佐賀県教育センター 平成 24 年 2 月 1 日 新学習指導要領で評価が変わる! 新学習指導要領における学習評価の進め方 ( 中学校特別活動 ) 平成 24 年度から, 中学校では新学習指導要領が全面実施となります 新学習指導要領の趣旨を反映した学習評価の考え方については, 平成 23 年 7 月

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

工業教育資料347号

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

(3) 本題材の系統と他教科等との関連は 次のとおりである 学級活動 5 月シンボルマークを決めよう 6 月みんなで雨の日を楽しく過ごそう 6 月本題材 9 月 2 学期がんばろう会をしよう 他教科等との関連 道徳 わけっこしよう ( 友情 ) 道徳 どうしたらいいのかな ( 親切 ) (4) 指導

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

ICTを軸にした小中連携

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

解答類型


評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

学級会においては 学級での問題点や課題に一人一人が気付き 話し合いながらよりよい学級生活を目指していく 本議題において 相手の障害のことも配慮し どの児童にとっても満足いく集会にするために話合いや実践を通して研究主題の児童の育成をはかっていきたい 4 評価の観点と評価規準集団活動や生活への関心 意欲

愛媛県学力向上5か年計画

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

第4章 道徳

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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4. 評価規準集団活動や生活への関心 意欲 態度学級や学校の生活の充実と向上にかかわる問題に関心をもち 他の児童と協力して自主的に集団活動に取り組もうとしている 集団の一員としての思考 判断 実践楽しく豊かな学級や学校の生活をつくるために話し合い 自己の役割や責任 集団としてのよりよい方法などについ

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

Microsoft Word - 社会科

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

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2 政治的教養を育むためのポイント 学級活動として行う集会活動は 休み時間の遊びとは異なります 単に楽しいことをやればよいのではなく めざす学級像の具体化など 目的意識をもてるようにします 何を目標として行うのか 準備から実行 振り返りまでの活動全体を見通して 提案理由 や めあて を考えることがで

(2) 研究主題との関連本校の研究主題 心身ともに健康で, 安全な生活を送ることができる力を身に付けた生徒の育成 を受けて, 社会の一員として安全で責任ある行動がとれる力を身に付けさせたいと考える そこで, 話合い活動を取り入れながら, 個人情報の取り扱い方を学ぶ学級活動を行い, 主題に迫りたい 本

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

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小中学校表紙(新)

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

第14章 キャリア教育

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

単元の目標 カレーライスを作ることに興味 関心をもち, 進んで活動する カレーライスの作り方を調べ, 作り方, 材料, 用具を発表することができる カレーライス作りの活動を通して, 食材を知ったり, 道具を使う仕事にふれたりして, 生活経験を豊かにする 人との関わりを通してコミュニケーション能力を身


北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

17 石川県 事業計画書

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(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

第 3 学年 学級活動学習指導案 平成 18 年 6 月 30 日 ( 金曜日 ) 第 5 時限指導者二階堂聡 1 題 材 夏休みに向けて1 学期の学習を振り返ろう 2 題材について 生徒にとって, 夏休みの過ごし方はそれぞれである 部活動に熱中する生徒, 夏期 講習に参加し, 学力向上に努める生徒

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への 集団の一員としての 集団活動や生活についての 関心 意欲 態度 思考 判断 実践 知識 理解 学級の生活上の問題に関心を 楽しい学級生活をつくるため みんなで楽しい学級生活をつ もち, 他の児童と協力して意欲 に話し合い, 自己の役割や

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H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

人権教育の推進のためのイメージ図

いろいろな衣装を知ろう

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

学習指導要領の趣旨を実現する授業づくりのポイント

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

上体おこし長座体前屈反復横跳持久走三年女子 上体おこし長座体前屈反復横跳持久走三年男子 力ンド力ンド幅跳び幅跳び保健体育科学習指導案 指導者三和中学校小浦麻美日時平成 23 年 9 月 30 日 ( 金 ) 第 5 校時 ( 三良坂中学校体育館 ) 学年三和中学校第 3 学年 23 名 ( 男子 9

第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

H30全国HP

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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4.原稿(資料)

