと考えますが この場合 どここの場合までが原材料であり どこからが製品と考えれば良いのでしょうか? A: 具体的な該当性については製品ごとにケースバイケースの判断となると考えられますが 一般的には製造において素材として外部から受入れるものは原料 原料から工程処理を進めたものが中間製品 全ての製造工程が完了し患者に投与される形態のものを最終製品と考えることになります 46

頂いたご質問への回答 12 Q: 品質検査に用いるサンプルとして製品のスペアを作製し それを品質検査することは可能か? A: 可能ですが 患者に投与する製品と品質管理用の製品の同等性 / 同質性を説明することが必要となります 一般的には例えば 原材料や製造工程に関して同一ロットとみなせるような製造方法とすることや 患者に投与する製品量に品質管理用のサンプル量を加えた量を製造し 品質管理試験のサンプルはその中から無作為に抜き取る方法などが考えられます 47

頂いたご質問への回答 13 Q: 品質試験において エンドトキシン以外のリスクを確認する必要性があるのかどうかお伺いしたいです A: 細胞 組織加工製品の品質管理では エンドトキシン以外にも無菌試験やマイコプラズマ否定試験の実施が必須であり また これら以外にも細胞の純度 細胞由細胞由来の目的外生理活性物質 製造工程由来不純物 ウイルスなど 品質と相関するリスクが想定される場合には 当該リスクについても規格及び試験方法の設定等を行い適切な品質管理を行うことが必要です 参照 : 平成 20 年 2 月 8 日付け薬食発第 0208003 号 平成 20 年 9 月 12 日付け薬食発第 0912006 号 48

頂いたご質問への回答 14 Q: ウイルスベクター作製用 MCB の品質規格試験の考え方と具体的な品質規格試験項目についてお教え下さい A: セルバンクの品質に係る一般的な事項 ( 特性解析 純度試験 細胞基材の安定性 核型分析及び造腫瘍性試験など ) については平成 12 年 7 月 14 日付け医薬審第 873 号 (ICH-Q5D) 等を参照してください また ウイルスベクターが遺伝子導入に使用されるのであれば 遺伝子治遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針 ( 平成 7 年 11 月 15 日付け薬発第 1062 号 ) についても参照してください 49

頂いたご質問への回答 15 Q: 原材料となる細胞等の入庫 ~ 医療機関へ出庫 の間の工程を企業が受持つが 製品検査は出庫時以外に医療機関入庫時等が必要か? A: 製品の品質の担保としては 製造から出荷までは適切な品質管理試験や規格の設定を行い 出荷から医療機関への輸送については 安定性試験の結果等から適切な輸送及び保管の条件等を設定することが必要です その上で 製品の特性上 医療機関における受入時や使用時などに医師 医療機関等が確認すべき事項があ医療機関等が確認すべき事項がある場合には 当該事項についても設定が必要となります 50

頂いたご質問への回答 16 Q: 自己細胞での再生医療の場合 一人のヒトの細胞操作を行った後 同一空間で他のヒトの細胞処理を行なおうとするとき求められる交叉汚染防止対策とは? A: 同一空間で作業を行うことに起因するリスク因子を洗い出し 各々について どのようにすれば回避可能であるかを検討した上で バリデーションを行った適切な操作 / 処理の方法等を確立してください 確立した方法等については SOP 等として文書化すると共に職員の教育訓練等を措置することで 製造管理及び品質管理の中で確実に実施されることが必要です 細胞 組織加工製品の交叉汚染防止の考え方については 平成 12 年 12 月 26 日医薬発第 1314 号別添 1 や平成 20 年 3 月 27 日付け薬食監麻発第 0327025 号などを参照してください 51

