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01 【北海道】

平成 29 年度第 1 回徳島県医療審議会 質疑 調整会議での議論を待たずしてかなりの病床の移動が起こりつつある それをコントロールできないと 調整会議そのものが意味をなさなくなるのではないか 1 当会議の運営要領を定めてはどうか 2 病床機能分化 連携推進体制整備事業について当会議の審議事項として

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

一般会計負担の考え方


2. 看護職員の賃金処遇の状況新卒者の初任給 夜勤手当は前回調査 (2014 年 ) より若干減少 7 ページ < 給与 > 高卒 +3 年課程卒 の新卒看護師の予定初任給は 平均税込給与総額が前年度比で 552 円減 大卒 の新卒看護師の予定初任給は 平均税込給与総額が前年度比で 1,018 円減

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

第3章 指導・監査等の実施

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

< 夜勤手当 > 三交代制準夜勤手当の平均は 4,190 円 深夜勤手当の平均は 5,259 円であり 二交代制夜勤手当の平均は 10,859 円である いずれも前回調査 (2011 年 ) より若干減少している 病床規模別にみると 三交代制 二交代制ともに小規模病院ほど夜勤手当額が高い傾向にある

Microsoft Word - 別紙1(記載要領)保助看准

13 (参考資料4-5)松下参考人資料(三菱総研)

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消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

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07体制届留意事項(就労継続支援A型)

全自病協第 582 号 平成 27 年 2 月 13 日 地方会議担当支部長様 公益社団法人全国自治体病院協議会 会長 邉見公雄 平成 27 年度地方会議における共通議題について 日頃から支部活動にご尽力をいただき感謝申し上げます さて 平成 27 年度地方会議における共通議題について 常務理事会で

H28秋_24地方税財源

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改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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2. 看護職員の充足状況看護職員に対する不足感は強く 職種別では看護師 看護補助者の不足感が強い 8 ページ 自院の看護職員数について 不足感がある やや不足感がある とで全体の 75.7% に上った 病 床規模別に見ると 500 床以上 の病院の不足感が強い 100~400 床台の病院では不足感の

「平成30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(平成30 年3月28 日)」の送付について【介護保険最新情報Vol.633】(厚生労働省老健局老人保健課:H )

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= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

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調査概要 1) 調査期間 2013 年 2 月 4 日 ~3 月 20 日 2) 調査方法 1 施設調査 2 個人調査とも 自記式調査票を郵送配布 回収 3) 調査対象 1 全国の 8,633 病院の看護管理代表者回収数 2,651 件 ( 回収率 30.7%) 2 本会会員 1 万人を無作為抽出有

医療的ケア児について

要望書 平成 30 年 8 月 23 日 千葉県知事森田健作 様 公益社団法人千葉県看護協会 会長寺口惠子 人生 100 年と言われる時代に入りました これからはどう生きるかを自身で選択し 人生を描き創り上げていくことが求められます 一方 少子超高齢社会の現在 医療は 病院完結型から地域完結型への移

【資料1】結核対策について

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

計画の今後の方向性

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

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区分

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

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7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

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平成29 年度介護報酬改定による介護職員処遇改善加算の拡充について【介護保険最新情報Vol.580】(厚生労働省老健局振興課、老人保健課:H )

2. 看護人材の地域での活用約 8 割の病院が看護人材を地域で活用する取り組みを実施 6 ページ 地域包括ケアシステムの構築に向け 従来の病院完結型から地域完結型の体制への転換が図られる中 病院の看護人材を地域の医療資源として活用することに関する病院の取り組みの実態と看護管理者の意識を把握しました

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認知症医療従事者等向け研修事業要領

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医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書 第4-1

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか

本来目指すべき療養病棟の転換の方向性 ( イメージ ) 一般病床 医療療養病床 (5:) 介護療養病床 H9 年度末で廃止 (6 年間の経過期間 ) 地域医療構想の推進と療養病床の再編 現行の介護療養病床は平成 9 年度末で廃止 ( 経過措置あり ) となり 新たな類型として介護医療院が設置され こ

1.2 回答者の属性回答病院の設置主体は医療法人が 81.7% 社会福祉法人が 7.4% 社会医療法人が 5.7% であった ( 図表 1) ( 図表 1) 設置主体 5.7% 4.6% 0.6% n=175 医療法人 7.4% 社会福祉法人 ( 図表 3) 療養病床割合 ( 対総病床数 ) n=1

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( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

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社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