○数学科 2年 連立方程式

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

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高等学校第 2 学年保健体育科学習指導案 日時 : 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時対象 : 東京都立 高等学校第 2 学年 組男子 名 1 単元名 体つくり運動 2 単元の目標 (1) 次の運動をとおして 体を動かす楽しさや心地よさを味わい 健康の保持増進や体力の向上を図り 目的に適した運

北野中学校 30 周年第 1 学年共通道徳学習指導案 人はなぜ働くのか. 日 時 平成 18 年 11 月 24 日 生 徒 札幌市立北野中学校第 1 学年 指導者 教諭 筒井 久保村 石塚 川村 1. 主題名 人はなぜ働くのか 4-(5) 勤労と奉仕の精神 2. 主題設定の理由 人のためにならない

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

案3                            ⑤なかまの誘い方(小学校低学年)

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

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佐賀県教育センター 平成 24 年 2 月 1 日 新学習指導要領で評価が変わる! 新学習指導要領における学習評価の進め方 ( 中学校特別活動 ) 平成 24 年度から, 中学校では新学習指導要領が全面実施となります 新学習指導要領の趣旨を反映した学習評価の考え方については, 平成 23 年 7 月に 評価規準の作成, 評価方法等の工夫改善のための参考資料 が, 国立教育政策研究所教育課程研究センターから示されているところです この 学習評価の進め方 は, 新学習指導要領に基づく学習評価を円滑に進めていくための手引きとして, 佐賀県教育センターが作成したものです 各学校における新学習指導要領に基づいた指導と評価を推進していくためにお役立てください ( 主な内容 ) 1 新学習指導要領の趣旨を反映した学習評価の考え方とその具体 2 中学校特別活動における目標, 評価の観点とその趣旨について 3 中学校特別活動における学習評価の進め方 4 中学校特別活動における学習評価事例 5 中学校特別活動における学習評価の進め方 Q&A

新学習指導要領の趣旨を反映した学習評価の基本的な考え方 新学習指導要領の下での学習評価については, 児童生徒の 生きる力 の育成をめざし, 児童生徒の一人一人の資質や能力をより確かに育むようにするため, 目標に照らしてその実現状況をみる評価 ( 目標に準拠した評価 ) を着実に実施し, 児童生徒一人一人の進歩の状況や教科の目標の実現状況を的確に把握し, 学習指導の改善に生かすことが重要です 併せて, 学習指導要領に示す内容が確実に身に付いたかどうかの評価を行うことが求められています 各学校における学習評価の進め方と留意点 各学校においては, 評価規準を適切に設定するとともに, 評価方法の工夫改善を進めること, 評価結果について教師同士で検討すること, 実践事例を着実に継承していくこと, 授業研究等を通じ教師一人一人の力量の向上を図ること等に, 校長のリーダーシップの下で, 学校として組織的 計画的に取り組むことが必要です また, 年間指導計画を検討する際には, それぞれの単元 ( 題材 ) において, 観点別学習状況の評価に係る最適の時期や方法を観点ごとに整理することが重要です このことが, 評価すべき点を見落としていないかの確認や, 必要以上に評価機会を設けることによる無駄を省き, 効果的 効率的な学習評価を行うことにつながります 新学習指導要領における学習評価の観点について (1) 新学習指導要領における特別活動の評価の観点特別活動における評価の観点は, 学習指導要領の目標及び特別活動の特質等に沿って, 各学校で定めることとされています その参考として, 初等中等教育局長通知 (H22.5.11) に3つの観点が例示されました その3つの観点は, 学校教育法における学力の3 要素を反映させたものとなっています 学力の3 要素特別活動の評価の観点 ( 例示 ) 基礎的 基本的な知識 技能の習得 集団活動や生活についての知識 理解 知識 技能を活用して課題を解決する 集団や社会の一員としての思考 判断 実践ために必要な思考力 判断力 表現力等 学習意欲 集団活動や生活への関心 意欲 態度 (2) 例示された評価の観点の考え方参考のために例示された3つの評価の観点は, 特別活動の特質を踏まえ, 次のような考え方に立って設定してあります 集団活動や生活への関心 意欲 態度 学級や学校の集団や自己の生活に関心をもち, 望ましい人間関係を築きながら, 積極的に集団活動や自己の生き方の充実と向上に取り組もうとしているかを見取ります 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団や社会の一員としての役割を自覚し, 望ましい人間関係を築きながら, 集団活動や自己の生活の充実と向上について考え, 判断し, 自己を生かして実践している状況を評価するものです これまでの経験や知識等を活用して, 集団や社会の一員として適切に考え, 判断し, 実践しているかを見取ります 集団活動や生活についての知識 理解 集団活動の意義, よりよい生活を築くために集団として意見をまとめる話合い活動の仕方, 自己の健全な生活の在り方などについて必要なことを理解しているかを見取ります 特活 -1

