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検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

<4D F736F F D2092E18F6F90B691CC8F648E998F6F90B682CC919D89C182CC94778C692E646F63>

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

環境化学物質による健康影響 : 研究からWHOCC活動へ

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

スライド 1

平成14年度研究報告

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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検査項目情報 1223 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E040. メタネフリン分画 メタネフリン分画 [ 随時尿 ] metanephrine fractionation 連絡先 : 3495 基本情報 4E040 メタネフリン分画分析物

検査項目情報 1174 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090.HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) HCGβ サブユニット (β-hcg) ( 遊離 ) Department of Clinical Lab

検査項目情報 6154 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E016. カテコールアミン3 分画 カテコールアミン3 分画 [ 随時尿 ] catecholamines 3 fractionation 連絡先 : 3764 基本情報 4E016

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

検査項目情報 1171 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブユニット ) トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブ

検査項目情報 抗 SS-A 抗体 [CLEIA] anti Sjogren syndrome-a antibody 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5G076 分析物 抗 SS-A 抗体 Departme

検査項目情報 1208 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 3. 生化学的検査 >> 3B. 酵素および関連物質 >> 3B190.PSTI ( 膵分泌性トリプシンインヒビター ) PS

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

者 のホームページ 構 造 のファイル 群 を 使 用 する. 表 4 登 録 異 性 体 表 2 データ 登 録 ブック Web 表 示 ページ データベースの 構 成 データベースとしてのデータ 保 存 データの 登 録 数 値 フォーマット 変 換 測 定 結 果 表 示 csvファイル 作

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15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

4 身体活動量カロリズム内に記憶されているデータを表計算ソフトに入力し, 身体活動量の分析を行った 身体活動量の測定結果から, 連続した 7 日間の平均, 学校に通っている平日平均, 学校が休みである土日平均について, 総エネルギー消費量, 活動エネルギー量, 歩数, エクササイズ量から分析を行った

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オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

seveso-j

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検査項目情報 γ-gtp ( ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ ) [ 血清 ] gamma glutamyl transpeptidase 連絡先 : 3487 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 3B090 分析物 γ-

疫学研究の病院HPによる情報公開 様式の作成について

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

血液学的検査 >> 2B. 凝固 線溶関連検査 >> 2B400. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 B 3.2% クエン酸ナトリウム ( 黒 ) 血液 2 ml 血漿 検体ラベル ( 単項目オーダー時

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

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57巻S‐A(総会号)/NKRP‐02(会長あいさつ)

検査項目情報 6158 CK アイソザイム 一次サンプル採取マニュアル 3. 生化学的検査 >> 3B. 酵素および関連物質 >> 3B025.CKアイソザイム Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 cr

注 3) 化学物質環境実態調査 ( 黒本調査 ) は 非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査 ( 平成 5 ~13 年度 ) モニタリング調査 ( 平成 14 年度 ~) のデータをまとめた 注 4) 化学物質環境実態調査 ( 黒本調査 ) 内分泌攪乱化学物質における環境実態調査 については 環境中の

DNA/RNA調製法 実験ガイド

検査項目情報 P-ANCA Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G552.P-ANCA Ver.7 perinucl

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

免疫学的検査 >> 5C. 血漿蛋白 >> 5C146. 検体採取 患者の検査前準備検体採取のタイミング記号添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料採取量測定材料ネ丸底プレイン ( 白 ) 尿 9 ml 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

子どもの健康と環境 : 日本における現状と今後の課題

1. エコチル調査の概要 2. 子どもを取り巻く環境 - エコチル調査 ( 詳細調査 ) からわかってきたこと - 3. 他に指摘されている子どもを取り巻く環境 4. まとめ 2

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脂肪滴周囲蛋白Perilipin 1の機能解析 [全文の要約]

資料4-3 木酢液の検討状況について

検査項目情報 抗アクアポリン 4 抗体 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G821. 抗アクアポリン4 抗体 Ve

環境調査(水系)対象物質の分析法

テイカ製薬株式会社 社内資料

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )


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検査項目情報 LDH アイソザイム ( 乳酸脱水素酵素アイソザイム ) Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 生化学的検査 >> 3B. 酵素および関連物質 >> 3B05

Microsoft Word - Ⅲ-11. VE-1 修正後 3.14.doc

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

井上 富岡 梅﨑 流山陽論叢 : 妊婦が希望する妊娠中の母乳育児支援第 22 巻 (2015) か月では完全母乳栄養の母親は 46%,3 か月では 38% まで減少するという報告がある 1) これまで母乳育児の継続を阻害する要因に関する報告は多くなされており, その主な要因として, 母親自身および母