ナースセンター登録データ ナースセンター登録データ は 都道府県ナースセンターが運用している求職 求人システム (NCCS : Nurse Center Computer System) に登録された求職者や求人施設 求人等に関するデータであり 都道府県ナースセンターを通じた看護職の求職 求人の状況

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平成18年度標準調査票

る暴力団及び暴力団員等 ( 以下 暴力団等 という ) の支配を受けてはならない 5 指定居宅サービス事業者等は 省令の規定 ( 規則で定めるものに限る ) による評価の結果を公表するよう努めなければならない 6 指定居宅サービス事業者等は 省令の規定 ( 規則で定めるものに限る ) に規定する研修

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高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

出時に必要な援助を行うことに関する知識及び技術を習得することを目的として行われる研修であって 別表第四又は別表第五に定める内容以上のものをいう 以下同じ ) の課程を修了し 当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者五行動援護従業者養成研修 ( 知的障害又は精神障

複数名訪問看護加算 (1 人以上の看護職員等と同 2 人以上による訪問看護を行う場合 行 ) 看護師等と訪問 看護師等と訪問 4,500 円 30 分未満 254 単位 准看護師と訪問 3,800 円 30 分以上 402 単位 看護補助者と訪問 ( 別に厚生労働省が定める場合 看護補助者と訪問 を

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

Microsoft PowerPoint - (参考資料1)介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

第17回税制調査会 資料1-3

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, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

看護職員が看護補助者との同行訪問により訪問看護を実施する場合 利用者の身体的理由においても算定可能になりました 算定対象 1 別表第七に掲げる者 ( 厚生労働大臣が定める疾病等 2 表第八に掲げる者 ( 特別管理加算の対象者 ) 3 特別訪問看護指示書による訪問看護を受けている者 4 暴力行為 著し

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歯科中間報告(案)概要

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Microsoft Word - 発出版QA

お知らせ 柔道整復師の資格を取得される皆さま 関係の皆さまへ 平成 30 年 4 月から 柔道整復療養費の受領委任を取り扱う 施術管理者 になる場合は 実務経験と研修の受講が必要となる方向で 以下のとおり検討しています 柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する 施術管理者 になるための要件について

点検項目 605 認知症対応型共同生活介護費 点検事項 点検結果 夜勤減算介護従業者の数が共同生活住居ごとに1 以上 満たさない身体的拘束等を行う場合 態様 時間 心身の状況 緊急や身体拘束廃止未実施減算 未実施むを得ない理由を記録 夜間支援体制加算 (Ⅰ) 夜間支援体制加算 (Ⅱ) 身体的拘束等の

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平成29年度 障害者白書(PDF版)

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資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

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各都道府県介護保険担当課 ( 室 ) 各市町村介護保険担当課 ( 室 ) 各介護保険関係団体御中 厚生労働省老健局老人保健課 介護保険最新情報 今回の内容 2019 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.2) ( 令和元年 7 月 23 日 ) の送付について 計 8 枚 ( 本紙を除く ) V

1

Transcription:

要望 1 夜勤 交代制勤務の特性に鑑みた適切な規制の実現 夜勤 交代制勤務の特性を踏まえた労働環境の整備が進むよう 適切な規制等を法制度の中で明確に位置づけられたい 看護師等の人材確保の促進等に関する法律 基本指針 を改訂し 夜勤交代制勤務負担の軽減に向けた改善目標を示されたい 労働時間等設定改善指針 改訂にあたり 夜勤 交代制勤務者の勤務実態を踏まえた勤務負担軽減の取組みの必要性および改善目標を明記されたい 看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針 ( 平成 4 年 12 月 25 日 文部省 / 厚生省 / 労働省 / 告示第一号 ) の告示から 20 年余を経て 看護職員の就業実態並びに確保を取り巻く状況が大きく変化している 現状を踏まえた新たな人材確保の基本指針が求められる 図 1 3 交代制勤務では勤務間インターバルが短い 一方 現行法制では夜勤 交代制勤務に関する規制がほとんどないため 看護職員の夜勤 交代制勤務の負担が非常に重くなっている 実効性ある法的規制の導入および指針の策定が不可欠である 労働時間等設定改善法 改正案において 新たに 勤務間インターバルの確保 が事業主の努力義務とされ 勤務間インターバル と 深夜業の回数 が労働時間等設定改善の取組み項目として明記されている 労働時間等設定改善指針 は法令に基づく勤務環境改善の指針であり 事業主への行政指導の根拠となるため 現場の取組みの促進が期待される 盛り込むべき具体的内容は以下のとおり 図 2 2 交代制勤務の夜勤時間 1 勤務間インターバルの確保 勤務間隔 11 時間以上 かつ 勤務拘束時間 13 時間以内 夜勤後の休息時間の確保 2 連続の夜勤後にはおおむね 48 時間以上 1 回の夜勤後についてのおおむね 24 時間以上を確保することが望ましい 2 深夜業の回数 3 交代制勤務で月 8 回以内 3 交代制以外の交代制勤務は労働時間に応じた回数 日本看護協会 2013 年 看護職の夜勤 交代制勤務ガイドライン の普及等に関する実態調査 公益社団法人日本看護協会 1

