本資料に記載されている見通しは 弊社グローバル債券 通貨運用グループ ( 以下 債券チーム ) の見解です 今週の戦略要旨 米国の経済活動およびインフレ指標は改善しています 弊社では 米金利は上昇するとの見通しを強めています 主要中央銀行は 様子見姿勢を維持しています 弊社では 日本銀行は 7 月中に BoE( イングランド銀行 ) は 8 月中に追加緩和策を打ち出すのではないかと考えています 弊社では 米国企業のファンダメンタルズが悪化しており 社債市場にとって夏場は逆風となりやすい季節であることから 米国の社債を弱気に見ています 高格付けの CLO( ローン担保証券 ) や非政府系 MBS( モーゲージ証券 ) といった証券化商品は 利回り ファンダメンタルズ双方の面で 社債と比べて魅力的であると考えています 今週のチャート 市場予想を上回る堅調さを見せる 米国の経済指標 GS 米国 MAP サプライズ指数 ( 指数値 ) 1.5 1.0 0.5 0.0-0.5-1.0-1.5 V 左図は ゴールドマン サックス米国 MAP サプライズ指数の推移を示しています 同指数は 正の値になると米国の経済関連指標が市場予想を上回ったことを示唆します 米経済指標は市場予想を下回る期間が続いていましたが 足元は経済活動およびインフレ指標の改善を背景に GS 米国 MAP サプライズ指数は 2014 年後半以来の高水準となっています 米経済指標の改善は 弊社の米金利上昇見通しを支える一因となっています -2.0 2014 2015 2016 ( 年 ) 出所 : ブルームバーグ時点 :2014 年 1 月 ~2016 年 7 月 (2016 年 7 月のデータは 7 月 22 日時点 その他は各月末時点 ) 1/5
デュレーション戦略 ( 金利戦略 : 各国の金利動向を予想 ) 米国 日本に対する金利上昇の見通し 欧州に対する中立の見通し 弊社では 米金利は上昇するとの見通しを強めています 背景としては 米国内の経済に対する逆風が弱まっており 米経済指標が市場予想を上回る堅調さを見せていることが挙げられます ECB( 欧州中央銀行 ) は 7 月 21 日の政策理事会において 政策金利の維持および資産購入策の継続という方針を示し 弊社の事前予想に沿った内容となりました 国別配分戦略 ( 金利戦略 : 他国に対する相対的な金利の動きを予想 ) 日本に対する金利上昇見通し 欧州 豪州 カナダに対する金利低下見通し 足元の欧州金利低下を受けて 弊社では 米国 英国と比較して欧州金利が低下するとの見通し度合いを引き下げました BoE は 7 月 14 日 政策金利の据え置きを決定しました 弊社では 8 月に緩和策として 0.25% の利下げを行うと予想しています 加えて FLS( 融資のための資金調達スキーム ) を拡大する可能性もあると考えています 弊社では ECB は金融政策の変更を行わないと見ています 一方 ECB のマリオ ドラギ総裁が 現行の政策に対して今後取りうる拡大策についてコメントを行うと期待しています 弊社では 日本銀行は追加緩和策を実施するものと見ています 一方で 過去黒田総裁がサプライズの政策発表を行ってきたことを考慮すると 緩和策の内容を予想することは難しいと考えています 先日行われた参議院選挙の連立与党の大勝を受けて 財政および金融政策に対して何らかの調整が入る可能性があると予想しています 先進国 10 年債金利 欧州周辺国 10 年債金利 4% 3% 米国英国ドイツ日本 20% 15% ギリシャポルトガルイタリアスペイン 2% 1% 10% 0% 5% -1% 0% 2/5
通貨配分戦略 アジア通貨に対する概ね弱気の見通し 弊社では バリュエーション面からアジア通貨には割高感があると見ており また中国の影響でボラティリティが上昇する可能性があることから アジア通貨を概ね弱気に見ています 先進国通貨 ( 対円パフォーマンス ) エマージング通貨 ( 対円パフォーマンス ) 160 140 米ドルユーロ豪ドル 円安 160 140 ブラジル レアルメキシコ ペソトルコ リラ 120 120 100 80 円高 100 80 60 60 出所 : ブルームバーグ GSAM 期間 :2013 年 1 月 2 日 ~2016 年 7 月 22 日 (2013 年 1 月 2 日を100として指数化 ) クロス マクロ戦略 ( マクロ テーマに基づき 各資産間の相対的な動向を予想 ) ニュージーランドの金融環境緩和に伴い ニュージーランド ドルの下落を予想 弊社では 米国に対してニュージーランドの金融環境が緩和すると見ています 通貨に関しては 米ドルに対してニュージーランド ドルが下落すると見ており 金利に関しては米金利に対しニュージーランドの金利が低下すると見ています ニュージーランドの中央銀行は 軟調なインフレ指標を裏付けとして 次回会合において緩和政策を維持すると見ています 3/5