中学校特別活動における目標, 評価の観点及びその趣旨 1 目標望ましい集団活動を通して, 心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り, 集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的, 実践的な態度を育てるとともに, 人間としての生き方についての自覚を深め, 自己を生かす能力を養う 特別活動が, よりよい生活や人間関係を築こうとする自主的, 実践的な態度を育てる教育活動であることをより一層明確にするため, 目標に 人間関係 が加えられました 2 評価の観点及びその趣旨 集団活動や生活への関心 意欲 態度学級や学校の集団や自己の生活に関心をもち, 望ましい人間関係を築きながら, 積極的に集団活動や自己の生活の充実と向上に取り組もうとする 集団や社会の一員としての思考 判断 実践集団や社会の一員としての役割を自覚し, 望ましい人間関係を築きながら, 集団活動や自己の生活の充実と向上について考え, 判断し, 自己を生かして実践している 集団活動や生活についての知識 理解集団活動の意義, よりよい生活を築くために集団として意見をまとめる話合い活動の仕方, 自己の健全な生活の在り方などについて理解している 小 中学校の指導の一貫性に配慮して, 観点及びその趣旨が例示されています 評価の観点がこれまでと変わったところは? 小 中学校の指導の一貫性に配慮して, 観点及びその趣旨が例示されました これまでの4 観点から,3 観点の例が示されました 例示を基に, 各学校で具体的に観点を設定しなければなりません 各学校で評価の観点を定める際にはどんなところに気を付けるの? 特別活動全体に係る観点と趣旨を明確に示します 例示された 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団活動や生活についての知識 理解 を参考に,3つ程度の観点を作成します 各学校で, 例示された評価の観点を参考にして, より具体的な観点を設定することも考えられます 各学校の生徒の実態や身に付けさせたい力を吟味して設定します 例示された評価の観点を参考にして, 学校としての観点を設定した例 観点 集団や自他の生活の充実への関心 意欲 態度 自己を生かして共同して生活をつくる力 話合い活動や生活についての知識 理解 技能 趣 旨 学校として変更した点学級や学校の集団, 自分や他者の生活に関心をもち, 積極的に集団や自他の生活の充実と向上に取り組もうとする < 観点の一部を具体化 > 生活 を 自他の生活の充実 と具体的に示した < 観点の要素要素を削除 > 関心 意欲に絞って評価を行うこ ととした 集団や社会の他者と関わり, 望ましい人間関係を築きながら, 自己のよさを生かし, 集団や社会と共同してよりよい生活を築こうとする < 観点の変更 > 特別活動の目標から 自己を生 かすこと に焦点化した よりよい生活を築くために集団として意見をまとめる話合い活動の役割 進め方, 自己の健全な生活の在り方などについて理解し, 身に付けている < 観点の一部を具体化 > 話合い活動の役割 進め方 と 具体的に示した < 観点の要素を追加 > 知識 理解だけでなく, 技能を身 に付けることも求めた 特活 -2

