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目 次 1 試験所 ( 臨床検査室 ) 認定制度... 3 1.1 試験所認定制度... 3 1.2 臨床検査室認定制度... 3 1.3 適合性評価制度と試験所認定制度... 3 1.4 認定と認証の違い... 4 1.4.1 試験所認定と ISO 9001 認証... 4 1.4.2 臨床検査室認定と ISO 9001 認証... 4 1.4.3 ISO 9001 認証と異なる技術的要求事項 (ISO/IEC 17025 ISO 15189)... 5 1.4.4 認定シンボル... 5 1.4.5 試験所認定のメリット... 5 1.4.5 試験所認定のメリット... 6 1.5 国際相互承認... 7 1.5.1 APLAC ( アジア太平洋試験所認定協力機構 )... 7 1.5.2 ILAC ( 国際試験所認定協力機構 )... 8 2 認定の基準及び条件... 9 2.1 試験所 校正機関の認定基準等... 9 2.1.1 認定基準... 9 2.1.2 手順... 9 2.1.3 指針... 9 2.1.4 技術ノート... 10 2.1.5 認定試験方法の規格... 10 2.2 技能試験... 10 3 試験所認定の手順... 12 3.1 審査 認定の手順... 12 3.1.1 申請... 13 3.1.2 予備訪問... 13 3.1.4 現地審査... 13 3.1.5 審査後... 13 3.1.6 サーベイランスと更新審査... 14 3.1.7 認定の地位についての言及... 14 3.2 お問合せ... 14 4. 引用文書... 15 付録 1... 16 付録 2... 17 初版 :2009-03-01 2/18 第 2 版 :2014-05-13

1 試験所 ( 臨床検査室 ) 認定制度 1.1 試験所認定制度試験所認定制度とは 認定機関が ISO/IEC 17025( 試験及び校正を行う試験所の能力に関する一般要求事項 ) と呼ばれる国際規格に基づき 試験所 校正機関の審査を行い 試験又は校正を行う能力を有していることを認定する制度である 試験所には第三者機関としての試験所と企業内の試験所があるが 両者とも試験所認定を取得することができる 世界の多くの国が 試験所 校正機関の技術的能力を判断するために試験所認定を判断基準として用いている 通常 試験所認定は国内の認定機関によって行われ 認定機関はその国の試験所 校正機関の認定に対して責任がある 1.2 臨床検査室認定制度 臨床検査室に関しても 試験所認定制度と同様の制度を求める動きが高まり 2000 年 10 月 20 日に開催された国際試験所認定協力機構 (ILAC) の総会において 臨床検査室に関する基準が ISO から発行された暁には 国際的な認定の基準として認定に用いてよいこと 及び ISO/IEC 17025 による試験所認定制度と同様に ILAC 相互承認の testing 分野でカバーされることが合意された ( なおその後 臨床検査室の認定は相互承認として独立の分野とすることが 2005 年の APLAC 総会で決定されている ) 2003 年 2 月 15 日 ISO 15189( 臨床検査室 - 品質と能力に対する特定要求事項 ) が発行され その後 2007 年 4 月 15 日に第 2 版 (ISO 15189:2007) に改定された そして 2012 年 11 月 1 日に ISO 15189( 臨床検査室 - 品質と能力に対する要求事項 ) 第 3 版に改定された この規格発行に伴い 臨床検査室認定制度が世界中に普及しつつある 従って本文書においても 臨床検査室認定制度は特に区別していなければ試験所認定制度の中に含んでいることとし また ISO/IEC 17025 と書かれている場合には ISO 15189 と 試験所は臨床検査室と 試験は検査と 試験報告書は検査結果報告書とそれぞれ読み替えていただきたい 1.3 適合性評価制度と試験所認定制度国際標準化機構 は国際規格や標準類を作成する団体で ペーパーワークを行っており が作成した規格類をどこが使用するかという規則はない しかし 自分で規格に適合していると唱えても信用されないので とは別の第三者機関が 適合性評価規格で適合性を確認するスキームが構築されている この確認プロセスを 適合性評価 と呼んでおり 確認する機関が 適合性評価機関 である 適合性評価に関係する機関の関係とその機関に対する要求事項を規定した国際規格を図 1 に示す 試験所認定制度の場合は ISO/IEC 17011 に準拠した認定機関が ISO/IEC 17025 の要求事項 ( 付録 2 参照 ) に適合した試験所 校正機関を認定する 認定された試験所 校正機関は適合性評価機関として認められる 認定機関としての能力は APLAC(2.5.1 参照 ) の地域相互承認の枠組みの中で 互いに評価し合っている 更に 地域相互承認の報告を ILAC(2.5.2 参照 ) という国際的な相互承認の協定 初版 :2009-03-01 3/18 第 2 版 :2014-05-13