臨床研究の概要および研究計画

検査項目情報 von Willebrand 因子 ( フォン ウィルレブランド因子 ) Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 血液学的検査 >> 2B. 凝固 線溶関連検査

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

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参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

平成19年度学校保健統計調査結果

14栄養・食事アセスメント(2)

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免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E301. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 イ ヘパリンナトリウム ( 緑 ) 血液 5 ml 全血 検体ラベル ( 単項目オー

資料4-4 木酢液の検討状況について


武蔵 狭山台工業団地周辺大気 環境調査結果について 埼玉県環境科学国際センター 化学物質担当 1

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 5. 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G010. 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク

3. 調査結果 (1)PM2.5, 黄砂の状況調査期間中の一般環境大気測定局 5 局の PM2.5 濃度 ( 日平均値 ) の平均値を図 1 に示す 平成 26 年度は 9.9~49.9μg/m 3 ( 平均値 28.4μg/m 3 ), 平成 27 年度は 11.6~32.4μg/m 3 ( 平均

はじめに ダイオキシン類は 工業的に製造する物質ではなく ものの焼却の過程などで自然に生成してしまう物質です そのため 環境中には広く存在していますが 量は非常にわずかです ダイオキシン類は 通常の日常生活におけるばく露レベルでは健康影響は生じませんが 国民の間には様々な不安や疑問もあるため ダイオ

ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ

土壌含有量試験(簡易分析)

表 5-1 機器 設備 説明変数のカテゴリースコア, 偏相関係数, 判別的中率 属性 カテゴリー カテゴリースコア レンジ 偏相関係数 性別 女性 男性 ~20 歳台 歳台 年齢 40 歳台

平成19年度学校保健統計調査結果

Ⅲ 各種施策及び事業の動向 第 1 妊娠 出産期から乳幼児期にかけての子育て支援 4 乳児健康診査 (1) 根拠法令等 母子保健法 厚生省児童家庭局長通知 仙台市乳児健康診査実施要領 (2) 制度の概要 事業目的 対象者 実施機関 一般健康診査 精密健康診査 乳児の心身の異常を早期に発見し, 早期に

ヘルメスの翼に

CERT化学2013前期_問題

PCB PCDF PCB PCDF PCB PCDF (1, 2, 3, 4) (5) 2, 3, 4, 7, 8-PenCDF (6, 7) , 3, 4, 7, 8-PenCDF PenCDF ( 2, 3, 4, 7, 8-PenCDF ) PenCDF

胎児計測と胎児発育曲線について : 妊娠中の超音波検査には大きく分けて 5 種類の検査があります 1. 妊娠初期の超音波検査 : 妊娠初期に ( 異所性妊娠や流産ではない ) 正常な妊娠であることを診断し 分娩予定日を決定するための検査です 2. 胎児計測 : 妊娠中期から後期に胎児の発育が正常であ

赤色ボタン 1) データ保存 : ボタンをクリックすれば 保存データ シートに データが保存 2) 入力データクリア : ボタンをクリックすれば 入力されたデータが消去されます 水色ボタン ( 画面移動用 ) 保存データシートへ 成長曲線 6 歳以上 肥満度曲線 成長速度 成長曲線 0~6 歳 BM

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル

Transcription:

ベトナム Bien Hoaにおける初産婦の母乳中ダイオキシンレベル ステロイドホルモンレベル 乳児身体計測値との関連について 金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域健康発達看護学講座地域 環境保健看護学分野博士前期課程小池郁美

ダイオキシン類 通常は無色固体 脂溶性の性質をもつ 農薬などの塩素を含む化学物質の製造の際に副産物として生産され 田畑へ散布され環境を汚染する 土壌や水中へ長期間残留し 微量でも環境や人体に強い影響をもたらす可能性が大きい 2,3,7,8-TCDD

ダイオキシン類が生体に及ぼす影響 妊娠中のマウスに高用量 2,3,7,8 TCDD を連続投与すると 口蓋裂 水腎症の先天異常が出現する (Couture et al., 1990) TCDD 曝露は 唾液中のテストステロン値の減少 エストラジオール プロゲステロン値の減少を引き起こす (Weisglas et al., 2000, Moran et al.,2003, Barsotti et al,1979 ) 動物実験において 妊娠中および授乳中の 2,3,7,8 TCDD の曝露による仔への生殖毒性 甲状腺機能 免疫機能への影響が認められている (Faqi et al., 1998;Mably et al., 1992,Nishimura et al.,2005,narasimhan et al.,1994;gehrs et al.,1997)