3 内容のまとまりごとの評価に盛り込むべき事項各学校において定めた評価の観点に沿って学級活動 (1),(2),(3), 生徒会活動の各活動と学校行事の評価規準を作成します ここでは, 国立教育政策研究所において示されている 評価規準に盛り込むべき事項 の中から 学級活動 と 生徒会活動 について示します 学級活動(1) 学級や学校の生活づくり の評価規準に盛り込むべき事項 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団活動や生活についての知識 理解 学級や学校の生活の充実と向上に関わる問題に関心をもち, 他の生徒と協力して, 自主的, 自律的に集団活動に取り組もうとしている 学級や学校の一員としての自己の役割と責任を自覚し, 他の生徒の意見を尊重しながら, 集団におけるよりよい生活づくりなどについて考え, 判断し, 信頼し支え合って実践している 充実した集団生活を築くことの意義や, 学級や学校の生活づくりへの参画の仕方, 学級集団となして意見をまとめる話合い活動の仕方などについて理解している 学級活動(2) 適応と成長及び健康安全 の評価規準に盛り込むべき事項 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団活動や生活についての知識 理解 自己の生活の充実と向上に関わる問題に関心をもち, 自主的, 自律的に日常の生活を送ろうとしている 日常の生活における自己の課題を見出し, 自己を生かしながら, よりよい解決方法などについて考え, 判断し, 実践している 集団や社会への適応及び健康で安全な生活を送ることの大切さや実践の仕方, 自他の成長などについて理解している 学級活動 (3) 学業と進路 の評価規準に盛り込むべき事項 集団活動や生活への関心 意欲 態度人間としての生き方や学ぶこと, 働くことなどに関心をもち, 自己のよさを伸ばしながら, 自主的, 自律的に日常の生活や学習に取り組もうとしている 集団や社会の一員としての思考 判断 実践自己の将来に希望を抱き, その実現に向け, 現在の生活や学習を振り返り, これからの自己の生き方などについて考え, 判断し, 実践している 集団活動や生活についての知識 理解学ぶことと働くことの意義や, 自己の能力や適性, 進路選択に必要な情報収集や将来設計の仕方などについて理解している 生徒会活動の評価規準に盛り込むべき事項 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 学校生活の充実と向上に関わる 生徒会の一員としての自覚と役割 諸問題に関心をもち, 他の生徒 意識をもち, 全校的な視野に立って と協力して, 自主的, 自律的に 諸問題を解決する方法などについ 生徒会の活動に取り組もうとし て考え, 判断し, 協同して実践して ている いる 集団活動や生活についての知識 理解生徒会活動の意義や組織, 諸活動への参画の仕方などについて理解している 特活 -3

中学校特別活動における学習評価の進め方どんなところに気を付けて評価をするの? (1) 評価は, 学級活動, 生徒会活動, 学校行事のそれぞれの内容において行います (2) 特別活動においては, 生徒に自信をもたせたり意欲を高めたりするために, 生徒一人一人のよさや可能性などを積極的に評価することが極めて重要です したがって 十分満足できる状況 は教科における評価と違って幅が広く, 十分満足できる 十分満足できていない の 2 段階で評価をします (3) 活動の結果だけでなく, 活動の過程における生徒の努力や意欲などを積極的に認めます 生徒のよい点や進歩の状況を明確にするとともに, 指導の改善に生かすことが大切です (4) 学級活動では,1 単位時間に, 設定した観点のすべてについて評価をする必要はありません 事前や事後の活動や指導を含めて評価するようにします (5) 特別活動は, 学級活動のように主として学級担任が指導する内容もありますが, 生徒会活動や学校行事のように学級担任ではない教師が指導に当たる場合があります 直接生徒に関わった教師が評価をすることで多面的な評価が可能となります そこで, 次のア~エのことに配慮し, 多くの教師による評価の結果を反映させるなど, 学校としての指導体制を確立することが大切です ア個々の生徒の活動状況について, 担当する教師との間で情報交換を密にすること イ評価に必要な資料を収集する方法を工夫するとともに, それらが学級担任の手元に収集され, 活用されるようにすること ウ必要に応じて評価した結果を全教師が共有し, 指導に生かせるようにすること エ年間を通してより多くの教師の目で 個人の変容 や 集団の変容 について評価すること (6) 指導要録や家庭への通知表には, 評価の観点に照らして, 十分に満足できる活動の状況にある場合に を付けます 各観点の評価方法は? 集団活動や生活への関心 意欲 態度 は, どうやって評価するの? 学級や学校の集団や自己の生活に関心をもち, 望ましい人間関係を築きながら, 積極的に集団活動や自己の生き方の充実と向上に取り組もうとする状況を評価するものです 集団そのものに十分関心があるか, 自己の生活に十分関心があるかの両面について評価をする必要があります 活動のねらいを踏まえて, 活動内容に対しての関心 意欲 態度を評価します 具体的な生徒の姿を決めて教師の観察によって見取る方法や, 質問紙を利用して学級全体の傾向を評価する方法等があります 発言の内容, 学級会ノートの記述, ふり返りカードの記述, チェックカード等で見取ることができます 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 は, どうやって評価するの? 集団や社会の一員として役割や責任を果たすことや, 自己を生かすことを考え, 判断し, 実践する生徒の姿を評価するものです 特別活動では, この 考える 判断する 言動に表す が一体的に行われる場合が多く見られます 行動の観察, 発言の内容, 学級会ノートの記述, ふり返りカードの記述, チェックカード等で見取ることができます 特活 -4