内で確認している 製品認証 MS 審査登録検査試験 校正臨床検査 国際的 MRA 枠組み IAF ILAC 地域間 MRA 枠組み 相互承認 PAC, EA ISO/IEC DIS 17040 APLAC, EA ISO/IEC DIS 17040 認定機関 認定 JAB( 認定機関 ) ISO/IEC 17011 適合性評価機関 製品認証機関 QMS/EMS 認証機関 検査機関 試験所 校正機関 臨床検査室 認証 / 審査登録試験 検査 ISO/IEC 17065 ISO/IEC 17021 ISO/IEC 17020 ISO/IEC 17025 ISO 15189 評価の対象 プロセス 製品 組織 製品 サンプル 検体 評価に使用する規格類 製品規格 ISO 9001 ISO 9001/ ISO 14001 検査規格 試験規格 検査法 図 1 適合性評価のしくみ 1.4 認定と認証の違い 1.4.1 試験所認定と ISO 9001 認証試験所認定と ISO 9001 の認証は図 1 に示すように認めているレベルが異なる 認定 (Accreditation) とは権威のある機関がある組織又は個人が特定の職務を果す能力のあることを公式に認める手続きであるが 認証 (Certification) は製品 方法又はサービスが所定の要求事項に適合していることを第三者が文書で保証する手続きをいう もし試験所が ISO 9001 により認証された場合は その試験所が品質マネジメントシステムを構築していることを保証するが 試験を行う技術的能力を有していることの証明にはならない 一方試験所認定は ISO 9001 認証で規定されている品質マネジメントシステムの要素が含まれており 品質マネジメントシステムの構築に加えて 技術的に適格であり妥当な結果を出す能力があることを証明したこととなるので 試験所の役割からして認証ではなく ISO/IEC 17025 の認定を取得するのが国際的にも一般的である 1.4.2 臨床検査室認定と ISO 9001 認証病院はサービスを行う組織として ISO 9001 により認証されていれば 安定した顧客志向のマネジメントをしていることをアピールできるが 前項でも述べ 初版 :2009-03-01 4/18 第 2 版 :2014-05-13