MBS( モーゲージ証券 ) 戦略 政府系 MBS に対する弱気の見通し 弊社では 政府系 MBS を弱気に見ています 現在のスプレッド水準は 期限前償還や供給増加というリスクを加味すると魅力的でないと考えています 金利の低下に伴い モーゲージ証券間でパフォーマンスの格差が出てくると見ており テクニカルにレラティブ バリューでの投資機会が創出されると考えています 非政府系 MBS CLO( ローン担保証券 ) に対するやや強気の見通し 弊社では 住宅市場は拡大期にあると見ています 商業用不動産は金融危機前のピークを 20% 上回る水準で推移しており 住宅用不動産は同ピークを 3% 下回る水準となっています 集合住宅を含む 商業用不動産は供給を上回る需要が存在し 空室率が下がっています 不動産価格の上昇や供給不足を背景に 足元商業貸し付けの融資基準は厳しくなっています 弊社では RMBS( 住宅ローン担保証券 ) の買い手が安定して存在していることから RMBS を強気に見ています また CMBS( 商業用モーゲージ証券 ) に関しては 短期的には投資妙味が薄れていると考えています コーポレート クレジット戦略 投資適格社債に対する中立の見通し ハイ イールド社債に対するやや弱気の見通し 弊社では投資適格社債を中立に見ていますが 米国のクレジット サイクルが後期に突入していること 季節要因が好ましくないこと 英国民投票の結果を受けて今後の経済や政治の先行きが不透明であることを背景に 投資適格社債のスプレッドが拡大する可能性を注視しています 足元 低格付けの社債は高格付け社債を上回るパフォーマンスを見せています 利回りを求める投資家の資金がハイ イールド社債や投資家人気の低いセクターに向かっています 投資適格社債スプレッド ハイ イールド社債スプレッド 2.5% 9.0% 1.5% 米国 欧州 8.0% 7.0% 6.0% 5.0% 米国 欧州 1.0% 4.0% 3.0% 0.5% 4/5
エマージング債券戦略 トルコの現地通貨建て 米ドル建て債券に対する弱気見通し トルコでは 先週エルドアン大統領によりクーデターが鎮圧されました 弊社では 政治不安が長期的に同国の経済成長に与える影響を懸念しており 政治および経済政策の進展を注視しています 軍隊や警察内部での混乱により トルコの外部および内部からの軍事攻撃に対する脆弱性が増しています クーデター未遂が経済に与え得るマイナスの影響としては 1 海外からの直接投資減少 2 トルコへの旅行者の減少 3 政策に不透明感が漂う中での消費手控えが挙げられます 現在の環境がトルコ経済に逆風となっていることから 弊社では トルコの現地通貨建て 米ドル建て債券を弱気に見ており トルコ リラを中立に見ています エマージング国債スプレッド 5.5% 5.0% 4.5% 4.0% 3.5% 3.0% 2.5% ( 年 / 月 ) 本資料は 情報提供を目的としてゴールドマン サックス アセット マネジメント株式会社 ( 以下 弊社 といいます ) が作成した資料であり 特定の金融商品の推奨 ( 有価証券の取得の勧誘 ) を目的とするものではありません 本資料は 弊社が信頼できると判断した情報等に基づいて作成されていますが 弊社がその正確性 完全性を保証するものではありません 本資料に記載された過去のデータは 将来の結果を示唆あるいは保証するものではありません 本資料に記載された見解は情報提供を目的とするものであり いかなる投資助言を提供するものではなく また個別銘柄の購入 売却 保有等を推奨するものでもありません 記載された見解は資料作成時点のものであり 将来予告なしに変更する場合があります 個別企業あるいは個別銘柄についての言及は 当該個別銘柄の売却 購入または継続保有の推奨を目的とするものではありません 本資料において言及された証券について 将来の投資判断が必ずしも利益をもたらすとは限らず また言及された証券のパフォーマンスと同様の投資成果を示唆あるいは保証するものでもありません 本資料の一部または全部を 弊社の書面による事前承諾なく (I) 複写 写真複写 あるいはその他いかなる手段において複製すること あるいは (Ⅱ) 再配布することを禁じます 2016GoldmanSachs.Allrightsreserved. <58951-OTU-325442> 5/5