集団活動や生活についての知識 理解 は, どうやって評価するの? 各活動 学校行事において, 集団活動の意義や話合い活動の仕方, 自己の健全な生活の在り方等を理解しているかということを評価するものです 学級活動では, 話合いの仕方や健全な生活に関する知識について, 学期末に質問紙などによって評価するなど, 比較的, 長期的なスパンで見取ることも考えられます 行動の観察, チェックカード等で見取ることができます 中学校特別活動における学習評価事例 1 学級活動 (1) 学級や学校の生活づくり の事例 1 学期が終わる頃には, 緊張感をもって学校生活を送っていた1 年生の学級でも約束事が守られなくなることがあります この事例では, 帰りの会に実施した生活アンケートの結果から, 学級のよいところとして, みんなが明るく元気, 宿題忘れが減ってきたなどが挙げられた一方で, 時間内に給食を食べ終えることができずに, 給食係が困っていることが課題として, 多くの意見がよせられました そこで, チャイムと同時に給食を食べ終えるようにするにはどうすればよいか, 学級会活動委員会を中心に話合い活動を行った実践について紹介します 1 題材学級の集団生活を見直そう 2 題材について ( 略 ) 3 学級活動 (1) の評価規準集団活動や生活への集団や社会の一員としての 集団活動や生活についての 関心 意欲 態度学級や学校の生活の充実と向上に関わる問題に関心をもち, 他の生徒と協力して, 自主的, 自律的に集団活動に取り組もうとしている 思考 判断 実践学級や学校の一員としての自己の役割と責任を自覚し, 他の生徒の意見を尊重しながら, 集団におけるよりよい生活づくりなどについて考え, 判断し, 信頼し支え合って実践している 知識 理解充実した集団生活を築くことの意義や, 学級や学校の生活づくりへの参画の仕方, 学級集団として意見をまとめる話合い活動の仕方などについて理解している 4 指導の過程 (1) 事前の指導と生徒の活動 日時 活動の内容 指導上の留意点 7 月 日 ( ) 学級生活の実態を把握 正確な調査を実施できる 目指す生徒の姿と評価方法 関心 意欲 態度 するためのアンケート 調査を行う よう, 必要に応じて補足 説明を行う 学級生活の実態に対して改善の必要 性を感じている アンケート 7 月 日 ( ) 学級活動委員会 アンケートの集計結果を基に課題を分析し, 議題を決定する 生徒と共に本時の流れなどを検討し, 活動の見通しをもたせる 特活 -5 関心 意欲 態度 話合い活動が深まるよう自分から準 備を進めようとしている 観察

給食チャイムと同時に給食を食べ終え, 合掌ができるようにしよう! 提案理由を検討するとともに, 話合いの柱を設定し, 本時の活動計画を作成する 7 月 日 ( ) 議題に対する自分の意見を, 学級会ノートに記入する 自分や学級の実態, 解決策について考えさせ, 学級会ノートに記入させる 関心 意欲 態度 議題に関心をもち, 自分の意見をまとめようとしている 学級会ノート 資料 1の 1を参照 (2) 本時の指導と生徒の活動 1 本時の活動テーマ 給食チャイムと同時に給食を食べ終え, 合掌ができるようにしよう! 2 生徒の活動計画 ( 略 ) 3 本時のねらい自分たちの学級の給食時間の課題解決に向け, 互いの考えを生かし合いながら話合い活動を深めることを通して, 学級の集団生活の向上に向けて活動意欲を高める 活動の開始 5 分活動の展開 40 分 4 教師の指導計画本時の展開 1 開会の言葉 活動の内容 2 学級活動委員の紹介 3 議題の確認 給食チャイムと同時に給食 を食べ終え, 合掌ができるよ うにしよう! 4 提案理由の説明 5 話合い (1) 自分たちの学級の給食時間 の課題は何だろう (2) チャイムと同時に合掌がで きるようにするために, どう すればよいのだろう 6 話合いのまとめと決定事項の 確認 指導上の留意点 学級活動委員会での検討の経緯 を説明するよう助言する 提案理由に関する補足をしなが ら, 学級全体で解決すべき課題 であることを確認する 事前に給食の時間における学級 の課題をまとめさせておく 学級の実態を踏まえて, 具体的 な意見を考えるよう助言する 目指す生徒の姿と 評価方法 学級活動 (1) では, 生徒によって設定された議題を記入します 評価規準を基に, 学級の実態に応じて 十分満足できる活動の状況 を的確に見取るため, 具体的な生徒の姿をいくつか想定しておくようにします 思考 判断 実践 学級の実態を自分の言葉で表現 しながら, よりよい給食の時間 にするための具体策を考え, 理 由を示して意見を述べている 観察 学級会ノート 資料 1 の 2 を参照 特活 -6