たように 特定の業務能力を証明したことにはならない 病院は高度で複雑な判断が要求されているため その全体の能力を審査し 評価することはなじまないが 主治医の権限外にある検査結果が 診断 治療方針の決定 予後推定に重大な影響をもつことに目を向けたのが臨床検査室認定制度である 臨床検査室は 精確な (accurate) 結果 を提供する能力が問われる他 検査室外のいかなる人も検査結果を変更することができない業務の独立性が要求される 1.4.3 ISO 9001 認証と異なる技術的要求事項 (ISO/IEC 17025 ISO 15189) ISO 9001 と最も異なる技術的要求事項としては 測定の不確かさ推定を行わなければならないことが挙げられる 測定のトレーサビリティについても ISO 9001 認証より厳格に要求される さらに試験報告書の記載事項についても詳細に規定されている 認定された試験所は 運営に対しての独立性 公平性 誠実さ及び試験の能力を要求され 高水準の専門的技能を維持するため 定期的に再審査され 特定の技能試験プログラムに参加することも要求される 企業内試験所 ( 病院内の臨床検査室 ) の場合 試験結果の内容を企業 ( 病院 ) の意向で変えられない仕組みを持つことが必要である 1.4.4 認定シンボル試験所認定制度で認定された試験所 校正機関は試験報告書 校正証明書を発行する能力を承認されたことになるので 試験所の製品である試験報告書 校正証明書に認定機関の認定シンボルを表示することができる 一方 品質システム審査登録制度では 評価の対象は組織の品質マネジメントシステム (QMS) であって 組織の製品を保証したわけでない QMS 審査登録された組織はアウトプットである製品には認証機関や認定機関の認定シンボルを表示することはできず ISO9001 で認証登録された試験所 校正機関は 試験報告書 校正証明書に認定シンボルを付けることはできない Testing RTLXXXXX Medical RMLXXXXX JAB 試験所 臨床検査室の認定シンボル 初版 :2009-03-01 5/18 第 2 版 :2014-05-13

1.4.5 試験所認定のメリット経営者にとって 能力があると認定されることにより経営に資する ; 意図に左右されず事実に基づく 信頼に足る認定試験結果を用いることにより ( 新規 ) 事業の投資に対して 健全な判断を下せ 対外的に有利に投資を説明できる One stop testing による経営資源の効率化 ; 輸入元の購入先に 認定試験所 のデータであることを要求するだけで 購入品の再調査を自試験所で行う資源の浪費が回避される 自己適合宣言 ; JIS マーク制度で指定された製品以外の JIS 製品の規格適合性について 認定された試験所のデータを用いることにより 安心して経営者が自己適合宣言できる 病院の院長にとって 臨床検査室の役割とその信頼性の向上診断 予後及び治療についての意志決定はしばしば臨床検査の成績と解釈に基づいて行われ 誤った検査結果により取り返しのつかない弊害を招くことがある 国際規格による認定取得を通して 検査結果の精確さが向上することにより より臨床的に良質な検査が施行されることになる 対外的な信憑性が高くなり その結果 病院の評判に繋がる 共通の組織目標 ; 病院と臨床検査室とが組織の目標を共有し スタッフ全員が一丸となって働くことを可能とし 働く意欲の増強を図ることができる 責任の明確化 ; 適切な品質管理システムを導入し 全員が自分の仕事の責任を確認できる このことにより医師は責任分担が明確になり臨床診断に力を注ぐことができる 試験所にとって 試験所の体質改善 ; 認定機関は 正確かつ信頼性のある試験結果を一貫して作成できるかを審査している 審査後 審査結果を報告し 改善すべき点を指摘するため 試験所にとっては業務実施能力の評価を受けるよい機会となる 市場における利点 ; 試験所認定は 技術能力の信頼できる指標として国内的 国際的に高く評価されている 多くの産業 例えば建設資材産業等では 試験所認定を試験サービス供給者の条件としており 世の中の要求となりつつある 技術能力の承認 ; 試験所認定は 能力のある試験所に対する正式な承認である 万が一試験報告書について訴訟問題等の不都合が生じた場合 試験所としての能 初版 :2009-03-01 6/18 第 2 版 :2014-05-13