ダイオキシンと母乳 乳児との先行研究より ヒトにおいて ダイオキシン類は母乳中に高率に排出され 女性においては最も効率的な排出経路 (Landrigan et al., 2002,Abraham et al.,1996) 母乳中ダイオキシンレベルは初産婦と経産婦で比較すると 初産婦の方が有意にダイオキシンレベルが高い (Uehara R et al.,2005) 母親の母乳中ダイオキシンレベルが 新生児の大きさに負の相関を示した (Tawara et al.,2003)

ベトナム戦争と枯葉剤 Da Nang Phu Cat Bien Hoa

ベトナム枯葉剤の汚染レベルに関する先行研究より Hot Spot の土壌の沈殿物のダイオキシン濃度は西欧諸国と比較し 高濃度であった (Schecter et al., 2006) ベトナムにおいて 枯葉剤非散布地区よりも 散布地区の方が高い (Nhu et al.,2009,saito et al.,2010) ベトナム戦争中の枯葉剤散布作戦による健康影響を調査する研究はいくつかみられるが ほとんどがアメリカ人帰還兵等を対象にしたものであり 枯葉剤散布後もその土地に住み続けている人を対象にした調査は少ない

枯葉剤とステロイドホルモンとの先行研究より ベトナム Phu Cat 8 名 非散布地区 8 名の初産婦を対象にした調査で 散布地区のステロイドホルモン値が有意に高かった ダイオキシンとコルチゾールとの相関はベル型 エストラジオールとの相関はU 字型相関がみられた (Nhu et al.,2011) ダイオキシン類とステロイドホルモンの関連について 毒性等量のみの報告であり ダイオキシン異性体がどのステロイドホルモンに作用するかが明らかでない また 対象者が 8 名と少なく 分析に必要な対象者を確保する必要がある

研究目的 調査地区としてベトナムにおけるダイオキシン汚染のあった Hot Spotの1つであるBien Hoaを初めて選定し 17 種類の母乳中ダイオキシン異性体レベルとステロイドホルモン値 その母親の母乳で育児されている子どもの身体計測値 母親のステロイドホルモン値と乳児身体計測値との3つの関連性について 分析に必要な初産婦の対象数を増やして明らかにすることを目的とした

研究方法

研究方法 対象地区 調査期間 調査対象者 ベトナム戦争中に高濃度汚染のあったBien Hoaを対象地区とした 2010 年 8 月 2010 年 8 月時点で授乳中の初産婦 55 名 その第 1 子を対象とした

研究方法 母乳採取 授乳中の母親本人 現地女性スタッフ 調査員のいずれかが母乳を手で20ml 搾乳した 採取後は-70 度で冷凍保存し 日本に移送した 唾液採取母親の唾液を母親本人が2ml 採取し, 70 で冷凍保存し日本に移送した 血液採取 母親に対し調査員が5ml 採血を行い その場で血清分離した後 冷凍保存し日本に移送した 身体計測 対象となった母親の母乳を哺乳している児に対し 調査員が身長 体重 頭囲 胸囲を計測した

研究方法 質問紙調査た 調査員が対象者に対し聞き取り 記録し ( 年齢 居住年数 世帯収入 児の性別 月齢等 ) サンプル測定方法 母乳中ダイオキシンレベル: 質量分析法 ステロイドホルモンレベル: 液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法

母乳中ダイオキシン類の分析方法 母乳脂質 脂質抽出 母乳約 10g 振とう 抽出 エーテル層 シュウ酸カリウム0.25g エタノール25ml ジエチルエーテル50ml 石油エーテル50ml 水層ジエチルエーテル25ml 石油エーテル25ml 振とう 抽出 2 % NaCl 250ml 水 100mlを 2 回洗浄無水硫酸ナトリウム脱水 K.D. 濃縮 N 2 ガス濃縮 乾固 重量測定 抽出精製分画回収定量濃度 内部標準液 13 C ラベル化 Dioxin 類 20µl 添加 アルカリ分解 ヘキサン抽出 KOH35ml N ヘキサン30ml 振とう 抽出を3 回 多層シリカゲルカラムクロマトグラフィ N ヘキサン抽出溶液 10ml 添加 N ヘキサン300mlを 2.5ml/minで流下 活性炭分散シリカゲルカラムクロマトグラフィ 25% ジクロロメタン /N ヘキサン溶液を 60ml を 2.5m l/m in で流 PCB 分画 活性炭分散シリカゲル1g ダイオキシン類分解溶液添加後 30 分放置 トルエン 300ml を 2.5ml/min で流下 PCDDs/Fs 分画 濃縮 乾固 高分解能ガスクロマトグラフィ / 質量分析計 (GC/HRMS) 測定 濃度算出