活動のまとめ 5 分 7 話合いの振り返り 8 感想発表 9 先生の話 10 閉会のことば 本時の話合い活動を通して気付いたことや考えたことなどを, 学級会ノートに記入するよう助言する 話合いの流れを方向付けた発言や学級活動委員の活動などを称賛するとともに, 実践に向けての意欲を高める (3) 事後の指導と生徒の活動日時活動の内容指導上の留意点 7 月 日 ( ) ~ 日 ( ) 話合い活動における決 話合い活動での決定事項を実 定事項に基づいて活 践しているかどうかを見届 動する け, 必要に応じて助言する 7 月 日 ( ) 一連の活動を通して気付いたことや学んだことを振り返りカードにまとめるとともに, 今後の学校生活の在り方を考える 生徒のがんばりについて, 具体例を示して称賛する 成果と課題を具体的に記入するよう助言する 目指す生徒の姿と評価方法 思考 判断 実践 集団生活の向上に向け, 互いに信頼し支え合って決定事項を実践している 観察 知識 理解 集団生活の向上に向けて学級で取り組むことの意義について理解している 振り返りカード 学級活動 (1) の評価方法は? (1) 事前活動における評価方法の例事前活動として行ったアンケート調査の回答内容や, 学級会ノート < 資料 1> に記載された議題に対する生徒の考えや意見 ( 1) を, 教師の評価の参考にすることが考えられます また, 学級活動委員会の生徒については, 学級活動委員会での話合いの様子や活動状況等を観察し, よい点を見つけ積極的に評価するとともに, 本時の教師の話の中や朝の会, 帰りの会などで取り上げ, 称賛することにより生徒の活動意欲をさらに高めるよう配慮することが大切です (2) 本時や事後の活動における評価方法の例本時の活動の評価では, よりよい方法等について友人の意見も尊重しながら考え, 判断し, 理由を示して意見を発表しているかなどを観察で評価することが考えられます また, 学級会ノートに話合い活動を振り返らせたり ( 2), 実践に向けての決意などをまとめさせたり ( 3) して評価することが考えられます 事後の活動の評価では, 本時の話合いで決定したことについて, 互いに信頼し合いながら自分の役割に責任をもち, 実践しているかといった点から観察により評価することが考えられます また, 活動の意義についての理解の状況 ( 4) については, 振り返りカード < 資料 2> の記載内容から評価することが考えられます 特活 -7

< 資料 1 学級会ノート > 1 2 生徒の自己評価を, 教師の評価の参考にすることが考えられます また, 生徒の自己評価の力を高めるために, 話合い活動を継続し, 学期末等にそれまでに記入した学級会ノートを振り返る場を設けるとよいでしょう < 資料 2 振り返りカード > 3 4 柱 1の自分や学級の実態, 柱 2の解決策について考え, 理由と併せて示すことができており, 関心 意欲 態度 の評価の観点に関して 十分満足できる活動の状況 であると考えられます 学級で決まったことを踏まえ, 自己の役割を自覚し, これからすべきことについて適切な判断をしている様子がうかがえます 思考 判断 実践 の評価の参考にすることが考えられます これからも給食の時間を守れるように協力していきたい といった記述から, 集団活動の意義を体験を通して理解した様子がうかがえます 知識 理解 の観点に関する評価の参考にすることが考えられます 特活 -8