力があることを証明する有力な証拠ともなる ビジネスチャンス ; 多くの認定機関は 認定した試験所 校正機関の連絡先に加えて試験能力に関する情報を含めた認定先リストを公表している これは 潜在的な顧客に対しての宣伝効果も期待できる 国際的な承認 ; 認定機関が締結する国際的な相互承認協定により 加盟諸国間での試験データの受け入れを可能とする 事実 協定に加盟している各国は 他の加盟国の認定試験所を自ら認定したかのように他国の認定試験所を承認している 認定試験所を利用することによって リスクの最小限化 ; 製品の特性を規格又は仕様に合致しているかを判断するために製品を試験所に送る際 技術的能力のある試験所を選ぶことにより欠陥のある製品又は供給のリスクを最小限に抑える 再試験の回避 ; 技術的能力のある試験所を選ぶことにより 再試験を要求される可能性を最小限に抑え かかる費用と時間を削減する 顧客からの信頼の向上 ; 製品が有能な試験所で徹底的に評価されたことを顧客が知れば 製品に対する信頼感を高められる 海外での試験結果の受入れ ; 認定プロセスは 試験所の能力を決定するために統一した 多くの国で実施されているアプローチに基づいて行なわれている 認定試験所で作成された試験結果は 海外市場における輸出品の受け入れをさらに容易にすることができる 1.5 国際相互承認 1.5.1 APLAC ( アジア太平洋試験所認定協力機構 ) アジア太平洋地域は APEC において 域内の自由貿易を推進するための機関として APLAC を設置し 認定機関の相互承認を進めている 1992 年に試験所間の情報交換 手順の整合 及び試験 校正結果の受入等の相互承認を推進するフォーラムとしてスタートし その構成メンバーはそれぞれ国から認められた認定機関である 現在 JAB は APLAC の正式会員 APLAC 多国間相互承認協定のメンバーとして活動している この相互承認の下 JAB の認定シンボルを付けた試験報告書 校正証明書は APLAC 相互承認の相手国内でも広く通用する貿易の手形となる 初版 :2009-03-01 7/18 第 2 版 :2014-05-13

1.5.2 ILAC ( 国際試験所認定協力機構 ) 試験所認定機関の国際的な協力機構として ILAC が組織されている 2000 年 11 月にヨーロッパ地域及びアジア太平洋地域など地域認定機関グループの相互承認を基にして 相互承認協定の調印が行われた 相互承認をした認定機関が認定した試験所 校正機関が信頼できるようにするための技術指針を作成 及び試験所 校正機関の試験報告書 校正証明書が各国間で受けいれられるよう 他の関係する国際機関と協議を行う等の活動をしている また ISO 15189 を ISO/IEC 17025 と同等規格とみなすことを合意し 2000 年 10 月に開催された ILAC の総会において 試験所認定制度と同様に ILAC 相互承認でカバーすることが合意された JAB は正式なメンバーであり 同時に ILAC 相互承認協定のメンバーでもある 現在 世界の 84 の認定機関と相互承認を締結し ほぼ主要国全域をカバーすることになった 参考 :ILAC ホームページでは 試験所 ( 認定に関する情報及び世界中の試験所認定機関リストも提供している 更に それらの認定機関は認定試験所 校正機関のリストを公表している ILAC Information Brochure という表題のパンフレットには ILAC の活動について詳しい情報が掲載され ている ILAC Secretariat c/o NATA, 7 Leeds Street, Rhodes NSW 2138, Australia +61-297435311 (FAX) http://www.ilac.org ilac@nata.asn.au 初版 :2009-03-01 8/18 第 2 版 :2014-05-13