要望 2 訪問看護提供体制の推進 1) 地域における訪問看護提供体制の推進を後押しする 訪問看護推進総合計画 を策定されたい 増大する訪問看護ニーズに対応するための訪問看護師の倍増を図る具体的な施策の立案 ( 目標値と戦略 ) 地域において訪問看護を安定的に提供するための訪問看護ステーションの大規模化の推進 ( 既存補助金制度の活用推進 財政措置の強化等 ) 2) 厚生労働省において 訪問看護に係る組織体制の明確化をはかられたい 施策を担当する部署を定め 対外的な窓口を一本化 訪問看護施策を推進するための部署横断的な組織体の設置 訪問看護の役割の増大 高齢化等に伴い増大する在宅医療ニーズに加え 病床の機能分化 連携の推進により 2025 年には約 30 万人が医療機関から地域に移行する見込みである 一方で 精神障害者の地域移行施策の強化 医療的ケア児の増加等により 訪問看護の利用者が多様化している また 在宅での看取りも推進されており 訪問看護の役割は量的にも質的も大きくなっている これらに対応するため 地域の訪問看護提供体制の強化 推進は喫緊の課題である 訪問看護提供体制の現状 全国的な訪問看護ステーションの数は年々増加しているが 1 か所あたりの看護職員数でみると小規模なステーションが多く (5 人未満が約半数 ) 地域的な偏在も課題である 訪問看護ステーション開設の意思決定のトリガーとなる訪問看護師数を早期に確保することが必要である 平成 30 年度報酬改定では医療機関による訪問看護も推進されたが 訪問看護に取組む医療機関の数は未だ少数である 施策の強化の必要性 都道府県では 医療計画 ( 地域医療構想 ) および介護保険事業 ( 支援 ) 計画の中で 地域のニーズを踏まえて必要な訪問看護ステーション数等を定めている 計画が実効性あるものとなるためには 国が訪問看護に係る組織体制の明確化をはかるとともに 訪問看護を推進する国としての総合計画を示し 都道府県における訪問看護体制の確保 強化を強力に後押しすることが必要である 従業員規模別の訪問看護ステーション数 ( 割合 ) の推移 訪問看護ステーション 2.8% 助産所 0.1% 就業場所別看護職員数 ( 常勤換算 ) ( 平成 28 年 12 月末値 ) 都道府県 0.1% 保健所 0.6% 社会福祉施設 1.5% 市区町村 2.3% 介護保険施設等 8.7% 事業所 0.6% 診療所 14.9% 病院 66.5% 看護師等学校養成所又は研究機関 1.3% ( 人 ) 160,000 訪問看護ステーション就業看護職員数 ( 常勤換算 ) 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 実測値 *1 試算値 *2 40,000 22,920 20,000 需要数 150,000 人 *3 65,333 2.5~3 人 3~4 人 4~5 人 5~7 人 7~10 人 10~15 人 15~20 人 20 人以上 引用 : 社保審介護給付費分科会第 142 回 (2017.7.5) 参考資料 2 平成 28 年度衛生行政報告例より作成 公益社団法人日本看護協会 0 H18 H20 H22 H24 H26 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 *1: 平成 18 20 22 24 26 28 年度衛生行政報告例より引用 (2025) *2: 過去 2 回調査実測値より 増加数を固定して計算 *3: 訪問看護アクションプラン2025(( 公社 ) 日本看護協会 ( 公財 ) 日本訪問看護財団 ( 社 ) 全国訪問看護事業協会,2004 2