中学校特別活動における学習評価事例 2 学級活動 (2) 適応と成長及び健康安全 の事例この事例では, 生徒が自分に合った適切な実践課題について考え, 自己決定し, その決定に従って適切に判断し, 真剣に実践することができるようにすることを重視して授業を展開し, 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 に重点化して評価した実践を紹介します 1 題材みんなが気持ちよく生活できることの大切さを考えよう 2 題材について ( 略 ) 3 学級活動 (2) の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団活動や生活についての知識 理解 自己の生活の充実と向上に関わる問題に関心をもち, 自主的, 自律的に日常の生活を送ろうとしている 日常の生活における自己の課題を見出し, 自己を生かしながら, よりよい解決方法などについて考え, 判断し, 実践している 集団や社会への適応及び健康で安全な生活を送ることの大切さや実践の仕方, 自他の成長などについて理解している 4 本題材のねらい みんなが気持ちよく生活できることの大切さを考え, 友だちのよさに目を向けようという意欲をもち, 実践しようとする 5 指導の過程 (1) 事前の指導と生徒の活動 日時 活動の内容 指導上の留意点 9 月 日 ( ) コミュニケーションに関す 自分や友人, 教師とのやりとりの実 るアンケートを行う 態について振り返りながら, アンケ ートに回答させる 9 月 日 ( ) ~ 日 ( ) 学級の友人のよさを見つけ, よさ発見カードの使い方を説明し, 発見カードに記入する 友人のよさに目を向けさせる 帰りの会等でよい気付きを積極的に取り上げ, 活動への意欲を高める 目指す生徒の姿と 評価方法 思考 判断 実践 友人のよさを見つけ, よさ発見カードに進んで記入しようとする 観察 よさ発見カード (2) 本時の指導と生徒の活動 1 本時の活動のテーマ 互いによさに気付き, どうすれば, みんなが気持ちよく生活できるかを考えよう 2 本時のねらい友人のよさを見つける活動を振り返りながら, 自他の個性に気付くことの大切さを理解させるとともに, 学級の一員として自他の個性を尊重して行動しようとする態度を育てる 特活 -9

3 本時の展開 活動の開始5分活 動 の 展 開 35 分 活動のまとめ 10 分 活動の内容指導上の留意点資料等 1 コミュニケーションに関するアンケートについての結果を聞く 2 問題解決に向けて話し合う 3 友人のよさを見つけたとき, 見つけてもらったときの気持 ちを発表する 4 どうすれば, みんなが気持よ く生活できるかを考え, 発表す る 5 自分のめあてを決め, 発表す る アンケート結果について自分と比べながら聞くように促す グループで互いの意見を出し 合わせる 積極的に自分の気持ちや考え を発表させるとともに, 友人 の意見を共感しながら聞くよ う促す 楽しい学校生活を送るために 互いに認め合うことの大切さ を理解させる 本時の活動を通して気付いた ことや考えたことなどを 振 り返りカード に記入させる 学級活動ノート 学級活動 ノート よさ発見 カード 学級活動 ノート 振り返り カード 目指す生徒の姿と評価方法 思考 判断 実践 みんなが気持ちよく生活できることの大切さを考え, 友達の考えを参考にしながら具体的なめあてを決めて進んで実践しようとする 観察 よさ発見カード (3) 事後の指導と生徒の活動日時活動の内容指導上の留意点 9 月 日 ( ) ~ 日 ( ) 友人のよさを見つける活動 引き続き, 帰りの会等を通して, は継続し, 自分が決めためよい気付きを積極的に取り上あてを実践する げたり, 掲示するなどして, 生徒が見ることができるよう工夫したりして, 活動への意欲を高める 目指す生徒の姿と評価方法 思考 判断 実践 友達のよさを見つける活動を継続しながら, 自分が決めためあてを進んで実践している 観察 振り返りカード 学級活動 (2),(3) の評価方法は? 学級活動 (2) 適応と成長及び健康安全 及び (3) 学業と進路 では, 主に個人の問題について, 学級での活動を通して自分に合った解決方法等を考え, 実践していくという活動の流れとなります 学級活動 (2) 及び (3) の内容項目は, 学級活動 (1) と比べ多岐にわたっているほか, 活動の形態や方法も話合いやパネルディスカッション, ロールプレイングなど様々なものが考えられます 題材にあった指導と評価の計画を作成し, 生徒一人一人のよさや可能性を積極的に評価できるようにしておくことが大切です 特活 -10