コレステロール ステロイドホルモンの生合成 プレグネノロン 17 OH プレグネノロン デヒドロエピアンドロステロン (DHEA) プロゲステロン (P4) 17 OH プロゲステロン アンドロステンジオン デオキシコルチゾール テストステロン コルチゾール (F) エストラジオール コルチゾン (E) 病態生理で切った内科学 4 内分泌疾患 ; 医学教育出版社

統計解析の手法 母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルの相関 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値の相関 スピアマンの順位相関係数 母乳中ダイオキシンレベルと児計測値との相関 ピアソンの相関係数

倫理的配慮 本研究は金沢大学医学倫理委員会の承認を得て行った ( 承認番号 89) 本調査にあたり 参加者には Bien Hoa の人民委員会を通じて対象者に研究主旨を説明し 参加の同意を得た 当日調査会場である診療所に来場したすべての人に対し ベトナム語で書かれた文書にて研究参加の同意を得た

結果

初産婦の属性 n=55 平均値 S.D 年齢 ( 才 ) 25.4 2.73 身長 (cm) 150.7 5.04 体重 (kg) 49.2 6.29 BMI 21.8 3.00 世帯収入 ( 10 4 VND/ 月 ) 542 383 居住年数 ( 年 ) 13.9 10.43

乳児の属性 男児 (S.D) n=34 女児 (S.D) n=21 月齢 ( ヶ月 ) 3.3 (1.1) 2.9 (1.1) 身長 (cm) 62.9(4.0) 60.5 (4.5) 体重 (g) 6506.5 (1274.8) 5527.1 (848.6) 頭囲 (cm) 40.0 (1.9) 38.7 (1.5) 胸囲 (cm) 41.8 (3.0) 39.3 (2.2)

母乳中ダイオキシンレベル median (inter quartile) PCDD congeners 2,3,7,8 TCDD 2.035 (1.184 4.332) 1,2,3,7,8 PeCDD 2.819 (1.965 4.325) 1,2,3,4,7,8 HxCDD 1.511 (1.0599 2.0619) 1,2,3,6,7,8 HxCDD 5.061 (2.809 7.41) 1,2,3,7,8,9 HxCDD 1.5033 (1.1365 2.5133) 1,2,3,4,6,7,8 HpCDD 9.166 (5.489 14.817) OCDD 54.31 (39.7 78.81) PCDF congeners 2,3,7,8 TCDF 0.4608 (0.2342 0.6593) 1,2,3,7,8 PeCDF 0.548 (0.616825 0.658443) 2,3,4,7,8 PeCDF 4.206 (3.439 5.392) 1,2,3,4,7,8 HxCDF 6.364 (5.135 10.183) 1,2,3,6,7,8 HxCDF 4.042 (2.907 5.859) 1,2,3,7,8,9 HxCDF 0.3628 (0.2439 0.5916) 2,3,4,6,7,8 HxCDF 0.7298 (0.4591 0.971) 1,2,3,4,6,7,8 HpCDF 4.14 (3.24 5.766) 1,2,3,4,7,8,9 HpCDF 0.7315 (0.3218 1.1196) OCDF 0.6407 (0.4751 0.8711) Total PCDDs 80.28 (56.08 123.77) Total PCDFs 23.66 (17.79 30.59) Total PCDD+PCDFs 108.48 (56.08 123.77)

母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルとの関連 母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値との関連 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連

母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルとの関連 母乳中ステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連