要望 3 介護施設等で働く看護職員の処遇の改善 介護施設等で働く看護職員の確保にあたり 病院と同等となるよう 賃金について処遇の改善を図られたい 介護施設等の利用者の医療依存度は高く その医療的な対応 診療の補助を担う看護職員なしでは成り立たない さらに 介護施設等で働く看護職員の多くは 看取り 感染管理等に関する業務において施設職員に対し 質にかかわる指導的な役割を果たしている 介護老人福祉施設 ( 特別養護老人ホーム ) で働く看護職員の離職率は 病院の看護職員の2 倍で介護職員よりも高く 定着が難しい 介護施設等 ( 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 訪問看護ステーション ) で働く看護師の賃金水準は いずれの年代でも病院で働く看護師より低く 平均年齢が高いにもかかわらず 病院で働く看護師と比べた平均賃金額も低い また 介護施設等では主任相当職や管理職と非管理職との賃金処遇の差が少ない 現状のような処遇差では 病院から介護領域へ労働移動が進みにくい 介護施設等のサービスの質を維持 向上するために 介護施設等で働く看護職員の処遇の改善は必須である 新しい経済政策パッケージ の中で 勤続 10 年以上の介護福祉士について 月額平均 8 万円相当の処遇改善に充てる公費 1,000 億円程度の執行にあたっては 介護施設等で働く勤続 10 年以上の看護師の処遇改善への活用を支援されたい 常勤看護職員および介護職員の離職率 (2014 年度 ) 特別養護老人ホーム病院 常勤看護職員 21.5% 10.8% 新規採用 39.8% 7.5% 常勤介護職員 15.4% 新規採用 29.7% 450,000 400,000 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 看護師の平均賃金 ( フルタイム勤務の正規職員 非管理職 )( 給与総月額と基本給月額 ) 介護施設等で働く看護師と病院で働く看護師の比較 393,883 381,514 (122) 382,309 (118) (118) 357,238 (111) 330,422 322,787 (102) 320,108 323,300 320,177 (100) 309,379 (114) (115) (114) 297,596 300,873 288,960 292,796 (110) 280,496 291,894 296,358 (103) (104) (107) (134) (100) 280,007 (132) 260,465 (127) 237,139 (118) 221,209 (107) (100) 252,479 259,305 255,219 204,146 244,136 (116) 240,221 (113) (114) 223,193 224,559 229,125 (109) (108) (100) (101) (103) 24 歳以下 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳介護施設等 / 給与総月額病院 / 給与総月額介護施設等 / 基本給月額病院 / 基本給月額 出典 : 平成 28 年度介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業報告書 2012 年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書 2015 年病院看護実態調査 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設における看護職員実態調査 ( すべて公益社団法人日本看護協会 ) 公益社団法人日本看護協会 3

要望 4 看護師基礎教育の 4 年制化の実現 1) 患者像の複雑化に対応するため 下記のように看護師基礎教育を拡充されたい 療養の場の変化に応じ 在宅看護領域の教育内容の追加 複数疾患をもつ人の身体状況を的確に把握し 判断し 対応できるよう臨床推論力を養う教育を追加 複雑な状況にある人を全人的に捉え 判断し 対応する基礎となる力を養う統合教育 ( 実習 ) を追加 2) 必要な教育時間を確保するため 看護師基礎教育を 4 年制化されたい 1) 看護師基礎教育の拡充 これからの看護提供においては 高齢化等による患者像の複雑化に対応することが求められる また 短期間での集中的な入院治療のみならず 在宅での予防から看取りまでの支援を視野に入れた活動が不可欠である また 複数の疾患や複雑な社会的背景等を有する患者が増加する状況に対応するためには すべての看護師の臨床実践能力の向上が求められる そのため 看護師に求められる役割を果たすための基盤となる能力を養うことができるよう 看護師基礎教育の見直しが必要である 特に 療養の場の変化に応じた在宅看護領域の教育内容の増加 複数疾患をもつ人の身体状況を的確に把握し 判断し 対応できるよう臨床推論力を養う教育 や 複雑な状況にある人を全人的に捉え 判断し 対応する基礎となる力を養う統合教育 ( 実習 ) の追加は必要不可欠である 2) 必要な教育時間を確保するための看護師基礎教育の 4 年制化 看護師基礎教育では 30 年もの間 総教育時間数を増やさずに 社会のニーズに応じて教育内容を追加してきたため 1 専門領域あたりの教育時間 ( 特に実習 ) が半減しており 現場の看護管理者へのヒアリングでも新卒看護師の臨床実践能力の低下が指摘されている また 就職後 1 年以内の新卒看護師の離職は年間 4,200 人にも上り 離職理由として 適性 能力への不安 (24%) が最も多く挙げられている 社会のニーズに応えられる看護師を確保し続けるため 看護師基礎教育を 4 年に延長し 必要な教育時間を確保することで 新卒看護師の臨床実践能力の向上を図ることが不可欠である 総教育時間数 3,000 2,000 老人看護学母性看護学小児学総論成人看護学基礎看護学 2,130 2,025 2,130 1,000 510 510 510 0 360 360 360 1 専門領域あたりの 225 実習時間数実習は1/2 150 128 平成元年 在宅看護論精神看護学老年看護学母性看護学小児学総論成人看護学基礎看護学 約 3,000 時間 平成 8 年 看護の統合と実践在宅看護論精神看護学老年看護学母性看護学小児学総論成人看護学基礎看護学 平成 21 年 ~ 専門領域数の増加 出典 : 看護教育の内容と方法に関する検討会資料を改変 新卒の看護職員 ( 病院就業 )55,471 人 1) 離職率 7.6% 2) 1 年以内の離職者は約 4,200 人と推計 新卒看護師の離職理由 3) 第 1 位適性 能力への不安 24% 引用 :1) 日本看護協会出版会編 看護関係統計資料集 における H28 年 3 月の大学 短大 養成所 5 年一貫教育 看護師 2 年課程卒業者のうち保健師 助産師 看護師として病院に就業した者及び准看護師養成所卒業者のうち准看護師として病院に就業した者 2) 日本看護協会 2017 年病院看護実態調査 3) 栃木県看護協会 平成 28 年度離職状況施設調査 公益社団法人日本看護協会 4