(1) 評価の観点の重点化の例学級活動 (2) においては, 題材によって, 事前, 本時, 事後の活動過程を通して, 中心的に見取る評価の観点を重点化することが考えられます 例えば 心身ともに健康で安全な生活態度の形成 の指導で, 学校内外における安全な生活 を取り扱う場合は危険を予測することについての 関心 意欲 態度 に重点を置いたり, 飲酒, 喫煙, 薬物の害 などの予防的, 発展的な内容については 知識 理解 に重点を置いたりすることが考えられます (2) 学級活動 (2) における評価方法の例本時の評価では生徒の話合いや発表の様子から積極的に自分の気持ちや考えを発表しているか, 友人の意見を共感しながら聞いているかを観察したり, よさ発見カード < 資料 3> の記載内容を参考にしたりして評価することが考えられます 事後の評価に当たっては, 本時の学習を通して, 自分で決めためあての実践の状況について, 実践活動後の振り返りカード < 資料 4> などを活用して, 指導と評価の参考にすることができます < 資料 3 よさ発見カード > 学級全体の活動として, よさを見つけるたびに, どんな場面だったのかを記録させます 帰りの会等で積極的に評価し, 活動意欲を高めます 本時で学習した内容についてどう考え判断しているのかを見取ります この生徒の場合, 暖かい気持ちになった と記述していることから, みんなが気持ちよく生活できることの大切さを考えることができていると思われます 思考 判断 実践 の評価は 十分満足できる活動の状況 であると考えられます 思考 判断 実践 自分に合った具体的なめあてになっているかを見取ります < 資料 4> 振り返りカード 実践に対する生徒の自己評価や活動全体の振り返りの記述, 教師の観察などから自分に合った具体的なめあてを実践できていると思われます 思考 判断 実践 の評価は 十分満足できる活動の状況 であると考えられます 実践に対する生徒の自己評価がよくない場合には, めあてやめあてに向けての取り組み方について, 適切な指導を行います 特活 -11

中学校特別活動における学習評価の進め方 Q&A Q 生徒会活動の評価はどのように行えばよいですか A 生徒会活動においては, 一人一人のよさや可能性を積極的に評価できるように, 目指す生徒の姿 を明確にして, 全ての教師が共通理解をもって指導と評価に当たることが大切です 生徒会活動では, 教科のように1 時間ごとに評価規準を作成して指導に当たることは現実的ではないので, 例えば, 学期ごとのまとまりで作成したり, 地域清掃活動 などの重点的な活動について評価規準を作成したりするとよいでしょう 生徒会活動 地域清掃活動 の評価規準例 集団活動や生活への関心 意欲 態度 集団や社会の一員としての思考 判断 実践 集団活動や生活についての知識 理解 地域清掃活動等の社会参加 地域清掃活動等の参加について, 自主的に取り組もうとしている 地域社会の一員であるという自覚をもち, 地域清掃活動の意義について考え, 判断し, 実践している 地域清掃活動を通して地域の人々との交流し, 社会への参画の仕方について理解している Q 学校行事の評価はどのように行えばよいですか A 学校行事においては, 儀式的行事 文化的行事 健康安全 体育的行事 旅行 集団宿泊的行事 勤労生産 奉仕的行事 の 5つの種類ごとに評価規準を設定して評価します 学校行事では, 生徒の活動が学級や学年の枠を超えて行われるために, 全ての生徒の活動を把握することは困難であるため, 学級担任以外の教師も評価する必要があります 特別活動の評価資料集約用シート ( 資料 1は随時記入していく例を提示している ) を準備し, 学校の実態に合わせ, 生徒のよさや可能性, 興味 関心, 活動の様子などをその都度記録できるようにします また, 言語活動の充実を図る観点から, 学校行事を通して気付いたことなどを振り返り, まとめるなどの活動が充実できるように, 学校行事カードなどを作成し, 教師の評価の参考にすることが考えられます 生徒の感想文などがある場合は, それらを評価の参考とすることも考えられます 資料 1 評価資料集約シート > この手引きは, 国立教育政策研究所で公開されている 評価規準の作成, 評価方法等の工夫改善のための参考資料 ( 中学校 ) などを参考にして, 作成しています 以下のURLをご参照ください http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html 特活 -12