血清エストラジオール 0.002398 0.047856 0.060211 0.013856 0.006149 0.085319 0.013977 0.004288 0.008535 0.017294 0.024596 0.007018 0.003765 0.043415 0.1046 0.10386 0.044016 0.013624 0.044594 0.007419 唾液母乳中ダイオキシンレベルと血清 唾液中ホルモン値との相関表 (r 2 値 ) r 2 値 >0.1 r 2 値 >0.2 r 2 値 >0.3 2,3,7,8- TCDD (n=46) 1,2,3,7,8- PeCDD (n=46) 1,2,3,4,7,8- HxCDD (n=46) PCDD PCDF Total 1,2,3,6,7,8- HxCDD (n=45) 1,2,3,7,8,9- HxCDD (n=46) 1,2,3,4,6,7, 8-HpCDD (n=47) OCDD (n=44) 2,3,7,8- TCDF (n=46) 1,2,3,7,8- PeCDF (n=47) 2,3,4,7,8- PeCDF (n=45) 1,2,3,4,7,8- HxCDF (n=46) 1,2,3,6,7,8- HxCDF (n=45) 1,2,3,7,8,9- HxCDF (n=45) 2,3,4,6,7,8- HxCDF (n=46) 1,2,3,4,6,7, 8-HpCDF (n=43) 1,2,3,4,7,8, 9-HpCDF (n=47) OCDF (n=46) Total PCDD (n=47) Total PCDF (n=43) Total PCDD+PCD F (n=47) 1,2,3,4,6,7,8 HpCDF コルチゾール中デヒドロエピアンドロステロン 0.010867 0.15852 0.12679 0.042391 0.0363 0.11925 0.004507 0.13455 0.013985 0.034457 0.016898 0.010327 0.020023 0.024961 0.11572 0.1473 0.012153 0.003174 0.004739 0.00305 0.02784 0.16079 0.048958 0.023911 0.077616 0.016447 0.068706 0.011676 0.013985 0.049407 0.01762 0.030262 0.023846 0.013764 0.049774 0.001944 0.012464 0.019285 0.028041 0.033858 コルチゾン 0.045295 0.16221 0.071097 0.10809 0.089922 0.042422 0.080592 0.033884 0.010372 0.044609 0.050327 0.030416 0.056332 0.002794 0.017549 0.015987 0.10526 0.039121 0.006846 0.060952 テストステロン 0.055542 0.029729 0.004552 0.033017 0.008357 0.004367 0.022226 0.032054 0.06191 0.003817 0.004909 0.004257 0.004636 0.14298 0.01705 0.03571 0.004926 0.01834 0.017055 0.066533 アンドロステンジオン 0.043196 0.001165 0.036841 0.010598 0.055052 0.001212 0.028847 0.05554 0.018679 0.012857 0.004166 0.003593 0.12632 0.11881 0.026992 0.039847 0.01832 0.015208 0.011934 0.174132 デヒドロエピアンドロステロン (DHEA) プロゲステロン 0.003456 0.014854 0.004646 0.025351 0.024868 0.012819 0.054618 0.034387 0.038987 0.009373 0.14893 0.10833 0.039018 0.042129 0.027073 0.072424 0.039397 0.0685 0.1039 0.100052 0.022457 0.048233 0.065054 0.042363 0.057983 0.042079 0.049407 0.001415 0.025812 0.072928 0.047632 0.033133 0.041035 0.011767 0.16554 0.025228 0.007106 0.031163 0.035933 0.034695 コルチゾン 0.011012 0.13459 0.074437 0.011517 0.032379 0.069371 0.052801 0.10162 0.002147 0.050843 0.0434 0.040211 0.037645 0.042976 0.14452 0.009339 0.018294 0.022475 0.012693 0.00241 テストステロン 0.00898 0.043896 0.037804 0.002411 0.029178 0.049067 0.002505 0.072288 0.034824 0.001129 0.007694 0.004196 0.019731 0.044712 0.061708 0.10231 0.097274 0.017714 0.017055 0.025686 デヒドロエピアンドロステロン 0.00111 0.02005 0.060893 0.00347 0.003948 0.035666 0.029398 0.025438 0.016717 0.036836 0.000885 0.003033 0.09911 0.00268 0.11738 0.044268 0.004226 0.038048 0.017045 0.032889 アンドロステンジオン 0.050274 0.068465 0.01649 0.03838 0.070114 0.073374 0.076073 0.056657 0.062881 0.019492 0.034402 0.019746 0.089728 0.03184 0.11895 0.067346 0.016934 0.084104 0.035474 0.202429 プロゲステロン 0.037502 0.046508 0.016793 0.000776 0.02351 0.019188 0.097532 0.01233 0.034423 0.024922 0.025578 0.019154 0.052183 0.030826 0.045794 0.094899 0.023808 0.028777 0.028344 0.029751 エストラジオール 0.013092 0.028725 0.033508 0.012572 0.058266 0.024748 0.037964 0.065204 0.02622 0.017279 0.010957 0.00406 0.03772 0.033519 0.031562 0.018813 0.000773 0.044265 0.012697 0.035817