2 認定の基準及び条件 2.1 試験所 校正機関の認定基準等 JAB が試験所等の適格性と信頼性について認定審査及び登録をする為に使用する認定基準 手順書及び指針は以下のとおりである 2.1.1 認定基準 (1) 臨床検査室以外の試験所 校正機関の認定基準 JIS Q17025(ISO/IEC 17025) 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 (2) 臨床検査室の認定基準 ISO 15189 臨床検査室- 品質と能力に関する要求事項 (3) 補足基準 GLP(OECD が定めた強制分野の試験所に対する要求事項 ) 等の法律又はこれに準じる規則の中で特別に試験所の資格条件が要求されている場合はその項目に対して補足基準を定め試験所の認定基準に用いる 2.1.2 手順 JAB RL200 認定を受けるための手順及び権利と義務( 試験所 校正機関 JAB RM200 認定を受けるための手順及び権利と義務( 臨床検査室 ) この文書は 試験所等を認定の基準に基づいて認定を受けるための手順及び権利と義務について規定しており JIS Q 17011(ISO/IEC 17011) 適合性評価 - 適合性評価機関の認定を行う機関に対する一般要求事項 を基に作成している JAB RL205 試験所 校正機関の認定範囲分類 この文書は臨床検査室以外の試験所 校正機関の分野及びクラスの分類を示す 申請範囲についてはこの文書を参照する JAB RM205 臨床検査室の認定範囲分類 この文書は臨床検査室の認定範囲に関する分野の分類を示す 2.1.3 指針特定の試験所の審査のため及びその試験所が考慮すべき内容を JIS Q 17025/ISO 15189 の要求事項の範囲で具体的に規定したもの JAB RM300 認定の基準 についての指針- 臨床検査室 - JAB RM320 分析前後段階の品質保証 についての指針- 臨床検査室 - JAB RL331 測定のトレーサビリティについての指針 JAB RL351 認定の基準 についての指針- 電気試験 / 高電圧試験 - JAB RL352 認定の基準 についての指針- 電磁両立性試験 - JAB RL355 認定の基準 についての指針- 化学試験 - 初版 :2009-03-01 9/18 第 2 版 :2014-05-13

JAB RL356 認定の基準 についての指針- 機械試験 / セメント- JAB RL357 認定の基準 についての指針- 電気試験 / 大電力試験 - JAB RL358 認定の基準 についての指針- 分子生物学的試験 - JAB RL359 認定の基準 についての指針- 微生物試験 - JAB RL360 認定の基準 についての指針- 冷凍空調暖房機器試験 - JAB RL361 認定の基準 についての指針- 医用電気機器安全試験 - JAB RL362 認定の基準 についての指針- 電気電子製品環境試験 - JAB RL363 放射能 放射線測定を行う試験所 検査機関についての認定指針 - 放射性表面汚染測定 空間線量率測定 - JAB RL364 放射能測定を行う試験所についての認定指針 -ガンマ線スペクトロメトリ による食品等の放射能濃度測定 - JAB RL370 認定の基準 についての指針- 校正分野 - JAB RL371 認定の基準 についての指針- 受信器 指示計器 ( 直流抵抗 直流電圧 直流電流 ) の校正 - 2.1.4 技術ノート試験所及び審査員など試験所認定の関係者が 不確かさの推定 を理解し実行する際に役立てる目的で JAB が国内外の基本的文献及び事例を集めて不確かさの推定事例集として纏めたもの これまでに JAB が作成した技術ノートは 次のとおりである JAB NOTE1 不確かさの求め方 ( 化学試験分野 ) JAB NOTE2 不確かさの求め方 ( 機械 物理試験分野 ) JAB RL503 JAB NOTE3 不確かさの求め方 ( 電気試験 / 高電圧試験分野 ) JAB RL504 JAB NOTE4 不確かさの求め方 ( 電気試験 / 大電力試験分野 ) JAB NOTE5 不確かさの求め方 ( 臨床検査 ) 作成中 JAB NOTE6 不確かさの求め方 ( 電気試験 / 冷凍空調試験分野 ) JAB RL508 JAB NOTE8 ディジタルマルチメータの校正 JAB RL509 JAB NOTE9 134 Cs および 137 Cs の放射能濃度測定に係る不確かさの評価ガイドライン 2.1.5 認定試験方法の規格申請者が申請した試験方法の規格申請者は試験報告書の作成に必要な試験方法の規格を逐一申請する 一つの試験規格の中で適用しない項目がある場合はその項目を除外して申請する 認定機関は申請された試験規格に要求された試験を行うことができるかどうかを審査する 2.2 技能試験 技能試験は 2つ以上の試験所 校正機関が 技能試験プロバイダーの供給する同一または類似の試験 校正品目について試験 校正を実施し それらのデータを技能試験プロバイダーに報告することから始まる プロバイダーは 試験所の試験能力や校正機関の校正能力を客観的に数値化し 報告書と 初版 :2009-03-01 10/18 第 2 版 :2014-05-13

