920MHz 帯 RFID の屋外利用等に関する技術的条件 調査検討報告書概要 2017 年 10 月 19 日 電気興業株式会社
パッシブタグシステムの国内動向と海外の状況 電子タグシステムの国際標準化動向調査 (1) 国際標準化動向 世界的にみると UHF 帯の RFID 周波数は 州やアジア太平洋地域等では 900MHz 帯が 欧州地域等では 800MHz 帯が配分されている 国は 902MHz から 928MHz までをも RFID に割り当てているが 国以外の国ではセルラー ( 移動通信 ) や政府利 的に使 されているケースが多い 欧州では 現在 870-876MHz 及び 915-921MHz を RFID に新たに割り当てるため 欧州域内での周波数の共通化 ( ハーモナイゼーション ) に向けた取組みが進められている 5
パッシブタグシステムの国内動向と海外の状況 電子タグシステムの国際標準化動向調査 (3) 諸外国における 出 パッシブタグシステムの屋外利 動向調査 国 現在の利 動向 無線給電 (Powercast 等 ) タイム計測 (ChronoTrack 等 ) 速道路課 システム (EZ-Pass 等 ) セキュリティシステム 煙探知機 照明制御 ホームオートメーション スマートメーター 両向け RFID( 最 出 30W の免許制による ITS 無線サービス ) 等 今後の利 動向 920MHz 帯の免許不要帯域を利 した IoT ネットワークの増加 (Senet, Sigfox, Silver Spring Networks) 欧州 現在の利 動向 863-870MHz が SRD に広範囲に利 されており 周波数がひっ迫してきている 今後の利 動向 般 SRD,UHF 帯 RFID, ホームオートメーション サブメータリング, オートモーティブ SRD, スマートメーター スマートグリッド メトロポリタンメッシュマシーンネットワーク (M3N) アプリケーション アラーム 社会アラームシステム 補聴器を含む補聴デバイス等 韓国 現在の利 動向 ホーム IoT サービス ( ガスロック ホーム CCTV カメラ等 ) 今後の利 動向 LoRa 規格の IoT ネットワークサービス等の増加 中国 現在の利 動向 物流 倉庫管理 両管理等 今後の利 動向 電 製品のリサイクル 犯罪の取締り等の増加 7
出力 (250mW/1W) による読み取り性能の比較検証 的 リーダライタの出 の違い (250mW と 1W) による タグ読取の違いを確認し 1W の有 性を検証する 検証項 体及び擬似体液 ( 汗 ) 等の影響によるタグ読み取り性能 較 ( 電波暗室内 ) タグ読取数 較 ( 電波暗室内 ) マット型アンテナを使 した 時の読取率の違い 交信可能エリア 較 ( 電波暗室内 ) 検証結果 (1) 体や汗の影響がある場合は その影響により減衰するため 250mW での運 は困難であり 1W での運 が良好であるとの結果となった (2) 体及び汗の影響がない状態で 通過速度 ( 秒速 5m 以下 ) による読み取り率を測定したところ 1W では 100% 読み取れたのに対して 250mW では通過速度が上がると読取率は低下し 運 上問題がある結果となった 実環境に近似させた 体及び擬似体液 ( 汗 ) 等の影響を再現し かつ ランニングレベルの移動速度で計測を った実験では 1W の有 性が明らかとなった 9
出力 (250mW/1W) による読み取り性能の比較検証 マット型アンテナを使 した実 時の読取率の違い ( 機器 A) 較結果 交信可能エリア 較 ( 電波暗室内 )( 機器 G) 較結果 11
パッシブタグシステムのアンテナ特性の測定 検討対象システムの 電 タグシステム に記載の機器 A C,E G について アンテナ指向性 利得 リターンロス特性を測定 アンテナ指向性測定系 マット型アンテナ指向性 ハンディ型リーダは指向性測定不可 マット型アンテナはアンテナ背 の 属板有り無しの状態で測定 機器 A アンテナ背 の 属板無し マット型リターンロス特性 13
所要改善量と必要水平離隔距離の算出 算出結果 1W パッシブタグシステム アンテナの指向性データを いた机上 渉計算を った マット型アンテナ 1W パッシブタグシステムから携帯電話システム上り及び MCA システム上りへの 渉計算結果は 最も伝搬損失の さい ( 厳しい条件 ) 伝搬モデルとなる 由空間伝搬モデルにおいて過去の委員会報告における計算値よりも 所要改善量 必要 平離隔距離共に低減される結果となった 1W パッシブタグシステムと携帯電話システム及び MCA システムとの共 については 過去の委員会報告にて周波数共 が可能であると判断された結果より更に低減された結果を得ることができたことから 共 可能であると考えられる 16
試験機器から検証対象システムに対する特性試験 干渉評価技術試験 アクティブ系 電 無線システムの通信成功率測定データ 周波数間隔と通信成功率の測定 与 渉周波数による通信成功率 ( マット型アンテナ ) 与 渉周波数による通信成功率 ( 平 型アンテナ ) RFID 送信周波数 :920.4MHz スマートメータ運 周波数 : 設定可能な下限周波数離隔距離 :3m スマートメータ機器 :ARIB STD- T108 20mW 基本規定準拠 試験結果パッシブタグシステムとアクティブ系 電 無線システム間の距離が短い場合 及びアクティブ系 電 無線システム使 帯域に近い周波数をパッシブタグシステムが使 した場合に アクティブ系 電 無線システムの通信成功率が劣化する影響が られた 22
まとめ 1W パッシブタグシステムの有用性 出 250mW と 1W による 較検証により 1W でタグ読取性能が 幅に向上することが明らかであることから 構外利 において 1W パッシブタグシステムが有 である 電波防護指針と 1W パッシブタグシステム マラソンのタイム計測にて 1W パッシブタグシステムを使 する場合 般的には地 に設置されたマット型アンテナ上に が 時間滞留することはないため 体への影響は及ぼさないものと考える 他システムとの共用検討 1W パッシブタグシステムの構外利 について 携帯電話システム及び MCA システムとの共 検討を った結果 各無線システムへの影響が無いことを確認したことから共 可能であると判断する 1W パッシブタグシステムを構外利 する場合 アクティブ系 電 無線システム ( スマートメーター等 ) との距離が近接する確率が くなることが想定される 構外利 できる 1W パッシブタグシステムの利 チャネル設定の際の配慮や 同 場所における継続運 時間など お互いに周波数の有効利 を図るための 策について 今後の審議会や 間規格策定の場での 分な審議を経て運 されることが望ましい 23
実運用上の検討課題 アクティブ系 電 無線システム ( スマートメーター等 ) 及び既存のパッシブタグシステムと構外利 1W パッシブタグシステムの周波数有効利 の促進を図るために 相互に運 の円滑化が図れるような 策 ( ルール等 ) を検討することが望ましい マット型アンテナの使 上 アンテナに 体が近接するため 電波防護対策について周知するなど対策の要否についても検討することが望ましい 1W パッシブタグシステムの構外利 において 両等で移動しながら使 する場合については 今回 採取されたデータから判断すると タグとの距離が 5m 以下で 速度 15km/h 以下程度であれば実 に供する可能性もあるが 的とする場所以外での電波発射となることもあるため 実際のシステム構築にあたっては 必要のない場所での電波の発射を抑制する等 同 帯域内で周波数共 をしている他の無線システムに対して配慮されることが望ましい 24