母乳中ダイオキシンレベルと血清中 DHEA の相関 10.0 y = 0.246x 2 1.875x + 6.427 R² = 0.158 n=46 10.0 y = 0.560x 2 1.426x + 4.095 R² = 0.126 n=46 8.0 8.0 DHEA(pg/mL) 6.0 4.0 DHEA(pg/mL) 6.0 4.0 2.0 2.0 0.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 1,2,3,7,8 PeCDD(pg/lipid) 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 1,2,3,4,7,8 HxCDD(pg/lipid)

母乳中ダイオキシンレベルと血清中 DHEA の相関 10.0 8.0 y = 0.014x 2 0.362x + 5.176 R² = 0.119 n=47 7.0 6.0 y = 2.405x 2 4.264x + 4.525 R² = 0.134 n=46 DHEA(pg/mL) 6.0 4.0 2.0 DHEA(pg/mL) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 1,2,3,4,6,7,8 HpCDD(pg/lipid) 0.0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 2,3,7,8 TeCDF(pg/lipid)

母乳中ダイオキシンレベルと血清中 DHEA の相関 10.0 8.0 y = 0.186x 2 1.548x + 6.356 R² = 0.115 n=43 10.0 8.0 y = 1.623x 2 3.516x + 4.699 R² = 0.147 n=47 DHEA(pg/mL) 6.0 4.0 2.0 DHEA(pg/mL) 6.0 4.0 2.0 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 1,2,3,4,6,7,8 HpCDF(pg/lipid) 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 1,2,3,4,7,8,9 HpCDF(pg/lipid)

母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルとの関連 母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値との関連 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連

男女母乳中ダイオキシンレベルと性別ごとの児の計測値との相関表 (r 2 値 ) r 2 値 >0.1 r 2 値 >0.2 r 2 値 >0.3 r 2 値 >0.4 PCDD PCDF Total 2,3,7,8- TCDD (n=29) 1,2,3,7,8- PeCDD (n=31) 1,2,3,4,7,8- HxCDD (n=31) 1,2,3,6,7,8- HxCDD (n=30) 1,2,3,7,8,9- HxCDD (n=31) 1,2,3,4,6,7,8- HpCDD (n=31) OCDD (n=30) 2,3,7,8- TCDF (n=30) 1,2,3,7,8- PeCDF (n=31) 2,3,4,7,8- PeCDF (n=29) 1,2,3,4,7,8- HxCDF (n=30) 1,2,3,6,7,8- HxCDF (n=29) 1,2,3,7,8,9- HxCDF (n=29) 2,3,4,6,7,8- HxCDF (n=29) 1,2,3,4,6,7,8- HpCDF (n=26) 1,2,3,4,7,8,9- HpCDF (n=30) OCDF (n=30) Total PCDD (n=31) Total PCDF (n=28) Total PCDD+PCDF (n=31) 身長 0.13378 0.050646 0.009837 0.004563 0.009296 0.040441 0.013647 0.010114 0.063072 0.063247 0.050297 0.066337 0.004482 0.015039 0.00689 0.008686 0.041924 5.34E-05 0.019669 0.002154 体重 0.11469 0.003641 0.003856 8.38E-05 0.011718 0.00093 0.000211 0.001627 0.047719 0.078473 0.08355 0.12158 0.005642 0.0016 0.014752 0.008662 0.018184 2.71E-07 0.044911 0.002295 児男児 胸囲 頭囲 0.14852 0.002664 0.000263 7.41E-06 1.33E-05 0.016571 0.072485 1.59E-05 0.028442 0.006194 0.012368 0.03687 0.005585 0.000244 3.13E-05 0.006391 0.16123 0.072391 0.013839 0.022179 胸囲 0.12398 0.027259 0.02324 0.020027 0.046462 0.017801 0.016657 0.001501 0.047891 0.14421 0.14543 0.18859 0.00011 6.42E-05 0.06358 0.009569 0.026405 0.019658 0.10825 0.026243 2,3,7,8- TCDD (n=17) 1,2,3,7,8- PeCDD (n=15) 1,2,3,4,7,8- HxCDD (n=15) 1,2,3,6,7,8- HxCDD (n=15) 1,2,3,7,8,9- HxCDD (n=15) 1,2,3,4,6,7,8- HpCDD (n=16) OCDD (n=14) 2,3,7,8- TCDF (n=16) 1,2,3,7,8- PeCDF (n=16) 2,3,4,7,8- PeCDF (n=16) 1,2,3,4,7,8- HxCDF (n=16) 1,2,3,6,7,8- HxCDF (n=16) 1,2,3,7,8,9- HxCDF (n=16) 2,3,4,6,7,8- HxCDF (n=17) 1,2,3,4,6,7,8- HpCDF (n=17) 1,2,3,4,7,8,9- HpCDF (n=17) OCDF (n=16) Total PCDD (n=16) Total PCDF (n=15) Total PCDD+PCDF (n=16) 身長 0.006294 0.34325 0.012577 0.020373 0.163723 0.00417 0.005893 0.096288 0.088333 0.2209 0.013982 0.013318 0.004998 0.007035 0.000942 0.000828 0.003473 0.006003 0.003745 0.00606 女児頭囲体重 0.053039 0.27764 0.004433 0.078818 0.092099 0.011614 0.062755 0.331582 0.063631 0.38749 0.022084 0.000707 0.001524 0.023033 1.47E-06 0.000832 0.014745 0.024254 0.005794 0.022846 児女児 胸囲 頭囲 0.012614 0.41081 0.005507 0.100288 0.196553 0.009994 0.028734 0.163461 0.004891 0.3966 0.004375 0.006044 0.006738 0.00901 0.008418 0.00301 0.041456 0.045653 0.009679 0.042717 胸囲 0.000741 0.14184 0.082235 0.045562 0.104567 0.000952 0.01666 0.380777 0.002987 0.19716 0.063662 0.026448 0.011933 0.006636 0.002345 0.016553 0.017182 0.008319 0.009211 0.00526