してまとめる この報告書を基に試験所 校正機関が自己評価をすることができる 匿名性で行われ 与えられた識別番号で他の機関と比較することにより全体の中で位置付けできる これは試験 校正担当者の教育訓練にもなり 担当者の自信へと繋がるので 積極的に行うことが推奨される 技能試験は試験所認定制度の重要な一要素と考えられており 臨床検査室以外の場合は試験所認定を取得する前に1つ以上の技能試験に参加すること 及び認定された試験所 校正機関には少なくとも4 年に 1 回 取得した認定範囲の内 主要な分野の中のクラス毎に1つの技能試験に参加することを要求している 技能試験に関する要求事項は JAB RL230 技能試験の適用についての方針及び手順 に規定されている JAB が指定している技能試験には JAB 自身で行うもの (ISO/IEC 17043 に基づく ) JAB と共催で行うもの 適切なプロバイダーを正式に認めて使用するものがある 臨床検査室の場合は 認定を申請する及び認定済みの両者とも 少なくとも毎年 ( 社 ) 日本医師会等 2 団体が行う技能試験に参加すること 及び申請している中分類に含まれる小分類の各検査項目の少なくとも一つ以上の技能試験に毎年参加することが義務化される 臨床検査室は自ら実施している検査項目の総てに参加する必要がある 特殊な検査について JAB が参加を要求する場合は JAB の技能試験技術委員会が認めた技能試験プロバイダーの技能試験に参加する 尚 技能試験に関しては 申請の問い合わせ時に 技能試験の参加義務についての詳しい情報を必ず JAB から入手すること 初版 :2009-03-01 11/18 第 2 版 :2014-05-13

3 試験所認定の手順 3.1 審査 認定の手順 問合せ 更新 (4 年目 ) 認定申請 予備訪問 *1 書類審査 技能試験 不適合 是正処置 / フォローアップ審査 現地審査 不合格 審査結果の判定 合格 是正処置 不適合 認定 定期サーヘ イランス * 2 不合格 サーヘ イランス結果の判定 認定の継続 図 4 試験所認定のフロー 注 *1 オプション なお 原則として更新時には 実施されない *2 認定期間 (4 年間 ) に 2 回実施される 初版 :2009-03-01 12/18 第 2 版 :2014-05-13

3.1.1 申請試験所認定の申請は申請書一式 (JAB ウェブサイトより入手可能 ) を入手し 記入 押印した申請書 及び品質マニュアル 関連文書を提出することより始まる 認定を望む申請範囲は JAB が分類した分野及びクラス並びに試験方法 ( 試験規格 測定範囲等 ) に沿って申請する 校正機関の場合は校正方法及び校正測定能力を申請する なお 開発されていない試験分野及びクラス ( 分野の中の下位の試験範囲分類 ) に対しては 試験所からの要望に沿って認定対象試験分野及びその下位層のクラスの認定プログラムを準備して 基準類を公表し 逐次申請をいただく JAB が申請を受理すると 利害関係のない審査員を選定し 申請試験所が審査員を確認し 承認する 3.1.2 予備訪問予備訪問は 通常 審査を行うチームのチームリーダーにより行われ 通常半日で終了する 予備訪問では チームリーダーが試験 校正を行う設備を視察し 受審準備の状況の把握を行う 立会いする試験 校正業務等を勘案し 現地審査に要する時間を見積って 本審査である現地審査の計画を立てる 3.1.3 書類審査 審査チームが申請試験所を訪れずに 申請時に提出された品質マニュアル及び付属書類の内容の審査を行う 必要な文書類等の追加提出の依頼や 審査チームが抱いた疑問点等を電話 E-mail などで問合せることがある 3.1.4 現地審査審査の目的は 認定要求事項に適合しているかどうか 認定を希望している試験 / 校正の種類を実施する能力があるかどうか 立会い審査することにより判断することにある 開始会議の後 通常 審査チームは分かれて審査を実施する システム審査員 ( チームリーダー ) は 品質管理者及び関係する職員に確認しながら 試験所の品質システム 品質文書及び内部監査の結果等を調査する 技術審査員は業務実施における品質システム 設備 校正記録等を検討する また 試験 / 校正の実施を立会いし 試験実施者の特定の試験 / 校正を行う能力を審査する 不確かさについても JAB の方針に沿って扱われているか話合いを行い 審査を進める 審査チームが指摘する事項は客観的証拠に基づき記録され 審査員が現地を去る前の最終会議で確認する 事実に関する合意を確実にし また後の議論を避ける為にも検出した事項及びその根拠について確認を行い受審側の代表が署名をする チームリーダーは是正処置の手続きについて最終会議で説明を行う 3.1.5 審査後審査チームは審査報告書を JAB に提出する 審査で指摘された不適合事項があ 初版 :2009-03-01 13/18 第 2 版 :2014-05-13