要望 5 看護関連事業に係る 地域医療介護総合確保基金 の拡充と適切な活用の推進 地域医療介護総合確保基金 を活用した地域の医療介護提供体制の整備が適切に進むよう 都道府県における基金事業計画の策定と実施を支援されたい 従前は国庫補助事業として実施されていた看護関連の事業が地域のニーズに応じて遜色なく またはそれ以上に実施されるための支援 地域包括ケアシステムに重要な訪問看護体制の確保 特定行為に係る看護師の研修等への積極的な活用の推進 平成 26 年度に消費増税分を活用した新たな財政支援制度として 地域医療介護総合確保基金 が創設される際に 従前は国庫補助事業として 行われてきた看護関連事業が本基金で行われることとなった しかし 基金の対象事業には 制度創設に際し多くの新たな事業が対象として追加されているおり また 病床の機能分化 連携に重点配分するという国の方針が示されていることもあり 年度を追って事業費が減少している まずは 従前からの継続事業について各地域の実情 ニーズに対応して的確に実施されているかという視点からの確認が必要である また 平成 31 年 10 月の消費税引き上げ (8% 10%) に際しては 看護関連事業に係る本基金の拡充を図られたい 国が示している通り 先行的に在宅医療等の整備を進めていかないと 退院後の在宅移行の受け皿ができず かえって病床の機能分化 連携が進まない ( 厚生労働省医政局地域医療計画課資料より引用 ) 在宅療養に不可欠と思われる訪問看護については その開設にあたり本基金を活用できることになっているが 施設 設備の整備等の費用を支弁するものに限定されている 事業が安定化するまでの間の人件費等の運営費用にも活用できるよう見直されたい 同様に 特定行為に係る看護師の研修についても本基金を活用できることになっているが そのことが要綱等に明示されていない 活用が進むように 事業例に追加する あるいは通知等で周知を図られたい 地域医療介護総合確保基金 ( 医療分 ) < 主な看護関係事業への配分額 > 地域医療介護総合確保基金 ( 医療分 ) 配分状況 / 全国値 < 各事業区分の総事業費および看護関係事業費 > 524.0 314.3 454.4 384.5 457.7 ( 億円 ) 399.5 205.6 174.1 220.0 212.6 3.7 7.5 1 2 4 平成 26 年度 0.1 64.7 4.3 46.5 0.4 4.0 1 2 4 1 2 4 平成 27 年度平成 28 年度 1. 病床の機能分化 連携 2. 在宅医療の推進 4. 医療従事者の確保各区分の総事業費その内看護関係事業 自由民主党厚生労働部会看護問題小委員会 (2015~2017 年 ) 厚生労働省提出資料掲載データを用いて日本看護協会が作成 ( 億円 ) 自由民主党厚生労働部会看護問題小委員会 (2015~ 2017 年 ) 厚生労働省提出資料掲載データを用いて日本看護協会が作成 公益社団法人日本看護協会 5