母乳中ダイオキシンレベルと女児頭囲との相関 42.0 40.0 y = 0.644x + 40.75 R² = 0.410 42.0 40.0 y = 0.1456x + 39.668 R² = 0.100 頭囲 (cm) 38.0 頭囲 (cm) 38.0 36.0 36.0 34.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 1,2,3,7,8 PeCDD(pg/lipid) 34.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 1,2,3,6,7,8, HxCDD 42.0 40.0 y = 0.8566x + 40.389 R² = 0.197 42.0 40.0 y = 2.6042x + 39.96 R² = 0.164 頭囲 (cm) 38.0 頭囲 (cm) 38.0 36.0 36.0 34.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 1,2,3,7,8,9 HxCDD(pg/lipid) 34.0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 2,3,7,8TCDF(pg/lipid)

母乳中ダイオキシンレベルと女児頭囲との相関 42.0 40.0 y = 0.649x + 41.32 R² = 0.396 n=16 頭囲 (cm) 38.0 36.0 34.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 2,3,4,7,8 PeCDF(pg/mL)

母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルとの関連 母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値との関連 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連

母親のステロイドホルモンレベルと性別ごとの児の計測値との相関表 (r 2 値 ) r 2 値 >0.1 r 2 値 >0.2 r 2 値 >0.3 r 2 値 >0.4 血清中 唾液中 コルチゾールコルチゾンテストステロンデヒドロエピアアンドロステンプロゲステロンエストラジオーンドロステロンジオンル コルチゾールコルチゾンテストステロンデヒドロエピアアンドロステンンドロステロンジオン プロゲステロンエストラジオール男身長 0.082104 0.071169 0.01393 0.22475 0.048267 0.307999 0.015869 0.015551 0.048182 0.044755 0.003673 0.003163 0.085531 0.044045 体重 0.049314 0.021954 0.01393 0.12151 0.084101 0.227949 0.02977 0.031242 0.010126 0.02407 0.000447 0.032965 0.093204 0.031706 児頭囲 0.028824 0.016747 0.067181 0.062221 0.112133 0.084088 0.00752 0.036847 0.020961 0.028978 0.085174 0.028362 0.072168 0.030513 唾液中アンドロステンジオン 胸囲 0.030462 0.007485 0.00779 0.10479 0.097529 0.255606 0.015869 0.030925 0.014969 0.052561 0.029738 0.029398 0.071083 0.030845 コルチゾールコルチゾンテストステロンデヒドロエピアアンドロステンプロゲステロンエストラジオーンドロステロンジオンル コルチゾールコルチゾンテストステロンデヒドロエピアアンドロステンンドロステロンジオン プロゲステロンエストラジオー r 体重 0.098546 0.105564 0.18891 0.043281 0.088042 0.125686 0.095704 0.058639 0.504881 0.300265 0.093857 0.50671 0.00867 0.118939 ル女2 =0.506 児身長 0.079451 0.04704 0.25419 0.031977 0.212862 0.321111 0.209665 0.160291 0.442589 0.410589 0.047789 0.48082 0.02887 0.368722 頭囲 0.034686 0.039577 0.30601 0.020024 0.030046 0.152428 0.121834 0.042398 0.371227 0.366225 0.105064 0.400967 0.085515 0.275376 胸囲 0.021825 0.155643 0.13964 0.093498 0.075758 0.096245 0.054745 0.14207 0.529906 0.17607 0.219393 0.37108 0.115065 0.124382