れば 試験所は是正処置を行い 是正処置報告を JAB/ 審査員に行う 審査員が是正処置の内容を確認し 必要であれば フォローアップ審査を行う 審査チームが不適事項に対する是正処置の内容が満足であると認めた後 試験所認定委員会 ( 又は臨床検査室認定委員会 ) においてチームリーダーが認定委員会委員に審査の内容を報告し それを受けて委員が審議を行い 認定を授与するか否かの判断を行う その結果は通知書により試験所へ報告され 認定であれば認定証が発行される 3.1.6 サーベイランスと更新審査認定は4 年間有効であるが 初回の場合は初回認定日後 9ヶ月を過ぎた日から初回認定日の翌日から1 年以内の期間内に初回現地サーベイランス最終会議を行い 認定の有効期限前 年から 年 ヶ月の期間内に第 2 回目の現地サーベイランス最終会議を行わなければならない 更新の場合は認定の有効期限前 3 年 2 ヶ月から 2 年 9 ヶ月の期間内に第 1 回目の現地サーベイランス最終会議を行い 認定の有効期限前 1 年 9 ヶ月から 1 年 2 ヶ月の間に第 2 回目の現地サーベイランス最終会議を行わなければならない 定期的なサーベイランスの目的は その試験所 / 校正機関が継続的に基準へ適合しているかの確認を行うことにある 主として 職員 使用機器等の変更の確認 また前回行った是正処置 技能試験の結果等を確認する 更新審査では認定登録の有効期限 (4 年間 ) が近づき 認定の継続を希望する場合 有効期限満了日の 5 ヶ月前までに JAB へ更新審査の申請をし 有効期限内に更新のための認定審査を受け再認定される 更新審査は 予備訪問など省略されるものもあるが 初回審査と同様に全ての項目の審査を受けなければならない 3.1.7 認定の地位についての言及認定された試験所 校正機関はその分野 クラスの認定範囲に限り 認定の言及が許され JAB の認定シンボルの使用が認められる 認定シンボルの使用に関する規定は JAB N410 認定シンボル使用規則に別途定められている この規則に違反した場合は 試験所認定の停止又は取消しになることがある また JAB のウェブサイトでも 認定された試験所 校正機関として公表される 3.2 お問合せ試験所認定に関するお問合せ 申請のご相談は以下へ また 認定試験所 校正機関のリスト 並びに基準 手順 指針及び技術ノート等をウェブサイトで公開しておりますのでご利用下さい 公益財団法人日本適合性認定協会 認定センター 東京都品川区東五反田 五反田 ビル F 03-3442-1217, -1211 03-5475-2780 (FAX) http://www.jab.or.jp 初版 :2009-03-01 14/18 第 2 版 :2014-05-13

4. 引用文書 JAB RL205 試験所 校正機関の認定範囲分類 JAB RL230 技能試験の適用についての方針及び手順 JAB N410 認定シンボル使用規則 初版 :2009-03-01 15/18 第 2 版 :2014-05-13