頂いたご質問への回答 17 Q: 人工材料で定められている滅菌の基準 ( ガンマ線滅菌の線量 ) があるが 生体由来材料の滅菌にもこの基準を適応し滅菌処理をするべきか? A: 滅菌して出荷される医療機器については 無菌性保証水準 (SAL) 達成のための滅菌バリデーション等に係るガイドライン ( 平成 9 年 3 月 31 日付け薬機第 60 号など ) が示されているところですが 生体由来材料については通常の人工材料に比べ 生理活性の失活等 滅菌処理の品質への影響がより大きくなることも想定されることから 一律の方法 基準による滅菌を求めるものではなく 適切にバリデーションを行った方法で製品に必要な無菌性を担保することで構いません 52

頂いたご質問への回答 18 Q: 加工した細胞を患部へデリバリーするデバイス開発に関する注意事項とは? A: デリバリーデバイスの使用方法や細胞 組織加工製デバイスの使用方法や細胞品の特徴にもよりますが デバイスに関する非臨床試験に加え 細胞と併用される場合には デリバリーデバイスデバイスの使用による細胞 ( 製品 ) への影響 ( たとえば細胞の生存率 変性 変質 凝集 デバイスへの吸着など変質 ) を確認する必要があると考えられます 53

非臨床に係るもの 54

頂いたご質問への回答 19 Q: 細胞 組織加工製品の生物学的安全性試験に関し 特に細胞に対して要求される試験 ( 核型試験など ) を GLP に準拠して実施する必要があるのか? あるならば 全ての試験項目が該当するのか 一部の試験が該当するのか? A: 承認申請に用いる生物学的安全性試験のデータについては 全てGLP 準拠であることが原則です やむを得ずGLPに適合しない方法 手順等で試験が行われた場合には 当該不適合部分及びそれが試験全体に及ぼす影響の評価について陳述書に記載することが必要となります ( 参照 : 平成 17 年 8 月 5 日付け薬食審査発第 0805001 号 平成 17 年 7 月 15 日付け薬食機発第 0715001 号 ) ( 続く ) 55

頂いたご質問への回答 19 Q: 細胞 組織加工製品の生物学的安全性試験に関し 特に細胞に対して要求される試験 ( 核型試験など ) を GLP に準拠して実施する必要があるのか? あるならば 全ての試験項目が該当するのか 一部の試験が該当するのか? A:( 続き ) やむを得ない場合に該当するかどうかは個別判断が必要であるため 試験を実施する前にPMDAに相談頂くことを強くお勧めします 56

頂いたご質問への回答 20 Q: 自己細胞により作成された再生医療製品の生物学的安全性試験の感作性試験は 製品中に含まれる自己細胞以外の物質に対する感作性試験を見れば良いと考えられるのでしょうか? A: 一般に細胞 組織加工製品は種々の生理活性物質を産生する等の性質を持つと予想され これらの物質が製品の感作性に予測不能な影響を及ぼす可能性が想定されます また自己由来の成分であっても 生体本来とは異なる形 ( 異所性移植など ) で投与された場合には アレルギー等を惹起する可能性等も否定し切れないと考えます 以上から試験対象から細胞成分を除外することは不適切であると考えます 57

頂いたご質問への回答 21 Q: 再生医療のような場合 一度あるいは短期間の間歇 処置をして その後の経過を観察することが想定されますが 亜急性 慢性毒性試験をどのように考えればよいでしょうか? A: 亜急性 慢性毒性試験などの一般毒性試験については 動物由来のモデル製品を含めて製品の入手が容易であり かつ臨床上の適用に関連する有用な安全性情報が得られる可能性があれば 合理的な設計を行った上で実施を考慮して頂くという位置付けであり 一律の実施を求めるものではありません 具体的には 例えば作用機序が不明である等の製品について 投与量 投与期間及び投与後長期に係る安全性を検討するなどの目的で実施することが想定されます 58