結果のまとめ 母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモン値との関連について 血清中 DHEAとダイオキシン異性体で多く関連がみられ U 字型相関が得られた 1,2,3,4,6,7,8 HpCDFと ステロイドホルモンと多くの関連がみられた 母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値との関連について 男児よりも女児の方が有意な負の相関が多く見られた 男児 : 胸囲と有意な負の関連が最も多くみられた 女児 : 頭囲と有意な負の関連が多く また頭囲に次いで胸囲も相関が多く見られた 母親のステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値との関連について 女児に多く関連がみられ U 字型相関が多かった

考察

母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンレベルについて 血清中 DHEAとダイオキシンレベルでは U 字型の相関だった 同様に ダイオキシンレベルとアンドロステンジオンやエストラジオールとの相関もU 字型相関であった ダイオキシンレベルとDHEAレベルとの相関はU 字型相関 反対にエストロゲンとの関連は山型の相関であった ダイオキシンレベルがDHEAに影響し その後の合成されるホルモンに影響している (Manh et al.,2012) ダイオキシン異性体が直接体内の DHEA レベルに影響し 他のステロイドホルモンについても直接ダイオキシンが影響していることが考えられる

母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値について ダイオキシンレベルと計測値との関連は男児よりも女児の方が強い結果であった 母乳中 胎盤中 臍帯血中のダイオキシン濃度と 出生児の体重低下 頭囲と負の関連がある (Koopman et al.,1996, Vreugdenhil et al.,2004, Tawara et al.,2009) イタリアセベソで起こったダイオキシン類高曝露での研究では 出生児の性別は女児に偏っていた ダイオキシン高曝露下においては男児が女児よりも高頻度に流産 死産し 出生児が女児に偏る結果となった可能性が示唆されている (Mocarelli et al.,1996) 出生にあたって女児の方が男児よりも影響をうけづらく 出生後の女児の方が負の相関を強く示した結果となったのではないかと考えられる

ステロイドホルモンレベルと乳児身体計測値について 妊娠中のダイオキシン曝露が 児童期の子どもの DHEA S レベルに影響し 児の二次性徴にも影響すると示唆されている (Rennert et al.,2012) これまでの論文において母親のホルモン値と乳児の計測値の関連についての報告はされていない ダイオキシン曝露によって母体ホルモン値を変化させ 結果としてその子どもの成長に影響を及ぼしていることも考えられるが 今後 成長に影響を及ぼす児のホルモンレベル等の測定等 さらなる詳細な調査が必要と考えられる

本研究の意義 本研究の意義と研究の限界 ダイオキシン等の環境中に存在する有害な化学物質が人体に及ぼす影響を明らかにすることで 各個人の自主的取り組み 化学物質規制の審査基準への反映 適切なリスク管理体制への構築 母子の健全な成長 発達に貢献することが出来ると考えられる 研究の限界 本研究の調査対象はベトナムダイオキシン高濃度汚染地区に住む母親 55 名と少なく 非汚染地区との比較をしていないため 本結果の一般化には限界がある

今後の展望 今後対象者数を増やし 対照地区での調査を行うとともに 詳細な測定を行っていく また 疫学研究だけでなく 基礎 臨床医学研究をはじめ幅広い知見を求め 各専門分野の研究者との共同研究をさらに発展させていく必要がある

結論 1. 母乳中ダイオキシンレベルとステロイドホルモンとの関連では 血清中 DHEA とダイオキシン異性体で最も多くの関連がみられ U 字型相関が得られた 2. 母乳中ダイオキシンレベルと乳児身体計測値との関連では 男児では胸囲 女児では 頭囲 胸囲で多く関連がみられた 性別でみると 男児よりも女児の方が多くの関連がみられた 3. ステロイドホルモン値と乳児身体計測値との関連では 関連がみられたのは女児で顕著に多かった しかし 母親のステロイドホルモン値と乳児身体計測値の関係はさらなる詳細な調査が必要である