付録 1 ISO/IEC 17025 の概要 [JIS Q 17025] 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 序文 1 適用範囲 2 引用規格 3 用語及び定義 4 管理上の要求事項 4.1 組織 4.2 マネジメントシステム 4.3 文書管理 4.4 依頼 見積仕様書及び契約の内容の確認 4.5 試験 校正の下請負契約 4.6 サービス及び供給品の購買 4.7 顧客へのサービス 4.8 苦情 4.9 不適合の試験 校正業務の管理 4.10 改善 4.11 是正処置 4.12 予防処置 4.13 記録の管理 4.14 内部監査 4.15 マネジメントレビュー 5 技術的要求事項 5.1 一般 5.2 要員 5.3 施設及び環境条件 5.4 試験 校正の方法及び方法の妥当性確認 5.5 設備 5.6 測定のトレーサビリティ 5.7 サンプリング 5.8 試験 校正品目の取扱い 5.9 試験 校正結果の品質の保証 5.10 結果の報告附属書 A( 参考 )JIS Q 9001:2000 との項目対照表附属書 B( 参考 ) 特定分野に対する適用を確立するための指針参考文献解説 ISO 15189 の概要 臨床検査室 - 品質と能力に関する要求事項 序文序論 1 適用範囲 2 引用規格 3 用語と定義 4 管理上の要求事項 4.1 組織及び管理主体責務 4.2 品質マネジメントシステム 4.3 文書管理 4.4 サービスの合意事項 4.5 委託検査室による検査 4.6 外部からのサービス及び供給品 4.7 アドバイスサービス 4.8 苦情処理 4.9 不適切な検査の識別及び管理 4.10 是正処置 4.11 予防処置 4.12 継続的改善 4.13 記録の管理 4.14 評価及び監査 4.15 マネジメントレビュー 5 技術的要求事項 5.1 要員 5.2 施設及び環境条件 5.3 検査室の機材 試薬 及び消耗品 5.4 検査前プロセス 5.5 検査プロセス 5.6 検査結果の品質の確保 5.7 検査後プロセス 5.8 結果の報告 5.9 結果の報告 ( リリース ) 5.10 検査室情報マネジメント 附属書 A ( 参考 )ISO 9001:2008 及び ISO/IEC 17025 との相互関係附属書 B( 参考 )ISO 15189:2007 と ISO 15189:2012 との比較参考文献 初版 :2009-03-01 16/18 第 2 版 :2014-05-13

付録 2 頭文字語 頭文字略語英語名 / 日本語名 Asia-Pacific Economic Cooperation APEC アジア太平洋経済協力会議 A Asia-Pacific Laboratory Accreditation Cooperation APLAC アジア太平洋試験所認定協力機構 European Cooperation for Accreditation EA 欧州認定協力機構 E G I J M O P EMS GLP IAF IEC ILAC ISO JAB JIS MRA OECD PAC Environmental Management Systems 環境マネジメントシステム Good Laboratory Practice 優良試験所規範 International Accreditation Forum 国際認定機関フォーラム International Electrotechnical Commission 国際電気標準会議 International Laboratory Accreditation Cooperation 国際試験所認定協力機構 International Organization for Standardization 国際標準化機構 Japan Accreditation Board ( 公財 ) 日本適合性認定協会 Japanese Industrial Standards 日本工業規格 Mutual Recognition Arrangement 相互承認協定 Organization for Economic Cooperation and Development 経済協力開発機構 Pacific Accreditation Cooperation 太平洋認定機関協力機構 Q QMS Quality Management Systems 品質マネジメントシステム 初版 :2009-03-01 17/18 第 2 版 :2014-05-13

様式番号 JAB NF18 REV.0 改 定 履 歴 ( 公開文書用 ) 版番号 改 定 内 容 概 略 発行日 文書責任者 承認者 1 新規発行 2009-03-01 PM( 電気試 事務局長 験 ) 2 定期見直し 2014 05-13 PM( 電気試験 ) 事務局長 初版 :2009-03-01 18/18 第 2 版 :2014-05-13