頂いたご質問への回答 22 Q: ヒトと動物で発現条件 ( 製造条件 ) に差があるような場合 一般的な非臨床試験 ( 安全性 薬効等 ) のモデルが立案し難くなります このような場合 何処まで実施することが要求されるのでしょうか? 実施が難しい理由が妥当であれば 実施しなくてもよろしいでしょうか? A: 細胞 組織加工製品の非臨床試験については 技術的に可能で 科学的妥当性のある範囲で 適切な動物等を用いた試験が要求され 合理性のない試験について一律の実施を求めるものではありません 試験の実施可能性や必要性については 製品特性や適用疾患等でケースバイケースとなると考えますので 必要に応じ PMDA の対面助言の利用をご検討願います 59

頂いたご質問への回答 23 Q: 生体由来 ( 異種 ) 材料の安全性評価を行うための in vivo 評価で サルを用いた検討は必要であるのか? A: サルを用いた試験が安全性評価において 一律に要求される事はありません 対象材料の安全性について 非霊長類を用いた試験では評価が困難であり サルを用いることが適切な場合には実施の検討が求められる可能性があります ケースバイケースの判断となると考えられますので具体的な助言が必要な場合は PMDA の対面助言の利用をご検討願います 60

頂いたご質問への回答 24 Q: 臨床効果の基礎的なデータはどの程度必要か? 作用機序が必ずしも解明できていない場合も考えられるため A: 確認申請では 安全性及び有効性に係る品質 非臨床データ並びに対象疾患に関連する臨床情報などから想定されるリスク / ベネフィットバランスにおいて 治験実施の妥当性を説明できることが必要であり 作用機序が解明されていることは必須ではありません なお非臨床での有効性に係るデータの収集については 自己同種指針の 効力または性能を裏付ける試験 を参照してください 61

臨床に係るもの 62

頂いたご質問への回答 25 Q: 非臨床試験で有効性や安全性が確認できれば臨床試験は不要と考えても良いのでしょうか? 再生医療 / 細胞 組織加工製品の治験 ( 臨床試験 ) を実施しなければならない条件について知りたい A: 細胞 組織加工医薬品等については その有効成分 構造及び原理等の新規性が非常に高く 非臨床試験の非臨床試験の結果をもって臨床試験を不要とすることはできません 承認申請では臨床試験のデータが必須となります 63

頂いたご質問への回答 26 Q: 米国で臨床試験第 Ⅲ 相を実施している細胞 組織加工製品の日本導入を考えています その場合も確認申請は必要なのでしょうか? 仮にそのまま承認申請ができるとして どのようなデータが必要となるのでしょうか? A: 細胞 組織加工製品は新規性が高いため国内治験が必要となる可能性が極めて高いと考えます 国内治験を実施する場合は確認申請が必要となります 承認申請では 本邦における医療実態や製品の臨床上の位置づけ 人種差等を考慮して海外データを日本人に外挿し 本邦の医療環境における日本人での有効性と安全性を説明する必要があり そのためにも国内治験が必要になる可能性が高いと考えられます 64

その他 65

頂いたご質問への回答 27 Q: 再生医療担当の審査員はどのようなバックグラウンドを持っているのでしょうか? 通常の医薬品の審査経験しかないのでしょうか? A: 基礎研究分野も含めると 再生医療 細胞治療分野での研究経験 5 年 ~10 年以上の者が約半数を占め 通常の医薬品の審査を行ってきた者と協力して審査を進めて審査を進めおります また 当該分野の製品はバラエティーに富んでおり 進歩も早いことから 複数の外部専門家のご意見を業務の参考としております 今後も 公的研究機関等との人事交流を含め 当該分野の研究経験が豊富な審査専門員を確保して行く方針です 66

頂いたご質問への回答 28 Q: 企業とPMDA との間で人材交流はどうあるべきでしょうか? A: 開発者側 規制側の相互理解を深めることは 双方の業務をスムーズにし 効率化につながると思われますが が現状では企業とPMDAとの間での人材交流については 離職後従事制限等の一定の制限が行われているところです 今後の方針について具体的なことを申し上げることはできませんが 将来的な検討課題であろうと思われます 67